JP2001074040A - 動圧軸受モータ - Google Patents

動圧軸受モータ

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JP2001074040A
JP2001074040A JP25284199A JP25284199A JP2001074040A JP 2001074040 A JP2001074040 A JP 2001074040A JP 25284199 A JP25284199 A JP 25284199A JP 25284199 A JP25284199 A JP 25284199A JP 2001074040 A JP2001074040 A JP 2001074040A
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grooves
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Kenji Seki
健二 関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ラジアル動圧軸受を有するHDD用スピンドル
モータにおいて、スリーブ(6)の内周面にヘリングボ
ン状の動圧溝部(15)が形成されている。動圧溝部
(15)形成時のバラツキにより、動圧溝部(15)は
軸方向に必ずしも対称とならない。非対称の動圧溝部
(15)によって、軸方向の動圧のアンバランスが発生
し、動圧軸受部に保持された潤滑油が漏出する。 【解決手段】各動圧溝の軸方向端点(20)(21)
に、軸に平行な導入溝(16)を延設する。 【効果】溝形成時の非対称性は導入溝(16)の軸方向
長さで吸収される。導入溝(16)は軸方向の動圧を発
生しないので、動圧の軸方向アンバランスが生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、へリングボーン
状の動圧溝によって発生する動圧によって、シャフトと
筒状のスリーブとを回転自在に保持する動圧軸受モー
タ、特にハードディスクドライブ装置(以下、HDDと
もいう)用のスピンドルモータにおける、動圧溝の形状
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8、図4および図7を用いて、従来技
術に係るHDD用スピンドルモータの構造を説明する。
【0003】図8は、従来技術に係るHDD用スピンド
ルモータの断面図である。なお図8の断面図においてス
リーブ(6)の内周面に形成された、後に述べる動圧溝
部(3)(4)は、実際の円周面上のパターンとしてで
はなく平面に展開した図として描いてある。これは説明
をより明瞭にしようとしたためである。この事は動圧溝
部(3)(4)を含んだ他の図においても同様である。
【0004】図8において、アルミあるいはアルミ合金
で形成したモータベース(1)の中央にシャフト(2)
が立設されている。モータベース(1)の上面にはコイ
ル(11)と、コイル(11)を巻回したステータコア
(10)が固定されている。シャフト(2)はステンレ
ス系材料で形成され、モータベース(1)に圧入接着に
より固定されている。シャフト(2)の外周には、筒状
のスリーブ(6)が回転自在に装着されている。
【0005】シャフト(2)の外周面に対向する、スリ
ーブ(6)の内周面には、2個所の動圧溝部(3)
(4)が形成され、それぞれの溝部にはへリングボン
(魚骨)状の動圧溝が形成されている。動圧溝部(3)
(4)とシャフト(2)との間には、粘性を有する流体
である、潤滑油が保持されている。
【0006】ここでスリーブ(6)の詳細を図4を用い
て説明する。図4は、スリーブ(6)の断面図である。
【0007】スリーブ(6)は、銅系あるいはステンレ
ス系材料で形成され、内周部には先に説明したように、
2個所の動圧溝部(3)(4)が設けられている。2個
所の動圧溝部(3)(4)に挟まれた内周部は、動圧溝
部より大きな内径寸法を有し、またスリーブ(6)の上
部には、後に説明するスラスト動圧軸受機構を収納する
ための空間が設けられている。
【0008】上記に説明したシャフト(2)とスリーブ
(6)とが、本スピンドルモータのラジアル動圧軸受機
構を構成する。ラジアル動圧軸受機構の動作は後に説明
する。
【0009】さらに、図8に示すスピンドルモータの構
成において、モータベース(1)上面に固定されたステ
ータコア(10)は、シャフト(2)を中心として12
極の構成で配置されている。ステータコア(10)に巻
回したコイル(11)は図示しない制御回路により3相
駆動電流が印加される。
【0010】スリーブ(6)の外周には、アルミ材で形
成したハブ(5)が圧入接着で固定されている。
【0011】ハブ(5)の下面(モータベース(1)に
対向する面)には、ステータコア(10)に対応して8
極に着磁したリング状磁石(12)と、ロータヨーク
(13)とが固定されている。
【0012】また本スピンドルモータには、以下に説明
するスラスト動圧軸受機構が設けられている。
【0013】スラスト動圧軸受機構は、シャフト(2)
の上部にシャフト(2)と一体に設けられたフランジ
(8)と、スリーブ(6)内部の空間内の、フランジ
(8)の下面に対向する面に設けられたスラストプレー
ト(7)と、フランジ(8)の上面に対向するブッシュ
(9)と、スラストプレート(7)とブッシュ(9)と
で挟持されたスペーサ(14)とで構成されている。
【0014】スラスト動圧軸受機構は、スラストプレー
ト(7)の上面またはフランジ(8)の下面に形成され
た動圧溝により、スリーブ(6)の回転によりハブ
(5)を下げる方向に動圧を発生させ、同時にブッシュ
(9)の下面またはフランジ(8)の上面に形成された
動圧溝によりハブ(5)を上げる方向に動圧を発生さ
せ、上下の動圧をバランスさせてハブ(5)をスラスト
方向に回転自在に保持するものである。
【0015】次にラジアル動圧軸受機構の動作を説明す
る。図8において、コイル(11)に図示しない制御回
路から駆動電流が印可されると、ステータコア(10)
とリング状磁石(12)間の磁気力により、ハブ(5)
はモータベース(1)に対して回転運動を行う。
【0016】回転運動の際に、シャフト(2)内周部の
2個所の動圧溝部(3)(4)中のへリングボン状の動
圧溝の動きによって、保持された潤滑油に動圧が発生す
る。
【0017】その動圧は、シャフト(2)の外周部を、
中心に向かって押そうとする力である。全周から均等に
動圧がシャフト(2)に加えられることで、シャフト
(2)はスリーブ(6)の内周部において安定的に回転
自在に支持される。以上の様に動作することで、スリー
ブ(6)とシャフト(2)は、ラジアル動圧軸受機構と
して機能する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記に説明した、従来
技術に係る、ラジアル動圧軸受機構を有するモータにお
いて、以下のような課題が存在した。
【0019】その課題は、動圧溝部(3)(4)の動圧
溝を高い寸法精度で形成する事が困難であり、そのため
に軸方向の動圧のアンバランスを生じやすい、という点
である。
【0020】上記に説明した動圧溝を形成する方法は、
例えば、特開平8−284958号公報に記載された技
術の例がある。上記公報記載の技術においては、あらか
じめ筒状のブランクスリーブ(まだ動圧溝を形成してい
ないスリーブ)を用意する。さらに、スリーブに溝を形
成するための、多数のベアリングを外周部に配置した棒
状の治具であるサイジングバーを用いて動圧溝を形成し
ようとするものである。
【0021】すなわち、ブランクスリーブの内部にサイ
ジングバーを回転しつつ挿入し、ベアリングの押圧軌跡
で動圧溝の形成を行う。
【0022】動圧溝の形成作業を、スリーブ(6)の要
部断面図である図7を用いて説明する。まず、図7
(A)において、最初に図の下方からスリーブ(6)に
サイジングバーを回転しつつ挿入し、動圧溝部(15)
のaの範囲を形成する。
【0023】そして、溝を形成するベアリングの位置が
動圧溝部の軸方向中央に達した時点で、サイジングバー
の回転方向を逆転させ、同様に動圧溝部(15)のbの
範囲を形成する。
【0024】完成した動圧溝部(15)は図7(A)や
同図(B)に示す如く、a部およびb部を有し、その境
界線(19)は動圧溝部(15)の軸方向中央に位置す
るはずである。
【0025】ところが動圧溝部(15)において境界線
(19)がどこに位置するかは、ブランクスリーブの軸
方向寸法のバラツキ、および動圧溝を形成中にいつサイ
ジングバーの回転を逆転するか、という形成治具の動作
タイミングに依存し、完成した動圧溝部(15)は設計
値に対する誤差を有し易かった。
【0026】すなわち、動圧溝部(15)の中央に境界
線(19)を位置させようとする設計に対して、実際の
完成品は、図7(A)の如く、a部がより小さな寸法と
なって、境界線(19)が中央より下方へ位置したり、
図7(B)の如く逆にb部がより小さい寸法となって境
界線(19)が中央より上方へ位置したりする場合があ
りうる。
【0027】a部とb部の寸法が等しくなくアンバラン
スであると、動圧の軸方向(図8における上下方向)の
成分が設計上はゼロであるはずのラジアル動圧軸受機構
において、軸方向の動圧のアンバランスが発生してしま
う。そうすると、軸方向の動圧によって押された潤滑油
が、スピンドルモータの回転時に動圧溝部(3)(4)
から外部に漏出し、ラジアル動圧軸受機構が軸受として
正しく機能しなくなる恐れがある。
【0028】上記の課題を解決するために、動圧溝の形
成治具の精度を上げて対応しようとすると、治具が高価
になり生産コストを増加させたり、あるいは溝の形成に
要する時間が増大して生産性を低下させる恐れがあっ
た。
【0029】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、ラジアル動圧軸受を有するモータにおいて、
軸方向の動圧のアンバランスを解消し、動圧軸受に保持
された潤滑油の漏出を防止することを目的とするもので
ある。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本願の請求項1に記載の発明は、「筒状のスリー
ブ(6)と、前記スリーブ(6)の内径部に挿入された
シャフト(2)とを具備し、前記スリーブ(6)の内周
面および/または前記シャフト(2)の外周面には、へ
リングボーン状の動圧溝(15)を形成した動圧溝部
(3)(4)を有し、前記動圧溝(15)が発生する動
圧によって前記シャフト(2)と前記スリーブ(6)と
を相対的に回転自在に保持する軸受機構を有する動圧軸
受モータにおいて、回転軸と略平行な導入溝(16)を
前記動圧溝(15)の端部に延設したことを特徴とする
動圧軸受モータ」を提供する。
【0031】 〔発明の詳細な説明〕以下、図1ないし図5を用いて、
本願発明に係る動圧軸受モータの一実施の形態として、
HDD用スピンドルモータの説明を行う。
【0032】なお、先に説明した従来技術に係るHDD
用スピンドルモータと同一の機能を有する構成には同一
の符号を用い、また重複して説明することを避けるため
に、一部説明を省略した点もある。
【0033】図1は本実施の形態における、スリーブ
(6)の断面図である。なお、本実施の形態において、
スリーブ(6)を除くスピンドルモータの各構成物は、
先に図8を用いて説明した、従来技術に係るHDD用ス
ピンドルモータと同一の構成となっている。
【0034】図1において、スリーブ(6)の内周面に
は2個所の動圧溝部(15)が形成されている。図5は
そのうちのひとつの動圧溝部(15)の部分詳細図であ
る。
【0035】動圧溝部(15)には、図7を用いて説明
した従来技術に係るスピンドルモータと同様に、へリン
グボーン状の動圧溝が形成されている。
【0036】さらに図5において、各動圧溝の軸方向の
端点(20)(21)には、軸方向に略平行な導入溝
(16)が延設されている。
【0037】導入溝(16)を動圧溝の端点(20)
(21)に延設するために要する形成治具は、先に説明
した、動圧溝を形成する治具をそのまま用いることが可
能である。
【0038】すなわち、先に説明したように、サイジン
グバーをブランクスリーブに挿入して溝を形成する際
に、導入溝(16)を形成する際にはサイジングバーを
回転することなくそのまま挿入し、軸に略平行なベアリ
ングの押圧軌跡を形成して導入溝(16)とすればよ
い。
【0039】そして導入溝(16)が形成し終わった
ら、サイジングバーを回転させつつ挿入を続行し、図5
におけるa部の動圧溝の形成を行う。
【0040】a部の動圧溝が形成し終わったら、サイジ
ングバーを逆転させつつさらに挿入を続行し、b部の動
圧溝を形成する。
【0041】b部の形成が終わったらサイジングバーの
回転を停止して挿入を続行し、上部の導入溝(16)を
形成する。以上の工程で導入溝(16)と動圧溝との形
成が終了する。
【0042】以上説明した構造によれば、以下のような
理由によって、動圧溝部(15)中のa部とb部の軸方
向の長さを、従来技術に係るスピンドルモータよりも、
より正確に等しくすることが可能になる。
【0043】すなわち、図5を用いて上記に説明した本
実施の形態においては、a部およびb部の長さを等しく
するためには、最初にサイジングバーをある方向に回転
しつつ挿入してa部を形成する回転時間と、その後サイ
ジングバーを逆方向に回転しつつ挿入してb部を形成す
る回転時間とが等しくなるように、動圧溝の形成治具に
おいて動作時間を管理し、さらにサイジングバーが等速
度でブランクスリーブ内に挿入されるように管理すれば
よく、その実現は比較的容易である。
【0044】そしてa部、b部の境界線(19)が、従
来技術に係るモータと同様の理由、すなわち、スリーブ
(6)の軸方向寸法バラツキと、形成治具の動作におい
てサージングバーを反転させるタイミングがずれること
により上下方向にずれ、図5におけるc部、d部が等し
くない場合でも、所定の範囲内であれば、a部とb部と
の長さの等しさに影響を与えない。
【0045】なぜならば、境界線(19)の上下のずれ
は導入溝(16)の範囲内で吸収されるからである。本
実施の形態において、完成したズリーブ(6)の内周面
に形成した導入溝(16)は、その上下の部分で、軸方
向の長さに差が生じることがある。しかしそれにより、
従来技術における問題点として先に説明した、動圧の軸
方向のアンバランス、さらにそれによって生じる潤滑油
の漏出等の不具合を生じることはない。
【0046】その理由は、導入溝(16)は軸に略平行
に形成されているので、モータの回転時に導入溝(1
6)の動きによって軸方向の動圧が発生することがな
く、従って上下の導入溝(16)に長さの違いが有った
としても、それが軸方向の動圧のアンバランスを誘起す
ることはないからである。
【0047】ところで、上記の説明では導入溝(16)
は軸に略平行に形成されたものとして説明した。このよ
うに形成されることで本願発明の効果が最大に発揮され
るからである。
【0048】しかし導入溝(16)はその他にも、軸と
のなす角度を、動圧溝が軸となす鋭角よりも小さいよう
なパターンとして形成するようにしてもよい(図示せ
ず)。
【0049】その場合、導入溝(16)の長さが上下で
等しくないときには、動圧溝(16)が発生する動圧の
軸方向の成分は必ずしもゼロとはならないが、導入溝
(16)の軸とのなす角度が、動圧溝よりは小さいの
で、先に図7を用いて説明した従来技術に係るスピンド
ルモータと比較して、動圧の軸方向のアンバランスをよ
り低減できる効果がある。
【0050】なお、本実施の形態におけるスリーブ
(6)は、図2および図6に示す、以下に説明する様な
構成としてもよい。
【0051】図2は、本実施の形態において、上記に説
明した構成とは異なるように構成したHDD用スピンド
ルモータの、スリーブ(6)の断面図である。なお、ス
リーブ(6)以外の構成は、先に図8を用いて説明した
従来技術に係るスピンドルモータと同一である。
【0052】図2において、スリーブ(6)の内周面に
は、2個所の動圧溝部(15)が形成されていること
は、従来技術と同様である。
【0053】そして、各動圧溝部(15)の軸方向中央
には、所定の幅を有し、動圧溝部(15)を周方向に一
周するように形成された、周方向連通溝(17)が設け
られている。
【0054】図6は、周方向連通溝(17)を説明する
ための図であり、スリーブ(6)の内周に形成された、
ひとつの動圧溝部(15)の部分詳細図である。
【0055】図6(A)は、周方向連通溝(17)を形
成する前の動圧溝部(15)である。先に図7を用いて
説明した従来技術に係るスピンドルモータと同様に、a
部およびb部の境界線(19)は動圧溝部(15)の軸
方向中央に位置せず、a部およびb部の軸方向長さが異
なるので、先に説明したように、軸方向動圧のアンバラ
ンスが生じている。
【0056】図6(B)は、図6(A)で示した動圧溝
部(15)に周方向連通溝(17)を形成した後の状況
を示したものである。
【0057】図6(B)に示す如く周方向連通溝(1
7)は動圧溝部(15)が形成された後に、切削によっ
て動圧溝部(15)の軸方向中央に所定の幅で形成され
る。所定の幅とは、先に図6(A)で示した、動圧溝部
(15)の境界線(19)の想定されるずれ量をカバー
して十分な幅である。
【0058】また、周方向連通溝(17)は動圧溝部
(15)の中央に形成されたので、削り取られずに残っ
た、上下に分かれた残余の動圧溝は、その軸方向の長さ
が等しくなる。
【0059】すなわち、図6(B)に示す様に、残余の
動圧溝であるe部とf部とは軸方向の長さが等しくなる
ので、図6(A)に示した動圧溝部(15)で生じてい
た動圧の軸方向のアンバランスが解消され、動圧軸受が
保持する潤滑油の漏出を防止する効果がある。
【0060】周方向連通溝(17)の幅と深さは、先に
説明したように動圧溝の境界線(19)のバラツキを十
分に吸収し、また動圧溝部(15)が発生する動圧の低
下など悪影響が生じない値に、設定する必要がある。
【0061】本出願人の実験によれば、周方向連通溝
(17)の幅と深さをそれぞれ、動圧溝部(15)の軸
方向長さおよび動圧溝の深さの20%以内とすること
で、上記の条件が満たされる結果が得られた。
【0062】なお、軸方向連通溝(18)を設けたスリ
ーブ(6)の例を、図3を用いて以下に説明する。図3
は、スリーブ(6)に軸方向連通溝(18)をスリーブ
(6)に設ける構成としたHDD用スピンドルモータの
スリーブ(6)の断面図である。本実施の形態におい
て、スリーブ(6)を除く各構成要素は、先に図8を用
いて説明した従来技術にかかるスピンドルモータと同一
である。
【0063】図3において、スリーブ(6)の内周面に
は、二つの動圧溝部(15)が形成されている。さら
に、それぞれの動圧溝部(15)には、モータの回転軸
に平行で、かつ動圧溝部(15)の軸方向全長にわたる
軸方向連通溝(18)が形成されている。
【0064】軸方向連通溝(18)は、動圧溝部(1
5)の軸方向全長にわたって形成され、それぞれの動圧
溝部(15)の上下にある空間に通じるように形成され
ている。
【0065】上記の様に構成したので、スリーブ(6)
の内周面にシャフト(2)を挿入し、かつ2つの部材の
隙間に潤滑油等の粘性流体を保持するラジアル動圧軸受
の組立作業において、隙間に残留した空気の気泡を外部
に追い出す作業が、以下の理由でより容易となる。
【0066】すなわち、本例においては、組立て時に、
スリーブ(6)内でシャフト(2)を動かして気泡を軸
方向連通溝(18)に追い込む様に作業を行う。追い込
まれた気泡は、軸方向連通溝(18)を通って容易に動
圧軸部(15)の上下方向の外部空間に押し出されるの
で、ラジアル動圧軸受組立作業において、隙間に残留し
た気泡を排除する作業がより容易になる効果を生ずる。
【0067】気泡が容易に排除出来ることにより、気泡
が動圧溝部に残留して潤滑油等の粘性流体が動圧溝部に
十分に均等に拡散せず動圧軸受機能が正常に働かない、
という従来技術の動圧軸受モータで見られた不具合が解
消される。さらに、軸方向連通溝(18)は、動圧溝部
(15)を軸方向に貫くように形成されているので、ラ
ジアル動圧軸受の組立作業時に、隙間に保持すべき潤滑
油等の粘性流体が軸方向連通溝(18)を経由して動圧
溝部(15)全体により均一に行き渡る、という効果も
生ずる。
【0068】なお、上記に説明した本発明の一実施の形
態およびその他の例において、動圧溝部(15)、導入
溝(16)、周方向連通溝(17)、軸方向連通溝(1
8)はスリーブ(6)の内周面に形成されるものとして
説明した。
【0069】しかし本発明の実施にあたっては上記の場
合に限られるものではなく、シャフト(2)の外周面に
動圧溝部(15)、導入溝(16)、周方向連通溝(1
7)、軸方向連通溝(18)が形成されるものとして
も、同様の効果を発揮する。
【0070】また、上記の説明において、スピンドルモ
ータの構成は、シャフト(2)はモータベース(1)に
固定され、スリーブ(6)がハブ(5)に固定されたも
のとして説明した。しかし本発明は、上記の構成に限定
されるものではなく、シャフト(2)がハブ(5)に固
定され、スリーブ(6)がモータベース(1)に固定さ
れたスピンドルモータ(図示せず)においても、上記の
発明と同様の効果を発揮するものである。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
ラジアル動圧軸受を有する動圧軸受モータにおいて、ラ
ジアル動圧軸受で発生する軸方向の動圧のアンバランス
を解消し、ラジアル動圧軸受からの潤滑油の漏出を防止
する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の動圧軸受モータにおけ
る、スリーブの断面図である。
【図2】本発明の他の例の動圧軸受モータにおける、ス
リーブの断面図である。
【図3】本発明の他の例の動圧軸受モータにおける、ス
リーブの断面図である。
【図4】従来技術に係る動圧軸受モータにおける、スリ
ーブの断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態の動圧軸受モータにおけ
る、動圧溝部の部分詳細図である。
【図6】本発明の他の例の動圧軸受モータにおける、動
圧溝部の部分詳細図である。
【図7】従来技術に係る動圧軸受モータにおける、動圧
溝部の部分詳細図である。
【図8】従来技術に係る動圧軸受モータの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 モータベース 2 シャフト 3 動圧溝部 4 動圧溝部 5 ハブ 6 スリーブ 7 スラストプレート 8 フランジ 9 ブッシュ 10 ステータコア 11 コイル 12 リング状磁石 13 ロータヨーク 14 スペーサ 15 動圧溝部 16 導入溝 17 周方向連通溝 18 軸方向連通溝 19 境界線 20 動圧溝の端点 21 動圧溝の端点

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状のスリーブと、 前記スリーブの内径部に挿入されたシャフトとを具備
    し、 前記スリーブの内周面および/または前記シャフトの外
    周面には、へリングボーン状の動圧溝を形成した動圧溝
    部を有し、 前記動圧溝が発生する動圧によって前記シャフトと前記
    スリーブとを相対的に回転自在に保持する軸受機構を有
    する動圧軸受モータにおいて、 回転軸と略平行な導入溝を前記動圧溝の端部に延設した
    ことを特徴とする動圧軸受モータ。
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