JP2001064785A - 水切り剤 - Google Patents

水切り剤

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JP2001064785A
JP2001064785A JP23771299A JP23771299A JP2001064785A JP 2001064785 A JP2001064785 A JP 2001064785A JP 23771299 A JP23771299 A JP 23771299A JP 23771299 A JP23771299 A JP 23771299A JP 2001064785 A JP2001064785 A JP 2001064785A
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Toshio Komatsu
利夫 小松
Kazuyoshi Satake
一義 佐竹
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水切り剤として、アルコール系等の有機溶剤
や界面活性剤を含む水溶液からなる水切り剤よりも、細
菌等の微生物の繁殖を抑え、保存性の優れた、有機溶剤
を使用しない水切り性能を有する水切り剤の提供。 【解決手段】 ノニオン系界面活性剤水溶液100重量
部に対して、ベンゾイソチアゾリン−3−オン系化合物
を0.01〜0.4重量部含有していることを特徴とす
る水切り剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーブラウン管
のシャドウマスク、ICリードフレーム、ネームプレー
ト等の製造においてフォトリソグラフィ法に使用される
水溶性感光性樹脂を用いたフォトエッチング現像処理工
程用の水切り剤(以下単に「水切り剤」という)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、水切り剤は、次のフォトエッチ
ング現像処理工程における水洗洗浄工程で用いられてい
る。即ち、水溶性感光性樹脂を用いたフォトエッチング
現像処理工程は、水溶性感光性樹脂をシャドーマスク、
リードフレーム等の金属基板に塗布した後、所望のパタ
ーンを紫外線、電子線等で露光させた後、温水(純水、
硬水、軟水等)を用いて、このレジストを水洗現像す
る。現像によって形成されたレジスト膜の硬化をクロム
酸等の硬膜剤を用いて行い、水洗洗浄工程を経て乾燥、
バーニングによって、エッチングに耐性を持つレジスト
被膜を形成する。その後、塩化第二鉄水溶液により、ス
プレイエッチング等により金属基板をエッチングしてい
る。
【0003】前記の水洗洗浄工程は、次の乾燥、バーニ
ング工程に移る前に、残留水分による無水クロム酸等の
硬膜剤の浸み出し除去や、シミ、ムラ等の水滴跡の発生
を防止するため、水洗洗浄工程と合わせ、絞りロールで
水切りを行っている。この際、水のみによる洗浄は、絞
りロールで水切りを行った場合、水切りが、効果的に完
全に行われない。そのために、水切り改善として、メチ
ルアルコール等のアルコール系溶剤や界面活性剤を含む
水溶液が、水切り剤として使用されている。
【0004】しかしながら、従来の水溶性感光性樹脂を
用いたフォトエッチング現像処理工程における、クロム
酸によるレジスト膜硬化からバーニング工程に移る間に
行われる、絞りロールによる水切り処理において、水切
り剤として、メチルアルコール等のアルコール系溶剤や
界面活性剤を含む水溶液が、その水切り改善の特性等か
ら好ましく使用されているが、これらのアルコール系溶
剤を含む水切り剤は、有機溶剤を使用するため、処理後
の廃棄において環境上問題がある。また、作業環境や火
気に対する安全面など使用上の問題もある。
【0005】上記のアルコール系等の有機溶剤を含む水
切り剤は、作業環境や廃棄において有害物質として危険
性がある。従って、その代替えの水切り剤の提供が望ま
れている。そのため、これまでに有機溶剤を除去した界
面活性剤の水溶液からなる水切り剤が、代替え水切り剤
として提案されているが、水切り剤に発生する細菌等の
微生物による水切り剤の保存安定性、水切り性能、エッ
チング性能に対して効果を有する水切り剤は、提供され
ていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水切り剤と
して、アルコール系等の有機溶剤や界面活性剤を含む水
溶液からなる水切り剤よりも、細菌等の微生物の繁殖を
抑え、保存性の優れた、有機溶剤を使用しない水切り性
能を有する水切り剤の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ベンゾイソチアゾリン
−3−オン系化合物とノニオン系界面活性剤を含有した
水溶液の水切り剤が、アルコール系溶剤や界面活性剤を
含む水溶液からなる水切り剤よりも、水切り性、防腐・
防黴性、保存安定性の効果を合わせ持った水切り剤であ
ることを見い出した。本発明は、ノニオン系界面活性剤
水溶液100重量部に対して、ベンゾイソチアゾリン−
3−オン系化合物を0.01〜0.4重量部含有してい
ることを特徴とする水切り剤を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳しく説明する。本発明を主として特徴
づけるベンゾイソチアゾリン−3−オン系化合物として
は、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、1,2
−ベンツイソチアゾリン−3−オンとアミノ酸誘導体と
の合剤、ベンゾイソチアゾリン−3−オン等およびそれ
らの混合物が挙げられる。これらの化合物は、武田薬品
工業(株)から[デルトップ100]、三愛石油(株)
から[SK−AG]、クラリアントポリマー(株)から
[メルガールK15]、等の商品名で市場から入手して
本発明で使用できる。
【0009】水切り剤の水溶液は、ウログレナ、スフェ
ロチロス、鉄バクテリア、緑膿菌、黄色ブドウ菌、大腸
菌等の微生物が混入し、繁殖し易い。また、青黴等の黴
が生長および繁殖し易い。特に、環境上からアルコール
等の有機溶剤を除去した水切り剤の場合に顕著に見られ
る。
【0010】このために、シャドウマスクやリードフレ
ーム等の水溶性感光性樹脂を用いたフォトエッチング現
像処理工程において、レジストを水洗現像後、形成され
たレジスト膜の硬化をクロム酸等の酸を用いて行い、水
洗洗浄工程を経て乾燥、バーニングによって、エッチン
グに耐性を持つレジスト被膜を形成する過程の水洗洗浄
工程に、微生物が混入した水切り剤の水溶液を使用した
場合、レジスト槽に、微生物が持ち込まれる危険性があ
り、混入した場合、繁殖した微生物によって、コロニー
が生成される。シャドウマスクやリードフレーム等の金
属基板に、このコロニーを含んだレジストを塗布した場
合、金属基板上のコロニーが付着した部分には、レジス
トが塗布されなく、斑点上の抜けができたり、塗膜に膨
れができたり等の塗膜不良の原因になる。
【0011】さらに、水切り後、金属基板上に、細菌等
の微生物による水滴膜が発現し、エッチング不良の原因
になる。また、水洗洗浄工程に使用される水切りロール
に微生物が付着した場合、水切りロール上で微生物が繁
殖して、水切り性能が低下し、水切り状態にばらつきが
生じる。このために、微生物の繁殖を抑制する防腐防菌
効果により、水切り性能の低下、基板処理面の汚染、ラ
インフィルターの目詰まり防止を目的とした、保存安定
性の良好な水切り剤が望まれていた。
【0012】本発明を構成するノニオン系界面活性剤
は、水切り剤の表面張力を小さくすることにより、シャ
ドウマスクやリードフレーム等の金属基板との濡れを良
くし、表面の水切りを良くする目的で使用されるが、前
記のベンゾイソチアゾリン−3−オン系化合物と相溶す
るものが好ましい。このようなノニオン系界面活性剤と
しては、例えば、ポリエチレングリコールアルキルエー
テル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル等、または、これ
らの混合物が挙げられる。これらの化合物は、ライオン
(株)から[リポノックスNC95]、花王(株)から
[エマルゲン810]、日本油脂(株)から[ノニオン
HS208.5]、[ノニオンHS206]、等の商品
名で市場から入手して本発明で使用できる。
【0013】前記のノニオン系界面活性剤は、1〜15
重量%、好ましくは5〜10重量%濃度の水溶液として
好適に用いられる。ノニオン系界面活性剤水溶液濃度が
15重量%を越えると、水溶液が濁りや増粘して、使用
しにくい問題があり、1重量%未満であると、水切り効
果が低下する問題がある。
【0014】前記のベンゾイソチアゾリン−3−オン系
化合物は、ノニオン系界面活性剤水溶液100重量部に
対して、0.01〜0.4重量部、好ましくは0.02
〜0.3重量部の割合で使用する。使用量が、0.4重
量部を越えると、アルカリ性が強くなり、カゼインレジ
スト膜を溶解する問題があり、0.01重量部未満であ
ると防菌効果が落ちる問題がある。
【0015】本発明の水切り剤は、使用する場合、調製
された水切り剤の原液をイオン交換水にて、10倍〜1
000倍、好ましくは50倍〜100倍に希釈して使用
する。希釈率が1000倍を越えると、濡れ性が悪くな
り、水切り性能が低下する問題があり、10倍未満であ
ると界面活性剤の濃度が高すぎて、水切りにおいて、金
属基板上にしみ等が発生する問題がある。
【0016】一般に、防腐剤として、安息香酸、サリチ
ル酸、ソルビン酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カ
リウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香
酸エチル、有機水銀、芳香族オキシ化合物、第4アンモ
ニウム塩等がある。また、防黴剤として、フェノール類
およびその塩素化合物、アンチマイシンA、デヒドロア
セト酸等がある。しかしながら、これらの従来の防腐・
防黴剤は、フォトエッチング現像処理工程における水切
り剤の材料としての性能と防腐・防黴性とのバランスが
取りずらいために好ましくない。
【0017】水溶性感光性樹脂としては、酸カゼイン、
フィシュグルー、ゼラチン等の天然高分子、或いはポリ
ビニールアルコール、ポリアクリルアミド等の合成高分
子に水溶性感光剤として重クロム酸塩、ジアゾニウム
塩、アジド化合物等を添加して使用される。これらの水
溶性のフォトレジストの耐エッチング性や基板との密着
性向上のために、無水クロム酸、パラホルムアルデヒド
縮合物、ジルコニウム化合物の等の硬膜剤を使用して硬
膜処理することができる。
【0018】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。尚、文中に「部」とあるのは重
量基準である。 実施例1 下記成分をよく撹拌し、本発明の水切り剤を調製した。
【0019】実施例2 下記成分をよく撹拌し、本発明の水切り剤を調製した。
【0020】比較例1 下記成分をよく撹拌し、水切り剤を調製した。
【0021】比較例2 下記成分をよく撹拌し、水切り剤を調製した。
【0022】上記で得られた各々の水切り剤をイオン交
換水にて希釈してその表面張力、鉄板およびカゼインレ
ジスト上での接触角、原液における微生物の繁殖状態と
保存安定性について、下記の測定方法により評価した。
【0023】(表面張力)上記の各々の水切り剤をイオ
ン交換水にて10倍、100倍、1000倍に希釈し
て、表面張力を白金板吊り下げ法により判定した。評価
結果を表1に示す。
【表1】
【0024】(接触角)上記の各々の水切り剤をイオン
交換水にて10倍、100倍に希釈して、鉄板とカゼイ
ンレジスト上での水切り剤の接触角を接触角計により測
定した。評価結果を表2に示す。尚、表中のAは鉄板上
での接触角を表わし、また、Bはカゼインレジスト上で
の接触角を表わす。
【表2】
【0025】(防腐・防黴性)上記の各々の水切り剤の
原液を、細菌および黴の培養液にて、製造直後、1か月
後、2か月後、3か月後におけるその繁殖の状態を、三
愛石油(株)製のサンアイバイオチェッカーTTCで測
定した。評価結果を表3に示す。
【表3】
【0026】(保存安定性)上記の各々の水切り剤の原
液を3ケ月保存し、これをイオン交換水にて100倍に
希釈し、この希釈水切り剤を用いて、鉄板上にて水切り
処理して、鉄板上の異物の有無および、0.6μmのポ
リプロピレン製フィルターで加圧濾過して、目詰まりに
よる異物の有無を目視にて測定した。評価結果を表4に
示す。
【表4】
【0027】
【発明の効果】本発明の水切り剤は、防腐・防黴性のベ
ンゾイソチアゾリン−3−オン系化合物を使用すること
により、防腐性と防黴性に優れた保存安定性のよい水切
り剤である。また、水切り性がよく、フォトエッチング
の金属基板への細菌等の微生物の付着が避けられるた
め、エッチングむらが発生しない。また、有機溶剤を使
用していないため、作業環境や火気に対する安全性、排
水規制等の環境に対する負荷が少ないものである。さら
に水切り剤を、循環して使用する場合、循環ライン工程
中のフィルターが細菌等のコロニーによる目詰りが発生
しない。エッチング後の製品の歩留低下を抑えた経済的
な有益性を追求可能とするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA27 EA02 EA06 GA08 GA17 GA18 HA01 4K057 WA18 WE30 WN01 WN03 5F046 LA12 5F067 DA16

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノニオン系界面活性剤水溶液100重量
    部に対して、ベンゾイソチアゾリン−3−オン系化合物
    を0.01〜0.4重量部含有していることを特徴とす
    る、水溶性感光性樹脂を用いたフォトエッチング現像処
    理用の水切り剤。
  2. 【請求項2】 ノニオン系界面活性剤水溶液の界面活性
    剤濃度が、1〜15重量%である請求項1に記載の水切
    り剤。
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Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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