JP2000046057A - ファンモータ用動圧軸受装置 - Google Patents

ファンモータ用動圧軸受装置

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JP2000046057A
JP2000046057A JP10217926A JP21792698A JP2000046057A JP 2000046057 A JP2000046057 A JP 2000046057A JP 10217926 A JP10217926 A JP 10217926A JP 21792698 A JP21792698 A JP 21792698A JP 2000046057 A JP2000046057 A JP 2000046057A
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thrust
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groove
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Hiromitsu Asai
拡光 浅井
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能、耐久性に優れ加工が容易で部品点数が
少なく、組立ても容易でスラスト軸受部のスラスト荷重
を小さくし、低トルク、低摩耗のファンモータ用動圧軸
受装置の提供を目的とする。 【解決手段】 ラジアル・スラスト一体の樹脂製の動圧
軸受とし、動圧発生用の溝により発生する力は羽根の回
転により発生する推力とは軸方向に逆向きに発生し、動
圧発生用の溝により発生する軸方向の力は羽根の回転に
より発生する推力の軸方向の力より小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファンモータ用動圧
軸受装置、さらに詳しくはラジアル・スラスト一体の樹
脂製の軸受を用いたファンモータ用動圧軸受装置に関
し、特に、性能及び耐久性に優れ、加工及び組立てが容
易なファンモータ用動圧軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、事務機等に使用するファンモータ
としては、実願平2−8215号に示すものがあり、図
4は従来のファンモータ用動圧軸受装置の断面図であ
る。支持部材103の内周部にはロータ101、外周部
には羽根100が支持部材103を介して対向して固着
されている。ロータ101は磁石102で構成されてい
る。動圧発生部(動圧発生用の溝106)を有する回転
軸107の一端には支持部材103が固定されており、
他端は自由端となっている。ケース109の中央部に円
筒状部112が突設されている。円筒状部112の内周
面にはスリーブ105が取り付けられ、外周面にはステ
ータ104が取り付けられている。ステータ104はロ
ータ101と対向し、ロータ101の吸引力を考慮して
軸方向にずらして配設されている。スリーブ105の下
方には回転軸107を支持する樹脂製の受け部材110
がケース109に取り付けられている。回転軸107が
スリーブ105に回転自在に嵌合することによって動圧
軸受108を構成し、スリーブ105と回転軸107と
の間に形成される空間にはグリース111が満たされて
いる。この動圧軸受108を介して、羽根100および
ロータ101をラジアル方向に支持し、羽根100およ
びロータ101をステータ104まわりに回転自在に支
持している。つまり、ステータ104が発生する回転磁
界によってロータ101を固着した回転軸107を回転
させ(図中矢印Z)、空気流れを発生し送風する(図中
矢印X)。羽根100の回転により発生する推力(送風
作用の反力)として回転軸107に作用するスラスト荷
重(図中矢印Y)はステータ104の鉄心(不図示)と
ロータ101の磁石102との間に作用する吸引力の軸
方向成分によって支持する。ステータ104とロータ1
01の位置を軸方向にずらしており、羽根100の回転
により発生する推力により生ずるスラスト荷重より吸引
力の軸方向成分が一定の割合だけ大きくなる。そして、
ステータ104とロータ101との間に作用する吸引力
から羽根100の回転により発生する推力を差し引いた
軸方向成分の残りのスラスト荷重を回転軸107の端面
とスラスト受け部材(樹脂製の受け部材110)に接触
させて支持していた。
【0003】しかしながら、従来のファンモータ用動圧
軸受装置は、軸受の部品点数がラジアル動圧軸受、スラ
スト受け部材(樹脂製の受け部材110)の二点にな
り、組立工数も多く構造が複雑になる。さらに、スラス
ト荷重を支える回転軸107の端面の直角度について高
い加工精度が必要となり、コストダウンが図れない。ま
た、スラスト荷重を受ける回転軸107の端面とスラス
ト受け部材(樹脂製の受け部材110)面が平面である
ため、回転軸107の端面のエッヂがスラスト受け部材
(樹脂製の受け部材110)面に接触しスラスト受け部
材(樹脂製の受け部材110面)に傷をつけやすい。さ
らに、ステータ104をロータ101に対して軸方向に
位置をずらして、ステータ104の鉄心(不図示)とロ
ータ101の磁石102とに作用する吸引力の軸方向成
分を羽根の回転により発生する推力より大きくして羽根
の推力とは軸方向に逆向きの磁力によってロータ101
を軸方向に吸引している。そのため軸方向の寸法が大き
くなり装置全体のコンパクト化(薄型)の妨げになると
共に回転軸107(羽根100)が振動しやすくノイズ
も発生しやすい。また、羽根100の回転により発生す
る推力は回転数と共に増すため定常回転で発生する推力
より大きな逆向きの磁力を磁石102によりかける必要
がある。そのため羽根100の推力が小さい低速回転時
には大きなスラスト荷重がスラスト部材に作用して摩耗
しやい。さらに、潤滑剤としてグリース111を使用し
ているため、回転軸107を嵌入時に軸受内部の空気を
排出することが困難である。それ故、軸受内部に大量の
空気が残り動圧軸受としての性能の低下を招き、トルク
が大きくなりやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、性能、耐久性に優れ加工が容易で部品点数が少な
く、組立ても容易で低コストなファンモータ用動圧軸受
装置の提供を目的とする。
【0005】請求項2記載の発明は、スラスト軸受部の
スラスト荷重を小さくし、低トルク、低摩耗のファンモ
ータ用動圧軸受装置の提供を目的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
射出成形により円筒部内面に動圧発生用の溝を有するラ
ジアル動圧軸受部と、それに接続する円筒部底面にスラ
スト軸受部とが設けられたラジアル・スラスト一体の樹
脂製の動圧軸受からなるファンモータ用動圧軸受装置で
ある。加工が容易で部品点数が少なく組立ても容易なフ
ァンモータ用動圧軸受装置を提供することになる。ま
た、羽根の回転により発生する推力をスラスト軸受部方
向に発生させているため、ロータを軸方向に吸引する力
を上記推力より大きくする必要がない。羽根の回転によ
る送風が羽根の上側に作用する故、回転軸に作用するス
ラスト荷重はスラスト軸受部方向(回転軸がスラスト軸
受面に押圧する方向)に発生する。このため、ステータ
とロータの位置を軸方向に大きくずらす必要がない。ま
た、ラジアル動圧軸受も樹脂製であるため、起動時(起
動、停止時は回転軸とスリーブ内径は接触する)の摩擦
抵抗も減少できる。さらに、潤滑剤に油を使用したこと
により、回転軸を嵌入時に軸受内部の空気の排出が容易
となり、軸受内部に空気がほとんど残らず動圧軸受とし
ての性能が低下することがない。さらに、潤滑油にグリ
ースを使用したときに比較してトルクが小さい。
【0007】特に、樹脂スリーブをラジアル・スラスト
一体の樹脂スリーブとし、回転軸の自由端とスラスト軸
受面とのうちの一方を球面にして点接触でスラスト荷重
を受ける構造にした。そのため、スラスト荷重を支える
回転軸の端面の直角度について高い加工精度が不必要と
なり、また低摩擦で回転軸のエッヂでスラスト軸受面を
傷つけることもなくなる。具体的には、樹脂スリーブの
底面であるスラスト軸受面に凸球面を設けて、回転軸の
端面を支持する構造とするか、あるいは回転軸の端面に
凸球面を設けて、樹脂スリーブの底面であるスラスト受
け部で支持する構造となる。また、樹脂スリーブの樹脂
材料としては強度があり、耐摩耗性に優れるものが好ま
しいが、特に樹脂材料は限定されない。例えば、炭素繊
維を含むPPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)等
が該当する。
【0008】請求項2記載の発明は、樹脂スリーブの円
筒部内面の動圧発生用の溝をファンモータの羽根の回転
により発生する推力とは軸方向に逆向きに作用する力を
発生する溝パターンにするファンモータ用動圧軸受装置
である。動圧発生用の溝により発生する軸方向の力を羽
根の回転によって発生する軸方向の力より小さくして、
羽根の回転により発生する推力から動圧発生用の溝によ
って発生する軸方向の力を差し引いた残りのスラスト荷
重が回転軸の端面とスラスト軸受面にかかる構造のた
め、スラスト軸受部にかかるスラスト荷重が小さくでき
る。ここで溝パターンとは動圧発生用の溝の形状であ
る。
【0009】特に、スリーブの円筒部内面に設けた動圧
発生用の溝(ラジアル動圧軸受部)をラジアル方向の支
持と、羽根の回転により発生する推力とは軸方向に逆向
きに作用する力を発生することができる溝パターンにし
たことによって、構造が簡単で軸方向寸法を小さく出来
るためコンパクト(薄型)にできる。具体的には、全体
として溝パターンの下側の幅より上側の幅を広くすると
いう構造である。この構造によりステータとロータを軸
方向に大きくずらす必要がなくなる。そして、羽根の回
転中(回転軸の回転中)に羽根が軸方向に振動し難くな
りノイズ等の発生を防止できる。
【0010】請求項1記載の発明は、具体的には一端に
羽根およびロータを支持部材を介して固着され他端が自
由端とされた回転軸と、外周部に前記ロータと対向する
ステータが配設され、略中央部に前記回転軸が隙間を隔
てて嵌入されて前記回転軸と共に動圧軸受が構成される
略円筒形状のスリーブとからなり、前記羽根およびロー
タを回転自在に支持するファンモータ用動圧軸受装置に
おいて、前記スリーブは円筒部内面に動圧発生用の溝を
有するラジアル動圧軸受部と、それに接続する円筒部底
面にスラスト軸受部とが設けられたラジアル・スラスト
一体の樹脂製の動圧軸受からなり、前記羽根の回転によ
り発生する推力を前記スラスト軸受部方向に発生させる
とともに、前記回転軸の自由端と前記スラスト軸受面と
のうちの一方を球面とし、潤滑剤として油を用いたこと
を特徴とするファンモータ用動圧軸受装置を提供するも
のである。樹脂スリーブの外径部にはフランジを設ける
こともできる。
【0011】請求項2記載の発明は、具体的には前記ラ
ジアル動圧軸受部の円筒部内面の動圧発生用の溝は前記
ファンモータの羽根の回転により発生する推力とは軸方
向に逆向きに作用する力を発生する溝パターンであり、
前記動圧発生用の溝により発生する軸方向の力は前記羽
根の回転によって発生する軸方向の力より小さいことを
特徴とするファンモータ用動圧軸受装置を提供するもの
である。
【0012】
【実施例】(第一実施例)以下、本発明の実施例を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の第一実施例のファ
ンモータ用動圧軸受装置の断面図である。ケース9の中
心に軸方向にのびた円筒状部10が設けられ、円筒状部
10の外周部にはステータ5が段差部10aで位置決め
されて配設されている。円筒状部10の内径面に有底の
樹脂スリーブ8が固着(圧入)されている。一端に羽根
1およびロータ2を支持部材6を介して固着された回転
軸の他端である自由端が略円筒形状の樹脂スリーブ8の
円筒部内面の径方向に一定の隙間を隔てて回転自在か
つ、抜き差し自由に嵌入されている。この回転軸7の嵌
入により樹脂スリーブ8の円筒部内面に動圧発生用の溝
8bを有するラジアル動圧軸受部12(二ヶ所のラジア
ル動圧軸受)と、それに接続する円筒部底面(樹脂スリ
ーブ8の底面)に設けられた凸球面8aを有したスラス
ト軸受部11とをなし、ラジアル・スラスト一体の樹脂
製の動圧軸受を構成している。この構成により円筒状部
10の外周部のステータ5がロータ2と対向し、ロータ
2が固着された回転軸7はステータ5の回りに回転自在
に支持されている。そして、回転軸7とラジアル・スラ
スト一体の樹脂製の動圧軸受で構成される軸受隙間には
潤滑剤として油4が満たされている。そのため、軸受内
部の空気を排出できる(空気が残り難くなる)。ステー
タ5が発生する回転磁界によってロータ2は回転する
(図中矢印a)。樹脂スリーブ8の円筒部内面の動圧発
生用の溝8bにより油4に圧力が発生し、回転軸7がラ
ジアル方向に支持され、樹脂スリーブ8の円筒部内面と
回転軸7は非接触で回転する。そして、支持部材6を介
して外周に設けた羽根1によって矢印bで示す方向に送
風する。送風時に羽根1の送風作用の反力として回転軸
7に作用するスラスト荷重(図中矢印c)は羽根1の回
転により発生する推力である。この推力(スラスト荷
重)がスラスト軸受部11方向に発生し、回転軸7の端
面がスラスト軸受部11の凸球面8aで点接触で受け
る。
【0013】このように、射出成形により樹脂スリーブ
8の円筒部内面に動圧発生用の溝8bを有するラジアル
動圧軸受部と、それに接続する円筒部底面にスラスト軸
受部11とが設けられたラジアル・スラスト一体の樹脂
製の動圧軸受として、動圧発生用の溝8bも射出成形時
に同時に設けているので、加工が容易で部品点数が少な
く、組立も容易なため低コストとすることができる。ま
た、羽根1の回転により発生する推力をスラスト軸受部
11方向に発生させているため、ロータ2を軸方向(ス
ラスト軸受部11方向)に吸引する力を上記推力より大
きくする必要がない。このため、ステータ5とロータ2
を軸方向に大きくずらさなくて良いため、ノイズ等の発
生がなく、構造が簡単で軸方向寸法を小さく出来るため
ファンモータ用動圧軸受装置全体をコンパクト(薄型)
にできる。
【0014】また、ラジアル・スラスト一体の樹脂製の
動圧軸受とし、回転軸7の端面とスラスト軸受面8cと
のうちの一方を凸球面8aにして点接触でスラスト荷重
を受けるようにしたことにより、低摩擦で回転軸7のエ
ッヂでスラスト軸受面8cを傷つけることもない。さら
に、ラジアル動圧軸受も樹脂製であるため、起動時(起
動、停止時は回転軸7とスリーブ内径は接触する)の摩
擦抵抗も減少でき、軸受全体として低摩擦で耐摩耗に優
れる。また、潤滑剤に油4を使用したことにより、回転
軸7の嵌入時に軸受内部の空気の排出が容易となり、軸
受内部に空気がほとんど残らず動圧軸受としての性能が
低下することがない。さらに、潤滑剤にグリースを使用
したときに比較してトルクが小さい。
【0015】(第二実施例)図2は本発明の第二実施例
のファンモータ用動圧軸受装置の断面図である。第一実
施例と異なる構造はケース9の中心に軸方向にのびた円
筒状部がなく、またスラスト・ラジアル一体の樹脂製の
動圧軸受の樹脂スリーブ21にはフランジ21cが設け
られていることである。回転軸27が樹脂スリーブ21
の円筒部(略円筒形状の部分)内面の径方向に一定の隙
間を隔てて回転自在かつ、抜き差し自由に嵌入されてい
る。これより樹脂スリーブ21の円筒部内面に動圧発生
用の溝21bを有するラジアル動圧軸受部23(二ヶ所
のラジアル動圧軸受)と、それに接続する円筒部底面
(樹脂スリーブの円筒部底面)に設けられた凸球面21
aを有したスラスト軸受部22とをなし、ラジアル・ス
ラスト一体の樹脂製の動圧軸受を構成している。フラン
ジ21cがケース9に圧入等により固着されている。樹
脂スリーブ21の外径部の外径面には段差部21dが設
けられステータ5が位置決めされ、直接ステータ5が樹
脂スリーブ21の外径部の外径面に配設されている。こ
の構造により、ケース9を含めたファンモータ動圧軸受
装置の構造が簡単になり加工コストを抑えられる。他の
構造、作用及び効果も第一実施例と同じである。
【0016】(第三実施例)図3は本発明の第三実施例
である樹脂スリーブ(動圧軸受部)の断面図を示す。図
3(1)は動圧発生用の溝の第一の例を示した樹脂スリ
ーブ(動圧軸受部)の断面図を示す。図3(2)は動圧
発生用の溝の第二の例を示した樹脂スリーブ(動圧軸受
部)の断面図を示す。図3(3)は動圧発生用の溝の第
三の例を示した樹脂スリーブ(動圧軸受部)の断面図を
示す。図3(4)は動圧発生用の溝が一ヶ所である第四
の例を示した樹脂スリーブ(動圧軸受部)の断面図を示
す。図3(1)は底部に設けられたスラスト軸受部30
のスラスト軸受面(スラスト受け部)の中心は凸球面1
8aになっている。樹脂スリーブ18の内径面に設けら
れた二ヶ所の動圧発生用の溝18bの幅はA>B、C>
Dであり、二ヶ所の溝とも上側の幅が広くなっている。
つまり全体として溝パターンの下側の幅より上側の幅を
広くするというものである。これよりA+C>B+Dの
関係が成り立つ。ラジアル・スラスト一体の樹脂製の動
圧軸受19の作動時にラジアル力(径方向の力)とスラ
スト力(軸方向の力)が発生するが、この溝パターンで
発生するスラスト力は、羽根の回転により発生する推力
より小さくなる溝パターン(溝幅比)に設定されてい
る。
【0017】回転軸37が図中矢印(a)で示す方向に
回転すると、動圧発生用の溝18bによりラジアル方向
に回転軸37を支持する動圧力と羽根の回転により発生
する推力(軸方向に発生する力(c))と逆のスラスト
力(回転軸37をスラスト軸受方向から浮かせる力
(d))が発生する。このとき、動圧発生用の溝18b
により発生するスラスト力(d)は羽根の回転により発
生する推力(c)より小さく、羽根の回転により発生す
る推力(c)より動圧発生用の溝18bによるスラスト
力(d)を差し引いたスラスト荷重は回転軸37の端面
とスラスト軸受部30の凸球面18aで点接触で受け
る。羽根の回転により発生する推力は回転数が早くなる
ほど大きくなるが、動圧発生用の溝18bにより発生す
るスラスト力も回転数が早くなるほど大きくなるため、
回転数による上記スラスト荷重の変動は小さい。このよ
うに、羽根の回転により発生する推力を動圧発生用の溝
18bによって発生するスラスト力とでバランスさせて
いる。それより回転軸37の端面とスラスト軸受部30
の凸球面18aで点接触で受けることができ、回転トル
クを小さくできる。また回転軸37の端面とスラスト軸
受面18cの摩耗も減少させることができる。他の作
用、効果は第一、第二実施例と同様である。図3(2)
の動圧発生用の溝28bの幅はA>B、C=Dであり、
図3(3)の動圧発生用の溝38bの幅はA>B、C<
Dであるが、どちらもA+C>B+Dの関係を満足す
る。それ故、図3(1)及び(2)の実施例と同様の作
用、効果を有する。他の作用、効果も第一、第二実施例
と同様である。
【0018】図3(4)のフランジ48の円筒部の内径
面に設けられた動圧発生用の溝48b(ラジアル動圧軸
受51が一ヶ所)の幅はA>Bである。ここでも溝パタ
ーンの下側の幅より上側の幅を広くなっている。そのた
め図3(1)、(2)及び(3)の溝パターンの例と同
様に回転軸47が回転すると(図中矢印a)、動圧発生
用の溝48bによりラジアル方向に回転軸47を支持す
る動圧力と羽根の回転により発生する推力(スラスト軸
受部50方向に発生する力(c))と逆のスラスト力
(動圧発生用の溝48bにより発生する回転軸47をス
ラスト軸受部50から浮かせる力(d))が発生する。
スラスト荷重(羽根の回転により発生する推力(スラス
ト軸受部50方向に発生する力(c)から動圧発生用の
溝48bにより発生する回転軸47をスラスト軸受部5
0から浮かせる力(d)を差し引いた荷重)は回転軸3
7の端面とスラスト軸受部50の凸球面48aで点接触
で受ける。構造としては動圧発生用の溝48bが一ヶ所
となったことが図3(1)、(2)及び(3)と異なる
だけである。それ故、図3(1)、(2)及び(3)の
溝パターンの例と同様の作用、効果を有する。他の作
用、効果も第一、第二実施例と同様である。
【0019】本発明の実施例では樹脂スリーブの樹脂材
料として、炭素繊維を含むPPS(ポリフェニレンサル
ファイド樹脂)を使用している。但し、強度もあり、耐
摩耗性に優れる樹脂材料であればよく、特にこの樹脂材
料に限定されるものではない。また、樹脂スリーブの外
径形状は各実施例に示す円形に限られるものではなく、
加工容易性等を考慮して四角形等の形状であってもよ
い。また、この円筒部の外形にフランジ等を設けること
も可能である。さらに、溝パターンは各実施例には限定
されず、羽根の回転により発生する推力と逆の動圧力
(軸をスラスト軸受部方向から浮かせる力)が発生する
溝パターンおよび溝幅比であればよい。
【0020】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、射出成形
により円筒部内面に動圧発生用の溝を有するラジアル動
圧軸受部と、それに接続する円筒部底面にスラスト軸受
部とが設けられたラジアル・スラスト一体の樹脂製の動
圧軸受としたことにより、加工が容易で部品点数が少な
く、組立も容易なため低コストとすることができる。羽
根の回転により発生する推力をスラスト軸受部方向に発
生させているため、ロータを軸方向(スラスト軸受部方
向)に吸引する力を上記推力より大きくする必要がな
い。このため、ステータとロータを軸方向に大きくずら
さなくてよい。それ故、羽根が軸方向に振動し難くなり
ノイズ等の発生がなく、構造が簡単で軸方向寸法を小さ
く出来るためコンパクト(薄型)にできる。また、ラジ
アル・スラスト一体の樹脂製とし、回転軸の端面とスラ
スト軸受面とのうちの一方を球面にして点接触でスラス
ト荷重を受けるようにしたことにより、低摩擦で回転軸
のエッヂでスラスト軸受面を傷つけることもない。ラジ
アル動圧軸受も樹脂製であるため、起動時(起動、停止
時は軸とスリーブ内径は接触する)の摩擦抵抗も減少で
き、軸受全体として低摩耗で耐摩耗に優れる。さらに、
潤滑剤に油を使用したことにより、回転軸を嵌入時に軸
受内部の空気の排出が容易となり、軸受内部に空気がほ
とんど残らず動圧軸受としての性能が低下することがな
い。また、潤滑剤としてグリースを使用したときに比較
してトルクが小さい。
【0021】請求項2記載の発明によれば、円筒部内面
の動圧発生用の溝により発生する軸方向の力(スラスト
軸受部から浮かせる力)を羽根の回転により発生する軸
方向の力(スラスト軸受部への力)より小さくして、羽
根の回転により発生する推力から動圧発生用の溝によっ
て発生する軸方向の力を差し引いた残りのスラスト荷重
を回転軸の端面とスラスト軸受面で点接触で受けるた
め、スラスト荷重が小さくなり低トルクで、低摩耗であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施例のファンモータ用動
圧軸受装置の断面図である。
【図2】図2は本発明の第二実施例のファンモータ用動
圧軸受装置の断面図である。
【図3】図3は本発明の第三実施例である樹脂スリーブ
(動圧軸受部)の断面図を示す。図3(1)は動圧発生
用の溝の第一の例を示した樹脂スリーブ(動圧軸受部)
の断面図を示す。図3(2)は動圧発生用の溝の第二の
例を示した樹脂スリーブ(動圧軸受部)の断面図を示
す。図3(3)は動圧発生用の溝の第三の例を示した樹
脂スリーブ(動圧軸受部)の断面図を示す。図3(4)
は動圧発生用の溝が一ヶ所である第四の例を示した樹脂
スリーブ(動圧軸受部)の断面図を示す。
【図4】図4は従来のファンモータ用動圧軸受装置の断
面図である。
【符号の説明】
1 羽根 2 ロータ 3 磁石 4 油 5 ステータ 6 支持部材 7 回転軸 8 樹脂スリーブ 8b 動圧発生用の溝 9 ケース 11 スラスト軸受部 12 ラジアル動圧軸受部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に羽根およびロータを支持部材を介
    して固着され他端が自由端とされた回転軸と、外周部に
    前記ロータと対向するステータが配設され、略中央部に
    前記回転軸が隙間を隔てて嵌入されて前記回転軸と共に
    動圧軸受が構成される略円筒形状のスリーブとからな
    り、前記羽根およびロータを回転自在に支持するファン
    モータ用動圧軸受装置において、 前記スリーブは円筒部内面に動圧発生用の溝を有するラ
    ジアル動圧軸受部と、それに接続する円筒部底面にスラ
    スト軸受部とが設けられたラジアル・スラスト一体の樹
    脂製の動圧軸受からなり、前記羽根の回転により発生す
    る推力を前記スラスト軸受部方向に発生させるととも
    に、前記回転軸の自由端と前記スラスト軸受面とのうち
    の一方を球面とし、潤滑剤として油を用いたことを特徴
    とするファンモータ用動圧軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記ラジアル動圧軸受部の円筒部内面の
    動圧発生用の溝は前記羽根の回転により発生する推力と
    は軸方向に逆向きに作用する力を発生する溝パターンで
    あり、前記動圧発生用の溝により発生する軸方向の力は
    前記羽根の回転によって発生する軸方向の力より小さい
    ことを特徴とする請求項1記載のファンモータ用動圧軸
    受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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