JP2001066806A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2001066806A
JP2001066806A JP24506099A JP24506099A JP2001066806A JP 2001066806 A JP2001066806 A JP 2001066806A JP 24506099 A JP24506099 A JP 24506099A JP 24506099 A JP24506099 A JP 24506099A JP 2001066806 A JP2001066806 A JP 2001066806A
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fullerene
layer
electrophotographic
photosensitive member
ray diffraction
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Hiroyuki Tanaka
博幸 田中
Miki Tanabe
幹 田辺
Akio Maruyama
晶夫 丸山
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子写真において、安定的に高い電荷発生機能
を有するフラーレンを用いた光導電体を用いた電子写真
感光体を提供することである。 【解決手段】CuKα特性X線回折測定により回折ピー
クが観測される、結晶質フラーレンを少なくとも一種含
有することを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体並び
に該電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び
電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真感光体に、セレン、硫化カ
ドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性物質が広く用いら
れていた。一方、有機光導電性物質を用いた電子写真感
光体としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールや2,5
−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾールのような低分子の有機光導電性物質を
用いたもの、更には、かかる有機光導電性物質と各種染
料や顔料を組み合わせたもの等が知られている。
【0003】一方で近年、C60やC70といったフラーレ
ン類の半導体物性に注目した研究が広くなされている。
例えばUSP5,250,378号明細書には、フラー
レン類が光導電機能を有することが報告されており、ま
た、特開平9−73180号公報には、更に高効率な電
荷発生効率を有する光導電層を具現化する方法が開示さ
れている。
【0004】しかしながら、フラーレン類を用いて電子
写真感光体を作成するには、より一層の特性改善が求め
られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真において、安定的に高い電荷発生機能を有するフラ
ーレンを用いた光導電体を用いた電子写真感光体を提供
すること、また、該電子写真感光体を用いたプロセスカ
−トリッジ及び電子写真装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はCuKα特性X
線回折測定により回折ピークが観測される、結晶質フラ
ーレンまたはその誘導体を少なくとも一種含有すること
を特徴とする電子写真感光体から構成される。
【0007】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からな
る群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に支持
し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とするプ
ロセスカートリッジから構成される。
【0008】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有す
ることを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明者等は、光導電層中におい
て電荷発生物質としてフラーレン類を単に含有するので
はなく、該フラーレン類の結晶状態によりその特性が大
きく変化すること、更に炭素数70のフラーレンC70
関する結晶形としては、単斜格子、菱面体格子、六方最
密格子及び面心立方格子となることが知られており、こ
のうち六方最密格子及び面心立方格子が光感度的に優れ
ていることを見出し、本発明に至った。
【0010】フラーレンとは、12個の五員環と2個以
上の六員環からなる、C24以上のサイズの球殻状に閉じ
た炭素分子の総称である。一般的にはC60以上の大きさ
の分子をフラーレンと呼ぶ。本発明において用いられる
フラーレンとして、一般的なC60の他、C70、C76、C
82といった構成炭素数の多い高次フラーレンを用いるこ
とも可能である。この中でC70は高い量子効率が期待さ
れる材料である。また、これら球殻状のものの他に、円
柱形のナノチューブや、球殻状で更に多重化したバッキ
ーオニオンといったものがフラーレン類として挙げるこ
とができる。
【0011】本発明は、これらフラーレン類を少なくと
も一種類を電荷発生物質として光導電層に用い、その
際、光導電層中で、該フラーレン類が完全な非晶質(ア
モルファス)状態ではなく、結晶状態で存在することを
特徴とするものである。上記フラーレン類のうち、C70
は量子効率が高く、高感度の電子写真感光体として利用
することが可能となる。この場合においても、光導電層
中で結晶として存在することが重要であり、非晶質の場
合と比較して、感度が大きく向上する。光導電層中での
非晶質フラーレンと結晶質フラーレンの比率は、結晶質
フラーレンの比率が高い方が好ましい。しかしながら、
結晶変換や成膜条件等により、非晶質フラーレンが光導
電層中に存在する場合においても、光導電機能を妨げな
い範囲においては、その存在を特に問題とはしない。
【0012】本発明の電子写真感光体の構成は、導電性
支持体上に感光層として電荷発生物質を含有する電荷発
生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層をこの順に
積層した構成、また、電荷発生物質と電荷輸送物質を同
一層中に分散した単層からなる構成のいずれの構成をと
ることも可能である。前者の積層型においては電荷発生
層あるいは電荷輸送層が二層以上の構成も可能である。
【0013】これら、いずれの場合においても、フラー
レン類を少なくとも一種類を電荷発生物質として用い、
その際、光導電層中で該フラーレン類が非晶質状態では
なく、結晶状態で存在していればよい。
【0014】この場合、結晶状態であることは、CuK
α特性X線回折により、フラーレンに帰属する回折ピー
クが観測される状態を指し、非晶質状態に留まっている
フレーレン類の量には依存しない。炭素数70のフラー
レンC70は光感度的に優れた特性を有しており、フラー
レン類のうちCuKα特性X線回折から得られるデータ
を基に結晶形を推定すると、炭素数70から成るフラー
レンC70に関する結晶形としては、単斜格子、菱面体格
子、六方最密格子及び面心立方格子となることが判明す
る。しかしながら、このうち六方最密格子及び面心立方
格子が光感度的に特に優れている。
【0015】積層感光体の電荷発生層を形成する際、電
荷発生物質としてフラーレン類を用いる以外にバインダ
ー樹脂を用いることができる。フラーレン類をバインダ
ー樹脂と混合して光導電層を形成する場合においても、
光導電層中でフラーレン類が結晶となって存在する必要
がある。その際、フラーレン類が非結晶状態で存在する
ことの方が安定となる、あるいはフラーレン類が結晶状
態にあることを阻害するようなバインダー樹脂の使用は
好ましくない。
【0016】また、光導電層を形成する際に、湿式塗布
を行うような場合においては、塗料に用いる溶媒によっ
ては、非結晶状態になり、用いる溶媒の選択によっても
出来上がった光導電層が非晶質になる。しかしながら、
乾燥方法といった外的要因により最終的に作成された光
導電層が結晶状態で成膜できる範囲においてはこの限り
ではない。
【0017】結晶質フラーレンを得る方法としては、炭
素化合物であるフラーレンが溶媒に溶解することを利用
することが考えられる。フラーレン類を良溶媒で溶解
し、乾燥させることで微結晶として析出させることで得
る方法が単純であり、この状態で光導電層として使用す
ることが可能である。しかしながら、効率良く結晶質フ
ラーレンを得るには一旦良溶媒に溶解し、更に貧溶媒を
加えることで析出させる等の方法で、純度の高い結晶質
フラーレンを得て、そこで得られた結晶を貧溶媒下で分
散することで塗料化し、成膜する方が、膜中の結晶質フ
ラーレンの量を増やすという面では効率よく行える。結
晶質フラーレンを得る方法として、公知の方法、例えば
溶解して熱処理する方法、溶媒中に分散し、ミリングす
る、あるいは溶媒を用いずミリングする(乾式ミリン
グ)や、同時に助剤として塩類を用いるソルトミリング
といった方法が挙げられる。その他、真空蒸着やCVD
等の方法を用いてフラーレン類の結晶を有する光導電層
を形成することも可能である。その際、被成膜基体の温
度を制御する等の方法で、結晶制御、結晶成長を促すこ
ととなる。
【0018】電荷発生物質を分散処理する方法として
は、公知の方法、例えばボールミル、サンドミル、ロー
ルミル等の方法を用いることができる。バインダー樹脂
と電荷発生物質の混合方法としては、電荷発生物質の分
散処理中にバインダー樹脂をそのままあるいはバインダ
ー樹脂溶液として加え、同時に分散する方法、電荷発生
物質の分散液をバインダー樹脂溶液中に混合する方法あ
るいは逆に電荷発生物質の分散液中にバインダー樹脂溶
液を混合する方法のいずれでもよい。
【0019】いずれの方法においても、用いるフラーレ
ン類は単一種である必要はなく、異なるものの混合物で
あってもよい。また、電荷発生物質に関しても、他の材
料と同時に使用することを制限する必要もない。
【0020】本発明において用いるバインダー樹脂は像
露光に用いる光源には不活性であることが望ましい。光
源に対し、活性であると、結果的に光導電層の量子効率
の低下を引き起こす原因となる。
【0021】作成されたフラーレン類を含有する膜の結
晶性の有無は、一般的にX線回折測定により判断され
る。
【0022】次に本発明の電子写真感光体を具体的に説
明する。本発明の電子写真感光体の構成は、導電性支持
体上に形成された感光層中に電荷発生物質としてフラ−
レン及びその誘導体の少なくとも一種を含有する電荷発
生層、及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層をこの順
に、または逆順に積層した構成、または電荷発生物質と
してのフラ−レン及びその誘導体の少なくとも一種と電
荷輸送物質を同一層中に分散した単層からなる構成の、
いずれの構成をとることも可能である。
【0023】単層の感光層では光キャリアの生成と移動
が同一層内で行われ、また、感光層そのものが表面層と
なる。一方、積層の感光層では、光キャリアを生成する
電荷発生層と生成した光キャリアが移動する電荷輸送層
とが積層された構成をとる。積層感光層において、表面
側の層となるのは、電荷発生層または電荷輸送層のどち
らでもよい。また、単層、積層どちらの場合において
も、感光層の上層に保護層を設けることが可能であり、
この場合保護層が表面層となる。
【0024】本発明の電子写真感光体の導電性支持体
は、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、アルミニウム合
金、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、
インジウム等の金属や合金、あるいは前記金属の酸化
物、カ−ボン、導電性高分子等が使用可能である。形状
は円筒状、円柱状等のドラム形状と、ベルト状、シ−ト
状のものとがある。前記導電性材料は、そのまま成形加
工される場合、塗料として用いられる場合、蒸着される
場合や、エッチング、プラズマ処理により加工される場
合もある。塗料の場合、支持体は前記金属、合金は勿
論、紙、プラスチック等も用いることが可能である。
【0025】更に、支持体上に支持体のムラや欠陥の被
覆及び画像入力がレ−ザ−光の場合には散乱による干渉
縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。
導電層はカ−ボンブラック、金属粒子、金属酸化物等の
導電性粉体を、バインダ−樹脂中に分散して形成するこ
とができる。
【0026】また、導電性支持体あるいは導電層と感光
層との間に下引き層を設けてもよい。下引き層は、界面
での電荷注入制御や接着層として機能する。下引き層
は、主にバインダ−樹脂から成るが、前記金属や合金ま
たはそれらの酸化物、塩類、界面活性剤等を含んでもよ
い。下引き層を形成するバインダ−樹脂の具体例として
は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレ−ト、
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカ
−ボネ−ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミ
ド、フェノ−ル樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂、
エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、
ポリアリルエ−テル、ポリアセタ−ル、ブチラ−ル樹脂
等が挙げられる。下引き層の膜厚は、好ましくは0.0
5〜7μmであり、より好ましくは0.1〜2μmであ
る。
【0027】本発明における感光層が機能分離型の感光
層の層構成である場合には電荷発生層及び電荷輸送層を
積層する。しかしながら、成膜する順序は特に制限され
るものではない。
【0028】本発明において電荷発生物質として、少な
くとも一種類以上のフラ−レン類が用いられており、該
フラ−レン類はCuKα特性X線回折測定による回折ピ
ークが観測されればよい。また、同時に他の電荷発生物
質と共に用いられてもよい。
【0029】電荷発生物質としては一般に、セレン−テ
ルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心
金属及び結晶形、具体的には例えばα、β、γ、ε及び
X型等の結晶形を有するフタロシアニン化合物、アント
アントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラント
ロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔
料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシア
ニン顔料及びキノシアニン等が挙げられる。いずれの場
合も含有されるフラ−レン類がCuKα特性X線回折に
より回折ピークが観測されればよい。
【0030】また、電荷発生物質以外に、バインダ−樹
脂を用いることも可能である。バインダ−樹脂の具体例
としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレ
−ト、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、
ポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ
イミド、フェノ−ル樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹
脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッ
ド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォ
ン、ポリアルルエ−テル、ポリアセタ−ル、ブチラ−ル
樹脂、ベンザ−ル樹脂等が挙げられる。
【0031】電荷発生層の膜厚は、0.001〜6μm
が好ましく、より好ましくは、0.01〜2μmであ
る。電荷発生層に含有される電荷発生物質の量は、重量
比で1〜100%が好ましく、より好ましくは10〜1
00%である。
【0032】電荷輸送物質の例としては、ピレン系化合
物、N−アルキルカルバゾ−ル系化合物、ヒドラゾン系
化合物、N,N−ジアルキルアニリン系化合物、ジフェ
ニルアミン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、ト
リフェニルメタン系化合物、ピラゾリン系化合物、スチ
リル系化合物、スチルベン系化合物等が挙げられる。
【0033】電荷輸送層の膜厚は、5〜70μmが好ま
しく、より好ましくは、10〜30μmである。電荷輸
送層に含有される電荷輸送物質の量は、重量比で20〜
100重量%が好ましく、より好ましくは30〜100
重量%である。
【0034】本発明における感光層は単層で用いること
も可能である。この場合、電荷発生機能と電荷輸送機能
は同一膜が有することになる。感光層を単層で用いる場
合にも、電荷発生物質としてCuKα特性X線回折によ
り回折ピークが観測されるフラ−レン類を結晶として含
有していればよい。フラ−レン類以外の電荷発生物質を
同時に含有してもよい。また、必要に応じてバインダー
樹脂を用いることも可能である。電荷発生物質の具体例
は、上記積層感光体の場合と同様である。また、電荷輸
送物質を同時に含有する必要がある。具体例としては、
上記積層感光体の場合と同様である。
【0035】単層感光層の膜厚は、8〜40μmが好ま
しく、より好ましくは、12〜30μmである。電荷発
生物質や電荷輸送物質等の光導電性材料を好ましくは1
0〜100重量%含有するが、より好ましくは30〜1
00重量%である。
【0036】本発明の電子写真感光体には耐摩耗性能、
環境特性の向上を目的として保護層を設けることが可能
である。保護層を設ける場合、その膜厚は0.01〜1
0μmが好ましく、より好ましくは0.1〜7μmであ
る。保護層は電荷発生物質または電荷輸送物質を含有し
てもよい。更に保護層中に金属及びその酸化物、窒化
物、塩、合金やカ−ボン等の導電性材料を含有してもよ
い。かかる金属種としては、鉄、銅、金、銀、鉛、亜
鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモ
ン、インジウム等が挙げられる。具体的には、ITO、
TiO2 、ZnO、SnO2 、Al23 等が使用可能
である。導電性材料は微粒子状のものを保護層中に分散
させるが、その粒子径は好ましくは0.001〜5μ
m、より好ましくは0.01〜1μmが用いられ、保護
層への添加量は、好ましくは1〜70重量%、より好ま
しくは5〜50重量%である。分散剤としてはチタンカ
ップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性剤
等を用いてもよい。
【0037】感光層を形成する各層には、酸化防止剤や
光劣化防止剤等各種添加剤を用いてもよい。また、表面
層にはその滑性や撥水性を改善する目的で各種フッ素化
合物やシラン化合物、金属酸化物等あるいはそれらの微
粒子等を含有してもよい。これらの分散性を改善する目
的で分散剤や界面活性剤を用いてもよい。表面層におけ
るこれら添加物の含有量は好ましくは1〜70重量%、
より好ましくは5〜50重量%である。
【0038】本発明の電子写真感光体の製造方法として
は、蒸着、塗布等の方法が用いられる。塗布による方法
は、薄膜から厚膜まで広い範囲で、しかも、様々な組成
の膜が形成可能である。具体的にはバ−コ−タ−、ナイ
フコ−タ−、浸漬塗布、スプレ−塗布、ビ−ム塗布、静
電塗布、ロ−ルコ−タ−、アトライタ−、粉体塗布等の
方法で塗布される。
【0039】次に、本発明のプロセスカ−トリッジ並び
に電子写真装置について説明する。図1に本発明の電子
写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子
写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状
の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方
向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過
程において、一次帯電手段3によりその周面に正または
負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光
やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の露光手段(不図示)から
の露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜
像が順次形成されていく。
【0040】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナ−現像され、現像されたトナ−現像像は、不
図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体
1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写
手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写
材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入され
て像定着を受けることにより複写物(コピ−)として装
置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表
面は、クリ−ニング手段9によって転写残りトナ−の除
去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)か
らの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し
画像形成に使用される。なお、図に示すように、一次帯
電手段3が帯電ロ−ラ−等を用いた接触帯電手段である
場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0041】本発明においては、上述の感光体1、一次
帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9等の構
成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとし
て一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを
複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−等の電子写真装置本
体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電
手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9の少なくと
も1つを感光体1と共に一体に支持してカ−トリッジ化
し、装置本体のレ−ル12等の案内手段を用いて装置本
体に着脱可能なプロセスカ−トリッジ11とすることが
できる。また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプ
リンタ−である場合には、原稿からの反射光や透過光を
用いる、あるいは、センサ−で原稿を読み取り、信号化
し、この信号に従って行われるレ−ザ−ビ−ムの走査、
LEDアレイの駆動及び液晶シャッタ−アレイの駆動等
により照射される光である。
【0042】本発明の電子写真感光体は、電子写真複写
機に利用するのみならず、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、
CRTプリンタ−、LEDプリンタ−、液晶プリンタ
−、レ−ザ−製版等の電子写真応用分野にも広く用いる
ことができる。
【0043】
【実施例】実施例1 本実施例における電子写真感光体は以下の通りである。
まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。10%の
酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸
化チタン粉体50部(重量部、以下同様)、レゾ−ル型
フェノ−ル樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタ
ノ−ル5部及びシリコ−ンオイル(ポリジメチルシロキ
サンポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量300
0)0.002部をφ1mmガラスビ−ズを用いたサン
ドミル装置で2時間分散して調製した。導電層用塗料を
φ30mmのアルミニウムシリンダ−上に浸漬塗布法で
塗布し、140℃で30分間乾燥して、膜厚20μmの
導電層を形成した。
【0044】次に、N−メトキシメチル化ナイロン5部
をメタノ−ル95部中に溶解し、下引き層用塗料を調製
した。この塗料を前記導電層上に浸漬塗布し、100℃
で20分間乾燥して、膜厚0.6μmの下引き層を形成
した。
【0045】次に、炭素数70で構成される純度99%
のフラ−レンC70を1部とブチラ−ル樹脂(商品名BX
−1、積水化学工業(株)製)2部をモノクロルベンゼ
ン300部に溶解し、電荷発生層用塗料を調製した。こ
の塗料を前記下引き層上に浸漬塗布し、150℃で20
分間乾燥して、膜厚0.1μmの電荷発生層を形成し
た。
【0046】また、電荷発生層用塗料をガラス上に塗布
し、150℃で20分間乾燥し、これをCuKα特性X
線回折測定用の試料とし、その結果を図2に示す。結晶
格子の幾何条件から、この試料の構造は六方最密格子で
あることが分かる。
【0047】次いで、電荷輸送物質として下記構造式の
トリアリ−ルアミン化合物10部、
【化1】 下記構造式の繰り返し単位を有するポリカ−ボネ−ト
(粘度平均分子量22000)10部
【化2】 をテトラヒドロフラン60部に溶解した電荷輸送層用塗
料を調製した。この塗料を前記電荷発生層上に浸漬塗布
し、120℃で60分間熱風乾燥して、膜厚25μmの
電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成した。
【0048】作成した電子写真感光体について、その電
子写真特性を10cm2 の導電性ガラスを用いて光放電
特性を測定することによって評価した。光源として、ハ
ロゲンランプを波長403nmの干渉フィルタ−で単色
化したものを用いた。なお、試料である電子写真感光体
への初期帯電電位は−700Vとなるように調整されて
いる。このとき、帯電電位が半分になる半減露光量を求
めると0.45μJ/cm2 であった。
【0049】実施例2 実施例1において電荷発生層用塗料を、炭素数70で構
成される純度99%のフラ−レンC70を2部とブチラ−
ル樹脂(商品名BX−1、積水化学工業(株)製)1部
をモノクロルベンゼン300部に溶解し、調製した。こ
の塗料を実施例1の下引き層上に浸漬塗布し、170℃
で2時間乾燥して、膜厚0.1μmの電荷発生層を形成
した。
【0050】また、電荷発生層用塗料をガラス上に塗布
し、170℃で2時間乾燥し、これをCuKα特性X線
回折測定用の試料とする。結晶格子の幾何条件から、こ
の試料の構造は面心立方格子をとっているものと判断さ
れる。
【0051】比較例1 電荷発生層形成のための乾燥条件を100℃、20分間
とする他は、実施例1と同じく、CuKα特性X線回折
用試料と、電子写真感光体を作成した。この試料のCu
Kα特性X線回折パタ−ンは、特定の結晶形に結びつく
回折ピ−クを見出すことができず、電子写真感光体の半
減光量も10μJ/cm2 と、実施例1と比較して低感
度である。このことから、電荷発生物質として用いてい
るフラ−レンが非結晶状態の故に、光電子変換が効率的
に行われず、結果として低感度にとどまったものと推測
される。
【0052】比較例2 電荷発生層に用いるバインダ−樹脂をポリスチレンとす
る他は、実施例1と同様に、CuKα特性X線回折用試
料と電子写真感光体を作成した。この試料のCuKα特
性X線回折パタ−ンも比較例1と同じく、特定の結晶形
に帰属するような回折ピ−クを見出すことができず、電
子写真感光体の半減露光量は7.0μJ/cm2 であっ
た。
【0053】実施例3 実施例1において電荷輸送物質を、下記構造式のスチリ
ル化合物
【化3】 に代えた他は、実施例1と同様に電子写真感光体を作成
した。作成した電子写真感光体を導電性ガラスを用いて
499nmでの半減露光量を求めると、0.3μJ/c
2 と高感度であった。
【0054】実施例4 実施例2において電荷輸送物質を、下記構造式のスチリ
ル化合物
【化4】 に代えた他は、実施例2と同様に電子写真感光体を作成
した。作成した電子写真感光体を導電性ガラスを用いて
499nmでの半減露光量を求めると、0.25μJ/
cm2 と高感度であった。
【0055】比較例3 電荷発生層の形成のための乾燥条件を100℃、20分
間とする他は、実施例3と同様に電子写真感光体を作成
した。作成した電子写真感光体の半減露光量は15μJ
/cm2 であった。
【0056】実施例5 電荷発生層の形成を真空蒸着で行った他は、実施例1と
同様に電子写真感光体を作成した。真空蒸着器似アルミ
ニウムシ−トをセットし、蒸着ボ−ト内に純度99%フ
ラ−レンC70を0.2g入れ、蒸着器内の真空度を1×
10-7Torrにしたうえ、ボ−トに電流を流し、蒸着
膜を作成した。この際、同時にCuKα特性X線回折測
定用のガラス試料も作成した。フラ−レンの蒸着を施し
たアルミニウムシ−トには、更に電荷輸送層を実施例1
と同様に形成し、電子写真感光体を作成した。蒸着を行
う際、試料と接触している基板を200℃に加熱してい
る。真空蒸着器から取り出すのは、十分除冷された状態
で行う必要がある。
【0057】実施例1と同様に、CuKα特性X線回折
用試料の回折パタ−ンを測定したところ、図2と同様の
回折パタ−ンを示した。また、作成した電子写真感光体
の半減露光量を測定したところ、0.2μJ/cm2
あった。
【0058】実施例6 次に表面に保護層を設けることを行った。下記構造式の
アクリル系モノマー60部、
【化5】 分散前の平均粒径が400μmの酸化スズ超微粒子60
部、ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径0.
18μm)50部、光重合開始剤としての2−メチルチ
オキサントン20部、メタノール400部をサンドミル
にて、66時間、分散を行った。
【0059】この分散液を用いて、実施例1の電子写真
感光体上に浸漬塗布法により、膜を形成し、高圧水銀灯
にて、150W/cm2の光強度で、20秒間、光硬化
を行い、その後に、120℃で、1時間、熱風乾燥し
て、保護層を形成した。この時、得られた保護層の膜厚
は3μmであった。また、保護層用分散液の分散性は良
く、保護層表面はムラの無い均一な面であった。
【0060】このようにして作成した電子写真感光体を
導電性ガラスを用いて499nmでの半減露光量を求め
ると0.5μJ/cm2であった。
【0061】比較例4 実施例5において、被蒸着物と接触している基板の加熱
を行わず、各種試料の作成を行った。この試料のCuK
α特性X線回折パタ−ンは、特定の結晶形に結びつく回
折ピ−クを見出すことができず、感度は5μJ/cm2
であった。
【0062】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、フラ−レン
類を光導電層に用いることで、高感度を可能とし、その
際、フラ−レン類の結晶性を操作することが高感度化に
大きく寄与することを示した。また、フラ−レン類を用
いた光導電体は400〜600nmと、従来より比較的
短波長側での感度に優れ、赤色あるいは赤外光を用いる
電子写真装置と比較し、より解像度の高い電子写真装置
に適用することが可能となるという顕著な効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−
トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図。
【図2】実施例1で用いたフラーレンC70のCuKα特
性X線回折図。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体 2 軸 3 一次帯電手段 4 露光光 5 現像手段 6 転写手段 7 転写材 8 像定着手段 9 クリ−ニング手段 10 前露光光 11 プロセスカ−トリッジ 12 レ−ル
フロントページの続き (72)発明者 丸山 晶夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 BA14 FA27

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuKα特性X線回折測定により回折ピ
    ークが観測される、結晶質フラーレンまたはその誘導体
    を少なくとも一種含有することを特徴とする電子写真感
    光体。
  2. 【請求項2】 CuKα特性X線回折測定により回折ピ
    ークが観測される結晶質フラーレンとして、炭素数70
    のフラーレンを含有する請求項1記載の電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 CuKα特性X線回折により求められる
    結晶形が面心六方最密格子である炭素数70のフラーレ
    ンを含む請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 CuKα特性X線回折により求められる
    結晶形が面心立方格子である炭素数70のフラーレンを
    含む請求項2記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか記載の電子写
    真感光体、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段
    からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段を一体に
    支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とす
    るプロセスカートリッジ。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか記載の電子写
    真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段
    を有することを特徴とする電子写真装置。
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