JP2001071623A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置及び画像形成方法

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JP2001071623A
JP2001071623A JP24659099A JP24659099A JP2001071623A JP 2001071623 A JP2001071623 A JP 2001071623A JP 24659099 A JP24659099 A JP 24659099A JP 24659099 A JP24659099 A JP 24659099A JP 2001071623 A JP2001071623 A JP 2001071623A
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Japan
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sheet
image
image forming
ink
recording
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JP24659099A
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Inventor
Nobuhiko Takekoshi
信彦 竹腰
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Canon Inc
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏返したシートの手差し方向が判りやすく、
またシートの搬送不良や、汚れの発生を防ぐことのでき
る画像形成装置及び画像形成方法を提供する。 【解決手段】 最初に画像を形成する面を示す印が設け
られると共に、画像形成の前に、画像形成手段31側に
膨らむ特性を有するシート1を用いることにより、シー
ト1が画像形成手段31に接触することのないようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置及び
画像形成方法に関し、特にシートの両面に画像を形成す
るものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ
等の機能を有する画像形成装置、あるいはコンピュータ
やワードプロセッサ等を含む複合機やワークステーショ
ンの出力機器として用いられる画像形成装置は、画像情
報に基づいて用紙やプラスチック薄板(OHPなど)等
の記録媒体(以下、シートという)に画像(文字や記号
なども含む)を記録していくように構成されている。
【0003】そして、このような画像形成装置の一例で
あるプリンタとしては、シートに対し、シート搬送方向
(副走査方向)と交叉する方向に主走査するシリアルタ
イプのものと、シートを搬送方向に送る副走査のみで記
録するフルラインタイプのものがある。
【0004】ここで、シリアルタイプのプリンタにおい
ては、シートを所定の記録位置にセットした後、シート
に沿って移動(主走査)するキャリッジ上に搭載した記
録手段(記録ヘッド)によって画像を記録し、1行分の
記録を終了した後に所定量の紙送り(副走査)を行い、
この後、次の行の画像を記録(主走査)するという動作
を繰り返すことにより、シートの所望範囲に画像が記録
される。
【0005】また、フルラインタイプのプリンタにおい
ては、シートを所定の記録位置にセットし、一括して1
行分の記録を連続的に行いながら所定量の紙送り(ピッ
チ送り)を行い、さらに次の行の記録を一括して行うと
いう動作を繰り返すことにより、シートの全体に画像が
記録される。
【0006】一方、このようなプリンタの記録方式とし
ては、インクジェット式、ワイヤドット式、感熱式、熱
転写式、レーザービーム式等に分けることができるが、
このうち熱エネルギーを利用してインクを記録手段(記
録ヘッド)からシートに吐出して記録を行うインクジェ
ット式を用いた場合は、記録手段のコンパクト化が容易
であり、高精細な画像を高速で記録することができる。
【0007】また、普通紙に、特別の処理を必要とせず
に記録することができると共に、ランニングコストが安
く、さらにノンインパクト方式であるため騒音が少な
く、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記録す
るのが容易である等の利点を有している。
【0008】また、記録手段(記録ヘッド)を、エッチ
ング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロセスを
経て基板上に製膜された電気熱変換体、電極、液路壁、
天板等を用いて形成することにより、高密度の液路配置
(吐出口配置)を有するものを容易に製造することがで
き、一層のコンパクト化を図ることができる。さらに、
IC技術やマイクロ加工技術の長所を活用することによ
り、記録手段の長尺化や面状化(二次元化)が容易であ
り、記録手段の長尺化及び高密度化も容易である。
【0009】ところで、エネルギー発生手段に電気熱変
換体を用い、かつ半導体製造プロセスを経て製造され、
マルチ化された吐出口を有するインクジェット記録ヘッ
ドとしては、各吐出口に対応した液路を設けると共に、
液路毎に電気熱変換体を設け、かつ各液路に連通してい
る共通液室より各液路にインクを供給する構成のものが
知られている。
【0010】図8は、このようなインクジェット式を用
いたプリンタの記録部の構成を説明する図である。同図
において、101はカラー記録用の記録ヘッド部であ
り、この記録ヘッド部101は、例えばイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック
(B)の4色に対応する4個の記録ヘッド101Y,1
01M,101C,101Bを備えると共に、これらの
記録ヘッド101Y,101M,101C,101Bの
それぞれに対し、対応する色のインクが貯蔵されたイン
クタンク119Y,119M,119C,119Bを備
えたインクタンク部119から、インクが供給されるよ
うになっている。
【0011】また、この記録ヘッド部101は、ガイド
レール124aに沿ってゴムベルト124bと共に矢印
Sa及び矢印Sbの方向に往復移動する不図示のキャリ
ッジ上に搭載されている。なお、128a、128bは
ゴムベルト124bが張架されたプーリであり、このう
ちの一方のプーリ128bには正逆転自在なキャリッジ
モータ126のモータ軸127が固定されている。
【0012】そして、キャリッジモータ126の回転に
よりプーリ128bが回転すると、これに伴い記録ヘッ
ド101及びキャリッジは矢印Saまたは矢印Sb方向
に移動し、これによりシリアルスキャンが可能となり、
このようにキャリッジ及び記録ヘッド101がシリアル
スキャン駆動される過程でシート123aに対する記録
が行われる。なお、この時の記録スキャン方向の精度は
エンコーダ124cをキャリッジ上の不図示の位置セン
サが検知することにより保持される。
【0013】また、同図において、123は搬送ローラ
であり、この搬送ローラ123は、不図示の紙送りモー
タにより駆動され、連続紙またはカットシート形態で代
表されるシート123aを搬送するようになっている。
そして、記録動作領域では、シート123aは、持ち上
がったりしないように記録ヘッド101と不図示のプラ
テンとの間を、不図示の他の拍車やコロ等の補助搬送ロ
ーラにより抑えながら搬送ローラ123により任意の高
精度で搬送される。
【0014】ところで、同図に示すように、シート12
3aの搬送を主に支配する搬送ローラ123が、搬送方
向上流側に位置している場合には、シート123aの後
端が搬送ローラ123から離れる寸前、或は離れた後
は、画像領域部の上流側にあたる画像後端の送りが不安
定になる。そして、送り量が足りなくなるとスジが入っ
たり、斜行により画像が曲がったりするため、このよう
な不具合を防止するため、従来は画像後端の余白を先端
より大きくするようにしている。
【0015】また、118は回復ポンプ部であり、この
回復ポンプ部118は複数の回復ポンプ118Y,11
8M,118C,118Bを備えている。ここで、この
回復ポンプ118Y,118M,118C,118Bと
しては、インクを圧送できる構成であれば、ギアポン
プ、チューブポンプ、或はタービン、ロータ、ピスト
ン、ベローズ等を使用した従来使用されている物を用い
ることができる。また、116、117は記録ヘッド部
101とインクタンク部119とを連通する第1液路及
び第2液路であり、それぞれ液路チューブ116Y,1
16M,116C,116B,117Y,117M,1
17C,117Bを備えている。
【0016】ところで、記録ヘッド101Y,101
M,101C,101Bは、それぞれ、増粘インクやイ
ンクの固着・乾燥を防止するため、キャップ131Y,
131M,131C,131Bが具備されている。そし
て、このキャップ131Y,131M,131C,13
1Bは、回復動作の際、回復ポンプ118Y,118
M,118C,118Bによって加圧されることにより
記録ヘッド101Y,101M,101C,101Bの
不図示のノズルを介して漏れ出すインクを受けると共
に、パイプ132を介して不図示の廃インクタンクにて
回収できるように構成されている。
【0017】なお、回復動作時に記録ヘッド101Y,
101M,101C,101Bからインクが漏れた場
合、記録ヘッド101Y,101M,101C,101
Bの吐出口付近にはインクが付着していることが多い。
そこで、各ヘッド毎に設けられた第1清掃部材135を
記録ヘッド部101の下部にて図中L方向にスキャンさ
せることにより、付着しているインクを取り除く動作を
行うようにしている。また、第2清掃部材136によっ
て第1清掃部材135に付着したインクを払い除くこと
により、第1清掃部材135の清掃効果を持続させるこ
とができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成の従来のプリンタ(画像形成装置)において、両面
記録を行う場合、まず片面(表面)に記録を行い、この
後、シートを反転させ、再度記録部において裏面に記録
を行うものがあり、さらに、この両面記録の際、使用者
が表面に画像が記録されたシートを手で反転させて両面
記録を行う構成のものがある。
【0019】ここで、例えば、両面記録されたシートに
よって冊子を作成する場合には、1面目の綴じ代方向
と、2面目の綴じ代方向を合わせる必要があり、この
時、綴じ代部は、1,2面目で、画像に対する位置が逆
になる。また、パンフレットのように綴じ代部分を合わ
せるというよりは、捲ったときに同じ状態にする場合に
は、上記の逆になるように印字する必要がある。
【0020】ところが、両面記録用のシートの場合には
表裏の印が無いため、その挿入方向や反転のさせ方はラ
ンダムにされており、使用者がどの方向に裏返すか、或
いは、裏返したシートをどの方向に挿入するかが、分か
りにくいという問題点があった。
【0021】一方、このような両面記録を行う際、シー
トとして、例えばインクジェット用のインク吸収層や、
ラミネート層等を多層塗工したコーティング紙を用いる
が、このようなコーティング紙では、塗工時に微妙な塗
工差が生じる場合がある。そして、このような塗工差が
生じた場合、この塗工差により水分等の吸収の差が生
じ、これにより湾曲状の捲き癖(以下、カールという)
が生じ、さらにこのカールは放置状態によって表裏面ば
らばらな状態になることがある。
【0022】また、コーティング紙が塗工製造時に原反
や、塗工工程中にロール状に保持された場合にはそのロ
ール方向に捲き癖が付くことがある。或いは、多層工程
の場合、塗工順序に表裏面の含水量などに微妙な差を生
じることもある。そして、これらの場合には、ロット毎
と言うよりは、その記録材が一様に持ち合わせた特性と
してカール方向が特定される。
【0023】ところで、例えば上述したように使用者の
手作業によりシートを反転させる構成の場合、シートが
本体外部に保管されたり、開梱状態で放置される機会も
多くなる。そして、このような場合、放置状態によっ
て、或は上述した製造工程における捲き癖等によってシ
ートがカールするようになる。ここで、このようにシー
トがカールすると、シートをプリンタに挿入する際に搬
送不良が生じたり、記録時、記録ヘッドにシートが接触
し(以下、記録ヘッド擦れという)好ましい出力が得ら
れないという問題点があった。
【0024】特に、インクジェット式のプリンタでは、
シートに僅かな隙間を維持して対向した記録ヘッドを用
いて印字するので、画像形成時に記録ヘッドの位置する
側にシートが湾曲している場合には、記録ヘッド擦れに
よりシートが汚れることがある。
【0025】更には、インク受容層などが塗工されたシ
ートの場合、その塗工剤は、インクを一般的には吸収し
やすいが、逆に記録ヘッドに付着した場合には凝固した
り、インク増粘を起因したりすることで、記録ヘッドの
吐出を妨害することがある。或いは、その汚れが起因と
なって紙粉や、周囲の汚れを付着し、シートを擦ったり
することもある。
【0026】そこで、本発明はこのような現状に鑑みて
なされたものであり、裏返したシートの手差し方向が判
りやすく、またシートの搬送不良や、汚れの発生を防ぐ
ことのできるプリンタ(画像形成装置)及び画像形成方
法を提供することを目的とするものである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、シートに画像
を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置におい
て、前記シートとして、画像形成の前に画像形成手段側
に膨らむ特性を有すると共に、最初に画像を形成する面
を示す印が設けられているシートを用いることを特徴と
するものである。
【0028】また本発明は、前記画像形成手段にシート
を手差し給紙する手差し給紙部を備え、最初に画像が形
成された前記シートの裏面に画像を形成する際は、前記
手差し給紙部から該シートを給紙するようにしたことを
特徴とするものである。
【0029】また本発明は、前記最初に画像を形成する
面を示す印を検知する検知手段を前記手差し給紙部に設
けたことを特徴とするものである。
【0030】また本発明は、前記シートは、前記特性を
有するよう前記最初に画像を形成する面よりも裏面の方
が膨張率が小さくなるように形成されたものであること
を特徴とするものである。
【0031】また本発明は、前記画像形成手段は、イン
クを吐出して画像を形成するものであり、前記シートは
表裏両面にコート層を備えると共に、前記膨張率が前記
最初に画像を形成する面よりも裏面の方が小さくなるよ
う裏面側の前記コート層の厚さを厚くする一方、画像形
成の際、該コート層がインクを吸収すると反対方向に膨
らむように構成されたものであることを特徴とするもの
である。
【0032】また本発明は、前記シートは画像形成の前
に画像形成手段側に膨らむよう湾曲形状を有しているこ
とを特徴とするものである。
【0033】また本発明は、前記最初に画像が形成され
たシートを反転させて前記画像形成手段に搬送する反転
搬送手段を備えたことを特徴とするものである。
【0034】また本発明は、インクを吐出することによ
ってシートに画像を形成する画像形成手段を用いてシー
トの第1面目に画像を形成し、前記第1面目に画像が形
成されたシートの前記第1面目とは表裏の関係にある第
2面目に前記画像形成手段を用いて画像を形成する画像
形成方法において、画像形成前に一方の面が凸面となる
特性を有するシートを用い、凸面になる側を第1面目と
することを特徴とするものである。
【0035】また本発明は、前記シートの凸面になる側
の面を示す印が設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0036】また本発明のように、最初に画像を形成す
る面を示す印が設けられると共に、画像形成の前に、画
像形成手段側に膨らむ特性を有するシートを用いること
により、シートが画像形成手段に接触することのないよ
うにする。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳細に説明する。
【0038】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
画像形成装置の一例であるプリンタの概略構成を説明す
る図である。
【0039】同図において、100はプリンタ、20は
記録ユニット、11はプリンタ本体100Aに着脱自在
に装着されるカートリッジであり、このカートリッジ1
1にはロール状に巻回されたシート1が収容されてい
る。
【0040】ここで、このシート1は、後述する図2に
示すように表層(ラテックス層)が形成された記録面側
を外側にしてロール状に巻回されている。つまり、シー
ト1は、その記録面を外側にした外巻形態とされてい
る。なお、2はシート1が巻き付けられる紙管であり、
カートリッジ11の内部に軸心01を中心として回転自
在に軸支されている。
【0041】そして、印字の場合、カートリッジ11に
収納されたシート1は、ローラ対12A,12B,14
A,14Bによってカートリッジ11内から送り出さ
れ、そして、記録ユニット20に供給されるようになっ
ている。
【0042】なお、ローラ対12A,12Bとローラ対
14A,14Bとの間のシート搬送路は、シート1が自
重で下方に1Eで示す凹状のループが形成可能なものと
なっている。そして、このようにループを形成すること
により、ロールRからシート1を引き出す際の負荷か
ら、記録ユニット20の搬送系を解放することができ、
記録ユニット20における精密な搬送精度を確保するこ
とができる。また、ロールRの巻回方向に曲がりぐせの
ついたシート1を逆方向に曲げてロールRによる曲がり
ぐせを除去することもできる。
【0043】一方、記録ユニット20は、インクタンク
32と共にキャリッジユニット23に搭載されている画
像形成手段である記録ヘッド31を備えている。なお、
62Bはユニット内部の熱を排気するファンである。こ
こで、キャリッジユニット23は、シート1の搬送方向
と略直交する方向に延在する軸24にガイドされ、その
軸24に沿う方向(以下、走査方向という)に往復移動
するようになっている。なお、記録ヘッド31とインク
タンク32とは、例えば、一体化されたインクジェット
カートリッジを構成するものであってもよい。
【0044】また、記録ヘッド31は、熱エネルギーを
利用して不図示のインク吐出口からインクを吐出するイ
ンクジェット式のもの(図6参照)であり、例えばイン
ク吐出口のそれぞれに連通する不図示のインク路と、そ
れぞれのインク路に対応して設けられ、記録データに応
じて印加される駆動パルスによって熱を発生する不図示
の電気熱変換体とを備え、電気熱変換体により発生した
熱によりインクに膜沸騰を生じさせ、その膜沸騰による
気泡の成長に伴って、対応するインク吐出口からインク
滴を吐出させるものである。
【0045】なお、記録ヘッド31としては、他に例え
ば、電気エネルギーの印加により体積変化を生じるピエ
ゾ素子のような電気機械変換体を用いて、その体積変化
によりインク吐出口からインクを吐出する構成のものを
用いてもよい。
【0046】また、異なる色のインクを吐出可能な複数
の記録ヘッド31を用いることにより、カラー画像を記
録することができる。その場合には、例えば、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック
(B)等のインクを用いたり、また同色の濃淡インクを
用いることができる。例えば、シアン(C)、及びマゼ
ンタ(M)のそれぞれインクとして、濃淡のインクを用
いることもできる。
【0047】10は手差し給紙部であり、手差し給紙に
より片面記録及び両面記録を行う場合は、手差しガイド
57に沿って手差しシートを給紙するようにしている。
なお、画像形成動作を制御するコントローラ等の指示に
よって手差しが選択されると、ロールRのシート1が矢
印A2方向に移動し、ローラ対14A,14Bまで巻き
戻されるようになっている。
【0048】なお、同図において、21A、21Bは記
録ヘッド31の上流に設けられた搬送手段である搬送ロ
ーラ対、22A、22Bは記録ヘッド31の下流に設け
られた搬送補助ローラ対である。そして、ロールRのシ
ート1及び手差し給紙部10からの手差しシートは搬送
ローラ対21A,21Bにより記録ヘッド31に搬送さ
れた後、画像記録の際には、搬送ローラ対21A,21
Bと搬送補助ローラ対22A,22Bとにより保持さ
れ、更に記録ヘッド31により画像が形成された後は、
搬送補助ローラ対22A,22Bにより下流側に搬送さ
れるようになっている。
【0049】40は、切断手段としてのカッターユニッ
トであり、このカッターユニット40には、搬送してい
るシートが、前述したロールRのシート1の場合、記録
ユニット20にて画像が記録されたシート1を所定の長
さにカットするための不図示のカッターが備えられてい
る。
【0050】50は、ユニット間で異なるシート搬送速
度を調節するための緩衝手段であり、記録ユニット20
において記録されたシート1は(以下、手差しシートの
場合も同様)、この緩衝手段50に導入された後、後述
する定着ユニット70に導出されるようになっている。
また、51は、軸51Aを中心として回動可能な切換レ
バーであり、図中実線の回動位置と点線の回動位置とに
選択的に切り換えられるようになっている。なお、記録
後のシート1が矢印B方向から排出されるときは、切換
レバー51は図1中実線の回動位置に切り換えられる。
【0051】52は、断面D字状のDカットローラであ
り、このDカットローラ52は軸52Aを中心として往
復回動可能に軸支されており、記録後のシート1が矢印
B方向から排出されるとき、Dカットローラ52は同図
に示す位置にある。なお、52Bは、Dカットローラ5
2に形成されたフラットなカット面である。
【0052】53は、記録後のシート1が載る取り外し
が可能な中間トレイであり、この中間トレイ53の長さ
は、例えばAサイズの紙の幅程度とされ、長尺なシート
1が載ったときは、図1中の2点鎖線のように、そのシ
ート1の一部が中間トレイ53の先端から垂れ下がるこ
とになる。
【0053】54は緩衝手段50に設けられ、シート1
を定着ユニット70に導く搬送路であり、この搬送路5
4は、図示しないモータにより回転されることにより記
録後のシート1を矢印C方向に送る5組のローラ対55
A,55Bと、通気用の長穴が形成されているガイド板
56とを備えている。なお、搬送路54内にシート1の
ジャムが生じたときには、不図示の機構によってガイド
板56を開くことにより、ガイド板56で挟まれた空間
を解放することができるようになっている。
【0054】61は、例えば内部に断熱のための空気層
を含有し得るような空気を有する断熱部材であり、カー
トリッジ11、シート1のループ部分、記録ユニット2
0等と熱付与処理部としての後述する定着ユニット70
及びデカールユニット80とを仕切るように配置されて
いる。
【0055】ここで、本実施の形態においては、プリン
タ全体をよりコンパクト化するために、定着ユニット7
0及びデカールユニット80を記録ユニット20の下方
に配置している。このため、熱付与処理部から発生した
熱は熱付与処理部周囲の空気を暖めて上昇し、上方に位
置する記録ユニット内に配される記録ヘッド31の周囲
の温度を上昇させることになる。
【0056】その結果、記録ヘッド31のインク吐出口
内のインク溶媒が蒸発し、これによりインクが固化して
インクノズルが詰まること、カートリッジ11を暖めて
内部に収容されるシート1を乾燥させ、特にロール状に
巻回されている場合にはロールぐせをつけてしまうこ
と、シート1のループ部分に熱が加わりループ状の曲が
りぐせを形成してしてしまうこと、シート1が熱可塑性
樹脂層を備えている場合には熱によってその熱可塑性樹
脂層が変質してしまい、プリント品位の低下を招くこと
等が発生するおそれがある。
【0057】しかし、断熱部材61を用いてカートリッ
ジ11、シート1のループ部分及び記録ユニット20
と、定着ユニット70及びデカールユニット80とを仕
切ることにより、記録ユニット20等に定着ユニット7
0及びデカールユニット80からの熱が伝わらないよう
にすることができ、これにより上記のような不具合の発
生を未然に防止することができる。
【0058】なお、25はインク貯留部材であり、記録
ヘッド31の吐出性能を維持するための空吐出や吸引に
よる回復処理によって生じた排インクを貯留するための
ものである。ここで、このインク貯留部材25に貯留さ
れている排インクは、排インク貯留部材25の排インク
貯留能力を維持するために、自然蒸発するのが望まし
い。
【0059】しかし、自然蒸発する量を超えて過度に蒸
発させることは、却って多量の水蒸気、水滴によるイン
クジェット画像品位の低下という問題を生じ得るものと
なってしまう。したがって、このインク貯留部材25
は、熱付与処理部からの熱の影響により過度な排インク
の蒸発が生じることのないよう、断熱部材61の上側で
あって記録ユニット20の下方又はその下方近傍に設け
られている。なお、この排インク貯留部材25は、排イ
ンク貯留能力に限界がきた場合には取り替えることがで
きるように構成されている。
【0060】70は定着ユニットであり、ヒータを内蔵
したローラ対71,72を回転可能に備えている。ここ
で、このローラ71,72は、所定の圧力によってシー
ト1を加熱しかつ加圧しつつ、それを矢印D方向に送る
ようになっている。
【0061】ところで、シート1は、本実施の形態にお
いて、図2に示すように175μmの基材1Fの上には
インク吸収層1B,1B’と、インク受容層1C,1
C’と、表層(ラテックス層)1D,1D’が存在す
る。ここで、このインク受容層1C,1C’は、層材と
してアルミナ水和物を用い、以下の通り調製されたもの
である。
【0062】米国特許明細書第4242271号に記載
された方法に従って、まずアルミニウムオクタキシドを
合成し、これを加水分解してアルミナスラリーを製造し
た。このアルミナスラリーをアルミナ水和物の固形分が
5%になるまで水を加えた。次に80℃に昇温して10
時間熟成反応を行った後、このコロイダルゾルをスプレ
ー乾燥してアルミナ水和物を得た。
【0063】さらに、このアルミナ水和物をイオン交換
水に混合・分散し、硝酸によりpH10に調整した。熟
成時間を5時間としてコロイダルゾルを得た。このコロ
イダルゾルを脱塩処理した後、酢酸を添加して解膠処理
を行った。このコロイダルゾルを乾燥して得たアルミナ
水和物をX線回折により測定したところ擬ベーマイトで
あった。
【0064】上記アルミナ水和物のコロイダルゾルを濃
縮して15重量%の溶液を得た。一方、ポリビニルアル
コール(商品名:PVA117,クラレ社製)をイオン
交換水に溶解して10重量%の溶液を得た。この2種の
溶液をアルミナ水和物の固形分とポリビニルアルコール
の固形分が重量比で10:1になるように混合し、攪拌
して分散液を得た。
【0065】この分散液をポリエチレンテレフタレート
フィルム上にダイコートして、40μmの厚さの擬ベー
マイトを含む多孔質層を形成した。さらにこの多孔質層
上に、第一のインク受容層と(最表層)として固形物1
5%の塩化ビニル−酢酸ビニル系ラテックス(商品名:
ビニブラン602,日信化学工業製。以下、ラテックス
と称する。)をダイコートして70℃で乾燥し、約5μ
mの多孔質ラテックス層1D,1D’を形成した。
【0066】そしてこのように第1,2のインク受容層
1C,1C’、1D,1D’を有する構成のシート1を
得た。このラテックスの0.1μm以下の粒子は20%
以上存在していたものと1%ものの2種類を用意した。
1%のものは上記記載のラテックスを精密濾過膜(商品
名:PMV313/公称孔径0.25μm、旭化成工業
製)を用い、ラテックス源液に対し置換純水利益25倍
の条件で処理して、粒子径0.1μm以下の粒子を10
%にしたものを得た。
【0067】なお、図2におけるインク吸収層1Bは、
基材1Fとインク受容層1Cの間に位置しているバイン
ダー層であり、これは主にベースとなる記録媒体の白色
度を出すため、基材1Fに対してインク受容層1Cが塗
工しやすいように基材1F上に塗工することが好まし
い。ここで、本実施の形態では、基材1Fにバライタ原
紙を用いたため、バライタ層が1Bに該当する。
【0068】一方、このような構成のシート1を加熱加
圧する上述のローラ対71,72は、本実施の形態にお
いて、肉厚2mmのHTVシリコーンゴム上に、0.5
mmのレジン状ポリオルガノシロキサンと、無機微粉体
としてシリカ、1重量%とを混合した付加型LTVシリ
コーンゴムを鏡面仕上げたものであり、JISK630
1におけるA型で定めるところの測定方法で硬度が40
゜であった。
【0069】なお、この表層のシリコーンゴムは下記の
ようにして作成した。
【0070】即ち、25℃における粘度が10000P
a・sの末端ビニル基封鎖の直鎖状ポリジメチルシロキ
サン40重量%と、25℃における粘度が35Pa・s
であり三官能性、四官能性からなるレジンセグメントと
二官能性からなるオイルセグメント同一分子中に持つブ
ロックポリマーよりなる補強性レジン状オルガノポリシ
ロキサン60重量%と、からなる混合物ポリシロキサン
混合物に無機微粉体である耐熱性付与剤としてシリカ粉
体(日本アエロジル社製R−972)を1重量%混合し
た付加型シリコーンゴム組成物を15℃、10分で硬化
した後、200℃で4時間二次加硫を行って付加型シリ
コ−ンゴムを得た。
【0071】そして、シート1は、このローラ71,7
2の間を加熱され、かつ加圧されながら通過することに
より、前述したように、ラテックス層1Dが溶融してか
ら凝固して透明化する。このように溶融後に凝固・透明
化したラテックス層1D(及び1D’)は、記録された
画像の画質を損なうことなく、シート1の表面に高耐久
性保護層を構成する。以下、このようなラテックス層1
Dの変化を伴うシート1の変化を「熱定着」ともいう。
【0072】また、ローラ対71,72の硬度を変え、
得られるシート1の品質との関連を検討したところ、硬
度が70゜を超えるとローラ対71,72の表面傷が転
写し易くなり、画像面の白濁化、光沢度の低下をもたら
すことが確認された。本実施の形態では、上述した通り
40゜のものを用いた。この時、搬送速度は14mm/
sec 、温度は180℃で、サーミスタ等によって、±5
℃で温調した。この温調方法は、所定温度でハロゲンヒ
ータ120をON/OFFする方法を用いたが、電力値
でコントロールする等、所定の温度が得られれば良い。
【0073】ところで、このように定着ユニット70に
より熱定着されたシート1は、図1に示すように、その
平面性を向上させるためのデカール手段としてのデカー
ルユニット80内を通されてから、機外の排出口64に
排出される。
【0074】ここで、このデカールユニット80は、ロ
ーラ対81A,81Bと、ヒータを内蔵した加熱ローラ
82を備えており、ローラ対81A,81Bは、加熱ロ
ーラ83によって加熱される。なお、このデカールユニ
ット80と定着ユニット70とは、両ユニットを通過す
る間にシート1のジャム等の搬送不良等が生じた場合
に、それらのユニット70,80をレール73,74に
沿って機外に引き出せるようになっている。
【0075】この際に、デカールユニット80と定着ユ
ニット70とは別ユニット構成としても良いものは勿論
であるが、両ユニットを一体構成とした場合には、シー
ト1のジャムが両ユニット70,80の間に渡って発生
した場合に、そのシート1の切断やローラの傷つきを回
避しつつジャム処理等を容易に行うことができる。
【0076】62はファンであり、断熱部材61の下方
であって定着ユニット70の上方の熱せられた装置内の
空気を搬送路54側に吹き出すためのものである。ここ
で、搬送路54には、前述したように長穴が形成されて
いるため、搬送路54内にシート1がないときは、その
長穴を通して熱せられた空気が逃げやすくなる。一方、
搬送路54内にシート1があるときには、その長穴を通
して熱せられた空気がシート1の表面に当たり、定着ユ
ニット70による加熱の前に、シート1が予め予備加熱
されることになる。
【0077】この結果、記録画像が濃い場合などにおい
てラックス層1Dの表面上のインクを乾かすことができ
る。なお、63は、ルーパ部63Aが形成された外装カ
バーであり、搬送路54の長穴を通過した熱せられた空
気がルーパ部63Aを通して機外にスムーズに排出され
るようになっている。
【0078】ところで、このように構成されたプリンタ
100において、画像記録を行う場合、ローラ対12
A,12B,14A,14Bを駆動してカートリッジ1
1に収納されたロールRのシート1を記録ユニット20
に供給する、或は、図3に示すように手差し給紙の場合
は、手差しガイド57に沿ってシート1Aを給紙し、こ
の手差しされたシート1Aを記録ユニット20に向けて
送り込むようにしている。なお、手差し給紙が選択され
るとロールRのシート1が図中矢印A2方向に移動し、
ローラ対14A、14Bまで巻き戻される。
【0079】一方、記録ユニット20に送り込まれたロ
ールRのシート1或は手差しシート1Aは、記録ユニッ
ト20に設けられた搬送ローラ対21A,21Bにより
搬送補助ローラ対22A,22Bに向かって搬送され、
この搬送ローラ対21A,21Bと搬送補助ローラ対2
2A,22Bとの間において、キャリッジユニット23
と共に主走査方向に往復移動する記録ヘッド31のイン
ク吐出口から吐出されるインクによって画像が記録され
る。
【0080】そして、ロールRのシート1或は手差しシ
ート1Aは、キャリッジユニット23が1往復して副走
査方向に所定長さずつ記録される毎に、矢印B方向に一
定量ずつ送られ、画像全体の記録が終了すると(ロール
Rのシート1の場合は、カッターユニット40において
所定の長さにカットされた後)、中間トレイ上に位置し
てから、切換レバー51の図中点線の回動位置への回動
と、Dカットローラ52の反時計回りの回動によって、
搬送路54内に送り込まれる。
【0081】さらに、この後、定着ユニット70に導出
され、定着ユニット70により熱定着された後、デカー
ルユニット80内を通されてから、機外の排出口64に
排出される。一方、この後、裏面に画像を記録する場合
は、排出口64から取り出され、ユーザにより裏返しに
された後、手差しガイド57に沿って手差し給紙され
る。
【0082】ところで、本実施の形態において、手差し
給紙されるシート1Aは、図4の(a)及び(b)に示
すように、4角のうちの1角が斜めにカットされてい
る。そして、1面目(表面)に画像を形成する場合に
は、図4の(a)に示すようにカット部1cが右下にく
るように手差しガイド57に挿入し、また1面目(表
面)に画像が形成された後、2面目(裏面)に画像を形
成する場合には、図4の(b)に示すようにカット部1
cが右上にくるように挿入するようにしている。
【0083】そして、このようにシート1Aに最初に画
像を形成する面を示す印であるカット部1cを設け、こ
のカット部1cにより挿入方向を指示することによっ
て、印字画像によらず挿入する方向が使用者に分かり易
くなる。
【0084】なお、このような方向にシート1Aを挿入
することにより、シート1Aの後端部(同図において
は、シート1Aの右側端部)に綴じ代が形成されるよう
に記録が行われる。また、図4の(a)及び(b)に示
すようにシート1Aの表裏を反転すると、シート1Aの
上下が逆になってしまうが、本実施の形態においては、
2面目の画像形成は上下が逆になるようコントローラが
記録動作を制御するようになっているため、形成された
綴じ代で綴じれば表裏で画像の上下が逆になることはな
い。
【0085】一方、手差しシート1A及び既述した構成
のロールRのシート1の場合、コート層が厚い側に4角
が向く、即ちコート層の薄い側が凸面になる特性があ
る。そこで、本実施の形態においては、手差しシート1
A及びロールRのシート1の2面目(裏面)側のコート
層を構成するインク吸収層1B’(図2参照)を5%厚
く形成するようにしており、これにより標準的に図4の
(a)の状態で手差しシート1A或はロールRのシート
1を挿入する場合には、図5に示したように各々4角が
下方向にカール、即ち上方に膨らむようにカールするよ
うに構成している。
【0086】また、このようにカールした状態にて手差
しシート1A及びロールRのシート1の1面目に画像を
記録すると、1面目の面側がインクを吸収、蒸発するこ
とにより1面目が下方に膨らむようにカールするように
なり、これによりシート1,1Aは2面目の画像記録時
にも上方に膨らむようにカールするようになる。
【0087】ここで、このようにインクを吸収、蒸発す
ることにより1面目が下方に膨らむようにカールするの
は、コート層がインクを吸収することにより収縮するた
めである。
【0088】これをもう少し詳しく説明すると、一般的
にコート層(インク受容層)がインク等の水分を吸収す
ると、体積膨張が生じ、この後、インク溶媒や水分が蒸
発し始めると、一転して収縮を始める。その際、任意の
形状を維持するように外力が加わっている場合には形状
を維持するようになるが、外力が加わっていない場合に
は収縮力が強いと、反対側が膨らむようなカールを形成
する。なお、このカールの度合いは吸収するインクの材
質や、コート層(インク受容層)の材質、構成によって
異なる。
【0089】ところで、本実施の形態において、使用し
ているコート層は、シリカやアルミナ系の顔料を用いた
ものであり、これらの場合には水分を吸収すると、収縮
するという特性を持ち合わせている。このため、これら
を用いたコート層の場合、インクを吸収すると収縮する
ため、1面目を印字すると2面目側に膨らんだカールが
形成される。
【0090】一方、1面目と2面目のコート層の厚さが
異なる場合、シート1,1Aを放置して水分を吸収させ
ると、コート層の厚い方が収縮力が強くなる。このた
め、既述したように2面目(裏面)側のインク吸収層1
B’を厚く形成するようにすれば、シート1,1Aの4
角が下方向にカール、即ち上方に膨らむようにカールす
るようになる。
【0091】ここで、このようにシート1,1Aを上方
に膨らむようにカールさせることにより、画像記録の
際、記録ヘッド31に臨むシート1,1Aの先端部は下
方向にカールするようになるので、記録ヘッド31にシ
ート1,1Aが接触することもなく、記録ヘッド擦れが
生じることもない。これにより、シート1,1Aの搬送
不良や、汚れの発生を防ぐことができる。また、シート
1,1Aのインク受容層等が記録ヘッド31に付着する
のを防ぐことができ、記録ヘッド31のインク吐出不良
等の発生を防ぐことができる。
【0092】なお、一般的にインク吸収などのコート層
を塗工する場合には、最後に乾燥工程が入るため紙は乾
燥気味の場合が多く、従来でも特に顕著なカール挙動を
示すのは、水分を排出したときよりも吸湿したときの方
が大きい場合が多い。但し、このような挙動は、記録媒
体の作成される条件や構成によって変わるので、それら
に応じて表裏面のカール状態を維持しやすい条件によっ
て製造することが好ましい。この他にも、表裏面を別々
に塗工する場合には、最後に塗工する面を乾燥させ、そ
の際裏面を加湿するなどの工程によってもカール状態を
変えることができる。これらカール方向の形成方法に関
しては、特に特殊な手法でなくても良い。
【0093】ところで、本実施の形態においては、図3
に示すように、例えば手差し給紙部10の手差しガイド
57の表面に、シート1Aに形成されたカット部1cと
対応する形状の印57aが設けられている。これによ
り、使用者は手差し給紙の際、シート1Aのカット部1
cと、この手差しガイド57の表面の印57aとを合わ
せることにより、手差し方向を、より確実に認識するこ
とができる。
【0094】なお、シート1Aの手差し方向を確実に認
識することができるならば、このような印57aを、プ
リンタ本体100Aに設ける他、シート1Aを包装して
いるパッケージの表面等に設けるようにしても良い。な
お、これまでの説明において、手差し方向を示す印とし
て、カット部1cを例に挙げて述べたが、手差し方向を
示す印としては、穴や、印刷などでも同様の効果が得ら
れる。
【0095】さらに、手差しセットしたシート1Aの反
転方向が間違っている場合には、それを検知し、知らせ
る手段を具備することによって、より確実にシート1A
を手差し給紙することができる。
【0096】図6は、このような本発明の第2の実施の
形態に係る画像形成装置の一例であるプリンタの外観斜
視図である。なお、同図において、図3と同一符号は同
一又は相当部分を示している。
【0097】同図において、201、202は、手差し
給紙部10の手差しガイド57に設けられた検知手段で
ある光反射型の第1及び第2光センサであり、この第1
及び第2光センサ201,202により、カット部1c
の有無を検知することにより、シート1Aが正しくセッ
トされたか否かを検知するようにしている。
【0098】ここで、例えば、1面目に画像を記録する
とき、カット部1cを備えたシート1Aが正しくセット
された場合には、カット部が右下にくる(図4の(a)
参照)はずなので、第1光センサ201はシート1Aを
検知するが、第2光センサ202はシート1Aを検知し
ない。また、2面目に画像を記録する場合は、右上にカ
ット面がくる(図4の(b)参照)ことになるので、第
2光センサ202はシート1Aを検知するが、第1光セ
ンサ201はシート1Aを検知しない。
【0099】そして、各光センサ201,202がこの
ような検知状態となったとき、不図示のコントローラは
シート1Aが正しくセットされたと判断する。
【0100】なお、両光センサ201,202がシート
1Aを検知できない場合には、シート1がセットされて
いないと判断し、コントローラは紙無し表示を行うよう
にする。また、両光センサ201,202が両方とも検
知状態となった場合には、シート1Aが間違ってカット
部1cが搬送方向上流側なるようにセットされたと判断
し、エラー表示を行うようにする。
【0101】このように、手差しガイド57に第1及び
第2光センサ201,202を設けることにより、簡単
な構成にてシート1Aが正しくセットされたか否かを判
断することができる。
【0102】上述したように手差し給紙の場合には、外
気にさらされ、外に放置されやすく、記録媒体のカール
も顕著になりやすいので、本発明が特に効果的である
が、本発明は、これに限らず両面記録が可能な画像形成
装置のように、シートが外に放置されることのないもの
に関しても有効である。
【0103】図7は、このような本発明の第3の実施の
形態に係る両面記録が可能な画像形成装置の一例である
プリンタの概略構成を説明する図である。なお、同図に
おいて、図1と同一符号は同一又は相当部分を示してい
る。
【0104】同図において、58、59は搬送路を切り
替えてシート1を反転搬送させる反転搬送手段を構成す
るフラッパであり、このフラッパ58,59は、搬送路
を切り替えるように図中点線と実線のように回動するよ
うになっている。
【0105】また、ロールRのシート1は、既述した第
1の実施の形態と同様、両面用記録媒体をロール状にし
たものである。そして、このシート1は、図2のように
構成されており、最初に印字されるラテックス層1D’
が形成された記録面側を外側にした外巻形態とされてい
る。また、このように保持されたシート1は、その方向
にカール付けされるように巻き癖が形成される。
【0106】そこで、このようなシート1の両面に画像
を記録する場合は、まずローラ対12A,12B,14
A,14Bを駆動してシート1を記録ユニット20に供
給した後、主走査方向に往復移動する記録ヘッド31に
より画像を記録する。そして、画像記録が終了すると、
カッターユニット40において所定の長さにカットし、
この後、点線に示す位置に回動した各フラッパ58,5
9により反転させ、この状態で記録ユニット20へ搬送
する。
【0107】さらに、この後、記録ユニット20により
シート1の裏面に画像を記録した後、シート1を実線に
示す位置に回動したフラッパ58により定着ユニット7
0へ搬送し、この定着ユニット70において記録された
画像を定着する。
【0108】なお、この1面目に対する画像記録のと
き、1面目の面側がインクを吸収、蒸発することによ
り、1面目が下方に膨らむのでシート1は上方に膨らむ
ようにカールする。これにより、2面目に対する画像記
録の前、記録ヘッド31に臨むシート1の先端部は下方
向にカールするようになるので、記録ヘッド31にシー
ト1が接触することもなく、記録ヘッド擦れが生じるこ
ともない。これにより、シート1の搬送不良や、汚れの
発生を防ぐことができる。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ートに最初に画像を形成する面を示す印を設けることに
より、裏返したシートの手差し方向を判りやすくするこ
とができる。また、画像形成の前に、画像形成手段側に
膨らむ特性を有するシートを用いシートが画像形成手段
に接触することのないようにすることにより、シートの
搬送不良や、汚れの発生を防ぐことができる。また、画
像の価値を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置
の一例であるプリンタの概略構成を説明する図。
【図2】上記プリンタに使用されるシートの構造を説明
する図。
【図3】上記プリンタの外観斜視図。
【図4】上記シートの挿入方向とカット部との位置との
関係を示す図。
【図5】上記シートのカール特性を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置
の一例であるプリンタの外観斜視図。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置
の一例であるプリンタの概略構成を説明する図。
【図8】従来のプリンタの記録部の構成を説明する図。
【符号の説明】
1,1A シート 1B,1B’ インク吸収層 10 手差し給紙部 11 カートリッジ 20 記録ユニット 31 記録ヘッド 57 手差しガイド 100 プリンタ 100A プリンタ本体 201 第1光センサ 202 第2光センサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートに画像を形成する画像形成手段を
    備えた画像形成装置において、 前記シートとして、画像形成の前に画像形成手段側に膨
    らむ特性を有すると共に、最初に画像を形成する面を示
    す印が設けられているシートを用いることを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記画像形成手段にシートを手差し給紙
    する手差し給紙部を備え、最初に画像が形成された前記
    シートの裏面に画像を形成する際は、前記手差し給紙部
    から該シートを給紙するようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記最初に画像を形成する面を示す印を
    検知する検知手段を前記手差し給紙部に設けたことを特
    徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記シートは、前記特性を有するよう前
    記最初に画像を形成する面よりも裏面の方が膨張率が小
    さくなるように形成されたものであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記画像形成手段は、インクを吐出して
    画像を形成するものであり、前記シートは表裏両面にコ
    ート層を備えると共に、前記膨張率が前記最初に画像を
    形成する面よりも裏面の方が小さくなるよう裏面側の前
    記コート層の厚さを厚くする一方、画像形成の際、該コ
    ート層がインクを吸収すると反対方向に膨らむように構
    成されたものであることを特徴とする請求項4記載の画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記シートは画像形成の前に画像形成手
    段側に膨らむよう湾曲形状を有していることを特徴とす
    る請求項1記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記最初に画像が形成されたシートを反
    転させて前記画像形成手段に搬送する反転搬送手段を備
    えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 インクを吐出することによってシートに
    画像を形成する画像形成手段を用いてシートの第1面目
    に画像を形成し、前記第1面目に画像が形成されたシー
    トの前記第1面目とは表裏の関係にある第2面目に前記
    画像形成手段を用いて画像を形成する画像形成方法にお
    いて、 画像形成前に一方の面が凸面となる特性を有するシート
    を用い、凸面になる側を第1面目とすることを特徴とす
    る画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記シートの凸面になる側の面を示す印
    が設けられていることを特徴とする請求項8記載の画像
    形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009255564A (ja) * 2008-03-28 2009-11-05 Fujifilm Corp インクジェット記録方法
JP2010036543A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Kyocera Mita Corp インクジェット記録装置

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