JP2001073492A - フラットプレ−ト接合部の補強構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】本願発明は、フラットプレ−ト架構において、
直交梁に相当する部位のスラブに、ねじり補強のために
そのスラブに直接スタ−ラップ筋を設けることは可能で
あるが、１５cm〜２０cm程度の厚さのスラブ縦横に直交
するスラブ筋に、更にスタ−ラップ筋を巻き付けること
は施工上困難であった。 【解決手段】本願発明は上記課題を解決するものであっ
て、外柱２に隣接するスラブ１の横筋４間に、当該横筋
と略平行した縦断面コ字型形状のねじり補強筋７とフッ
ク筋８を適数本配筋してなることを特徴とするフラット
プレ−ト接合部の補強構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本願発明は、鉄筋コンクリ−
ト造のフラットプレ−ト架構における外柱とスラブとの
接合部の補強構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の鉄筋コンクリ−ト造による構造物
は、梁とスラブで床組が構成されているが、スラブの荷
重を梁が受けて柱へ伝達させる構造であることから、梁
成をスラブ厚に比べて大きくしなければならならず、し
たがって、建築物の階高が大きくなっていた。

【０００３】また、建築物の階高を小さくするために梁
を設けないで、コンクリ−トスラブの下面にキャピタル
部を設け、このキャピタル部を貫通する鉄筋コンクリ−
ト柱によりコンクリ−トスラブを支持するフラットスラ
ブ架構がある。この架構は、梁とスラブの床組から成る
架構に比べて建築物の階高を小さくすることは可能とな
ったが、コンクリ−トスラブ下面のキャピタル部による
突出部と、その突出部を形成する型枠の組立作業におい
て、更にコストの点においても問題点があった。

【０００４】また、建築物のフラットスラブを、フラッ
トスラブ架構のようにキャピタル部を設けることなくコ
ンクリ−トスラブを直接柱で支持することにより建築物
の階高を更に小さくし、鉄筋コンクリ−トスラブ下面の
突出部を無くしたフラットプレ−ト架構がある。このフ
ラットプレ−ト架構による建築物は、鉄筋コンクリ−ト
スラブ下面を平坦にすることが可能となったが、柱回り
に生じる集中荷重が大きくなるのでスラブ内の鉄筋を増
やすなどして補強を行っていた。

【０００５】しかし、鉄筋コンクリ−ト造のフラットプ
レ−ト架構における外柱とスラブとの接合部の補強とし
て、ねじり補強を目的とした配筋の技術は今まで存在し
ておらず、通常のラ−メン架構による構造物は、地震時
等に生じるねじり破壊に対抗する手段として、柱と接合
する直交梁のスタ−ラップ筋がその有効な補強手段とな
っていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このようなフラットプ
レ−ト架構において、直交梁に相当する部位のスラブ
に、補強のためにそのスラブに直接スタ−ラップ筋を設
けることは可能であるが、１５cm〜２０cm程度の厚さの
スラブの縦横に直交するスラブ筋に、更にスタ−ラップ
筋を巻き付けることは施工上困難であった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本願発明は上記課題を解
決するものであって、フラットプレ−ト架構における外
柱とスラブとの接合部のねじり補強のための補強構造に
関するもので、外柱に隣接するスラブの横筋間に、該横
筋と略平行した縦断面コ字型形状のねじり補強筋とフッ
ク筋を適数本配筋して成ることを特徴とするフラットプ
レ−ト接合部の補強構造を提供するものである。

【０００８】また、上記コ字型形状ねじり補強筋を、ス
ラブの端部からスラブの中央部に向かって適宜長さに延
長して配筋したフラットプレ−ト接合部の補強構造を提
供するものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】本願発明のフラットプレ−ト架構
における外柱とスラブとの接合部の補強構造について、
図面に示す実施例に基いて説明する。

【００１０】

【実施例】図１は、鉄筋コンクリ−ト造のスラブ１を構
成する部分および外柱２を構成する部分の平面図（ａ）
および側面図（ｂ）を示しており、スラブ１には、縦筋
３と横筋４が交差するように直交配筋される。他方、外
柱２にも主縦筋５および該主縦筋５を取り巻くようにし
て所定間隔毎にフ−プ筋６が配筋される。

【００１１】上記スラブ１に配筋された縦筋３と横筋４
は、スラブ１と外柱２とが一体となるように、外柱２と
なる部位にも配筋される。したがって、上記縦筋３およ
び横筋４は、外柱２の主縦筋５或いはフ−プ筋６の間隙
に挿入配筋されることになる。

【００１２】通常の配筋は、上記のようにして行われる
が、地震時の場合のように、建物に強い荷重が加わった
時には、図３で示すように、スラブ１と外柱２との連結
部において、強度の弱い柱側面のスラブ１側に、斜め方
向にねじりひび割れ９が発生する。

【００１３】上記ねじりひび割れに対抗するために、本
願実施例では、図１に示す外柱２の周囲のスラブ１に、
スラブ１の横筋４に平行で且つ横筋４間にねじり補強筋
７とフック筋８を配筋するものである。ねじり補強筋７
は、スラブ１の上縦筋３の上側から下縦筋３´の下側へ
巻き込んだ状態に配筋する。したがって、縦断面コ字型
形状のねじり補強筋７となる。

【００１４】このねじり補強筋７の長さは、スラブ１の
端部からスラブ１の中央部に向かって適宜長さに延長し
て配筋し、その長さは少なくとも外柱２の成よりは相当
長く延長形成したものを配筋する。

【００１５】このねじり補強筋７の配筋により、スラブ
１と外柱２の接合部のスラブ１側に生じる可能性のある
斜め方向のねじりひび割れ９の発生する部分に、上記し
たねじり補強筋７の上下の鉄筋が横切るようにして配置
されることにより、ねじりに対して抵抗できることにな
る。

【００１６】

【発明の効果】本願発明は、フラット架構におけるフラ
ットプレ−ト接合部に、ねじり補強筋を配筋することに
より、ねじりに対する抵抗性が向上し、スラブ側に生じ
るねじり破壊を未然に防止することが可能となった。

【００１７】また、ねじり補強筋は縦断面コ字型形状か
ら成るので補強筋の製作加工が簡易であり、その補強筋
の形状から、比較的厚みのないスラブにおける縦筋およ
び横筋に対しても楽に配筋することができるので施工が
容易となった。更に、ねじり補強筋は縦筋との連結も容
易に行われ、一体化したスラブ配筋を得ることが可能と
なった。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）外柱およびスラブ配筋の平面図である。 （ｂ）外柱およびスラブ配筋の側面図である。

【図２】ねじりひび割れとねじり補強筋との関係を示す
平面図である。

【図３】従来のフラットプレ−ト架構における配筋とね
じりひび割れを示す平面図である。

【符号の説明】

１ スラブ ２ 外柱 ３ 上縦筋 ３´ 下縦筋 ４ 横筋 ５ 主縦筋 ６ フ−プ筋 ７ ねじり補強筋 ８ フック筋 ９ ねじりひび割れ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄筋コンクリ−ト造のフラットプレ−ト
   架構において、外柱に隣接するスラブの横筋間に、該横
   筋と略平行したねじり補強筋とフック筋を適数本配筋し
   て成ることを特徴とするフラットプレ−ト接合部の補強
   構造。
2. 【請求項２】 ねじり補強筋は、縦断面コ字型形状から
   成ることを特徴とする請求項１に記載のフラットプレ−
   ト接合部の補強構造。
3. 【請求項３】 ねじり補強筋を、スラブの端部からスラ
   ブの中央部に向かって適宜長さに延長して配筋したこと
   を特徴とする請求項１又は請求項２に記載のフラットプ
   レ−ト接合部の補強構造。