JP2001069527A - 画像処理方法および装置 - Google Patents

画像処理方法および装置

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JP2001069527A JP24096699A JP24096699A JP2001069527A JP 2001069527 A JP2001069527 A JP 2001069527A JP 24096699 A JP24096699 A JP 24096699A JP 24096699 A JP24096699 A JP 24096699A JP 2001069527 A JP2001069527 A JP 2001069527A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マルチバンド画像から精度良く、写真ライクな
画像を得る。 【解決手段】マルチバンド画像を写真材料に出力する際
に施す画像処理方法であって、前記出力用写真材料の対
数露光量と画像濃度を関係づける第1の3次元ルックア
ップテーブルと、露光濃度と対数露光量を関係づける第
2のテーブルを有し、マルチバンド画像から得た露光濃
度を前記第2のテーブルを用いて対数露光量に変換し、
さらにこの対数露光量を前記第1の3次元ルックアップ
テーブルを用いて画像濃度に変換することを特徴とする
画像処理方法を提供することにより前記課題を解決す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチバンド画像
の処理に係り、特にマルチバンド画像からの色変換処理
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、撮影技術の進歩により、撮影対象
の分光波形を実用上十分な精度で復元できる程度のチャ
ンネル数を有する撮影機(マルチバンドカメラ)が実用
化されつつある。これは、複数種類(多くは4種類以
上)の光を透過する波長領域(マルチバンド)で、被写
体を撮影して複数の画像(マルチバンド画像)を得るカ
メラである。収録したマルチバンド画像から写真ライク
な画像を得るために、従来、マルチバンド画像から露光
濃度(Exposure Density)を求め、マトリクス演算、
一次元LUT変換等の画像処理の手法を用いることが考
えられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の画像処理の手法では、色の忠実性の観点で不十分で
あるという問題があった。本発明は、前記従来の問題に
鑑みてなされたものであり、マルチバンド画像から精度
良く、写真ライクな画像を得ることのできる画像処理方
法および装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第一の態様は、マルチバンド画像を写真材
料に出力する際に施す画像処理方法であって、前記出力
用写真材料の対数露光量と画像濃度を関係づける第1の
3次元ルックアップテーブルと、露光濃度と対数露光量
を関係づける第2のテーブルを有し、マルチバンド画像
から得た露光濃度を前記第2のテーブルを用いて対数露
光量に変換し、さらにこの対数露光量を前記第1の3次
元ルックアップテーブルを用いて画像濃度に変換するこ
とを特徴とする画像処理方法を提供する。
【0005】また、前記第1のテーブルは、露光装置に
より所定の出力用写真材料を露光して作成したチャート
を、画像収録装置により収録し、作成した3次元ルック
アップテーブルであることが好ましい。
【0006】また、前記第2のテーブルは、所定のチャ
ートを撮影して得られるマルチバンド画像から求めた露
光濃度と、前記撮影において測定された濃度値から前記
第1の3次元ルックアップテーブルを介して得られる対
数露光量と、を用いるものであることが好ましい。
【0007】また、前記所定のチャートとして、無彩色
チャートを用いることが好ましい。
【0008】さらに、前記マルチバンド画像から露光濃
度を得るにあたり、出力用写真材料の分光感度データ
と、光源データを参照することが好ましい。
【0009】また同様に前記課題を解決するために、本
発明の第二の態様は、マルチバンド画像の画像処理装置
であって、出力用写真材料の対数露光量と画像濃度を関
係づける第1の3次元ルックアップテーブルと、露光濃
度と対数露光量を関係づける第2のテーブルと、マルチ
バンド画像から露光濃度を算出する手段と、該露光濃度
を、前記第2のテーブルおよび前記第1の3次元ルック
アップテーブルを用いて画像濃度に変換する手段と、を
備えたことを特徴とする画像処理装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像処理方法およ
び装置について、添付の図面に示される好適実施形態を
基に、詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の一実施形態に係る画像処
理装置の概略を示すブロック図である。画像処理装置1
0には、マルチバンド画像を撮影するマルチバンドカメ
ラ12、スキャナ14およびレーザプリンタ16が接続
されている。また、画像処理装置10は、露光濃度算出
部18、露光濃度画像保持部20、濃度画像変換部22
および出力用写真材料の対数露光量と画像濃度を関係づ
ける第1のテーブルである3次元ルックアップテーブル
(3DLUT)24と、露光濃度と対数露光量を関係づ
ける第2のテーブルである1次元ルックアップテーブル
(1DLUT)26を含んでいる。なお、画像処理装置
10は、これら以外にも通常の画像処理を行うための手
段を有しているが、ここでは、図示および説明を省略す
る。
【0012】マルチバンドカメラ12は、光源28によ
って照射された被写体30を撮影波長領域を複数チャン
ネルに分割する分光フィルタを用いて複数チャンネル毎
にスペクトル画像を撮影し、マルチバンド画像を得るも
のである。マルチバンドカメラ12内の分光フィルタ
は、光学フィルタでもよいが、液晶チューナブルフィル
タが好ましい。液晶チューナブルフィルタは、被写体3
0からの反射光を複数のチャンネル毎に設定された波長
領域で透過することができるように、画像処理装置10
を形成するコンピュータから制御信号を受け取って所望
のバンドパスフィルタとして機能する波長可変フィルタ
である。
【0013】このような液晶チューナブルフィルタを用
いて撮影波長領域を複数チャンネル、例えば16チャン
ネルに分割し、同一の被写体30を撮影して複数のスペ
クトル画像からなるマルチバンド画像をCCDカメラに
よって撮影する。すなわち、CCDカメラは、所望の分
光透過率分布に制御された液晶チューナブルフィルタを
透過した透過光を、光学系のレンズを介してエリア状に
配列したCCD素子の受光面で結像させ、波長領域の異
なる各チャンネル毎に撮影被写体を撮影したスペクトル
画像信号を得る撮影手段である。すなわち、チャンネル
数が16チャンネルであれば、16枚のスペクトル画像
の画像信号が得られる。得られたスペクトル画像の画像
信号は、画像処理装置10に送られる。画像処理装置1
0では、CCDカメラで受光して得られた出力信号をA
/D変換してデジタル画像データを得る。必要によりD
Cオフセットの補正等が施される。
【0014】スキャナ14は、前記第1のテーブルであ
る3DLUT24を作成するために用意されたチャート
32を読み込むものである。このチャート32は、レー
ザプリンタ16によって、所定の出力用写真材料に露光
される。レーザプリンタ16は、画像処理装置10によ
ってマルチバンド画像から作成された濃度画像を、所定
の出力用写真材料に写真ライクな画像34として出力す
るものである。また、前記第2のテーブルである1DL
UTを作成するために標準出力用写真材料に作成された
チャート36が別途用意されている。本実施形態では、
チャート36としてグレーチャート(無彩色チャート)
を用いる。
【0015】以下、本実施形態の作用を説明する。ま
ず、第1のテーブルである3DLUT24を作成する。
これは、レーザプリンタ16により、所定の出力用写真
材料を露光する場合の、露光光量Eの対数(対数露光量
Log E)と、出力用写真材料の画像濃度Dとの関係を示
す、3次元ルックアップテーブルである。
【0016】レーザプリンタ16により、所定の出力用
写真材料に3DLUT24を作成するためのチャート3
2を露光する。現像後このチャート32をスキャナ14
によって収録する。そして、レーザプリンタ16の光量
(対数露光量Log E)と、出力用写真材料に出力された
画像の濃度Dとの関係、Log E−Dを示す、3DLUT
24を作成する。
【0017】次に、第2のテーブルである1DLUT2
6を作成する。これは、露光濃度と対数露光量との対応
を表すものである。標準写真材料で反射率Rn(λ )(n
はチャートの番号、λは波長)が既知のチャート36
(ここではグレーチャート)をマルチバンドカメラ12
によりマルチバンド撮影する。このマルチバンド画像に
対し、事前にあるいは処理時にオペレータによって与え
られる等によって取得された写真材料の分光感度データ
Sk(λ) (k=R、G、B)、光源データL(λ)を用
いて、次の(1)式により露光濃度EDn を算出する。 EDnk = − Log {∫Rn(λ) Sk(λ)L(λ)dλ / ∫Sk(λ)L(λ)dλ}・・・(1)
【0018】一方、撮影により得られるチャート36の
画像濃度Dを、前記3DLUT24に通して、対数露光
量Log Eに変換する。画像濃度Dと、上で算出された露
光濃度EDnkとは対応しているため、これにより、標準
写真材料に作成された反射率既知のチャート(グレーチ
ャート)36から得られたマルチバンド画像についての
露光濃度EDnkと、それをレーザプリンタ16で前記所
定の写真材料に再現するための対数露光量Log Ek との
関係、EDnk − Log Ek を示す1次元ルックアップ
テーブル1DLUT26が作成される。
【0019】次に、光源28によって照射された被写体
30をマルチバンドカメラ12で撮影して、マルチバン
ドデジタル画像データを得る。このマルチバンドデジタ
ル画像データについて、各画素ごとの分光反射率Rij(
λ )、画像を再現しようとする感材の分光感度データS
k(λ)、および光源データL(λ)を用いて、次の
(2)式により、各画素毎の露光濃度EDijk を算出
し、露光濃度画像EDを得る。 EDijk = − Log {∫Rij( λ) Sk(λ)L(λ)dλ / ∫Sk(λ)L(λ)dλ}・・・(2)
【0020】濃度画像変換部22は、前記1DLUT2
6および3DLUTを用いて露光濃度を画像濃度に変換
する。すなわち、この露光濃度EDijk に対し、前記1
DLUT26を用い、露光濃度EDijk を対数露光量Lo
g Eijk に変換する。さらに、この対数露光量Log Eij
k に対し、前記3DLUT24を用い、対数露光量Log
Eijk を画像濃度Dijk に変換し、最終的に露光濃度E
Dijk を画像濃度Dijk に変換する。このようにして得
られた画像濃度Dijk を各画素値として有する濃度画像
Dを、レーザプリンタ16によって所定の写真材料に、
画像34として出力する。これによってマルチバンド画
像から色再現性にすぐれた写真ライクな画像が得られ
る。
【0021】以下、具体的な実施例について説明する。 (実施例)本実施例では、以下のようなマルチバンドカ
メラによる撮影を行った。CCDカメラとしてDALS
A社製CA-D4-1024A(ピクセル数1024×1024、ピ
クセルサイズ12×12ミクロン、PCIインターフェ
ース付き、モノクロ)を用い、液晶チューナブルフィル
タとして、CRI社製Varispec Tunable Filter(液晶チ
ューナブルフィルタ)を用いた。この液晶チューナブル
フィルタは、400〜720nmのフィルタ波長範囲内
で、分光透過率分布の中心波長を任意に選択でき、その
分布の波長の半値幅が30nmであり、分光透過率は波長
によって変化し、6〜60%であった。画像処理装置と
して、PROSIDE社製ブック型PC(パーソナルコ
ンピュータ、CPUは166MHz、RAMは128Mby
te)を用いた。
【0022】撮影の光源として、メタルハライドランプ
を用い、撮影被写体の照度を320lux とした。撮影に
使用した撮影レンズはNikomart(f=50mm、F1.
4)を用いた。また、撮影波長範囲410nm〜710nm
を16分割して16チャンネルとし、各波長間隔を20
nmとした。撮影は、液晶チューナブルフィルタの分光透
過率分布を各分割したチャンネルに応じて変化させて撮
影し、マルチバンド画像を構成する原画像を得た。撮影
時の絞り値はF2.8であった。撮影時間は1ショット
25m秒であった。
【0023】レーザプリンタ16として、富士写真フイ
ルム社製レーザプリンタPHISUL2、標準写真材料
として同じく富士写真フイルム社製カラーリバーサルフ
ィルム・フジクロームPROVIA100を用い、ま
た、スキャナ14としては、大日本スクリーン社製スキ
ャナSG1000を用いた。そして、マクベスチャート
24点を2回マルチバンド撮影して上記処理をおこない
前記PROVIAに出力し、オリジナルの画像と比較し
た。
【0024】その結果を表1および図2に示す。表1は
色差の計算結果を示したものであり、図2はそれをプロ
ットしたものである。図2では、矢印の始点がオリジナ
ル、終点がマルチバンド画像から再現した画像を表して
いる。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、本手法によるものと実
物との色差はマクベスチャート24色の平均で、略色差
2.3程度であり、十分な再現レベルの、実物に近い、
写真ライクな画像を作成することができた。また、標準
写真材料と出力用写真材料の種類を変え、分光感度デー
タ、3DLUTを変更した場合には、変更目標の写真感
材に近い画像を得ることができた。さらに、写真材料を
変えるだけでなく、目的に応じて光源を水銀灯等他の光
源に変えて同様に画像再現を行うようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、マ
ルチバンド画像から精度よく写真ライクな画像を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る画像処理装置の概
略を示すブロック図である。
【図2】 本実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 画像処理装置 12 マルチバンドカメラ 14 スキャナ 16 レーザプリンタ 18 露光濃度算出部 20 露光濃度画像保持部 22 濃度画像変換部 24 3DLUT 26 1DLUT 28 光源 30 被写体 32 3DLUT作成用のチャート 34 出力画像(写真ライクな画像) 36 標準写真材料に作成されたグレーチャート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルチバンド画像を写真材料に出力する際
    に施す画像処理方法であって、 前記出力用写真材料の対数露光量と画像濃度を関係づけ
    る第1の3次元ルックアップテーブルと、露光濃度と対
    数露光量を関係づける第2のテーブルを有し、 マルチバンド画像から得た露光濃度を前記第2のテーブ
    ルを用いて対数露光量に変換し、さらにこの対数露光量
    を前記第1の3次元ルックアップテーブルを用いて画像
    濃度に変換することを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】前記第1のテーブルは、露光装置により所
    定の出力用写真材料を露光して作成したチャートを、画
    像収録装置により収録し、作成した3次元ルックアップ
    テーブルである請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】前記第2のテーブルは、所定のチャートを
    撮影して得られるマルチバンド画像から求めた露光濃度
    と、前記撮影において測定された濃度値から前記第1の
    3次元ルックアップテーブルを介して得られる対数露光
    量と、を用いるものである請求項1または2に記載の画
    像処理方法。
  4. 【請求項4】前記所定のチャートとして、無彩色チャー
    トを用いる請求項3に記載の画像処理方法。
  5. 【請求項5】前記マルチバンド画像から露光濃度を得る
    にあたり、出力用写真材料の分光感度データと、光源デ
    ータを参照する請求項1乃至4のいずれかに記載の画像
    処理方法。
  6. 【請求項6】マルチバンド画像の画像処理装置であっ
    て、 出力用写真材料の対数露光量と画像濃度を関係づける第
    1の3次元ルックアップテーブルと、 露光濃度と対数露光量を関係づける第2のテーブルと、 マルチバンド画像から露光濃度を算出する手段と、 該露光濃度を、前記第2のテーブルおよび前記第1の3
    次元ルックアップテーブルを用いて画像濃度に変換する
    手段と、 を備えたことを特徴とする画像処理装置。
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