JP2001068745A - 熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換モジュール

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JP2001068745A
JP2001068745A JP23994899A JP23994899A JP2001068745A JP 2001068745 A JP2001068745 A JP 2001068745A JP 23994899 A JP23994899 A JP 23994899A JP 23994899 A JP23994899 A JP 23994899A JP 2001068745 A JP2001068745 A JP 2001068745A
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thermoelectric conversion
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Kohei Taguchi
功平 田口
Kenji Terakado
健次 寺門
Shinko Ogusu
真弘 小楠
Atsuo Matsumoto
敦夫 松本
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NHK Spring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属基板を用いても破壊を避けることがで
き、金属基板の高い熱伝導率を活かして性能を向上でき
る熱電変換モジュールを提供する。 【解決手段】 複数のn型熱電素子およびp型熱電素子
(3)と、一対のn型熱電素子およびp型熱電素子
(3)の下面を接続する複数の下部電極(2)と、下部
電極(2)が接続する対とは異なる他の一対のn型熱電
素子およびp型熱電素子(3)の上面を接続する複数の
上部電極(4)とを具備し、複数のn型熱電素子および
p型熱電素子(3)が直列または並列に接続された構造
を有する熱電変換モジュールにおいて、下部電極(2)
は金属基板(1)上に固着されており、上部電極(4)
どうしは互いに自由である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力を投入するこ
とによって熱移動を起こしたり、熱源から電力を取り出
す作用を有する熱電変換モジュールに関し、特にモジュ
ール構成の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱電現象としてゼーベック効
果、ペルチェ効果およびトムソン効果が知られている。
【0003】ゼーベック効果とは、p型とn型の熱電半
導体を電気的に接合した接合部を持つ熱電変換素子対に
おいて、接合部を高温にし、かつ熱電半導体の他端を低
温にすると、温度差に応じた熱起電力が発生する現象で
ある。
【0004】ペルチェ効果とは、p型とn型の熱電半導
体を電気的に接合した接合部を持つ熱電変換素子対にお
いて、一方の熱電半導体から他方の熱電半導体へ電流を
流すと、接合部では熱を吸収し、熱電半導体の他端では
熱を発生する現象である。
【0005】トムソン効果とは、p型またはn型の熱電
半導体の一端を高温にし、他端を低温にして、温度勾配
に沿って電流を流すと、電流の方向によって半導体の内
部で熱の吸収または発生を生じる現象である。
【0006】このような効果を利用した熱電変換装置
は、可動部分が全くないため振動、騒音、摩耗などを生
じることがなく、構造が簡単で信頼性が高く、高寿命で
保守が容易である。したがって、これらの特徴を活かし
て簡便なエネルギー変換装置として利用できる可能性が
ある。
【0007】上述したように熱電変換装置は、p型とn
型の熱電半導体を電気的に接合させた熱電変換素子対を
備えている。そして、実際に装置として利用する場合に
は、多数の熱電半導体素子を電気的に直列または並列に
接続して一体構造とした状態で所定の電位差または吸熱
/発熱を発生させるようにする。このように一体構造と
した形態は、熱電変換モジュールと呼ばれる。具体的な
熱電変換モジュールとしては、ゼーベック効果を利用し
て熱電変換素子対の高温端および低温端の温度差に依存
して起電力を取り出す熱電発電装置や、ペルチェ効果を
利用して高温端および低温端に印加した電圧に依存して
温度差を生じさせることにより一端を冷却する熱電冷却
装置がある。
【0008】従来、上記のような熱電変換モジュール
は、セラミックス(たとえばアルミナ)製の基板上に形
成されているものが多い。セラミックス基板の最大の利
点は、熱膨張係数が小さいことにある。すなわち、基板
上に多数の熱電素子を並べて固着する構造は、モジュー
ル全体の強度が向上する反面、温度変化によりモジュー
ル内部で応力が発生してモジュールの破壊の原因にな
る。こうした応力は基板の熱膨張が小さい方が発生しに
くいため、セラミックス基板の熱膨張係数が小さいこと
は非常に大きな利点になる。しかし、アルミナなどのセ
ラミックスは、熱伝導性が低く、価格が高いことが欠点
である。
【0009】一方、金属製の基板を用いることができれ
ば、熱伝導性が高く熱電変換モジュールの性能を上げる
ことができるとともに価格の低減が期待できる。しか
し、金属基板は熱膨張率が大きいため、熱電変換モジュ
ールが使用中に破壊しやすいことが最大の欠点であり、
実用化が困難であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
基板を用いても破壊を避けることができ、金属基板の高
い熱伝導率を活かして性能を向上できる熱電変換モジュ
ールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の熱電変換モジュ
ールは、複数のn型熱電素子およびp型熱電素子と、一
対のn型熱電素子およびp型熱電素子の下面を接続する
複数の下部電極と、前記下部電極が接続する対とは異な
る他の一対のn型熱電素子およびp型熱電素子の上面を
接続する複数の上部電極とを具備し、前記複数のn型熱
電素子およびp型熱電素子が直列または並列に接続され
た構造を有する熱電変換モジュールにおいて、前記下部
電極は金属基板上に固着されており、前記上部電極どう
しは互いに自由であることを特徴とする。
【0012】本発明の熱電変換モジュールにおいて、n
型熱電素子またはp型熱電素子と、下部電極または上部
電極とは、Sn−Ag系、Sn−Sb系もしくはSn−
Bi系の合金または化合物を主成分とする結合層を介し
て固着されていることが好ましい。また、金属基板がA
lを主成分とする材質からなり、n型熱電素子およびp
型熱電素子はBi−Te系熱電半導体からなることが好
ましい。
【0013】なお、n型熱電素子およびp型熱電素子の
下面および上面には表面処理層を設けてもよい。また、
金属基板と下部電極とは樹脂層を介して固着してもよ
い。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明の熱電
変換モジュールは、金属基板1上に下部電極2、熱電素
子3および上部電極4を形成した構造を有する。この図
に示されるように、下部電極2は金属基板1上に固着さ
れているが、従来多用されている構造とは異なり上部電
極4側には基板を用いていない。すなわち、上部電極4
どうしは基板には固着されておらず互いに機械的に自由
である。このように、金属基板1を片側だけに設け、上
部電極4どうしは互いに機械的に自由にしているので、
金属基板1の大きな熱膨張係数に起因して発生する応力
を上部電極4側で緩和することができ、使用中の熱電変
換モジュールの破壊を抑制することができる。
【0015】図2(A)〜(C)に本発明の熱電変換モ
ジュールの製造方法の一例を示す。図2(A)は金属基
板1とその上に固着される下部電極2の配置を示す平面
図である。図2(B)は下部電極2上に固着される熱電
素子3の配置を示す平面図であり、横方向および縦方向
にn型熱電素子およびp型熱電素子が交互に配置され
る。1つの下部電極2上には一対のn型熱電素子および
p型熱電素子が配置される。図2(C)は熱電素子3上
に設けられる上部電極4の配置を示す平面図である。下
部電極2が接続する対とは異なる他の一対のn型熱電素
子およびp型熱電素子の上面を接続するように上部電極
4が設けられる。金属基板1上にこれらの部材を所定の
配置で順次重ねることにより、多数の熱電素子3が直列
に接続された熱電変換モジュールを製造することができ
る。なお、図1は、これらの部材を重ねた状態で図2
(C)のI−I線に沿って切断した断面図である。
【0016】図2のような配置を示す熱電変換モジュー
ルは、たとえば図2(A)の下側両横に設けた長い下部
電極2間に直流電流を流すことにより、金属基板1側が
冷却されたり加熱されたりする。この場合、電流の方向
によって金属基板1の冷却と加熱とが反転する。このよ
うな用途に使用されるモジュールは、電子冷却モジュー
ルと呼ばれる。また、金属基板1を加熱または冷却する
ことにより、図2(A)の下側両横に設けた長い下部電
極2間に起電力が発生する。このような用途に使用され
るモジュールは、熱電発電モジュールと呼ばれる。
【0017】次に、本発明の熱電変換モジュールを構成
する個々の部材についてより詳細に説明する。なお、図
1および図2では基本的な部材のみを示したが、実際に
はこれらの部材を固着するための各種の接合材料が用い
られるので、これらの接合部材についても説明する。
【0018】金属基板としては、耐食性、熱伝導性、成
形性に優れていることから、Alを主成分とする材質か
らなるものを用いることが特に好ましい。金属基板の厚
さは10μm〜10mm、さらに100μm〜2mmが
好ましい。金属基板の厚さが薄いと成形性が悪くなり、
厚いと熱伝導性が悪くなる。
【0019】金属基板上には電気絶縁性の樹脂層を介し
て下部電極が固着される。樹脂層は、熱膨張率の差に起
因する応力を緩和する効果がある。樹脂層としては、エ
ポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂などが用いられる。こ
のうち、エポキシ系樹脂は低価格で成形が容易である点
で好ましい。また、熱伝導性を向上させる等の目的で樹
脂層中にはアルミナなどのセラミック粒子を分散させて
もよい。樹脂層の厚さは、1〜500μm、さらに50
〜300μmであることが好ましい。樹脂層の厚さが薄
いと成形が困難になり、厚いと熱伝導性が低下してモジ
ュールの性能が低下する。下部電極としては、Cuに代
表される電気伝導および熱伝導に優れた材質が用いられ
る。なお、下部電極の表面にNiめっき層などを形成し
てもよい。
【0020】下部電極上には、PbフリーのSn系はん
だとしてSn−Ag系、Sn−Sb系もしくはSn−B
i系のはんだなどの締結材を設けて加熱溶融することに
より形成された、合金または化合物を主成分とする結合
層を介してn型熱電素子およびp型熱電素子が固着され
る。ここで、結合層はSn−Ag系、Sn−Sb系もし
くはSn−Bi系のはんだがその両側の部材(電極およ
び熱電素子)の材料を一部取り込んだ状態で固化するの
で、使用したはんだとは組成が異なることが多いが、組
成が大きく異なることは少ない。結合層の厚さは1〜1
000μmの範囲が好ましい。結合層の厚さが1μm未
満であると安定した接合が得られず、1000μmを超
えるとモジュール全体の効率が低下したり、強度が低下
することがある。結合層の厚さは10〜100μmであ
ることがより好ましい。
【0021】n型熱電素子およびp型熱電素子を構成す
る熱電半導体としては、Bi2Te3、PbTeなどの金
属間化合物、Si−Ge系合金などが知られているが、
Bi−Te系熱電半導体(または合金)を用いることが
好ましい。Bi−Te系熱電半導体(または合金)は、
性能を向上させるために、Bi2Te3とSb2Te3、S
2Se3、Se2Te3などの金属間化合物とを混合して
使用することが多い。また、導電型をp型またはn型に
制御するために、Te、Pb、Sn、SbI3、Br
3、AgIなどの不純物を微量に添加する。また、n
型熱電素子およびp型熱電素子の表面にNiめっき層な
どの表面処理層を形成してもよい。
【0022】n型熱電素子およびp型熱電素子上には、
PbフリーのSn系はんだとしてSn−Ag系、Sn−
Sb系もしくはSn−Bi系のはんだなどの締結材を設
けて加熱溶融することにより形成された、合金または化
合物を主成分とする結合層を介して上部電極が固着され
る。上部電極としても、Cuに代表される電気伝導およ
び熱伝導に優れた材質が用いられる。下部電極の表面
(片面または両面)にもNiめっき層などを形成しても
よい。
【0023】ここで、n型熱電素子またはp型熱電素子
と下部電極または上部電極との間の結合層の材質につい
てより詳細に説明する。上述したように、n型熱電素子
およびp型熱電素子の表面にNiめっき層などの表面処
理層を形成すると、使用中のモジュールの破壊を抑制す
るのに効果的である。この場合、結合層の材質は特に限
定されず、Sn−Ag系、Sn−Sb系またはSn−B
i系のいずれを用いてもよいが、特にSn−Ag系また
はSn−Sb系を用いることが好ましい。ただし、熱電
素子の表面に表面処理層を形成すると製造工程が増える
ので、できれば表面処理層を形成しないことが好まし
い。熱電素子の表面に表面処理層を形成しない場合で
も、結合層としてSn−Ag系またはSn−Sb系を用
いれば、使用中のモジュールの破壊を効果的に抑制でき
る。特に、Sn−Ag系を用いることが好ましい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0025】まず、以下のようにしてp型Bi−Te系
熱電素子およびn型Bi−Te系熱電素子を作製した。
p型Bi−Te系熱電素子は、モル比で(Bi2Te3
/(Sb2Te3)<0.45となるように各成分を混合
(過剰のTeが含まれる)して溶融した後に粉砕し、粉
末焼結法により固化したものを1.4×1.4×2.4
mmの寸法に切断することにより作製した。n型Bi−
Te系熱電半導体は、モル比で(Bi2Te3)/(Bi
2Se3)>1.0となるように各成分を混合し、さらに
SbI3を添加して溶融した後に粉砕し、粉末焼結法に
より固化したものを1.4×1.4×2.4mmの寸法
に切断することにより作製した。
【0026】次に、以下のようにして図3に示す積層構
造を有する熱電変換モジュールを作製した。厚さ1mm
のAlからなる金属基板1上に、アルミナセラミックス
の粒子を分散させた厚さ200μmのエポキシ系の樹脂
層11を介して、厚さ400μmのCuからなる下部電
極2を固着した。なお、下部電極2の上面にはNiめっ
き層2aを形成している。この下部電極2上に、Sn−
Ag系、Sn−Sb系またはSn−Bi系の結合層12
を介してp型またはn型のBi−Te系熱電素子3を固
着した。この結合層12の厚さは20〜50μmとし
た。図3では、熱電素子3の表面には表面処理層を設け
ていない。p型またはn型のBi−Te系熱電素子3上
に、Sn−Ag系、Sn−Sb系またはSn−Bi系の
結合層12を介して厚さ400μmのCuからなる上部
電極4を固着した。この結合層12の厚さは20〜50
μmとした。なお、上部電極4の下面および上面にはそ
れぞれNiめっき層4aを形成している。
【0027】また、図4に示す積層構造を有する熱電変
換モジュールも作製した。図4の熱電変換モジュールに
おいて、図3のものと異なるのは、p型またはn型のB
i−Te系熱電素子3の下面および上面に0.2〜1.
0μmのNiめっき層からなる表面処理層3aを形成し
ていることである。
【0028】一方、比較例として、図5に示すように、
金属基板1上に下部電極2、熱電素子3、上部電極4お
よび金属基板1’を形成した構造を有する熱電変換モジ
ュールを作製した。比較例の熱電変換モジュールの具体
的な積層構造を図6および図7に示す。
【0029】図6の積層構造を有する熱電変換モジュー
ルは、上部電極4の上面が樹脂層11を介して上部の金
属基板1’に固着されている以外は、図3と同様の積層
構造を有する。
【0030】また、図7に示す積層構造を有する熱電変
換モジュールは、p型またはn型のBi−Te系熱電素
子3の下面および上面にNiめっき層からなる表面処理
層3aを形成している以外は、図6と同様の積層構造を
有する。
【0031】図3、図4、図6および図7の積層構造を
有し結合層がSn−Bi系またはSn−Ag系である熱
電変換モジュールについて、ヒートサイクル試験(1)
を行い、使用時のモジュールの破壊状況を評価した。な
お、モジュールの破壊状況は、ヒートサイクル試験の前
後での内部抵抗の増加率を調べることにより評価した。
ここでは、内部抵抗の増加はモジュールの接合部等にお
ける破壊により生じると想定している。
【0032】ヒートサイクル試験(1)は、モジュール
全体を恒温槽中に保持し、恒温槽の温度を、(i)95
℃×5分間、(ii)5℃×5分間のサイクルで変化さ
せて行った。この試験において、100サイクル後およ
び500サイクル後に、モジュールの内部抵抗を測定し
た。そして、試験前を基準として内部抵抗の増加率が5
%未満のものを○、5%以上のものを×とした。これら
の結果を表1に示す。
【0033】表1において金属基板の構成を比較して、
金属基板を片側(下部)だけに設けている本発明の熱電
変換モジュールの方が、金属基板を下部および上部の両
側に設けている比較例の熱電変換モジュールよりも、モ
ジュールが破壊しにくいことがわかる。ただし、本発明
の熱電変換モジュールでも、熱電素子の表面に表面処理
層を設けていない場合には、結合層としてSn−Bi系
よりもSn−Ag系を用いることが望ましいことがわか
る。
【0034】
【表1】
【0035】次に、図3の積層構造を有し結合層がSn
−Sb系またはSn−Ag系である熱電変換モジュール
について、ヒートサイクル試験(1)より厳しいヒート
サイクル試験(2)を行い、上記と同様に使用時のモジ
ュールの破壊状況を評価した。
【0036】ヒートサイクル試験(2)は、モジュール
全体を恒温槽中に保持し、恒温槽の温度を、(i)85
℃×10分間、(ii)−40℃×10分間のサイクル
で変化させて行った。この試験において、1000サイ
クル後に、モジュールの内部抵抗を測定した。これらの
結果を表2に示す。
【0037】表2に示されるように、結合層がSn−S
b系の場合でも、Sn−Ag系の場合と同様に良好な結
果が得られることがわかる。
【0038】なお、Al基板/樹脂層の厚さを500μ
m/80μmとした場合でも、表2と同様な効果が得ら
れた。
【0039】
【表2】
【0040】さらに、図3の積層構造を有し結合層がS
n−Sb系またはSn−Ag系である熱電変換モジュー
ルについて、通電サイクル試験を行い、上記と同様に使
用時のモジュールの破壊状況を評価した。
【0041】通電サイクル試験は、モジュールに一定電
流の通電(ON)と通電停止(OFF)を繰り返すこと
により行った。ON時には、Imax=3.5Aの電流を
流した。Imaxとはモジュールの高温端と低温端との温
度差が最大になるときの電流値である。なお、試験中に
金属基板側の温度が一定になるように、金属基板に恒温
板(内部に温水を循環させている)を密着させた。これ
により、金属基板の温度は60〜65℃に保持された。
一方、金属基板に対して反対側の端部(上部電極の上面
側)の温度は、通電のON/OFFに応じて5〜60℃
の間で変化した。この試験において、100サイクル後
および1000サイクル後に、モジュールの内部抵抗を
測定した。これらの結果を表3に示す。
【0042】表3に示されるように、通電サイクル試験
では、結合層がSn−Ag系の方がSn−Sb系よりも
長時間使用が可能であることがわかる。
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、金
属基板を用いても破壊を避けることができ、金属基板の
高い熱伝導率を活かして性能を向上できる熱電変換モジ
ュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電変換モジュールの一例を概略
的に示す断面図。
【図2】本発明に係る熱電変換モジュールの製造工程を
示す平面図。
【図3】本発明に係る熱電変換モジュールの厚さ方向の
材料の配置の一例を示す断面図。
【図4】本発明に係る熱電変換モジュールの厚さ方向の
材料の配置の他の例を示す断面図。
【図5】比較例の熱電変換モジュールの一例を概略的に
示す断面図。
【図6】比較例の熱電変換モジュールの厚さ方向の材料
の配置の一例を示す断面図。
【図7】比較例熱電変換モジュールの厚さ方向の材料の
配置の他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1、1’…金属基板 2…下部電極、2a…Niめっき層 3…熱電素子、3a…表面処理層 4…上部電極、4a…Niめっき層 11…樹脂層 12…結合層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小楠 真弘 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内 (72)発明者 松本 敦夫 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のn型熱電素子およびp型熱電素子
    と、一対のn型熱電素子およびp型熱電素子の下面を接
    続する複数の下部電極と、前記下部電極が接続する対と
    は異なる他の一対のn型熱電素子およびp型熱電素子の
    上面を接続する複数の上部電極とを具備し、前記複数の
    n型熱電素子およびp型熱電素子が直列または並列に接
    続された構造を有する熱電変換モジュールにおいて、前
    記下部電極は金属基板上に固着されており、前記上部電
    極どうしは互いに自由であることを特徴とする熱電変換
    モジュール。
  2. 【請求項2】 前記n型熱電素子またはp型熱電素子
    と、前記下部電極または上部電極とが、Sn−Ag系、
    Sn−Sb系もしくはSn−Bi系の合金または化合物
    を主成分とする結合層を介して固着されていることを特
    徴とする請求項1記載の熱電変換モジュール。
  3. 【請求項3】 前記金属基板がAlを主成分とする材質
    からなることを特徴とする請求項1または2記載の熱電
    変換モジュール。
  4. 【請求項4】 前記n型熱電素子およびp型熱電素子
    が、Bi−Te系熱電半導体からなることを特徴とする
    請求項1ないし3いずれか記載の熱電変換モジュール。
  5. 【請求項5】 前記n型熱電素子およびp型熱電素子
    が、下面および上面に表面処理層を有することを特徴と
    する請求項1ないし4いずれか記載の熱電変換モジュー
    ル。
  6. 【請求項6】 前記金属基板と前記下部電極とが樹脂層
    を介して固着されていることを特徴とする請求項1ない
    し5いずれか記載の熱電変換モジュール。
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