JP2004360146A - ポリオキシメチレン樹脂製不織布及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】紡糸性、延伸性が良好となり、機械特性の優れたポリオキシメチレン樹脂製不織布を提供する。
【解決手段】主としてオキシメチレン単位の繰り返しからなるポリマー鎖中に、オキシメチレン単位100mol当たり1.5〜10molの特定のオキシアルキレン単位を含み、かつメルトインデックス(190℃、荷重2160g)が1〜100g/10分であるポリオキシメチレン共重合体からなるポリオキシメチレン樹脂製不織布。
【選択図】 なし
【解決手段】主としてオキシメチレン単位の繰り返しからなるポリマー鎖中に、オキシメチレン単位100mol当たり1.5〜10molの特定のオキシアルキレン単位を含み、かつメルトインデックス(190℃、荷重2160g)が1〜100g/10分であるポリオキシメチレン共重合体からなるポリオキシメチレン樹脂製不織布。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のポリオキシメチレン共重合体からなる不織布及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシメチレン樹脂は、結晶化度が高く、剛性、強度、耐薬品性、耐溶剤性、耐アルカリ性等の点で優れていることが知られている。そして、結晶化速度が速く、成形サイクルが速いことから、主に射出成形材料として自動車、電気機器の機構部品の分野で幅広く使われている。
【0003】
このようにポリオキシメチレン樹脂は優れた諸特性を有する樹脂ではあるが、結晶化度が高く且つ結晶化速度が速いが故に、射出成形以外の成形加工分野への利用にはある種の制約があった。
【0004】
中でも、ポリオキシメチレン樹脂からなる不織布は、ポリオキシメチレン樹脂が有する前記の如き優れた特性を生かした幅広い利用分野が期待されるものの、上記の如き結晶化特性のために曳糸性、紡糸性、延伸性等に欠け、溶融紡糸等により工業的に安定した品質の繊維を得ることができず、不織布を製造することはできなかった。
【0005】
かかる課題に対し、溶融粘度が100〜500であるポリアセタール樹脂を不織布に用いることが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
尚、この文献において溶融粘度と称している特性は、[0009]欄にその測定法が記載されており、これは一般にはメルトインデックス(或いはメルトフローインデックス)と呼ばれるものであり、樹脂の流動性を示す特性である。これを溶融粘度と呼ぶことは不適切なため、以下ではメルトインデックスと呼び、必要なら注釈を付けることとする。かかるメルトインデックスが大きいことは、樹脂の分子量が小さく、真の意味での溶融粘度が低いことを意味するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−113823号公報(請求項1、実施例)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示された発明によれば、ポリアセタール樹脂のメルトインデックス(文献では溶融粘度と称しているもの)のみに着目し、具体的にはその実施例に見られるように、コモノマーであるエチレンオキシドが2重量%(オキシメチレン単位100モルに対するオキシアルキレン単位が約1.4モル)であってメルトインデックスのみが異なる各種のポリアセタール樹脂を調製し、メルトインデックスが特定範囲(即ち100〜500)にあるポリアセタール樹脂が効果を示すとされている。
【0009】
しかしながら、メルトインデックスがかかる範囲にあるポリアセタール樹脂が、範囲外のメルトインデックスを有するポリアセタール樹脂との比較において相対的に効果を示すものであっても、かかる如くメルトインデックスだけが調整されたポリアセタール樹脂では、不織布加工時の曳糸性及び可紡性はなお不十分であり、実用性に欠けるものであった。
【0010】
また、本発明者が、上記特許文献1に記載されたメルトインデックス(文献では溶融粘度と称しているもの)が100〜500であるポリアセタール樹脂の調製を追試したところ、かかるメルトインデックスのポリアセタール樹脂は分子量が小さく、真の意味での溶融粘度が低いため、その調製は極めて困難であり、工業的に製造できるようなものではなかった。さらに、かかる低溶融粘度のポリアセタール樹脂は溶融加工性に欠けるものであり、通常、ポリアセタール樹脂(共重合体)の製造においては常套手段として行なわれる溶融混練による不安定末端の分解除去処理や、安定剤を配合して押出機で溶融混練する安定化処理が著しく困難であった。また、分子量が小さいため、熱安定性や機械的特性の面でも不十分なものであった。
【0011】
このように、メルトインデックスだけを調整し、メルトインデックスが100〜500であるポリアセタール樹脂を用いることだけを特徴とする特許文献1に開示された不織布では、上記の如く多くの課題を抱えるものであった。
【0012】
本発明の目的は、上記のような課題を解決し、改善された特定のポリオキシメチレン樹脂からなる機械物性等に優れた不織布と、その生産効率に優れた製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、結晶化特性、流動性等を制御した特定のポリオキシメチレン共重合体を用いることにより紡糸性、延伸性が良好となり、機械特性の優れた不織布が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0014】
即ち本発明は、主としてオキシメチレン単位の繰り返しからなるポリマー鎖中に、オキシメチレン単位100mol当たり1.5〜10molの下記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位を含み、かつメルトインデックス(190℃、荷重2160g)が1〜100g/10分であるポリオキシメチレン共重合体からなるポリオキシメチレン樹脂製不織布、並びに、上記ポリオキシメチレン共重合体を用いた不織布の製造方法に関するものである。
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、R1、R2は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基を有する有機基、フェニル基、フェニル基を有する有機基から選ばれ、R1、R2は同一でも異なっていてもよい。mは2〜6の整数を示す。)
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリオキシメチレン樹脂製不織布は、前述した如く、主としてオキシメチレン単位の繰り返しからなるポリマー鎖中に、オキシメチレン単位100mol当たり1.5〜10molの前記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位を含み、かつメルトインデックス(190℃、荷重2160g)が1〜100g/10分であるポリオキシメチレン共重合体からなることを特徴とする。
【0018】
本発明で使用するかかるポリオキシメチレン共重合体において、一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位の割合は、好ましくはオキシメチレン単位100mol当たり2〜8mol、特に好ましくはオキシメチレン単位100mol当たり2〜5molである。一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位の割合が少なくなり過ぎるとポリオキシメチレン共重合体の結晶化速度が早くなり、紡糸時の断糸発生が増大するばかりでなく紡糸直後の結晶化度が増大することにより延伸性も低下する。逆に一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位の割合が多くなり過ぎとポリオキシメチレン共重合体の機械的特性等が低下する。
【0019】
また、本発明で使用するポリオキシメチレン共重合体において、メルトインデックスは2.5〜90g/10分であるものが好ましく、特に好ましくは5〜80g/10分である。
【0020】
尚、ここで規定するメルトインデックス(MI)は、ASTM D−1238に従い、190℃、2160gの荷重下で測定される値である。
【0021】
メルトインデックス(MI)が過大なポリオキシメチレン共重合体は、これを工業的に安定して製造することが難しく、また、低分子量で溶融粘度が低くなり過ぎるために、ポリオキシメチレン共重合体の製造においては常套手段として行なわれる溶融混練による不安定末端の分解除去処理や、安定剤を配合して押出機で溶融混練する安定化処理等における溶融加工性が著しく劣るものとなる。さらに、低分子量であるために熱安定性や機械的特性が劣るものとなり、紡糸及び延伸時に断糸し易くなり、繊維の製造が不安定なものとなる。逆にメルトインデックス(MI)が過小のポリオキシメチレン共重合体では、溶融粘度が高くなり過ぎるために紡糸時の負荷が増大し押出しが困難となる。
【0022】
本発明で使用する上記の如きポリオキシメチレン共重合体の製造方法は特に限定されるものではなく、一般的にはトリオキサンとコモノマーである環状エーテル化合物或いは環状ホルマール化合物とを、主としてカチオン重合触媒を用いて塊状重合させる方法で得ることができる。重合装置としては、バッチ式、連続式等の公知の装置が何れも使用できる。ここで、前述した一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位の導入割合は、共重合させるコモノマーの量により、また、メルトインデックス(MI)は、重合時に使用する連鎖移動剤、例えばメチラール等の添加量により調整することができる。
【0023】
コモノマーとして用いられる環状エーテル化合物或いは環状ホルマール化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられ、その中でもエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。また、本発明に使用するポリオキシメチレン共重合体は、分岐又は架橋構造を有するものであってもよい。
【0024】
本発明において使用するポリオキシメチレン共重合体において、かかるコモノマーによって形成される前記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位はポリオキシメチレン共重合体の分子鎖中に極力均一に分散していることが好ましく、前記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位が2個以上連鎖したものの割合は、オキシアルキレン単位全体の5mol%以下であるのが好ましい。
【0025】
重合によって得たポリオキシメチレン共重合体は、触媒の失活化処理、未反応モノマーの除去、重合体の洗浄、乾燥、不安定末端部の安定化処理等を行った後、更に各種安定剤の配合による安定化処理等を行って、実用に供される。代表的な安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等を上げることができる。
【0026】
更に、本発明で使用するポリオキシメチレン共重合体には、必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤、或いは有機高分子材料、無機または有機の繊維状、板状、粉粒状の充填剤等の1種または2種以上を、本発明の目的を阻害しない範囲で添加することができる。
【0027】
次に、上記のようなポリオキシメチレン共重合体を用いた不織布の製造方法について説明する。
【0028】
不織布加工方法については、スパンボンド法、メルトブローン法、一旦短繊維或いは長繊維を紡糸した後、何れかの方法により繊維を結合或いは絡めることによる不織布の製造方法等が使用でき、特に限定されるものではない。ここで、メルトブローン法の場合は、前述したメルトインデックス(MI)の中でメルトインデックスが20〜100g/10分のものを用いるのが好ましく、更に好ましくは30〜90g/10分である。また、スパンボンド法および短繊維不織布の場合は、メルトインデックスが1〜30g/10分のものを用いるのが好ましく、更に好ましくは5〜20g/10分である。
【0029】
繊維を結合或いは絡める方法としても特に限定されるものではなく、熱による融着、接着剤による接着、液体・気体の流れによる絡合、特殊形状の針によるニードルパンチ等の方法を用いることができる。熱による融着法の場合、融点の低いポリマーを配合或いは外層(鞘)に使用する芯鞘構造とすることで融着温度範囲も広がり、接着強度も増大することが期待できる。
【0030】
また、モノフィラメントなどからなるメッシュを基材として短繊維をニードリングし短繊維をメッシュに絡めつけるとにより製造される不織布シートは、シート方向の機械強度が大きく通気・通水性があるため、搬送機能のある搾水フィルターとして工業的にも応用範囲が広いものである。
【0031】
本発明のもう一つの特徴は、特定のポリオキシメチレン共重合体を用いることにより不織布の構成成分である繊維を作製する通常の紡糸製造工程において、低い応力により分子配向し易いことにある。分子の配高度が高くなることで繊維に強度、靭性が付与され不織布の質感や機械物性に大きく影響を及ぼす。
【0032】
本発明の不織布は、その構成成分である繊維について広角X線回折測定を行い算出された配向度が50%以上であることが好ましく、前述した特定のポリオキシメチレン共重合体の使用はこれを可能にするものである。配向度が過小の場合は構成繊維が脆性的な特性を有し、繊維は脆く実使用が困難となる。ここで、配向秩序パラメーターは次式で与えられ、Sを配向度として算出した。
【0033】
【数1】
【0034】
本発明における不織布構成成分である繊維の径については用途により任意に設定することが可能であり特に限定されるものでは無いが、例えば2dtexから50dtex程度の繊維が不織布化に適しているといえる。
【0035】
本発明のポリオキシメチレン樹脂製の不織布は、その高強度、高弾性率、耐溶剤性、耐熱性、摩擦磨耗特性の優れた特性を活かし種々の用途がある。例えば搾水フィルタ、土木シート、建築資材、その他種々の用途への使用が可能である。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜10
外側に熱(冷)媒を通すジャケットが付き、断面が2つの円が一部重なる形状を有するバレルと、パドル付き回転軸で構成される連続式混合反応機を用い、パドルを付した2本の回転軸をそれぞれ150rpmで回転させながら、液状のトリオキサン、コモノマーとして環状エーテル又は環状ホルマール(1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール、エチレングリコールホルマール)を加え、更に分子量調節剤としてメチラール、同時に触媒の三フッ化ホウ素50ppm(全モノマーに対し)を重合機に連続的に供給しながら塊状重合を行い、表1に示すオキシアルキレン単位量の重合体を調製した。重合機から排出された反応生成物は速やかに破砕機に通しながら、トリエチルアミンを0.05重量%含有する60℃の水溶液に加え触媒を失活した。さらに、分離、洗浄、乾燥後、粗ポリオキシメチレン共重合体を得た。
【0037】
次いで、この粗ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対して、トリエチルアミン5重量%水溶液を4重量部、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.3重量部添加し、2軸押出機にて210℃で溶融混練し不安定部分を除去した。
【0038】
上記の方法で得たポリオキシメチレン樹脂100重量部に、安定剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.03重量部およびメラミン0.15重量部を添加し、2軸押出機にて210℃で溶融混練し、ペレット状のポリオキシメチレン樹脂を得た。
【0039】
得られたポリマーを用い、下記方法により不織布を製造した。
(1)メルトブローン法
得られたポリマーを用い、シリンダー設定温度200℃の押出成形機により樹脂を溶融可塑化しギヤポンプで計量し、ノズル温度225℃、熱風温度200℃で定量によりメルトブローンし、サクション付のネット上に連続的に積層しながら捕集した。次に得られた積層物をニードルパンチにより繊維を絡合させ不織布を製造した。
(2)スパンボンド法
得られたポリマーを用い、シリンダー設定温度200℃の押出成形機により樹脂を溶融可塑化しギヤポンプで計量し、ノズル温度225℃にてスパンボンドし、連続的に捕集しウェブを作製した後、ニードルパンチにより繊維を絡合させて不織布を製造した。
(3)短繊維不織布
得られたポリマーを用い、シリンダー設定温度200℃の押出成形機により樹脂を溶融可塑化しギヤポンプで計量しノズル温度225℃、熱風温度200℃で溶融紡糸し35mm長に切断することにより短繊維を得た。得られた短繊維をカード方式で開繊しウェブを作製した後、ニードルパンチにて絡合することで不織布を得た。
比較例1〜4
コモノマー使用量或いはメチラールの添加量を変えた以外は実施例と同様にして、表1に示すようにオキシアルキレン単位量或いはメルトインデックスが本発明の規定外であるポリオキシメチレン樹脂を調製し、同様に不織布を得た。結果を表1に示す。
比較例5
コモノマーとしてエチレンオキシドを用い、オキシアルキレン単位量及びメルトインデックスが本発明の規定外であるポリオキシメチレン樹脂を調製し、同様に不織布を得た。結果を表1に示す。
【0040】
尚、実施例・比較例における評価基準等は以下の通りである。
[メルトインデックス(MI)測定]
ASTMD−1238に従い、190℃、2160gの荷重下で測定した。
[ポリマー組成分析]
物性評価に用いたポリマーを、ヘキサフルオロイソプロパノールd2に溶解し、1H−NMR測定を行った。各ユニットに対応するピーク面積より定量した。[配向度]
広角X線回折装置(理学電機製 Rint−1400)を用い、Niフィルターでモノクロ化したX線(Cu−Kα)ピンホールビームと平板イメージングプレート(IP)を使って、透過法による二次元散乱図形を撮影することにより測定。次式により算出した。
【0041】
【数2】
【0042】
[加工性判定]
不織布加工性について判定した。
【0043】
【表1】
【0044】
(注)
DO:1,3−ジオキソラン
BDF:1,4−ブタンジオールホルマール
EGF:エチレングリコールホルマール
EO:エチレンオキシド
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のポリオキシメチレン共重合体からなる不織布及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシメチレン樹脂は、結晶化度が高く、剛性、強度、耐薬品性、耐溶剤性、耐アルカリ性等の点で優れていることが知られている。そして、結晶化速度が速く、成形サイクルが速いことから、主に射出成形材料として自動車、電気機器の機構部品の分野で幅広く使われている。
【0003】
このようにポリオキシメチレン樹脂は優れた諸特性を有する樹脂ではあるが、結晶化度が高く且つ結晶化速度が速いが故に、射出成形以外の成形加工分野への利用にはある種の制約があった。
【0004】
中でも、ポリオキシメチレン樹脂からなる不織布は、ポリオキシメチレン樹脂が有する前記の如き優れた特性を生かした幅広い利用分野が期待されるものの、上記の如き結晶化特性のために曳糸性、紡糸性、延伸性等に欠け、溶融紡糸等により工業的に安定した品質の繊維を得ることができず、不織布を製造することはできなかった。
【0005】
かかる課題に対し、溶融粘度が100〜500であるポリアセタール樹脂を不織布に用いることが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
尚、この文献において溶融粘度と称している特性は、[0009]欄にその測定法が記載されており、これは一般にはメルトインデックス(或いはメルトフローインデックス)と呼ばれるものであり、樹脂の流動性を示す特性である。これを溶融粘度と呼ぶことは不適切なため、以下ではメルトインデックスと呼び、必要なら注釈を付けることとする。かかるメルトインデックスが大きいことは、樹脂の分子量が小さく、真の意味での溶融粘度が低いことを意味するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−113823号公報(請求項1、実施例)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に開示された発明によれば、ポリアセタール樹脂のメルトインデックス(文献では溶融粘度と称しているもの)のみに着目し、具体的にはその実施例に見られるように、コモノマーであるエチレンオキシドが2重量%(オキシメチレン単位100モルに対するオキシアルキレン単位が約1.4モル)であってメルトインデックスのみが異なる各種のポリアセタール樹脂を調製し、メルトインデックスが特定範囲(即ち100〜500)にあるポリアセタール樹脂が効果を示すとされている。
【0009】
しかしながら、メルトインデックスがかかる範囲にあるポリアセタール樹脂が、範囲外のメルトインデックスを有するポリアセタール樹脂との比較において相対的に効果を示すものであっても、かかる如くメルトインデックスだけが調整されたポリアセタール樹脂では、不織布加工時の曳糸性及び可紡性はなお不十分であり、実用性に欠けるものであった。
【0010】
また、本発明者が、上記特許文献1に記載されたメルトインデックス(文献では溶融粘度と称しているもの)が100〜500であるポリアセタール樹脂の調製を追試したところ、かかるメルトインデックスのポリアセタール樹脂は分子量が小さく、真の意味での溶融粘度が低いため、その調製は極めて困難であり、工業的に製造できるようなものではなかった。さらに、かかる低溶融粘度のポリアセタール樹脂は溶融加工性に欠けるものであり、通常、ポリアセタール樹脂(共重合体)の製造においては常套手段として行なわれる溶融混練による不安定末端の分解除去処理や、安定剤を配合して押出機で溶融混練する安定化処理が著しく困難であった。また、分子量が小さいため、熱安定性や機械的特性の面でも不十分なものであった。
【0011】
このように、メルトインデックスだけを調整し、メルトインデックスが100〜500であるポリアセタール樹脂を用いることだけを特徴とする特許文献1に開示された不織布では、上記の如く多くの課題を抱えるものであった。
【0012】
本発明の目的は、上記のような課題を解決し、改善された特定のポリオキシメチレン樹脂からなる機械物性等に優れた不織布と、その生産効率に優れた製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、結晶化特性、流動性等を制御した特定のポリオキシメチレン共重合体を用いることにより紡糸性、延伸性が良好となり、機械特性の優れた不織布が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0014】
即ち本発明は、主としてオキシメチレン単位の繰り返しからなるポリマー鎖中に、オキシメチレン単位100mol当たり1.5〜10molの下記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位を含み、かつメルトインデックス(190℃、荷重2160g)が1〜100g/10分であるポリオキシメチレン共重合体からなるポリオキシメチレン樹脂製不織布、並びに、上記ポリオキシメチレン共重合体を用いた不織布の製造方法に関するものである。
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、R1、R2は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルキル基を有する有機基、フェニル基、フェニル基を有する有機基から選ばれ、R1、R2は同一でも異なっていてもよい。mは2〜6の整数を示す。)
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポリオキシメチレン樹脂製不織布は、前述した如く、主としてオキシメチレン単位の繰り返しからなるポリマー鎖中に、オキシメチレン単位100mol当たり1.5〜10molの前記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位を含み、かつメルトインデックス(190℃、荷重2160g)が1〜100g/10分であるポリオキシメチレン共重合体からなることを特徴とする。
【0018】
本発明で使用するかかるポリオキシメチレン共重合体において、一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位の割合は、好ましくはオキシメチレン単位100mol当たり2〜8mol、特に好ましくはオキシメチレン単位100mol当たり2〜5molである。一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位の割合が少なくなり過ぎるとポリオキシメチレン共重合体の結晶化速度が早くなり、紡糸時の断糸発生が増大するばかりでなく紡糸直後の結晶化度が増大することにより延伸性も低下する。逆に一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位の割合が多くなり過ぎとポリオキシメチレン共重合体の機械的特性等が低下する。
【0019】
また、本発明で使用するポリオキシメチレン共重合体において、メルトインデックスは2.5〜90g/10分であるものが好ましく、特に好ましくは5〜80g/10分である。
【0020】
尚、ここで規定するメルトインデックス(MI)は、ASTM D−1238に従い、190℃、2160gの荷重下で測定される値である。
【0021】
メルトインデックス(MI)が過大なポリオキシメチレン共重合体は、これを工業的に安定して製造することが難しく、また、低分子量で溶融粘度が低くなり過ぎるために、ポリオキシメチレン共重合体の製造においては常套手段として行なわれる溶融混練による不安定末端の分解除去処理や、安定剤を配合して押出機で溶融混練する安定化処理等における溶融加工性が著しく劣るものとなる。さらに、低分子量であるために熱安定性や機械的特性が劣るものとなり、紡糸及び延伸時に断糸し易くなり、繊維の製造が不安定なものとなる。逆にメルトインデックス(MI)が過小のポリオキシメチレン共重合体では、溶融粘度が高くなり過ぎるために紡糸時の負荷が増大し押出しが困難となる。
【0022】
本発明で使用する上記の如きポリオキシメチレン共重合体の製造方法は特に限定されるものではなく、一般的にはトリオキサンとコモノマーである環状エーテル化合物或いは環状ホルマール化合物とを、主としてカチオン重合触媒を用いて塊状重合させる方法で得ることができる。重合装置としては、バッチ式、連続式等の公知の装置が何れも使用できる。ここで、前述した一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位の導入割合は、共重合させるコモノマーの量により、また、メルトインデックス(MI)は、重合時に使用する連鎖移動剤、例えばメチラール等の添加量により調整することができる。
【0023】
コモノマーとして用いられる環状エーテル化合物或いは環状ホルマール化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−ヘキサンジオールホルマール等が挙げられ、その中でもエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。また、本発明に使用するポリオキシメチレン共重合体は、分岐又は架橋構造を有するものであってもよい。
【0024】
本発明において使用するポリオキシメチレン共重合体において、かかるコモノマーによって形成される前記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位はポリオキシメチレン共重合体の分子鎖中に極力均一に分散していることが好ましく、前記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位が2個以上連鎖したものの割合は、オキシアルキレン単位全体の5mol%以下であるのが好ましい。
【0025】
重合によって得たポリオキシメチレン共重合体は、触媒の失活化処理、未反応モノマーの除去、重合体の洗浄、乾燥、不安定末端部の安定化処理等を行った後、更に各種安定剤の配合による安定化処理等を行って、実用に供される。代表的な安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等を上げることができる。
【0026】
更に、本発明で使用するポリオキシメチレン共重合体には、必要に応じて、熱可塑性樹脂に対する一般的な添加剤、例えば染料、顔料等の着色剤、滑剤、核剤、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤、或いは有機高分子材料、無機または有機の繊維状、板状、粉粒状の充填剤等の1種または2種以上を、本発明の目的を阻害しない範囲で添加することができる。
【0027】
次に、上記のようなポリオキシメチレン共重合体を用いた不織布の製造方法について説明する。
【0028】
不織布加工方法については、スパンボンド法、メルトブローン法、一旦短繊維或いは長繊維を紡糸した後、何れかの方法により繊維を結合或いは絡めることによる不織布の製造方法等が使用でき、特に限定されるものではない。ここで、メルトブローン法の場合は、前述したメルトインデックス(MI)の中でメルトインデックスが20〜100g/10分のものを用いるのが好ましく、更に好ましくは30〜90g/10分である。また、スパンボンド法および短繊維不織布の場合は、メルトインデックスが1〜30g/10分のものを用いるのが好ましく、更に好ましくは5〜20g/10分である。
【0029】
繊維を結合或いは絡める方法としても特に限定されるものではなく、熱による融着、接着剤による接着、液体・気体の流れによる絡合、特殊形状の針によるニードルパンチ等の方法を用いることができる。熱による融着法の場合、融点の低いポリマーを配合或いは外層(鞘)に使用する芯鞘構造とすることで融着温度範囲も広がり、接着強度も増大することが期待できる。
【0030】
また、モノフィラメントなどからなるメッシュを基材として短繊維をニードリングし短繊維をメッシュに絡めつけるとにより製造される不織布シートは、シート方向の機械強度が大きく通気・通水性があるため、搬送機能のある搾水フィルターとして工業的にも応用範囲が広いものである。
【0031】
本発明のもう一つの特徴は、特定のポリオキシメチレン共重合体を用いることにより不織布の構成成分である繊維を作製する通常の紡糸製造工程において、低い応力により分子配向し易いことにある。分子の配高度が高くなることで繊維に強度、靭性が付与され不織布の質感や機械物性に大きく影響を及ぼす。
【0032】
本発明の不織布は、その構成成分である繊維について広角X線回折測定を行い算出された配向度が50%以上であることが好ましく、前述した特定のポリオキシメチレン共重合体の使用はこれを可能にするものである。配向度が過小の場合は構成繊維が脆性的な特性を有し、繊維は脆く実使用が困難となる。ここで、配向秩序パラメーターは次式で与えられ、Sを配向度として算出した。
【0033】
【数1】
【0034】
本発明における不織布構成成分である繊維の径については用途により任意に設定することが可能であり特に限定されるものでは無いが、例えば2dtexから50dtex程度の繊維が不織布化に適しているといえる。
【0035】
本発明のポリオキシメチレン樹脂製の不織布は、その高強度、高弾性率、耐溶剤性、耐熱性、摩擦磨耗特性の優れた特性を活かし種々の用途がある。例えば搾水フィルタ、土木シート、建築資材、その他種々の用途への使用が可能である。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜10
外側に熱(冷)媒を通すジャケットが付き、断面が2つの円が一部重なる形状を有するバレルと、パドル付き回転軸で構成される連続式混合反応機を用い、パドルを付した2本の回転軸をそれぞれ150rpmで回転させながら、液状のトリオキサン、コモノマーとして環状エーテル又は環状ホルマール(1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール、エチレングリコールホルマール)を加え、更に分子量調節剤としてメチラール、同時に触媒の三フッ化ホウ素50ppm(全モノマーに対し)を重合機に連続的に供給しながら塊状重合を行い、表1に示すオキシアルキレン単位量の重合体を調製した。重合機から排出された反応生成物は速やかに破砕機に通しながら、トリエチルアミンを0.05重量%含有する60℃の水溶液に加え触媒を失活した。さらに、分離、洗浄、乾燥後、粗ポリオキシメチレン共重合体を得た。
【0037】
次いで、この粗ポリオキシメチレン共重合体100重量部に対して、トリエチルアミン5重量%水溶液を4重量部、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.3重量部添加し、2軸押出機にて210℃で溶融混練し不安定部分を除去した。
【0038】
上記の方法で得たポリオキシメチレン樹脂100重量部に、安定剤としてペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕を0.03重量部およびメラミン0.15重量部を添加し、2軸押出機にて210℃で溶融混練し、ペレット状のポリオキシメチレン樹脂を得た。
【0039】
得られたポリマーを用い、下記方法により不織布を製造した。
(1)メルトブローン法
得られたポリマーを用い、シリンダー設定温度200℃の押出成形機により樹脂を溶融可塑化しギヤポンプで計量し、ノズル温度225℃、熱風温度200℃で定量によりメルトブローンし、サクション付のネット上に連続的に積層しながら捕集した。次に得られた積層物をニードルパンチにより繊維を絡合させ不織布を製造した。
(2)スパンボンド法
得られたポリマーを用い、シリンダー設定温度200℃の押出成形機により樹脂を溶融可塑化しギヤポンプで計量し、ノズル温度225℃にてスパンボンドし、連続的に捕集しウェブを作製した後、ニードルパンチにより繊維を絡合させて不織布を製造した。
(3)短繊維不織布
得られたポリマーを用い、シリンダー設定温度200℃の押出成形機により樹脂を溶融可塑化しギヤポンプで計量しノズル温度225℃、熱風温度200℃で溶融紡糸し35mm長に切断することにより短繊維を得た。得られた短繊維をカード方式で開繊しウェブを作製した後、ニードルパンチにて絡合することで不織布を得た。
比較例1〜4
コモノマー使用量或いはメチラールの添加量を変えた以外は実施例と同様にして、表1に示すようにオキシアルキレン単位量或いはメルトインデックスが本発明の規定外であるポリオキシメチレン樹脂を調製し、同様に不織布を得た。結果を表1に示す。
比較例5
コモノマーとしてエチレンオキシドを用い、オキシアルキレン単位量及びメルトインデックスが本発明の規定外であるポリオキシメチレン樹脂を調製し、同様に不織布を得た。結果を表1に示す。
【0040】
尚、実施例・比較例における評価基準等は以下の通りである。
[メルトインデックス(MI)測定]
ASTMD−1238に従い、190℃、2160gの荷重下で測定した。
[ポリマー組成分析]
物性評価に用いたポリマーを、ヘキサフルオロイソプロパノールd2に溶解し、1H−NMR測定を行った。各ユニットに対応するピーク面積より定量した。[配向度]
広角X線回折装置(理学電機製 Rint−1400)を用い、Niフィルターでモノクロ化したX線(Cu−Kα)ピンホールビームと平板イメージングプレート(IP)を使って、透過法による二次元散乱図形を撮影することにより測定。次式により算出した。
【0041】
【数2】
【0042】
[加工性判定]
不織布加工性について判定した。
【0043】
【表1】
【0044】
(注)
DO:1,3−ジオキソラン
BDF:1,4−ブタンジオールホルマール
EGF:エチレングリコールホルマール
EO:エチレンオキシド
Claims (14)
- ポリオキシメチレン共重合体が、オキシメチレン単位100mol当たり2〜8molの前記オキシアルキレン単位を含むものである請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布。
- ポリオキシメチレン共重合体が、オキシメチレン単位100mol当たり2〜5molの前記オキシアルキレン単位を含むものである請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布。
- ポリオキシメチレン共重合体が、2.5〜90g/10分のメルトインデックスを有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布。
- ポリオキシメチレン共重合体が、5〜80g/10分のメルトインデックスを有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布。
- ポリオキシメチレン共重合体が、分岐又は架橋構造を有するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布。
- 不織布を構成する繊維が、広角X線回折測定により得られる繊維軸方向の配向度として、50%以上の配向度を有するものである請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布。
- ポリオキシメチレン樹脂製不織布を製造するにあたり、ポリオキシメチレン樹脂として、主としてオキシメチレン単位の繰り返しからなるポリマー鎖中に、オキシメチレン単位100mol当たり1.5〜10molの下記一般式(1)で表されるオキシアルキレン単位を含み、かつメルトインデックス(190℃、荷重2160g)が1〜100g/10分であるポリオキシメチレン共重合体を用いて繊維を形成し、これを結合させるか絡み合せることを特徴とするポリオキシメチレン樹脂製不織布の製造方法。
- ポリオキシメチレン共重合体が、オキシメチレン単位100mol当たり2〜8molの前記オキシアルキレン単位を含むものである請求項8記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布の製造方法。
- ポリオキシメチレン共重合体が、オキシメチレン単位100mol当たり2〜5molの前記オキシアルキレン単位を含むものである請求項8記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布の製造方法。
- ポリオキシメチレン共重合体が、2.5〜90g/10分のメルトインデックスを有するものである請求項8〜10のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布の製造方法。
- ポリオキシメチレン共重合体が、5〜80g/10分のメルトインデックスを有するものである請求項8〜11のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布の製造方法。
- ポリオキシメチレン共重合体が、分岐又は架橋構造を有するものである請求項8〜12のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布の製造方法。
- 広角X線回折測定により得られる繊維軸方向の配向度として50%以上の配向度を有する繊維を、ポリオキシメチレン共重合体を用いて形成し、これを結合させるか絡み合せるものである請求項8〜13のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂製不織布の製造方法。
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