JP2000227607A - 情報記録方法及び情報記録装置 - Google Patents

情報記録方法及び情報記録装置

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JP2000227607A
JP2000227607A JP11029217A JP2921799A JP2000227607A JP 2000227607 A JP2000227607 A JP 2000227607A JP 11029217 A JP11029217 A JP 11029217A JP 2921799 A JP2921799 A JP 2921799A JP 2000227607 A JP2000227607 A JP 2000227607A
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Minoru Koshimizu
実 小清水
Takeo Kakinuma
武夫 柿沼
Hideo Kobayashi
英夫 小林
Haruo Harada
陽雄 原田
Hiroshi Arisawa
宏 有沢
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易かつ安価な情報記録媒体を用い、印加す
る電界を動的に制御して、低電圧で、解像度が高く、高
コントラストな記録を実現し、さらに可逆的に消去しう
る情報記録方法及び情報記録装置を提供する。 【解決手段】 基板上に、少なくとも電極層とメモリー
性を有する電気光学材料を含む情報記録層とをこの順に
積層してなる情報記録媒体表面に、印加する電界の極性
及び電位の少なくとも一方を段階的に変えて、電荷を複
数回付与すること又は基板上に、少なくとも電極層と光
導電層とメモリー性を有する電気光学材料を含む情報記
録層とをこの順に積層してなる情報記録媒体を選択的に
露光すると同時に、前記情報記録媒体表面の前記露光部
分を含む領域に、印加する電界の極性及び電位の少なく
とも一方を段階的に変えて、電荷を複数回付与すること
を特徴とする情報記録方法及び情報記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視又は不可視の
情報を、簡易かつ安価な構成の情報記録媒体に可逆的に
記録することのできる情報記録方法及びこれを用いた情
報記録装置であって、特に、書換可能な複写装置、プリ
ンター等のハードコピー分野に適応しうる情報記録媒体
を用いた情報記録方法及び情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】静電的且つ可逆的に、可視又は不可視の
情報の記録が可能なメモリー性を有する情報記録媒体及
びこれを用いた情報記録装置は、現在、オフィスにおけ
るハードコピーのマーキング技術として主流である電子
写真プロセスを応用した、書換可能な複写装置、プリン
ター等と同等の機能を実現し、さらに構成が簡易で、安
価な情報記録媒体に高精細な画像を高速に出力すること
ができるという従来の電子写真プロセスの長所を継承す
る。一方、近年の環境資源保護の観点から、前記情報記
録媒体を用いた情報記録装置は、これまで記録媒体とし
て用いられてきた紙材の大量消費を防止しうる点で有用
であるとともに、新規分野への応用の可能性を秘めた複
合的機能を持つ電子記録媒体への展開も期待され、その
実現が強く望まれている。
【0003】このように、メモリー性を有し、光の透
過、反射等の光学特性の変化を利用して記録を行う記録
媒体を用い、光学特性を可逆的に制御して、静電的に記
録を行うことができる情報記録装置として、特開平4−
73615号公報には、散乱モードの光変調材を含む情
報記録媒体に情報を記録する電界発生ヘッドを備えた情
報記録装置が開示されている。
【0004】この情報記録装置では、電界発生ヘッドと
して、分割電極よりなるヘッド(分割電極ヘッド)、I
TO電極と光導電層よりなるヘッドを用い、電界発生ヘ
ッドから印加される電界の変化に応じて、メモリー性を
有する散乱モードの光変調材に情報を記録する。前記分
割電極ヘッドを用いた場合、記録媒体の構造を簡易化で
き、電極ごとに任意に電圧制御しうる点で優るが、製造
に精密な電極加工技術を要し、分割電極ヘッド自体も汎
用性のデバイスではないため、製造上、コスト高となる
問題があり、さらに分割電極のサイズに記録されるた
め、画素サイズが制限されるという画質上の問題もあっ
た。
【0005】ITO電極と光導電層からなるヘッドを用
いた場合には、上記のような問題は生じないものの、電
界発生ヘッドより静的な電界パターンを1回付与するこ
とにより情報を記録するものであるため、同一の記録面
に動的な電界印加制御による動的な電界パターンを与え
ることにより電界を複数回付与し、累積的に記録を行う
ことができず、複雑で高精細な記録には適さなかった。
ここで、動的な電界印加制御による動的な電界パターン
とは、同一記録面に対し、ある極性及び電位を持つ電界
を印加して電荷を付与した後、前記電界の極性及び電位
の少なくとも一方が異なる電界をさらに印加する、電荷
付与操作を複数回繰り返すことにより、累積的に電荷を
付与してできる記録パターンを指し、これに対し、静的
な電界パターンとは、ある一定の電界を1回印加してで
きる記録パターンを指す。
【0006】また、特開平4−70809号には、電界
発生ヘッドを簡略化し、情報記録媒体とこれに近接して
配置した対向電極との間に、ある一定電圧を印加すると
同時に、露光することにより、静的な電界パターンに応
じた情報記録が行える情報記録方法が開示されている。
前記情報記録方法では、情報記録媒体の露光によりイン
ピーダンスが一時的に低下した部分とこれと近接配置さ
れた対向電極との間に、作用する電界の変化を利用して
情報を記録する。この場合も、前記ITO電極と光導電
層からなるヘッドを用いた場合と同様、同一記録面に動
的な電界印加制御による動的な電界パターンを与えるこ
とにより電界を複数回付与して、記録パターンを累積的
に記録することができず、複雑で高精細な記録には適さ
なかった。
【0007】一方、静電的に、且つ可逆的に記録可能な
メモリー性を有する情報記録媒体としては、一般に液晶
を含む情報記録層が設けられた情報記録媒体が用いられ
るが、電界制御により液晶分子の配向を変化させてその
光学特性を変え、情報の記録、表示を行う場合、一方向
のみの直流電界を継続印加すると、情報記録層中に不要
な電荷が注入されたり、電流に含まれる微量の導電性イ
オンの存在により、情報記録層中の液晶が劣化しやすく
なるおそれがある。また、前記情報記録層としてヒステ
リシスを有する電気光学材料を用いた場合には、特定の
方向への残留分極により、記録情報の焼きつけが起こる
おそれもある。
【0008】また、メモリー性を有する電気光学材料を
用いた情報記録媒体であっても、1回のみの電界印加に
より記録する記録方法では、複数回電界付与した場合に
得られるような累積的な積算効果により現れる光学特性
を利用し、十分なコントラストを有する記録を行うに
は、数100V〜数kVの極めて高い電圧を印加しなけ
ればならなかった。
【0009】さらに、前記特開平4−70809号公報
及び特開平4−73615号公報に記載の従来の記録方
法では、一度記録した情報を消去する場合、記録済みの
情報記録媒体全体に加熱処理等を施す工程が別に必要と
なり、省エネルギー化が困難であるとともに、記録工程
と消去工程とを複合した構造を要するため、装置の複雑
化、大型化を招くといった問題も生じていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、簡易で、安価な情報記録媒
体を用い、電界の印加を動的に制御することにより、低
電圧下で解像度が高く、高コントラストの記録を実現し
うる情報記録方法及び情報記録装置を提供することを目
的とする。また、情報の記録及び消去を可逆的に低消費
電力で実現しうる情報記録装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、メモリー
性を有する電気光学材料を含む情報記録媒体表面に電荷
を付与することにより変化する、電気光学材料の光学特
性を利用して情報の記録を行う情報記録方法に関して鋭
意検討を重ねた結果、情報記録媒体表面に電荷を付与す
る場合に、同一強度の電界を印加するときでも、印加後
即座に無電荷状態(即ち、電位0)に立ち下がるパルス
状の電界を印加したり、極性及び電位の少なくとも一方
を段階的に変えて、電荷を複数回付与することにより、
低電圧であっても解像度が高く、高コントラストな記録
を実現できるとともに、その極性を反転させて電圧印加
することにより、別の消去手段を設けることなく、情報
記録媒体に記録された情報を消去しうることを見出し、
本発明を完成するに至った。前記課題を解決するための
手段は以下の通りである。即ち、
【0012】<1> 基板上に、少なくとも、電極層
と、メモリー性を有する電気光学材料を含む情報記録層
と、をこの順に積層してなる情報記録媒体の前記情報記
録層側の表面に電荷を付与して記録を行う情報記録方法
において、前記情報記録層側の表面に、印加する電界の
極性及び電位の少なくとも一方を段階的に変えて、電荷
を複数回付与することを特徴とする情報記録方法であ
る。
【0013】<2> 基板上に、少なくとも、電極層
と、光導電層と、メモリー性を有する電気光学材料を含
む情報記録層と、をこの順に積層してなる情報記録媒体
の前記情報記録層側の表面に電荷を付与して記録を行う
情報記録方法において、前記情報記録媒体を選択的に露
光すると同時に、前記情報記録層側の表面における前記
露光部分を含む領域に、印加する電界の極性及び電位の
少なくとも一方を段階的に変えて、電荷を複数回付与す
ることを特徴とする情報記録方法である。
【0014】<3> 基板の情報記録層側の表面に、印
加する電界の極性及び電位の少なくとも一方を段階的に
変えて、電荷を複数回付与した後、前記情報記録層側の
表面を無電荷状態とする前記<1>又は<2>に記載の
情報記録方法である。
【0015】<4> 基板上に、少なくとも電極層とメ
モリー性を有する電気光学材料を含む情報記録層とをこ
の順に積層してなる情報記録媒体に対し、少なくとも、
前記情報記録媒体の情報記録層側の表面に電荷を付与す
る電荷付与手段と、印加する電界の極性及び電位の少な
くとも一方を段階的に制御しうる電荷付与制御手段と、
を備えることを特徴とする情報記録装置である。
【0016】<5> 基板上に、少なくとも電極層と光
導電層とメモリー性を有する電気光学材料を含む情報記
録層とをこの順に積層してなる情報記録媒体に対し、少
なくとも、前記情報記録媒体を選択的に露光する露光手
段と、前記情報記録媒体の情報記録層側の表面に電荷を
付与する電荷付与手段と、印加する電界の極性及び電位
の少なくとも一方を段階的に制御しうる電荷付与制御手
段と、を備えることを特徴とする情報記録装置である。
【0017】<6> 情報記録媒体の基板及び電極層
が、光透過性の基板及び電極層であって、情報記録媒体
の基板面と対向する位置に露光手段が設けられ、さらに
前記情報記録媒体の情報記録層側の表面と対向する位置
に電荷付与手段が設けられた前記<5>に記載の情報記
録装置である。
【0018】<7> 露光手段及び電荷付与手段と、情
報記録媒体と、の少なくとも一方を移動させて、前記情
報記録媒体の全面に露光及び電荷の付与を行う搬送手段
を備える前記<4>〜<6>のいずれかに記載の情報記
録装置である。
【0019】<8> 印加する電界の極性及び電位の少
なくとも一方を段階的に制御しうる電荷付与制御手段、
加圧手段及び加熱手段より選ばれる少なくとも1の消去
手段を備える前記<4>〜<7>のいずれかに記載の情
報記録装置である。
【0020】<9> メモリー性を有する電気光学材料
が、カイラルネマチック液晶である前記<4>〜<8>
のいずれかに記載の情報記録装置である。
【0021】<10> メモリー性を有する電気光学材
料が、高分子物質からなる外殻に内包されたマイクロカ
プセル構造を有する電気光学材料である前記<4>〜<
9>のいずれかに記載の情報記録装置である。
【0022】<11> 光導電層が、電荷発生層、電荷
輸送層及び電荷発生層をこの順に積層してなる積層構造
を有する層である前記<5>〜<10>のいずれかに記
載の情報記録装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の情報記録方法において
は、(1)少なくとも電極層とメモリー性を有する電気
光学材料を含む情報記録層とをこの順に積層してなる情
報記録媒体の前記情報記録層側の表面に、極性及び電位
の少なくとも一方を段階的に制御して電荷を複数回付与
し、電気光学材料の光学特性を変化させることにより、
或いは、(2)少なくとも電極層と光導電層とメモリー
性を有する電気光学材料を含む情報記録層とをこの順に
積層してなる情報記録媒体を選択的に露光すると同時
に、前記情報記録層側の表面に極性及び電位の少なくと
も一方を段階的に制御して電荷を複数回付与し、電気光
学材料の光学特性を変化させることにより、情報の記録
を行う。
【0024】また、本発明の情報記録装置は、少なくと
も電極層とメモリー性を有する電気光学材料を含む情報
記録層とをこの順に積層してなる情報記録媒体に対し、
少なくとも、電荷を付与する電荷付与手段と、印加する
電界の極性及び電位の少なくとも一方を段階的に制御し
うる電荷付与制御手段と、を有してなり、必要に応じて
その他の手段を有してなり、前記情報記録媒体に情報を
記録又は記録情報を消去する。この情報記録装置におい
ては、前記本発明の情報記録方法(1)を好適に適用し
て、情報の記録、消去を行うことができる。さらに、本
発明の情報記録装置は、少なくとも電極層と光導電層と
メモリー性を有する電気光学材料を含む情報記録層とを
この順に積層してなる情報記録媒体に対し、少なくと
も、情報記録媒体を選択的に露光する露光手段と、電荷
を付与する電荷付与手段と、印加する電界の極性及び電
位の少なくとも一方を段階的に制御する電荷付与制御手
段と、を有してなり、必要に応じてその他の手段を有し
てなり、前記情報記録媒体に情報を記録又は記録情報を
消去する。この情報記録装置においては、前記本発明の
情報記録方法(2)を好適に適用して、情報の記録、消
去を行うことができる。以下、本発明の情報記録方法に
ついて詳細に説明するとともに、該説明を通じて本発明
の情報記録装置の詳細をも明らかにする。
【0025】<情報記録方法及び情報記録装置>本発明
の情報記録方法は、例えば、図1に示すような第一の態
様又は図7に示すような第二の態様により好適に行うこ
とができる。図1は、本発明の情報記録方法において、
電荷を情報記録媒体の情報記録層側の表面に付与してい
る状態を説明するための概略説明図である。図7は、本
発明の情報記録方法において、情報記録媒体を選択的に
露光すると同時に、前記情報記録層側の表面の前記露光
部分を含む領域に、電荷を情報記録媒体の情報記録層側
の表面に付与している状態を説明するための概略説明図
である。
【0026】まず、本発明の情報記録方法における前記
第一の態様について説明する。情報の記録には、基板上
に、少なくとも電極層とメモリー性を有する電気光学材
料を含む情報記録層とをこの順に積層してなる情報記録
媒体を用いる。電荷付与手段10は、別の位置に配設さ
れた高圧スイッチング電源11及びバイアス電源12と
それぞれ接続されており、前記高圧スイッチング電源1
1及びバイアス電源12を制御する波形制御装置13の
信号に応じた電界を印加し、所望の極性及び電位に帯電
されると、イオン流8を放出し、情報記録媒体6の情報
記録層側の表面に電荷を付与する。本発明の情報記録装
置は、例えば、前記のような態様で、情報記録媒体上に
電荷を付与しうる電荷付与手段を備える情報記録装置で
ある。
【0027】前記電荷付与手段10と情報記録媒体6と
の位置関係としては、目的に応じて適宜選択することが
でき、例えば、情報記録媒体6に対し、電荷付与手段1
0が、前記情報記録媒体6における基板1の情報記録層
4が設けられた側の表面と対向して位置するように配置
してもよい。この場合、情報記録媒体6及び電荷付与手
段10は、ともに固定配置した状態で電荷を付与するこ
ともでき、或いは情報記録媒体6を平行移動させ、電荷
付与手段10より所望の電荷を付与することにより、ま
た逆に、情報記録媒体6を固定配置しておき、電荷付与
手段10を該情報記録媒体6の一端部より平行移動させ
ることにより、順次情報記録媒体6上に所望の電荷を付
与することもできる。さらに、上述のように対向配置さ
せた情報記録媒体6と電荷付与手段10とを互いに平行
移動(同方向又は逆方向)させることにより、情報記録
媒体6上に所望の電荷を付与することもできる。
【0028】本発明の情報記録装置は、上記態様のいず
れを採用してもよく、電荷付与手段と情報記録媒体との
少なくとも一方を移動させて、前記情報記録媒体の全面
に露光及び電荷の付与を行う搬送手段を備える情報記録
装置であることが好ましい。前記搬送手段を備えること
により、露光手段及び電荷付与手段から一次元的に露光
及び電荷の付与すれば、情報記録媒体全体に情報の記録
が行えるため、情報記録装置の一層の簡素化、小型化を
図ることができる。
【0029】前記搬送手段としては、特に限定されるも
のではなく、公知の搬送手段の中から適宜選択して適用
することができるが、解像度の高い鮮明な記録を安定し
て行う観点から、移動速度の安定した搬送手段であるこ
とが好ましい。また、搬送は、定速であっても、変速で
あってもよい。
【0030】本発明の情報記録方法において、前記情報
記録媒体6の情報記録層4が設けられた側の表面への電
荷の付与は、以下に示す態様により最も好適に行うこと
ができる。即ち、情報記録媒体6に対し、金属マスクプ
レート9を介して、電荷付与手段10を前記情報記録媒
体6における基板1の情報記録層4が設けられた側の表
面と対向する位置に近接して配置し、前記情報記録媒体
6を平行移動させることにより、順次情報記録媒体6上
に所望の電荷を付与する態様である。本発明の情報記録
装置は、前記構成により、情報記録媒体上に電荷を付与
する電荷付与手段を備える情報記録装置であることが好
ましく、前記電荷付与手段は、帯電器、必要に応じて金
属マスクプレートよりなる。
【0031】前記電荷付与手段10は、帯電器7と金属
マスクプレート9とから構成され、前記金属マスクプレ
ート9には、放出されるイオン流8を空間的に所望の形
状に制御しうる開口部が設けられ、この開口部のパター
ンを利用して記録が行われる。前記金属マスクプレート
9としては、特に限定されるものではなく、公知のもの
の中から適宜選択することができ、開口部が1次元的に
又は2次元的に配置されたもののいずれも使用すること
ができる。
【0032】前記帯電器としては、特に限定されるもの
ではなく、情報記録媒体表面に外部から電荷を付与しう
る、公知のものの中から適宜選択することができ、正負
のいずれに帯電するものであってもよいが、本発明にお
いては、印加する電界の極性や電位等を適宜変化させる
ことにより、正負のいずれにも帯電でき、正電荷及び負
電荷の両電荷を選択的に放出しうるものが好ましい。例
えば、電子写真プロセスで汎用的に使用されているコロ
トロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触
型帯電器又は情報記録媒体表面へ接触させて直接電荷を
注入しうる導電性のブラシ、ロール、液体等を挙げるこ
とができる。また、ピン電極、イオン流ヘッド等を利用
した、情報記録媒体表面へ電荷の付与も適用することが
できる。さらに、接触又は非接触の態様で、光導電性材
料等を露光して発生する電荷を情報記録媒体表面へ付与
する方法、或いは、予めその表面をある極性に帯電した
光導電性材料を露光し、光導電性材料内に生成する帯電
極性と逆極性の電荷を有するキャリアで表面電荷を相殺
し、潜像パターンを表面に保持した誘電体を情報記録媒
体表面に近接又は接触させて電荷を付与する方法等を用
いることもできる。中でも、情報記録媒体表面に機械的
な磨耗や傷等が付き難い点で、非接触型が好ましく、帯
電電位の均一性に優れる点で、スコロトロンがより好ま
しい。
【0033】前記帯電器7として、スコロトロンを用い
た場合、コロトロンワイヤー7aを介して高圧スイッチ
ング電源11と、コロトロングリッド7bを介してバイ
アス電源12と接続し、コロトロンワイヤー7a及びコ
ロトロングリッド7bに印加する電圧、電流の極性及び
強度を独立に制御することができる。さらに、コロトロ
ングリッド7b及びバイアス電源12間で、金属マスク
プレート9が接続されており、常にコロトロングリッド
7bと同電位になるように構成されている。また、前記
高圧スイッチング電源11及びバイアス電源12は、電
極層2を介して情報記録媒体6と接続されている。
【0034】さらに、前記高圧スイッチング電源11及
びバイアス電源12は、波形制御装置13と接続されて
おり、該波形制御装置13により前記電荷付与手段10
に印加される電界の極性及び電位が制御され、さらにそ
の印加タイミング及び印加時間等も制御される。前記高
圧スイッチング電源、バイアス電源及び電荷付与制御手
段としては、特に限定されるものではなく、公知のもの
の中から適宜選択して使用することができる。
【0035】前記帯電器7は、コロトロングリッド7
b、金属マスクプレート9及び電極層2と電気的に接続
されたバイアス電源より、波形制御装置13で制御され
た電圧が印加されると同時に、コロトロンワイヤー7a
及び電極層2と電気的に接続された高圧スイッチング電
源11より、前記波形制御装置13で制御された電流が
印加され、所望の極性及び電位に帯電される。金属マス
クプレート9は、前記帯電器7と同電位に制御されてい
るため、帯電器7よりコロナ放電により生成されるイオ
ン流8は、開口部のみを通過し、情報記録媒体6の情報
記録層4が設けられた側の表面の、前記開口部の位置に
相当する領域にのみ電荷が付与されることになる。ここ
で、前記情報記録媒体6及び電荷付与手段10を共に固
定した状態で、或いは、これらの少なくとも一方を平行
移動させることにより、情報記録媒体6全面に電荷の付
与を行うことができる。
【0036】本発明の情報記録装置を構成する電荷付与
制御手段としては、前記電荷付与手段を通じて、印加す
る電界の極性及び電位の少なくとも一方を段階的に変え
て、電荷付与しうるものであれば、その形態、構成に特
に制限されるものではなく、公知のものの中から適宜選
択できる。具体的には、前記各種帯電器等の電荷付与手
段に接続して、印加する電界を動的に、即ち、段階的に
変えて所望の電界に制御しうる信号発生源とスイッチン
グ電源とを組合わせたものを利用することができる。例
えば、図1のように、高圧スイッチング電源11、バイ
アス電源12及び波形制御装置13を組合せて構成する
ことができる。
【0037】前記の各種電荷付与手段のうち、光導電性
材料表面の電荷潜像を利用した電荷付与手段を用いる場
合は、それら単体では、付与する電界の極性や電位を時
系列的に制御することが困難であるため、印加する電界
の極性及び電位の異なる前記電荷付与手段を空間的に複
数連続して配置し、時系列的に電界の極性及び電位の少
なくとも一方を段階的に変えて、情報記録媒体の表面に
異なる電荷を複数回付与しうるように構成することがで
きる。
【0038】また、前記電荷付与制御手段14による電
界制御には、情報記録媒体の表面を無電荷状態(電荷
0)とすることも含まれ、例えば、前記の各種帯電器単
体の時系列的に帯電極性を変えたり、電位を制御したり
することにより、情報記録媒体表面を除電することがで
きる。この電界制御による除電方法は、除電速度等の制
御を容易かつ迅速に行える点で好ましい。
【0039】情報の記録は、例えば、液晶分子として螺
旋構造を有するカイラルネマチック液晶を含む情報記録
層4を用いた場合には、液晶分子が、情報記録層面と垂
直な螺旋軸を示す螺旋構造を有しながら、情報記録層面
と平行に配向し、強い光反射性を有するプレーナ配列
と、情報記録層面と平行な螺旋軸を示す螺旋構造を有し
ながら配向し、弱い光反射性を有するフォーカルコニッ
ク配列と、の2つの光反射率の異なる安定状態を、情報
に応じて切り替えて配向させることにより、情報の記録
を行うことができる。このようにして情報の記録を行う
場合、印加する電界の極性、電位、電界の立ち下がる時
間等の印加条件を任意に制御することによって、液晶分
子の2つの安定状態を任意に選択できる(SID 95
Digest p.351〜354)。
【0040】即ち、情報記録媒体6の情報記録層4が設
けられた側の表面に電荷が付与されると、プレーナ配列
で配向して強い光反射性を示す情報記録層中に基板1方
向の電界が働き、電荷が付与された部分の前記液晶分子
の配向方向が、弱い光反射性を有するフォーカルコニッ
ク配列の配向に変わり、所望の情報を記録することがで
きる。そして、情報記録媒体6の情報記録層4が設けら
れた側の表面の帯電電位は、所望に設定されたコロトロ
ングリッド7bに印加する電圧とほぼ同電位に収束す
る。
【0041】本発明の情報記録装置は、情報記録媒体と
して、メモリー性を有する電気光学材料を含む情報記録
層を有する情報記録媒体を用いるが、中でも、前記カイ
ラルネマチック液晶を含む情報記録層を有する情報記録
媒体を用いることが好ましい。前記カイラルネマチック
液晶を電気光学材料として用いることにより、該液晶が
特定波長を選択的に反射しうるように螺旋構造を調整す
ることができ、液晶分子の配向に起因する光反射率等の
光学特性を電気的に、かつ段階的に制御して記録するこ
とが可能なため、白黒のみならず、表現力に優れたカラ
ーでの記録が可能になる。また、電荷の付与のみによ
り、情報の可逆的な記録・消去が行えるため、低消費電
力の情報記録装置を実現することができる。
【0042】また、メモリー性を有する電気光学材料と
して、高分子物質からなる外殻に内包されるマイクロカ
プセル構造を有する電気光学材料を含む情報記録層を有
する情報記録材料を用いた情報記録装置も好ましい。前
記のようにマイクロカプセル構造とすることにより、情
報記録層の自己支持性が向上するため、塗布工程で容易
に情報記録層を形成できるとともに、多種多様な基板上
に作製することができる。また、情報記録層を固体層と
して扱うことができるため、情報記録層上に保護層を形
成したり、情報記録媒体周囲にシール工程等を施す必要
もない。保護層が不要なため、電気光学材料の光学特性
を変化させるために付与する電界の電圧閾値を下げるこ
ともできる。
【0043】前記カイラルネマチック液晶等のメモリー
性を有する電気光学材料を用いて情報の記録を行う場合
に、情報記録媒体6の情報記録層4が設けられた側の表
面に1回所望の電荷を付与した後(第1段階)、継続し
て同一記録媒体6上に、印加する電界を所望の電界に制
御して第1段階とは異なる電荷をさらに付与し(第2段
階)、必要に応じてさらに段階的に複数回繰り返すこと
で、所望の情報に応じた電荷を付与することができ、そ
れらを累積的にメモリーして複雑な画像情報等でも、高
解像度に、かつ高コントラストに記録することができ
る。
【0044】印加する電界の制御方法としては、印加す
る電界の極性及び電位の少なくとも一方を段階的に変え
ることにより、同一の情報記録媒体上に段階的に複数回
電荷を付与しうるように制御を行う。即ち、情報記録媒
体として、メモリー性の電気光学材料を含む情報記録媒
体を用い、上述のような電界制御が可能な電荷付与制御
手段を設けた構成とすることにより、電荷の付与を数段
階に分けた段階的な電界印加制御が行えるため、同一記
録媒体に対し、ある極性及び電位を持つ電界を印加して
電荷を付与した後、さらに前記電界の極性及び電位の少
なくとも一方が異なる電界を1回以上印加することによ
り、同一記録媒体上に複数回電荷を付与することがで
き、情報の記録を累積的に加算して行うことができる。
上記の通り、極性等を段階的に変えるとは、ある極性等
の電界を1回付与するプロセスを1つの段階(第一段
階)とし、このプロセス、即ち、第一段階を第一段階と
異なる極性等の電界の付与プロセス(第二段階)に変
え、これを必要に応じて複数回時系列的に繰り返して行
うことをいう。
【0045】このように段階的に制御して複数回電荷を
付与することにより、複雑で高精細な情報を記録する場
合等でも、比較的低電圧な条件下で解像度が高く、高コ
ントラストな記録を簡易に行うことができる。ある一定
の電界を1回印加する静的な電界を付与して行う情報の
記録よりも、高い解像度が得られるとともに、高コント
ラスト化を図ることができる。本発明の情報記録装置
は、上記のように電界の極性及び電位の少なくとも一方
を段階的に制御し、電荷を複数回付与しうる電荷付与制
御手段を備え、低電圧で、複雑で高精細な情報を高解像
度かつ高コントラストに記録することのできる情報記録
装置である。
【0046】さらに、本発明の情報記録方法において
は、電荷を付与して情報の記録を行った後、前記印加す
る電界の制御方法により印加する電界の極性及び電位の
少なくとも一方を段階的に変え、電荷付与手段10に印
加した極性を逆極に切り替える等して、前記情報記録媒
体6の電荷を付与した表面を無電荷状態、即ち、電位0
の状態まで除電するように制御することが、人体等が接
触した場合に生ずる放電作用や情報記録媒体表面への粉
塵等の付着による汚れ等を防止しうる点で好ましい。本
発明の情報記録装置は、上記のように、情報記録媒体に
電荷を付与して情報を記録した後、電荷を付与した表面
を無電荷状態、即ち、電位0の状態まで除電するように
制御しうる電荷付与制御手段を備えた情報記録装置であ
ることが好ましい。
【0047】記情報記録媒体6の電荷を付与した表面を
無電荷状態、即ち、電位0の状態まで除電する方法とし
ては、上述のように電荷付与手段10に印加した極性の
制御を利用した方法に限られるものではなく、予め情報
記録媒体に接地しておいた導電性の部材を通して、接地
面に自然的に放電させるような簡易な方法であってもよ
い。本発明においては、除電する場合の除電速度等を任
意に制御しうる点で、前記電荷付与手段10に印加した
極性の制御を利用した除電方法が好ましい。
【0048】また、本発明の情報記録方法においては、
電荷を付与して情報を記録した後、前記印加する電界の
制御方法を用いて、印加する電界の極性及び電位の少な
くとも一方を段階的に変えることにより、情報記録媒体
に記録された情報を消去することもできる。従って、本
発明の情報記録方法によれば、印加する電界の制御のみ
により、情報の記録及び消去の両工程を簡易かつ迅速に
行うことができる。本発明の情報記録装置は、前記の印
加する電界の極性及び電位の少なくとも一方を段階的に
制御して、記録情報を消去しうる電荷付与制御手段、加
圧手段及び加熱手段より選ばれる少なくとも1の消去手
段を備える情報記録装置であることが好ましい。前記消
去手段は、2以上を組合せて行ってもよい。上記構成に
より、可逆的な情報の記録が実現し、書換可能な複写
機、プリンタ等への応用が期待できる。
【0049】前記加圧手段としては、公知の加圧手段の
中から適宜選択することができ、特に限定されるもので
はなく、例えば、情報記録媒体を圧力ローラに挟んで圧
着搬送したり、加圧パッドを押圧しながら情報記録媒体
を移動する等を挙げることができる。
【0050】前記加熱手段としては、公知の加熱手段の
中から適宜選択することができ、特に限定されるもので
はなく、例えば、情報記録媒体をヒートローラに挟んで
加熱圧着搬送したり、ヒートパッドを押圧したり、熱風
を吹き付ける等を挙げることができる。情報記録媒体を
加熱する場合の加熱温度としては、特に、電気光学材料
としてカイラルネマチック液晶を用いた場合、該液晶が
等方相を示す温度以上(例えば、50℃以上)であれば
よく、過度に高く設定する必要はない。前記加熱温度
が、等方相を示す温度未満では、記録された情報を消去
することができないことがある。また、前記加熱温度が
情報記録媒体の保護層や基板の耐熱温度(例えば、PE
Tを用いた場合は、150℃程度)を超えると、変形を
生ずることがある。
【0051】前記帯電器7と情報記録媒体6表面との距
離としては、1.0〜5.0mmが好ましく、1.5〜
3.0mmがより好ましい。前記距離が、1.0mm未
満では、帯電器のコロトロングリッド部と情報記録媒体
とが接触する危険性があり、5.0mmを超えると、情
報記録媒体表面に十分な電荷を付与するために、帯電器
により高い電圧を印加する必要を生ずることがある。
【0052】印加する電圧値としては、2KV以下が好
ましく、1KV以下がより好ましい。前記電圧値が、2
KVを超えると、帯電器周囲に異常な放電を生じたり、
帯電不要な領域に電荷が付与されることがある。コロト
ロンワイヤーに印加する電流値としては、300〜50
0μAが好ましく、350〜450μAがより好まし
い。前記電流値が、300μA未満では、情報記録媒体
表面の帯電電位が、設定したグリッド電圧まで到達し得
ないことがあり、500μAを超えると、帯電器周囲に
異常な放電を生じたり、帯電不要な領域に電荷が付与さ
れることがある。
【0053】次に、本発明の情報記録方法における前記
第二の態様について説明する。本態様では、少なくとも
電極層と光導電層とメモリー性を有する電気光学材料を
含む情報記録層とをこの順に積層してなる情報記録媒体
を選択的に露光すると同時に、前記情報記録層側の表面
に極性及び電位の少なくとも一方を段階的に制御して電
荷を複数回付与し、電気光学材料の光学特性を変化させ
ることにより情報の記録を行う。また、記録情報のアド
レス手段を電荷付与手段側に負担させる必要がないた
め、電荷付与に特殊なデバイスを必要とせず、電子写真
プロセス等で一般に用いられる光書き込み装置を利用す
ることにより、高解像度の記録を行うことが可能である
ため、情報記録装置の複雑化、コストアップを防止する
ことができる。
【0054】本態様では、情報記録媒体として、基板上
に、電極層及びメモリー性を有する電気光学材料を含む
情報記録層を有するほかに、少なくとも導電性層を有す
る情報記録媒体を用いる。本発明の情報記録装置は、本
態様の情報記録方法を好適に適用することができ、前記
構成の情報記録媒体を用いて情報の記録を行う。また、
本発明の情報記録装置に用いる情報記録媒体において、
メモリー性を有する電気光学材料を含む情報記録層とし
ては、カイラルネマチック液晶を含む情報記録層を用い
ることが好ましく、光導電層としては、電荷発生層、電
荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層してなる積層構
造を有する層を用いることが好ましい。さらに、前記メ
モリー性を有する電気光学材料として、高分子物質から
なる外殻に内包されるマイクロカプセル構造を有する電
気光学材料を含む情報記録層を有する情報記録材料を用
いた情報記録装置も好ましい。
【0055】第二の態様では、例えば、図7に示すよう
に、電荷付与手段10は、第一の態様と同様、別の位置
に配設された高圧スイッチング電源11及びバイアス電
源12とそれぞれ接続されており、前記高圧スイッチン
グ電源11及びバイアス電源12を制御する波形制御装
置13の信号に応じた電界を印加し、所望の極性及び電
位に帯電すると、イオン流8が放出され、電荷が付与さ
れる。
【0056】本態様では、情報記録媒体6に対し、少な
くとも、情報記録媒体6を選択的に露光する露光手段1
9と、情報記録媒体6の情報記録層18側の表面に電荷
を付与する電荷付与手段10と、印加する電界の極性及
び電位の少なくとも一方を段階的に制御しうる電荷付与
制御手段14と、を有して構成される。本発明の情報記
録装置は、例えば、前記のような態様で、情報記録媒体
上に電荷を付与しうる電荷付与手段、電界の極性及び電
位の少なくとも一方を段階的に制御しうる電荷付与制御
手段、情報記録材料及び選択的に露光しうる露光手段を
備える情報記録装置である。前記電荷付与手段、電荷付
与制御手段としては、前記第一の態様と同様のものを適
用することができる。
【0057】前記電荷付与手段10と露光手段19との
位置関係としては、情報記録媒体の情報記録層側の表面
における、前記露光手段19により露光した露光部分を
含む領域に電荷を付与する必要がある点より、前記電荷
付与手段10から電荷付与が可能な領域に、露光しうる
位置に露光手段が配置される。即ち、両者は、電荷付与
可能な範囲内で対向するように配置される。
【0058】前記露光手段19及び電荷付与手段10
と、情報記録媒体6と、の位置関係としては、目的に応
じて適宜選択することができ、例えば、情報記録媒体6
に対し、露光手段19が、情報記録媒体6の基板15と
対向して位置し、さらに電荷付与手段10が、前記情報
記録媒体6における基板15の情報記録層18が設けら
れた側の表面と対向して位置するように配置してもよ
い。この場合、情報記録媒体6と、露光手段19及び電
荷付与手段10とは、情報記録媒体6を平行移動させな
がら、露光手段19から選択的に露光すると同時に、電
荷付与手段10より所望の電荷を付与することにより、
また逆に、情報記録媒体6を固定配置しておき、露光手
段19及び電荷付与手段10を該情報記録媒体6の一端
部より平行移動させることにより、順次情報記録媒体6
上に選択的に露光すると同時に、所望の電荷を付与する
こともできる。さらに、上述のように対向配置させた情
報記録媒体6と、露光手段19及び電荷付与手段10と
を互いに平行移動(同方向又は逆方向)させることによ
り、情報記録媒体6上に所望の電荷付与手段を付与する
こともできる。この場合、露光手段19と電荷付与手段
10とは、電荷付与しうる領域の範囲で連動して平行移
動される。
【0059】本発明の情報記録装置は、上記態様のいず
れを採用してもよく、露光手段及び電荷付与手段と、情
報記録媒体と、の少なくとも一方を移動させて、前記情
報記録媒体の全面に露光及び電荷の付与を行う搬送手段
を備える情報記録装置であることが好ましい。前記搬送
手段としては、特に限定されるものではなく、前記第一
の態様で使用できる搬送手段と同様のものを適用するこ
とができる。
【0060】本発明の情報記録方法において、前記情報
記録媒体6の情報記録層18が設けられた側の表面への
電荷の付与は、以下に示す態様により最も好適に行うこ
とができる。即ち、基板及び電極層に光透過性の基板1
5及び電極層20を使用して、情報記録媒体6に対し、
情報記録媒体6の光透過性基板15と対向する位置に露
光手段19を配置し、さらに前記情報記録媒体6におけ
る光透過性基板15の情報記録層18が設けられた側の
表面と対向し、且つ前記露光手段による露光部分を含む
領域に電荷を付与しうる位置に電荷付与手段10を近接
配置して、前記情報記録媒体6を平行移動させることに
より、順次情報記録媒体6を選択的に露光し、所望の電
荷を付与する態様である。また、本発明の情報記録装置
は、このように構成された態様の情報記録装置であるこ
とが最も好ましい。前記態様に構成することにより、情
報記録装置を構成する各手段の空間的なレイアウトが容
易になり、装置設計の自由度が拡大する点で好ましい。
【0061】本態様では、前記電荷付与手段10は帯電
器7のみより構成され、情報記録媒体6を介し、電荷付
与手段10と対向する位置に露光手段を設けることによ
り、該露光手段により選択的に所望の情報に記録を行
う。
【0062】即ち、情報記録媒体6の情報記録層18が
設けられた側の表面に電荷を付与すると同時に、光透過
性基板15の情報記録層18が設けられていない側よ
り、電極層20上に設けた光導電層16を情報に応じて
選択的に露光する。該露光領域の光導電層16における
上部電荷発生層16a及び下部電荷発生層16a’内で
キャリア及び自由電子が発生し、ここで電界が印加され
ていると、上部電荷発生層16aで発生した自由電子は
情報記録層18に移動し、キャリアは電荷輸送層16b
に運ばれる。電荷輸送層16bに運ばれたキャリアは、
下部電荷発生層16a’で発生した自由電子と結合する
とともに、下部電荷発生層で発生したキャリアは電極層
20に移動し、この結果、露光された領域における情報
記録媒体中にのみ電流が流れ、基板15方向に電界が発
生する。すると、前記第一の態様と同様の原理で液晶分
子の配向方向が変化し、選択的に情報に応じたて露光部
分のみで液晶分子の光反射性を変えることができ、複雑
で高精細な情報の記録を行うことができる。
【0063】本発明の情報記録装置は、電荷発生層、電
荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層した積層構造を
有する光導電層を含む情報記録媒体を用いた情報記録装
置であることが好ましい。前記光導電層を採用すること
により、印加する電界の極性を変えて、電荷を付与する
際に、情報記録層中における電界を両極性に容易に対応
させることができるため、簡易かつ迅速に記録を行うこ
とができる。
【0064】前記露光手段としては、公知の露光手段の
中から適宜選択することができ、例えば、CRTのよう
な面発光デバイスとファイバー光学系や結像光学系等を
組み合わせた光書き込み装置のほか、液晶調光素子、蛍
光表示管、プラズマ発光素子、EL発光素子、LED発
光素子等をライン状又は面状に配列した一次元光書き込
み装置又は二次元光書き込み装置等を挙げることができ
る。また、レーザー光源を走査光学系により一次元的又
は二次元的に走査する光書き込み装置も挙げられる。さ
らに、前記のようなデジタル露光手段以外に、蛍光灯、
ハロゲンランプ等の照明光を反射物に照射して得られる
反射光、平行光線を透過フィルムに入射して得られる透
過光等を挙げることができる。この場合、情報記録媒体
に直接照射しても、結像した結像光を照射してもよい。
【0065】従って、前記第二の態様で用いた露光手段
19として、前記平行光線を利用し、該平行光線を液晶
光変調素子に通して所望の情報に応じて、電極層20上
に設けた光導電層16を露光する露光手段を有する図5
に示すような態様(第三の態様)であってもよく、該態
様の情報記録装置も好ましい態様である。前記第三の態
様では、必ずしも情報記録媒体、電荷付与手段及び露光
手段を移動させて記録を行う必要はなく、各々を固定配
置して簡易な構造制御で、迅速に記録を行うことができ
る。他の構成については、第二の態様で採用できる構成
と同様の構成を採用して好適に情報の記録及び消去を行
うことができる。
【0066】前記帯電器7、高圧スイッチング電源1
1、バイアス電源12及び電極層20は、前記第一の態
様の場合と同様に接続して構成することができる。ま
た、波形制御装置13も、前記第一の態様と同様にして
接続され、同様に制御することができる。前記帯電器、
高圧スイッチング電源、バイアス電源及び電荷付与制御
手段としては、特に限定されるものではなく、公知のも
のの中から適宜選択することができ、前記第一の態様の
場合と同様のものを使用することができる。
【0067】また、第一の態様の場合と同様、前記のよ
うに情報記録媒体に選択的に露光しながら電荷を付与し
て情報記録した後、電荷付与手段10に印加した極性を
逆極に切り替える等して、前記情報記録媒体6の電荷を
付与した表面を無電荷状態、即ち、電位0の状態まで除
電するように制御することが好ましく、また、除電方法
についても、前記第一の態様の場合と同様の方法を適応
することができる。本発明の情報記録装置も、前記情報
記録媒体6の電荷を付与した表面を無電荷状態とする前
記態様を適用した情報記録装置であることが好ましい。
【0068】本態様の本発明の情報記録方法において
も、前記第一の態様と同様の方法により情報記録媒体に
記録された情報を消去することができ、また、本態様の
本発明の情報記録装置も、前記第一の態様と同様の消去
手段を備えたものであることが好ましい。
【0069】<情報記録媒体>本発明の情報記録方法及
び情報記録装置に用いる情報記録媒体は、基板上に、少
なくとも電極層とメモリー性を有する電気光学材料を含
む情報記録層とを有して、又は、基板上に、少なくとも
電極層と光導電層とメモリー性を有する電気光学材料を
含む情報記録層とを有して、構成される。前者は、前記
第一の態様の情報記録方法及び情報記録装置において好
適に用いられ、後者は、前記第二の態様の情報記録方法
及び情報記録装置において好適に用いられる。本発明の
情報記録装置は、前記情報記録媒体のいずれかを用いた
情報記録装置である。また、本発明の情報記録装置は、
前記情報記録媒体が脱着可能な状態で構成されていても
よく、情報記録媒体を情報記録装置から取り外し、別の
同構成の情報記録媒体に付け替えて使用することもでき
る。
【0070】−情報記録層− 基板上に設ける情報記録層は、少なくともメモリー性を
有する電気光学材料を含有して構成された層である。メ
モリー性を有する電気光学材料とは、電圧印加等して電
気光学材料の光学特性を変え、情報の記録を行った後、
電圧印加を解除しても、一定時間、記録された情報、即
ち、電気光学材料の分子配向等に起因する光学特性を保
持しうる特性を有する電気光学材料を指す。
【0071】前記メモリー性を有する電気光学材料とし
ては、液晶を成分としメモリー性を発現しうるもの、即
ち、スメクチックA相液晶、カイラルスメクチックC相
等の強誘電液晶、カイラルネマチック液晶等単体若しく
はそれらの液晶混合物、或いは、ネマチック液晶、スメ
クチックA相液晶、カイラルスメクチックC相等の強誘
電液晶、カイラルネマチック液晶等の各種液晶材料単体
若しくはそれらの液晶混合物を、高分子樹脂中に分散し
たPDLC(Polymer Dispersed L
iquid Crystal)と呼ばれる液層−高分子
複合膜を成してメモリー性を発現しうるもの、カイラル
ネマチック液晶の連続層中に高分子樹脂を混合させるこ
とで、高分子と液晶との界面でアンカリングを引き起こ
し、カイラルネマチック液晶のプレーナ配列とフォーカ
ルコニック配列の双安定状態を強化してメモリー性を発
現しうる高分子安定化カイラルネマチック液晶、液晶が
接する基板表面に液晶分子が配向しやすくなるよう処理
を施した表面安定化カイラルネマチック液晶、高分子物
質の外殻を持つマイクロカプセルに前記各種液晶材料単
体を内包してメモリー性を発現しうるもの又は高分子液
晶等が挙げられる。
【0072】また、前記液晶を成分とするものの他、電
気的に光学特性を制御しうる材料であれば使用でき、例
えば、GaAs、CuCl、KDP(リン酸カリウ
ム)、ADP(リン酸アンモミウム)、PLZT等を使
用してもよい。
【0073】中でも、任意の波長光を選択的に反射しう
るカラー表示モードが実現できる点で、プレーナ配列時
に、特定波長の可視光を選択的に反射しうるように、予
め螺旋ピッチを適切に調整したカイラルネマチック液晶
を有する層を用いることが好ましい。また、前記情報記
録層上に、情報記録層表面を保護する目的で保護層を設
けることも可能であるが、マイクロカプセル構造を有す
る電気光学材料を用いて情報記録層を構成した場合に
は、必ずしも前記保護層を設ける必要はない。この場
合、情報の記録に必要な印加電圧を低くすることがで
き、解像度をより向上させることができる点で好まし
い。
【0074】マイクロカプセル化する方法としては、公
知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、コ
アセルベーション法、界面重合法、In−situ重合
法等により行うことができる。
【0075】前記情報記録層の形成方法としては、ある
程度強度を有するガラス基板等を用いた場合に、通常用
いられるセル化後の液晶注入法のほか、光硬化性樹脂を
含有して調製した情報記録層用溶液を滴下した上にフィ
ルムを載せ、均一に押圧後に光照射して形成する方法、
情報記録層用溶液を所望の位置に滴下した上にフィルム
を載せ、プレッシャーロールを用いて、搬送しながら緩
やかな圧力を加え、空気や余分な液を押し出しながら形
成する方法、情報記録層用溶液をスピンコート法,エッ
ジコーター法,バーコーター法,ロールコーター法等の
公知の方法により塗布する方法等が挙げられる。
【0076】前記情報記録層用溶液は、正の誘電率異方
性を有するネマチック液晶と、少量の高分子前駆体と、
ねじれ方向又はねじれ力の異なる複数のカイラル剤と、
を適切な割合で混合し、加熱溶融した後、室温に戻すこ
とにより調製することができる。前記高分子前駆体とし
ては、チオール系高分子前駆体、アクリル系高分子前駆
体、エポキシ系高分子前駆体、等の光や熱により重合す
る高分子前駆体が挙げられる。中でも、液晶との屈折率
が近い点で、NOA65(ノーランド社製)等のチオー
ル系高分子前駆体が好ましい。
【0077】前記情報記録層の層厚としては、1〜50
μmが好ましく、3〜30μmがより好ましい。前記層
厚が、1μm未満であると、情報記録層中のカイラルネ
マチック液晶の螺旋ピッチに対し、十分な膜厚が得られ
ず、選択反射を示す螺旋構造の形成が困難となり、十分
な反射光強度を得ることができないことがあり、50μ
mを超えると、液晶分子を印加する電界方向に配向する
のに要する印加電圧が高くなりすぎることがある。
【0078】−電極層− 電極層としては、公知の金属材料や半導体材料等の中か
ら適宜選択でき、例えば、Al、Au、Cu、Sn
2、ITO膜等を挙げることができる。中でも、前記
第二の態様のように、基板面より露光を行うような場合
には、電極層を光透過性にする必要があるため、ITO
膜を用いることが好ましい。
【0079】−光導電層− 前記第二の態様の場合、情報記録媒体に光導電層を設
け、該光導電層に情報にしたがい選択的に露光を行うこ
とにより、電荷を付与する。光導電層としては、光照射
によりキャリア及び電子を発生しうる公知の無機及び有
機の材料を用いた光導電性の層であれば、特に制限され
ることなく適用できる。前記無機材料を用いた光導電層
としては、シリコン、アモルファスシリコン、セレン、
セレンテルル、砒素セレン化合物、砒素セレン化合物+
テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛等を用いた層が挙げ
られる。前記有機材料を用いた光導電層としては、機能
分離型多層構造と単層構造のものが挙げられ、前者は、
電荷発生層と電荷輸送層の積層構造体として構成され、
後者は、両者の混合物からなる。
【0080】本発明の情報記録方法及び情報記録装置に
おいては、有機材料を用いた光導電層が、製膜工程が簡
易で、フレキシブルな基板への製膜も容易であり、機械
的衝撃に強く、人体への安全性も高いことから好まし
い。電荷発生層と電荷輸送層は、電極層上に一層ずつ交
互に積層した構造に限らず、電荷輸送層を2層の電荷発
生層で挟みこんだ多層構造とすることもできる。この場
合は、通常の電子写真プロセスで用いられる有機感光体
のような整流作用がなく、両極性での電流の流れを発生
させることができるため、電界の極性及び電位の少なく
とも一方を変えて、電荷を付与する場合には好ましい。
従って、上記のうち、電荷発生層と電荷輸送層の積層構
造体である機能分離型多層構造のもの、例えば、少なく
とも、電荷発生層(上部電荷発生層:TopCGL)、
電荷輸送層、電荷発生層(下部電荷発生層:Tail
CGL)をこの順に積層した光導電層を用いることがよ
り好ましい。前記多層構造の光導電層は、3層構造に限
られず、さらに複数層の電荷発生層及び電荷輸送層を交
互に積層して、電荷発生層/電荷輸送層/電荷発生層/
電荷輸送層/電荷発生層に積層した5層構造等としても
よい。
【0081】前記電荷発生層に用いる材料としては、ペ
リレン系、フタロシアニン系、アゾ系、ビスアゾ系、ト
リアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム
系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネー
ト系、酸性ザンセン染料系、シアニン系、スチリル色素
系、ビリリウム色素系等の、光照射により電荷が発生す
る有機材料を好適に用いることができる。例えば、前記
3層構造の場合、上部電荷発生層及び下部電荷発生層
は、同一材料及び異種材料のいずれにより構成されてい
てもよいが、キャリア及び電子が同程度発生することが
必要であるため、波長、光量、電圧に対し、同程度の感
度を有している必要がある観点から、上下層とも同一の
材料を使用することが好ましい。但し、同程度に近い感
度が得られれば、厳密に調整する必要はなく、異なる材
料より構成しても問題ない。
【0082】前記電荷発生層の形成方法としては、真空
蒸着法やスパッタリング法等のドライな膜形成方法のほ
か、溶液又は分散液を用いるスピンコート法、ディップ
法等が挙げられる。前記電荷発生層の膜厚としては、1
0nm〜1μmか好ましく、20nm〜500nmがよ
り好ましい。前記膜厚が、10nm未満であると、照射
光に対する十分な感度が得られないことがあり、1μm
を超えると、剥離しやすくなることがある。
【0083】前記電荷輸送層に用いる材料としては、ト
リニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系、オ
キサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン系、スチ
ルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン
系、アントラセン系、ナフタレン系、アジン系等が挙げ
られる。また、LiClO4を添加したポリビニルアル
コールやポリエチレンオキシド等のイオン導電性材料も
挙げられる。中でも、感度及びキャリア輸送能力の点
で、ジアミン系が好ましい。
【0084】前記電荷輸送層の形成は、前記電荷発生層
の作製と同様の方法により行うことができる。前記電荷
輸送層の膜厚としては、0.1μm〜100μmか好ま
しく、1μm〜10μmがより好ましい。前記膜厚が、
0.1μm未満であると、耐電圧性が低下することがあ
り、100μmを超えると、電荷輸送層に印加される電
圧の比率が高まり、情報記録層に分配される電圧が低下
してしまうため、その結果、記録に作用する電圧が高く
なってしまうことがある。
【0085】−その他の層− その他の層として、基板上の光導電層の周囲には、必要
に応じて以下の機能層を付与することも可能である。例
えば、電極と光導電層との間には、キャリアの突入を防
ぐ層を設けることができる。前記キャリアの突入を防ぐ
層としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビ
ニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンオキ
シド、ポリブチルアルコール等を含有する層等を挙げる
ことができる。また、前記キャリアの突入を防ぐ層の膜
厚としては、0.1〜5が好ましく、0.5〜2がより
好ましい。
【0086】また、光導電層を設けない情報記録媒体の
場合、電極層と情報記録層との間に、光吸収層を設ける
ことができる。前記光吸収層を、特に黒色の着色層とし
て設けることにより、電荷を付与して情報記録層の光学
特性を光透過性とした部分を黒色として表示し、記録全
体のコントラストを高めてより鮮明に表示することがで
きる。前記光吸収層に用いる材料としては、ブラックポ
リイミド等をはじめとするカーボンブラック、複合酸化
物系顔料等を含有する高分子膜等が挙げられる。前記光
吸収層を電極層と情報記録層との間に設けずに、ブラッ
ク染料等で着色した基板等を用いることもできる。
【0087】光導電層を設けた情報記録媒体の場合、前
記光導電層と情報記録層との間にも、光導電層が感度を
有する波長の光を吸収する絶縁性の光吸収層を設けるこ
とができる。前記光吸収層を設けることにより、情報記
録層側から入射する情報信号光以外の光が光導電層へ侵
入するのを防止することができる。前記光吸収層に用い
る材料としては、前記同様のブラックポリイミド等をは
じめとするカーボンブラック、複合酸化物系顔料等を含
有する高分子膜等が挙げられる。
【0088】特に、光吸収層の膜厚としては、0.1〜
2μmが好ましく、0.5〜1μmがより好ましい。
尚、前記機能層は、本発明に係る情報記録媒体における
電流の流れを著しく妨げない範囲で適用可能である。
【0089】また、光導電層を設けた場合には、前記光
導電層と光吸収層の間に、PVA(ポリビニルアルコー
ル)樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、
ポリエチレンオキシド、ポリエーテルスルホン(PE
S)等からなる隔離層を設けることもできる。前記隔離
層の膜厚としては、0.1〜5μmが好ましく、0.5
〜2μmがより好ましい。前記キャリアの突入を防ぐ
層、光吸収層、隔離層は、スピンコート法等の公知の塗
布方法により設けることができる。
【0090】さらに、前記情報記録層上には、保護層を
設けることもできる。保護層は、ポリビニルアルコール
(PVA)、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレンオキシド、ポリブチルアルコール等を
塗布液状に調製し、公知の塗布方法により塗布すること
により、又は、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン、ポリ
イミド、ポリエーテルスルホン(PES)等を情報記録
層上に載せ、周辺部分をシール処理等することにより形
成することができる。
【0091】−基板− 基板としては、ガラス、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン
(PES)、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。中でも、
耐熱性、機械的強度、コストの点で、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)が好ましい。
【0092】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)片方の表面にアルミ電極層が蒸着形成され
た厚さ1.1mmのソーダガラス基板に、膜厚0.7μ
mとなるようにブラックポリイミド(商品名:BKR−
105,日本化薬(株)製)をスピンコート法により形
成し、光吸収層を形成した。その上に、粒径5μmのス
ペーサー(積水ミクロパール(株)製)を湿式散布し、
乾燥させた。次に、正の誘電率異方性を有するネマチッ
ク液晶(商品名:E48,メルク社製)65.4wt
%、右旋性のカイラル剤(商品名:CB15,メルク社
製)17.3wt%及び右旋性のカイラル剤(商品名:
CE2,メルク社製)17.3wt%を混合した溶液
に、チオール系紫外線重合高分子前駆体(商品名:NO
A65,ノーランド社製)を15wt%添加し、カイラ
ルネマチック液晶と透明樹脂からなる液晶前駆体混合物
を調製した。
【0093】前記液晶前駆体混合物をホットプレート上
で約60℃に加熱し、液状化した。スペーサを分散させ
た前記光吸収層上に、液状化した前記前駆体混合物を滴
下し、この上に厚さ4.5μmのPETフィルム(商品
名:ルミラー,東レ(株))を載せ、軽く圧力を加えな
がら内部に空気が入らないように密着させた。さらに、
ホットプレート上の、PETフィルムを載せた基板全体
を前記温度に加熱したままの状態で、前記PETフィル
ム上から、フィルタリングした高圧水銀ランプを用いて
25mW/cm2(365nm)のUV光を120秒間
照射して、その後常温に戻し、PET製の保護層が形成
された高分子安定化カイラルネマチック液晶(自己保持
型液晶複合体)を主成分とする情報記録層を有する情報
記録媒体(1)を作製した。情報記録層の層厚は、5μ
mであり、プレーナ配列に配向した、全面が赤色を呈す
る反射状態の光学特性を有していた。
【0094】前記情報記録媒体(1)のガラス基板上の
アルミ電極層にリード線を接続し、図1と同様の本発明
の情報記録装置を準備した。ここで、前記情報記録媒体
(1)に対し、イオン照射を空間的に規制して像状に電
荷の付与を行うため、開口部を有する金属製マスクプレ
ート9を帯電器7との間に配置した。前記帯電器7には
スコトロンを用い、該スコトロンと前記情報記録媒体
(1)のPETからなる保護層との間の距離を3mmと
した。
【0095】スコロトロンのコロトロンワイヤー7aに
は、印加電圧の外部制御可能な、電荷付与制御手段14
を構成する高圧スイッチング電源11(Model 6
10A/3T,REK社製)を接続した。さらに、スコ
ロトロンのコロトロングリッド7bにも、他の高圧スイ
ッチング電源をバイアス電源として接続し、コロトロン
ワイヤー7aとコロトロングリッド7bの電圧・電流を
独立に制御できるように接続した。
【0096】さらに、前記高圧スイッチング電源11及
びバイアス電源12の外部トリガー端子には、電荷付与
制御手段14を構成する波形制御装置13から、所望の
波形信号が入力されるように接続されている。即ち、前
記高圧スイッチング電源11、バイアス電源12及び波
形制御装置13により、電荷付与制御手段14を構成し
た。
【0097】上記のように構成した情報記録装置によ
り、下記の手順で情報の記録を行った。図2(a)に示
す帯電電位となるように、コロトロンワイヤー7aの電
流(以下、「ワイヤー電流」という場合がある。)及び
コロトロングリッド7bの電圧(以下、「グリッド電
圧」という場合がある。)を、前記波形制御装置13よ
り送信する信号により高圧スイッチング電源11及びバ
イアス電源12を操作して、下記のように段階的に外部
制御し、前記プレーナ配列に配向した状態の情報記録媒
体(1)の保護層5表面に電荷を付与し、除電を行っ
た。具体的には、情報記録媒体(1)の保護層5表面に
対し、まず第一段階として、ワイヤー電流を+400μ
Aの定電流で通電するとともに、グリッド電圧に+50
0Vを印加した状態でスコロトロンに帯電を行い、第二
段階として、ワイヤー電流を−400μAの逆極性の電
流を通電するとともに、グリッド電圧を0Vに切り替え
て、さらに帯電操作を行った。
【0098】この一連の操作により、情報記録媒体
(1)の保護層5表面には、金属マスクに従った像状の
帯電領域に正極の電荷が付与され、次いでその電荷が逆
極性に切り替えられたコロトロンワイヤー7aに引かれ
て、電位0に除電される。その動的な電荷量の変化に従
って、情報記録層中に働く電界も動的に変化した。その
結果、図2(b)に示すように、光透過率の低いプレー
ナー配列状態の記録層が、段階的に透過率の高いフォー
カルコニック配列に分子配向が変化し、記録を行うこと
ができた。
【0099】電荷を付与した部分の最終的な透過率は、
+400μAのワイヤー電流を通電し、且つ+500V
のグリッド電圧を印加した状態の透過率に比べ、約2倍
近い透過率を示し、鮮明で高コントラストな記録像を得
ることができた。
【0100】これら一連の記録・消去操作を1000回
以上繰り返しても、高解像度で、高コントラストな記録
を行うことができることが確認できた。また、情報の記
録後、消去を行わなかった場合、記録された情報は十分
なメモリー性を示し、30日以上経過しても変化は認め
られなかった。
【0101】(実施例2)片方の表面に酸化インジウム
錫膜(ITO膜)を有する膜厚75μmのPETフィル
ム(商品名:ハイビーム,東レ(株)製)を基板とし、
該基板上に、蒸着によりBenZimidazole
Perylene(BZP)からなる、膜厚0.08μ
mの電荷発生層を形成した。次に、phthalocy
anin(PC)7.2wt%、PolyCarbon
ate bisphenol−Z(ポリ(4,4'−シ
クロヘキシリデンジフェニレンカーボネート))10.
8wt%、モノクロロベンゼン82wt%を混合し、こ
の混合液にさらにモノクロベンゼンを加えて2倍に希釈
し、電荷輸送層形成用の塗布液を作製した。この塗布液
を、スピンコート法により前記電荷発生層上に塗布し、
膜厚3μmの電荷輸送層を形成した。さらにその層上
に、再び蒸着により前記と同じBZPを用いて、膜厚
0.08μmの電荷発生層を形成し、電荷発生層/電荷
輸送層/電荷発生層の3層からなる有機光導電層を形成
した。
【0102】前記有機光導電層上に、スピンコート法に
より、PVA(ポリビニルアルコール)樹脂(商品名:
ボパール217EE,(株)クラレ製)からなる薄膜を
塗布して隔離層を形成し、さらに該隔離層上に、スピン
コート法によりブラックポリイミド(商品名:BKR−
105,日本化薬(株)製)からなる膜厚0.7μmの
光吸収層を形成した。さらに、前記光吸収層上に、実施
例1と同様にして4.5μmのPET製の保護層が形成
された高分子安定化カイラルネマチック液晶(自己保持
型液晶複合体)を主成分とする情報記録層を有する、図
3に示す構造の情報記録媒体(2)を作製した。情報記
録層の層厚は、5μmであり、プレーナ配列に配向し
た、全面が赤色を呈する反射状態の光学特性を有してい
た。
【0103】ITO膜を電極層とし、実施例1と同様に
してリード線を接続し、図5と同様の本発明の情報記録
装置を準備した。情報記録媒体(2)に対し、基板15
のITO膜20が設けられていない側に、基板15側か
ら液晶光変調素子22と平行光線源23とをこの順に配
置して構成される露光手段19を配設し、基板15の表
面より像露光を行えるようにした。さらに、実施例1で
用いた金属マスクプレート9は用いず、それ以外は実施
例1と同一のスコロトロン7、高圧スイッチング電源1
1、バイアス電源12及び波形制御装置13を用い、保
護層5の表面に極性及び電位の少なくとも一方を変え
て、段階的に帯電を行えるように情報記録装置を構成し
た。
【0104】上記のように構成した情報記録装置によ
り、下記の手順で情報の記録を行った。情報記録媒体
(2)の基板15の電極層20が設けられていない側の
表面から、光導電層に露光手段19より画像露光を行
い、同時に情報記録媒体(2)の保護層5表面に対し、
まず第一段階として、ワイヤー電流を+400μAの定
電流で通電するとともに、グリッド電圧に+500Vを
印加した状態でスコロトロンに帯電を行い、第二段階と
して、ワイヤー電流を−400μAの逆極性の電流を通
電するとともに、グリッド電圧を0Vに切り替えて、さ
らに帯電操作を行った。情報記録媒体の記録層は、露光
部分のみが実施例1と同様に透過率が上がり、赤色の低
い反射率を示し、未露光領域との反射率の差により記録
を行うことができた。
【0105】前記情報記録媒体(2)に対し、さらに像
露光を行いながら、図4(a)に示す帯電電位になるよ
うに、第三段階として、ワイヤー電流を+400μAの
定電流で通電するとともに、グリッド電圧に+500V
を印加した状態でスコロトロンに帯電を行い、第四段階
として、ワイヤー電流を−400μAの逆極性の電流を
通電するとともに、グリッド電圧を−500Vに切り替
えて、さらに帯電操作を行い、第五段階として、再びワ
イヤー電流を+400μAの定電流で通電し、グリッド
電圧を0Vに切り替えて、帯電操作を行った。
【0106】その結果、情報記録媒体(2)の情報記録
層の光の反射率は、図4(b)に示すように変化し、再
び初期状態と同様の、全面が赤色を呈する反射状態の光
学特性を有するプレーナ配列に戻ることが確認された。
【0107】これら一連の記録・消去操作を1000回
以上繰り返しても、高解像度で、高コントラストな記録
を行うことができることが確認できた。また、情報の記
録後、消去を行わなかった場合、記録された情報は十分
なメモリー性を示し、30日以上経過しても変化は認め
られなかった。
【0108】(実施例3)片方の表面に酸化インジウム
錫膜(ITO膜)を有する膜厚75μmのPETフィル
ム(商品名:ハイビーム,東レ(株)製)を基板とし、
該基板のITO膜上に、実施例2と同様にして電荷発生
層/電荷輸送層/電荷発生層がこの順に設けられた有機
光導電層を形成した。さらに、該有機光導電層上に、実
施例2と同様にして隔離層及び光吸収層を形成した。
【0109】一方、正の誘電率異方性を有するネマチッ
ク液晶(商品名:E48,メルク社製)65.4wt
%、右旋性のカイラル剤(商品名:CB15,メルク社
製)17.3wt%及び右旋性のカイラル剤(商品名:
CE2,メルク社製)17.3wt%を混合して加熱溶
解した後、室温に戻し、全面が赤色を呈する反射状態の
光学特性を有するカイラルネマチック液晶を得た。前記
カイラルネマチック液晶1g中に、キシレンジイソシア
ネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの付加
物(商品名:D−110N,武田薬品工業(株)製)
0.3g及び酢酸エチル10.0gを加えて均一溶液と
し、油相を調製した。また、ポリビニルアルコール(商
品名:ポバール217EE、(株)クラレ製)1gを、
加熱したイオン交換水10.0g中に加えて攪拌した
後、放置冷却して水相を調製した。
【0110】次に、上記より調製した油相を前記水相中
に加えて乳化分散し、水相中に油相の液滴が分散したO
/W型のエマルジョンを調製した。このO/W型エマル
ジョンを60℃の恒温槽にて2時間攪拌し、界面重合反
応及び脱溶剤を完了し、カイラルネマチック液晶を内包
するマイクロカプセル分散液を形成した。得られたマイ
クロカプセル分散液を遠心分離器にかけて上澄みを除
き、少量のポリビニルアルコール水溶液を含むカイラル
ネマチック液晶内包マイクロカプセル粗生成物を得た。
前記液晶内包マイクロカプセル粗生成物の収量は、1g
であった。
【0111】得られたカイラルネマチック液晶内包マイ
クロカプセル粗生成物の一部を用いて、乾燥前後の重量
よりカイラルネマチック液晶内包マイクロカプセル粗生
成物中の固形成分の重量比を算出した結果、固形成分の
重量比は、80wt%であった。得られたカイラルネマ
チック液晶内包マイクロカプセル粗生成物に、10wt
%ポリビニルアルコール水溶液を4g添加して、情報記
録層形成用のカイラルネマチック液晶内包マイクロカプ
セル塗布液を調製した。
【0112】前記より得られた、有機光導電層、隔離層
及び光吸収層が積層されたPET製基板の前記光吸収層
上に、エッジコータを用いて、湿潤膜厚125μmとな
るように前記カイラルネマチック液晶内包マイクロカプ
セル塗布液を塗布して情報記録層を形成し、該塗膜を室
温で半日乾燥した後、90℃のオーブンで1昼夜乾燥し
て、図6に示す構造の情報記録媒体(3)を得た。乾燥
後の情報記録層の膜厚は、約25μmであり、プレーナ
配列に配向した、全面が赤色を呈する反射状態の光学特
性を有していた。
【0113】実施例2で用いた情報記録装置を構成す
る、平行光線源23及び液晶光変調素子22よりなる露
光手段19に代えて、LED素子をライン状に集積配列
した発光デバイスとライン状の等倍結像光学系とを組合
わせたLEDイメージバーを露光手段19としたこと以
外、実施例2同様にして本発明の情報記録装置を構成
し、図7と同様の情報記録装置を準備した。
【0114】情報記録媒体(3)の基板15の電極層2
0が設けられていない側の表面から、光導電層に露光手
段19のLED素子の露光量を選択的に変調しながら画
像露光を行い、同時に情報記録媒体(3)の情報記録層
18の表面に対し、実施例2と同様の方法で、まず第一
段階として、ワイヤー電流を+400μAの定電流で通
電するとともに、グリッド電圧に+500Vを印加した
状態でスコロトロンに帯電を行い、第二段階として、ワ
イヤー電流を−400μAの逆極性の電流を通電すると
ともに、グリッド電圧を0Vに切り替えて、さらに帯電
操作を行い、この一連の操作を前記情報記録媒体(3)
を図示しない搬送手段により、露光手段19及び電荷付
与手段の長手方向と直交する、図7中の媒体移動方向a
に徐々に移動しながら行ったところ、情報記録媒体
(3)全面に、未露光部の強い赤色反射状態の光学特性
を有する領域と、電荷の付与とともに露光され、光透過
状態になり赤色の低い反射率を示す領域と、の反射率の
差により記録を行うことができた。
【0115】さらに、この状態の情報記録媒体(3)
を、再び露光手段19のLED素子を全点灯させてライ
ン状に露光しながら、図4(a)に示す帯電状態になる
ように、第三段階として、ワイヤー電流を+400μA
の定電流で通電するとともに、グリッド電圧に+500
Vを印加した状態でスコロトロンに帯電を行い、第四段
階として、ワイヤー電流を−400μAの逆極性の電流
を通電するとともに、グリッド電圧を−500Vに切り
替えて、さらに帯電操作を行い、第五段階として、再び
ワイヤー電流を+400μAの定電流で通電し、グリッ
ド電圧を0Vに切り替えて、帯電操作を行い、この一連
の操作を前記情報記録媒体(3)を図示しない搬送手段
により、情報記録媒体(3)を搬送しながら行ったとこ
ろ、情報記録媒体(3)の情報記録層全面を初期状態と
同じプレーナー配列に初期化し、記録された画像情報を
消去することができた。その結果、情報記録媒体(3)
の情報記録層の光の反射率は、図4(b)に示すように
変化し、再び初期状態と同様の、全面が赤色を呈する反
射状態の光学特性を有するプレーナ配列に戻ることが確
認された。これら一連の記録・消去操作を1000回以
上繰り返しても、高解像度で、高コントラストな記録を
行うことができることが確認できた。また、情報の記録
後、消去を行わなかった場合、記録された情報は十分な
メモリー性を示し、30日以上経過しても変化は認めら
れなかった。
【0116】
【発明の効果】本発明によれば、簡易かつ安価な情報記
録媒体を用い、印加する電界を動的に制御することで、
低電圧でも、解像度が高く、高コントラストな記録を実
現しうる情報記録方法を提供することができる。また、
カラーの場合についても、同様に解像度が高く、高コン
トラストな記録を実現できる。また、書換可能な複写装
置やプリンタ等の分野への応用が期待できるとともに、
小型化、簡易構造化、省電力化が可能で、情報の記録及
び消去を可逆的に実現しうる情報記録装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の情報記録方法において、電荷を情報
記録媒体の情報記録層側の表面に付与している状態を説
明するための概略説明図である。
【図2】 段階的に電荷付与したときの情報記録媒体表
面における帯電電位の時間的変化を模式的に示した図
(a)と前記帯電電位の変化に応じた情報記録層の光反
射率の時間的変化を模式的に示した図(b)である。
【図3】 光導電層を有する情報記録媒体の概略断面図
である。
【図4】 段階的に電荷付与したときの情報記録媒体表
面における帯電電位の時間的変化を模式的に示した図
(a)と前記帯電電位の変化に応じた情報記録層の光反
射率の時間的変化を模式的に示した図(b)である。
【図5】 本発明の情報記録方法において、平行光線源
により選択的に露光すると同時に、電荷を情報記録媒体
の情報記録層側の表面に付与している状態を説明するた
めの概略説明図である。
【図6】 カイラルネマチック液晶内包マイクロカプセ
ルを用いた情報記録層を有する情報記録媒体の概略断面
図である。
【図7】 本発明の情報記録方法において、選択的に露
光すると同時に、電荷を情報記録媒体の情報記録層表面
に付与している状態を説明するための概略説明図であ
る。
【符号の説明】
1,15 基板 2,20 電極層 3 光吸収層 4 高分子安定化カイラルネマチック液晶
を主成分とする情報記録層 5 保護層 6 情報記録媒体 7 帯電器 7a コロトロンワイヤー 7b コロトロングリッド 8 イオン流 9 金属マスクプレート 10 電荷付与手段 11 高圧スイッチング電源 12 バイアス電源 13 波形制御装置 14 電荷付与制御手段 16 光導電層 16a,16a' 電荷発生層 16b 電荷輸送層 18 カイラルネマチック液晶内包マイクロ
カプセルを用いた情報記録層 19 露光手段 21 隔離層(PVA層) 22 液晶光変調素子 23 平行光線源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 英夫 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 原田 陽雄 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 有沢 宏 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも、電極層と、メモ
    リー性を有する電気光学材料を含む情報記録層と、をこ
    の順に積層してなる情報記録媒体の前記情報記録層側の
    表面に電荷を付与して記録を行う情報記録方法におい
    て、 前記情報記録層側の表面に、印加する電界の極性及び電
    位の少なくとも一方を段階的に変えて、電荷を複数回付
    与することを特徴とする情報記録方法。
  2. 【請求項2】 基板上に、少なくとも、電極層と、光導
    電層と、メモリー性を有する電気光学材料を含む情報記
    録層と、をこの順に積層してなる情報記録媒体の前記情
    報記録層側の表面に電荷を付与して記録を行う情報記録
    方法において、 前記情報記録媒体を選択的に露光すると同時に、前記情
    報記録層側の表面における前記露光部分を含む領域に、
    印加する電界の極性及び電位の少なくとも一方を段階的
    に変えて、電荷を複数回付与することを特徴とする情報
    記録方法。
  3. 【請求項3】 基板の情報記録層側の表面に、印加する
    電界の極性及び電位の少なくとも一方を段階的に変え
    て、電荷を複数回付与した後、前記情報記録層側の表面
    を無電荷状態とする請求項1又は2に記載の情報記録方
    法。
  4. 【請求項4】 基板上に、少なくとも、電極層と、メモ
    リー性を有する電気光学材料を含む情報記録層と、をこ
    の順に積層してなる情報記録媒体に対し、 少なくとも、前記情報記録媒体の情報記録層側の表面に
    電荷を付与する電荷付与手段と、印加する電界の極性及
    び電位の少なくとも一方を段階的に制御しうる電荷付与
    制御手段と、を備えることを特徴とする情報記録装置。
  5. 【請求項5】 基板上に、少なくとも、電極層と、光導
    電層と、メモリー性を有する電気光学材料を含む情報記
    録層と、をこの順に積層してなる情報記録媒体に対し、 少なくとも、前記情報記録媒体を選択的に露光する露光
    手段と、前記情報記録媒体の前記情報記録層側の表面に
    電荷を付与する電荷付与手段と、印加する電界の極性及
    び電位の少なくとも一方を段階的に制御しうる電荷付与
    制御手段と、を備えることを特徴とする情報記録装置。
  6. 【請求項6】 情報記録媒体の基板及び電極層が、光透
    過性の基板及び電極層であって、 情報記録媒体の基板面と対向する位置に露光手段が設け
    られ、さらに前記情報記録媒体の情報記録層側の表面と
    対向する位置に電荷付与手段が設けられた請求項5に記
    載の情報記録装置。
  7. 【請求項7】 露光手段及び電荷付与手段と、情報記録
    媒体と、の少なくとも一方を移動させて、前記情報記録
    媒体の全面に露光及び電荷の付与を行う搬送手段を備え
    る請求項4から6のいずれかに記載の情報記録装置。
  8. 【請求項8】 印加する電界の極性及び電位の少なくと
    も一方を段階的に制御しうる電荷付与制御手段、加圧手
    段及び加熱手段より選ばれる少なくとも1の消去手段を
    備える請求項4から7のいずれかに記載の情報記録装
    置。
  9. 【請求項9】 メモリー性を有する電気光学材料が、カ
    イラルネマチック液晶である請求項4から8のいずれか
    に記載の情報記録装置。
  10. 【請求項10】 メモリー性を有する電気光学材料が、
    高分子物質からなる外殻に内包されたマイクロカプセル
    構造を有する電気光学材料である請求項4から9のいず
    れかに記載の情報記録装置。
  11. 【請求項11】 光導電層が、電荷発生層、電荷輸送層
    及び電荷発生層をこの順に積層してなる積層構造を有す
    る層である請求項5から10のいずれかに記載の情報記
    録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002203213A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Fuji Xerox Co Ltd 表示情報管理システム、表示情報管理方法、及び表示記録媒体
CN109115606A (zh) * 2018-09-06 2019-01-01 金华职业技术学院 一种薄膜测试装置

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