JP2574530B2 - 水性塗料の塗料供給装置 - Google Patents

水性塗料の塗料供給装置

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JP2574530B2 JP2254138A JP25413890A JP2574530B2 JP 2574530 B2 JP2574530 B2 JP 2574530B2 JP 2254138 A JP2254138 A JP 2254138A JP 25413890 A JP25413890 A JP 25413890A JP 2574530 B2 JP2574530 B2 JP 2574530B2
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正晴 松下
友▲やす▼ 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗料タンク内に貯溜された水性塗料を塗装
機に循環供給する水性塗料の塗料供給装置に関する。
〔従来の技術〕
塗装機に塗料を循環供給する塗料供給装置は、塗料を
貯溜する塗料タンクに、当該タンク内からポンプで圧送
される塗料を塗装機に送る塗料供給往管と、塗装機から
噴霧されない余剰の塗料を当該タンク内に戻す塗料供給
返管が接続されている(実開昭60−140670号及び140671
号公報)。
そして、塗料タンクは、その内部に貯溜された塗料を
回転翼で掻き混ぜて塗料成分の沈降を防止する攪拌装置
を設けたものが一般的である(実開平2−48170号公
報)。
ところで、最近は、世界的な環境保全運動が高まり、
塗装業界においてもシンナー等の有害な溶剤の使用規制
が叫ばれている。
このため、本出願人は、シンナーで希釈する溶剤型塗
料の代わりに無公害な水性塗料を用いた自動車塗装シス
テムの研究開発を試みている。
しかし、自動車ボディのメタリック塗装に用いる市販
の水性塗料は、掻き混ぜなくても塗料成分が沈降しない
という扱い易い性質を有する反面、非常に乾きやすく、
粘度も高く、アルミなどの金属を腐食しやすいという扱
い難い性質を有している。
したがって、塗料タンクの貯溜された水性塗料の液面
から水分が蒸発すると、その液面に水性塗料の塗料成分
が乾いて生ずる薄膜が形成される。
そして、水性塗料には、溶剤型塗料と違って一旦乾い
て固まった塗料成分を再溶解できる溶剤など含まれてい
ないから、塗料成分の乾きによって生じた薄膜が、固形
物のままポンプで粉砕されて塗料供給往管を通じて塗装
機に送られ、当該塗装機で塗装される自動車ボディの塗
膜にブツを発生させるおそれがあった。
また、このようなブツの発生を防止するには、塗料タ
ンク内の水性塗料を攪拌装置の回転翼で絶えず掻き混ぜ
て塗料成分の乾きを阻止すればよいが、粘度の高い水性
塗料を回転翼で攪拌すると、その塗料中のメタリック成
分となる微細なアルミ片の表面に施された特殊コーテン
グ被膜が摩擦で剥がれ落ちて、各アルミ片が塗料による
腐食作用で黒ずむから、メタリックの輝きを完全に喪失
するおそれがある。
このため、他の物品とは比較にならないほど高品質の
塗装が要求される自動車塗装においては、水性塗料の使
用を見合わせているのが現状である。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明は、無公害な水性塗料による塗装を促す
ために、塗料タンクに貯溜した水性塗料を攪拌しなくて
も、その塗料の液面に薄膜が生ずることを確実に防止で
きるようにすることを技術的課題としている。
〔課題を解決するための手段〕
この課題を解決するために、本発明は、水性塗料を貯
溜する塗料タンクに、当該タンク内からポンプで圧送さ
れる水性塗料を塗装機に送る塗料供給往管と、塗装機か
ら噴霧されない余剰の水性塗料を当該タンク内に戻す塗
料供給返管が接続された水性塗料の塗料供給装置におい
て、前記塗料タンクが気密タンクで形成されると供に、
当該タンクに、水性塗料の水分蒸発を阻止できる程度の
内圧を付与する圧縮空気の供給管が接続されていること
を特徴とする。
〔作用〕
本発明によれば、気密タンクで成る塗料タンクの内圧
が水性塗料の水分蒸発を阻止できる程度に高められるか
ら、当該タンク内に貯溜した水性塗料を攪拌しなくて
も、その塗料の液面に塗料成分の乾きによる薄膜が生ず
ることを確実に防止できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明
する。
第1図は本発明による塗料供給装置の一例を示す概略
図である。
本例では、微細なアルミ片の表面に特殊コーティング
被膜が施されたメタリック成分を含有する水性塗料の塗
料供給装置を示し、その水性塗料を貯留する塗料タンク
1が気密タンクで形成されている。
そして、塗料タンク1には、当該タンク1内からポン
プ2で圧送される水性塗料を各塗装機3に送る塗料供給
往管4と、塗装機3から噴霧されない余剰の水性塗料を
当該タンク1内に戻す塗料供給返管5が接続されると供
に、圧縮空気供給源6に連結した圧縮空気供給管7が接
続されている。
圧縮空気供給管7は、塗料タンク1内に貯溜された水
性塗料の水分蒸発を阻止するために、当該タンク1の内
圧を約1〜4kg/cm2程度まで高める圧縮空気を供給する
ようになっている。
また、各塗装機3は、塗料減圧バルブ8を介して塗料
供給往管4に接続されている。
しかして、塗料タンク1内に所要量の水性塗料が充填
されると、まず、そのタンク1を密閉して内部を気密状
態にする。
そして、気密状態となった塗料タンク1内に、圧縮空
気供給管7から供給される圧縮空気を導入して、そのタ
ンク1の内圧を約1〜4kg/cm2に設定する。
これにより、塗料タンク1内に貯溜した水性塗料中の
水分の蒸発が阻止されるから、従来のように攪拌装置の
回転翼で水性塗料を掻き混ぜなくても、その水性塗料の
液面に塗料成分の乾きによる薄膜を生ずることが防止さ
れる。
したがって、その薄膜の粉砕片が塗料タンク1内から
ポンプ2で圧送される水性塗料中に混入することにより
塗装機3で塗装された塗膜にブツを発生させるというお
それはなくなる。
また、水性塗料を攪拌しなくてもよいから、その塗料
中のメタリック成分となるアルミ片の表面に施された特
殊コーテング被膜が剥がれ落ちるおそれもない。
したがって、各アルミ片が塗料による腐食作用で黒み
を帯びてメタリックの輝きが失われることもない。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、塗料タンクに貯
溜した水性塗料を攪拌しなくても、その塗料の液面に塗
膜のブツ発生原因となる薄膜が生ずることを確実に防止
できるという大変優れた効果がある。
したがって、メタリック塗装用の水性塗料にあって
は、メタリック成分となるアルミ片の特殊コーティング
被膜が攪拌による摩擦で剥がれ落ちるおそれがないか
ら、そのアルミ片が腐食してメタリックの輝きを喪失す
ることもない。
よって、本発明は、高品質の塗装が要求される自動車
塗装においても、有害物質を発生させる溶剤型塗料によ
る塗装から無公害な水性塗料による塗装への転換を促す
ことができ、環境保全の観点からも非常に有用性が高
い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による塗料供給装置の一例を示す概略図
である。 符号の説明 1……塗料タンク、2……ポンプ、3……塗装機、 4……塗料供給往管、5……塗料供給返管、 6……圧縮空気供給源、7……圧縮空気供給管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−69539(JP,A) 特開 昭51−115548(JP,A) 実開 昭58−43975(JP,U) 実開 昭57−119776(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性塗料を貯溜する塗料タンク(1)に、
    当該タンク(1)内からポンプ(2)で圧送される水性
    塗料を塗装機(3)に送る塗料供給往管(4)と、塗装
    機(3)から噴霧されない余剰の水性塗料を当該タンク
    (1)内に戻す塗料供給返管(5)が接続された水性塗
    料の塗料供給装置において、前記塗料タンク(1)が気
    密タンクで形成されると供に、当該タンク(1)に、水
    性塗料の水分蒸発を阻止できる程度の内圧を付与する圧
    縮空気の供給管(7)が接続されていることを特徴とす
    る水性塗料の塗料供給装置。
JP2254138A 1990-09-26 1990-09-26 水性塗料の塗料供給装置 Expired - Lifetime JP2574530B2 (ja)

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