JP2001072193A - 飲料供給装置などに用いる積層冷却コイル - Google Patents
飲料供給装置などに用いる積層冷却コイルInfo
- Publication number
- JP2001072193A JP2001072193A JP25175999A JP25175999A JP2001072193A JP 2001072193 A JP2001072193 A JP 2001072193A JP 25175999 A JP25175999 A JP 25175999A JP 25175999 A JP25175999 A JP 25175999A JP 2001072193 A JP2001072193 A JP 2001072193A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- laminated
- cooling coil
- inner layer
- pipe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B67—OPENING, CLOSING OR CLEANING BOTTLES, JARS OR SIMILAR CONTAINERS; LIQUID HANDLING
- B67D—DISPENSING, DELIVERING OR TRANSFERRING LIQUIDS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B67D1/00—Apparatus or devices for dispensing beverages on draught
- B67D1/0042—Details of specific parts of the dispensers
- B67D1/0043—Mixing devices for liquids
- B67D1/0051—Mixing devices for liquids for mixing outside the nozzle
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B67—OPENING, CLOSING OR CLEANING BOTTLES, JARS OR SIMILAR CONTAINERS; LIQUID HANDLING
- B67D—DISPENSING, DELIVERING OR TRANSFERRING LIQUIDS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B67D1/00—Apparatus or devices for dispensing beverages on draught
- B67D1/0015—Apparatus or devices for dispensing beverages on draught the beverage being prepared by mixing at least two liquid components
- B67D1/0021—Apparatus or devices for dispensing beverages on draught the beverage being prepared by mixing at least two liquid components the components being mixed at the time of dispensing, i.e. post-mix dispensers
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B67—OPENING, CLOSING OR CLEANING BOTTLES, JARS OR SIMILAR CONTAINERS; LIQUID HANDLING
- B67D—DISPENSING, DELIVERING OR TRANSFERRING LIQUIDS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B67D1/00—Apparatus or devices for dispensing beverages on draught
- B67D1/08—Details
- B67D1/0857—Cooling arrangements
- B67D1/0858—Cooling arrangements using compression systems
- B67D1/0861—Cooling arrangements using compression systems the evaporator acting through an intermediate heat transfer means
- B67D1/0864—Cooling arrangements using compression systems the evaporator acting through an intermediate heat transfer means in the form of a cooling bath
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)
- Confectionery (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
- Beverage Vending Machines With Cups, And Gas Or Electricity Vending Machines (AREA)
- Devices For Dispensing Beverages (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱伝導性がよく、微生物の繁殖を防止し、か
つガスガリア性に優れるとともに、コンパクト化が可能
である飲料供給装置などに用いる積層冷却コイルを提供
する。 【解決手段】 飲料供給装置もしくは食品調理器におい
て飲料もしくは食品が通過する冷却コイルであって、金
属で形成された外層と、この外層の内側に積層されてい
る押出成形によって形成された樹脂内層とから成る積層
冷却コイルを用いる。前記樹脂内層が前記外層の内側に
接着剤により積層されており、前記樹脂内層を形成する
樹脂として、通過する飲料もしくは食品の表面張力より
小さい表面張力を有する樹脂を用いることが好ましい。
つガスガリア性に優れるとともに、コンパクト化が可能
である飲料供給装置などに用いる積層冷却コイルを提供
する。 【解決手段】 飲料供給装置もしくは食品調理器におい
て飲料もしくは食品が通過する冷却コイルであって、金
属で形成された外層と、この外層の内側に積層されてい
る押出成形によって形成された樹脂内層とから成る積層
冷却コイルを用いる。前記樹脂内層が前記外層の内側に
接着剤により積層されており、前記樹脂内層を形成する
樹脂として、通過する飲料もしくは食品の表面張力より
小さい表面張力を有する樹脂を用いることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飲料供給装置など
に用いる積層冷却コイルに関するものであり、さらに詳
しくは飲料供給装置もしくは食品調理器においてジュー
ス、コーヒー、ビール、水、茶などの飲料もしくはクリ
ーム、ソフトクリーム、ムース、スープなどの流動性の
ある食品が通過するのに用いられる積層冷却コイルに関
するものである。
に用いる積層冷却コイルに関するものであり、さらに詳
しくは飲料供給装置もしくは食品調理器においてジュー
ス、コーヒー、ビール、水、茶などの飲料もしくはクリ
ーム、ソフトクリーム、ムース、スープなどの流動性の
ある食品が通過するのに用いられる積層冷却コイルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飲料などの供給装置に使用する伝
熱配管としてステンレス管などの金属管が使用されてい
たが、微生物が入りこんで増殖したり、内面に商品の一
部、また、水に溶解したCaやMgなどのスケールが堆
積し、配管内面が汚れると云った問題点があった。この
ような問題を解決するために、ステンレス管の替わりに
フッ素樹脂またはポリエチレン樹脂などで作ったプラス
チックチューブを束ねて使用することが提案されている
(特開平2−169992号公報)。しかし、フッ素樹
脂またはポリエチレン樹脂などのプラスチックチューブ
は飲料などの供給装置に使用する伝熱配管の素材として
使用するには、熱伝導性が悪い、チューブを束ねて使用
するので装置が大型化する、酸素透過度が高くガスバリ
ア性が悪いなどの問題があった。
熱配管としてステンレス管などの金属管が使用されてい
たが、微生物が入りこんで増殖したり、内面に商品の一
部、また、水に溶解したCaやMgなどのスケールが堆
積し、配管内面が汚れると云った問題点があった。この
ような問題を解決するために、ステンレス管の替わりに
フッ素樹脂またはポリエチレン樹脂などで作ったプラス
チックチューブを束ねて使用することが提案されている
(特開平2−169992号公報)。しかし、フッ素樹
脂またはポリエチレン樹脂などのプラスチックチューブ
は飲料などの供給装置に使用する伝熱配管の素材として
使用するには、熱伝導性が悪い、チューブを束ねて使用
するので装置が大型化する、酸素透過度が高くガスバリ
ア性が悪いなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、伝熱管の内面
に、塗料を塗布したり、ゾル−ゲル化処理により薄い皮
膜をコーテイングすることが試みられたが、皮膜の膜厚
制御が困難であり、またピンホールが発生したり、発生
したピンホールの確認が困難であるなどの問題がある
上、飲料などを流した場合、皮膜が摩耗して耐久性が損
なわれたり、摩耗粉が飲料などの商品に混入する問題が
あった。本発明の目的は、従来の諸問題を改善し、熱伝
導性がよく、微生物の繁殖を防止し、かつガスガリア性
に優れ、コンパクトにすることが可能な冷却コイルを提
供することである。
に、塗料を塗布したり、ゾル−ゲル化処理により薄い皮
膜をコーテイングすることが試みられたが、皮膜の膜厚
制御が困難であり、またピンホールが発生したり、発生
したピンホールの確認が困難であるなどの問題がある
上、飲料などを流した場合、皮膜が摩耗して耐久性が損
なわれたり、摩耗粉が飲料などの商品に混入する問題が
あった。本発明の目的は、従来の諸問題を改善し、熱伝
導性がよく、微生物の繁殖を防止し、かつガスガリア性
に優れ、コンパクトにすることが可能な冷却コイルを提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記従来技術の課題を解
決するための請求項1の発明は、飲料供給装置もしくは
食品調理器において飲料もしくは食品が通過する冷却コ
イルであって、金属で形成された外層と、この外層の内
側に積層されている押出成形によって形成された樹脂内
層とから成ることを特徴とする飲料供給装置などに用い
る積層冷却コイルに関するものである。
決するための請求項1の発明は、飲料供給装置もしくは
食品調理器において飲料もしくは食品が通過する冷却コ
イルであって、金属で形成された外層と、この外層の内
側に積層されている押出成形によって形成された樹脂内
層とから成ることを特徴とする飲料供給装置などに用い
る積層冷却コイルに関するものである。
【0005】請求項2の発明は、請求項1記載の積層冷
却コイルにおいて、前記樹脂内層が前記外層の内側に接
着剤により積層されていることを特徴とするものであ
る。
却コイルにおいて、前記樹脂内層が前記外層の内側に接
着剤により積層されていることを特徴とするものであ
る。
【0006】請求項3の発明は、請求項1あるいは請求
項2記載の積層冷却コイルにおいて、前記樹脂内層を形
成する樹脂として、通過する飲料もしくは食品の表面張
力より小さい表面張力を有する樹脂を用いることを特徴
とするものである。
項2記載の積層冷却コイルにおいて、前記樹脂内層を形
成する樹脂として、通過する飲料もしくは食品の表面張
力より小さい表面張力を有する樹脂を用いることを特徴
とするものである。
【0007】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
のいずれかに記載の積層冷却コイルにおいて、前記樹脂
内層を押出成形によって形成する際、結晶化を抑制して
非結晶質部分を多くするために急冷を実施したことを特
徴とするものである。
のいずれかに記載の積層冷却コイルにおいて、前記樹脂
内層を押出成形によって形成する際、結晶化を抑制して
非結晶質部分を多くするために急冷を実施したことを特
徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の外層を形成する金属としては、具体的には、例え
ば、ステンレススチール、アルミニウムあるいはアルミ
ニウム合金、銅あるいは銅合金などを挙げることができ
る。しかし、アルミニウムあるいはアルミニウム合金は
耐食性に問題があるため、例えば外層と内層とを樹脂被
覆する必要がある問題があり、銅あるいは銅合金は毒性
の問題がある。したがってこれらの金属の中ではステン
レススチールが好ましく使用できる。ステンレススチー
ルを用いると樹脂内層に万一ピンホールがあったり、一
部剥離があっても安全性が確保される利点がある。
発明の外層を形成する金属としては、具体的には、例え
ば、ステンレススチール、アルミニウムあるいはアルミ
ニウム合金、銅あるいは銅合金などを挙げることができ
る。しかし、アルミニウムあるいはアルミニウム合金は
耐食性に問題があるため、例えば外層と内層とを樹脂被
覆する必要がある問題があり、銅あるいは銅合金は毒性
の問題がある。したがってこれらの金属の中ではステン
レススチールが好ましく使用できる。ステンレススチー
ルを用いると樹脂内層に万一ピンホールがあったり、一
部剥離があっても安全性が確保される利点がある。
【0009】本発明の積層冷却コイルはこの外層の内側
に押出成形によって形成された樹脂内層が積層されて形
成されている。樹脂の押出成形は、塗料を塗布したり、
ゾル−ゲル化処理による方法に比べて容易であり、公知
の押出成形方法を用いて連続的に成形できるので経済的
である上、厚さ制御が容易であり、ピンホールが発生し
難い利点がある。本発明で用いる樹脂は押出成形が可能
な樹脂であれば特に限定されない。しかし、下記特性
(1)〜(4)を有する樹脂は好ましく使用できる。 (1)外層の内側に直接あるいは接着剤を介して耐久性
よく強固に接着して積層できて、使用中などに剥離しな
い。 (2)樹脂内層として使用した際に温度による収縮が比
較的に小さい。 (3)適度な柔軟性を有し内層パイプ(チューブ)など
にした場合にキンクして折れない。 (4)加熱して延伸したりあるいは加圧空気などの気体
によりブローアップした時に破れたりせず容易に延伸、
ブローアップ、拡径できる。
に押出成形によって形成された樹脂内層が積層されて形
成されている。樹脂の押出成形は、塗料を塗布したり、
ゾル−ゲル化処理による方法に比べて容易であり、公知
の押出成形方法を用いて連続的に成形できるので経済的
である上、厚さ制御が容易であり、ピンホールが発生し
難い利点がある。本発明で用いる樹脂は押出成形が可能
な樹脂であれば特に限定されない。しかし、下記特性
(1)〜(4)を有する樹脂は好ましく使用できる。 (1)外層の内側に直接あるいは接着剤を介して耐久性
よく強固に接着して積層できて、使用中などに剥離しな
い。 (2)樹脂内層として使用した際に温度による収縮が比
較的に小さい。 (3)適度な柔軟性を有し内層パイプ(チューブ)など
にした場合にキンクして折れない。 (4)加熱して延伸したりあるいは加圧空気などの気体
によりブローアップした時に破れたりせず容易に延伸、
ブローアップ、拡径できる。
【0010】このような特性を有する樹脂としては、具
体的には例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリアセタール系樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹
脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルアルコールケン化物
系樹脂、エチレンービニルアルコール共重合体系樹脂な
どおよびこれらの混合物やアロイなどの熱可塑性樹脂や
エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノー
ル系樹脂、ユリア・メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、シリコーン系樹脂、紫外線硬化系樹脂、電子線硬化
系樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。この
ように、その外層の内側に押出成形によって形成された
樹脂を内層として積層した積層コイルは、外層が金属で
あるために熱伝導性がよく、かつ酸素を透過せずガスバ
リア性に優れるとともに、内層を押出にて形成すること
でその膜厚を調整することが可能なことから、薄い樹脂
内層が実現できる為に内層での熱伝導性も向上する。し
かも、飲料もしくは食品と直接接触する内層は樹脂であ
る為に飲料や食品などの一部やスケールが堆積しにく
く、堆積物が飲料や食品に含まれる細菌や微生物の温床
となって繁殖することが効果的に防止される。
体的には例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリアセタール系樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹
脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルアルコールケン化物
系樹脂、エチレンービニルアルコール共重合体系樹脂な
どおよびこれらの混合物やアロイなどの熱可塑性樹脂や
エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノー
ル系樹脂、ユリア・メラミン系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、シリコーン系樹脂、紫外線硬化系樹脂、電子線硬化
系樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。この
ように、その外層の内側に押出成形によって形成された
樹脂を内層として積層した積層コイルは、外層が金属で
あるために熱伝導性がよく、かつ酸素を透過せずガスバ
リア性に優れるとともに、内層を押出にて形成すること
でその膜厚を調整することが可能なことから、薄い樹脂
内層が実現できる為に内層での熱伝導性も向上する。し
かも、飲料もしくは食品と直接接触する内層は樹脂であ
る為に飲料や食品などの一部やスケールが堆積しにく
く、堆積物が飲料や食品に含まれる細菌や微生物の温床
となって繁殖することが効果的に防止される。
【0011】前述したように内層に用いる樹脂は押出成
形が可能な樹脂であれば特に限定されないが、飲料や食
品または微生物が付着しないと言う観点から好ましい樹
脂について説明する。一般的に、飲料や食品などが接触
する表面へ飲料、食品、微生物、無機物などが付着する
形態としては、表面の凹凸の中に単純に絡まっている場
合、分子間の引力によるものでファンデル・ワールス力
と呼ばれるもので結合している場合、静電気的な性質に
よって付着している場合、表面分子と弱い化学結合によ
って結合している場合、表面内部に浸透、拡散している
場合などが考えられる。したがって飲料、食品、微生
物、スケールの付着を効果的に防止するためには、表面
自由エネルギーを低下させて揆水性、防汚効果を上げる
とともに、電気的に中性化し、表面の凹凸をなくし、停
滞する凹部をなくすことが必要となる。
形が可能な樹脂であれば特に限定されないが、飲料や食
品または微生物が付着しないと言う観点から好ましい樹
脂について説明する。一般的に、飲料や食品などが接触
する表面へ飲料、食品、微生物、無機物などが付着する
形態としては、表面の凹凸の中に単純に絡まっている場
合、分子間の引力によるものでファンデル・ワールス力
と呼ばれるもので結合している場合、静電気的な性質に
よって付着している場合、表面分子と弱い化学結合によ
って結合している場合、表面内部に浸透、拡散している
場合などが考えられる。したがって飲料、食品、微生
物、スケールの付着を効果的に防止するためには、表面
自由エネルギーを低下させて揆水性、防汚効果を上げる
とともに、電気的に中性化し、表面の凹凸をなくし、停
滞する凹部をなくすことが必要となる。
【0012】表面を形成する材質と液体の濡れの関係
は、Zismanが表面自由エネルギーの目安として提
唱した臨界表面張力(γc)[接着の科学:著者:竹本
喜一、三刀基郷、講談社 1997]を用いて説明され
る。すなわち、ある液体がある固体を濡らすためには、
その固体に対する液体の表面張力(γ)がその液体の臨
界表面張力(γc)より小さい値であることが必要であ
る。ちなみに、水、油、メチルアルコールの臨界表面張
力(γc)(mN/m)(温度20℃、接触させる気体
は空気である)は、水が72.75、油が32、メチル
アルコールが22.27であり、一方、フッ素系樹脂で
あるポリテトラフルオロエチレン(PTFE樹脂)が1
8.4、フッ化エチレン・パーフロロアルコキシ共重合
体(PFA樹脂)が10、ポリフッ化ビニリデン(PV
DF樹脂)が33であり、脂肪酸アミン単分子膜が2
4、ポリエチレン(PE樹脂)が31、ポリジメチルシ
ロキサンが24、ポリ塩化ビニルが39、ポリ塩化ビニ
リデンが40、ポリアミド樹脂(ナイロン11)が42
〜46である。
は、Zismanが表面自由エネルギーの目安として提
唱した臨界表面張力(γc)[接着の科学:著者:竹本
喜一、三刀基郷、講談社 1997]を用いて説明され
る。すなわち、ある液体がある固体を濡らすためには、
その固体に対する液体の表面張力(γ)がその液体の臨
界表面張力(γc)より小さい値であることが必要であ
る。ちなみに、水、油、メチルアルコールの臨界表面張
力(γc)(mN/m)(温度20℃、接触させる気体
は空気である)は、水が72.75、油が32、メチル
アルコールが22.27であり、一方、フッ素系樹脂で
あるポリテトラフルオロエチレン(PTFE樹脂)が1
8.4、フッ化エチレン・パーフロロアルコキシ共重合
体(PFA樹脂)が10、ポリフッ化ビニリデン(PV
DF樹脂)が33であり、脂肪酸アミン単分子膜が2
4、ポリエチレン(PE樹脂)が31、ポリジメチルシ
ロキサンが24、ポリ塩化ビニルが39、ポリ塩化ビニ
リデンが40、ポリアミド樹脂(ナイロン11)が42
〜46である。
【0013】上記の各種の液体や固体の臨界表面張力
(γc)のデータからPTFE樹脂、PFA樹脂、PV
DF樹脂、脂肪酸アミン単分子膜、PE樹脂、ポリジメ
チルシロキサン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアミド樹脂(ナイロン11)は程度の差はある
がいずれも揆水性を呈することが判る。しかし、PVD
F樹脂、脂肪酸アミン単分子膜、PE樹脂、ポリジメチ
ルシロキサン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリアミド樹脂(ナイロン11)などは油脂分をはじく
ことが難しいことが判る。それに対して、臨界表面張力
(γc)が20以下のフッ素系樹脂であるPTFE樹
脂、PFA樹脂は優れた揆水性を有するとともに優れた
揆油性を呈する。
(γc)のデータからPTFE樹脂、PFA樹脂、PV
DF樹脂、脂肪酸アミン単分子膜、PE樹脂、ポリジメ
チルシロキサン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアミド樹脂(ナイロン11)は程度の差はある
がいずれも揆水性を呈することが判る。しかし、PVD
F樹脂、脂肪酸アミン単分子膜、PE樹脂、ポリジメチ
ルシロキサン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリアミド樹脂(ナイロン11)などは油脂分をはじく
ことが難しいことが判る。それに対して、臨界表面張力
(γc)が20以下のフッ素系樹脂であるPTFE樹
脂、PFA樹脂は優れた揆水性を有するとともに優れた
揆油性を呈する。
【0014】上記のように樹脂内層用樹脂として、例え
ばポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系
樹脂などあるいはこれらの組成物などを用いることによ
り、微生物が入り込んで内部表面に付着して増殖した
り、飲料や食品などの一部やスケールが堆積するのを抑
制したり防止することができる。
ばポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系
樹脂などあるいはこれらの組成物などを用いることによ
り、微生物が入り込んで内部表面に付着して増殖した
り、飲料や食品などの一部やスケールが堆積するのを抑
制したり防止することができる。
【0015】従来、ステンレススチール製外層内に直接
NaCl含有量が多いシロップを通過させるとステンレ
ススチール表面の酸化物保護膜の不働態が破壊されるた
めにそのようなシロップは販売が不可能であった。しか
し、ステンレススチールの外層の内側に非粘着性であっ
て、かつ自己潤滑性および耐シロップ性に優れたポリオ
レフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂など
あるいはこれらの組成物などの樹脂で形成された樹脂内
層を積層すれば飲料、食品、微生物、無機物の付着を防
止できるとともに、従来販売が不可能であったシロップ
も取り扱うことが可能となる。
NaCl含有量が多いシロップを通過させるとステンレ
ススチール表面の酸化物保護膜の不働態が破壊されるた
めにそのようなシロップは販売が不可能であった。しか
し、ステンレススチールの外層の内側に非粘着性であっ
て、かつ自己潤滑性および耐シロップ性に優れたポリオ
レフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂など
あるいはこれらの組成物などの樹脂で形成された樹脂内
層を積層すれば飲料、食品、微生物、無機物の付着を防
止できるとともに、従来販売が不可能であったシロップ
も取り扱うことが可能となる。
【0016】本発明で使用できるポリオレフィン系樹脂
としては、具体的には、例えば、PE樹脂、ポリプロピ
レン(PP樹脂)、エチレン−α−オレフィン共重合体
樹脂など、これらの2種以上の組み合わせ、これらを含
む組成物などを挙げることができ、本発明で使用できる
フッ素系樹脂あるいはフッ素系樹脂組成物としては、具
体的には、例えば、PTFE樹脂、4フッ化エチレン・
6フッ化プロピレン共重合体(FEP樹脂)、PFA樹
脂、エチレン・テトラフロロエチレン共重合体(ETF
E樹脂)、PVDF樹脂、これらの2種以上の混合物、
これらを含む組成物などを挙げることができ、本発明で
使用できるシリコーン系樹脂は、フェニルメチルシリコ
ーンレジン、メチルシリコーンレジン、変性シリコーン
レジンなどを挙げることができる。
としては、具体的には、例えば、PE樹脂、ポリプロピ
レン(PP樹脂)、エチレン−α−オレフィン共重合体
樹脂など、これらの2種以上の組み合わせ、これらを含
む組成物などを挙げることができ、本発明で使用できる
フッ素系樹脂あるいはフッ素系樹脂組成物としては、具
体的には、例えば、PTFE樹脂、4フッ化エチレン・
6フッ化プロピレン共重合体(FEP樹脂)、PFA樹
脂、エチレン・テトラフロロエチレン共重合体(ETF
E樹脂)、PVDF樹脂、これらの2種以上の混合物、
これらを含む組成物などを挙げることができ、本発明で
使用できるシリコーン系樹脂は、フェニルメチルシリコ
ーンレジン、メチルシリコーンレジン、変性シリコーン
レジンなどを挙げることができる。
【0017】これらのポリオレフィン系樹脂、フッ素系
樹脂、シリコーン系樹脂などの中でも、飲料や食品が通
過して接触する表面へ飲料や食品、微生物などが付着す
るのをより効果的に防止するためには、飲料や食品など
の表面張力より小さい表面張力を有するフッ素系樹脂が
より好ましく使用できる。表面自由エネルギーの低いフ
ッ素系樹脂の静的接触角は、例えば、PTFE樹脂が1
08°、FEP樹脂が105°、PFA樹脂が115°
PVDF樹脂が93°、ETFE樹脂が96°と大き
い。
樹脂、シリコーン系樹脂などの中でも、飲料や食品が通
過して接触する表面へ飲料や食品、微生物などが付着す
るのをより効果的に防止するためには、飲料や食品など
の表面張力より小さい表面張力を有するフッ素系樹脂が
より好ましく使用できる。表面自由エネルギーの低いフ
ッ素系樹脂の静的接触角は、例えば、PTFE樹脂が1
08°、FEP樹脂が105°、PFA樹脂が115°
PVDF樹脂が93°、ETFE樹脂が96°と大き
い。
【0018】また、樹脂内層用樹脂として、飲料や食
品、微生物などが停滞しないように樹脂内層の内表面の
平滑性を向上させるため、樹脂の溶融粘度の低いもの、
例えば106 Pa・s以下の樹脂を用いることが好まし
い。また、樹脂の球晶サイズは通常約50〜100μm
程度(例えば、PFA樹脂)であるが、これより小さい
約5〜20μm程度の球晶サイズの樹脂を使用すること
が好ましい。溶融粘度の高い樹脂(例えば、PTFE樹
脂の溶融粘度は1011Pa・s)は流動性が悪く押出成
形時に表面に凹凸ができ易い。表面の凹凸は飲料や食
品、微生物などが停滞し易いので好ましくない。例え
ば、溶融粘度の高い樹脂もしくは球晶サイズの大きい樹
脂(例えば、PFA樹脂)を用いてチューブを押出成形
して、外面から急冷する場合、チューブの外表面に比較
して内表面は自然冷却に近くなるためポーラスといわれ
る凹凸が形成され易い。溶解した樹脂が冷却されるにつ
れて球晶が成長し、隣り合う球晶とぶつかり合って成長
が止まった時が固化した状態となることがポーラス発生
の原因と考えられる。このようなポーラスには飲料や食
品、微生物などが溜り易いので好ましくない。
品、微生物などが停滞しないように樹脂内層の内表面の
平滑性を向上させるため、樹脂の溶融粘度の低いもの、
例えば106 Pa・s以下の樹脂を用いることが好まし
い。また、樹脂の球晶サイズは通常約50〜100μm
程度(例えば、PFA樹脂)であるが、これより小さい
約5〜20μm程度の球晶サイズの樹脂を使用すること
が好ましい。溶融粘度の高い樹脂(例えば、PTFE樹
脂の溶融粘度は1011Pa・s)は流動性が悪く押出成
形時に表面に凹凸ができ易い。表面の凹凸は飲料や食
品、微生物などが停滞し易いので好ましくない。例え
ば、溶融粘度の高い樹脂もしくは球晶サイズの大きい樹
脂(例えば、PFA樹脂)を用いてチューブを押出成形
して、外面から急冷する場合、チューブの外表面に比較
して内表面は自然冷却に近くなるためポーラスといわれ
る凹凸が形成され易い。溶解した樹脂が冷却されるにつ
れて球晶が成長し、隣り合う球晶とぶつかり合って成長
が止まった時が固化した状態となることがポーラス発生
の原因と考えられる。このようなポーラスには飲料や食
品、微生物などが溜り易いので好ましくない。
【0019】前記フッ素系樹脂の中でも分子中のF含有
量がPFA樹脂、PTFE樹脂と比較して少ないポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF樹脂)は、溶融押出成形が可
能である上、適当な接着剤などを用いれば外層との接着
性がよく、また接着処理時に内層表面を金属ナトリウム
などで処理した上で接着剤を塗布する必要がなく、一旦
外層に積層したポリフッ化ビニリデン樹脂内層は、積層
冷却コイルの樹脂内層に使用された場合、ヒートショッ
クを受けても外層によく接着していて外層からポリフッ
化ビニリデン樹脂内層が剥離することがなく、本発明に
おいて好ましく使用できる。
量がPFA樹脂、PTFE樹脂と比較して少ないポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF樹脂)は、溶融押出成形が可
能である上、適当な接着剤などを用いれば外層との接着
性がよく、また接着処理時に内層表面を金属ナトリウム
などで処理した上で接着剤を塗布する必要がなく、一旦
外層に積層したポリフッ化ビニリデン樹脂内層は、積層
冷却コイルの樹脂内層に使用された場合、ヒートショッ
クを受けても外層によく接着していて外層からポリフッ
化ビニリデン樹脂内層が剥離することがなく、本発明に
おいて好ましく使用できる。
【0020】また、予め成形したポリフッ化ビニリデン
樹脂内層パイプを外層内部に挿入して適宜加熱した後、
内層パイプ内に圧縮空気を吹き込んで内層パイプを膨ら
ませて外層に積層る際、適宜に加熱したポリフッ化ビニ
リデン樹脂内層パイプはよく伸びてピンホールなどがで
きずによく膨らむ特性があり、ブローアップ比、拡径率
を大きくとれる利点がある。
樹脂内層パイプを外層内部に挿入して適宜加熱した後、
内層パイプ内に圧縮空気を吹き込んで内層パイプを膨ら
ませて外層に積層る際、適宜に加熱したポリフッ化ビニ
リデン樹脂内層パイプはよく伸びてピンホールなどがで
きずによく膨らむ特性があり、ブローアップ比、拡径率
を大きくとれる利点がある。
【0021】ポリフッ化ビニリデン樹脂はピンホールな
どの欠陥を生じることなくブローアップ比や拡径率を大
きくとれるので外層内に挿入する内層パイプの径や厚さ
を小さくできるとともに、この内層パイプはしなやかで
柔軟性があるので外層内に挿入し易い。
どの欠陥を生じることなくブローアップ比や拡径率を大
きくとれるので外層内に挿入する内層パイプの径や厚さ
を小さくできるとともに、この内層パイプはしなやかで
柔軟性があるので外層内に挿入し易い。
【0022】ピンホールなどの欠陥が樹脂内層に存在し
ないと、外層が樹脂内層によってよく保護される。ピン
ホールなどの欠陥がないポリフッ化ビニリデン樹脂製の
樹脂内層をステンレススチール製外層の内側に積層すれ
ば、前記のようなNaCl含有量の多いシロップによっ
てステンレススチールが侵される問題がなくなる。
ないと、外層が樹脂内層によってよく保護される。ピン
ホールなどの欠陥がないポリフッ化ビニリデン樹脂製の
樹脂内層をステンレススチール製外層の内側に積層すれ
ば、前記のようなNaCl含有量の多いシロップによっ
てステンレススチールが侵される問題がなくなる。
【0023】ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素系
樹脂は、分子量が異なる2種以上の同種あるいは異種の
樹脂を混合して分子量分布を調製して溶融加工性、コー
テイング性、接着性、表面の平滑度などの特性を改善す
ることが好ましい。
樹脂は、分子量が異なる2種以上の同種あるいは異種の
樹脂を混合して分子量分布を調製して溶融加工性、コー
テイング性、接着性、表面の平滑度などの特性を改善す
ることが好ましい。
【0024】本発明で用いるポリフッ化ビニリデンなど
のフッ素系樹脂は、必要に応じてその優れた性質をさら
に高めるために、その他の各種添加剤を配合した形でも
用いられる。この様な添加剤としては、有機フィラー、
無機フィラー、酸化防止剤、顔料・染料、分散剤、可塑
剤、滑剤、殺菌剤、フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂などが挙げられる。これら添加剤を配合す
る場合は、それぞれ単独で使用しても良く、また2種類
以上組み合わせて使用してもよい。これら公知の添加剤
を配合する場合の添加量は任意であるが、ポリフッ化ビ
ニリデンなどのフッ素系樹脂の本来有する性質を妨げな
い範囲で、通常、これら公知の添加剤の合計量が組成物
全量基準で20重量%以下となるような量を添加するの
が好ましい。
のフッ素系樹脂は、必要に応じてその優れた性質をさら
に高めるために、その他の各種添加剤を配合した形でも
用いられる。この様な添加剤としては、有機フィラー、
無機フィラー、酸化防止剤、顔料・染料、分散剤、可塑
剤、滑剤、殺菌剤、フッ素系樹脂以外の熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂などが挙げられる。これら添加剤を配合す
る場合は、それぞれ単独で使用しても良く、また2種類
以上組み合わせて使用してもよい。これら公知の添加剤
を配合する場合の添加量は任意であるが、ポリフッ化ビ
ニリデンなどのフッ素系樹脂の本来有する性質を妨げな
い範囲で、通常、これら公知の添加剤の合計量が組成物
全量基準で20重量%以下となるような量を添加するの
が好ましい。
【0025】本発明の積層冷却コイルは高い熱伝導性が
要求されるので、樹脂内層を薄膜とすることが好まし
い。本発明において、薄膜とは200μm以下の肉厚の
薄膜をいう。200μm以下とした理由を次に述べる。
長さ12.5m、外径6.35mm、内径5.55mm
のステンレススチール(SUS)製冷却コイル(樹脂内
層なし)内に30℃の水を流し2℃の冷却水で冷却して
供給する場合と同等の冷却効率を得るためには、外径
6.35mm、内径5.55mmのステンレススチール
(SUS)製冷却コイルの内側に200μm厚さの樹脂
内層を積層した場合は、長さを42mにする必要がある
のに対して、同ステンレススチール(SUS)製冷却コ
イルの内側に100μm厚さの樹脂内層を積層した場合
は、長さは25.5mでよく、同ステンレススチール
(SUS)製冷却コイルの内側に50μm厚さの樹脂内
層を積層した場合は、長さは17.1mでよい。このよ
うに樹脂内層の厚さを200μm以下にすれば熱伝導性
があまり損なわれないので冷却コイルの長さを実用的な
範囲内にすることができる。
要求されるので、樹脂内層を薄膜とすることが好まし
い。本発明において、薄膜とは200μm以下の肉厚の
薄膜をいう。200μm以下とした理由を次に述べる。
長さ12.5m、外径6.35mm、内径5.55mm
のステンレススチール(SUS)製冷却コイル(樹脂内
層なし)内に30℃の水を流し2℃の冷却水で冷却して
供給する場合と同等の冷却効率を得るためには、外径
6.35mm、内径5.55mmのステンレススチール
(SUS)製冷却コイルの内側に200μm厚さの樹脂
内層を積層した場合は、長さを42mにする必要がある
のに対して、同ステンレススチール(SUS)製冷却コ
イルの内側に100μm厚さの樹脂内層を積層した場合
は、長さは25.5mでよく、同ステンレススチール
(SUS)製冷却コイルの内側に50μm厚さの樹脂内
層を積層した場合は、長さは17.1mでよい。このよ
うに樹脂内層の厚さを200μm以下にすれば熱伝導性
があまり損なわれないので冷却コイルの長さを実用的な
範囲内にすることができる。
【0026】本発明において、樹脂内層を外層の内側に
適当な接着剤を用いて積層するようにすれば、相互に接
着して積層するのが困難である外層(例えばステンレス
スチール製外層)とポリオレフィン系樹脂やポリフッ化
ビニリデンなどのフッ素系樹脂あるいはシリコーン系樹
脂などの樹脂内層とを強固に容易に接着して積層でき
る。例えば、樹脂内層となる前駆体を予め形成してお
き、外層の内部にこの前駆体を挿入して接着剤を介して
積層することもできる。
適当な接着剤を用いて積層するようにすれば、相互に接
着して積層するのが困難である外層(例えばステンレス
スチール製外層)とポリオレフィン系樹脂やポリフッ化
ビニリデンなどのフッ素系樹脂あるいはシリコーン系樹
脂などの樹脂内層とを強固に容易に接着して積層でき
る。例えば、樹脂内層となる前駆体を予め形成してお
き、外層の内部にこの前駆体を挿入して接着剤を介して
積層することもできる。
【0027】外層と樹脂内層との剥離により飲料や食品
が外層と樹脂内層との間に入ると、間に入った飲料や食
品が停滞、滞留して変質などして通過する全ての飲料あ
るいは食品に混入して商品価値を損ねる重大な問題とな
るので、本発明においては外層と樹脂内層とがよく接着
して積層され剥離しないような耐久性を有する接着剤を
用いることが必要である。
が外層と樹脂内層との間に入ると、間に入った飲料や食
品が停滞、滞留して変質などして通過する全ての飲料あ
るいは食品に混入して商品価値を損ねる重大な問題とな
るので、本発明においては外層と樹脂内層とがよく接着
して積層され剥離しないような耐久性を有する接着剤を
用いることが必要である。
【0028】本発明の積層冷却コイルは、例えば冷却水
槽内で30℃の飲料水を急激に4℃以下の温度に冷却す
るサイクルが繰り返されるために、外層と樹脂内層の材
質の違いによる温度収縮差が発生し、外層と樹脂内層が
剥離する恐れがある。したがって、本発明においては、
温度収縮差を吸収して緩和する作用・効果がある接着剤
が好ましく使用できる。また、積層冷却コイルに用いる
接着剤としては熱伝導性を向上した接着剤を使用するこ
とが好ましい。本発明で用いる接着剤は上記特性を有す
る接着剤であればよく、熱可塑性接着剤でも熱硬化性接
着剤でもあるいはこれらの組み合わせでもよく特に限定
されない。本発明においては市販の接着剤を使うことも
できる。
槽内で30℃の飲料水を急激に4℃以下の温度に冷却す
るサイクルが繰り返されるために、外層と樹脂内層の材
質の違いによる温度収縮差が発生し、外層と樹脂内層が
剥離する恐れがある。したがって、本発明においては、
温度収縮差を吸収して緩和する作用・効果がある接着剤
が好ましく使用できる。また、積層冷却コイルに用いる
接着剤としては熱伝導性を向上した接着剤を使用するこ
とが好ましい。本発明で用いる接着剤は上記特性を有す
る接着剤であればよく、熱可塑性接着剤でも熱硬化性接
着剤でもあるいはこれらの組み合わせでもよく特に限定
されない。本発明においては市販の接着剤を使うことも
できる。
【0029】本発明で用いる外層は、樹脂内層とよく接
着するように酸洗い、アルコール洗浄などによる脱脂、
あるいは水洗などによって洗浄したり、プライマー処理
したりなど前処理することが好ましい。
着するように酸洗い、アルコール洗浄などによる脱脂、
あるいは水洗などによって洗浄したり、プライマー処理
したりなど前処理することが好ましい。
【0030】本発明の積層冷却コイルは内径が10mm
以下のパイプ(内径の下限は特に限定されないが、現在
のJIS規格によれば3.97mm程度である)である
ことが好ましい。10mm以下であると、圧損失が大き
くなって内部を通過する飲料や食品の流速が小さくな
り、熱伝導性が向上するとともに、例えばコイル形状に
加工しやすく、コイル形状に加工すれば占有体積を小さ
くしてコンパクト化できる利点がある。
以下のパイプ(内径の下限は特に限定されないが、現在
のJIS規格によれば3.97mm程度である)である
ことが好ましい。10mm以下であると、圧損失が大き
くなって内部を通過する飲料や食品の流速が小さくな
り、熱伝導性が向上するとともに、例えばコイル形状に
加工しやすく、コイル形状に加工すれば占有体積を小さ
くしてコンパクト化できる利点がある。
【0031】内径10mm以上の積層冷却コイルは次の
理由から好ましくない。内径が10mm以上の外層の内
側に積層される樹脂内層の前駆体の内層パイプは水道管
などに使用されているPVC管の製造方法により製造す
ることが商業的に考えた場合に有利である。しかしこの
方法であらかじめ押出成形によって形成された薄肉の内
層パイプを内径10mm以上の外層に挿入する場合、キ
ンクし易く、作業性が悪い上、内外層間を積層する際、
空気抜きが困難となる。内径10mm以上の積層冷却コ
イルは、内径10mm以下の積層冷却コイル(例えば、
内径5.55mm、9.52mm)と比較して熱伝導性
が悪く、コンパクト化ができない。例えば、流速3.5
m/sec(60cc/sec)程度で販売を行う内径
9.52mmの積層冷却コイルと同じ熱伝導性にする場
合、内径10mm以上の積層冷却コイルの場合は流速を
遅くして販売時間(例えば、飲料もしくは食品がコップ
に一杯になるまでの時間)を3倍程度にするか、積層冷
却コイル長さを3倍程度にする方法が考えられるが、こ
れでは非実用的である。
理由から好ましくない。内径が10mm以上の外層の内
側に積層される樹脂内層の前駆体の内層パイプは水道管
などに使用されているPVC管の製造方法により製造す
ることが商業的に考えた場合に有利である。しかしこの
方法であらかじめ押出成形によって形成された薄肉の内
層パイプを内径10mm以上の外層に挿入する場合、キ
ンクし易く、作業性が悪い上、内外層間を積層する際、
空気抜きが困難となる。内径10mm以上の積層冷却コ
イルは、内径10mm以下の積層冷却コイル(例えば、
内径5.55mm、9.52mm)と比較して熱伝導性
が悪く、コンパクト化ができない。例えば、流速3.5
m/sec(60cc/sec)程度で販売を行う内径
9.52mmの積層冷却コイルと同じ熱伝導性にする場
合、内径10mm以上の積層冷却コイルの場合は流速を
遅くして販売時間(例えば、飲料もしくは食品がコップ
に一杯になるまでの時間)を3倍程度にするか、積層冷
却コイル長さを3倍程度にする方法が考えられるが、こ
れでは非実用的である。
【0032】押出成形によってポリフッ化ビニリデン樹
脂などの結晶性熱可塑性樹脂を溶融した後、冷却して樹
脂内層を成形する際、結晶化を抑制して非結晶部分を多
くするために急冷を行うことが好ましい。非結晶部分が
多くなると耐熱性や引っ張り強度はやや低下するが、伸
びが向上するとともに耐衝撃性が向上するので樹脂内層
として好ましく使用できるようになる。
脂などの結晶性熱可塑性樹脂を溶融した後、冷却して樹
脂内層を成形する際、結晶化を抑制して非結晶部分を多
くするために急冷を行うことが好ましい。非結晶部分が
多くなると耐熱性や引っ張り強度はやや低下するが、伸
びが向上するとともに耐衝撃性が向上するので樹脂内層
として好ましく使用できるようになる。
【0033】以下、図1に基づいて、飲料供給装置10
0などに用いる本発明の積層冷却コイルの一実施形態を
ジュースのポストミックス型自動販売機を例に挙げて説
明する。1は、飲料供給装置100で販売する商品、す
なわちジュースの原料となる図示しないシロップが充填
されたステンレス鋼板製のシロップタンクであり、途中
に本発明の積層冷却コイル2と供給弁3が介在する配管
4を介してノズル5と連結されている。なお、シロップ
タンク1には炭酸ガスボンベ6が減圧弁7を介して連結
されていて、炭酸ガスの圧力がボンベ内のシロップ上面
に作用し、シロップタンク1内のシロップが配管4に押
し出される構成となっている。
0などに用いる本発明の積層冷却コイルの一実施形態を
ジュースのポストミックス型自動販売機を例に挙げて説
明する。1は、飲料供給装置100で販売する商品、す
なわちジュースの原料となる図示しないシロップが充填
されたステンレス鋼板製のシロップタンクであり、途中
に本発明の積層冷却コイル2と供給弁3が介在する配管
4を介してノズル5と連結されている。なお、シロップ
タンク1には炭酸ガスボンベ6が減圧弁7を介して連結
されていて、炭酸ガスの圧力がボンベ内のシロップ上面
に作用し、シロップタンク1内のシロップが配管4に押
し出される構成となっている。
【0034】8はシロップタンク1から供給される濃縮
ジュースを所定濃度に希釈するための水道水を適量貯溜
するシスターンであり、このシスターン8も途中に本発
明の積層冷却コイル9と供給弁10が介在する配管11
を介してノズル12と連結されている。本発明の積層冷
却コイル2・9は水槽13の内部に設置されていて、冷
凍機14によって所定温度に冷却される水槽内の水15
に放熱して冷却されるようになっている。
ジュースを所定濃度に希釈するための水道水を適量貯溜
するシスターンであり、このシスターン8も途中に本発
明の積層冷却コイル9と供給弁10が介在する配管11
を介してノズル12と連結されている。本発明の積層冷
却コイル2・9は水槽13の内部に設置されていて、冷
凍機14によって所定温度に冷却される水槽内の水15
に放熱して冷却されるようになっている。
【0035】また、シスターン8には、水位制御装置1
6を設け、シスターン8内の水位が所定レベル以下にな
ると水管17に設けた電磁弁18を開弁し、所定レベル
以上になるとこれを閉弁するように構成して、所定の水
量を常時保有できるように構成してある。19は例えば
紙製のコップであり、図示しない従来周知の機構によっ
て、所定の金額の貨幣が供給されて商品選択ボタンが操
作されたときに、収納部から排出されて、ノズル5・1
2の注出口の下方に搬送・位置するようになっている。
6を設け、シスターン8内の水位が所定レベル以下にな
ると水管17に設けた電磁弁18を開弁し、所定レベル
以上になるとこれを閉弁するように構成して、所定の水
量を常時保有できるように構成してある。19は例えば
紙製のコップであり、図示しない従来周知の機構によっ
て、所定の金額の貨幣が供給されて商品選択ボタンが操
作されたときに、収納部から排出されて、ノズル5・1
2の注出口の下方に搬送・位置するようになっている。
【0036】本発明の積層冷却コイル2・9は、外層が
熱伝導性を考慮して内径10mm以下のステンレス鋼管
で、内側に押出成形によって形成された外径10mm以
下で熱伝導性を考慮して厚さ20μmの、非粘着性、自
己潤滑性および耐シロップ性に優れたポリフッ化ビニリ
デン樹脂で作ったパイプ形状の樹脂内層が接着剤を介し
て積層されている。外層のステンレス鋼管は樹脂内層と
よく接着するように予め洗浄し、プライマー処理されて
いる。
熱伝導性を考慮して内径10mm以下のステンレス鋼管
で、内側に押出成形によって形成された外径10mm以
下で熱伝導性を考慮して厚さ20μmの、非粘着性、自
己潤滑性および耐シロップ性に優れたポリフッ化ビニリ
デン樹脂で作ったパイプ形状の樹脂内層が接着剤を介し
て積層されている。外層のステンレス鋼管は樹脂内層と
よく接着するように予め洗浄し、プライマー処理されて
いる。
【0037】図2は、本発明の積層冷却コイル2・9を
製造する工程を示す説明図である。 (1)先ず、冷間圧延ステンレス鋼鈑20を切断、巻き
加工などフォーミングして、 (2)に示したようなパイプ前駆体21を作り、 (3)パイプ前駆体21の溶接部aを図示しない溶接機
により溶接して内径10mm以下のステンレスパイプ2
2を作る。ステンレスパイプ22は脱脂あるいは酸洗い
を行い、内面を必要に応じてエポキシ樹脂などでプライ
マー処理する。 (4)処理したステンレスパイプ22をフォーミングフ
レア加工して(4)に示すようなフォーミング形状のス
テンレスパイプ23とする。 (5)フォーミング形状のステンレスパイプ23の内側
に、別に押出成形によって成形された外径10mm以
下、厚さ20μmのポリフッ化ビニリデン樹脂(極限粘
度5.0dl/g以上)を用いて作ったパイプ24の外
部表面に不飽和カルボン酸無水物変性ポリエチレンから
なる接着剤25(厚さ約10μ程度)を設けたパイプ2
4を白矢印で示したように挿入する。パイプ24を挿入
後、全体を約140〜200℃に加熱する。このように
積層冷却コイル2・9の内径を10mm以下のパイプと
し、かつ通常のコイル形状よりコイル間の距離を一層狭
くしたフォーミング形状にすることにより、内部を通過
する飲料や食品の流速が小さくなるので熱伝導性が向上
して内部を通過する飲料あるいは食品の温度を短時間
(瞬時)に冷却できる効果があるとともに、長尺のパイ
プをフォーミング形状に巻いて占有体積を一層小さくし
て一層コンパクト化できる利点がある。ここで、フォー
ミング形状とはパイプの最小曲げRがR10mm以上の
曲げを一箇所以上含むものである。
製造する工程を示す説明図である。 (1)先ず、冷間圧延ステンレス鋼鈑20を切断、巻き
加工などフォーミングして、 (2)に示したようなパイプ前駆体21を作り、 (3)パイプ前駆体21の溶接部aを図示しない溶接機
により溶接して内径10mm以下のステンレスパイプ2
2を作る。ステンレスパイプ22は脱脂あるいは酸洗い
を行い、内面を必要に応じてエポキシ樹脂などでプライ
マー処理する。 (4)処理したステンレスパイプ22をフォーミングフ
レア加工して(4)に示すようなフォーミング形状のス
テンレスパイプ23とする。 (5)フォーミング形状のステンレスパイプ23の内側
に、別に押出成形によって成形された外径10mm以
下、厚さ20μmのポリフッ化ビニリデン樹脂(極限粘
度5.0dl/g以上)を用いて作ったパイプ24の外
部表面に不飽和カルボン酸無水物変性ポリエチレンから
なる接着剤25(厚さ約10μ程度)を設けたパイプ2
4を白矢印で示したように挿入する。パイプ24を挿入
後、全体を約140〜200℃に加熱する。このように
積層冷却コイル2・9の内径を10mm以下のパイプと
し、かつ通常のコイル形状よりコイル間の距離を一層狭
くしたフォーミング形状にすることにより、内部を通過
する飲料や食品の流速が小さくなるので熱伝導性が向上
して内部を通過する飲料あるいは食品の温度を短時間
(瞬時)に冷却できる効果があるとともに、長尺のパイ
プをフォーミング形状に巻いて占有体積を一層小さくし
て一層コンパクト化できる利点がある。ここで、フォー
ミング形状とはパイプの最小曲げRがR10mm以上の
曲げを一箇所以上含むものである。
【0038】押出成形により、ポリフッ化ビニリデン樹
脂を溶融成形した後、冷却してパイプ24を成形する
際、結晶化を抑制して非結晶部分を多くするために約1
40〜200℃に加熱されたポリフッ化ビニリデン樹脂
を常温の水中に入れて急冷を行った。非結晶部分が多く
なるとパイプ24の耐熱性や引っ張り強度はやや低下す
るが、伸びが向上するとともに耐衝撃性が向上するので
樹脂内層として好ましく使用できる。
脂を溶融成形した後、冷却してパイプ24を成形する
際、結晶化を抑制して非結晶部分を多くするために約1
40〜200℃に加熱されたポリフッ化ビニリデン樹脂
を常温の水中に入れて急冷を行った。非結晶部分が多く
なるとパイプ24の耐熱性や引っ張り強度はやや低下す
るが、伸びが向上するとともに耐衝撃性が向上するので
樹脂内層として好ましく使用できる。
【0039】そして、加熱されたパイプ24の内部に空
気もしくは加圧した空気(例えば、0.5〜2気圧程
度)を吹き込んで、加熱した上でパイプ24を膨張させ
て膨らませてフォーミング形状のステンレスパイプ23
の内壁面に押しつけ、パイプ24の外部表面とステンレ
スパイプ23の内壁面との間にある空気を排除して、パ
イプ24を接着剤25を介してステンレスパイプ23の
内壁面に積層する。(6)に、パイプ24を接着剤25
を介してステンレスパイプ23の内壁面に積層して作っ
たフォーミング形状のステンレスパイプ23を示す。こ
のように積層冷却コイル2・9の内径を10mm以下の
パイプとし、かつフォーミング形状の外層の内側に、あ
らかじめ押出成形によって形成された樹脂内層を挿入し
て積層することにより、例えば前記のように樹脂内層と
なる前駆体を予め形成しておき、外層の内部にこの前駆
体を挿入して適宜加熱して膨らませるなどして接着剤を
介して容易に積層できる。あらかじめ押出成形によって
形成された前駆体を用いて樹脂内層を形成すると、設備
投資が少なく、小ロット生産に対応できる効果がある。
気もしくは加圧した空気(例えば、0.5〜2気圧程
度)を吹き込んで、加熱した上でパイプ24を膨張させ
て膨らませてフォーミング形状のステンレスパイプ23
の内壁面に押しつけ、パイプ24の外部表面とステンレ
スパイプ23の内壁面との間にある空気を排除して、パ
イプ24を接着剤25を介してステンレスパイプ23の
内壁面に積層する。(6)に、パイプ24を接着剤25
を介してステンレスパイプ23の内壁面に積層して作っ
たフォーミング形状のステンレスパイプ23を示す。こ
のように積層冷却コイル2・9の内径を10mm以下の
パイプとし、かつフォーミング形状の外層の内側に、あ
らかじめ押出成形によって形成された樹脂内層を挿入し
て積層することにより、例えば前記のように樹脂内層と
なる前駆体を予め形成しておき、外層の内部にこの前駆
体を挿入して適宜加熱して膨らませるなどして接着剤を
介して容易に積層できる。あらかじめ押出成形によって
形成された前駆体を用いて樹脂内層を形成すると、設備
投資が少なく、小ロット生産に対応できる効果がある。
【0040】この積層冷却コイル2・9は外層が金属で
形成され、その外層の内側に押出成形によって形成され
た薄い樹脂内層が積層してあるので、熱伝導性がよく、
かつガスガリア性に優れるとともに、微生物が入り込ん
で増殖したり、飲料や食品などの一部やスケールが堆積
せず、しかもコンパクトに形成される。飲料供給装置に
使用される冷却コイルは一般に1.0〜20MPa程度
の耐圧が必要であるが、これを樹脂にて構成した場合は
樹脂の厚さが2mm以上必要でこれでは熱伝導性が悪
く、一方、金属にて構成した場合は厚さが0.3mm以
上で良く熱伝導性が良い。従って、外層を金属、内層を
樹脂にて形成すると複数本の樹脂チューブを束ねた冷却
コイルと比べて熱伝導性に優れる。また、飲料供給装置
などの冷却水槽内に配置される冷却コイルは、絶えず水
槽内の熱交換水に晒されているが、飲料や食品が冷却コ
イルの内面を通過すると、この熱交換水の影響を受けて
味や臭いが変化する。よって、冷却コイルは熱交換水か
らの影響を排除できる、すなわち、酸素透過度が低いも
のでなければならない。この点複数本の樹脂チューブを
束ねた冷却コイルは金属製の冷却コイルと比べて酸素透
過度が高く、食品又は飲料が通過する冷却コイルには不
向きである。しかしながら、外層を金属とした冷却コイ
ルの酸素透過度は極めて低く、内層の樹脂選定に関して
酸素透過度を考慮する必要がなくなる。そして、押出成
形により形成された樹脂内層は、厚さ制御が容易であ
り、ピンホールが発生し難く、例えピンホールが発生し
てもゴムや樹脂製のボール玉のようなピグを積層冷却コ
イル2・9の内部に通すことにより容易に確認できる。
形成され、その外層の内側に押出成形によって形成され
た薄い樹脂内層が積層してあるので、熱伝導性がよく、
かつガスガリア性に優れるとともに、微生物が入り込ん
で増殖したり、飲料や食品などの一部やスケールが堆積
せず、しかもコンパクトに形成される。飲料供給装置に
使用される冷却コイルは一般に1.0〜20MPa程度
の耐圧が必要であるが、これを樹脂にて構成した場合は
樹脂の厚さが2mm以上必要でこれでは熱伝導性が悪
く、一方、金属にて構成した場合は厚さが0.3mm以
上で良く熱伝導性が良い。従って、外層を金属、内層を
樹脂にて形成すると複数本の樹脂チューブを束ねた冷却
コイルと比べて熱伝導性に優れる。また、飲料供給装置
などの冷却水槽内に配置される冷却コイルは、絶えず水
槽内の熱交換水に晒されているが、飲料や食品が冷却コ
イルの内面を通過すると、この熱交換水の影響を受けて
味や臭いが変化する。よって、冷却コイルは熱交換水か
らの影響を排除できる、すなわち、酸素透過度が低いも
のでなければならない。この点複数本の樹脂チューブを
束ねた冷却コイルは金属製の冷却コイルと比べて酸素透
過度が高く、食品又は飲料が通過する冷却コイルには不
向きである。しかしながら、外層を金属とした冷却コイ
ルの酸素透過度は極めて低く、内層の樹脂選定に関して
酸素透過度を考慮する必要がなくなる。そして、押出成
形により形成された樹脂内層は、厚さ制御が容易であ
り、ピンホールが発生し難く、例えピンホールが発生し
てもゴムや樹脂製のボール玉のようなピグを積層冷却コ
イル2・9の内部に通すことにより容易に確認できる。
【0041】本発明の積層冷却コイル9の内面は、シス
ターン8から希釈用として供給される水が冷却されるた
め、水に溶解していたCaやMgなどのスケールが析出
し易く、このため従来はスケールの堆積が問題となって
いたが、本発明の積層冷却コイル9の内面は前記のよう
な撥水性樹脂内層で形成されているため、析出したスケ
ールは付着し難く、通過する水と共に流れ去るので内面
に堆積することはない。
ターン8から希釈用として供給される水が冷却されるた
め、水に溶解していたCaやMgなどのスケールが析出
し易く、このため従来はスケールの堆積が問題となって
いたが、本発明の積層冷却コイル9の内面は前記のよう
な撥水性樹脂内層で形成されているため、析出したスケ
ールは付着し難く、通過する水と共に流れ去るので内面
に堆積することはない。
【0042】ところで、本発明は上記実施形態に限定さ
れるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨か
ら逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
れるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨か
ら逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0043】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の積層冷却コイル
は、熱伝導性がよく、微生物の繁殖を助長するスケール
の堆積を防止できるとともに、かつ酸素透過度が極めて
低くガスバリア性に優れ、コンパクトにすることが可能
である。押出成形により形成された樹脂内層は、厚さ制
御が容易であり、ピンホールが発生し難く、例えピンホ
ールが発生しても容易に確認できる。
は、熱伝導性がよく、微生物の繁殖を助長するスケール
の堆積を防止できるとともに、かつ酸素透過度が極めて
低くガスバリア性に優れ、コンパクトにすることが可能
である。押出成形により形成された樹脂内層は、厚さ制
御が容易であり、ピンホールが発生し難く、例えピンホ
ールが発生しても容易に確認できる。
【0044】本発明の請求項2記載の積層冷却コイル
は、樹脂内層を外層の内側に接着剤により積層したの
で、例えばポリオレフィン系樹脂やフッ素系樹脂やシリ
コーン系樹脂などのように外層の金属に接着して積層す
るのが困難な組み合わせでも、適当な接着剤を用いて両
者を強固に接着できる。
は、樹脂内層を外層の内側に接着剤により積層したの
で、例えばポリオレフィン系樹脂やフッ素系樹脂やシリ
コーン系樹脂などのように外層の金属に接着して積層す
るのが困難な組み合わせでも、適当な接着剤を用いて両
者を強固に接着できる。
【0045】本発明の請求項3記載の積層冷却コイル
は、樹脂内層を形成する樹脂として、通過する飲料もし
くは食品の表面張力より小さい表面張力を有する樹脂を
用いたので、飲料や食品の一部やスケールや微生物が堆
積しにくい。
は、樹脂内層を形成する樹脂として、通過する飲料もし
くは食品の表面張力より小さい表面張力を有する樹脂を
用いたので、飲料や食品の一部やスケールや微生物が堆
積しにくい。
【0046】本発明の請求項4記載の積層冷却コイル
は、樹脂内層を押出成形によって形成する際、急冷を実
施して非結晶質部分を多くしたので、伸び、耐衝撃性が
向上した樹脂内層が形成された。
は、樹脂内層を押出成形によって形成する際、急冷を実
施して非結晶質部分を多くしたので、伸び、耐衝撃性が
向上した樹脂内層が形成された。
【図1】 飲料供給装置などに用いる本発明の積層冷却
コイルの一実施形態を示す説明図である。
コイルの一実施形態を示す説明図である。
【図2】 図1に示した本発明の積層冷却コイルを製造
する工程例を説明する説明図である。
する工程例を説明する説明図である。
100 飲料供給装置 2・9 積層冷却コイル 3・10 供給弁 4・11 配管 5・12 ノズル 22 ステンレスパイプ(外層) 23 フォーミング形状のステンレスパイプ 24 パイプ(内層) 25 接着剤
Claims (4)
- 【請求項1】 飲料供給装置もしくは食品調理器におい
て飲料もしくは食品が通過する冷却コイルであって、金
属で形成された外層と、この外層の内側に積層されてい
る押出成形によって形成された樹脂内層とから成ること
を特徴とする飲料供給装置などに用いる積層冷却コイ
ル。 - 【請求項2】 前記樹脂内層が前記外層の内側に接着剤
により積層されていることを特徴とする請求項1記載の
積層冷却コイル。 - 【請求項3】 前記樹脂内層を形成する樹脂として、通
過する飲料もしくは食品の表面張力より小さい表面張力
を有する樹脂を用いることを特徴とする請求項1あるい
は請求項2記載の積層冷却コイル。 - 【請求項4】 前記樹脂内層を押出成形によって形成す
る際、結晶化を抑制して非結晶質部分を多くするために
急冷を実施したことを特徴とする請求項1から請求項3
のいずれかに記載の積層冷却コイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25175999A JP2001072193A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 飲料供給装置などに用いる積層冷却コイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25175999A JP2001072193A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 飲料供給装置などに用いる積層冷却コイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001072193A true JP2001072193A (ja) | 2001-03-21 |
Family
ID=17227509
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25175999A Pending JP2001072193A (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | 飲料供給装置などに用いる積層冷却コイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001072193A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014016087A (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-30 | Sanden Corp | 飲料提供装置 |
JP2018052511A (ja) * | 2016-09-26 | 2018-04-05 | サッポロビール株式会社 | 飲料サーバ、飲料サーバの製造方法、及び飲料の提供方法 |
JP2020015553A (ja) * | 2018-07-11 | 2020-01-30 | サントリーホールディングス株式会社 | ビールサーバシステム及びビールホースの洗浄方法 |
CN112066581A (zh) * | 2020-09-21 | 2020-12-11 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种制冷系统、方法及制冷设备 |
-
1999
- 1999-09-06 JP JP25175999A patent/JP2001072193A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014016087A (ja) * | 2012-07-09 | 2014-01-30 | Sanden Corp | 飲料提供装置 |
JP2018052511A (ja) * | 2016-09-26 | 2018-04-05 | サッポロビール株式会社 | 飲料サーバ、飲料サーバの製造方法、及び飲料の提供方法 |
JP2020015553A (ja) * | 2018-07-11 | 2020-01-30 | サントリーホールディングス株式会社 | ビールサーバシステム及びビールホースの洗浄方法 |
JP7407530B2 (ja) | 2018-07-11 | 2024-01-04 | サントリーホールディングス株式会社 | ビールサーバシステム及びビールホースの洗浄方法 |
CN112066581A (zh) * | 2020-09-21 | 2020-12-11 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种制冷系统、方法及制冷设备 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8734922B2 (en) | Multilayer film for packaging fluid products | |
FI96401B (fi) | Metallikalvolaminaatti ja menetelmä sen valmistamiseksi | |
FI96397B (fi) | Menetelmä ja laitteisto laminoitujen materiaalien valmistamiseksi | |
US20180371301A1 (en) | Adhesive composition and structure comprising at least one layer of said composition | |
JP2007045145A (ja) | 破壊可能な層間結合力を含む多層共押出しフィルム | |
JP2001289364A (ja) | 飲料用熱交換積層管 | |
JP2001072193A (ja) | 飲料供給装置などに用いる積層冷却コイル | |
TW201634250A (zh) | 多層中空成形體 | |
US20130065000A1 (en) | Multilayer protective liner | |
US6019254A (en) | Beverage supply apparatus | |
JP4899745B2 (ja) | 樹脂フィルム被覆金属缶 | |
US20080057244A1 (en) | Multilayer Polymer Structure | |
JPS60170532A (ja) | 絞りしごき罐の製造方法 | |
JPH02138587A (ja) | 飲料用フレキシブルチューブ | |
JP2001139097A (ja) | 飲料などの供給装置 | |
JPH03134392A (ja) | 飲料用フレキシブルチューブ | |
JP2001139096A (ja) | 飲料などの供給装置 | |
JP7487330B2 (ja) | リサイクル可能なフレキシブルフィルム及び流動性物質包装用バッグ | |
JP3855698B2 (ja) | 容器用フィルムラミネート金属板とその製造方法 | |
JP2001072194A (ja) | 飲料供給装置などに用いる部品 | |
JP5154487B2 (ja) | 樹脂製燃料系部材 | |
US20130065059A1 (en) | Method of adhering ionomer to metal | |
RU192788U1 (ru) | Многослойная металлополимерная труба | |
RU2011127146A (ru) | Бытовое устройство для выдачи напитка, имеющее охлаждающие средства | |
JP5359098B2 (ja) | 水配管用内面被覆鋼管 |