JP2001074112A - 可変径プーリ用スタビライザ - Google Patents
可変径プーリ用スタビライザInfo
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- JP2001074112A JP2001074112A JP24896199A JP24896199A JP2001074112A JP 2001074112 A JP2001074112 A JP 2001074112A JP 24896199 A JP24896199 A JP 24896199A JP 24896199 A JP24896199 A JP 24896199A JP 2001074112 A JP2001074112 A JP 2001074112A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】可変径プーリの動力伝達リングの振動を抑制す
るために、異物に対して密封できるスタビライザを利用
する場合、動力伝達リング等が傷み易い。 【解決手段】本スタビライザ3では、ベース4に立設し
た支軸5に回動アーム6のボス20を回動自在に、且つ
軸方向に遊びを持って移動自在に支持する。ボス20の
端面24,25と、支軸5に取り付けられたストッパ9
とナット10との端面38,39との間に隙間28,2
9が形成され、隙間の総和量が適切な遊び量を確保す
る。回動アーム6は付勢部材8により付勢されつつロー
ラ7を動力伝達リング206の外周面に押圧する。ボス
20の両端の内周面26にシール部材17が設けられ、
軸受ブッシュ16を密封する。調整機構により隙間量を
調節でき、振動を防止できる最適な遊び量を確保でき
る。 【効果】適切な遊びにより、振動を抑制でき且つ長寿
命。ローラの硬さを80HRM〜100HVとすると、
動力伝達リングとローラとがともに傷み難い。
るために、異物に対して密封できるスタビライザを利用
する場合、動力伝達リング等が傷み易い。 【解決手段】本スタビライザ3では、ベース4に立設し
た支軸5に回動アーム6のボス20を回動自在に、且つ
軸方向に遊びを持って移動自在に支持する。ボス20の
端面24,25と、支軸5に取り付けられたストッパ9
とナット10との端面38,39との間に隙間28,2
9が形成され、隙間の総和量が適切な遊び量を確保す
る。回動アーム6は付勢部材8により付勢されつつロー
ラ7を動力伝達リング206の外周面に押圧する。ボス
20の両端の内周面26にシール部材17が設けられ、
軸受ブッシュ16を密封する。調整機構により隙間量を
調節でき、振動を防止できる最適な遊び量を確保でき
る。 【効果】適切な遊びにより、振動を抑制でき且つ長寿
命。ローラの硬さを80HRM〜100HVとすると、
動力伝達リングとローラとがともに傷み難い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プーリに巻き掛け
られたベルトの有効径を変化させることができる可変径
プーリの振動を抑制するスタビライザに関する。特に、
可変径プーリの一対のプーリ主体間に偏心可能に挟持さ
れてベルトと係合する動力伝達リングの振動を抑制する
ためのスタビライザに関する。
られたベルトの有効径を変化させることができる可変径
プーリの振動を抑制するスタビライザに関する。特に、
可変径プーリの一対のプーリ主体間に偏心可能に挟持さ
れてベルトと係合する動力伝達リングの振動を抑制する
ためのスタビライザに関する。
【0002】
【従来の技術】上述の可変径プーリとして、近年、互い
の間にV溝を区画し互いに軸方向に相対移動自在な一対
のプーリ主体、これらプーリ主体を相対的に近づける方
向に付勢する弾性部材、および上述のプーリ主体間に偏
心可能に挟持され且つ外周面にベルトが係合される動力
伝達リングを含むタイプのものが提供されている。この
タイプのものでは、動力伝達リングをプーリ主体に対し
て同心に配置した状態と、動力伝達リングをプーリ主体
の軸心に対して偏心させた状態との間で、動力伝達リン
グを変位させることで、ベルトを可変径プーリに対する
所定の有効径とすることができる。
の間にV溝を区画し互いに軸方向に相対移動自在な一対
のプーリ主体、これらプーリ主体を相対的に近づける方
向に付勢する弾性部材、および上述のプーリ主体間に偏
心可能に挟持され且つ外周面にベルトが係合される動力
伝達リングを含むタイプのものが提供されている。この
タイプのものでは、動力伝達リングをプーリ主体に対し
て同心に配置した状態と、動力伝達リングをプーリ主体
の軸心に対して偏心させた状態との間で、動力伝達リン
グを変位させることで、ベルトを可変径プーリに対する
所定の有効径とすることができる。
【0003】動力伝達リングは、偏心時に、周方向の一
点のみでプーリ主体と接触することとなるので、動力伝
達リングの回動軸線はプーリ主体に対して平行度を維持
し難く、倒れ易い傾向にある。また、動力伝達リング
は、プーリ主体に対して同心となるように弾性部材によ
って付勢されているので、ベルトの張力変動に応じて径
方向に振動する。このような動力伝達リングの径方向振
動や、動力伝達リングの回動軸線の倒れを防止するため
にスタビライザが設けられている。
点のみでプーリ主体と接触することとなるので、動力伝
達リングの回動軸線はプーリ主体に対して平行度を維持
し難く、倒れ易い傾向にある。また、動力伝達リング
は、プーリ主体に対して同心となるように弾性部材によ
って付勢されているので、ベルトの張力変動に応じて径
方向に振動する。このような動力伝達リングの径方向振
動や、動力伝達リングの回動軸線の倒れを防止するため
にスタビライザが設けられている。
【0004】このスタビライザとしては、例えば、動力
伝達リングの外周面に接触するローラと、このローラを
変位可能且つ回転自在に支持する回動アームと、ローラ
を弾力的に動力伝達リングの外周面に押圧するための弾
性部材とを有するものがある。回動アームは、一端にロ
ーラを支持しつつ、他端にボスを有し、このボスが支軸
と回動自在に嵌合して、回動アームは支軸の周りに揺動
自在に支持されている。これにより、ローラが動力伝達
リングの偏心移動に対して追従するようになっている。
伝達リングの外周面に接触するローラと、このローラを
変位可能且つ回転自在に支持する回動アームと、ローラ
を弾力的に動力伝達リングの外周面に押圧するための弾
性部材とを有するものがある。回動アームは、一端にロ
ーラを支持しつつ、他端にボスを有し、このボスが支軸
と回動自在に嵌合して、回動アームは支軸の周りに揺動
自在に支持されている。これにより、ローラが動力伝達
リングの偏心移動に対して追従するようになっている。
【0005】従来、ローラおよびこれを支持する回動ア
ームは、支軸の軸方向に関する位置を固定されていたた
め、動力伝達リングの外周面のベルト係合用の断面V字
形形状の周溝が摩耗し易いという欠点があった。
ームは、支軸の軸方向に関する位置を固定されていたた
め、動力伝達リングの外周面のベルト係合用の断面V字
形形状の周溝が摩耗し易いという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願発明者
は、回動アームのボスの両端面に隙間を設けて対向する
一対の対向部材を設け、回動アームを支軸の軸方向に、
遊びを持って移動可能とすることを考えた。このような
スタビライザでは、回動アームの遊び量が大き過ぎる
と、動力伝達リングの回動軸線が倒れるような振動を抑
制する効果が弱まる。一方、遊び量が小さ過ぎると、動
力伝達リングの周溝が摩耗し易くなる。このため、遊び
量が最適量に設定されることが必要である。
は、回動アームのボスの両端面に隙間を設けて対向する
一対の対向部材を設け、回動アームを支軸の軸方向に、
遊びを持って移動可能とすることを考えた。このような
スタビライザでは、回動アームの遊び量が大き過ぎる
と、動力伝達リングの回動軸線が倒れるような振動を抑
制する効果が弱まる。一方、遊び量が小さ過ぎると、動
力伝達リングの周溝が摩耗し易くなる。このため、遊び
量が最適量に設定されることが必要である。
【0007】ところで、可変径プーリが自動車に利用さ
れる場合には、いわゆるエンジンルーム内に配置される
が、スタビライザにも泥水等の異物が付着し易くなる。
支軸と回動アームとの嵌合し合う部分に異物が侵入する
と、回動アームがスムーズに揺動できなくなる虞があ
る。そこで、回動アームのボスの両端面と、これらに対
応する対向部材の端面との間の隙間にそれぞれ、シール
部材である弾性部材からなるOリングを密着状態で挟み
込むことを考えた。
れる場合には、いわゆるエンジンルーム内に配置される
が、スタビライザにも泥水等の異物が付着し易くなる。
支軸と回動アームとの嵌合し合う部分に異物が侵入する
と、回動アームがスムーズに揺動できなくなる虞があ
る。そこで、回動アームのボスの両端面と、これらに対
応する対向部材の端面との間の隙間にそれぞれ、シール
部材である弾性部材からなるOリングを密着状態で挟み
込むことを考えた。
【0008】しかしながら、これでは、Oリングが圧縮
される分しか実質的な遊び量を確保できないので、実質
的な遊び量が小さくなってしまう。その結果、例えば、
ローラおよび動力伝達リングの周面が摩耗し易くなる結
果、スタビライザや動力伝達リングの長寿命化が困難で
あった。そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を
解決し、異物の侵入を防止しつつ、長寿命化できる可変
径プーリ用スタビライザを提供することである。
される分しか実質的な遊び量を確保できないので、実質
的な遊び量が小さくなってしまう。その結果、例えば、
ローラおよび動力伝達リングの周面が摩耗し易くなる結
果、スタビライザや動力伝達リングの長寿命化が困難で
あった。そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を
解決し、異物の侵入を防止しつつ、長寿命化できる可変
径プーリ用スタビライザを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】請求項
1に記載の発明の態様は、可変径プーリの一対のプーリ
主体間に偏心可能に挟持される動力伝達リングの振動を
抑制するスタビライザにおいて、上記動力伝達リングの
軸心に平行に延び、ベースに取り付けられる支軸と、第
1および第2の端部を有し、支軸の周りに回動自在に支
持されるボスを第1の端部に有する回動アームと、この
回動アームの第2の端部に回動自在に支持され、動力伝
達リングの外周面に摺接するローラと、このローラが動
力伝達リングの外周面を押圧する方向に回動アームを付
勢する付勢部材と、ボスの一対の端面との間に隙間を設
けてそれぞれ対向すると共に支軸の軸方向に位置決めさ
れた一対の対向部材とを備え、各対向部材と対応するボ
スの端面との間の隙間の総和量だけ、回動アームが支軸
の軸方向に遊びを持って変位できるようにしてあり、ボ
スの軸方向の両端の内周面にそれぞれ設けられた一対の
シール部材によって、ボスの内周面と支軸の外周面との
間が密封されていることを特徴とするスタビライザを提
供する。
1に記載の発明の態様は、可変径プーリの一対のプーリ
主体間に偏心可能に挟持される動力伝達リングの振動を
抑制するスタビライザにおいて、上記動力伝達リングの
軸心に平行に延び、ベースに取り付けられる支軸と、第
1および第2の端部を有し、支軸の周りに回動自在に支
持されるボスを第1の端部に有する回動アームと、この
回動アームの第2の端部に回動自在に支持され、動力伝
達リングの外周面に摺接するローラと、このローラが動
力伝達リングの外周面を押圧する方向に回動アームを付
勢する付勢部材と、ボスの一対の端面との間に隙間を設
けてそれぞれ対向すると共に支軸の軸方向に位置決めさ
れた一対の対向部材とを備え、各対向部材と対応するボ
スの端面との間の隙間の総和量だけ、回動アームが支軸
の軸方向に遊びを持って変位できるようにしてあり、ボ
スの軸方向の両端の内周面にそれぞれ設けられた一対の
シール部材によって、ボスの内周面と支軸の外周面との
間が密封されていることを特徴とするスタビライザを提
供する。
【0010】本態様によれば、回動アームの遊び量を確
保するための上述の隙間内にシール部材を配置しないの
で、隙間の全体を遊び領域として活用できる結果、遊び
量を隙間の総和量と同等に、適切な遊び量で十分に確保
できる。従って、回動アームを介してローラは動力伝達
リングに無理なく追従できるので、ローラ、動力伝達リ
ング等が傷み難く、これらの長寿命化を図ることができ
る。また、シール部材は、シール機能を十分に果たせる
位置に配置されるので、隙間からの泥水等の異物がボス
の内周面と支軸の外周面との間に侵入することを防止で
きる。
保するための上述の隙間内にシール部材を配置しないの
で、隙間の全体を遊び領域として活用できる結果、遊び
量を隙間の総和量と同等に、適切な遊び量で十分に確保
できる。従って、回動アームを介してローラは動力伝達
リングに無理なく追従できるので、ローラ、動力伝達リ
ング等が傷み難く、これらの長寿命化を図ることができ
る。また、シール部材は、シール機能を十分に果たせる
位置に配置されるので、隙間からの泥水等の異物がボス
の内周面と支軸の外周面との間に侵入することを防止で
きる。
【0011】請求項2に記載の発明の態様は、請求項1
に記載のスタビライザにおいて、上記少なくとも一方の
対向部材の支軸に対する取付位置を調整可能としてある
ことを特徴とするスタビライザを提供する。本態様によ
れば、可変径プーリやスタビライザの現物に応じて、対
向部材および回動アームの端面同士の間隔を調節するこ
とができるので、動力伝達リングの挙動を安定させるの
に最適な遊び量に調節できる。
に記載のスタビライザにおいて、上記少なくとも一方の
対向部材の支軸に対する取付位置を調整可能としてある
ことを特徴とするスタビライザを提供する。本態様によ
れば、可変径プーリやスタビライザの現物に応じて、対
向部材および回動アームの端面同士の間隔を調節するこ
とができるので、動力伝達リングの挙動を安定させるの
に最適な遊び量に調節できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、添付
図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施の
形態である可変速プーリ装置の概略構成を示す正面図で
あり、図1(a)および図1(b)とに異なる状態を示
す。本可変速プーリ装置Aは、一対のプーリ主体20
2,203間に偏心可能に挟持され且つベルト2が外周
面に巻き掛けられた動力伝達リング206を有してベル
ト2に対する有効径を変化させることのできる可変径プ
ーリ51と、動力伝達リング206の振動を抑制するス
タビライザ3とを有している。
図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施の
形態である可変速プーリ装置の概略構成を示す正面図で
あり、図1(a)および図1(b)とに異なる状態を示
す。本可変速プーリ装置Aは、一対のプーリ主体20
2,203間に偏心可能に挟持され且つベルト2が外周
面に巻き掛けられた動力伝達リング206を有してベル
ト2に対する有効径を変化させることのできる可変径プ
ーリ51と、動力伝達リング206の振動を抑制するス
タビライザ3とを有している。
【0013】本可変速プーリ装置Aは、複数のプーリ
(図示せず)と、そのプーリ間に巻き掛けられたベルト
2とを有するベルト伝動装置において、少なくとも一つ
のプーリに適用することができる。後に詳述するが、可
変径プーリ51は、動力伝達リング206を、プーリ主
体202,203の軸心Kと同心となる位置(図1
(b)の状態に相当)と、軸心Kに対して所定量偏心す
る位置(図1(a)の状態に相当)とに所定の偏心方向
D1に沿って変位させることにより、ベルト2に対する
有効径を変化させる。
(図示せず)と、そのプーリ間に巻き掛けられたベルト
2とを有するベルト伝動装置において、少なくとも一つ
のプーリに適用することができる。後に詳述するが、可
変径プーリ51は、動力伝達リング206を、プーリ主
体202,203の軸心Kと同心となる位置(図1
(b)の状態に相当)と、軸心Kに対して所定量偏心す
る位置(図1(a)の状態に相当)とに所定の偏心方向
D1に沿って変位させることにより、ベルト2に対する
有効径を変化させる。
【0014】偏心方向D1は、ベルト2が動力伝達リン
グ206に巻き掛けられた状態に応じて予め設定され
る。この偏心方向D1は、プーリ主体202,203の
軸心Kの方向と直交する方向であり、ベルト2が動力伝
達リング206から延び出す2つの方向の間に形成され
る角を二分する方向であり、例えば、図1では左右方向
となる。プーリ主体202,203の軸心Kに対して、
動力伝達リング206の偏心方向D1となる側にスタビ
ライザ3が配置されている。
グ206に巻き掛けられた状態に応じて予め設定され
る。この偏心方向D1は、プーリ主体202,203の
軸心Kの方向と直交する方向であり、ベルト2が動力伝
達リング206から延び出す2つの方向の間に形成され
る角を二分する方向であり、例えば、図1では左右方向
となる。プーリ主体202,203の軸心Kに対して、
動力伝達リング206の偏心方向D1となる側にスタビ
ライザ3が配置されている。
【0015】スタビライザ3は、取付のための固定部材
としてのベース4と、このベース4に取り付けられて動
力伝達リング206の軸心K2と平行に(プーリ主体2
02,203の軸心Kに対しても平行になる。)延びる
支軸5と、この支軸5の周りに回動自在に支持される回
動アーム6と、この回動アーム6に回動自在に支持され
て動力伝達リング206の外周面となる伝動面208に
摺接するローラ7と、このローラ7が動力伝達リング2
06の外周面を押圧する方向に回動アーム6を付勢する
付勢部材8とを有している。
としてのベース4と、このベース4に取り付けられて動
力伝達リング206の軸心K2と平行に(プーリ主体2
02,203の軸心Kに対しても平行になる。)延びる
支軸5と、この支軸5の周りに回動自在に支持される回
動アーム6と、この回動アーム6に回動自在に支持され
て動力伝達リング206の外周面となる伝動面208に
摺接するローラ7と、このローラ7が動力伝達リング2
06の外周面を押圧する方向に回動アーム6を付勢する
付勢部材8とを有している。
【0016】回動アーム6は、支軸5の延びる方向に直
交する方向に長い形状を有し、その両端部となる第1の
端部21および第2の端部22を有している。回動アー
ム6は、第1の端部21にボス20を有し、このボス2
0が支軸5の周りに回動自在に支持されている。また、
回動アーム6の第2の端部22には回転軸12が立設さ
れて、ローラ7を回動自在に支持している。スタビライ
ザ3では、回動アーム6が回動するのに伴うローラ7の
変位方向と、動力伝達リング206の偏心方向D1とが
ほぼ一致するようにして配置されている。付勢部材8
は、動力伝達リング206の外周面をローラ7が弾力的
に押圧するように、回動アーム6を図1で反時計回りと
なる、動力伝達リング206を偏心させる向きと逆向き
に回動付勢している(矢印D5参照)。これにより、ロ
ーラ7が、動力伝達リング206の偏心方向に沿う変位
や、径方向の振動に追従しつつ、スタビライザ3が動力
伝達リング206の振動を抑制することができる。
交する方向に長い形状を有し、その両端部となる第1の
端部21および第2の端部22を有している。回動アー
ム6は、第1の端部21にボス20を有し、このボス2
0が支軸5の周りに回動自在に支持されている。また、
回動アーム6の第2の端部22には回転軸12が立設さ
れて、ローラ7を回動自在に支持している。スタビライ
ザ3では、回動アーム6が回動するのに伴うローラ7の
変位方向と、動力伝達リング206の偏心方向D1とが
ほぼ一致するようにして配置されている。付勢部材8
は、動力伝達リング206の外周面をローラ7が弾力的
に押圧するように、回動アーム6を図1で反時計回りと
なる、動力伝達リング206を偏心させる向きと逆向き
に回動付勢している(矢印D5参照)。これにより、ロ
ーラ7が、動力伝達リング206の偏心方向に沿う変位
や、径方向の振動に追従しつつ、スタビライザ3が動力
伝達リング206の振動を抑制することができる。
【0017】また、本実施の形態では、スタビライザ3
は、図2に示すように、回動アーム6のボス20の一対
の端面24,25との間に隙間28,29を設けてそれ
ぞれ対向すると共に支軸5の軸方向に位置決めされた一
対の対向部材としてのストッパ9およびナット10を有
し、各対向部材と対応するボス20の端面24,25と
の間の隙間28,29の総和量だけ、回動アーム6が支
軸5の軸方向(以下軸方向という。矢印D3参照。)に
遊びを持って変位できるようにしてある。これにより、
回動アーム6が支軸5の軸方向に十分に変位でき、ロー
ラ7や動力伝達リング206に無理がかからなくされて
いる。
は、図2に示すように、回動アーム6のボス20の一対
の端面24,25との間に隙間28,29を設けてそれ
ぞれ対向すると共に支軸5の軸方向に位置決めされた一
対の対向部材としてのストッパ9およびナット10を有
し、各対向部材と対応するボス20の端面24,25と
の間の隙間28,29の総和量だけ、回動アーム6が支
軸5の軸方向(以下軸方向という。矢印D3参照。)に
遊びを持って変位できるようにしてある。これにより、
回動アーム6が支軸5の軸方向に十分に変位でき、ロー
ラ7や動力伝達リング206に無理がかからなくされて
いる。
【0018】また、ボス20の軸方向の両端の内周面2
6にそれぞれ設けられた一対のシール部材17によっ
て、隙間28,29の全体を遊び領域として確保しつ
つ、ボス20の内周面26と支軸5の外周面44との間
が、その間に介在するシール部材17により密封されて
いる。以下、詳細に説明する。支軸5の一方の端部に
は、ストッパ9が固定され、また、他方の端部寄りには
2つのナット10,11がねじ込まれている。回動アー
ム6のボス20は、ストッパ9およびナット10の間に
配置されている。
6にそれぞれ設けられた一対のシール部材17によっ
て、隙間28,29の全体を遊び領域として確保しつ
つ、ボス20の内周面26と支軸5の外周面44との間
が、その間に介在するシール部材17により密封されて
いる。以下、詳細に説明する。支軸5の一方の端部に
は、ストッパ9が固定され、また、他方の端部寄りには
2つのナット10,11がねじ込まれている。回動アー
ム6のボス20は、ストッパ9およびナット10の間に
配置されている。
【0019】支軸5は、ストッパ9と、ナット10との
間に、ボス20が嵌合されている上述の外周面44を有
している。外周面44は円周面からなり、この円周面
は、軸方向に関してボス20よりも長く形成されてい
る。これにより、ボス20が外周面44に沿って軸方向
変位可能且つ支軸5の回りに回動可能とされている。支
軸5では、ストッパ9の端面38およびナット10の端
面39は、ボス20の端面24,25と対向して配置さ
れている。ストッパ9の端面38およびボス20の端面
24の間に、隙間28が形成され、ナット10の端面3
9およびボス20の端面25の間に、隙間29が形成さ
れている。また、ボス20が軸方向に変位することによ
り、ストッパ9の端面38およびナット10の端面39
は、対応するボス20の端面24,25とそれぞれ当接
可能とされている。また、ベース4が2つのナット1
0,11によって挟持されることにより、支軸5とベー
ス4とが互いに固定されている。
間に、ボス20が嵌合されている上述の外周面44を有
している。外周面44は円周面からなり、この円周面
は、軸方向に関してボス20よりも長く形成されてい
る。これにより、ボス20が外周面44に沿って軸方向
変位可能且つ支軸5の回りに回動可能とされている。支
軸5では、ストッパ9の端面38およびナット10の端
面39は、ボス20の端面24,25と対向して配置さ
れている。ストッパ9の端面38およびボス20の端面
24の間に、隙間28が形成され、ナット10の端面3
9およびボス20の端面25の間に、隙間29が形成さ
れている。また、ボス20が軸方向に変位することによ
り、ストッパ9の端面38およびナット10の端面39
は、対応するボス20の端面24,25とそれぞれ当接
可能とされている。また、ベース4が2つのナット1
0,11によって挟持されることにより、支軸5とベー
ス4とが互いに固定されている。
【0020】支軸5の他方の端部寄りには、図3の要部
拡大図に示すように、外周面44とつながりナット10
がねじ込まれる雄ねじ40と、雄ねじ41と段差面45
を介してつながり外周面44よりも小径の円周面からな
りベース4の取付孔49に嵌合される外周面43と、外
周面43につながりナット11がねじ込まれる雄ねじ4
1とが形成され、これらの各部は、同心に形成されてい
る。また、上述のナット10,11と、雄ねじ40,4
1とが、ベース4に対する支軸5の取付位置を調整する
調整機構を構成している。
拡大図に示すように、外周面44とつながりナット10
がねじ込まれる雄ねじ40と、雄ねじ41と段差面45
を介してつながり外周面44よりも小径の円周面からな
りベース4の取付孔49に嵌合される外周面43と、外
周面43につながりナット11がねじ込まれる雄ねじ4
1とが形成され、これらの各部は、同心に形成されてい
る。また、上述のナット10,11と、雄ねじ40,4
1とが、ベース4に対する支軸5の取付位置を調整する
調整機構を構成している。
【0021】この調整機構により、ストッパ9とベース
4との間の軸方向に沿う距離を異ならせることができ
る。上述の距離を短くする場合には、支軸5の段差面4
5をベース4の一面31と当接させ、ナット11を雄ね
じ41にねじ込むことにより、ナット11を一面31の
裏側の面32に当接させる(図3に示す状態)。この状
態では、ナット10の端面33をベース4の一面31に
当接させておく。また、上述の距離を長くする場合に
は、支軸5の段差面45とベース4の一面31との間に
間隔を空けた状態で、雄ねじ40にねじ込んだナット1
0の端面33とベース4の一面31とを当接させ、ナッ
ト11を雄ねじ41にねじ込むことにより、この一面3
1の裏側の面32にナット11を当接させる。
4との間の軸方向に沿う距離を異ならせることができ
る。上述の距離を短くする場合には、支軸5の段差面4
5をベース4の一面31と当接させ、ナット11を雄ね
じ41にねじ込むことにより、ナット11を一面31の
裏側の面32に当接させる(図3に示す状態)。この状
態では、ナット10の端面33をベース4の一面31に
当接させておく。また、上述の距離を長くする場合に
は、支軸5の段差面45とベース4の一面31との間に
間隔を空けた状態で、雄ねじ40にねじ込んだナット1
0の端面33とベース4の一面31とを当接させ、ナッ
ト11を雄ねじ41にねじ込むことにより、この一面3
1の裏側の面32にナット11を当接させる。
【0022】また、調整機構は、支軸5に対する対向部
材であるナット10の取付位置を調整可能としている。
すなわち、雄ねじ40に対するナット10のねじ込み位
置を異ならせる場合に、ベース4の一面31にナット1
0を当接させることにより、ナット10が緩むことな
く、ねじ込み位置を異ならせることができる。なお、ナ
ット10の取付位置を調整する構成は、上述の調整機構
の他、公知の構成を利用してもよい。
材であるナット10の取付位置を調整可能としている。
すなわち、雄ねじ40に対するナット10のねじ込み位
置を異ならせる場合に、ベース4の一面31にナット1
0を当接させることにより、ナット10が緩むことな
く、ねじ込み位置を異ならせることができる。なお、ナ
ット10の取付位置を調整する構成は、上述の調整機構
の他、公知の構成を利用してもよい。
【0023】図2に戻って説明する。回動アーム6は、
上述の第1の端部21から第2の端部22にかけて延び
る長尺の腕部および第1の端部21に立設された筒部を
含むアーム部材14と、アーム部材14の筒部の両端面
に設けられた一対のスクレーパ15と、筒部の内周面2
7に配置された一対の軸受ブッシュ16とを有してい
る。また、アーム部材14の筒部には、内周面27より
も大径の上述の内周面26が形成され、この内周面26
に、軸受ブッシュ16を軸方向の両側から挟むようにし
て上述の一対のシール部材17が取り付けられている。
一対のシール部材17と回動アーム6とは一体的なユニ
ットに構成されている。
上述の第1の端部21から第2の端部22にかけて延び
る長尺の腕部および第1の端部21に立設された筒部を
含むアーム部材14と、アーム部材14の筒部の両端面
に設けられた一対のスクレーパ15と、筒部の内周面2
7に配置された一対の軸受ブッシュ16とを有してい
る。また、アーム部材14の筒部には、内周面27より
も大径の上述の内周面26が形成され、この内周面26
に、軸受ブッシュ16を軸方向の両側から挟むようにし
て上述の一対のシール部材17が取り付けられている。
一対のシール部材17と回動アーム6とは一体的なユニ
ットに構成されている。
【0024】回動アーム6のボス20は、アーム部材1
4の筒部と、一対のスクレーパ15と、一対のブッシュ
16とにより構成され、一対のスクレーパ15の遠い側
にある端面がボス20の端面24,25をそれぞれ形成
している。シール部材17は、内周面26により形成さ
れる環状溝内に収容されている。シール部材17は、例
えば、Oリングからなり、Oリングの外周面と筒部の内
周面26との間を固定状態で密封し、Oリングの内周面
と、この内周面に摺接する支軸5の外周面44との間を
相対回動可能且つ相対移動可能な状態で密封する。な
お、シール部材17としては、Oリングの他、断面X字
形状の環状弾性部材からなるXリング等の、支軸5に嵌
まり軸方向の相対移動および軸周りの相対回動を許容し
つつ、軸方向について密封する公知の部材を利用でき
る。
4の筒部と、一対のスクレーパ15と、一対のブッシュ
16とにより構成され、一対のスクレーパ15の遠い側
にある端面がボス20の端面24,25をそれぞれ形成
している。シール部材17は、内周面26により形成さ
れる環状溝内に収容されている。シール部材17は、例
えば、Oリングからなり、Oリングの外周面と筒部の内
周面26との間を固定状態で密封し、Oリングの内周面
と、この内周面に摺接する支軸5の外周面44との間を
相対回動可能且つ相対移動可能な状態で密封する。な
お、シール部材17としては、Oリングの他、断面X字
形状の環状弾性部材からなるXリング等の、支軸5に嵌
まり軸方向の相対移動および軸周りの相対回動を許容し
つつ、軸方向について密封する公知の部材を利用でき
る。
【0025】一対のシール部材17は、ボス20の軸方
向の両端に配置され、ボス20内部に配置されている軸
受ブッシュ16と支軸5との嵌合部に、外部から隙間2
8,29を通じて異物が侵入することを防止する。軸受
ブッシュ16は、筒状部材であり、一対が軸方向に間隔
を空けて配置されている。軸受ブッシュ16の内周面
は、支軸5の外周面44に、相対回動可能且つ軸方向移
動可能に嵌合されている。また、軸受ブッシュ16の外
周面は、アーム部材14の内周面27に圧入されてい
る。
向の両端に配置され、ボス20内部に配置されている軸
受ブッシュ16と支軸5との嵌合部に、外部から隙間2
8,29を通じて異物が侵入することを防止する。軸受
ブッシュ16は、筒状部材であり、一対が軸方向に間隔
を空けて配置されている。軸受ブッシュ16の内周面
は、支軸5の外周面44に、相対回動可能且つ軸方向移
動可能に嵌合されている。また、軸受ブッシュ16の外
周面は、アーム部材14の内周面27に圧入されてい
る。
【0026】スクレーパ15は、樹脂製の板状の環状部
材であり、その内周部が支軸5の外周面44と摺接する
ことにより、外周面44に付着している異物を除去す
る。また、スクレーパ15は、シール部材17を取り付
けるための環状溝を区画するための、ボス20の端面部
としても機能している。付勢部材8は、つるまきばねか
らなる。つるまきばねは、その一端でストッパ9に係止
され、ボス20の外周を取り囲むように巻回され、他端
で回動アーム6のアーム部材14の腕部に係止されてい
る。付勢部材8は、その付勢力が回動アーム6を介して
ローラ7に伝わり、ローラ7が動力伝達リング206の
外周面を押圧するように、取り付けられている。なお、
付勢部材8としては、つるまきばね以外のばねやゴム材
等の弾性部材でもよい。
材であり、その内周部が支軸5の外周面44と摺接する
ことにより、外周面44に付着している異物を除去す
る。また、スクレーパ15は、シール部材17を取り付
けるための環状溝を区画するための、ボス20の端面部
としても機能している。付勢部材8は、つるまきばねか
らなる。つるまきばねは、その一端でストッパ9に係止
され、ボス20の外周を取り囲むように巻回され、他端
で回動アーム6のアーム部材14の腕部に係止されてい
る。付勢部材8は、その付勢力が回動アーム6を介して
ローラ7に伝わり、ローラ7が動力伝達リング206の
外周面を押圧するように、取り付けられている。なお、
付勢部材8としては、つるまきばね以外のばねやゴム材
等の弾性部材でもよい。
【0027】ローラ7は、軸受13を介して回転軸12
に支持されている。ローラ7は回転軸12に対して軸方
向に位置決めされて取り付けられている。ローラ7の外
周面には、周方向に延びる複数の周溝47が形成されて
いる。この周溝47は、動力伝達リング206の伝動面
208に形成された周溝237に係合するようになって
おり、断面略V字形状に形成されている。また、軸受1
3は、ローラ7の端面に固定された一対の蓋48により
異物の侵入を防止されている。
に支持されている。ローラ7は回転軸12に対して軸方
向に位置決めされて取り付けられている。ローラ7の外
周面には、周方向に延びる複数の周溝47が形成されて
いる。この周溝47は、動力伝達リング206の伝動面
208に形成された周溝237に係合するようになって
おり、断面略V字形状に形成されている。また、軸受1
3は、ローラ7の端面に固定された一対の蓋48により
異物の侵入を防止されている。
【0028】次に、図5〜図7を参照して、可変径プー
リ51について説明する。可変径プーリ51は、図5の
断面図に示すように、車両の駆動源の出力軸に連なる回
転軸201の周囲に軸方向に移動自在な第1および第2
の環状のプーリ主体202,203を備えており、これ
らプーリ主体202,203の互いの対向面にそれぞれ
動力伝達面204,205を形成している。これら一対
の動力伝達面204,205は互いに逆向きに傾斜した
テーパ状にされており、両動力伝達面204,205に
よって、断面略台形形状の動力伝達リング206が、両
プーリ主体202,203の軸心Kに対して偏心可能
(図7参照)に挟持されている。
リ51について説明する。可変径プーリ51は、図5の
断面図に示すように、車両の駆動源の出力軸に連なる回
転軸201の周囲に軸方向に移動自在な第1および第2
の環状のプーリ主体202,203を備えており、これ
らプーリ主体202,203の互いの対向面にそれぞれ
動力伝達面204,205を形成している。これら一対
の動力伝達面204,205は互いに逆向きに傾斜した
テーパ状にされており、両動力伝達面204,205に
よって、断面略台形形状の動力伝達リング206が、両
プーリ主体202,203の軸心Kに対して偏心可能
(図7参照)に挟持されている。
【0029】動力伝達リング206の外周面にはベルト
2への伝動面208が形成され、この伝動面208にベ
ルト2が巻き掛けられている。ベルト2には、その周回
方向に沿って延びる複数の互いに平行なリブ236が形
成され、これらのリブ236とそれぞれ噛み合う複数の
周溝237が伝動面208に形成されている。リブ23
6および周溝237は、例えば、断面略V字形形状をし
ている。動力伝達リング206の両側面は、それぞれ対
応する動力伝達面204,205と接触してトルクを伝
達するテーパ状の動力伝達面209,210を構成して
いる。
2への伝動面208が形成され、この伝動面208にベ
ルト2が巻き掛けられている。ベルト2には、その周回
方向に沿って延びる複数の互いに平行なリブ236が形
成され、これらのリブ236とそれぞれ噛み合う複数の
周溝237が伝動面208に形成されている。リブ23
6および周溝237は、例えば、断面略V字形形状をし
ている。動力伝達リング206の両側面は、それぞれ対
応する動力伝達面204,205と接触してトルクを伝
達するテーパ状の動力伝達面209,210を構成して
いる。
【0030】ベルト2はゴム製のものが好ましく、ま
た、動力伝達リング206としては、耐久性に優れ且つ
摩擦係数が高い樹脂、例えば、フェノール樹脂に、炭素
繊維、芳香族ポリアミド繊維およびグラファイトを配合
した樹脂材料を成形してなるものが好ましい。この樹脂
材料であれば、高強度で耐摩耗性に優れているにもかか
わらず、相手部材への攻撃性が穏やかであり、しかも温
度にかかわらず安定した摩擦係数を持つ。また、樹脂材
料中における炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維およびグ
ラファイトの含有割合としては、炭素繊維5〜30重量
%、芳香族ポリアミド繊維5〜15重量%、グラファイ
ト10〜15重量%の範囲にあることが、耐摩耗性を向
上させ、摩擦係数をより安定させる点で好ましい。
た、動力伝達リング206としては、耐久性に優れ且つ
摩擦係数が高い樹脂、例えば、フェノール樹脂に、炭素
繊維、芳香族ポリアミド繊維およびグラファイトを配合
した樹脂材料を成形してなるものが好ましい。この樹脂
材料であれば、高強度で耐摩耗性に優れているにもかか
わらず、相手部材への攻撃性が穏やかであり、しかも温
度にかかわらず安定した摩擦係数を持つ。また、樹脂材
料中における炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維およびグ
ラファイトの含有割合としては、炭素繊維5〜30重量
%、芳香族ポリアミド繊維5〜15重量%、グラファイ
ト10〜15重量%の範囲にあることが、耐摩耗性を向
上させ、摩擦係数をより安定させる点で好ましい。
【0031】また、可変径プーリ51は、第1および第
2のプーリ主体202,203を互いに近づく方向に付
勢する付勢手段としてのダイヤフラムスプリング211
を有している。このダイヤフラムスプリング211は、
回転軸201と連動回転する円板フランジ状の連結部2
12に複数の軸状部213を介して一体回転可能に連結
されている。ダイヤフラムスプリング211の内径部2
14および外径部215は、第1および第2のプーリ主
体202,203にそれぞれ一体回転可能に係合されて
いる。これにより、両プーリ主体202,203とダイ
ヤフラムスプリング211が回転軸201と一体に回転
するようになっている。例えば、本可変径プーリ51を
駆動プーリに適用する場合では、回動軸201からダイ
ヤフラムスプリング211、両プーリ主体202,20
3および動力伝達リング206を介してベルト2へトル
クが伝達される。
2のプーリ主体202,203を互いに近づく方向に付
勢する付勢手段としてのダイヤフラムスプリング211
を有している。このダイヤフラムスプリング211は、
回転軸201と連動回転する円板フランジ状の連結部2
12に複数の軸状部213を介して一体回転可能に連結
されている。ダイヤフラムスプリング211の内径部2
14および外径部215は、第1および第2のプーリ主
体202,203にそれぞれ一体回転可能に係合されて
いる。これにより、両プーリ主体202,203とダイ
ヤフラムスプリング211が回転軸201と一体に回転
するようになっている。例えば、本可変径プーリ51を
駆動プーリに適用する場合では、回動軸201からダイ
ヤフラムスプリング211、両プーリ主体202,20
3および動力伝達リング206を介してベルト2へトル
クが伝達される。
【0032】図5および図6を参照して、ダイヤフラム
スプリング211の内径部214および外径部215に
は、それぞれ円周等配に配置された放射状の連結溝21
6,、217が形成されている。また、ダイヤフラムス
プリング211の径方向の中間部において、上述した軸
状部213を貫通させる複数の支持孔231が円周等配
に形成されている。第1のプーリ主体202は、円錐状
の円板部218と、この円板部218の内周に形成され
た円筒状のボス部219とを備えている。円板部218
は動力伝達面204を形成している。また、ボス部21
9は回転軸201の周面に滑り軸受としてのブッシュ2
20を介して軸方向にスライド自在に支持されている。
また、第1のプーリ主体202が回転軸201から抜け
出すことを防止するために、回転軸201の端部の周溝
に嵌め入れられたスナップリングからなるストッパ23
4が設けられている。
スプリング211の内径部214および外径部215に
は、それぞれ円周等配に配置された放射状の連結溝21
6,、217が形成されている。また、ダイヤフラムス
プリング211の径方向の中間部において、上述した軸
状部213を貫通させる複数の支持孔231が円周等配
に形成されている。第1のプーリ主体202は、円錐状
の円板部218と、この円板部218の内周に形成され
た円筒状のボス部219とを備えている。円板部218
は動力伝達面204を形成している。また、ボス部21
9は回転軸201の周面に滑り軸受としてのブッシュ2
20を介して軸方向にスライド自在に支持されている。
また、第1のプーリ主体202が回転軸201から抜け
出すことを防止するために、回転軸201の端部の周溝
に嵌め入れられたスナップリングからなるストッパ23
4が設けられている。
【0033】第2のプーリ主体203は、円錐状の円板
部221と、この円板部221の内周に形成された円筒
状のボス部222とを備えている。円板部221は動力
伝達面205を形成している。また、第2のプーリ主体
203のボス部222は、第1のプーリ主体202のボ
ス部219を取り囲み、この第1のプーリ主体202の
ボス部219によって滑り軸受としてのブッシュ223
を介して軸方向にスライド自在に支持されている。
部221と、この円板部221の内周に形成された円筒
状のボス部222とを備えている。円板部221は動力
伝達面205を形成している。また、第2のプーリ主体
203のボス部222は、第1のプーリ主体202のボ
ス部219を取り囲み、この第1のプーリ主体202の
ボス部219によって滑り軸受としてのブッシュ223
を介して軸方向にスライド自在に支持されている。
【0034】第2のプーリ主体203の動力伝達面20
5の背面224の外周縁部には、ダイヤフラムスプリン
グ211の外径部215の複数の連結溝217にそれぞ
れ嵌め入れられる複数の板状の連結突起233が円周等
配で放射状に形成されている。第2のプーリ主体203
の背面224がダイヤフラムスプリング211の外径部
215によって押圧されて、第2のプーリ主体203が
第1のプーリ主体202へ近づく方向に付勢されてい
る。
5の背面224の外周縁部には、ダイヤフラムスプリン
グ211の外径部215の複数の連結溝217にそれぞ
れ嵌め入れられる複数の板状の連結突起233が円周等
配で放射状に形成されている。第2のプーリ主体203
の背面224がダイヤフラムスプリング211の外径部
215によって押圧されて、第2のプーリ主体203が
第1のプーリ主体202へ近づく方向に付勢されてい
る。
【0035】第1のプーリ主体202のボス部219
は、第2のプーリ主体203のボス部222を貫通して
第2のプーリ主体203の動力伝達面205の背面22
4側へ延びており、ボス部219が第2のプーリ主体2
03の背面側へ延びる部分を構成している。この背面側
ヘ延びる部分としてのボス部219の端部には、この端
部とダイヤフラムスプリング211の内径部214とを
一体回転可能に連結するための環状の連結部材225が
設けられている。
は、第2のプーリ主体203のボス部222を貫通して
第2のプーリ主体203の動力伝達面205の背面22
4側へ延びており、ボス部219が第2のプーリ主体2
03の背面側へ延びる部分を構成している。この背面側
ヘ延びる部分としてのボス部219の端部には、この端
部とダイヤフラムスプリング211の内径部214とを
一体回転可能に連結するための環状の連結部材225が
設けられている。
【0036】この連結部材225の内周部はボス部21
9の端部にねじ結合されて一体回転可能に固定されてい
る。この連結部材225を介して伝達されるトルクがね
じ締め方向に働くようにされており、固定が緩むことが
ないようになっている。連結部材225は、ダイヤフラ
ムスプリング211の内径部214を軸方向に押すため
の円板状の押圧板部226と、この押圧板部226に円
周等配で放射状に形成された複数の連結突起227とを
形成している。押圧板部226がダイヤフラムスプリン
グ211の内径部214によって押圧され、連結部材2
25を介して第1のプーリ主体202が、第2のプーリ
主体203へ近づく方向に付勢されている。また、複数
の連結突起227は、ダイヤフラムスプリング211の
内径部214の複数の連結溝216にそれぞれ嵌め入れ
られている。
9の端部にねじ結合されて一体回転可能に固定されてい
る。この連結部材225を介して伝達されるトルクがね
じ締め方向に働くようにされており、固定が緩むことが
ないようになっている。連結部材225は、ダイヤフラ
ムスプリング211の内径部214を軸方向に押すため
の円板状の押圧板部226と、この押圧板部226に円
周等配で放射状に形成された複数の連結突起227とを
形成している。押圧板部226がダイヤフラムスプリン
グ211の内径部214によって押圧され、連結部材2
25を介して第1のプーリ主体202が、第2のプーリ
主体203へ近づく方向に付勢されている。また、複数
の連結突起227は、ダイヤフラムスプリング211の
内径部214の複数の連結溝216にそれぞれ嵌め入れ
られている。
【0037】連結部212は、回転軸201に一体に形
成された円板状のフランジ部228と、このフランジ部
228の周囲を取り囲んで配置された環状部材229と
を含んでいる。フランジ部228の外周面と環状部材2
29の内周面との間には、両者に例えば、焼き付け等に
より接合されたゴム等の環状の弾性部材230が介在し
ている。この弾性部材230は、環状部材229とフラ
ンジ部228とを弾性的に連結してトルク伝達を可能に
すると共に、環状部材229を回転方向に弾性支持する
ことになる。
成された円板状のフランジ部228と、このフランジ部
228の周囲を取り囲んで配置された環状部材229と
を含んでいる。フランジ部228の外周面と環状部材2
29の内周面との間には、両者に例えば、焼き付け等に
より接合されたゴム等の環状の弾性部材230が介在し
ている。この弾性部材230は、環状部材229とフラ
ンジ部228とを弾性的に連結してトルク伝達を可能に
すると共に、環状部材229を回転方向に弾性支持する
ことになる。
【0038】また、環状部材229には、この環状部材
229を軸方向に貫通する複数の貫通孔235が円周等
配に形成され、各貫通孔235には軸状部213が挿通
されて固定されている。これら軸状部213がダイヤフ
ラムスプリング211の支持孔231に嵌め入れられ、
ダイヤフラムスプリング211と連結部212とを一体
回転可能に連結する。また、ダイヤフラムスプリング2
11は内径部214と外径部215とに互いに逆向きの
集中荷重を受けた軸対称曲げの状態となるが、このとき
各軸状部213によって、支持孔231の位置における
ダイヤフラムスプリング211の軸方向の変位が規制さ
れることから、各軸状部213による支持半径dを所定
に設定することにより、内径部214と外径部215と
を相等しいストローク量で互いに逆向きに変位させるこ
とが可能となる。
229を軸方向に貫通する複数の貫通孔235が円周等
配に形成され、各貫通孔235には軸状部213が挿通
されて固定されている。これら軸状部213がダイヤフ
ラムスプリング211の支持孔231に嵌め入れられ、
ダイヤフラムスプリング211と連結部212とを一体
回転可能に連結する。また、ダイヤフラムスプリング2
11は内径部214と外径部215とに互いに逆向きの
集中荷重を受けた軸対称曲げの状態となるが、このとき
各軸状部213によって、支持孔231の位置における
ダイヤフラムスプリング211の軸方向の変位が規制さ
れることから、各軸状部213による支持半径dを所定
に設定することにより、内径部214と外径部215と
を相等しいストローク量で互いに逆向きに変位させるこ
とが可能となる。
【0039】スタビライザ3の動作を図4の模式図を参
照して説明する。動力伝達リング206の回動軸線K2
が倒れようとすると、プーリ主体202,203により
挟持された動力伝達リング206の部分は、軸方向に殆
ど変位せず、その一方で、この部分に対して軸心K2を
挟んだ反対側の部分が軸方向に変位するようになる。こ
の変位に追従して、スタビライザ3のローラ7および回
動アーム6が軸方向に移動する(この状態を図4(a)
に一点鎖線で図示した。)。
照して説明する。動力伝達リング206の回動軸線K2
が倒れようとすると、プーリ主体202,203により
挟持された動力伝達リング206の部分は、軸方向に殆
ど変位せず、その一方で、この部分に対して軸心K2を
挟んだ反対側の部分が軸方向に変位するようになる。こ
の変位に追従して、スタビライザ3のローラ7および回
動アーム6が軸方向に移動する(この状態を図4(a)
に一点鎖線で図示した。)。
【0040】そして、回動アーム6のボス20の端面2
4,25がナット10やストッパ9に当接すると、それ
以上に回動アーム6が移動することが防止される。その
結果、動力伝達リング206の回動軸線K2の倒れも規
制される。このとき、シール部材17が支軸5の外周面
44に摺動するのに伴う摩擦力や、付勢部材8のつるま
きばねが軸方向に伸び縮みするときの弾性復元力が、回
動アーム6のボス20の軸方向の振動を抑制する。
4,25がナット10やストッパ9に当接すると、それ
以上に回動アーム6が移動することが防止される。その
結果、動力伝達リング206の回動軸線K2の倒れも規
制される。このとき、シール部材17が支軸5の外周面
44に摺動するのに伴う摩擦力や、付勢部材8のつるま
きばねが軸方向に伸び縮みするときの弾性復元力が、回
動アーム6のボス20の軸方向の振動を抑制する。
【0041】このように本実施の形態によれば、回動ア
ーム6の遊び量を確保するための上述の隙間28,29
内にシール部材17を配置しないので、隙間28,29
の全体を遊び領域として活用できる結果、遊び量を、隙
間28,29の総和量と同等の、振動抑制および長寿命
化にとって適切な遊び量で十分に確保できる。従って、
回動アーム6を介して支持されたローラ7は動力伝達リ
ング206に無理なく追従できるので、ローラ7、動力
伝達リング206等が傷み難く、これらの長寿命化を図
ることができる。
ーム6の遊び量を確保するための上述の隙間28,29
内にシール部材17を配置しないので、隙間28,29
の全体を遊び領域として活用できる結果、遊び量を、隙
間28,29の総和量と同等の、振動抑制および長寿命
化にとって適切な遊び量で十分に確保できる。従って、
回動アーム6を介して支持されたローラ7は動力伝達リ
ング206に無理なく追従できるので、ローラ7、動力
伝達リング206等が傷み難く、これらの長寿命化を図
ることができる。
【0042】また、ボス20の軸方向の両端のシール部
材17は、異物の侵入経路となる隙間28,29に隣接
しつつ、シール対象となる軸受ブッシュ16やこれと嵌
まる支軸5の外周面44を両側から挟んで隙間28,2
9に対して密封するので、隙間28,29からの泥水等
の異物が軸受ブッシュ16等に侵入することを防止で
き、回動アーム6の遊びや回動が確実に維持される。と
ころで、同仕様の可変径プーリ51およびスタビライザ
3を用いる場合であっても、可変径プーリ51の動力伝
達リング206の振動の挙動によっては、上述の遊び量
を異ならせて、可変径プーリ51やスタビライザ3の現
物に応じた適切な遊び量とする必要がある場合がある。
また、隙間28,29の総和量が適切に確保されている
としても、スタビライザ3と可変径プーリ51との取付
位置によっては、回動アーム6の遊び量を十分に確保で
きない場合がある。
材17は、異物の侵入経路となる隙間28,29に隣接
しつつ、シール対象となる軸受ブッシュ16やこれと嵌
まる支軸5の外周面44を両側から挟んで隙間28,2
9に対して密封するので、隙間28,29からの泥水等
の異物が軸受ブッシュ16等に侵入することを防止で
き、回動アーム6の遊びや回動が確実に維持される。と
ころで、同仕様の可変径プーリ51およびスタビライザ
3を用いる場合であっても、可変径プーリ51の動力伝
達リング206の振動の挙動によっては、上述の遊び量
を異ならせて、可変径プーリ51やスタビライザ3の現
物に応じた適切な遊び量とする必要がある場合がある。
また、隙間28,29の総和量が適切に確保されている
としても、スタビライザ3と可変径プーリ51との取付
位置によっては、回動アーム6の遊び量を十分に確保で
きない場合がある。
【0043】そこで、本実施の形態では、図4(b)に
示すように、対向部材としてのナット10の支軸5に対
する取付位置を調整機構により調整可能としているの
で、可変径プーリ51やスタビライザ3の現物に応じ
て、対向部材および回動アーム6の端面同士の間隔を調
節することにより、隙間28,29の総和量を、動力伝
達リング206の振動を安定させるのに最適な遊び量に
調節できる。また、可変径プーリ51とスタビライザ3
とを組み付けた状態で、現物に合わせて、回動アーム6
の遊びの中心位置(回動アーム6の軸方向の両方向への
適切な遊び量がそれぞれ等しくなる回動アーム6の軸方
向位置であり、回動軸線K2が倒れていない状態に対応
する。)と、隙間の中心位置(隙間28の幅と隙間29
の幅とが等しくなる回動アーム6の軸方向位置)とを調
整機構により合わせて、回動アーム6の遊び量を適切且
つ確実に得ることができる。
示すように、対向部材としてのナット10の支軸5に対
する取付位置を調整機構により調整可能としているの
で、可変径プーリ51やスタビライザ3の現物に応じ
て、対向部材および回動アーム6の端面同士の間隔を調
節することにより、隙間28,29の総和量を、動力伝
達リング206の振動を安定させるのに最適な遊び量に
調節できる。また、可変径プーリ51とスタビライザ3
とを組み付けた状態で、現物に合わせて、回動アーム6
の遊びの中心位置(回動アーム6の軸方向の両方向への
適切な遊び量がそれぞれ等しくなる回動アーム6の軸方
向位置であり、回動軸線K2が倒れていない状態に対応
する。)と、隙間の中心位置(隙間28の幅と隙間29
の幅とが等しくなる回動アーム6の軸方向位置)とを調
整機構により合わせて、回動アーム6の遊び量を適切且
つ確実に得ることができる。
【0044】ここで、調整機構は、支軸5に対するナッ
ト10の取付位置を調整可能としていたが、これには限
定されない。例えば、ボス20の両側にある両対向部材
であるストッパ9およびナット10の取付位置をともに
調整可能としてもよく、要は、少なくとも一方の対向部
材の支軸5に対する取付位置を調整可能としてあればよ
い。ところで、スタビライザ3のローラ7の材質には、
従来、繊維強化フェノール樹脂製の動力伝達リング20
6に対してアルミニウムが利用されていた。この場合、
スタビライザ3のローラ7が高速回転する動力伝達リン
グ206の伝動面208に摺接する間に、動力伝達リン
グ206に損傷が生じる場合がある。また、動力伝達リ
ング206の損傷を防止するために、ローラ7を軟質材
料で形成する場合には、ローラ7自身の異常摩耗が生じ
る虞がある。
ト10の取付位置を調整可能としていたが、これには限
定されない。例えば、ボス20の両側にある両対向部材
であるストッパ9およびナット10の取付位置をともに
調整可能としてもよく、要は、少なくとも一方の対向部
材の支軸5に対する取付位置を調整可能としてあればよ
い。ところで、スタビライザ3のローラ7の材質には、
従来、繊維強化フェノール樹脂製の動力伝達リング20
6に対してアルミニウムが利用されていた。この場合、
スタビライザ3のローラ7が高速回転する動力伝達リン
グ206の伝動面208に摺接する間に、動力伝達リン
グ206に損傷が生じる場合がある。また、動力伝達リ
ング206の損傷を防止するために、ローラ7を軟質材
料で形成する場合には、ローラ7自身の異常摩耗が生じ
る虞がある。
【0045】このようなローラ7自身の異常摩耗が生じ
ず且つ動力伝達リング206の損傷も生じないように、
ローラ7および動力伝達リング206の材質を選定する
のが、可変速プーリ装置Aの長寿命化を図るうえで好ま
しい。一方では、動力伝達リング206の材質として
は、ベルト2およびプーリ主体202,203との関係
により、例えば、上述の繊維強化フェノール樹脂が好ま
しい。従って、繊維強化フェノール樹脂製の動力伝達リ
ング206に対応して、スタビライザ3のローラ7の材
質を適切に選定する必要がある。
ず且つ動力伝達リング206の損傷も生じないように、
ローラ7および動力伝達リング206の材質を選定する
のが、可変速プーリ装置Aの長寿命化を図るうえで好ま
しい。一方では、動力伝達リング206の材質として
は、ベルト2およびプーリ主体202,203との関係
により、例えば、上述の繊維強化フェノール樹脂が好ま
しい。従って、繊維強化フェノール樹脂製の動力伝達リ
ング206に対応して、スタビライザ3のローラ7の材
質を適切に選定する必要がある。
【0046】そこで、本実施の形態では、動力伝達リン
グ206およびスタビライザ3が共に傷み難く、長寿命
化できる可変径プーリ用スタビライザ3を提供するべ
く、ローラ7を以下のように構成している。ローラ7
は、フェノール樹脂を含む動力伝達リング206に対し
て、80HRM(ロックウェル硬さMスケール)を超え
て100HV(ビッカース硬さ)未満の範囲内の硬さの
材質を含む。この範囲内の硬さの材質としては、ポリア
ミド66を例示できる。この材質により形成されたロー
ラ7の部分が、動力伝達リング206と接するようにさ
れている。
グ206およびスタビライザ3が共に傷み難く、長寿命
化できる可変径プーリ用スタビライザ3を提供するべ
く、ローラ7を以下のように構成している。ローラ7
は、フェノール樹脂を含む動力伝達リング206に対し
て、80HRM(ロックウェル硬さMスケール)を超え
て100HV(ビッカース硬さ)未満の範囲内の硬さの
材質を含む。この範囲内の硬さの材質としては、ポリア
ミド66を例示できる。この材質により形成されたロー
ラ7の部分が、動力伝達リング206と接するようにさ
れている。
【0047】上述の硬さの範囲内のローラ7を利用する
ことにより、動力伝達リング206にローラ7を摺接さ
せたときに、ローラ7および動力伝達リング206がと
もに傷み難くできる。ここで、ローラ7の硬さが80H
RM以下の場合にはローラ7が摩耗する虞があり、ま
た、ローラ7の硬さが100HV以上の場合には動力伝
達リング206が摩耗する虞があることから、ローラ7
の硬さが80HRMを超えて100HV未満の範囲内と
されるのが、摩耗の防止の点で好ましい。
ことにより、動力伝達リング206にローラ7を摺接さ
せたときに、ローラ7および動力伝達リング206がと
もに傷み難くできる。ここで、ローラ7の硬さが80H
RM以下の場合にはローラ7が摩耗する虞があり、ま
た、ローラ7の硬さが100HV以上の場合には動力伝
達リング206が摩耗する虞があることから、ローラ7
の硬さが80HRMを超えて100HV未満の範囲内と
されるのが、摩耗の防止の点で好ましい。
【0048】特に、ローラ7の硬さが動力伝達リング2
06の硬さよりも低くされる場合には、動力伝達リング
206はローラ7に比べて相対的に硬くなって、摩耗し
難くなるので、動力伝達リング206の摩耗を確実に防
止することができる。なお、ローラ7は、周溝47を有
していたが、周溝を有しない円周面からなる外周面を有
するものに、上述の硬度範囲の材質を適用しても、同様
の効果を得られる。また、回動アーム6の構造が異なる
構成でもよく、要は動力伝達リング206に転がり接触
するローラ7に適用できる。
06の硬さよりも低くされる場合には、動力伝達リング
206はローラ7に比べて相対的に硬くなって、摩耗し
難くなるので、動力伝達リング206の摩耗を確実に防
止することができる。なお、ローラ7は、周溝47を有
していたが、周溝を有しない円周面からなる外周面を有
するものに、上述の硬度範囲の材質を適用しても、同様
の効果を得られる。また、回動アーム6の構造が異なる
構成でもよく、要は動力伝達リング206に転がり接触
するローラ7に適用できる。
【0049】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
種々の設計変更を施すことが可能である。
【図1】本発明の一実施の形態を示す可変速プーリ装置
の概略構成正面図であり、(a)に動力伝達リングがプ
ーリ主体に対して偏心した状態を、(b)に動力伝達リ
ングがプーリ主体に対して同心の状態を示す。
の概略構成正面図であり、(a)に動力伝達リングがプ
ーリ主体に対して偏心した状態を、(b)に動力伝達リ
ングがプーリ主体に対して同心の状態を示す。
【図2】図1のスタビライザの断面側面図である。
【図3】図2のスタビライザの要部の断面側面図であ
る。
る。
【図4】図2のスタビライザの動作を示す模式図であ
り、(a)に遊び量が相対的に少ない状態を、(b)に
遊び量が相対的に多い状態を示す。
り、(a)に遊び量が相対的に少ない状態を、(b)に
遊び量が相対的に多い状態を示す。
【図5】可変径プーリの縦断面図であり、動力伝達リン
グが同心位置にある状態を示している。
グが同心位置にある状態を示している。
【図6】可変径プーリのダイヤフラムスプリングの正面
図である。
図である。
【図7】可変径プーリの縦断面図であり、動力伝達リン
グが偏心した状態を示す。
グが偏心した状態を示す。
3 スタビライザ 4 ベース 5 支軸 6 回動アーム 7 ローラ 8 付勢部材 9 ストッパ(対向部材) 10 ナット(対向部材) 17 シール部材 20 ボス 21 第1の端部 22 第2の端部 23,24 ボスの端面 28,29 隙間 26 ボスの内周面 44 支軸の外周面 51 可変径プーリ 202,203 プーリ主体 206 動力伝達リング 208 伝動面(動力伝達リングの外周面) D3 支軸の軸方向 K2 動力伝達リングの軸心
Claims (2)
- 【請求項1】可変径プーリの一対のプーリ主体間に偏心
可能に挟持される動力伝達リングの振動を抑制するスタ
ビライザにおいて、 上記動力伝達リングの軸心に平行に延び、ベースに取り
付けられる支軸と、 第1および第2の端部を有し、支軸の周りに回動自在に
支持されるボスを第1の端部に有する回動アームと、 この回動アームの第2の端部に回動自在に支持され、動
力伝達リングの外周面に摺接するローラと、 このローラが動力伝達リングの外周面を押圧する方向に
回動アームを付勢する付勢部材と、 ボスの一対の端面との間に隙間を設けてそれぞれ対向す
ると共に支軸の軸方向に位置決めされた一対の対向部材
とを備え、 各対向部材と対応するボスの端面との間の隙間の総和量
だけ、回動アームが支軸の軸方向に遊びを持って変位で
きるようにしてあり、 ボスの軸方向の両端の内周面にそれぞれ設けられた一対
のシール部材によって、ボスの内周面と支軸の外周面と
の間が密封されていることを特徴とするスタビライザ。 - 【請求項2】請求項1に記載のスタビライザにおいて、 上記少なくとも一方の対向部材の支軸に対する取付位置
を調整可能としてあることを特徴とするスタビライザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24896199A JP2001074112A (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 可変径プーリ用スタビライザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24896199A JP2001074112A (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 可変径プーリ用スタビライザ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001074112A true JP2001074112A (ja) | 2001-03-23 |
Family
ID=17185984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24896199A Pending JP2001074112A (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 可変径プーリ用スタビライザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001074112A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110455565A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-11-15 | 中国石油集团渤海钻探工程有限公司 | 变径稳定器地面性能测试系统 |
-
1999
- 1999-09-02 JP JP24896199A patent/JP2001074112A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110455565A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-11-15 | 中国石油集团渤海钻探工程有限公司 | 变径稳定器地面性能测试系统 |
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