JP2001066581A - 積層フィルム及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

積層フィルム及びそれを用いた液晶表示装置

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JP2001066581A
JP2001066581A JP24294099A JP24294099A JP2001066581A JP 2001066581 A JP2001066581 A JP 2001066581A JP 24294099 A JP24294099 A JP 24294099A JP 24294099 A JP24294099 A JP 24294099A JP 2001066581 A JP2001066581 A JP 2001066581A
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film
liquid crystal
organic layer
crystal display
layer
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JP24294099A
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English (en)
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Hideki Goto
英樹 後藤
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルム液晶表示装置に用いら
れる透明導電性フィルムに、低抵抗値の透明導電膜と無
機バリア性を持つ無機質膜を、実用上十分な密着力をも
って付与することである。 【解決手段】 ガラス転移温度が120℃以上で実質的
に非晶質であり、フィルム厚み200μmでのリターデ
ーション値が15nm以下である透明な高分子フィルム
の少なくとも片側に有機層、無機バリア層、透明導電薄
膜層を設けた積層フィルムにおいて、上記有機層がイソ
シアヌレート構造と、金属アルコキシドまたは有機珪素
化合物の加水分解物を有する積層フィルムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置に用い
られる透明導電性フィルム用の積層フィルムに関するも
のであり、更に積層フィルムを用いた液晶表示装置であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエーテルスルホンフィル
ムなどの表面に、インジウムと錫の酸化物薄膜などを、
スパッタリングなどの方法により積層した透明導電性フ
ィルムが、フィルム液晶表示装置の透明電極基板用材料
として使用されている。当初は主に電卓、ページャーな
ど表示面積が比較的小さい小型液晶表示装置として使用
されていたが、最近では、主に携帯電話、メールフォ
ン、携帯情報端末など中型の表示素子に使用されてお
り、表示面積が拡大する傾向にある。これに伴い、基板
に対する品質要求も一層厳しいものとなっており、透明
導電膜の低抵抗化や、層間密着力の向上、異方導電性フ
ィルムによる外部接続の信頼性は不可欠な要素である。
【0003】しかし、従来の積層フィルムを用いて低抵
抗値の透明導電膜を成膜しようとすると、透明導電膜の
成膜時や液晶表示装置組立工程中に、透明導電膜にクラ
ックが生じるという不具合が発生し、充分な特性を満足
できなかった。
【0004】また、液晶表示装置は液晶をフィルム基板
で密封して構成されるが、液晶表示装置の層構成は完全
に対称ではない場合があり、ガラスと違ってフィルム自
体に充分な剛性が無い場合には、液晶表示装置組立時
や、組立後の加熱処理、吸湿処理時に反りが発生すると
いう問題がある。この様な不具合を解決するために、液
晶表示装置を金属枠に固定したり、フィルム基板にガラ
ス基板と同等の剛性を持たせて、反りが発生しないよう
な対策を施すのが有効であるが、いずれの方法でも種々
の異質な膜を積層した液晶表示装置については、基板の
各層の界面に大きな内部応力が働くことになり、積層フ
ィルムの層界面で剥離が生じる問題があり、液晶表示装
置の表示面積の拡大に伴いその影響は益々大きくなって
いる。
【0005】さらに、液晶表示装置の面積が拡大するに
伴い、異方導電性フィルムによる外部接続が不可欠な技
術となっている。ガラス基板の場合と異なり、フィルム
基板の場合は接続工程で透明導電膜にクラックが入った
り、接続部分の密着力が充分でないため長期信頼性が不
足し、実用に値しないといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラ
スチックフィルム液晶表示装置に用いられる透明導電性
フィルムに、低抵抗値の透明導電膜と無機バリア性を持
つ無機質膜を、実用上十分な密着力をもって付与するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】ガラス転移温度が120
℃以上で実質的に非晶質であり、フィルム厚み200μ
mでのリターデーション値が15nm以下である透明な
高分子フィルムの少なくとも片側に有機層、無機バリア
層、透明導電薄膜層を設けた積層フィルムにおいて、上
記有機層がイソシアヌレート構造と、金属アルコキシド
または有機珪素化合物の加水分解物を有する積層フィル
ムである。更に好ましい形態としては、上記金属アルコ
キシドに含まれる金属が、アルミニウム、チタン、ジル
コニウム、インジウム、錫、タンタルの少なくとも1種
類を有し、該有機層における金属アルコキシドまたは有
機珪素化合物の加水分解物の含有量が該イソシアヌレー
ト構造を有するもの100重量部に対し10〜900重
量部であり、該有機層が該高分子フィルムの両面に設け
られており、該イソシアヌレート構造を有するものがト
リス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートである積
層フィルムである。また、上記の積層フィルムを用いて
製作された液晶表示装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】ガラス転移温度が120℃以上
の、実質的に非晶性である高分子フィルムの樹脂として
は、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリサルホ
ン、ポリエーテルサルホン、環状ポリオレフィン等があ
げられる。ガラス転移温度が120℃以上であるのは、
組立工程中の加熱処理工程で高温で加熱でき、信頼性の
高い液晶表示装置等の製品を得る事が可能なためであ
る。なお、本高分子フィルムの中には高分子シートも含
まれる。
【0009】これらの樹脂のフィルムを得るには溶融押
出成膜法や溶剤キャスト法等が可能であるが、溶剤キャ
スト法は異物を濾過したり、リターデーションを小さく
するには有利だが、生産性が低く、溶剤が残留する問題
があり、特に肉厚のもので残留溶剤の問題が大きく、溶
融押出成膜法が好ましい。溶融押出成膜法はリターデー
ションを小さくすることが難しいと言われているが、成
膜条件を精密に管理することで可能である。
【0010】なお、リターデーションとは、高分子のよ
うに分極率が方向性を持つ物質中を進む光が直交する二
方向の偏波に分かれて進む場合にフィルムを通り抜ける
間に二偏波の伝達距離がずれる度合いを表しており、偏
光を解消する作用がある。液晶表示装置の多くは偏光を
利用しており、素材としてはリターデーションは全くな
いことが望ましいが、実用的には15nm以下であれば
表示品位の低下は感知されない。これらの点より、前述
の樹脂の中でも、ポリエーテルサルホンと環状ポリオレ
フィンが好ましい。
【0011】ベースフィルムとなる高分子フィルムの少
なくとも一方の面に、イソシアヌレート構造と、金属ア
ルコキシドまたは有機珪素化合物の加水分解物を含む有
機層を形成する。有機層は高分子フィルムの片側だけで
も良いが、積層フィルムの反りなどの特性を考えると有
機層は高分子フィルムの両側に形成することが好まし
い。イソシアヌレート化合物としては、例えば、ビス
(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレ
ート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレー
ト、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)
イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イ
ソシアヌレートや、これらの変性体、混合物などが挙げ
られるが、その他イソシアヌレート構造を有するもので
有れば、特に限定されるものでない。これらの中でイソ
シアヌレート化合物として好ましいものはトリス(アク
リロキシエチル)イソシアヌレートである。
【0012】特開平第10−54979号公報にはエポ
キシ樹脂にアルコキシシランの加水分解縮合物を配合し
た例があるが、この場合エポキシ樹脂の硬化に非常に時
間がかかるため、生産性が良くないといった問題があっ
た。そこで、生産性を最優先させ、更に得られた三次元
硬化物の耐熱性、耐溶剤性が実用レベルであるために
は、イソシアヌレート構造を有するアクリル変性化合物
を、ラジカル硬化させる方法が好ましいことを見出した
ものである。ラジカル反応は反応速度が速く、生産性を
上げるのに非常に有効な手段である。ラジカルは、光や
熱で発生させることができ、硬化性、硬化温度、生産安
定性などを考慮して適時選定することが可能である。
【0013】しかし、アクリル変成化合物をラジカル硬
化させる系は、エポキシ化合物などの硬化系と比較して
一般に硬化収縮が大きいため内部応力が大きくなりやす
い。積層フィルムの層間密着性を上げるには、この内部
応力を低減する事が不可欠であるが、この様な理由か
ら、ラジカル硬化系は密着性に関しては必ずしも良好で
なかった。
【0014】また液晶表示装置組立工程中で必要な耐熱
性や耐溶剤性を付与するためには架橋密度をある程度大
きくする必要があるが、架橋密度を上げようとすればす
るほど、硬化収縮の影響が大きくなり密着性は低下し
て、液晶表示装置としての特性を満足することは非常に
困難であった。本発明はこの問題を解決するのに、イソ
シアヌレート構造を有する化合物を用いることで、実質
上充分な架橋密度を有するにも関わらず硬化収縮を小さ
く、液晶表示装置としての層間密着性、耐熱性、耐溶剤
性などの特性をバランス良く得ることが可能となったこ
とを見出したものである。
【0015】また有機層を積層するにあたっては、界面
活性剤、レベリング材、無機フィラー、導電性ポリマー
などを必要に応じて添加しても良い。
【0016】高分子フィルムを液晶表示装置の電極用フ
ィルムとして用いると、フィルム自体に十分な剛性が無
い場合などには、液晶表示装置組立時や、組立後の加熱
処理、吸湿処理時に反りが発生する等の問題がある。そ
こで有機層に、金属アルコキシドまたは有機珪素化合物
の加水分解物を添加することで、その反りを低減する効
果があることを見出した。金属アルコキシドまたは有機
珪素化合物の加水分解物の添加により高分子フィルムに
おいても剛性が大きくなるために、反りの低減効果が発
現する。
【0017】剛性を上げるためには無機フィラーを添加
する方法があるが、この場合添加量を多くするとフィラ
ーが凝集しやすく均一な有機層を得るのが困難である。
金属アルコキシドまたは有機珪素化合物の加水分解物は
液状であるために、樹脂成分との相溶性が良く、有機層
が均一になりやすい。したがって、加水分解物の添加量
を増やすことができるため、剛性の向上には非常に有効
である。
【0018】また有機層に金属アルコキシドまたは有機
珪素化合物の加水分解物を添加すると、有機層上にイン
ジウム錫酸化物などの無機膜を積層する場合に、密着性
が向上するため、従来からの問題であった液晶表示素子
の外部接続工程で透明導電膜にクラックが入ったり、接
続部分の密着力が充分でないため長期信頼性が不足する
現象に対して、著しい改善効果が確認された。
【0019】金属アルコキシドまたは有機珪素化合物の
加水分解物は、可視光領域での透明性を損なわないもの
で有れば特に制限されるものではないが、好ましくは金
属アルコキシドに含まれる金属が、チタン、アルミニウ
ム、ジルコニウム、インジウム、錫、タンタルの少なく
とも1種類を有するものが良い。加水分解物は金属の種
類により特有の特性を有するので、これらを単独または
組み合わせて使用することで、複数の機能を付与するこ
とができる。例えば、珪素とアルミニウムの加水分解物
は透明性が良好であり、チタン化合物の加水分解物は紫
外線領域で光を吸収するために、積層フィルムの紫外線
による劣化を防止することが可能であり、ジルコニウム
の加水分解物は硬度が高いため、剛性の向上や有機層の
表面硬度の向上に有効である。
【0020】金属アルコキシドまたは有機珪素化合物の
例としては、有機珪素化合物の例として、シリコンテト
ラメトキシド、シリコンテトラエトキシド、シリコンテ
トラ−n−プロポキシド、シリコンテトラ−iso−プ
ロポキシド、シリコンテトラ−n−ブトキシド、シリコ
ンテトラ−iso−ブトキシド、シリコンテトラ−se
c−ブトキシド、シリコンテトラ−tert−ブトキシ
ド、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジメチルジ−iso−プロポキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエ
チルジ−iso−プロポキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(βメトキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ―グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、γ―グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、 N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン等があり、金属アルコキシド
の金属がチタンの場合では、チタンテトラメトキシド、
チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキ
シド、チタンテトラ−iso−プロポキシド、チタンテ
トラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−iso−ブトキ
シド、チタンテトラ−sec−ブトキシド、チタンテト
ラ−tert−ブトキシド、アルミニウムではアルミニ
ウムテトラメトキシド、アルミニウムテトラエトキシ
ド、アルミニウムテトラ−n−プロポキシド、アルミニ
ウムテトラ−iso−プロポキシド、アルミニウムテト
ラ−n−ブトキシド、アルミニウムテトラ−iso−ブ
トキシド、アルミニウムテトラ−sec−ブトキシド、
アルミニウムテトラ−tert−ブトキシド等があり、
以下ジルコニウム、インジウム、錫、タンタルについて
も、同様の加水分解性基を有する化合物を用いることが
できる。
【0021】金属アルコキシドまたは有機珪素化合物の
加水分解物の添加量は、イソシアヌレート構造を有する
化合物100重量部に対して、10〜900重量部であ
り、好ましくは、200〜400重量部である。10重
量部より少ないと無機成分を添加する効果が発現しない
問題があり、900重量部を越えると有機層が脆く割れ
やすくなるという問題がある。
【0022】続いて、バリア性を有する無機バリア層を
形成するが、有機層の上に無機バリア層を形成すること
が好ましい。バリア性付与は、無機質のバリア性の有す
る物質を塗布や蒸着等の手段で形成する方法が取ること
が出来る。
【0023】従来の技術では、バリア性の物質がポリビ
ニルアルコールやポリ塩化ビニリデン等の樹脂の場合
は、生産性が良く設備や技術の完成度の高い塗布方式が
採られるが、樹脂のバリア性は温度・湿度により影響を
受けるため完全とは言えないという問題がある。一方金
属酸化物やガラスを無機バリア性物質として、蒸着等の
技術によりプラスチックフィルムに積層することが検討
され、生産性、設備、技術の面で実用レベルに来てい
る。また塗布方式により、バリア性物質として優れてい
る金属酸化物やガラスをプラスチックフィルム基板に形
成することも可能である。具体的には、酸化珪素、酸化
アルミなど公知のものが使用できる。なお、無機バリア
層の上には必要に応じて保護層を積層しても良い。
【0024】続いて、透明導電性を有する薄膜を積層
(透明導電薄膜層)する。透明導電薄膜層は有機層の上
か、無機バリア層の上に成膜するのが好ましく、バリア
性の要求値や製品コストなどの条件に応じて適時選択す
る。透明導電薄膜層としては、インジウム、錫、アンチ
モン、亜鉛、カドミウム等の酸化物や、それらの複合
体、金、銀、パラジウム等の公知の金属を用いることが
でき、特に限定されるものでは無いが、液晶表示装置に
は通常はインジウム錫酸化物(ITOという)が用いら
れる。透明導電性を有する薄膜の積層方法は、蒸着、ス
パッタリング、イオンプレーティング、プラズマCVD
等公知の方法があげられるが、通常は、透明導電薄膜層
の薄膜を積層する場合はスパッタリングが採用される。
【0025】更に有機層は最外層にも用いることが出来
る。最外層の有機層は前述の有機層と同じ内容の層であ
るが、最外層の有機層には無機フィラーを添加しても良
い。無機フィラーを添加した場合には、液晶表示装置の
表示品位に影響しない範囲で、表面に非常に微細な凹凸
を施すことが可能となる。高分子フィルムの表面に微細
な凹凸を設けると、摩擦係数が低減するため、生産速度
を上げることが可能である。また摩擦により発生する帯
電を低減する効果も付与される。
【0026】また無機フィラーを用いて、有機層を着色
したり、反射防止効果を付与することも可能であり、必
要に応じて適時選択することが可能である。
【0027】積層フィルムの構成としては、例えば、高
分子フィルム(A)+有機層(B)+無機バリア層
(C)+透明導電薄膜層(D)、有機層(B)+高分子
フィルム(A)+有機層(B)+無機バリア層(C)+
透明導電薄膜層(D)、有機層(B)+無機バリア層
(C)+有機層(B)+高分子フィルム(A)+有機層
(B)+透明導電薄膜層(D)、有機層(B)+無機バ
リア層(C)+有機層(B)+高分子フィルム(A)+
有機層(B)+無機バリア層(C)+透明導電薄膜層
(D)、有機層(B)+無機バリア層(C)+有機層
(B)+高分子フィルム(A)+有機層(B)+無機バ
リア層(C)+有機層(B)+透明導電薄膜層(D)等
があるが、特にこれらに限定されるものではない。ま
た、最外層の有機層には無機フィラーを含むものであっ
ても良い。
【0028】本発明の積層フィルムを液晶表示装置の透
明導電フィルムとして用いることが出来る。この透明導
電フィルムを用いた液晶表示装置は、ガラスを基板とし
て用いた液晶表示装置と比較して軽くかつ割れないと言
う利点がある。積層フィルムを用いて液晶表示装置を製
作する方法は公知の方法を用いることが出来る。
【0029】
【実施例】<実施例1>ポリエーテルサルホンフィルム
(住友ベークライト(株)製スミライトFS−5300、
ガラス転移温度223℃、厚み200μm、リターデー
ション10nm)の両面に、トリス(アクリロキシエチ
ル)イソシアヌレート30重量部、有機珪素化合物とし
てγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを8
0重量部、蒸留水40重量部、0.5%酢酸水溶液を5
部、チバスペシャルティケミカルズ製のイルガキュア6
51を1重量部、酢酸ブチル65重量部を混合した塗布
液を、室温で24時間撹拌させた後、グラビアコーター
により、乾燥厚み3μmとなるよう塗布し硬化させた。
さらに、バリア性を有する酸化珪素膜を一層設けた後
(厚さ0.1μm)、その表面に最初の工程でポリエー
テルサルホンフィルムに塗布した塗布液と同じものを、
リバースコーターにより乾燥厚み3μmとなるように塗
布し、硬化させた。
【0030】次に、この酸化珪素膜の裏面の有機層の上
に、インジウム錫酸化物を用いてスパッタリングによ
り、透明導電薄膜層を表面抵抗が40Ω/□、全光線透
過率が80%となるように形成した。このようにして得
られた透明導電フィルムを用いて、プラスチックフィル
ム製液晶表示装置を作成した。80℃高温保存、60℃
95%RH高温高湿保存試験を行ったが、1000時間
経過後も、液晶表示装置の反りは2mm以下であり、液
晶表示装置を構成する積層フィルムを引き剥がす剥離試
験において、剥離強度が1000g/cm以上で、剥離
面がシール材の凝集剥離であり、充分に実用レベルを維
持していた。更に、異方導電性フィルムによる外部接続
特性においても、接続抵抗値の上昇や、密着力の低下な
どの不具合は無かった。このことは、積層フィルムの層
間密着性や、低抵抗透明導電薄膜層の信頼性が、プラス
チックフィルム製の液晶表示装置作成工程における、
熱、薬品、曲げ、外部端子接続等の処理によっても損な
われなかったことを示している。
【0031】<実施例2>実施例1のγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシランを80重量部添加する代
わりに金属アルコキシドとしてチタンテトラエトキシド
を180重量部用いた以外は実施例1と同様にしてプラ
スチックフィルム製液晶表示装置を作成した。80℃高
温保存、60℃95%RH高温高湿保存試験を行った
が、1000時間経過後も、液晶表示装置の反りは2m
m以下であり、液晶表示装置を構成する積層フィルムを
引き剥がす剥離試験において、剥離強度が1000g/
cm以上で、剥離面がシール材の凝集剥離であり、充分
に実用レベルを維持していた。更に、異方導電性フィル
ムによる外部接続特性においても、接続抵抗値の上昇
や、密着力の低下などの不具合は無かった。また工程中
の紫外線照射による樹脂の着色が無く、改善効果が確認
された。
【0032】<実施例3>実施例1において透明導電薄
膜層を積層する前に、実施例1と同様の酸化珪素層及び
有機層を各1層積層した以外は実施例1と同様にしてプ
ラスチックフィルム製液晶表示装置を作成した。このプ
ラスチックフィルム製液晶表示装置は実施例1と同等の
効果が得られた。
【0033】<実施例4>実施例1において、酸化珪素
層上に積層した有機層の表面に、透明導電薄膜層膜を積
層してフィルムを作成したところ、実施例1と同等の効
果が得られた。
【0034】<実施例5>実施例1において透明導電薄
膜層を積層する前に、実施例1と同様の酸化珪素層を積
層した以外は実施例1と同様にしてプラスチックフィル
ム製液晶表示装置を作成した。このプラスチックフィル
ム製液晶表示装置は実施例1と同等の効果が得られた。
【0035】<比較例1>実施例1において、有機層を
高分子フィルムに形成しなかった以外は、実施例1と同
様にしてプラスチックフィルム製液晶表示装置を作成し
た。このプラスチックフィルム製液晶表示装置は組立工
程中で透明導電薄膜層と酸化珪素膜が部分的に剥離し
て、実用に値しなかった。
【0036】<比較例2>実施例1の有機層のイソシア
ヌレート化合物をジペンタエリスリトールヘキサアクリ
レートに変更した以外は、実施例1と同様にしてプラス
チックフィルム製液晶表示装置を作成した。このプラス
チックフィルム製液晶表示装置は高温高湿保存試験にお
いて、480時間でシール樹脂部分で剥がれが生じてい
ることが判明した。透明導電薄膜層をエッチング除去し
た面同士を、エポキシ樹脂で接着しピールテストを行っ
たところ、50g/cm程度の剥離強度しか無く、剥離
面を調べたところ、透明導電薄膜層とポリエーテルスル
ホンフィルム上の有機層の間で剥がれていた。
【0037】<比較例3>実施例1の有機層のイソシア
ヌレート化合物をウレタンオリゴマーのアクリレート化
合物に変更した以外は、実施例1と同様にしてプラスチ
ックフィルム製液晶表示装置を作成した。このプラスチ
ックフィルム製液晶表示装置は高温高湿保存試験におい
て、480時間でシール樹脂部分で剥がれが生じている
ことが確認された。透明導電薄膜層をエッチング除去し
た面どうしを、エポキシ樹脂で接着しピールテストを行
ったところ、50g/cm程度の剥離強度しか無く、剥
離面を調べたところ、透明導電薄膜層とポリエーテルス
ルホンフィルム上の有機層の間で剥がれていた。
【0038】
【発明の効果】本発明により、低抵抗値の透明導電膜と
無機バリア性を持ち、実用上十分な密着力、耐熱性を有
する積層フィルムが得られ、本積層フィルムを用いて製
作された液晶表示装置は信頼性が高く表示機能に優れた
液晶表示装置である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1343 G02F 1/1343 Fターム(参考) 2H090 HA04 HB13X HB18X HD08 JA06 JA07 JA09 JB03 JB13 JD11 LA01 2H092 HA04 KB14 NA18 PA01 4F100 AA00C AB10B AB10E AB12B AB12E AB19B AB19E AB21B AB21E AB40B AH00B AH00E AH06B AH06E AH08B AH08E AK01A AK55 AR00D BA04 BA05 BA07 BA10B BA10E DJ01C GB90 JA05A JA12A JA20A JG01 JG01D JG04 JJ03 JM02D JN01 JN01A JN01D YY00A YY00B YY00E 4J002 BG07W CP02X CQ03X GF00 GH00 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度が120℃以上で実質的
    に非晶質であり、フィルム厚み200μmでのリターデ
    ーション値が15nm以下である透明な高分子フィルム
    の少なくとも片側に有機層、無機バリア層、透明導電薄
    膜層を設けた積層フィルムにおいて、上記有機層がイソ
    シアヌレート構造と、金属アルコキシドまたは有機珪素
    化合物の加水分解物を有することを特徴とする積層フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 該金属アルコキシドに含まれる金属が、
    アルミニウム、チタン、ジルコニウム、インジウム、
    錫、タンタルの少なくとも1種類を有する請求項1記載
    の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 該有機層における該金属アルコキシドま
    たは有機珪素化合物の加水分解物の含有量が、該イソシ
    アヌレート構造を有するもの100重量部に対し10〜
    900重量部である請求項1記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】 該有機層が該高分子フィルムの両面に設
    けられている請求項1記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 該イソシアヌレート構造を有するものが
    トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートである
    請求項1記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の積層フ
    ィルムを用いて製作されたことを特徴とする液晶表示装
    置。
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JP2002273836A (ja) * 2001-03-19 2002-09-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd 複合シート。
JP2010510090A (ja) * 2006-11-15 2010-04-02 アキュロン, インコーポレイテッド 被膜された基材、有機フィルムおよび有機フィルムを基材に塗布する方法

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