JP2001072700A - Lh−rh誘導体の精製方法 - Google Patents

Lh−rh誘導体の精製方法

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JP2001072700A
JP2001072700A JP2000201434A JP2000201434A JP2001072700A JP 2001072700 A JP2001072700 A JP 2001072700A JP 2000201434 A JP2000201434 A JP 2000201434A JP 2000201434 A JP2000201434 A JP 2000201434A JP 2001072700 A JP2001072700 A JP 2001072700A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】LH−RH誘導体を高品質で得ることができる
製造法および精製LH−RH誘導体の提供。 【解決手段】LH−RH誘導体を含有する溶液をメタク
リル系合成吸着樹脂処理工程および芳香族系合成吸着樹
脂処理工程に付すことを特徴とするLH−RH誘導体の
製造方法など。 【効果】本発明の製造方法により、LH−RH誘導体の
ラセミ化異性体などの不純物の副生を抑制し、かつラセ
ミ化異性体などの不純物を効率的に除去することが可能
になるため、極めて高品質のLH−RH誘導体を製造す
ることが可能になる。また、本発明の製造方法では2度
の合成吸着樹脂処理工程で十分な精製を効果的に行うこ
とができ、容易な操作で効率よくかつ煩雑は個液分離操
作もなく、高収率でLH−RH誘導体を製造することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はLH−RH誘導体の
簡便で効率のよい工業的製造方法を提供するとともに高
品質LH−RH誘導体の製造法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】LH−RHの誘導体であるペプチドまた
はその塩の製造法としては、特開昭50−59370号
公報(米国特許第4,008,209号公報に対応)に
は、一般式 (Pyr)Glu−His−Trp−Ser−Tyr(ま
たはPhe)−X−Leu(またはIleまたはNle)
−Arg−Pro−NH−R 〔式中、アミノ酸は特に明記しないものはL体を示し、
XはD−Leu,D−Nle,D−NVal,D−Se
r,D−Abu,D−Phg,D−Pheまたはα−A
ibuを、Rは水酸基を有してもよいアルキル基を示
す〕で表されるペプチドの製造法として、下記の方法が
記載されている。
【0003】式
【化2】 〔式中の記号は前記と同意義を示す〕。
【0004】また、特開昭51−6926号公報(米国
特許第3,997,516号公報に対応)には、グアニジ
ノ基を有するペプチドの製造において、グアニジノ基含
有原料化合物のグアニジノ基を低級アルコキシベンゼン
スルホニル基またはトリ低級アルキルベンゼンスルホニ
ル基で保護することを特徴とするペプチドの製造法が記
載されている。さらに、特開昭51−100030号
(米国特許第3,997,516号公報に対応)公報に
は、グアニジノ基を有するペプチドの製造において、グ
アニジノ基含有原料化合物のグアニジノ基を低級アルコ
キシ−またはトリ低級アルキルベンゼンスルフォニル基
で保護してペプチド縮合した後、該保護基をハロゲノス
ルホン酸または低級アルキルスルホン酸またはルイス酸
で脱離させることを特徴とするペプチドの分離・製造法
が記載されている。
【0005】また、WO 97/48726号には、一
般式 5−oxo−Pro−R1−Trp−Ser−R2−R3−OH (II) 〔式中、R1はHis,Tyr,Trpまたはp−NH2
−Pheを、R2はTyrまたはPheを、R3はそれぞ
れ置換基を有していてもよいGlyまたはα−D−アミ
ノ酸残基をそれぞれ示す。〕で表わされるペプチドまた
はその塩と、一般式 H−R4−R5−Pro−R6 (III) 〔式中、R4はLeu,IleまたはNleを、R5は保
護されたArgを、R6は式Gly−NH−R7(式中、
7は水素原子または水酸基を有していてもよいアルキ
ル基を示す)または式NH−R8(式中、R8は水素原
子、水酸基を有していてもよいアルキル基またはウレイ
ド基(−NH−CO−NH2)をそれぞれ示す)で表わ
される基を示す〕で表わされるペプチドまたはその塩と
を反応させ、一般式 5−oxo−Pro−R1−Trp−Ser−R2−R3−R4−R5−Pro−R6 (I') 〔式中の記号は前記と同意義を示す〕で表わされるペプ
チドまたはその塩を得、ついで、得られたペプチド(I')
を脱保護基反応に付すことを特徴とする一般式5−ox
o−Pro−R1−Trp−Ser−R2−R3−R4−A
rg−Pro−R6 (I)〔式中の記号は前記と同意義を
示す〕で表わされるペプチドまたはその塩の製造法が記
載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、保護
ペプチドからLH−RH誘導体を製造する過程におい
て、構成アミノ酸のラセミ化異性体が多く副生される。
従来の手法では、弱酸性陽イオン交換樹脂等を用いるカ
ラムクロマトによりLH−RH誘導体の精製を行うが、
ラセミ化異性体等の除去効果に乏しいため、多段階のク
ロマト操作が必要であったため、より高品質なLH−R
H誘導体を、工業的に効率よく生産することは困難であ
った。本発明は、保護ペプチドからLH−RH誘導体を
製造する過程における構成アミノ酸のラセミ化を抑制
し、ラセミ化異性体及びその他の不純物を効果的に除去
するとともに精製工程を簡略・効率化しうる精製法によ
り、LH−RH誘導体を工業的に極めて有利な方法で、
高品質かつ高収率で得ることができる製造法の提供を課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の問
題を解決すべく、鋭意検討した結果、LH−RH誘導体
の精製工程の改良、および脱保護反応後の後処理の改良
を行い、LH−RH誘導体を製造および精製する過程に
おける構成アミノ酸のラセミ化の抑制方法、ラセミ化異
性体及びその他の不純物を効果的に除去しうるとともに
イオン交換樹脂処理工程を経ることなく、カラム処理工
程を大幅に簡略・効率化しうる精製方法を確立し、LH
−RH誘導体をより高品質かつ高収率で得ることができ
る製造法を見出した。この知見に基づきさらに鋭意研究
の結果、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、(1)LH−RH誘導体
を含有する溶液をメタクリル系合成吸着樹脂処理工程お
よび芳香族系合成吸着樹脂処理工程に付すことを特徴と
するLH−RH誘導体の製造方法、(2)LH−RH誘
導体が、式 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z 〔式中、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(tBu)、D2Nalおよ
びDHis(ImBzl)から選ばれる残基を、ZはNH-C2H5または
Gly-NH2をそれぞれ示す〕で表されるペプチドまたはそ
の塩である上記(1)記載の製造方法、(3)LH−R
H誘導体が、式 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5 で表されるぺプチドまたはその酢酸塩である上記(1)
記載の製造方法、(4)式
【化3】 で表される繰り返し単位を有するメタクリル系合成吸着
樹脂を用いることを特徴とする上記(1)記載の製造方
法、(5)芳香族系合成吸着樹脂がスチレン−ジビニル
ベンゼン系合成吸着樹脂である上記(1)記載の製造方
法、(6)スチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着樹脂
の平均粒径が約60μmないし約150μmである上記
(5)記載の製造方法、(7)LH−RH誘導体を含有
する溶液を約10℃以下でメタクリル系合成吸着樹脂処理
工程に付すことを特徴とする上記(1)記載の製造方
法、(8)LH−RH誘導体を含有する溶液を約10℃な
いし約20℃で芳香族系合成吸着樹脂処理工程に付すこと
を特徴とする上記(1)記載の製造方法、(9)LH−
RH誘導体を含有する溶液をメタクリル系合成吸着樹脂
処理工程に付した後、芳香族系合成吸着樹脂処理工程に
付すことを特徴とする上記(1)記載の製造方法、(1
0)LH−RH誘導体を含有する溶液をメタクリル系合
成吸着樹脂処理工程において樹脂に通液させた後、樹脂
に吸着されたLH−RH誘導体を酢酸水溶液で溶出する
ことを特徴とする上記(1)記載の製造方法、(11)
酢酸水溶液の濃度が約0.01Mないし約0.50Mである上記
(10)記載の製造方法、(12)LH−RH誘導体を
含有する溶液をメタクリル系合成吸着樹脂処理工程にお
いて樹脂に通液させた後、エタノール水溶液で洗浄し、
樹脂に吸着されたLH−RH誘導溶出することを特徴と
する上記(1)記載の製造方法、(13)LH−RH誘
導体を含有する溶液が保護基で保護されたLH−RH誘
導体を脱保護反応に付した後、約10℃以下で中和反応に
付して得られたLH−RH誘導体を含有する溶液である
上記(1)記載の製造方法、(14)LH−RH誘導体
を含有する溶液が保護基で保護されたLH−RH誘導体
を脱保護反応に付した後、約10℃以下で中和反応に付
し、LH−RH誘導体を抽出した後、抽出液を25℃以下
で濃縮して得られたLH−RH誘導体を含有する溶液で
ある上記(1)記載の製造方法、(15)保護基で保護
されたLH−RH誘導体が、式 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg(X)-Pro-Z 〔式中、Xは保護基を、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(t
Bu)、D2NalおよびDHis(ImBzl)から選ばれる残基を、Z
はNH-C2H5またはGly-NH2をそれぞれ示す〕で表される上
記(13)または上記(14)記載の製造方法、(1
6)総類縁物質の含量が約1%以下である精製リュープ
ロレリンまたはその塩、および(17)5-oxo-Pro-D-Hi
s-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3またはそ
の塩の含量が約0.3%以下である精製リュープロレリ
ンまたはその塩などに関する。
【0009】本発明は、LH−RH誘導体を含有する溶
液をメタクリル系合成吸着樹脂処理工程および芳香族系
合成吸着樹脂処理工程に付すことを特徴とするLH−R
H誘導体の製造方法などに関する。LH−RHアゴニス
トとしては、例えば、LH−RHアゴニスト活性を有す
るペプチド性のLH−RH誘導体またはその塩であっ
て、ホルモン依存性疾患、特に性ホルモン依存性癌
(例、前立腺癌、子宮癌、乳癌、下垂体腫瘍など)、前
立腺肥大症、子宮内膜症、子宮筋腫、思春期早発症、月
経困難症、無月経症、月経前症候群、多房性卵巣症候群
等の性ホルモン依存性の疾患および避妊(もしくは、そ
の休薬後のリバウンド効果を利用した場合には、不妊
症)に有効なペプチド性のLH−RH誘導体またはその
塩があげられる。さらに性ホルモン非依存性であるがL
H−RH感受性である良性または悪性腫瘍などに有効な
LH−RH誘導体またはその塩などもあげられる。上記
のLH−RH誘導体の塩としては、薬理学的に許容され
る塩が好ましく、このような塩としては、該LH−RH
誘導体がアミノ基等の塩基性基を有する場合、無機酸
(無機の遊離酸とも称する)(例、炭酸、重炭酸、塩
酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等)、有機酸(有機の遊離酸と
も称する)(例、コハク酸、酢酸、プロピオン酸、トリ
フルオロ酢酸等)などとの塩があげられる。該LH−R
H誘導体がカルボキシル基等の酸性基を有する場合、無
機塩基(無機の遊離塩基とも称する)(例、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシ
ウム等のアルカリ土類金属など)や有機塩基(有機の遊
離塩基とも称する)(例、トリエチルアミン等の有機ア
ミン類、アルギニン等の塩基性アミノ酸類等)などとの
塩があげられる。また、該LH−RH誘導体は金属錯体
化合物(例、銅錯体、亜鉛錯体等)を形成していてもよ
い。
【0010】LH−RHアゴニスト活性を有するペプチ
ド性のLH−RH誘導体としては、例えば、式 5-oxo-Pro-R1-Trp-Ser-R2-R3-R4-Arg-Pro-R5(I) 〔式中、R1はHis, Tyr, Trpまたはp-NH2-Pheを,R2はTy
rまたはPheを,R3はGlyまたは置換基を有していてもよ
いD型のアミノ酸残基を、R4はLeu,IleまたはNleを、R5
は式 Gly-NH-R6(R6は水素原子または置換されていても
よいアルキル基を示す)で表わされる基または式 NH-
R6'(R6'は(1)水素原子、(2)アミノ基もしくは水酸基で
置換されていてもよいアルキル基または(3)ウレイド(-
NH-CO-NH2)を示す〕で表わされるポリペプチドなどが
あげられる。上記式(I)において、R3で示されるD型
のアミノ酸残基としては、例えば炭素数が11までのα
-D-アミノ酸(例、D-Leu, Ile, Nle, Val, Nval, Abu,
Phe,Phg, Ser, Thr, Met, Ala, Trp)などがあげられ、
それらは適宜置換基(例、メチル、t−ブチルなどのC
1-4アルキル基、t−ブトキシなどのC1-4アルコキシ
基、t−ブトキシカルボニルなどのC1-4アルコキシ−
カルボニル基、2−ナフチルなどのC6-10アリール基、
インドール−3−イル、2−メチルインドリル、ベンジ
ルイミダゾール−2−イルなどのそれぞれC1-4アルキ
ル、C6-10アリールもしくはC6-10アリール−C1-4
ルキルで置換されていてもよいインドリル基またはイミ
ダゾリル基など)を1〜3個有していてもよい。R6
示される置換されていてもよいアルキル基における置換
基としては、例えば、水酸基,アミノがあげられる。ア
ミノ基もしくは水酸基で置換されていてもよいアルキル
基におけるアルキル基としては、C1-4アルキル基があ
げられ、なかでもC1-3アルキル基が好ましい。C1-4
ルキル基の例としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、
tert-ブチルがあげられる。置換基の個数は、1〜3個
があげられるが、1〜2個が好ましく、1個が特に好ま
しい。
【0011】LH−RHアゴニスト活性を有するペプチ
ド性のLH−RH誘導体としてさらに好ましくは、例え
ば、式(II) 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z 〔式中、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(tBu)、D2Nalおよ
びDHis(ImBzl)から選ばれる残基を、ZはNH-C2H5または
Gly-NH2をそれぞれ示す〕で表わされる生理活性ペプチ
ドまたはその塩などが用いられる。特に、YがDLeuで、
ZがNH-C2H5であるペプチド(即ち、5-oxo-Pro-His-Trp
-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5で表されるペプチ
ド:リュープロレリン)が好適である。5-oxo-Pro-His-
Trp-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5で表されるペプ
チドの塩としては、上記に例示したもののなかで、特に
酢酸塩(酢酸リュープロレリン)が好ましい。本明細書
中に記載されるポリペプチドにおけるアミノ酸、ペプチ
ド、保護基等に関し、略号で表示する場合、IUPAC
−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureに
よる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくも
のとし、また、アミノ酸に関し光学異性体がありうる場
合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
【0012】略号の例を以下に示す。 Abu :アミノ酪酸 Aibu :2−アミノ酪酸 Ala :アラニン Arg :アルギニン Gly :グリシン His :ヒスチジン Ile :イソロイシン Leu :ロイシン Met :メチオニン Nle :ノルロイシン Nval :ノルバリン Phe :フェニルアラニン Phg :フェニルグリシン Pro :プロリン (Pyr)Glu :ピログルタミン酸 Ser :セリン Thr :スレオニン Trp :トリプトファン Tyr :チロシン Val :バリン D2Nal :D-3-(2-ナフチル)アラニン残基 DSer(tBu) :O-tert-ブチル−D−セリン DHis(ImBzl) :Nim-ベンジル−D−ヒスチジン PAM :フェニルアセタミドメチル Boc :t−ブチルオキシカルボニル Fmoc :9−フルオレニルメチルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロ−ベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモーベンジルオキシカルボニル Bzl :ベンジル Cl2−Bzl :2,6−ジクロロベンジル Tos :p−トルエンスルホニル HONb :N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2、3−ジカ ルボキシイミド HOBt :1−ヒドロキシベンゾトリアゾール HOOBt :3−ヒドロキシ−3、4−ジヒドロ−4−オキソ− 1、2、3−ベンゾトリアジン MeBzl :4−メチルベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Bum :t−ブトキシメチル Trt :トリチル DNP :ジニトロフェニル DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0013】LH−RHアゴニスト活性を有するペプチ
ド性のLH−RH誘導体として、上記のリュープロレリ
ン(酢酸リュープロレリン)の他に好ましい例として
は、例えば、
【0014】(1)ゴセレリン(Goserelin)
【化4】 (米国特開第4100274号,特開昭52−1361
72号)、
【0015】(2)ブセレリン(Buserelin)
【化5】 (米国特許No.4,024,248、ドイツ特許第2
438352号,特開昭和51−41359号)、
【0016】(3)トリプトレリン(Triptore
lin)
【化6】 (米国特開第4010125号,特開昭52−3107
3号)、
【0017】(4)ナファレリン(Nafarelin)
【化7】 (米国特開第4234571号,特開昭55−1646
63号,同昭63−264498号,同昭64−257
94号)、
【0018】(5)ヒストレリン(Histrelin)
【化8】
【0019】(6)デスロレリン(Deslorelin)
【化9】 (米国特開第4569967号,同4218439
号)、
【0020】(7)メテレリン(Meterelin)
【化10】 (PCT WO 91/18016)、
【0021】(8)ゴナドレリン(Gonadrelin)
【化11】 (ドイツ特許第2213737号)など、またはそれら
の塩などがあげられる。上記〔化4〕〜〔化11〕にお
いて、前記式(I)のR3に相当するアミノ酸はD−体
である。
【0022】メタクリル系合成吸着樹脂とは、メタクリ
ル酸エステルを基体とするポリマーの合成吸着樹脂のこ
とを意味し、該樹脂処理工程に付すことによりLH−R
H誘導体を製造(精製)することにより(特に後述の芳
香族系合成吸着樹脂と組合せて用いることにより)予想
外にも、LH−RH誘導体のラセミ化異性体などを効果
的に除去することができる。また、LH−RH誘導体の
ラセミ化異性体などを効果的に除去することができるた
めに、従来行われていた多段階のカラム処理工程を短縮
することができる。メタクリル系合成吸着樹脂カラムの
具体例としては、例えば、HP2MG(三菱化学社
製)、XAD−7、XAD−8(オルガノ社製)など
(好ましくは、HP2MG(三菱化学社製)など)があ
げられるが、LH−RH誘導体のラセミ化異性体などを
効果的に除去するという目的を達成する限り、いずれの
ものを用いてもよい。
【0023】メタクリル系合成吸着樹脂として好ましく
は、樹脂の粒度分布が、300μm以上の粒径が90%
以上であるものが好ましい。また、式
【化12】 で表される繰り返し単位を有するメタクリル系合成吸着
樹脂が好ましい。特に、メタクリル系合成吸着樹脂(好
ましくは、 HP2MG(三菱化学社製)など)を用い
て、上記のリュープロレリン(酢酸リュープロレリン)
を製造(精製)する場合には、リュープロレリン(酢酸
リュープロレリン)の5-oxo-Proに隣接するHisにおける
ラセミ化異性体(以下D-His2体と略記する)、Hisに隣
接するTrpにおけるラセミ化異性体(以下D-Trp3体と略
記する)およびその他の高極性類縁物質を極めて効果的
に除去することができる。上記の「その他の高極性類縁
物質」とは、リュープロレリンのペプチドが切断された
ペプチド断片及び反応に用いた試薬などのことをいい、
具体的には、フェノールなどがあげられる。
【0024】芳香族系合成吸着樹脂(好ましくは、スチ
レン−ジビニルベンゼン系合成吸着樹脂)とは、スチレ
ン−ジビニルベンゼンを共重合した多孔性ポリマーの合
成吸着樹脂のことを意味し、該樹脂処理工程に付すこと
によりLH−RH誘導体を製造(精製)することにより
(特に前述のメタクリル系合成吸着樹脂と組合せて用い
ることにより)、予想外にも、LH−RH誘導体のラセ
ミ化異性体などを効果的に除去することができる。芳香
族系合成吸着樹脂の具体例としては、例えば、HP2
0、HP21(三菱化学社製)、HP20SS、SP2
0SS(三菱化学社製)、XAD−2、XAD−4(オ
ルガノ社製)など(好ましくは、HP20SS(三菱化
学社製)など)があげられるが、LH−RH誘導体のラ
セミ化異性体などを効果的に除去するという目的を達成
する限り、いずれのものを用いてもよい。また、芳香族
系合成吸着樹脂の粒径が約60μm〜約150μmのも
のを用いることがより好ましい。また、スチレン−ジビ
ニルベンゼン系合成吸着樹脂の粒度分布が、150μm
以上の粒径が15%以下、63μm以上、150μm未
満の粒径が70%以上、63μm未満の粒径が20%以
下であるものが好ましく用いられる。特に、芳香族系合
成吸着樹脂(好ましくは、HP20SS(三菱化学社
製)など)を用いて、上記のリュープロレリン(酢酸リ
ュープロレリン)を製造(精製)する場合には、リュー
プロレリン(酢酸リュープロレリン)のD-His2体、L-Le
u6体およびその他の高極性類縁物質を極めて効果的に除
去することができる。「その他の高極性類縁物質」と
は、上記と同意義である。
【0025】上記の「LH−RH誘導体のラセミ化異性
体などを効果的に除去する」という目的を達成するため
には、メタクリル系合成吸着樹脂処理工程と芳香族系合
成吸着樹脂処理工程とを組合せて用いることが好まし
い。この場合、LH−RH誘導体の製造(精製)工程に
おいて、メタクリル系合成吸着樹脂処理工程と芳香族系
合成吸着樹脂処理工程の順序は特に規定されないが、メ
タクリル系合成吸着樹脂処理工程に付した後に芳香族系
合成吸着樹脂処理工程に付すことにより、LH−RH誘
導体を製造(精製)することが好ましい。以下にLH−
RH誘導体を含有する溶液をメタクリル系合成吸着樹脂
処理工程および芳香族系合成吸着樹脂処理工程に付すこ
とを特徴とするLH−RH誘導体の製造方法について詳
述する。
【0026】(1)LH−RH誘導体の精製工程 精製前のLH−RH誘導体(以下、粗LH−RH誘
導体とする)を緩衝液に溶解して、LH−RH誘導体を
含有する溶液を調製する。用いられる緩衝液としては、
合成吸着樹脂へのLH−RH誘導体の吸着を阻害しない
ものであれば、特に限定はされないが、例えば、水(蒸
留水、脱イオン水)、酢酸ナトリウム水溶液、酢酸アン
モニウム水溶液、リン酸ナトリウム水溶液、リン酸アン
モニウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液など(好まし
くは酢酸ナトリウム水溶液など)が用いられる。また、
LH−RH誘導体のラセミ化異性体の副生を抑制するの
ため、pH調節剤(例えば、酢酸、リン酸、塩酸など)
により、 LH−RH誘導体を含有する溶液のpHを約
4〜約6、好ましくは約4〜約5に調節することが好ま
しい。さらに、LH−RH誘導体が上記のリュープロレ
リン(酢酸リュープロレリン)の場合には、リュープロ
レリン(酢酸リュープロレリン)のHisに隣接するTrpに
おけるラセミ化異性体(以下D-Trp3体と略記する)、リ
ュープロレリン(酢酸リュープロレリン)のTrpに隣接
するSerにおけるラセミ化異性体(以下D-Ser4体と略記
する)の副生を防ぐために、LH−RH誘導体を含有す
る溶液の温度は約10℃以下、好ましくは約3℃〜約7
℃に調整されることが好ましい。また、 LH−RH誘
導体のラセミ化異性体(具体的には、上記のリュープロ
レリン(酢酸リュープロレリン)の場合には、D-Trp
3体)及び高極性類縁物質の副生を防ぐために、LH−
RH誘導体を含有する溶液は、調製後速やかに次操作
(メタクリル系合成吸着樹脂処理工程)に付すことが好
ましい。
【0027】 上記により得られたLH−RH誘導
体を含有する溶液をメタクリル系合成吸着樹脂処理工程
に付す。具体的には、まず、上記により得られたLH
−RH誘導体を含有する溶液をメタクリル系合成吸着樹
脂に通液することでLH−RH誘導体を樹脂に吸着さ
せ、緩衝液および/またはアルコール水溶液(例、エタ
ノール水溶液、メタノール水溶液、n−プロパノール水
溶液、イソプロパノール水溶液など(好ましくはエタノ
ール水溶液など))で洗浄する。緩衝液としては、例え
ば、水(蒸留水、脱イオン水)、酢酸ナトリウム水溶
液、酢酸アンモニウム水溶液、リン酸ナトリウム水溶
液、リン酸アンモニウム水溶液、塩化アンモニウム水溶
液など(好ましくは酢酸ナトリウム水溶液、酢酸アンモ
ニウム水溶液など)が用いられる。また、エタノール水
溶液を用いて洗浄することにより、高極性類縁物質(具
体的には上述)を効果的に除去できる。このときのエタ
ノール水溶液の濃度としては、約0〜約20容量%、好
ましくは、約5〜約15容量%であることが好ましい。
続いて、溶出液(例えば、酢酸水溶液、プロピオン酸水
溶液、塩酸、リン酸水溶液など、好ましくは酢酸水溶液
など)を用いて、樹脂に吸着されたLH−RH誘導体を
溶出する。このときの溶出液の濃度は約0.01M〜約0.50
M、好ましくは約0.05M〜約0.20M、より好ましくは約
0.05M〜約0.10Mであることが好ましい。また溶出液の
pHは中性以下、好ましくは約pH3〜6に保つことが
好ましい。これらの条件で溶出を行うことにより、LH
−RH誘導体のラセミ化異性体(具体的には、上記のリ
ュープロレリン(酢酸リュープロレリン)の場合には、
D-Trp3体、D-Ser4体)の副生を効率的に防ぐことが可能
となる。また、上記により得られたLH−RH誘導体
を含有する溶液をメタクリル系合成吸着樹脂処理工程に
付す工程中、操作温度を約10℃以下、好ましくは約0℃
〜約10℃、さらに好ましくは約3℃〜約7℃に保つこ
とにより、 LH−RH誘導体のラセミ化異性体(具体
的には、上記のリュープロレリン(酢酸リュープロレリ
ン)の場合には、D-Trp3体、D-Ser4体)の副生を効率的
に防ぐことが可能となる。メタクリル系合成吸着樹脂処
理工程には、好ましくはメタクリル系合成吸着樹脂を充
填したカラムが用いられる。
【0028】 上記により得られたLH−RH誘導
体を含有する溶液(溶出液)を自体公知の方法で濃縮す
ることにより得られるLH−RH誘導体を含有する溶液
を芳香族系合成吸着樹脂処理工程に付す。具体的には、
まず、上記により得られたLH−RH誘導体を含有す
る溶液(溶出液)を自体公知の方法で濃縮することによ
り得られるLH−RH誘導体を含有する溶液を芳香族系
合成吸着樹脂に吸着させ、緩衝液で洗浄する。緩衝液と
しては、合成吸着樹脂へのLH−RH誘導体の吸着を阻
害しないものであれば、特に限定はされないが、例え
ば、水(蒸留水、脱イオン水)、酢酸ナトリウム水溶
液、酢酸アンモニウム水溶液、リン酸ナトリウム水溶
液、リン酸アンモニウム水溶液、塩化アンモニウム水溶
液など(好ましくは酢酸ナトリウム水溶液など)が用い
られる。また洗浄は、エタノール水溶液、メタノール水
溶液、n-プロパノール水溶液、イソプロパノール水溶液
などのアルコール水溶液(好ましくはエタノール水溶液
など)などをさらに用いても良い。続いて、溶出液(例
えば、エタノール水溶液、メタノール水溶液、n-プロパ
ノール水溶液、イソプロパノール水溶液などのアルコー
ル水溶液など、好ましくはエタノール水溶液など)を用
いて、LH−RH誘導体を溶出する。このときの溶出液
の濃度は約10容量%〜約50容量%、好ましくは、約15容
量%〜約40容量%であることが好ましい。また溶出は、
数回(好ましくは2回)に分けて行うことが好ましく、
これらの好ましい条件下で溶出を行うことにより、LH
−RH誘導体のラセミ化異性体(具体的には、上記のリ
ュープロレリン(酢酸リュープロレリン)の場合には、
リュープロレリン(酢酸リュープロレリン)のTyrに隣
接するD-Leuにおけるラセミ化異性体(以下L-Leu6体と
略記する))およびその他の高極性物質(具体的には、
上述)をより効果的に除去することができる。また、こ
れらの溶出液は、約0容量%〜約0.1容量%の酢酸、好
ましくは約0.005容量%〜約0.01容量%の酢酸を含有す
ることが好ましく、この好ましい条件下で溶出を行うこ
とにより、 LH−RH誘導体のラセミ化異性体(具体
的には、上記のリュープロレリン(酢酸リュープロレリ
ン)の場合には、D-Trp3体、D-Ser4体)の副生をより効
果的に抑制することができる。また、上記により得ら
れたLH−RH誘導体を含有する溶液(溶出液)を自体
公知の方法で濃縮することにより得られるLH−RH誘
導体を含有する溶液を芳香族系合成吸着樹脂処理工程に
付す際、処理工程温度を室温以下、好ましくは約10℃
〜約20℃、さらに好ましくは約13℃〜約17℃に保
つことにより、LH−RH誘導体のラセミ化異性体(具
体的には、上記のリュープロレリン(酢酸リュープロレ
リン)の場合には、リュープロレリン(酢酸リュープロ
レリン)のTyrに隣接するD-Leuにおけるラセミ化異性体
(以下L-Leu6体と略記する))およびその他の高極性物
質(具体的には、上述)の除去はより効果的になる。芳
香族系合成吸着樹脂処理工程には、好ましくは芳香族系
合成吸着樹脂を充填したカラムが用いられる。
【0029】続いて、得られたLH−RH誘導体を含有
する溶液(溶出液)を自体公知の方法で濃縮することに
より、非常に高品質なLH−RH誘導体を高収量で得る
ことができる。LH−RH誘導体の精製工程における
の工程との工程の順序は逆転していてもよいが、メタ
クリル系合成吸着樹脂処理工程による精製後、芳香族系
合成吸着樹脂処理工程による精製を行うことにより、L
H−RH誘導体のラセミ化異性体(具体的には、上記の
リュープロレリン(酢酸リュープロレリン)の場合に
は、特にリュープロレリン(酢酸リュープロレリン)の
Trp3体およびSer4体))の除去および副生抑制はより効
果的になる。
【0030】(2)脱保護反応後、精製前の処理工程 本発明の製造法は、LH−RH誘導体を含有する溶液を
メタクリル系合成吸着樹脂処理工程および芳香族系合成
吸着樹脂処理工程に付すことを特徴とするLH−RH誘
導体の精製方法に関する。また本発明は保護基で保護さ
れたLH−RH誘導体を脱保護反応に付してから合成吸
着樹脂処理工程に付す前のLH−RH誘導体を含有する
溶液を調製する工程(精製前の処理工程)を低温で行う
ことにより、より高品質のLH−RH誘導体を製造する
方法に関する。
【0031】以下に精製前の処理工程について詳述す
る。 粗LH−RH誘導体の製造 上記のとおり、本発明の製造法によって得られるLH−
RH誘導体はペプチド性のものであるので、自体公知の
ペプチド合成法によって粗LH−RH誘導体を合成する
ことができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固
相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわ
ち、粗LH−RH誘導体を構成し得る部分ペプチドもし
くはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基
を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプ
チドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基
の脱離としては、例えば、以下の1〜5に記載された方
法があげられる。 1.M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シ
ンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publish
ers, New York (1966年) 2.SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, New York (1965年) 3.泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 4.矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タ
ンパク質の化学IV、 205、(1977年) 5.矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド
合成、広川書店 粗LH−RH誘導体の合成には、通常市販のペプチド合
成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂として
は、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹
脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4
−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチル
ベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシ
メチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリア
クリルアミド樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−
ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメ
トキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂な
どをあげることができる。このような樹脂を用い、α−
アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目
的とする粗LH−RH誘導体の配列通りに、自体公知の
各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させ、保護基で保護
されたLH−RH誘導体を得ることができる。反応の最
後に樹脂から粗LH−RH誘導体ペプチドを切り出すと
同時に各種保護基を除去し、目的の粗LH−RH誘導体
を取得する。
【0032】上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、
ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用いること
ができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジ
イミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプロピルカルボジ
イミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロリル)カ
ルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化に
はラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt, HOOBt,HONb)と
ともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対
称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステル
としてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に
樹脂に添加することができる。保護アミノ酸の活性化や
樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、ペプチド縮合
反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択
されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,
N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン
などの酸アミド類、塩化メチレン,クロロホルムなどの
ハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどの
アルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシ
ド類、ピリジン,ジオキサン,テトラヒドロフランなど
のエーテル類、アセトニトリル,プロピオニトリルなど
のニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル
類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反
応温度はペプチド結合形成反応に使用され得ることが知
られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜5
0℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸
誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒド
リン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合に
は保護基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すこ
とにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り
返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸ま
たはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をア
セチル化することによって、後の反応に影響を与えない
ようにすることができる。
【0033】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ニトロ、ホル
ミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホ
スフィノチオイル、Fmoc、p−メトキシベンゼンスルホ
ニルなどが用いられる。カルボキシル基は、例えば、ア
ルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマン
チルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステ
ル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエス
テル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキシベン
ジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒ
ドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジル
オキシカルボニルヒドラジド化、t−ブトキシカルボニ
ルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保
護することができる。セリンの水酸基は、例えば、エス
テル化またはエーテル化によって保護することができ
る。このエステル化に適する基としては、例えば、アセ
チル基などの低級(C1-6)アルカノイル基、ベンゾイ
ル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、
エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基など
が用いられる。また、エーテル化に適する基としては、
例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチ
ル基などである。チロシンのフェノール性水酸基の保護
基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−ニトロベン
ジル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。ヒスチジン
のイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4-メ
トキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベ
ンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用い
られる。
【0034】保護基で保護された(粗)LH−RH誘導
体としては、上記のLH−RH誘導体の構成アミノ酸の
α−アミノ基と側鎖官能基を上記の保護基で保護したも
のなどがあげられる。保護基で保護されたLH−RH誘
導体として、具体的には、例えば、式(III) 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg(X)-Pro-Z 〔式中、Xは保護基を、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(t
Bu)、D2NalおよびDHis(ImBzl)から選ばれる残基を、Z
はNH-C2H5またはGly-NH2をそれぞれ示す〕で表されるペ
プチドまたはその塩などがあげられる。式(III)中、
Xで表される保護基としては、例えば、Z、Boc、t−
ペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボ
ニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl-Z、
Br-Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロア
セチル、フタロイル、ニトロ、ホルミル、2−ニトロフ
ェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、
Fmoc、p−メトキシベンゼンスルホニルなどが用いられ
るが、特にp−メトキシベンゼンスルホニルなどが好ま
しい。式(III)で表されるペプチドの塩としては、例
えば、上述の塩と同様なものが用いられる。また、式
(III)で表されるペプチドまたはその塩は、上述の自
体公知のペプチド合成法によって製造することができる
が、具体的には、例えば、 WO 97/48726号
に記載の方法またはそれに準じた方法により、製造する
ことができる。
【0035】保護基の除去方法(脱保護反応)として
は、例えば、Pd−黒あるいはPd-炭素などの触媒の
存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ
化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液など
(好ましくはメタンスルホン酸など)による酸処理や、
ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペ
リジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アン
モニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記
の脱保護反応は、一般に約40℃以下の温度で行なわれ
るが、脱保護反応を約25℃以下、好ましくは約5℃〜
約15℃、さらに好ましくは約8℃〜約12℃で行うこ
とにより、LH−RH誘導体のラセミ化異性体(具体的
には、上記のリュープロレリン(酢酸リュープロレリ
ン)の場合には、リュープロレリン(酢酸リュープロレ
リン)のD-His2体)の副生を効果的に抑制することがで
きる。酸処理においては、例えば、アニソール、フェノ
ール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、ジメチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-
エタンジチオールなど(好ましくはフェノールなど)の
ようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒス
チジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4-ジニ
トロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、
トリプトファンのインドール保護基として用いられるホ
ルミル基は上記の1,2-エタンジチオール、1,4-ブタンジ
チオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希
水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカ
リ処理によっても除去される。
【0036】上記の脱保護反応の反応時間は通常約1〜
約10時間、好ましくは約2時間〜約5時間、さらに好
ましくは、約2時間〜約3時間である。より具体的な保
護基の除去(脱保護)方法としては、例えば、式(II
I)で表されるペプチドまたはその塩を脱保護反応に付
す場合には、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいは
これらの混合液など(好ましくはメタンスルホン酸な
ど)による酸処理が好ましい方法としてあげられる。ま
た、このときに、例えば、アニソール、フェノール、チ
オアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメ
チルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタンジ
チオールなど(好ましくはフェノールなど)のカチオン
捕捉剤を添加することが好ましい。脱保護反応は、一般
に約40℃以下の温度で行なわれるが、約25℃以下、
好ましくは約5℃〜約15℃、さらに好ましくは約8℃
〜約12℃で行うことにより、LH−RH誘導体のラセ
ミ化異性体(具体的には、上記のリュープロレリン(酢
酸リュープロレリン)の場合には、リュープロレリン
(酢酸リュープロレリン)のD-His2体)の副生を効果的
に抑制することができる。原料の反応に関与すべきでな
い官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱
離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基また
は公知の手段から適宜選択しうる。
【0037】 脱保護反応後の後処理工程 まず、上記の脱保護反応によって得られたLH−RH
誘導体を含有する溶液(反応液)を中和する。中和液と
しては、公知のものから適宜選択されるが、例えば、脱
保護反応が酸処理により行われた場合には、水酸化ナト
リウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、炭酸ナトリウム
水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、アンモニア水、ト
リエチルアミンなど(好ましくは、炭酸ナトリウム水溶
液など)が、脱保護反応が塩基処理により行われた場合
には、塩酸、酢酸など(好ましくは、塩酸など)が用い
られる。中和反応は一般に約40℃以下の温度で行なわ
れるが、中和反応を約10℃以下、好ましくは約5℃以
下、さらに好ましくは約−5℃〜約5℃で行うことによ
り、LH−RH誘導体のラセミ化異性体(具体的には、
上記のリュープロレリン(酢酸リュープロレリン)の場
合には、リュープロレリン(酢酸リュープロレリン)の
D-Trp3体)の副生を効果的に抑制することができる。次
に、中和液の有機層を取得後、緩衝液(例えば、酢酸ナ
トリウム水溶液、酢酸アンモニウム水溶液、塩化アンモ
ニウム水溶液、リン酸ナトリウム水溶液、リン酸アンモ
ニウム水溶液など(好ましくは、酢酸ナトリウム水溶液
など))を添加して、LH−RH誘導体を水層に転溶す
る。また、緩衝液のpHは約3〜約5、好ましくは約
3.9〜約4.3に調整することが好ましい。水層を酢
酸エチル、酢酸メチル、トルエン、塩化メチレンまたは
エーテルなど(好ましくは、酢酸エチルなど)で洗浄
し、自体公知の方法で濃縮を行い、酢酸、塩酸またはリ
ン酸など(好ましくは、酢酸など)のpH調節剤で溶液
のpHを約4〜約6、好ましくは約4.3〜約4.7に
調節してLH−RH誘導体を含有する水溶液を得ること
ができる。上記の中和液の有機層を取得してからLH−
RH誘導体を含有する水溶液を取得するまでの一連の工
程は一般に約40℃以下の温度で行なわれるが、これら
の工程を約0℃〜約10℃、好ましくは約3℃〜約7℃
で行うことにより、LH−RH誘導体のラセミ化異性体
(具体的には、上記のリュープロレリン(酢酸リュープ
ロレリン)の場合には、リュープロレリン(酢酸リュー
プロレリン)のD-Trp3体)の副生を効果的に抑制するこ
とができる。本発明の製造方法により得られるLH−R
H誘導体は従来の技術により得られるLH−RH誘導体
に比べ、不純物(LH−RH誘導体のラセミ化異性体、
高極性類縁物質、その他の不純物)の量が大幅に少ない
極めて高品質のLH−RH誘導体である。また、従来の
技術では、LH−RH誘導体を精製するには、合成吸着
樹脂処理工程またはイオン交換樹脂処理工程を数度にわ
たり繰り返さねばならないが、本発明では2度の合成吸
着樹脂処理工程で十分な精製を効果的に行うことがで
き、作業時間を短縮し、高収率でLH−RH誘導体を製
造することができる。この点からも従来技術に比べ、本
発明の製造法はLH−RH誘導体の工業的製造法として
極めて有利な方法である。上記のとおり、本発明の製造
方法により、非常に高品質のLH−RH誘導体を高収量
で得ることができる。
【0038】「高品質のLH−RH誘導体」としてより
具体的には、例えば、総類縁物質の含量が約1%以下
(好ましくは約0.9%以下、より好ましくは約0.8
%以下、更に好ましくは約0.7%以下)である精製L
H−RH誘導体(好ましくは、精製リュープロレリンま
たはその塩など)などがあげられる。ここで、総類縁物
質とは、高速液体クロマトグラフィー等により検出され
る、全ての不純物の合計を意味し、不純物としては、L
H−RH誘導体のラセミ化異性体、高極性類縁物質、そ
の他の不純物である。さらに具体的には、例えば、精製
LH−RH誘導体が精製リュープロレリンまたはその塩
である場合、 5-oxo-Pro-D-His-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-
Leu-Arg-Pro-NH-CH2-CH3またはその塩の含量が約0.3
%以下(このましくは約0.25%以下、更に好ましく
は、約0.2%以下)である精製リュープロレリンまた
はその塩、 5-oxo-Pro-His-Trp-D-Ser-Tyr-D-Leu-Le
u-Arg-Pro-NH-CH2-CH3またはその塩の含量が約0.15
%以下(このましくは約0.1%以下、更に好ましく
は、約0%)である精製リュープロレリンまたはその
塩、5-oxo-Pro-His-D-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pr
o-NH-CH2-CH3またはその塩の含量が約0.2%以下(こ
のましくは約0.15%以下、更に好ましくは、約0.
1%)である精製リュープロレリンまたはその塩などが
あげられる。上記の精製LH−RH誘導体は、低毒性で
あり、哺乳動物(例、ヒト、サル、イヌ、ラット、マウ
ス)に対して、前立腺癌,良性前立腺肥大,子宮内膜
症,子宮筋腫,子宮線維腫,思春期早発症,乳癌、卵巣
癌、子宮頸癌等の性ホルモン依存性疾患あるいはアルツ
ハイマーの予防または治療薬として、投与することがで
きる。また、上記の精製LH−RH誘導体は、必要に応
じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、徐
放性製剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ
以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸
濁液剤、徐放性製剤などの注射剤、または溶液、懸濁液
剤などの経鼻投与製剤の形で非経口的に投与できる。上
記の精製LH−RH誘導体を生理学的に認められる公知
の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、
結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求さ
れる単位用量形態で混和することによって上記製剤を製
造することができる。
【0039】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えばゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアル
コール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート
80(TM)、HCO−50)などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。また、上記製剤は、例え
ば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、
塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アル
ブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例え
ば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止
剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適
当なアンプルに充填される。上記の精製LH−RH誘導
体を含有してなる徐放性製剤は、自体公知の方法、例え
ば、特開昭60−100516号、特開昭62−201
816号、特開平4−321622号、特開平6−19
2068号、特開平9−132524号、特開平9−2
21417号、特開平11−279054号、WO 9
9/360099号公報などに記載の方法に従って製造
することができる。
【0040】上記の精製LH−RH誘導体の投与量は、
対象疾病、対象動物などによって種々異なるが、1回当
たりの投与量としては、例えば、好ましくは成人の前立
腺癌患者1人当たり約 0.01 mg-100 mg/kg体重の範囲か
ら適宜選ぶことができる。さらに好ましくは約 0.05 mg
-50 mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。該上
記の精製LH−RH誘導体を含有する徐放性製剤の投与
量は、例えば、薬効期間が1ヶ月である徐放性製剤の場
合、1回当たりの徐放性製剤の投与量は成人の前立腺癌
患者1人当たり好ましくは,約 0.1 mg-500 mg/kg体重
の範囲から適宜選ぶことができる。さらに好ましくは約
0.2 mg-300 mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができ
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を具
体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定するもの
ではない。
【0042】
【実施例】実施例1 5-オキソ-L-プロリル-L-ヒスチジ
ル-L-トリプトフィル-L-セリル-L-チロシル-D-ロイシル
-L-ロイシル-L-アルギニル-N-エチル-L-プロリンアミド
(リュープロレリン、リュープロライド、Leuprolide)
の製造(1) メタンスルホン酸748gとフェノール56gの混液に、5-オ
キソ-L-プロリル-L-ヒスチジル-L-トリプトフィル-L-セ
リル-L-チロシル-D-ロイシル-L-ロイシル-Nω-p-メトキ
シベンゼンスルホニル-L-アルギニル-N-エチル-L-プロ
リンアミド68.35g(純量52.92g)を加え、8〜12℃で約3
時間反応した。炭酸カリウム(646g)水溶液(水1896m
L)と酢酸エチル396mLの混液に、反応液を-5〜5℃で加
え、続いて3〜7℃で30分間攪拌し中和した。分液後、有
機層に0.11M酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.9〜4.3)2316m
Lを加えて、3〜7℃で攪拌し抽出した。酢酸でpH4.3〜4.
7に調整し、酢酸エチル372mLを加えた後、分液した。水
層を酢酸エチル372mLで、3〜7℃で洗浄した。水層を25
℃以下で減圧濃縮後、酢酸でpH4.3〜4.7に調整し、Leup
rolideの水溶液(1)を得た。 Leuprolide acetate収量:44.26g(90.9%) 高速液体クロマトグラフィー品質(対Leuprolideピーク
面積比率):D-Trp3体;不検出,D-Ser4体;不検出,D-
His2体;0.27%,L-Leu6体;1.14%
【0043】実施例2 5-オキソ-L-プロリル-L-ヒスチ
ジル-L-トリプトフィル-L-セリル-L-チロシル-D-ロイシ
ル-L-ロイシル-L-アルギニル-N-エチル-L-プロリンアミ
ド(Leuprolide)の製造(2) Leuprolideの水溶液(1)5600g(Leuprolide acetate 85.
46g)をメタクリル系合成吸着樹脂(HP2MG:三菱
化学)5500mLのカラムクロマトに3〜7℃で通液した。0.
3M酢酸ナトリウム水溶液(pH6.3)11000mL、0.025M酢酸
アンモニウム水溶液13750mL、10容量%エタノール水溶
液19250mLを、3〜7℃で順次通液し洗浄した。3〜7℃
で、0.05M酢酸水溶液41250mLを通液し溶離を行った。有
効区を集め、35℃以下で減圧濃縮を行い、Leuprolideの
水溶液(2)を得た。 Leuprolide acetate収量:73.77g(86.3%) 高速液体クロマトグラフィー品質(対Leuprolideピーク
面積比率):D-Trp3体;0.11%,D-Ser4体;0.03%,D-Hi
s2体;0.24%,L-Leu6体;0.42%
【0044】実施例3 5-オキソ-L-プロリル-L-ヒスチ
ジル-L-トリプトフィル-L-セリル-L-チロシル-D-ロイシ
ル-L-ロイシル-L-アルギニル-N-エチル-L-プロリンアミ
ド(Leuprolide)の製造(3) Leuprolideの水溶液(2)3731g(Leuprolide acetate 73.
54g)を芳香族系合成吸着樹脂の小粒径品(HP20S
S:三菱化学)2200mLのカラムクロマトに13〜17℃で通
液した。0.1M酢酸ナトリウム水溶液(pH6.3)6600mL、
0.01M酢酸アンモニウム水溶液9900mL、水2200mLを、13
〜17℃で順次通液し洗浄した。13〜17℃で、20容量%エ
タノール水溶液8800mL、35容量%エタノール水溶液8800
mLで順次溶離を行った。有効区を集め35℃以下で減圧濃
縮を行い、Leuprolideの水溶液(3)を得た。 Leuprolide acetate収量:64.55g(87.8%) 高速液体クロマトグラフィー品質(対Leuprolideピーク
面積比率):D-Trp3体;0.12%,D-Ser4体;0.04%,D-Hi
s2体;0.18%,L-Leu6体;不検出
【0045】実施例4 5-オキソ-L-プロリル-L-ヒスチ
ジル-L-トリプトフィル-L-セリル-L-チロシル-D-ロイシ
ル-L-ロイシル-L-アルギニル-N-エチル-L-プロリンアミ
ド一酢酸塩 (Leuprolide acetate)の製造(4) Leuprolideの水溶液(3)436.7g(Leuprolide acetate 6
3.90g)を架橋デキストランゲル(Sephadex LH-20:フ
ァルマシア)2350mLを用いてカラムクロマトを行い、0.
005N酢酸水溶液で溶出させた。有効区を集め、活性炭1.
16gで脱色を行った。活性炭を濾去後、35℃以下で減圧
濃縮し、濃縮液を限外濾過した。濾過液を凍結乾燥し、
Leuprolide acetateの凍結乾燥品60.38gを得た。 Leuprolide acetate収量:60.02g(98.9%) 高速液体クロマトグラフィー品質(対Leuprolideピーク
面積比率):D-Trp3体;0.11%,D-Ser4体;0.03%,D-Hi
s2体;0.18%,L-Leu6体;不検出
【0046】実施例5 5-オキソ-L-プロリル-L-ヒスチ
ジル-L-トリプトフィル-L-セリル-L-チロシル-D-ロイシ
ル-L-ロイシル-L-アルギニル-N-エチル-L-プロリンアミ
ド(Leuprolide)の製造(3') Leuprolideの水溶液(2)200L(Leuprolide acetate 4080
g)を、芳香族系合成吸着樹脂の小粒径品(HP20S
S:三菱化学)120Lのカラムクロマトに13〜17℃で通液
した。0.1mol/L酢酸ナトリウム水溶液(pH6.3)360L、
0.01mol/L酢酸アンモニウム水溶液540L、水120Lを13〜1
7℃で順次通液し洗浄した。13〜17℃で、15容量%エタ
ノール水溶液(酢酸0.01W/V%を含む)960L、20容量%エ
タノール水溶液(酢酸0.01W/V%を含む)480L、30容量%
エタノール水溶液(酢酸0.01W/V%を含む)360Lで順次溶
離を行った。有効区を集め35℃以下で減圧濃縮を行い、
Leuprolideの水溶液を得た。 Leuprolide acetate収量:3527g(86.4%) 高速液体クロマトグラフィー品質(対Leuprolideピーク
面積比率):D-Trp3体;0.13%,D-Ser4体;0.04%,D-Hi
s2体;0.25%,L-Leu6体;不検出
【0047】
【発明の効果】本発明の製造方法により、LH−RH誘
導体のラセミ化異性体などの不純物の副生を抑制し、か
つラセミ化異性体などの不純物を効率的に除去すること
が可能になるため、極めて高品質のLH−RH誘導体を
製造することが可能になる。また、本発明の製造方法で
は2度の合成吸着樹脂処理工程で十分な精製を効果的に
行うことができ、容易な操作で効率よくかつ煩雑は個液
分離操作もなく、高収率でLH−RH誘導体を製造する
ことができる。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】LH−RH誘導体を含有する溶液をメタク
    リル系合成吸着樹脂処理工程および芳香族系合成吸着樹
    脂処理工程に付すことを特徴とするLH−RH誘導体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】LH−RH誘導体が、式 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg-Pro-Z 〔式中、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(tBu)、D2Nalおよ
    びDHis(ImBzl)から選ばれる残基を、ZはNH-C2H5または
    Gly-NH2をそれぞれ示す〕で表されるペプチドまたはそ
    の塩である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】LH−RH誘導体が、式 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-DLeu-Leu-Arg-Pro-NH-C2H5 で表されるぺプチドまたはその酢酸塩である請求項1記
    載の製造方法。
  4. 【請求項4】式 【化1】 で表される繰り返し単位を有するメタクリル系合成吸着
    樹脂を用いることを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】芳香族系合成吸着樹脂がスチレン−ジビニ
    ルベンゼン系合成吸着樹脂である請求項1記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】スチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着樹
    脂の平均粒径が約60μmないし約150μmである請
    求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】LH−RH誘導体を含有する溶液を約10℃
    以下でメタクリル系合成吸着樹脂処理工程に付すことを
    特徴とする請求項1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】LH−RH誘導体を含有する溶液を約10℃
    ないし約20℃で芳香族系合成吸着樹脂処理工程に付すこ
    とを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  9. 【請求項9】LH−RH誘導体を含有する溶液をメタク
    リル系合成吸着樹脂処理工程に付した後、芳香族系合成
    吸着樹脂処理工程に付すことを特徴とする請求項1記載
    の製造方法。
  10. 【請求項10】LH−RH誘導体を含有する溶液をメタ
    クリル系合成吸着樹脂処理工程において樹脂に通液させ
    た後、樹脂に吸着されたLH−RH誘導体を酢酸水溶液
    で溶出することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  11. 【請求項11】酢酸水溶液の濃度が約0.01Mないし約0.
    50Mである請求項10記載の製造方法。
  12. 【請求項12】LH−RH誘導体を含有する溶液をメタ
    クリル系合成吸着樹脂処理工程において樹脂に通液させ
    た後、エタノール水溶液で洗浄し、樹脂に吸着されたL
    H−RH誘導体を溶出することを特徴とする請求項1記
    載の製造方法。
  13. 【請求項13】LH−RH誘導体を含有する溶液が保護
    基で保護されたLH−RH誘導体を脱保護反応に付した
    後、約10℃以下で中和反応に付して得られたLH−RH
    誘導体を含有する溶液である請求項1記載の製造方法。
  14. 【請求項14】LH−RH誘導体を含有する溶液が保護
    基で保護されたLH−RH誘導体を脱保護反応に付した
    後、約10℃以下で中和反応に付し、LH−RH誘導体を
    抽出した後、抽出液を25℃以下で濃縮して得られたLH
    −RH誘導体を含有する溶液である請求項1記載の製造
    方法。
  15. 【請求項15】保護基で保護されたLH−RH誘導体
    が、式 5-oxo-Pro-His-Trp-Ser-Tyr-Y-Leu-Arg(X)-Pro-Z 〔式中、Xは保護基を、YはDLeu、DAla、DTrp、DSer(t
    Bu)、D2NalおよびDHis(ImBzl)から選ばれる残基を、Z
    はNH-C2H5またはGly-NH2をそれぞれ示す〕で表される請
    求項13または14記載の製造方法。
  16. 【請求項16】総類縁物質の含量が約1%以下である精
    製リュープロレリンまたはその塩。
  17. 【請求項17】5-oxo-Pro-D-His-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-Le
    u-Arg-Pro-NH-CH2-CH3またはその塩の含量が約0.3%
    以下である精製リュープロレリンまたはその塩。
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