JP2001073226A - 複合繊維、フェノール系極細炭素繊維およびそれらの製造方法 - Google Patents

複合繊維、フェノール系極細炭素繊維およびそれらの製造方法

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JP2001073226A JP24412399A JP24412399A JP2001073226A JP 2001073226 A JP2001073226 A JP 2001073226A JP 24412399 A JP24412399 A JP 24412399A JP 24412399 A JP24412399 A JP 24412399A JP 2001073226 A JP2001073226 A JP 2001073226A
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Masaru Kimura
勝 木村
Yoshitaka Kakegawa
吉高 掛川
Yoshiaki Kurimoto
好章 栗本
Asao Otani
朝男 大谷
Naoto Kasahara
直人 笠原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極細炭素繊維の前駆体として好適な複合繊
維、耐熱性、耐薬品性等に優れ、比表面積が大きいフェ
ノール系極細炭素繊維、紡糸性、生産性、作業性に優れ
た複合繊維の製造方法およびフェノール系極細炭素繊維
の製造方法を提供する。 【解決手段】 フェノール樹脂とポリエチレンを混練、
溶融紡糸してなり、海成分がポリエチレンであり、島成
分がフェノール樹脂である海島型複合繊維である複合繊
維、これを炭素化してなるフェノール系極細炭素繊維、
フェノール樹脂とポリエチレンを混練した後、紡糸口金
から押出する複合繊維の製造方法、および、該複合繊維
の製造方法で得られた複合繊維を炭素化するフェノール
系極細炭素繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェノール系極細
炭素繊維の前駆体に好適な複合繊維、耐熱性、耐薬品性
等に優れ、比表面積が大きいフェノール系極細炭素繊
維、およびこれらを生産性よく製造する製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フェノール系繊維を炭素化して得られる
フェノール系炭素繊維は、耐熱性、耐薬品性、導電性等
に優れており、断熱材、シール材、電極材などの幅広い
分野で利用されている。中でも、繊維径の小さいフェノ
ール系極細炭素繊維は、比表面積や吸着速度が大きいこ
とから、高性能の吸着材や、触媒担体への応用も期待さ
れている。また、繊維径が小さいことから、高密度の炭
素繊維織布、不織布などへの利用も期待される。
【0003】フェノール系極細炭素繊維を製造するため
には、極細のフェノール系繊維を作る必要がある。従来
の溶融紡糸の技術を用いて極細のフェノール系繊維を作
る方法としては、紡糸口金の樹脂の吐出口を小径にし、
紡糸速度を上げてフェノール繊維を溶融紡糸する方法、
フェノール樹脂と他の樹脂とを特殊な口金から押出して
海島型複合繊維を溶融紡糸し、その海成分の樹脂のみを
機械的に除去、または溶剤等を用いて除去し、島成分の
フェノール樹脂のみを取り出す方法などが挙げられる。
そしてこれらの前駆体繊維を炭素化することにより極細
の炭素繊維が製造される。
【0004】しかしながら、フェノール系繊維の原料と
なるフェノール樹脂は、完全非晶性であり、重合度が低
いため、紡糸は難しい。また、得られるフェノール系繊
維は、強度、伸度が不十分であり、極めて脆いという欠
点を有していた。そのため、小径の紡糸口金を用い、紡
糸速度を上げる方法では、極端に生産性が落ちてしまう
という問題があった。また、吐出されたフェノール樹脂
が紡糸口金に非常に近い位置で冷却固化されてしまうた
め、紡糸時の延伸効果がほとんど期待できず、その繊維
径は12μm程度が限界であった。また、フェノール樹
脂が脆いため、紡糸後に延伸処理ができず、延伸による
フェノール系繊維の細繊化は事実上不可能であった。ま
た、特殊な口金を使用する場合には、口金の形状が極め
て複雑になるため、生産性が格段に落ち、また、繊維径
10μm以下のフェノール繊維を得ることは不可能であ
った。さらに、海成分を溶剤等で除去する方法の場合、
多量の溶剤を必要とするため、作業環境を著しく悪化さ
せるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、フェノール系極細炭素繊維の前駆体として好適に用
いることができる複合繊維、耐熱性、耐薬品性等に優
れ、比表面積が大きいフェノール系極細炭素繊維、紡糸
性、生産性、作業性に優れた複合繊維の製造方法および
フェノール系極細炭素繊維の製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の複合
繊維は、フェノール樹脂とポリエチレンを混練、溶融紡
糸してなり、海成分がポリエチレンであり、島成分がフ
ェノール樹脂である海島型複合繊維であることを特徴と
する。また、島成分のフェノール樹脂は、硬化処理され
ていることが望ましい。また、本発明のフェノール系極
細炭素繊維は、前記複合繊維を炭素化してなることを特
徴とする。
【0007】また、本発明の複合繊維の製造方法は、フ
ェノール樹脂とポリエチレンを混練した後、紡糸口金か
ら押出して、海成分がポリエチレンであり、島成分がフ
ェノール樹脂である海島型複合繊維を溶融紡糸すること
を特徴とする。また、本発明の複合繊維の製造方法にお
いては、さらに、島成分のフェノール樹脂を硬化させる
ことが望ましい。また、本発明のフェノール系極細炭素
繊維の製造方法は、前記複合繊維の製造方法で得られた
複合繊維を炭素化することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るフェノール樹脂とは、フェノール類とアル
デヒド類とを反応触媒の存在下に縮合重合反応させて得
られるものである。フェノール類としては、例えば、フ
ェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、ビスフェノール−A、2,3−キシレノール、
3,5−キシレノール、p−ターシャリブチルフェノー
ル、レゾルシノール等が挙げられる。アルデヒド類とし
ては 例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒ
ド、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、ベンズ
アルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。
【0009】アルデヒド類とフェノール類のモル比は、
特に限定はされないが、好ましくは0.6:1〜0.8
6:1である。反応触媒としては、例えば、塩酸、硫酸
等の無機酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸等の有
機酸、クエン酸、酒石酸等のオキシカルボン酸、塩化亜
鉛、酢酸亜鉛等の亜鉛化合物等が挙げられる。
【0010】本発明に係るフェノール樹脂は、線状分子
のものに限定されず、一部枝状分子のものでもよい。ま
た、その組成は、単一のフェノール樹脂からなるもので
も、2成分以上を任意の割合で混合したものでもよい。
フェノール樹脂の分子量も、特に限定はされないが、溶
融紡糸に適切な温度範囲で可融であり、溶融紡糸に適切
な粘度範囲を有するためには、その分子量は500〜5
0,000の範囲にあることが好ましい。
【0011】本発明に係るポリエチレンとしては、高圧
法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレン
の単独重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重
合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体などのエチレンと
他のビニル系単量体との共重合体等が挙げられる。
【0012】エチレンと共重合されるα−オレフィンと
しては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙
げられる。他のビニル系単量体としては、例えば、酢酸
ビニル等のビニルエステル;(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸
およびそのアルキルエステルなどが挙げられる。
【0013】本発明のフェノール系複合繊維には、必要
に応じて各種添加剤が添加されていてもよい。添加剤と
しては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料などが
挙げられる。
【0014】次に、本発明の複合繊維およびフェノール
系極細炭素繊維の製造方法について説明する。まず、あ
らかじめフェノール樹脂とポリエチレンを混合し、混練
する。この混合樹脂を溶融状態で紡糸口金から押出し、
海成分がポリエチレンであり、島成分がフェノール樹脂
である、海島型の複合繊維を溶融紡糸する。さらに、島
成分のフェノール樹脂を硬化処理し、硬化処理された複
合繊維を得る。ついで、この硬化処理された複合繊維
を、不活性雰囲気下で炭素化し、フェノール系極細炭素
繊維を得る。
【0015】フェノール樹脂とポリエチレンの混合比率
は、特に限定はされないが、好ましくはフェノール樹脂
が10〜60重量%、ポリエチレンが90〜40重量%
であり、より好ましくはフェノール樹脂が30〜50重
量%、ポリエチレンが70〜50重量%である。フェノ
ール樹脂が10重量%未満では、十分なフェノール系極
細炭素繊維得られなくなるおそれがあり、フェノール樹
脂が60重量%を超えると、海成分がポリエチレンであ
り、島成分がフェノール樹脂である海島型複合繊維が得
にくくなるおそれがある。
【0016】フェノール樹脂とポリエチレンの混練の温
度は、特に限定はされないが、好ましくは90〜200
℃の範囲であり、より好ましくは120〜160℃の範
囲である。フェノール樹脂とポリエチレンの混練の時間
は、樹脂の量やフェノール樹脂とポリエチレンの混合比
率、島成分であるフェノール樹脂の目的とする繊維径に
よって適宜選択され、特に限定はされない。例えば、フ
ェノール樹脂とポリエチレンを50:50(重量比)で
混練する場合、混練時間は、混合樹脂100g当たり4
0〜60分である。混練装置としては、公知のものを用
いることができ、例えば、押出機型混練機、ミキシング
ロール、バンバリーミキサー、高速二軸連続ミキサなど
が挙げられる。
【0017】溶融紡糸時の温度は、特に限定はされない
が、好ましくは120〜200℃の範囲であり、より好
ましくは140〜170℃の範囲である。紡糸口金の孔
径は、目的とする複合繊維の繊維径によって適宜選択さ
れ、特に限定はされないが、好ましくは0.1〜1.0
mm、より好ましくは0.2〜0.5mmである。溶融
方法としては、公知の方法を用いることができ、例え
ば、押出機方式、メルター方式などが挙げられる。加熱
方法も、電熱方式、蒸気加熱方式、熱媒加熱方式のいず
れの方法も可能である。紡糸速度は、特に限定はされな
いが、好ましくは50〜3,000m/分、より好まし
くは200〜1,500m/分である。溶融紡糸は、フ
ェノール樹脂とポリエチレンを溶融混練し、これを溶融
状態のまま直接紡糸してもよく、フェノール樹脂とポリ
エチレンを混練し、一旦ペレット化した後、ペレットを
溶融紡糸してもよい。
【0018】フェノール樹脂の硬化処理は、公知の方法
で行われ、例えば、架橋触媒の存在下、アルデヒド類で
フェノール樹脂を硬化させる方法などが挙げられる。架
橋触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、p−ト
ルエンスルホン酸等の酸性触媒、アンモニア、水酸化カ
ルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
バリウム、炭酸ナトリウム等の塩基性触媒が挙げられ
る。アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホ
ルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等が
挙げられる。
【0019】硬化処理時における反応条件は、架橋触媒
およびアルデヒド類の種類、使用量、反応方法等により
適宜選択され、例えば、架橋触媒として塩酸、アルデヒ
ド類としてホルムアルデヒドを用いる場合、塩酸5〜2
0重量%、ホルムアルデヒド5〜20重量%の水溶液を
用い、60〜110℃で、3〜30時間処理する。
【0020】複合繊維の炭素化は、公知の方法で行われ
る。炭素化で使用される不活性ガスとしては、窒素、ア
ルゴン等が挙げられる。炭素化の温度は、好ましくは6
00〜1200℃の範囲、より好ましくは800〜1,
000℃の範囲である。
【0021】本発明の複合繊維は、海成分がポリエチレ
ンであり、島成分が極細のフェノール樹脂である海島型
複合繊維であるので、フェノール系極細炭素繊維の前駆
体として好適に用いることができる。また、フェノール
樹脂とポリエチレンを混練、溶融紡糸してなるものなの
で、複雑な設備や特殊な紡糸口金を使用することなく製
造でき、生産性がよく、低コストである。また、フェノ
ール樹脂が硬化処理されていれば、炭化したときに比表
面積の大きい炭素繊維を得やすくなる。また、本発明の
フェノール系極細炭素繊維は、本発明の複合繊維を炭素
化してなるものであるので、耐熱性、耐薬品性等に優
れ、また、海成分のポリエチレンが熱分解によって除去
されて極細となっているので、比表面積が大きい。
【0022】また、本発明の複合繊維の製造方法は、フ
ェノール樹脂とポリエチレンを混練した後、溶融紡糸す
る方法であるので、複雑な設備や特殊な紡糸口金を使用
することなく、紡糸性よく、生産性を落とさずに、フェ
ノール系極細炭素繊維の前駆体に好適な複合繊維を低コ
ストで得ることができる。フェノール樹脂とポリエチレ
ンを混練し、溶融紡糸する方法によって、海島型の複合
繊維が製造できる理由としては、以下のようなことが考
えられる。フェノール樹脂とポリエチレンとは相溶性が
悪く、これらを混練しても、フェノール樹脂がポリエチ
レンの中で分散することはない。したがって、この混合
樹脂を紡糸した場合、ポリエチレン中のフェノール樹脂
は、繊維軸と平行に連続的に延びた縦縞状の島成分とな
っていると考えられる。
【0023】さらに、島成分のフェノール樹脂を硬化さ
せた場合、炭化したときに比表面積の大きい炭素繊維と
なりやすい、炭素繊維前駆体として好適な複合繊維を得
ることができる。また、本発明のフェノール系極細炭素
繊維の製造方法は、前記複合繊維の製造方法で得られた
フェノール系複合繊維を炭素化する方法であるので、海
成分のポリエチレンのみが熱分解により消失して極細の
炭素繊維となり、海成分を溶剤等で除去する必要が無く
なり、作業環境が著しく改善され、極細炭素繊維が容易
に得られる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を詳しく説明す
る。本実施例におけるフェノール系極細炭素繊維の物性
の測定方法は以下の通りである。 (引張強度)JIS R−7601に準拠し、オリエン
テック社製のテンシロンRTM25引張試験器を使用し
て測定した。 (引張弾性率)JIS R−7601に準拠し、オリエ
ンテック社製のテンシロンRTM25引張試験器を使用
して測定した。 (比表面積)日本ベル社製のベルソープ28SAを使用
して測定した。
【0025】[実施例1]フェノール1000g、37
重量%ホルマリン733.2g、シュウ酸5gを攪拌
機、還流冷却器を備えた反応器に仕込み、40分間で1
00℃に昇温し、その後この温度を4時間保持した。2
00℃まで加熱して脱水濃縮した後、冷却することによ
り、フェノール樹脂を得た。次に、このフェノール樹脂
の粉末と直径約3mmの高密度ポリエチレンのペレット
を重量比で50:50となるように混合した。この混合
樹脂100gを、混練押出試験機を用いて、150℃で
50分間混練した。同様の混練を合計3回行った。
【0026】次に、得られた混合樹脂をノズル温度15
0℃で溶融紡糸し、海島型の未硬化複合繊維を得た。得
られた未硬化複合繊維を塩酸−ホルムアルデヒド水溶液
(塩酸18重量%、ホルムアルデヒド10重量%)中に
96℃、24時間浸漬し、硬化繊維を得た。次に、この
硬化繊維を、窒素気流中、600℃、10分の条件で炭
素化し、海成分のポリエチレンを除去して、繊維径0.
1〜10μmのフェノール系極細炭素繊維を得た。得ら
れたフェノール系極細炭素繊維について、引張強度、引
張弾性率および比表面積を測定した。結果を表1に示
す。
【0027】また、このフェノール系極細炭素繊維の電
子顕微鏡写真を図1に示す。高密度ポリエチレン(海部
分)が熱によって消失し、繊維軸方向に長く延びる多数
の極細炭素繊維が形成されていることが確認された。
【0028】[比較例1]実施例1で合成したフェノー
ル樹脂を、ノズル温度150℃で溶融紡糸し、フェノー
ル繊維の原繊を得た。さらに得られた原繊を塩酸−ホル
ムアルデヒド水溶液(塩酸18重量%、ホルムアルデヒ
ド10重量%)中に96℃、24時間浸漬し、硬化繊維
を得た。次に、この硬化繊維を窒素気流中、900℃、
30分の条件で炭素化し、フェノール系炭素繊維を得
た。得られたフェノール系炭素繊維について、引張強
度、引張弾性率および比表面積を測定した。結果を表1
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示した結果のように、フェノール樹
脂とポリエチレンから海島型複合繊維を紡糸した後、炭
素化することによって海成分であるポリエチレンを除い
たフェノール系極細炭素繊維は、通常の方法で紡糸し、
炭素化したフェノール系炭素繊維と同等以上の機械強度
を持ち、かつこれまで不可能であった繊維径10μm以
下のフェノール系極細炭素繊維となる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の複合繊維
は、フェノール樹脂とポリエチレンを混練、溶融紡糸し
てなり、海成分がポリエチレンであり、島成分がフェノ
ール樹脂である海島型複合繊維であるので、フェノール
系極細炭素繊維の前駆体として好適に用いることができ
るまた、フェノール樹脂が硬化処理されていれば、炭化
したときに比表面積の大きい炭素繊維を得やすくなる。
また、本発明のフェノール系極細炭素繊維は、前記複合
繊維を炭素化してなるものであるので、耐熱性、耐薬品
性等に優れ、比表面積が大きい。
【0032】また、本発明の複合繊維の製造方法は、フ
ェノール樹脂とポリエチレンを混練した後、紡糸口金か
ら押出して、海成分がポリエチレンであり、島成分がフ
ェノール樹脂である海島型複合繊維を溶融紡糸する方法
であるので、紡糸性、生産性に優れる。さらに、島成分
のフェノール樹脂を硬化させた場合、炭化したときに比
表面積の大きい炭素繊維となりやすい、炭素繊維前駆体
として好適な複合繊維を得ることができる。また、本発
明のフェノール系極細炭素繊維の製造方法によれば、前
記フェノール系複合繊維の製造方法で得られた複合繊維
を炭素化する方法であるので、作業環境が著しく改善さ
れ、フェノール系極細炭素繊維の製造も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフェノール系極細炭素繊維の集合体
の電子顕微鏡写真である。
フロントページの続き (72)発明者 栗本 好章 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化学 工業株式会社内 (72)発明者 大谷 朝男 群馬県桐生市天神町1丁目5番地1号 群 馬大学工学部内 (72)発明者 笠原 直人 群馬県桐生市天神町1丁目5番地1号 群 馬大学工学部内 Fターム(参考) 4L037 FA03 FA06 FA12 PA46 PC05 4L041 AA07 BA04 BA05 BA16 BD20 CA35 CA37 DD01 DD03 DD14 EE06 EE20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂とポリエチレンを混練、
    溶融紡糸してなり、 海成分がポリエチレンであり、島成分がフェノール樹脂
    である海島型複合繊維であることを特徴とする複合繊
    維。
  2. 【請求項2】 島成分のフェノール樹脂が、硬化処理さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の複合繊維。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の複合繊維を炭素化してな
    ることを特徴とするフェノール系極細炭素繊維。
  4. 【請求項4】 フェノール樹脂とポリエチレンを混練し
    た後、紡糸口金から押出して、海成分がポリエチレンで
    あり、島成分がフェノール樹脂である海島型複合繊維を
    溶融紡糸することを特徴とする複合繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 さらに、島成分のフェノール樹脂を硬化
    させることを特徴とする請求項4記載の複合繊維の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の複合繊維の製造方法で得
    られた複合繊維を炭素化することを特徴とするフェノー
    ル系極細炭素繊維の製造方法。
JP24412399A 1999-08-30 1999-08-30 複合繊維、フェノール系極細炭素繊維およびそれらの製造方法 Withdrawn JP2001073226A (ja)

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