JP2001072920A - 固形塗料及びその製造方法 - Google Patents

固形塗料及びその製造方法

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JP2001072920A
JP2001072920A JP24760999A JP24760999A JP2001072920A JP 2001072920 A JP2001072920 A JP 2001072920A JP 24760999 A JP24760999 A JP 24760999A JP 24760999 A JP24760999 A JP 24760999A JP 2001072920 A JP2001072920 A JP 2001072920A
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epoxy resin
paint
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alkyd resin
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JP24760999A
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English (en)
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Nobuyuki Okui
信之 奥井
Kaneya Yuki
金矢 結城
Haruki Fujiwara
春樹 藤原
Yoshinobu Oka
義宣 岡
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IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下地塗装面に表記されたマークの上に直接上
塗り塗装を行うことができ、しかも塗装膜の高い接着力
を保持できるようにする。 【解決手段】 エポキシ樹脂1とアルキド樹脂2とを主
剤として含み、主剤に着色顔料3及び調質剤4を混入し
棒状に固化してなることを特徴とする固形塗料10、及
び、エポキシ樹脂1の含有量が25〜62部、アルキド
樹脂2の含有量が35〜72部である固形塗料10であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固形塗料に関し、
特に種々の鋼構造物を建造する際に、鋼製ブロック等の
塗装下地面上にマーキングするのに用いられる固形塗料
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船舶や橋梁は、船体ブロックを組立てた
り、橋梁ブロックを組立てた後に、鋼板表面に上塗り塗
装を行っている。
【0003】一般に、船体ブロックや橋梁ブロックの鋼
板表面には、プライマー(ジンクプライマー)による下
地塗装が多用されている。又、下地塗装を行うことな
く、鋼板表面を清浄にする下地調整を行った状態として
いる場合もある。
【0004】一方、このように下地処理された鋼板表面
への上塗り塗装には、使用目的に応じて、エポキシ樹脂
塗料、変性エポキシ樹脂塗料、油性塗料(フタル酸)か
ら選択された何れかの塗料が一般に用いられている。例
えば、船体ブロックにおける海水が接するバラストタン
クやアッパーデッキ等のような過酷な環境に晒される箇
所には、エポキシ樹脂塗料、変性エポキシ樹脂塗料のよ
うな接着力が強力なエポキシ樹脂系の塗料が用いられて
おり、又居住空間等には油性塗料が用いられている。上
塗り塗料は、対応するシンナーによって薄めてスプレー
により下地処理された鋼板表面に塗布するようにしてい
る。このとき、上記エポキシ樹脂塗料、変性エポキシ樹
脂塗料、油性塗料は、下地処理された鋼板表面に対して
何れも良好な接着力を有している。
【0005】鋼板部材を溶接して船体を建造する際に
は、鋼板部材の隔壁等に、作業指示(溶接脚長、溶接直
し等)や構造検査時の指示といった多数の情報を、黄
色、赤色、白色等の石膏チョークを用いて、文字や記号
等でマーキングしている。
【0006】従来から一般に使用されている石膏チョー
クは、石膏の粒子が小さく、書き易く、しかも折れ難
く、均一性に優れているという特長を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の石膏チ
ョークによる船体ブロックへのマーキングは、単に下地
塗装の表面に石膏チョークの粉末を付着させることによ
って文字や記号を表記しているに過ぎない。
【0008】このように石膏チョークによって表記され
たマークの上から、エポキシ樹脂塗料、変性エポキシ樹
脂塗料、油性塗料を、夫々に応じた塗料用シンナーで溶
融してスプレーすることにより上塗り塗装を行うと、塗
装膜が剥離してしまうという問題がある。
【0009】このため、従来では、作業指示や構造検査
時の指示等の、石膏チョークによって記入されたマーク
を拭き取り、或いはブラシを用いた水洗い等によって除
去し、その後、鋼板表面上に上塗り塗装を行っている。
【0010】このため、従来では、石膏チョークのマー
クを除去するための作業が非常に大変であると共に、そ
の作業に多大な時間が掛かり、よって塗装作業の工期が
延長されるという問題を有していた。
【0011】本発明は、かかる従来の問題点を解決すべ
くなしたもので、鋼板表面に表記されたマークの上に直
接上塗り塗装を行うことができ、しかも塗装膜の高い接
着力を保持できるようにした固形塗料及びその製造方法
を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ樹脂
とアルキド樹脂とを主剤として含み、主剤に着色顔料及
び調質剤を混入し棒状に固化してなることを特徴とする
固形塗料、に係るものである。
【0013】上記手段において、エポキシ樹脂の含有量
が25〜62部、アルキド樹脂の含有量が35〜72部
であってもよく、又、調質剤が白色を示す白色添加剤を
含んでいてもよく、調質剤が白色顔料であってもよい。
【0014】本発明は、微粉に精製されたエポキシ樹脂
25〜62部とアルキド樹脂35〜72部と着色顔料、
調質剤及びバインダーを高速回転混合機を用いて均一に
混合し、続いて高速回転混合機で混合しながら水を注入
することにより所定の粘度に混合した後、混合物を混練
機に供給して混合物の粉末と水とを均一に混練し、続い
て混練物を押出機に供給して棒状の固定塗料を押出すこ
とを特徴とする固形塗料の製造方法、に係るものであ
る。又、上記水に代えて、バインダーの水溶液を注入す
るようにしてもよい。
【0015】上記手段において、押出機は絞り部を有し
て混練物を押出すようにしてもよく、更に押出機にて押
出した棒状の固形塗料を所定の長さに切断してもよい。
【0016】本発明によれば、エポキシ樹脂とアルキド
樹脂とを主剤として含む固形塗料、更に詳しくは、エポ
キシ樹脂の含有量が25〜62部、アルキド樹脂の含有
量が35〜72部である固形塗料としたことにより、固
定塗料によってマーキングを行った後に、このマークを
除去することなしに、上塗り塗装を実施しても高い接着
力を保持することができ、よって従来の石膏チョークを
用いた場合のようにチョークによるマークを除去すると
いう面倒な作業を省略でき、鋼板表面等の下地処理作業
を著しく軽減できて、塗装作業の工期の短縮が図れる。
【0017】又、本発明の固形塗料の製造方法によれ
ば、均質で書き易い固形塗料を大量に安定して製造する
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0019】本発明者らは、船舶等で用いられているエ
ポキシ樹脂塗料、変性エポキシ樹脂塗料、油性塗料の何
れの上塗り塗料に対しても、良好な溶融性を有するマー
キング用の固形塗料を得、これによってマークの上から
上塗り塗装ができるようにすることを目的としてなした
ものであり、種々の試験を実施した結果、エポキシ樹脂
とアルキド樹脂とを主剤として含有する固形塗料が有効
であることを見出した。
【0020】先ず、エポキシ樹脂について、エポキシ樹
脂塗料用のシンナー、変性エポキシ樹脂塗料用のシンナ
ー、及び油性塗料用のシンナーによる溶融試験を実施し
た。その試験結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1に示すように、エポキシ樹脂は、エポ
キシ樹脂塗料用シンナーと変性エポキシ樹脂塗料用シン
ナーには非常に良く溶融したが、油性塗料用シンナーに
は溶融しなかった。従って、固形塗料の基材として、エ
ポキシ樹脂のみでは油性塗料には適合しないことが判明
した。
【0023】次に、アルキド樹脂について同様の試験を
実施したところ、表1に示すように、エポキシ樹脂塗料
用のシンナーには良く溶融し、変性エポキシ樹脂塗料用
のシンナーには非常に良く溶融し、油性塗料用のシンナ
ーには良く溶融するもの(市販品A)が存在した。
【0024】このように、アルキド樹脂は、何れの塗料
に対しても良好な溶融性を示すことが判明したが、接着
力が非常に高いエポキシ樹脂に比してアルキド樹脂の接
着力は若干弱く、エポキシ樹脂の略2/3程度の接着力
であるとされている。
【0025】このため、エポキシ樹脂塗料、変性エポキ
シ樹脂塗料、及び油性塗料の何れにも良好な溶解性を示
すアルキド樹脂或いは少なくとも油性塗料に溶融性を示
すアルキド樹脂と、接着力が非常に高いエポキシ樹脂と
の両者を基材として含有することによって、好適な固形
塗料が得られることを見出した。
【0026】上記エポキシ樹脂とアルキド樹脂の混合割
合について試験した結果、エポキシ樹脂25〜62部に
対して、アルキド樹脂35〜72部を含有していれば、
良好な溶解性と接着力が保持できることが判明した。こ
のとき、アルキド樹脂は、エポキシ樹脂塗料及び変性エ
ポキシ樹脂塗料に対しても溶融性を示すので、エポキシ
樹脂の配合割合は更に少なくできる可能性がある。
【0027】更に、固形塗料を得るには、エポキシ樹
脂、アルキド樹脂の他に、着色顔料、調質剤及びバイン
ダーを添加する必要がある。
【0028】赤色顔料、黄色顔料等の着色顔料を添加す
る量としては、色合調整から約3部前後が適当である
(但し、黄色は色合いが薄いので、増量する必要があ
る)が、着色顔料のみでは原色が強過ぎるので、約3部
の着色顔料の他に色合いを調整する目的、及び増量材と
して白色顔料或いは白色を示す他の白色添加剤を添加す
るようにしている。更に書き易さを与えるため潤滑剤
(例えばタルク)を添加してもよい。
【0029】又、固化によりチョークの形状を保持させ
るためのバインダーとしては、セルローズを水溶化した
バインダー(商品名:メトローズ、SM−4000、信
越化学(株))を用いることができる。
【0030】バインダーの添加量が多すぎると硬度が高
くなって固形塗料として書くことができなくなり、又、
添加量が少な過ぎると固形塗料が折れ易くなってしま
う。固形塗料は書き易く、しかも実用に耐える強度にな
るように調整する必要があり、このためにメトローズS
M−4000の添加量について種々の試験を行った結
果、前記の混合物100gに対して0.8g〜1.5g
/100g(約10%前後)を添加するのが適正値であ
った。
【0031】更に、製造する固形塗料の書き易さを維持
するためには、混合するエポキシ樹脂、アルキド樹脂、
着色顔料及びその他の調質剤の粉末の粒子径を調整する
必要がある。
【0032】一般の石膏チョークにおける石膏粒子径に
ついて調べたところ、平均粒子径が5μ前後或いはそれ
以下であり、これによって良好な書き易さが保たれてい
ることが分かった。従って、書き易さを保持するために
は、石膏チョークの粒子径に近い粒子径とすることが必
要となる。
【0033】着色顔料及び白色顔料の粒径は、市販の状
態で略3μ〜サブミクロン程度であり、よって、更に微
細化加工する必要はない。これに対して、エポキシ樹脂
とアルキド樹脂は、ペレット状(略数ミリ〜十数ミリ程
度で異形)であり、微粉状に加工する必要がある。この
ため、ジェットミルのような微粉砕装置によって処理し
たところ、平均粒子径が約6μ前後の微粉を得ることが
できた。上記微粉について、種々の粒子径としたときの
書き易さについて試験した結果、各微粉の粒子径は25
μ以下程度に調整することが好ましいことが判明した。
【0034】更に、上記微粉を粒子レベルで均一に混合
することが、書き易さを保持する上で重要であることが
判明した。粉末にはファンデルワールス力(分子間引
力)が働いており、単に掻き回しただけでは小さい塊の
状態で混ざっているだけで、充分に混合されてはいな
い。従って、上記した各微粉を均一に混合できる方法に
ついて検討した。
【0035】次に、本発明の固形塗料の製造方法の一例
を、図1のブロック図を参照して説明する。
【0036】図1に示すように、微粉に精製されたエポ
キシ樹脂1を25〜62部、アルキド樹脂2を35〜7
2部、着色顔料3を約3部、必要に応じ調質剤4として
白色顔料を加え、更にこれらを合わせたものに10%前
後になるようにバインダーを加えて高速回転混合機5に
供給し、これらを均一に混合する。
【0037】高速回転混合機5は、高速回転する羽根で
容器内の粒子を吹き上げて粒子を互いに衝突させること
により分子間引力を解き、これによって均一な混合を行
うようにしたものである。高速回転混合機5による混合
の際、容器の壁に付着した粒子は移動しないので、これ
らを掻き落として、再び混合する操作を複数回実施す
る。
【0038】続いて、高速回転混合機5で混合された混
合物に、高速回転混合機5による混合を継続しながら水
6を注入(噴霧)することにより、所定の粘度になるよ
うに混合する。このとき、供給する水6の量を調節する
ことにより混合物の粘度が押出成形時に最適な粘度にな
るように調節する。又、混合物が乾燥しないように、保
湿剤としてグリセリンを水6に添加し、グリセリン水溶
液を噴霧することもできる。更に、前述のバインダーを
予め水溶液とし、水を噴霧する代わりにこの水溶液を噴
霧してもよい。
【0039】高速回転混合機5で混合した混合物8a
を、混練機7に供給して混合物8a粉末と水とを均一に
混練する。混練機7としては、3本ロール混練機を用い
ることができる。3本ロール混練機は、各ロールの回転
速度を変え、混合物8aをロールの隙間に通すことによ
り、ずりを与えて混練するようになっている。この混練
操作を複数回実施することにより、凝集部のない均一な
混練物8を得ることができる。
【0040】混練機7で混練した混練物8は押出機9に
供給し、押出機9によって棒状の固形塗料10aとして
連続して押出成形する。棒状の固形塗料10aは、切断
機11によって所定の長さに切断され、これによりチョ
ーク状のマーキング用の固形塗料10となる。
【0041】図2〜図4は、夫々押出機9の例を示した
ものである。
【0042】図2はシリンダ式押出機9Aの場合を示し
ており、シリンダ式押出機9Aは、混練物8を収容する
一端が開口した大径部12と、大径部12の他端から口
径を順次縮小した絞り部13と、絞り部13の小径側端
部に形成された所要口径の押出口14とからなる成形筒
15を備えている。又、成形筒15の大径部12に開口
側から嵌合され前記絞り部13に向かって径が縮小され
た押圧ピストン16を備えている。更に、押圧ピストン
16の後部に固定されたブラケット17を押す押圧シリ
ンダ18を備えている。図中29は、混練物8の圧縮時
に空気を真空吸引して固形塗料10a内に巣ができるの
を防止するための真空吸引口である。
【0043】図2のシリンダ式押出機9Aによれば、成
形筒15の大径部12内に混練物8を収容し、大径部1
2の開口側から押圧ピストン16を嵌合させ、押圧ピス
トン16を押圧シリンダ18で押圧すると、混練物8は
絞り部13で圧密された後、押出口14から棒状の固形
塗料10aとなって連続して押出される。図2のシリン
ダ式押出機9Aでは、押圧ピストン16がストロークエ
ンドに来たら押出しを停止し、押圧ピストン16を成形
筒15の大径部12から引き抜き、再び大径部12内に
再び混練物8を収容して次の押出しを行う。
【0044】図3はスクリュー式押出機9Bの場合を示
しており、スクリュー式押出機9Bは、駆動モータ19
によって回転駆動されるスクリュー20を内部に備えた
シリンダ筒21を有している。シリンダ筒21における
駆動モータ19側端部近傍の上側には、投入ホッパ22
が備えられており、シリンダ筒21の他端部には、口径
を順次縮小した絞り部13と、絞り部13の小径側端部
に形成された所要口径の押出口14とが備えられてい
る。図中29は、真空吸引口である。
【0045】図3のスクリュー式押出機9Bでは、投入
ホッパ22に混練物8を供給し、駆動モータ19により
スクリュー20を回転すると、混練物8はスクリュー2
0によって左方向に送られ、絞り部13で圧密された
後、押出口14から棒状の固形塗料10aとなって連続
的に押出される。
【0046】更に、図4は内歯車ポンプ式押出機9Cの
場合を示したものである。内歯車ポンプ式押出機9C
は、本体ケーシング23内に回転可能に設けた内歯車2
4と、内歯車24の内側に配置されて一側(図4では上
側)に偏心して内歯車24に噛合し軸25を中心に回転
する駆動歯車26とを備えている。そして、駆動歯車2
6の偏心方向とは反対側(下側)において、駆動歯車2
6と内歯車24との間にできる隙間を埋めるように半月
形片27が設けられている。図4において、内歯車24
の右側には投入口28が形成されており、内歯車24の
左側には口径を順次縮小した絞り部13と、絞り部13
の小径側端部に形成された所要口径の押出口14とを備
えている。
【0047】図4の内歯車ポンプ式押出機9Cでは、投
入口28に混練物8を供給し、駆動歯車26を回転する
と、混練物8は駆動歯車26と内歯車24との噛み合わ
せによって内歯車24の左側に押出され、絞り部13で
圧密された後、押出口14から棒状の固形塗料10aと
なって連続的に押出される。
【0048】上記図2〜4の装置によれば、混練物8を
圧密しながら押し出すことにより、内部に巣のない棒状
の固形塗料10aを安定して製造することができる。こ
のように成形された棒状の固形塗料10aは、切断機1
1により、一般のチョークと同等の使い易い長さに切断
される。
【0049】図1に示したように、エポキシ樹脂1を2
5〜62部と、アルキド樹脂2を35〜72部と、着色
顔料、調質剤4として白色顔料及びバインダー(メトロ
ーズSM−4000)等を添加し、高速回転混合機5に
かけて、これらを粒子レベルで均一に混合し、次に水6
を噴霧しながら混合し、更にその後混練機7によって混
練することにより、凝集部(だま)のない均質な混練物
8を得ることができる。このようにして得た混練物8を
図2〜4図に示すような押出機9A,9B,9Cを用い
て押出すと、所定径を有する棒状の固形塗料10aを成
形でき、これを切断機11で切断することにより、チョ
ーク状の固形塗料10が得られる。
【0050】上記によって得られた固形塗料10は、鋼
製ブロック等の下地塗料表面にマーキングする際に、滑
らかで非常に書き易いものであった。
【0051】又、上記によって得られた固形塗料を用い
てマーキングを行い、文字や記号のマークをそのままに
して、その上からエポキシ樹脂塗料、又は変性エポキシ
樹脂塗料、又は油性塗料をスプレーにより上塗り塗装し
ても、何れの塗料による塗装膜も接着力が低下すること
はなかった。これは、マークの上に塗料がスプレーされ
ると、マークを形成している固形塗料の微粒子が塗料の
シンナーによって溶融し、塗膜に変身して一体化するこ
とによると考えられる。
【0052】塗装膜の接着力を、2種類の塗膜剥離試験
によって調査した。1つ目の試験方法は、検査ピースを
接着剤によって上塗り塗膜面に接着し、このピースを引
き離すことにより塗装膜の剥離を検査する方法である。
2つ目の試験方法は、上塗り塗装の塗装膜を引っかき爪
で引っかくことにより塗装膜の剥離を検査する方法であ
る。
【0053】下地塗装した3個の試験片を用意し、各試
験片の下地塗装の上に直接、エポキシ樹脂塗料を上塗り
塗装したものと、変性エポキシ樹脂塗料を上塗り塗装し
たものと、油性塗料を上塗り塗装したものとを作成し
(マーク無しという)、夫々のマーク無しの試験片につ
いて、前記2種類の試験方法による剥離試験を実施し
た。
【0054】一方、下地塗装の表面に本発明による固形
塗料で記号を表記した試験片及び固形塗料を塗り付けた
試験片を夫々3個ずつ用意し、各試験片にエポキシ樹脂
塗料を上塗り塗装したものと、変性エポキシ樹脂塗料を
上塗り塗装したものと、油性塗料を上塗り塗装したもの
とを作成し(マーク有りという)、夫々のマーク有りの
試験片について、前記2種類の試験方法による剥離試験
を実施した。
【0055】上記試験の結果、マーク有りの試験片とマ
ーク無しの試験片の何れも塗装膜は高い接着力を保持し
ており、マーク有りの試験片とマーク無しの試験片の塗
装膜の間に、接着力の有意な差異は認められなかった。
【0056】これは、固形塗料によるマーク部分及び固
形塗料を塗り付けた部分が、上塗り塗料と一体化して高
い接着力を保持していることを表わしており、よって本
発明の固定塗料を用いてマーキングを行った後に、この
マークを除去することなしに、上塗り塗装を実施しても
高い接着力が保持できることを示している。
【0057】従って、従来の石膏チョークを用いている
場合のようにチョークによるマークを除去する作業を省
略できて鋼製ブロック等の下地処理作業を著しく軽減で
き、多くの工数を削減できる。よって、塗装作業の工期
短縮が図れるようになる。
【0058】又、上述した固形塗料の製造方法によれ
ば、均質で書き易い固形塗料を大量に安定して製造する
ことができる。
【0059】尚、本発明は上記形態例にのみ限定される
ものではなく、高速回転混合機及び混練機には種々の方
式のものが利用できること、押出機は図示した構成例以
外のものも採用し得ること、その他本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において種々変更を加え得ること、等は勿
論である。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、エポキシ樹脂とアルキ
ド樹脂とを主剤として含む固形塗料、更に詳しくは、エ
ポキシ樹脂の含有量が25〜62部、アルキド樹脂の含
有量が35〜72部である固形塗料としたことにより、
固定塗料によってマーキングを行った後に、このマーク
を除去することなしに、上塗り塗装を実施しても高い接
着力を保持することができ、よって従来の石膏チョーク
を用いた場合のようにチョークによるマークを除去する
という面倒な作業を省略でき、鋼製ブロック等の下地処
理作業を著しく軽減できて、塗装作業の工期の短縮が図
れるという優れた効果を奏し得る。
【0061】又、本発明の固形塗料の製造方法によれ
ば、均質で書き易い固形塗料を大量に安定して製造する
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固形塗料の製造方法の一例を示すブロ
ック図である。
【図2】シリンダ式押出機の一例を示す切断側面図であ
る。
【図3】スクリュー式押出機の一例を示す切断側面図で
ある。
【図4】内歯車ポンプ式押出機の一例を示す切断側面図
である。
【符号の説明】
1 エポキシ樹脂 2 アルキド樹脂 3 着色顔料 4 調質剤 5 高速回転混合機 6 水 7 混練機 8a 混合物 8 混練物 9 押出機 10a 棒状の固形塗料 10 固形塗料 13 絞り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 春樹 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 岡 義宣 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 Fターム(参考) 4D075 DA06 DB02 DC05 EB33 EB36 EC11 4J038 DB001 DD122 KA08 MA02 PB13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂とアルキド樹脂とを主剤と
    して含み、主剤に着色顔料及び調質剤を混入し棒状に固
    化してなることを特徴とする固形塗料。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂の含有量が25〜62部、
    アルキド樹脂の含有量が35〜72部であることを特徴
    とする請求項1記載の固形塗料。
  3. 【請求項3】 調質剤が白色を示す白色添加剤を含むこ
    とを特徴とする請求項1記載の固形塗料。
  4. 【請求項4】 調質剤が白色顔料であることを特徴とす
    る請求項1記載の固形塗料。
  5. 【請求項5】 微粉に精製したエポキシ樹脂25〜62
    部とアルキド樹脂35〜72部と着色顔料、調質剤及び
    バインダーを高速回転混合機を用いて均一に混合し、続
    いて高速回転混合機で混合しながら水を注入することに
    より所定の粘度に混合した後、混合物を混練機に供給し
    て混合物の粉末と水とを均一に混練し、続いて混練物を
    押出機に供給して棒状の固定塗料を押出すことを特徴と
    する固形塗料の製造方法。
  6. 【請求項6】 押出機が、絞り部を有して混練物を押出
    すようにしていることを特徴とする請求項5記載の固形
    塗料の製造方法。
  7. 【請求項7】 押出機にて押出した棒状の固形塗料を所
    定の長さに切断することを特徴とする請求項5又は6記
    載の固形塗料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20190045731A (ko) * 2017-10-24 2019-05-03 남원석 고체물감 제조방법
KR20190045733A (ko) * 2017-10-24 2019-05-03 남원석 고체물감 제조장치

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KR20190045731A (ko) * 2017-10-24 2019-05-03 남원석 고체물감 제조방법
KR20190045733A (ko) * 2017-10-24 2019-05-03 남원석 고체물감 제조장치
KR102016804B1 (ko) * 2017-10-24 2019-10-21 남원석 고체물감 제조장치
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