JP2001067779A - ディスク記憶装置及びスピンドルモータの起動方法 - Google Patents

ディスク記憶装置及びスピンドルモータの起動方法

Info

Publication number
JP2001067779A
JP2001067779A JP24791699A JP24791699A JP2001067779A JP 2001067779 A JP2001067779 A JP 2001067779A JP 24791699 A JP24791699 A JP 24791699A JP 24791699 A JP24791699 A JP 24791699A JP 2001067779 A JP2001067779 A JP 2001067779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spindle motor
temperature
motor
bearing
storage device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24791699A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Omi
隆夫 近江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP24791699A priority Critical patent/JP2001067779A/ja
Publication of JP2001067779A publication Critical patent/JP2001067779A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotational Drive Of Disk (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スピンドルモータを速やかに起動させ、起動不
能となるのを回避する。 【解決手段】スピンドルモータ13の軸受内の油の温度
を検出する温度センサ35を、当該軸受けの底壁をなす
ボトムプレートに隣接して配置する。CPU34は、ス
ピンドルモータ13を起動する必要がある場合、予め所
定の温度範囲別に定められたそれぞれ異なるモータ起動
アルゴリズムのうち、温度センサ35により検出された
温度が属する温度範囲に固有のモータ起動アルゴリズム
に従う起動手順を適用することで、当該スピンドルモー
タ13を起動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク媒体を回
転駆動するスピンドルモータを備えたディスク記憶装置
に係り、特にスピンドルモータを速やかに起動するのに
好適なディスク記憶装置及びスピンドルモータの起動方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディスク媒体を回転駆動するスピ
ンドルモータを備えたディスク記憶装置では、当該モー
タの軸受けに玉軸受けを用いるのが一般的であった。こ
の玉軸受けを用いたスピンドルモータ(玉軸受けスピン
ドルモータ)は、常温領域に比べると低温領域で幾分起
動しにくいことが知られているが、実用上殆ど問題のな
いものであった。
【0003】一方、近年は、玉軸受けに代えてランアウ
ト/軸振れの少ない流体軸受けを用いたスピンドルモー
タ(流体軸受けスピンドルモータ)が適用されるように
なってきた。ところが、この流体軸受けスピンドルモー
タは、玉軸受けスピンドルモータに比べて起動トルク、
即ち起動(駆動)に必要なエネルギ量の温度依存性が大
きく、そのために玉軸受けモータと同じ駆動通電方式を
用いた場合、低温領域で速やかに起動しにくく、回転起
動しない現象が発生することもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、流体
軸受けスピンドルモータは、玉軸受けスピンドルモータ
と同じ駆動通電方式を用いた場合に、特に低温領域で回
転起動しない現象が起きる虞があるという問題があっ
た。また、玉軸受けスピンドルモータも、流体軸受けス
ピンドルモータほどではないものの、低温領域で速やか
に起動しにくいという問題があった。
【0005】本発明者は、この問題がスピンドルモータ
の起動トルクの温度依存性に起因しており、この起動ト
ルクの温度依存性が、軸受けに用いられている油の粘度
の温度依存性によるものであることを認識するに至っ
た。つまり、玉軸受けスピンドルモータでは、玉(鋼
球)の回転を滑らかにするために当該玉に油が被着され
ており、流体軸受けでは、作動流体に油が使用されてお
り、その油(作動油)の粘度の温度依存性が、起動トル
クの温度依存性に影響を与えていることを認識するに至
った。特に、流体軸受けスピンドルモータでは、起動ト
ルクの温度依存性は油の粘度の温度依存性によってほぼ
決定され、玉軸受けスピンドルモータに比べて大きいた
め、低温領域で回転起動しない現象が起きやすい。
【0006】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、スピンドルモータの軸受けに用いられている油の温
度を検出し、その検出温度が属する温度範囲に応じてモ
ータ起動アルゴリズムを変更することにより、速やかに
モータを起動させ、起動不能となるのを回避することを
主要な目的とする。
【0007】また本発明は、スピンドルモータの軸受け
に用いられている油の温度または駆動電流を検出して予
め記憶された基準データと比較することにより、軸受け
の寿命或いは異常判定が行えるようにすることをも目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、データが記録
されるディスク媒体を回転駆動するスピンドルモータを
備えたディスク記憶装置において、スピンドルモータの
軸受内の油の温度を検出する温度センサと、予め所定の
温度範囲別に定められたそれぞれ異なるモータ起動アル
ゴリズムのうち、上記温度センサにより検出された温度
が属する温度範囲に固有のモータ起動アルゴリズムに従
う起動手順を適用してスピンドルモータを起動する起動
手順実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】このような構成においては、スピンドルモ
ータの軸受けに用いられている油、特に流体軸受けの作
動流体としての油の粘度の温度依存性により、当該油が
低温となるにつれてスピンドルモータの起動トルクが大
きくなったとしても、当該油の温度が属する温度範囲に
適したモータ起動アルゴリズムに従う起動手順が適用さ
れるため、従来のように常に固定のモータ起動アルゴリ
ズムを適用するのと異なって、スピンドルモータを速や
かに起動させ、起動不能となるのを回避することができ
る。
【0010】ここで、上記起動手順実行手段では、温度
センサにより検出された温度が属する温度範囲が低温側
になるほど、スピンドルモータに対する起動電流の値が
大きくなる起動手順が適用されるようにするとよい。
【0011】また、上記温度センサを、スピンドルモー
タの軸受内の油と接する部材に隣接して配置するなら
ば、当該油を高感度で検出することが可能となる。特
に、少なくともスピンドルモータのモータコイルの電気
配線が形成されたFPC(フレキシブルプリント基板)
であって、その一部がスピンドルモータのボトムプレー
ト(即ち、スピンドルモータの軸受けの底壁をなすと共
に当該モータのシャフトの下端面との接触部を有するボ
トムプレート)の所定部分を除いて当該ボトムプレート
を覆うように配設されたFPCを備え、上記温度センサ
がボトムプレートの上記所定部分(つまりFPCにより
覆われずに露出した部分)に隣接して配置される構成と
するならば、スピンドルモータの軸受内の油の温度をよ
り高感度で検出できる。
【0012】この他に、温度センサが搭載され、且つ当
該温度センサの電気配線とスピンドルモータのモータコ
イルの電気配線とが形成されたFPCを用いることによ
っても、上記温度センサをスピンドルモータの軸受内の
油と接する部材、例えばボトムプレートに隣接するよう
に配置できる。
【0013】また、上記起動手順実行手段に、スピンド
ルモータの軸受内の油を加熱するプロセスを持たせるよ
うにするとよい。このようにすると、油の温度上昇に伴
う粘度の低下によりスピンドルモータの起動トルクが低
減するため、スピンドルモータが回転しない低い温度範
囲での使用環境においても、起動不良(起動エラー)を
回避できる。
【0014】この加熱プロセスを、温度センサにより検
出される上記油の温度が常温より低温側の温度範囲に属
する場合に適用し、当該油の温度が上昇するのを待っ
て、その際の温度範囲に固有のモータ起動アルゴリズム
に従う起動手順を適用するならば、より効果的に起動不
良を回避できる。ここでの待ち時間は、予め定められた
一定時間としても、或いは現温度範囲の次に高温側の温
度範囲に移行するまでとしてもよい。また、上記油を加
熱するのに、スピンドルモータのモータコイルにモータ
電流を流すとよい。ここで、モータ電流の値を、電流供
給開始時の上記油の温度が属する温度範囲に応じて設定
するとよい。
【0015】この他に、上記油を加熱するのに、予め所
定の温度範囲別にそれぞれ異なる通電波形を定め、温度
センサにより検出された温度が属する温度範囲に固有の
通電波形をスピンドルモータのモータコイルに加えるよ
うにしてもよい。ここで、温度範囲別の通電波形とし
て、モータコイルのU,V,Wの各相を同電位にして、
U相からCOM(U,V,Wの各相の共通接続点)へ、
V相からCOMへ、そしてW相からCOMへと同時に通
電されるものを適用するとよい。温度範囲によって異な
るのは、このU,V,Wの各相の電位であり、低温側の
温度範囲ほど高電位にするとよい。以上の加熱プロセス
をモータ起動アルゴリズムの先頭部分に持たせることも
可能である。ここでは、モータ起動手順自体は必ずしも
温度範囲毎に異なるようにする必要はない。
【0016】また、上記起動手順実行手段に次の機能、
即ちスピンドルモータの起動に失敗した場合に、その際
の起動手順で適用した起動周波数より高い周波数でスイ
ッチングする機能を持たせることでも、上記油の温度を
上昇させて粘度低下を図ることができるため、起動トル
クが低減して、低い温度範囲での使用環境においても起
動不良を回避できる。
【0017】また、上記起動手順実行手段に次の手段、
即ち温度センサにより検出された温度が常温より高温側
の温度範囲に属する場合に、スピンドルモータの立ち上
がりが常温時より早くなる速度曲線で当該スピンドルモ
ータを起動する手段を持たせることも可能である。この
ような構成では、高温状態でのモータ起動時に、スピン
ドルモータの剛性不足による摩耗(流体軸受けスピンド
ルモータであれば、スリーブとシャフトとの摺動による
摩耗)を低減できる。
【0018】また、スピンドルモータの軸受内の油のモ
ータ起動時の温度と一定時間経過後の温度変化とについ
て、基準のテーブルデータが予め登録された記憶手段
と、モータ起動時と一定時間経過後の温度センサの検出
温度から一定時間経過後の温度変化を求め、その温度変
化を起動時の温度が同一のテーブルデータ中の温度変化
と比較することで、スピンドルモータの軸受けの寿命も
しくは異常を判定する判定手段とを備えるとよい。
【0019】このような構成においては、モータ起動時
の温度と一定時間経過後の温度変化から、スピンドルモ
ータの軸受けの寿命もしくは異常を簡単に判定できる。
この判定は、モータ起動直後のモータ駆動電流と一定時
間経過後のモータ駆動電流変化からも行える。
【0020】また、上記温度センサを、スピンドルモー
タの軸受内の油の温度を検出する第1のセンサと、ディ
スク記憶装置が置かれている温度環境を表す雰囲気温度
を検出する第2のセンサとから構成し、起動手順実行手
段では、第1のセンサにより検出される上記油の温度だ
けでなく、第2のセンサにより検出される雰囲気温度も
考慮し、その2つの温度で決まる温度範囲に固有のアル
ゴリズムで起動手順を行うようにしてもよい。なお、温
度センサは、スピンドルモータの軸受内の油の温度を検
出するだけとして、雰囲気温度は別の温度センサにより
検出するようにしてもよい。つまり、温度センサとは別
に、雰囲気温度を検出するもう1つの温度センサを設け
てもよい。
【0021】このような構成では、油の絶対温度と雰囲
気温度との相対温度で決まる温度範囲の起動アルゴリズ
ムを使用できるため、雰囲気温度を考慮せずに油の絶対
温度だけで決まる温度範囲の起動アルゴリズムを使用す
る場合に比べて、より最適な条件でのモータ起動が実現
できる。この油の絶対温度と雰囲気温度との相対温度
は、起動アルゴリズムの決定に限らず、スピンドルモー
タの異常判定にも適用可能である。
【0022】また、ディスク記憶装置の主要な回路要素
をなす複数のICが搭載されたプリント回路基板上に上
記温度センサも搭載し、上記複数のICの少なくとも1
つと温度センサとが、スピンドルモータの軸受内の油と
接する部材に隣接するように当該プリント回路基板に配
置された構成とするとよい。
【0023】このような構成においては、上記少なくと
も1つのIC(以下、特定ICと称する)の発熱によ
り、特別の加熱手段を持たなくてもスピンドルモータの
軸受内の油を加熱することができ、この油の加熱に伴う
当該油の粘度低下により起動トルクを低減できる。
【0024】特に、特定ICと温度センサとが搭載され
るプリント回路基板の該当部分を、片持ちはり状に形成
し、且つ当該基板とディスク記憶装置筐体との間隔より
も、特定ICと温度センサの実装高さを大きくするなら
ば、当該基板を筐体にねじ締結などにより固定する際、
新たな部品を必要とすることなく、特定ICと温度セン
サの表面を加熱部位へ押し付けることができるため、特
定ICによる加熱と、温度センサによる温度検出とを効
果的に行うことが可能となる。ここで、特定ICと温度
センサを共通の片持ちはり状部分に実装する場合には、
プリント回路基板を通じて特定ICから温度センサに直
接熱が伝わらないように、当該片持ちはり状部分のうち
の特定ICと温度センサとの境界部に切り欠きを設ける
とよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明のディスク記憶装置
を磁気ディスク装置に適用した実施の形態につき図面を
参照して説明する。
【0026】[磁気ディスク装置の内部構造]図1は本
発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の内部構造を
示す分解斜視図である。
【0027】図1に示す磁気ディスク装置は、上面の開
口した矩形箱状の金属製、例えばアルミニウム製の筐体
(基台)10と、複数のねじにより当該筐体10にねじ
止めされて筐体10の上端開口を閉塞する金属製のトッ
プカバー11a及びトップカバーシール11bとを有し
ている。
【0028】筐体10(とトップカバー11a及びトッ
プカバーシール11bに囲まれた密閉空間)内には、磁
気記録媒体としての、例えば直径が65mm(2.5イ
ンチ)のディスク媒体(ディスク単板)12を支持及び
回転駆動するスピンドルモータ13が配設されている。
図1の例のように、本実施形態では単一枚のディスク媒
体12が配置された磁気ディスク装置を想定している
が、複数枚のディスク媒体が積層配置された構成であっ
ても構わない。なお、上記の密閉空間は、気圧変化に順
応するため、トップカバー11aに設けられた呼吸フィ
ルタ11cにより機密性を下げている場合が多い。
【0029】スピンドルモータ13は、ロータとして機
能する円筒形状のハブ21を有している。ディスク媒体
12はハブ21に同軸的に嵌合される。ハブ21の下端
部外周にはディスク受け部として機能するフランジ21
aが形成されている。ディスク媒体12は、その内孔1
2aにハブ21が挿通された状態でハブ21の外周面に
嵌合され、ハブ21の軸方向に沿ってフランジ21a上
に配置される。ハブ21の上端面には、クランプ部材と
して機能するリング状のディスク押さえ(図示せず)が
ねじ止め固定されている。ディスク押さえの外周部は、
ディスク媒体12の中央部上面に当接し、当該ディスク
媒体12をハブ21のフランジ21aに向かって押圧し
ている。それにより、ディスク媒体12は、フランジ2
1aとディスク押さえとの間に挟持され、ハブ21に固
定保持される。
【0030】筐体10(とトップカバー11a及びトッ
プカバーシール11bに囲まれた密閉空間)内には、デ
ィスク媒体12の各面(記録面)に対向して、当該ディ
スク媒体12からのデータ読み出し(データ再生)及び
当該ディスク媒体12へのデータ書き込み(データ記
録)に用いられる磁気ヘッド14がそれぞれ設けられて
いる。磁気ヘッド14はロータリ型アクチュエータとし
てのキャリッジ(ヘッド移動機構)15の先端をなすサ
スペンションに取り付けられており、当該キャリッジ1
5の角度回転に従ってディスク媒体12の半径方向に移
動する。キャリッジ15は、ボイスコイルモータ(VC
M)16により駆動される。
【0031】ディスク媒体12はスピンドルモータ13
の回転と共に回転する。磁気ヘッド14はディスク媒体
12上を狭いスペースを保って浮上しながら情報の記録
再生を行う。磁気ヘッド14により再生された信号はフ
レキシブルプリント基板(以下、FPCと称する)17
に実装されたヘッドIC18にて増幅される。ヘッドI
C18にて増幅された再生信号は、プリント回路基板
(以下、PCBと称する)19へ送られる。PCB19
は、筐体10の外面にねじ止めされ、当該筐体10の底
壁と対向して位置している。
【0032】PCB19には、図1の磁気ディスク装置
の主要な回路要素、例えば図3に示すように、スピンド
ルモータ(SPM)13を駆動するSPMドライバ31
a及びボイスコイルモータ(VCM)16を駆動するた
めのVCMドライバ31bを含むドライバIC31と、
磁気ヘッド14により再生されてヘッドIC18により
増幅された信号からのデータを復号するのに必要な信号
処理、並びにディスク媒体12へのデータ記録に必要な
信号処理等を行うリード/ライトIC32と、パーソナ
ルコンピュータ(PC)等の外部装置(ホスト)との間
でコマンド、データの通信を行うためのプロトコル処
理、並びにリード/ライトICを通じての磁気ディスク
12に対する読み出し/書き込み制御等を司るディスク
コントローラ(HDC)33と、装置全体を制御するC
PU34等が実装されている。CPU34は、当該CP
U34の制御プログラム等が格納されるROM34aを
内蔵している。
【0033】CPU34には、温度センサ35の出力が
接続されている。温度センサ35は、スピンドルモータ
13の流体軸受け25(図2参照)の作動流体の温度を
検出してデジタル値に変換して出力する機能を有するI
Cである。CPU34は、温度センサ35によって検出
された作動流体の温度が属する温度範囲に応じて、スピ
ンドルモータ13を起動するためのSPMドライバ31
aによるモータ起動アルゴリズムを変更制御する。ここ
で温度センサ35は、図3のようにPCB19外に実装
される形態(詳細は図17参照)と、PCB19上に実
装される形態(詳細は図18乃至図21参照)の両実装
形態をとり得る。
【0034】[スピンドルモータの構造]図2は図1中
のスピンドルモータ13の断面図である。この図2の断
面図は、スピンドルモータ13が流体軸受けを用いたス
ピンドルモータである場合を示してある。この例では、
スピンドルモータ13と筐体10とが一体に形成されて
いる。
【0035】スピンドルモータ13は、ロータとして機
能するハブ21を備えている。ハブ21の本体部21b
は円筒形状に形成され、その本体部21bの上端は閉塞
されている。ハブ21の本体部21bの下端部外周には
環状のフランジ21aが形成されている。本体部21b
の内側には、本体部21bの上端の中心から突出したハ
ブ21の中心軸(枢軸)としてのシャフト21cが形成
されている。このシャフト21cの下端面側に位置する
筐体10の該当部分には透孔が形成されており、当該透
孔は円形のボトムプレート22により閉塞されている。
ボトムプレート22はシャフト21cの下端面との接触
部を有している。シャフト21cの下端面は、当該下端
面とボトムプレート22の上記接触部との間の摩擦、磨
耗を低減するため、ボトムプレート22側に凸となる球
面状に形成され、接触部に対して点接触している。
【0036】筐体10の上記透孔の内側壁をなす端壁1
0aは円筒形状に突出しており、その突出した円筒状の
端壁10aの内周側には円筒形状のスリーブ(支持スリ
ーブ)23が設けられている。ハブ21は、シャフト2
1cがスリーブ23内に同軸的に挿入された状態で配置
されている。上記円筒状の端壁10aの上端側には、環
状の磁性シール24が設けられている。シャフト21c
の外周には、例えばヘリングボーン形状の動圧発生溝2
1dが形成されている。シャフト21cとスリーブ23
とボトムプレート22と磁性シール24とによって密閉
された空間には、シャフト21c(を有するスピンドル
モータ13)の回転に応じて動圧を発生する作動流体が
封入され、シャフト21cの下端面と動圧発生溝21d
と併せて流体軸受け(動圧流体軸受け)25を構成して
いる。ここで、流体軸受け25の作動流体には油、例え
ばシリコン油が用いられている。また、磁性シール24
は、環状のマグネット(永久磁石)と、当該マグネット
と対向した設けられ、磁性流体が入れられた環状の容器
とから構成されている。ここで、磁性流体は流体軸受け
25の作動流体(作動油)と大気との境界部をなしてお
り、磁性流体に対するマグネットの作用で、作動流体が
大気中(筐体10内)に飛散するのを防止している。
【0037】ハブ21の本体部21bの内周面には環状
のマグネット26が同軸的に固定されている。また、端
壁10aの外周側にはコア27a及びコイル27bを有
するステータ27が取り付けられ、マグネット26に隣
接対向している。そして、ステータ27のコイル27a
に通電することにより、駆動トルクを発生してハブ21
を回転駆動する。これにより、図1中のディスク媒体1
2が、前記したようにディスク押さえとハブ21のフラ
ンジ21aとの間に固定保持された状態では、当該ディ
スク媒体12はハブ12と一体的に回転駆動される。こ
こで、コイル27bは、U相、V相、W相の3相コイル
からなる。
【0038】以上、本発明の技術的背景をなす、流体軸
受け(25)を用いたスピンドルモータ13の構造と当
該スピンドルモータ13を実装した代表的な磁気ディス
ク装置の内部構造について説明した。
【0039】[スピンドルモータ13の低温時の起動方
法の概要]次に、本実施形態の特徴の1つである、流体
軸受けスピンドルモータ13の低温時の起動方法の概要
について図4及び図5を参照して説明する。
【0040】本実施形態では、スピンドルモータ13の
シャフト21cとスリーブ23の摩擦による発熱を利用
して、流体軸受け25の作動流体(油)の温度を上昇さ
せるようにしている。そのためには、スピンドルモータ
13が起動しない状態、つまりスピンドルモータ13が
回転せずにその位置で微小な揺動振動を起こす状態を生
じさせればよい。その理由は、スピンドルモータ13の
揺動振動を起こすと、(1)油(作動流体)の剪断摩
擦、(2)スリーブ23→作動流体への熱伝達、(3)
シャフト(枢軸)21c→作動流体への熱伝達、の3つ
の作用により、作動流体の加熱が加速され温度上昇が起
こるからである。作動流体としての油の温度が上昇する
と、当該油の粘度が低下し、これによりスピンドルモー
タ13の起動トルクが低減して当該モータ13を短い時
間で速やかに起動することが可能となる。このように本
実施形態では、スピンドルモータ13の揺動振動を意図
的に起こすことから、シャフト21cとスリーブ23に
は、従来から用いられているステンレス鋼、或いはリン
青銅に代えて、摺動磨耗し難い材料、例えばセラミック
材料を用いるとよい。
【0041】図4に一般的な流体軸受の作動流体(油)
の温度(T)と粘度(ρ)の関係を示す。同図に示すよ
うに、油の粘度は一般に温度と共に単調減少する。ここ
で、スピンドルモータ13の起動時の油(作動流体)の
温度をT0とすると、T0≧THの温度範囲を高温域、TL
<T0<THの温度範囲を常温域、TEL<T0≦TLの温度
範囲を低温域、そしてT0≦TELの温度範囲を極低温域
と定める。また、温度がTEL,TL,THの場合の油の粘
度をそれぞれρEL,ρL,ρHとすると、図から明らかな
ようにρEL>ρL>ρHの関係がある。
【0042】図5にスピンドルモータ13の起動後の経
過時間と作動流体温度の関係と、スピンドルモータ13
の起動後の経過時間とモータ駆動電流の関係とを、それ
ぞれ起動時の温度T0が極低温域(T0≦TEL)の場合
と、低温域(TEL<T0≦TL)の場合と、常温域(TL
<T0<TH)の場合と、高温域(T0≧TH)の場合とに
ついて示す。
【0043】高温域では、作動流体(油)の粘度が通常
よりも低いため(図4参照)、図5に示すように、起動
時から低い電流でスイッチング(U,V,W相の切り替
えを)しても、十分にスピンドルモータ13は回転を続
ける。また高温域では、駆軸損も小さく動パワーが小さ
いため、温度上昇は少ない。
【0044】次に常温域では、図5に示すように、起動
後、緩やかな作動流体の温度上昇が起こる。次に低温域
では、粘度が大きくなるため(図4参照)、図5に示す
ように、駆動電流をより大きくしないと起動しない。軸
損も大きいため作動流体の温度上昇も大きくなる。
【0045】極低温域では、粘度が著しく高いため(図
4参照)、かなり大きな起動トルクのパワーを要する。
このため、一般にはスピンドルモータ13を駆動するS
PMドライバ31aの容量を大きくする必要がある。し
かし、そのようにしなくても、CPU34からの制御に
よりSPMドライバ31aを通常の起動周波数(数Hz
から数十Hz)よりも高周波(kHzからMHzのオー
ダーの周波数)でスイッチングすることにより、即ちス
ピンドルモータ13の駆動電流を高周波でスイッチング
することにより、スピンドルモータ13のシャフト21
cとスリーブ23との摩擦による発熱(スピンドルモー
タ13の揺動振動による発熱)を促進させて作動流体
(油)を加熱し、当該作動流体の温度を極低温域から低
温域となるようにするならば、起動が可能となる。特
に、極低温域(或いは低温域)でのスピンドルモータ1
3の起動に失敗した場合に、作動流体の温度範囲が変わ
るまで、或いは所定の時間が経過するまでは、その際の
起動手順で適用した起動周波数より高い周波数でスイッ
チングするとよい。この高周波数でのスイッチングの終
了後は、起動周波数を、例えば図24に示すように、当
該高周波数より低い周波数範囲で、規定周波数まで段階
的に徐々に上げる。なお、高周波でスイッチングするだ
けでなく、駆動電流を大きくするならば、更に速やかに
加熱することができる。
【0046】ところで、スピンドルモータ13の揺動振
動により作動流体の温度を極低温域から低温域まで上昇
させて当該スピンドルモータ13を起動可能とするに
は、ある程度の時間を必要とする。通常、モータ起動の
ための制御開始時から規定回転数に達するまでの時間に
は上限(規定時間)が設定されており、それを超えると
リトライが行われる。そこで、上記の加熱処理を可能と
するには、モータ起動時のシャフト21cとスリーブ2
3の摩擦(摺動)を許容するために、上記の規定時間を
通常より長く設定するとよい。
【0047】[スピンドルモータ13の寿命の判定]次
に、本実施形態の特徴の他の1つである、流体軸受けス
ピンドルモータ13の寿命判定方法について図6及び図
7を参照して説明する。
【0048】図6はスピンドルモータ13の起動後の経
過時間と作動流体温度の関係を示す。スピンドルモータ
13では、モータ駆動に伴い、コイル27bで熱として
損失されるエネルギによりモータ部で発熱を生じる。こ
のため、スピンドルモータ13の流体軸受け25では、
動圧を生じさせる作動流体において温度上昇が起きる。
したがって、モータ起動時の温度(作動流体温度)をT
1、一定時間(t2−t1)経過後の温度をT2とすると、
T2とT1の関係はT2>T1となる。
【0049】図4に示したように、作動流体粘度は温度
依存性があり、温度上昇と共に粘度が低下する。この結
果、軸ロスと呼ばれる軸回転抵抗による損失が減るた
め、スピンドルモータ13の駆動電流は低下する傾向が
ある。
【0050】さて、スピンドルモータ13の流体軸受け
25の作動流体の粘度が、当該作動流体(油)の酸化な
どの劣化により低下した場合、初め(装置の使用開始
時)は一定時間(t2−t1)経過後の温度上昇が図6に
示すようにT2a−T1=dTaであったものが、初めと同
一温度T1で起動した場合でも、それより高いT2b−T1
=dTb(>dTa)となる。
【0051】そこで本実施形態では、モータ起動時の温
度と一定時間後の温度変化dTに関して、その相関関係
を表す基準テーブルを予め磁気ディスク装置内の(CP
U34に内蔵された)不揮発性メモリとしてのROM3
4a、或いはディスク媒体12の記憶情報として備えて
おき、モータ起動時より一定時間後の温度変化dTと、
モータ起動時の温度が同一の基準温度変化dT0とを、
CPU34にて比較することでスピンドルモータ13の
寿命を判定するようにしている。ここでは、dTとdT
0との差分(dT−dT0)がモータ起動時の温度に固有
のしきい値より大きい場合に、スピンドルモータ13の
(軸受け25の)異常または劣化(による寿命)を検出
したとして、HDC33からホストを介してユーザにそ
の旨の警告(寿命警告)を与えるようにしている。
【0052】次に、図7を用いて寿命判定のもう1つの
例について説明する。図7はモータ起動後の経過時間と
モータ駆動電流の関係を示している。同一温度T1で起
動した場合、つまり同一駆動電流I1で起動した場合で
も、一定時間(t2−t1)経過後の作動流体の温度は当
該作動流体の劣化により変化する。特に粘度低下により
軸損失が減る場合に、駆動電流は初めのI2a(つまり起
動直後の定常駆動電流I2a)からそれより低い(定常駆
動電流である)I2b(<I2a)へと変化する。このため
駆動電流変化は、I1−I2a=dIaからI1−I2b=d
Ib(>dIa)となる。
【0053】そこで、モータ起動時のモータ駆動電流と
一定時間後の駆動電流変化dIに関して、その相関関係
を表す基準テーブルを予めROM34a、或いはディス
ク媒体12の記憶情報として備えておき、モータ起動時
より一定時間後の駆動電流変化dIと、モータ起動時の
温度(駆動電流)が同一の基準駆動電流変化dI0との
差分(dI−dI0)を、CPU34にてモータ起動時
の温度(駆動電流)に固有のしきい値と比較して、dI
−dI0がしきい値より大きい場合に、スピンドルモー
タ13の(軸受け25の)異常や劣化検知として寿命警
告として用いることも可能である。
【0054】[スピンドルモータ13の起動方法の詳
細]次に、流体軸受けスピンドルモータ13の起動方法
の詳細について図8乃至図13を参照して説明する。
【0055】従来は低温時に、軸ロスと呼ばれる回転抵
抗が通常より過大となり、駆動電流が不足してスピンド
ルモータ13が起動しない(起動不能)という問題があ
った。そこで本実施形態では、低温時に駆動電流値Iを
より大きくする、もしくは低温領域では一定時間、高周
波数で電流をスイッチングするなど、モータ起動アルゴ
リズムを工夫することにより加熱を行い、温度上昇後に
通常の起動ルーチンを実行する、一連の動作により、起
動不能を回避するようにしている。
【0056】図8に、作動流体温度、つまり使用温度の
範囲(高温域、常温域、低温域、極低温域)に応じたモ
ータ駆動電流の大きさの分類の一例を示す。ここでは、
作動流体温度をTとすると、図5の場合と同様に、T≧
THを高温域、TL<T<THを常温域、TEL<T≦TLを
低温域、T≦TELを極低温域と定める(図5との違い
は、作動流体温度をT0でなくてTとしている点であ
る)。
【0057】本実施形態では、これらの各温度範囲(温
度領域)毎にモータ駆動電流を定めており、図8に示す
ように、高温域ではIH、常温域ではI0、低温域ではI
L、極低温域ではIEL(但し、IH<I0<IL<IEL)と
なる。そして本実施形態では、温度範囲別に、対応する
駆動電流値を用いた起動アルゴリズムに従うモータ起動
を行う。
【0058】(第1のモータ起動方法)まず、温度別の
モータ起動方法の第1の例について図9のフローチャー
トを参照して説明する。
【0059】CPU34は、ホストの電源投入などによ
る、磁気ディスク装置(HDD)の起動命令の信号によ
ってドライバIC31(内のSPMドライバ31a)へ
のモータスタート指令を発行してモータ起動制御を開始
する(ステップS1)。このときCPU34は、モータ
起動ルーチンの実行回数を示すカウンタ値kを初期値0
に設定する。
【0060】次にCPU34は、温度センサ35により
検出された作動流体の温度Tを読み込んで、予め設定さ
れている温度TL、THと比較する(ステップS3)。T
≧THの場合、即ち作動流体温度Tが高温域に属してい
る場合、CPU34はドライバIC31(内のSPMド
ライバ31a)に対して、例えばf(IH,tH)という
関数で示す起動ルーチン(モータ起動ルーチン)による
モータ起動を行わせる(ステップS4)。ここでは定電
圧駆動を前提としており、関数f(IH,tH)による起
動ルーチンでは、最大電流IHでtH時間モータ起動が行
われる。CPU34は、このtH時間内に、スピンドル
モータ13が規定回転速度に達したか否かをチェック
し、達した場合にはスピンドルモータ13の起動に成功
したものと判定する(ステップS5のYesに相当)。
この場合、CPU34は図9に示すアルゴリズムを抜け
て、ドライバIC31による定速回転駆動を行わせる。
【0061】これに対し、tH時間内にスピンドルモー
タ13が規定回転速度に達しない場合、CPU34はカ
ウンタkを1だけインクリメントする(ステップS
6)。そしてCPU34は、1インクリメント後のkの
値が予め設定されている基準値kHより小さい場合は
(ステップS7)、ステップS4に戻って再度f(I
H,tH)起動ルーチンを実行する。
【0062】このようにCPU34は、f(IH,tH)
起動ルーチン(ステップS6)をスピンドルモータ13
が規定回転速度に達するまで、即ちモータ起動に成功す
るまで、kをインクリメントしながらk=kH回を上限
として繰り返す(ステップS7)。
【0063】もし、kの値がk<kHでなくてk≧kHと
なった場合、即ち起動ルーチンをkH回繰り返してもモ
ータ起動できなかった場合、CPU34はより大きな駆
動エネルギを与えるため、ステップS6のf(IH,t
H)起動ルーチンではなくて、ステップS8のf(I0,
t0)という関数で示す起動ルーチンを実行する。
【0064】またCPU34は、ステップS3の温度比
較においてTL<T<THを判定した場合、即ち作動流体
温度Tが常温域に属していると判定した場合にも、ステ
ップS8のf(I0,t0)起動ルーチンを実行する。
【0065】f(I0,t0)起動ルーチンにおいても、
定電圧駆動を前提としており、最大電流I0でt0時間モ
ータ起動が行われる。このt0時間の間にスピンドルモ
ータ13が規定回転速度に達してモータ起動に成功した
場合(ステップS9のYesに相当)、CPU34は図
9に示すアルゴリズムを抜けて、ドライバIC31によ
る定速回転駆動を行わせる。
【0066】これに対し、t0時間内にスピンドルモー
タ13が規定回転速度に達しない場合、CPU34はカ
ウンタkを1だけインクリメントする(ステップS1
0)。そしてCPU34は、1インクリメント後のkの
値が予め設定されている基準値k0より小さい場合は
(ステップS11)、ステップS8に戻って再度f(I
0,t0)起動ルーチンを実行する。
【0067】このようにCPU34は、f(I0,t0)
起動ルーチン(ステップS8)をスピンドルモータ13
が規定回転速度に達するまで、即ちモータ起動に成功す
るまで、kをインクリメントしながら、kの値がk0以
上とならない範囲で繰り返す。
【0068】もし、k≧k0となってもモータ起動でき
なかった場合には、CPU34はより大きな駆動エネル
ギを与えるため、ステップS8のf(I0,t0)起動ル
ーチンではなくて、ステップS13のf(IL,tL)と
いう関数で示す起動ルーチンを実行する。ここでは、最
大電流ILでtL時間モータ起動が行われる。このtL時
間の間にスピンドルモータ13が規定回転速度に達して
モータ起動に成功した場合(ステップS14のYesに
相当)、図9に示すアルゴリズムを抜けて定速回転駆動
を行う。
【0069】これに対し、tL時間内にスピンドルモー
タ13が規定回転速度に達しない場合、CPU34はカ
ウンタkを1だけインクリメントする(ステップS1
5)。そしてCPU34は、1インクリメント後のkの
値が予め設定されている基準値kLより小さい場合は
(ステップS16)、ステップS13に戻って再度f
(IL,tL)起動ルーチンを実行する。
【0070】このようにCPU34は、f(IL,tL)
起動ルーチン(ステップS13)をモータ起動に成功す
るまで、kをインクリメントしながら、kの値がkL以
上とならない範囲で繰り返す。
【0071】もし、k≧kLとなってもモータ起動でき
なかった場合には、CPU34はより大きな駆動エネル
ギを与えるため、ステップS13のf(IL,tL)起動
ルーチンではなくて、ステップS17のf(IEL,tE
L)という関数で示す起動ルーチンを実行する。
【0072】またCPU34は、ステップS3の温度比
較においてT≦TLを判定した場合には、更に作動流体
温度TをTELと比較することで、TEL<T≦TLである
か、或いはT≦TELであるか、即ち作動流体温度Tが低
温域、或いは極低温域のいずれに属しているかを判定す
る(ステップS12)。もし、低温域に属している場合
には、ステップS13のf(IL,tL)起動ルーチンを
行い、極低温域に属している場合には、ステップS17
のf(IEL,tEL)起動ルーチンを実行する。
【0073】さて、ステップS17のf(IEL,tEL)
起動ルーチンでは、最大電流IELでtEL時間モータ起動
が行われる。このtEL時間の間にスピンドルモータ13
が規定回転速度に達してモータ起動に成功した場合(ス
テップS18のYesに相当)、図9に示すアルゴリズ
ムを抜けて定速回転駆動を行う。
【0074】これに対し、tEL時間内にスピンドルモー
タ13が規定回転速度に達しない場合、CPU34はカ
ウンタkを1だけインクリメントする(ステップS1
9)。そしてCPU34は、1インクリメント後のkの
値が予め設定されている基準値kELより小さい場合は
(ステップS20)、ステップS17に戻って再度f
(IEL,tEL)起動ルーチンを実行する。
【0075】このようにCPU34は、f(IEL,tE
L)起動ルーチン(ステップS17)をモータ起動に成
功するまで、kをインクリメントしながら、kの値がk
EL以上とならない範囲で繰り返す。
【0076】もし、k≧kELとなってもモータ起動でき
なかった場合、即ちf(IEL,tEL)起動ルーチンを含
むモータ起動ルーチンを合計kEL回繰り返してもモータ
起動できなかった場合、CPU34は、HDC33を介
してホストにエラー(起動不良、起動エラー)を出力
し、起動プロセスを中止する(ステップS21)。
【0077】(第2のモータ起動方法)次に、温度別の
モータ起動方法の第2の例について図10のフローチャ
ートを参照して説明する。なお、図9と同一部分には同
一符号を付してある。
【0078】図10に示す手順のモータ起動方法が図9
に示した方法と異なる点は、起動初期には、従来と同様
に(作動流体の温度範囲の判定を行うことなく)予め定
められた電流INで所定時間tNだけ起動ルーチンf(I
N,tN)を行い(ステップS30)、当該ルーチンでモ
ータ起動できなかった場合に(ステップS31)、図9
に示したのと同一のアルゴリズムを行うことである。
【0079】このようにすると、起動ルーチンf(I
N,tN)でモータ起動できた場合には(このようなケー
スが殆ど)、温度判定処理が不要となるため、必ず温度
判定処理を行う図9の方法に比べて、モータ起動がより
速やかに行える。なお、IN=I0,tN=t0としても構
わない。
【0080】(第3のモータ起動方法)次に、温度別の
モータ起動方法の第3の例について図11のフローチャ
ートを参照して説明する。なお、図9と同一部分には同
一符号を付してある。
【0081】図11に示す手順のモータ起動方法が図9
に示した方法と異なる点は、ステップS2とステップS
3との間に、kの値を基準値kALと比較するステップS
40を設け、高温領域または常温領域または低温領域に
おいて起動ルーチンfi(Ii,ti)(iはHまたは0ま
たはL)をkの値がkiとなるまで繰り返してもモータ起
動できなかった場合に当該ステップS40を行い、kの
値がkALより小さい範囲では、つまり全ての起動ルーチ
ンの総実行回数kがkALに達しない間は、ステップS3
で再度作動流体の温度範囲の判定を行って、判定した温
度範囲に応じた起動ルーチンを実行することである。
【0082】ここでは、起動ルーチンの総実行回数kが
kALに達した場合には、即ち何らかの起動ルーチン(1
種類とは限らない)をkAL回実行してもモータ起動でき
なかった場合には、極低温域でのステップS21と同様
に、HDC33を介してホストにエラーを出力し、起動
プロセスを中止する(ステップS41)。
【0083】一方、極低温域では、図9に示した方法と
同様に、f(IEL,tEL)起動ルーチンを含むモータ起
動ルーチンを合計kEL回繰り返してもモータ起動できな
かった場合(ステップS20)、エラーが出力され、起
動プロセスが中止される(ステップS21)。
【0084】このようにすると、起動ルーチンで温度T
が上昇して、現在より高い温度領域に移行した場合に
は、現在より小さな駆動エネルギを与える起動ルーチン
の実行に切り替えられることから、消費電力を低減で
き、特にバッテリ駆動の場合に都合がよい。
【0085】なお、極低温領域で起動ルーチンfEL(I
EL,tEL)をkの値がkELとなるまで繰り返してもモー
タ起動できなかった場合にステップS40を行い、kが
kALに達しない間は、ステップS3で再度作動流体の温
度範囲の判定を行って、判定した温度範囲に応じた起動
ルーチンを実行するようにしても構わない。この場合、
(起動ルーチンの試行繰り返しによる)温度上昇が認め
られれば、新たな温度範囲に応じた起動ルーチンが試行
されることになる。
【0086】(第4のモータ起動方法)次に、温度別の
モータ起動方法の第4の例について図12のフローチャ
ートを参照して説明する。なお、図9と同一部分には同
一符号を付してある。
【0087】図12に示す手順のモータ起動方法が図9
に示した方法と異なる点は、低温領域において起動ルー
チンfL(IL,tL)をkの値がkLとなるまで繰り返し
ても起動できなかった場合と、極低温領域において起動
ルーチンfEL(IEL,tEL)を1度実行しても起動でき
なかった場合(但し、k<kELの場合)に、(モータ起
動はできなかったものの、起動ルーチン実行に伴うシャ
フト21cとスリーブ23との摩擦による温度Tの上昇
を期待して)ステップS3に戻って再度作動流体の温度
範囲の判定を行い、判定した温度範囲に応じた起動ルー
チンを実行することである。
【0088】このようにすると、低温領域または極低温
領域での大きな駆動エネルギを与えるための起動ルーチ
ンで温度Tが上昇して、現在より高い温度領域に移行し
た場合には、現在より小さな駆動エネルギを与える起動
ルーチンの実行に切り替えられることから、消費電力を
低減でき、特にバッテリ駆動の場合に都合がよい。
【0089】なお、起動ルーチン(でのモータ起動電流
供給)に伴う作動流体の加熱ではなく、作動流体の加熱
だけを目的として、起動ルーチンとは別に、例えばステ
ップS3に戻る直前に、スピンドルモータ13のコイル
27bへのモータ電流供給(通電)を行い、作動流体の
上昇を待つようにしてもよい。この通電による加熱プロ
セスは、予め定められた一定時間行うようにしても、或
いは現温度範囲の次に高温側の温度範囲に移行するまで
行うようにしてもよい。また、この加熱プロセスは、現
温度範囲が低温域または極低温域の場合だけ適用すると
よく、その際のモータ電流の値は、電流供給開始時の作
動流体の温度が属する温度範囲に応じて設定するとよ
い。
【0090】(第5のモータ起動方法)次に、温度別の
モータ起動方法の第5の例について図13のフローチャ
ートを参照して説明する。なお、図9と同一部分には同
一符号を付してある。
【0091】図13に示す手順のモータ起動方法が図9
に示した方法と異なる点は、極低温域においてのみ、起
動ルーチンを1度実行しても起動できなかった場合(但
し、k<kELの場合)に、(モータ起動はできなかった
ものの、起動ルーチン実行に伴うシャフト21cとスリ
ーブ23との摩擦による温度Tの上昇を期待して)ステ
ップS3に戻って再度作動流体の温度範囲の判定を行
い、判定した温度範囲に応じた起動ルーチンを実行する
ことである。
【0092】このようにすると、極低温領域での大きな
駆動エネルギを与えるための起動ルーチンで温度Tが上
昇して、現在より高い温度領域に移行した場合には、現
在より小さな駆動エネルギを与える起動ルーチンの実行
に切り替えられることから、消費電力を低減でき、特に
バッテリ駆動の場合に都合がよい。
【0093】[温度センサ35の設置箇所関連]次に、
本実施形態の特徴の更に他の1つである、温度センサ3
5の設置箇所について、図14乃至図19、及び図25
を参照して説明する。
【0094】図14は図1に示した磁気ディスク装置の
筐体10の裏面側の平面図、図25は従来の磁気ディス
ク装置の筐体裏面の平面図である。図25(a)に示す
ように、従来の磁気ディスク装置では、筐体250の裏
面側のボトムプレート251の周囲に、スピンドルモー
タのコイルの4つの配線(U相、V相、W相と、各相の
共通接続点であるCOM)用に、4つの透孔(モータコ
イル配線用孔)252が形成され、そこからモータコイ
ル配線(リード線)が導かれる。そして、図25(b)
に示すように、図25(a)中のボトムプレート251
を含む筐体裏面にモータ用FPC(フレキシブルプリン
ト基板)253を貼り付け、図25(a)中のモータコ
イル配線用孔252から導かれるモータコイル配線を、
モータ用FPC253上の当該孔252に対向する位置
に形成された接続パッド(図示せず)に半田付けなどで
結線した後、製造番号や型格・社名ロゴなどが印刷され
たシール(モータシール)254を張り付けた構造が適
用されている。ここでは、モータ用FPC253はボト
ムプレート251を全て覆っている。
【0095】これに対して本実施形態では、図14に示
すように、モータ用FPC141のボトムプレート22
に対応する周辺部を変形させて、当該ボトムプレート2
2の一部が露出する形状としている。このモータ用FP
C141のボトムプレート22側の面上、つまりモータ
用FPC141の裏面の、(図25に示した4つのモー
タコイル配線用孔252に相当する)4つのモータコイ
ル配線用孔(図示せず)に対向する位置には、当該モー
タコイル配線用孔から導かれるモータコイル配線が半田
付け等により接続される接続パッド(以下、モータ接続
パッドと称する)142を含む配線パターン(以下、モ
ータ配線パターンと称する)143が形成されている。
【0096】このように本実施形態では、ボトムプレー
ト22がモータ用FPC141で全て覆われない構造、
即ちボトムプレート22の一部が露出する構造とするこ
とで、ボトムプレート22の表面温度を温度センサ35
により直接検出することを可能としている。但し、実際
に検出したいのは、ボトムプレート22を底壁とするス
ピンドルモータ13の流体軸受け25に封入されている
作動流体の温度である。そこで、ボトムプレート22を
介して作動流体の温度を高精度に検出できるように、図
17乃至図19に示すように、当該ボトムプレート22
の肉厚を他の筺体10の部分より薄くし、更には熱伝達
効率の良い材質、例えばステンレス鋼材を用いるなど、
熱伝達率を高められる構造とすることが望ましい。
【0097】なお、ボトムプレート22の一部を露出さ
せるためのモータ用FPCの形状として、図14のモー
タ用FPC141の例のようにボトムプレート22に対
応する周辺部を変形させる以外に、図15示すモータ用
FPC141′のように、ボトムプレート22に対応す
る箇所に透孔144を形成し、その透孔144を避けて
モータ接続パッド142を含むモータ配線パターン14
3をレイアウトするようにしても構わない。
【0098】以上に述べた、図14のモータ用FPC1
41または図15のモータ用FPC141′では、ボト
ムプレート22の一部が露出する構造とすることで、そ
の露出部分を通してボトムプレート22の表面温度を温
度センサ35により直接検出することを可能としたが、
これに限るものではない。
【0099】例えば、モータ用FPC141に代えて、
図16に示すような、温度センサ35が搭載された温度
センサ/モータ用FPC161を適用することで、当該
温度センサ35によりボトムプレート22の表面温度が
直接検出可能なようにしてもよい。なお、図16におい
て、図14、図15と同一部分には同一符号を付してあ
る。
【0100】図16の例では、温度センサ/モータ用F
PC161の裏面に、モータ接続パッド142を含むモ
ータ配線パターン143の他に、温度センサ35との接
続パッド(以下、温度センサ接続パッド162と称す
る)162を含む配線パターン(以下、温度センサ配線
パターンと称する)163が形成されている。この図1
6の構造の温度センサ/モータ用FPC161は、当該
FPC161上の温度センサ接続パッド162に温度セ
ンサ35の端子が半田接合等により接続された状態で、
ボトムプレート22全面を温度センサ35の上から覆う
ような形状となっている。
【0101】(温度センサ35の第1のレイアウト例)
次に、図16に示した構造の温度センサ/モータ用FP
C161を適用した場合の温度センサ35のレイアウト
の一例を図17に示す。
【0102】図17の例では、温度センサ35のセンサ
面35aが(筐体10の裏面を密閉するように設けられ
た)ボトムプレート22に対し、熱伝導の良好なシリコ
ンなどの伝熱材171を介して密着する構造を適用する
ことで、ボトムプレート22を介した作動流体の温度計
測が可能なようにしている。ここでは、温度センサ35
は、その端子が図16に示した温度センサ/モータ用F
PC161上の温度センサ接続パッド162と半田接合
などにより接続されることで、当該FPC161に実装
されている。また、ボトムプレート22に対応する温度
センサ/モータ用FPC161の部分の上からは、図2
5中のシール254に相当するシール(モータシール)
172が張り付けられ、筐体10の裏面に固定される。
【0103】(温度センサ35の第2のレイアウト例)
次に、図15に示した構造のモータ用FPC141′を
適用した場合の温度センサ35のレイアウトの一例を図
18に示す。
【0104】図18において、温度センサ35はボトム
プレート22に対向するPCB19上の位置に実装され
ている。図18の例では、PCB19上の温度センサ3
5のセンサ面35aが、図15に示したモータ用FPC
141′の透孔144を通してボトムプレート22側に
突出することで、伝熱材171を介してボトムプレート
22と密着する構造を適用している。そのため、図18
の例では、図17中のシール172に代えて、モータ用
FPC141′の透孔144に対応する位置に透孔18
2aが形成されたシール(モータシール)182を用い
ている。
【0105】(温度センサ35の第3のレイアウト例)
次に、図14に示した構造のモータ用FPC141を適
用した場合の温度センサ35のレイアウトの一例を図1
9に示す。
【0106】図19の例では、少なくとも2箇所の温度
を計測するために、複数の温度計測用センサ、例えば2
つのセンサを内蔵するIC化された温度センサ35(便
宜的に、図17、図18に示した温度センサ35と同一
符号を用いている)を適用している。この図19中の温
度センサ35は、上記2つのセンサに対応して2つのセ
ンサ面35a,35bを有しており、センサ面35aが
ボトムプレート22に対向し、センサ面35bがボトム
プレート22以外の筐体10の所定部分に対向する、P
CB19上の位置に実装されている。ここでは、PCB
19上の温度センサ35のセンサ面35aが、図14に
示したモータ用FPC141の変形部分により露出して
いるボトムプレート22と(図17中の伝熱材171に
相当する)伝熱材191aを介して密着し、センサ面3
5bがボトムプレート22以外の筐体10の裏面の所定
部分と(図17中の伝熱材171に相当する)伝熱材1
91bを介して密着する構造となっている。
【0107】このような構造を適用した場合、温度セン
サ35により、ボトムプレート22を介して作動流体
(油)の絶対温度を高精度に検出すると共に、筐体10
表面の絶対温度、即ち磁気ディスク装置が置かれている
温度環境を表す雰囲気温度も検出することができる。C
PU34は、この両温度から、作動流体の絶対温度と雰
囲気温度との相対温度(作動流体の雰囲気温度を基準と
する相対温度)を算出し、その相対温度(で決まる温度
範囲)に基づいて前記した起動アルゴリズムの変更、寿
命判定を行うならば、より高精度なモータ起動と寿命判
定を実現できる。なお、相対温度を算出する代わりに、
作動流体の絶対温度と雰囲気温度との2つの温度パラメ
ータの組み合わせに応じて、起動アルゴリズムの変更、
寿命判定を行うことも可能である。また、磁気ディスク
装置の雰囲気温度として、筐体10表面の温度以外に、
筐体10内または筐体10外の大気温度を検出するよう
にしても構わない。また、温度センサ35では、図17
または図18の例と同様に作動流体の絶対温度のみ検出
し、磁気ディスク装置の雰囲気温度は温度センサ35と
は独立に設けられる別の温度センサにより検出するよう
にしてもよい。
【0108】[回路部品の発熱を利用した作動流体加
熱]次に、(流体軸受け25の)作動流体の加熱に、P
CB19に実装される回路部品、例えばドライバIC3
1等のICの発熱を利用した実施形態について説明す
る。
【0109】図20は筐体10の裏面とPCB19を見
開き状態に分解した図である。図20の例では、流体軸
受け25の作動流体の加熱手段として、PCB19に実
装されているIC(回路IC)を用いる。つまり図20
の例では、起動トルク補助の観点から、例えばドライバ
IC31の発熱で直接或いは伝熱材を介してボトムプレ
ート22を加熱する構造を適用することで、流体軸受け
25の作動流体を加熱するようにしている。
【0110】そのために、PCB19におけるドライバ
IC31の実装部分を、図20に示すように片持ちはり
状に形成して片持ちはり状実装部201とし、PCB1
9と筐体10との間隔よりも、ドライバIC31の実装
高さを大きく設定する。
【0111】このような構造とすることにより、PCB
19を筐体10にねじ締結などにより固定する際、追加
部品を必要とすることなく、ドライバIC31の表面を
加熱対象部位(ボトムプレート22側)へ押しつけるこ
とが可能となる。ここで、図17と同様に、温度センサ
35がPCB19に実装される構造を併用するならば、
温度センサ35をこの片持ちはり状実装部201へ同時
に実装してもよい。この場合、PCB19を通じて直接
ドライバIC31から温度センサ35に熱が伝わらない
ように、図20に示す如く、片持ちはり状実装部201
に、ドライバIC31と温度センサ35とを分離する切
り欠き202を形成するとよい。
【0112】この他に、図21に示すように、ドライバ
IC31が実装される片持ちはり状実装部211aと、
温度センサ35が実装される片持ちはり状実装部211
bとを、互いに対向させて独立して設けた梁構造を適用
することも可能である。また、作動流体加熱手段として
はドライバIC31に限るものではなく、PCB19上
に実装される他のICを用いることも可能である。但
し、発熱温度の点からは、ドライバIC31が最適であ
る。
【0113】[低温域におけるスピンドルモータ13の
起動時の摩耗対策]次に、低温域におけるスピンドルモ
ータ13の起動時の摩耗対策について説明する。一般に
低温域においては、スピンドルモータ13の起動が可能
であっても、トルクが不足していると回転速度の上昇が
悪い。この様子を図22に示す。図22は起動手順開始
後の経過時間とスピンドルモータ13の回転速度(回転
数)との関係の一例を、幾つかの温度範囲について表し
たものである。
【0114】この図22の例から明らかなように、低温
域の速度曲線(Z)では、常温域の速度曲線(X:理想
曲線、Y:実際の速度曲線)と比べて定常速度(定常回
転数)ω0に達するのが遅い。したがって、低温域の場
合(Z)、スピンドルモータ13のシャフト21cとス
リーブ23との摩擦接触状態が生じる時間が長くなり、
磨耗による寿命劣化を起こしやすい。
【0115】そこで、温度センサ35により検出される
作動流体(スピンドルモータ13)の起動時温度が低温
域の場合には、常温域まで加熱した状態で当該常温域で
の起動ルーチン、例えば図9乃至図13に示すアルゴリ
ズム中のf(I0,t0)起動ルーチンによりスピンドル
モータ13を再起動するならば、起動時の回転速度曲線
を、図22の常温域の速度曲線X(Y)とすることが可
能となり、磨耗による寿命劣化を防止することができ
る。
【0116】ところが、低温域から常温域への加熱(加
熱プロセス)に要する時間により、定常回転数ω0とな
るまで長時間を要する虞がある。そこで、加熱プロセス
の所要時間が問題となる場合は、そのまま低温域で大き
なエネルギを投入することにより、短い時間で定常回転
数ω0となるよう立ち上げることも可能である。
【0117】但し、起動時温度が極低温域(T≦TEL)
の場合は、常温域(TL<T<TH)となるまで加熱する
ことが好ましい。ここで、ボトムプレート22から作動
流体への熱伝達率が、シャフト21c或いはスリーブ2
3への熱伝達率よりも5倍から10倍程度高く、且つ熱
容量が小さく設計できるならば、作動流体は容易に一部
分が加熱される。この場合は、作動流体は容易に常温域
まで温度上昇するため、モータ起動時間は殆ど変わらな
い。このためシャフト21cとスリーブ23の磨耗が低
減される。
【0118】[スピンドルモータ13のコイル27bで
の発熱を利用した作動流体加熱]次に、作動流体の加熱
に、スピンドルモータ13のコイル(モータコイル)2
7bに発生する熱を利用した実施形態について説明す
る。
【0119】まず、スピンドルモータ13では、コイル
27bの抵抗により、当該コイル27bに電流を流すと
発熱が生じる。この場合、図2において、ステータ27
のコイル27b→ステータ27のコア27a→筐体10
の端壁10a→スリーブ23→流体軸受け25の作動流
体、という経路で熱伝達することにより、作動流体は加
熱される。
【0120】一般にスピンドルモータ13は、図23に
示すように、コイル27bをなすU相、V相、W相の3
相コイルの一端と、共通端COMと1点で結線されてい
る。通常は、3相のうち2つを選択してUからVへ、V
からWへ、WからUへと順次相を切り替えて通電する。
【0121】ここでは、加熱プロセスにおいてスピンド
ルモータ13を回転させる必要がないことから、CPU
34の指示に従うドライバIC31の動作により、スピ
ンドルモータ13のU,V,Wの各相を同電位として、
U相からCOMへ、V相からCOMへ、そしてW相から
COMへと同時に通電する。
【0122】このように、従来のスピンドルモータでは
行わない全ての配線を同時に用いた通電方式による加熱
プロセスを適用することにより、作動流体を効率的に加
熱することが可能となる。この加熱プロセスを、図9乃
至図13に示すアルゴリズムで適用した各温度範囲毎
に、通電波形(温度が低い領域ほどU,V,Wの各相の
電位が高く設定される通電波形)を切り替えて実行する
ことも可能である。但し、常温域と高温域では、通電方
式による加熱プロセスは必ずしも必要としない。
【0123】[高温域におけるスピンドルモータ13の
起動時の摩耗対策]次に、高温域におけるスピンドルモ
ータ13の起動時の摩耗対策について、図22を参照し
て説明する。
【0124】まず、温度センサ35により検出された作
動流体の温度が高温域に属する場合、作動流体である油
の粘度は低いため剛性がなく、スピンドルモータ13の
起動に必要なトルクは小さい。そのため、高温域で通常
の起動、例えばf(I0,t0)起動ルーチンによる起動
を行うと、過大トルクにより、常温域の場合よりシャフ
ト21cとスリーブ23の衝突や摺動磨耗を起こしやす
い。そこで、高温域では、常温域と比較して起動パワー
を小さくして磨耗を回避するとよい。
【0125】また、高温域における摩耗回避のための他
の方法として、起動パワーを小さくする代わりに、(f
(IH,tH)起動ルーチンのIHを大きく、tHを短く設
定することで)起動時間を短くして摩擦の発生時間を低
減する対策も適用可能である。そのためには、高温域に
おいて、例えば図23において常温域における起動時の
速度曲線X(Y)と同じとするか、それ以上に急峻な速
度曲線Wを用いればよい。このようにすると、より短い
時間で速やかにモータ起動が可能となり、摩擦の発生時
間を低減することができる。
【0126】以上は、流体軸受けを用いたスピンドルモ
ータを備えた磁気ディスク装置に実施した場合について
説明したが、本発明は玉軸受けを用いたスピンドルモー
タを備えた磁気ディスク装置、更には光磁気ディスク装
置など、ディスク媒体をスピンドルモータにより回転駆
動するディスク記憶装置全般に適用可能である。
【0127】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ス
ピンドルモータの軸受けに用いられている油の温度を検
出し、その検出温度が属する温度範囲に応じて、使用す
るモータ起動アルゴリズムを変更するようにしたので、
検出温度に最適な起動条件で速やかにモータを起動さ
せ、起動不能となるのを回避することができる。
【0128】また本発明によれば、温度センサを、スピ
ンドルモータの軸受内の油と接する部材、例えばボトム
プレートに隣接する位置に配置するようにしたので、当
該油の温度を精度よく検出できる。
【0129】また本発明によれば、上記軸受けに用いら
れている油の温度または駆動電流を検出して予め記憶さ
れた基準データと比較するだけで、軸受けの寿命或いは
異常判定が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気ディスク装置の
内部構造を示す分解斜視図。
【図2】図1中のスピンドルモータ13の断面図。
【図3】図1の磁気ディスク装置の回路構成を中心とす
るブロック図。
【図4】流体軸受け25の作動流体(油)の粘度の温度
依存性を示す図。
【図5】スピンドルモータ13の起動後の経過時間と作
動流体温度との関係、及びスピンドルモータ13の起動
後の経過時間とモータ駆動電流との関係を、各温度範囲
毎に示す図。
【図6】スピンドルモータ13の起動後の経過時間と作
動流体温度との関係を、通常時とモータ(作動流体)劣
化時のそれぞれについて示す図。
【図7】スピンドルモータ13の起動後の経過時間とモ
ータ駆動電流との関係を、通常時とモータ(作動流体)
劣化時のそれぞれについて示す図。
【図8】作動流体の温度範囲と使用モータ駆動電流の大
きさとの対応関係の一例を示す図。
【図9】温度別のモータ起動方法の第1の例を説明する
ためのフローチャート。
【図10】温度別のモータ起動方法の第2の例を説明す
るためのフローチャート。
【図11】温度別のモータ起動方法の第3の例を説明す
るためのフローチャート。
【図12】温度別のモータ起動方法の第4の例を説明す
るためのフローチャート。
【図13】温度別のモータ起動方法の第5の例を説明す
るためのフローチャート。
【図14】図1に示した磁気ディスク装置の筐体10の
裏面側の第1の構成例を示す平面図。
【図15】図1に示した磁気ディスク装置の筐体10の
裏面側の第2の構成例を示す平面図。
【図16】図1に示した磁気ディスク装置の筐体10の
裏面側の第3の構成例を示す平面図。
【図17】図16に示した構造の温度センサ/モータ用
FPC161を適用した場合の温度センサ35のレイア
ウトの一例を示す、当該FPC161の長手方向に沿う
断面図。
【図18】図15に示した構造のモータ用FPC14
1′を適用した場合の温度センサ35のレイアウトの一
例を示す、当該FPC141′の長手方向に沿う断面
図。
【図19】図14に示した構造のモータ用FPC141
を適用した場合の温度センサ35のレイアウトの一例を
示す、当該FPC141の長手方向に沿う断面図。
【図20】図1中の筐体10の裏面とPCB19を見開
き状態に分解した図。
【図21】PCB19上のドライバIC31及び温度セ
ンサ35の実装構造の変形例を示す図。
【図22】起動手順開始後の経過時間とスピンドルモー
タ13の回転速度(回転数)との関係の一例を幾つかの
温度範囲について示す図。
【図23】スピンドルモータ13のコイル構成を示す
図。
【図24】作動流体の温度を加熱するために、スピンド
ルモータ13の起動周波数を段階的に上げる場合の、経
過時間と周波数との対応関係の一例を示す図。
【図25】従来の磁気ディスク装置の筐体裏面の平面
図。
【符号の説明】
10…筐体 12…ディスク媒体(記憶手段) 13…スピンドルモータ 19…PCB(プリント回路基板) 21…ハブ 21c…シャフト 22…ボトムプレート 23…スリーブ 25…流体軸受け 27…ステータ 27a…コア 27b…コイル 31…ドライバIC 34…CPU(起動手順実行手段、判定手段) 34a…ROM(記憶手段) 35…温度センサ 35a,35b…センサ面 141,141′…モータ用FPC(フレキシブルプリ
ント基板) 143…モータ配線パターン 161…温度センサ/モータ用FPC 163…温度センサ配線パターン 171,191a,191b…伝熱材 201,211a,211b…片持ちはり状実装部 202…切り欠き

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データが記録されるディスク媒体を回転
    駆動するスピンドルモータを備えたディスク記憶装置に
    おいて、 前記スピンドルモータの軸受内の油の温度を検出する温
    度センサと、 予め所定の温度範囲別に定められたそれれぞれ異なるモ
    ータ起動アルゴリズムのうち、前記温度センサにより検
    出された温度が属する温度範囲に固有のモータ起動アル
    ゴリズムに従う起動手順を適用して前記スピンドルモー
    タを起動する起動手順実行手段とを具備することを特徴
    とするディスク記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記温度センサが、前記スピンドルモー
    タの軸受内の油と接する部材に隣接して配置されている
    ことを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
  3. 【請求項3】 前記スピンドルモータは、当該モータの
    軸受けの底壁をなすと共に当該モータのシャフトの下端
    面との接触部を有するボトムプレートを備え、 前記ディスク記憶装置は、少なくとも前記スピンドルモ
    ータのモータコイルの電気配線が形成されたフレキシブ
    ルプリント基板であって、その一部が前記ボトムプレー
    トの所定部分を除いて当該ボトムプレートを覆うように
    配設されたフレキシブルプリント基板を更に具備し、 前記温度センサが、前記ボトムプレートの前記所定部分
    に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1記
    載のディスク記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記温度センサが搭載され、且つ当該温
    度センサの電気配線と前記スピンドルモータのモータコ
    イルの電気配線とが形成されたフレキシブルプリント基
    板を更に具備し、 前記温度センサは、前記スピンドルモータの軸受内の油
    と接する部材に隣接するように、前記フレキシブルプリ
    ント基板に搭載されていることを特徴とする請求項1記
    載のディスク記憶装置。
  5. 【請求項5】 前記起動手順実行手段は、前記スピンド
    ルモータの軸受内の油を加熱するプロセスを有すること
    を特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記起動手順実行手段は、前記スピンド
    ルモータのモータコイルにモータ電流を流して前記スピ
    ンドルモータの軸受けに用いられている油を加熱するプ
    ロセスを有することを特徴とする請求項1記載のディス
    ク記憶装置。
  7. 【請求項7】 前記起動手順実行手段は、前記温度セン
    サにより検出された温度に応じて、予め所定の温度範囲
    別に定められたそれぞれ異なる通電波形のうち、前記温
    度センサにより検出された温度が属する温度範囲に固有
    の通電波形を前記スピンドルモータのモータコイルに加
    えて当該モータの軸受けに用いられている油を加熱する
    プロセスを有することを特徴とする請求項1記載のディ
    スク記憶装置。
  8. 【請求項8】 前記起動手順実行手段は、前記スピンド
    ルモータの起動に失敗した場合に、その際の起動手順で
    適用した起動周波数より高い周波数でスイッチングする
    ことを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
  9. 【請求項9】 前記起動手順実行手段は、前記温度セン
    サにより検出された温度が常温より高温側の温度範囲に
    属する場合に、前記スピンドルモータの立ち上がりが常
    温時より早くなる速度曲線で当該スピンドルモータを起
    動する手段を含むことを特徴とする請求項1記載のディ
    スク記憶装置。
  10. 【請求項10】 前記温度センサは、前記スピンドルモ
    ータの軸受内の油の温度を検出する第1のセンサと、前
    記ディスク記憶装置が置かれている温度環境を表す雰囲
    気温度を検出する第2のセンサとから構成されており、 前記起動手順実行手段は、前記第1及び第2のセンサに
    より検出された2つの温度で決まる温度範囲に固有のア
    ルゴリズムで起動手順を行うことを特徴とする請求項1
    記載のディスク記憶装置。
  11. 【請求項11】 前記温度センサと前記ディスク記憶装
    置の主要な回路要素をなす複数のICとが搭載されたプ
    リント回路基板を更に具備し、 前記複数のICの少なくとも1つと前記温度センサが、
    前記スピンドルモータの軸受内の油と接する部材に隣接
    するように、前記プリント回路基板に搭載されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のディスク記憶装置。
  12. 【請求項12】 前記スピンドルモータの軸受内の油の
    前記スピンドルモータの起動時の温度と一定時間経過後
    の温度変化とについて、基準のテーブルデータが予め登
    録された記憶手段と、 前記スピンドルモータの起動時と前記一定時間経過後の
    前記温度センサの検出温度から前記一定時間経過後の温
    度変化を求め、その温度変化を起動時の温度が同一の前
    記テーブルデータ中の温度変化と比較することで、前記
    スピンドルモータの軸受けの寿命もしくは異常を判定す
    る判定手段とを更に具備することを特徴とする請求項1
    記載のディスク記憶装置。
  13. 【請求項13】 前記スピンドルモータの起動直後のモ
    ータ駆動電流と一定時間経過後のモータ駆動電流変化と
    について、基準のテーブルデータが予め登録された記憶
    手段と、 前記スピンドルモータを駆動するためのモータ駆動電流
    を検出するモータ駆動電流検出手段と、 前記スピンドルモータの起動直後と前記一定時間経過後
    の前記モータ駆動電流検出手段の検出電流から前記一定
    時間経過後のモータ駆動電流変化を求め、その電流変化
    を起動直後のモータ駆動電流が同一の前記テーブルデー
    タ中の電流変化と比較することで、前記スピンドルモー
    タの軸受けの寿命もしくは異常を判定する判定手段とを
    更に具備することを特徴とする請求項1記載のディスク
    記憶装置。
  14. 【請求項14】 データが記録されるディスク媒体を回
    転駆動するスピンドルモータを備えたディスク記憶装置
    に適用されるスピンドルモータの起動方法であって、 前記スピンドルモータの軸受内の油の温度を検出し、 予め所定の温度範囲別に定められたそれぞれ異なるモー
    タ起動アルゴリズムのうち、前記検出した温度が属する
    温度範囲に固有のモータ起動アルゴリズムに従う起動手
    順を適用して前記スピンドルモータを起動することを特
    徴とするスピンドルモータの起動方法。
  15. 【請求項15】 前記検出した温度が常温より低温側の
    温度範囲に属する場合に、前記スピンドルモータの軸受
    内の油を加熱して、当該油の温度が上昇するのを待っ
    て、その際の温度範囲に固有のモータ起動アルゴリズム
    に従う起動手順を適用することを特徴とする請求項14
    記載のスピンドルモータの起動方法。
  16. 【請求項16】 データが記録されるディスク媒体を回
    転駆動するスピンドルモータを備えたディスク記憶装置
    に適用されるスピンドルモータの異常検知方法であっ
    て、 前記スピンドルモータの軸受内の油の前記スピンドルモ
    ータの起動時の温度と一定時間経過後の温度変化とにつ
    いて、基準のテーブルデータを予め記憶手段に登録して
    おき、 前記スピンドルモータの起動時と前記一定時間経過後に
    前記スピンドルモータの軸受内の油の温度を検出して、
    前記一定時間経過後の温度変化を求め、その温度変化を
    起動時の温度が同一の前記テーブルデータ中の温度変化
    と比較することで、前記スピンドルモータの軸受けの寿
    命もしくは異常を判定するようにしたことを特徴とする
    スピンドルモータの異常検知方法。
  17. 【請求項17】 データが記録されるディスク媒体を回
    転駆動するスピンドルモータを備えたディスク記憶装置
    に適用されるスピンドルモータの異常検知方法であっ
    て、 前記スピンドルモータの起動直後のモータ駆動電流と一
    定時間経過後のモータ駆動電流変化について、基準のテ
    ーブルデータを予め記憶手段に登録しておき、 前記スピンドルモータの起動直後と前記一定時間経過後
    に前記モータ駆動電流を検出して、前記一定時間経過後
    のモータ駆動電流変化を求め、その電流変化を起動直後
    のモータ駆動電流が同一の前記テーブルデータ中の電流
    変化と比較することで、前記スピンドルモータの軸受け
    の寿命もしくは異常を判定するようにしたことを特徴と
    するスピンドルモータの異常検知方法。
JP24791699A 1999-09-01 1999-09-01 ディスク記憶装置及びスピンドルモータの起動方法 Pending JP2001067779A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24791699A JP2001067779A (ja) 1999-09-01 1999-09-01 ディスク記憶装置及びスピンドルモータの起動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24791699A JP2001067779A (ja) 1999-09-01 1999-09-01 ディスク記憶装置及びスピンドルモータの起動方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001067779A true JP2001067779A (ja) 2001-03-16

Family

ID=17170471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24791699A Pending JP2001067779A (ja) 1999-09-01 1999-09-01 ディスク記憶装置及びスピンドルモータの起動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001067779A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6898041B2 (en) 2001-11-30 2005-05-24 Kabushiki Kaisha Kaisha Method and apparatus for motor control in a disk drive
US6922299B2 (en) 2002-03-12 2005-07-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Power saving method and apparatus for driving a spindle motor and voice coil motor in a disk drive
JP2007087576A (ja) * 2005-09-24 2007-04-05 Samsung Electronics Co Ltd ディスクドライブのモータ回転制御方法、モータ回転制御装置、ディスクドライブ及び記録媒体
JP2007122854A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Samsung Electronics Co Ltd 適応的フィードフォワード制御を利用したスピンドルモータの駆動方法及び駆動装置、並びに、記録媒体
JP2009158906A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Samsung Electronics Co Ltd ヒータープレートを備えたベーク装置及びヒータープレートの製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6898041B2 (en) 2001-11-30 2005-05-24 Kabushiki Kaisha Kaisha Method and apparatus for motor control in a disk drive
US6922299B2 (en) 2002-03-12 2005-07-26 Kabushiki Kaisha Toshiba Power saving method and apparatus for driving a spindle motor and voice coil motor in a disk drive
JP2007087576A (ja) * 2005-09-24 2007-04-05 Samsung Electronics Co Ltd ディスクドライブのモータ回転制御方法、モータ回転制御装置、ディスクドライブ及び記録媒体
JP2007122854A (ja) * 2005-10-28 2007-05-17 Samsung Electronics Co Ltd 適応的フィードフォワード制御を利用したスピンドルモータの駆動方法及び駆動装置、並びに、記録媒体
JP2009158906A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Samsung Electronics Co Ltd ヒータープレートを備えたベーク装置及びヒータープレートの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1207520B1 (en) Method and apparatus for improving cold temperature performance of a disk drive
US6542449B2 (en) Disk drive apparatus
US20050141375A1 (en) Operating a rotatable media storage device at multiple spin-speeds
JP2002300793A5 (ja)
JP2000260111A (ja) モータ
US5623379A (en) Method of controlling a start-up of a motor used for a disk apparatus
US5103335A (en) Motor device having a dynamic-pressure fluid bearing
US6055120A (en) Disk drive start-up failure detection under disparate conditions
KR100640664B1 (ko) 디스크 드라이브의 회전 제어방법 및 그 장치
JP2003173638A (ja) ディスク記憶装置及びモータ制御方法
JP2001067779A (ja) ディスク記憶装置及びスピンドルモータの起動方法
KR100660855B1 (ko) 스핀들모터 구조체 및 이를 채용한 하드 디스크 드라이브
US6633450B1 (en) Method of and apparatus for controlling disk drive
JP2004334940A (ja) 回転制御装置、その方法、そのプログラム、そのプログラムを記録した記録媒体、および、情報処理装置
US20030227706A1 (en) Motor control method for magnetic disk drive
US7576936B2 (en) Method of starting the magnetic disk device using fluid dynamic bearing spindle motor
JP2000224891A (ja) モータ制御装置及び同装置を使用したディスク記憶装置
JP3709328B2 (ja) 磁気ディスク装置
JP2002272172A (ja) 流体軸受けスピンドルモータを備えたディスク記憶装置及び同スピンドルモータの異常検出方法
US7474490B2 (en) Disk drive with reduced vibration due to rotational acceleration of a spindle motor
JP2001140887A (ja) 電動機
JPWO2009060506A1 (ja) 記憶媒体駆動装置および記憶媒体駆動装置向けランプ部材の温度制御方法
JP2005056471A (ja) 光ディスク装置、及び、そのためのデータ書き込み方法
JP2001057014A (ja) ディスクドライブ
JPH0442784A (ja) 温度調節装置を備えた超音波モータ