JP2000302601A - 工業用殺菌剤 - Google Patents

工業用殺菌剤

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JP2000302601A
JP2000302601A JP2000037825A JP2000037825A JP2000302601A JP 2000302601 A JP2000302601 A JP 2000302601A JP 2000037825 A JP2000037825 A JP 2000037825A JP 2000037825 A JP2000037825 A JP 2000037825A JP 2000302601 A JP2000302601 A JP 2000302601A
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water
antimicrobial agent
compounds
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JP2000037825A
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Hisao Kubota
尚生 窪田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗微生物剤の製剤化時および水系塗料への配
合時に、泡立つことなく、見かけ状にごりのない状態を
保ち、かつ、その水系塗料を構造物に施した後にも、雨
水などによる抗微生物剤の溶脱が少ない、工業用殺菌剤
を提供すること。 【解決手段】 工業用殺菌剤として、抗微生物剤と、界
面活性剤と、水系溶剤とを配合し、その界面活性剤とし
て、シクロデキストリン類を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用殺菌剤、詳
しくは、水系クリヤー塗料などの水系塗料に好適に使用
することができる工業用殺菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、構造物の外壁などは、そのま
ま放っておくと、腐食、ひび割れなどの劣化を生じるた
め、一般には、その表面に塗料などの塗布による仕上げ
処理が施されている。
【0003】特に、近年では、例えば、コンクリートの
打放しなどのように、建築材料の素材感をそのまま生か
した意匠を有する構造物が多くなってきており、そのよ
うな構造物の仕上げ処理には、例えば、クリヤー塗料な
どを使用して、その素材の有する質感、風合いなどを損
ねることなく、構造物の表面を保護するようにしてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構造物の外
壁などに使用される塗料には、構造物の表面を、藻、か
びおよび菌から保護するために、抗微生物剤を配合して
おきたいという要望がある。
【0005】しかし、近年、環境衛生、安全性などの観
点から、有機溶剤系の塗料に代えて水系の塗料を使用し
たいという要望がある。その一方で、多くの抗微生物剤
は水に対して不溶または難溶であるという問題がある。
【0006】とりわけ、上記したようなコンクリートの
打放しなどの用途に使用されるクリヤー塗料にあって
は、透明性が要求されるため、抗微生物剤を、クリヤー
塗料中に、見かけ状透明となるまで可溶化、分散させる
必要がある。
【0007】そのため、抗微生物剤に界面活性剤を配合
して、抗微生物剤の水溶性および水分散性を高めること
が考えられる。
【0008】しかし、一般に使用されている界面活性剤
を使用すると、水系塗料に抗微生物剤を見かけ状にごり
を生じることなく配合することはできるが、界面活性剤
を抗微生物剤に配合する時、および、この抗微生物剤を
水系塗料に配合する時に泡立ち、しかも、その水系塗料
を構造物に施した後には、雨水などによって、抗微生物
剤が溶脱してしまい、構造物の表面を藻、かびおよび菌
から有効に保護できないという問題を生じる。
【0009】そこで、本発明は、このような問題に鑑み
なされたもので、その目的とするところは、抗微生物剤
の製剤化時および水系塗料への配合時に、泡立つことな
く、見かけ状にごりのない状態を保ち、かつ、その水系
塗料を構造物に施した後にも、雨水などによる抗微生物
剤の溶脱が少ない、工業用殺菌剤を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、抗微生物剤と、界面活性剤と、水系溶剤
とが配合されている工業用殺菌剤であって、前記界面活
性剤としてシクロデキストリン類が配合されていること
を特徴としている。
【0011】また、本発明の工業用殺菌剤は、液剤であ
ることが好ましく、水系塗料に配合されることが好まし
い。
【0012】また、本発明の工業用殺菌剤に配合される
抗微生物剤は、イソチアゾリン系化合物、有機よう素系
化合物、チオフェン系化合物、トリアゾール系化合物、
尿素系化合物、トリアジン系化合物、オキサチアジン系
化合物、アルコール系化合物からなる群から選ばれる少
なくとも1種であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の工業用殺菌剤には、抗微
生物剤と、界面活性剤と、水系溶剤とが配合されてい
る。
【0014】本発明の工業用殺菌剤に配合される抗微生
物剤とは、防藻作用、防かび作用および抗菌作用の少な
くとも何れかの作用を有するものであって、このような
抗微生物剤としては、例えば、4,5−ジクロロ−2−
オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾリ
ン系化合物、例えば、メチル2−ベンツイミダゾールカ
ーバメイト、2−(4−チアゾリル)−ベンツイミダゾ
ールなどのイミダゾール系化合物、例えば、3−ヨード
−2−プロピニル−ブチル−カーバメイト、ジヨードメ
チル−p−トリル−スルホン、p−クロロフェニル−3
−ヨードプロパギルホルマール、2,3,3−トリヨー
ドアリルアルコールなどの有機よう素系化合物、例え
ば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフ
ェン−1,1−ジオキシドなどのチオフェン系化合物、
例えば、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−
1,3−ジオキサン−2イル]メチル]−1H−1,
2,4−トリアゾール、(±)−α[2−(4−クロロ
フェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)
−1H−1,2,4−トリアゾール−(1)−エタノー
ル、(±)−1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)
−4−プロピル−1,3−ジオキサン−2イルメチル]
−1H−1,2,4−トリアゾールなどのトリアゾール
系化合物、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)
−1,1−ジメチルウレアなどの尿素系化合物、例え
ば、2−メチルチオ−4−tert−ブチルアミノ−6
−シクロプロピニルアミノ−s−トリアジン(商品名:
イルガロール1051、イルガロール1071、製造
元:チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株))などの
トリアジン系化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン
−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチ
アジン−4−オキサイドなどのオキサチアジン系化合
物、例えば、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノー
ル、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオー
ルなどのアルコール系化合物などが挙げられる。
【0015】これら抗微生物剤は、単独または2種類以
上併用してもよく、好ましくは、イソチアゾリン系化合
物、有機よう素系化合物、チオフェン系化合物、トリア
ゾール系化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、
オキサチアジン系化合物、アルコール系化合物が挙げら
れ、さらに好ましくは、イソチアゾリン系化合物、有機
よう素系化合物、トリアゾール系化合物、トリアジン系
化合物、オキサチアジン系化合物、アルコール系化合物
が挙げられ、さらに、これらのうちの2種以上を併用す
ることが好ましい。また、抗微生物剤の配合割合は、工
業用殺菌剤中に、0.1〜50重量%、さらには、1〜
30重量%であることが好ましい。
【0016】本発明の工業用殺菌剤に配合される必須の
界面活性剤は、一般に界面活性剤として使用されている
ものではなく、シクロデキストリン類が使用される。界
面活性剤としてシクロデキストリン類を使用することに
よって、本発明の工業用殺菌剤を製剤化する時および水
系塗料へ配合する時に、泡立つことなく、見かけ状にご
りのない状態を保ち、かつ、その水系塗料を構造物に施
した後にも、雨水などによる抗微生物剤の溶脱を少なく
することができる。
【0017】このようなシクロデキストリン類として
は、例えば、シクロデキストリンおよび修飾シクロデキ
ストリンが挙げられる。シクロデキストリンとしては、
例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキスト
リン、γ−シクロデキストリンなどが挙げられる。ま
た、修飾シクロデキストリンとしては、例えば、アルキ
ル修飾シクロデキストリン、アセチル修飾シクロデキス
トリン、分岐シクロデキストリンなどが挙げられる。
【0018】アルキル修飾シクロデキストリンとして
は、例えば、メチル−α−シクロデキストリン、メチル
−β−シクロデキストリン、メチル−γ−シクロデキス
トリン、エチル−α−シクロデキストリン、エチル−β
−シクロデキストリン、エチル−γ−シクロデキストリ
ンなどが挙げられる。
【0019】アセチル修飾シクロデキストリンとして
は、例えば、モノアセチル−α−シクロデキストリン、
モノアセチル−β−シクロデキストリン、モノアセチル
−γ−シクロデキストリン、ジアセチル−α−シクロデ
キストリン、ジアセチル−β−シクロデキストリン、ジ
アセチル−γ−シクロデキストリン、トリアセチル−α
−シクロデキストリン、トリアセチル−β−シクロデキ
ストリン、トリアセチル−γ−シクロデキストリンなど
が挙げられる。
【0020】分岐シクロデキストリンとしては、シクロ
デキストリン環にグルトース、マルトースなどの枝が分
岐したものであって、例えば、シクロデキストリン環に
ブドウ糖1個を結合させたG1−α−シクロデキストリ
ン、G1−β−シクロデキストリン、G1−γ−シクロ
デキストリンなどのグルコシルシクロデキストリン、例
えば、ブドウ糖2個のマルトースを結合させたG2−α
−シクロデキストリン、G2−β−シクロデキストリ
ン、G2−γ−シクロデキストリンなどのマルトシルシ
クロデキストリン、例えば、ブドウ糖3個のマルトトリ
オースを結合させたG3−α−シクロデキストリン、G
3−β−シクロデキストリン、G3−γ−シクロデキス
トリンなどのマルトトリオシル基をシクロデキストリン
の2位以上に結合させたG1−G1−、G1−G2−、
G2−G2−などのマルトトリオシルシクロデキストリ
ンなどが挙げられる。
【0021】これらシクロデキストリン類は、単独また
は2種類以上併用してもよく、修飾シクロデキストリ
ン、中でも、アルキル修飾シクロデキストリンおよび分
岐シクロデキストリンが好ましい。また、アルキル修飾
シクロデキストリンの中では、メチル−α−シクロデキ
ストリン、メチル−β−シクロデキストリン、メチル−
γ−シクロデキストリンが好ましく、分岐シクロデキス
トリンの中では、マルトシルシクロデキストリンを主成
分とするもの(例えば、商品名:イソエリートP、イソ
エリートL、イソエリート40P、イソエリート40
L、製造元:塩水港精糖(株)など)が好ましい。
【0022】また、シクロデキストリン類の配合割合
は、工業用殺菌剤中に、0.1〜50重量%、さらに
は、0.4〜40重量%、とりわけ、1〜30重量%で
あることが好ましい。
【0023】また、シクロデキストリン類は、抗微生物
剤100重量部に対し、1〜4000重量部、さらに
は、5〜3000重量部、とりわけ、20〜2000重
量部の割合で配合されることが好ましい。
【0024】本発明の工業用殺菌剤に配合される水系溶
剤は、水、および水に対して溶解または分散する水溶性
溶剤の何れのものも含まれる。このような水溶性溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコールなどのアルコール系溶剤、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのケトン系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリルなどの極性溶剤、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチル
エーテルなどのグリコール系溶剤などが挙げられる。
【0025】これら水系溶剤は、単独または2種類以上
併用してもよく、好ましくは、水およびグリコール系溶
剤、とりわけ、グリコール系溶剤の中でも、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。ま
た、水系溶剤の配合割合は、工業用殺菌剤中に、0.1
〜99.8重量%、さらには、1〜90重量%であるこ
とが好ましい。
【0026】このような、本発明の工業用殺菌剤は、上
記した抗微生物剤、界面活性剤、および水系溶剤を上記
した割合で配合し混合することによって、例えば、水溶
性液剤、水分散剤、水懸濁剤、水系溶剤懸濁剤などの液
剤として得ることができる。なお、その目的および用途
によっては、液剤に限らず、例えば、ペースト剤、粉剤
などの公知の剤型に製剤化してもよい。
【0027】さらに、本発明の工業用殺菌剤は、その目
的および用途によって、例えば、酸化防止剤などの公知
の添加剤や、上記に述べた界面活性剤とは異なる、一般
にいう界面活性剤を添加してもよい。
【0028】このような酸化防止剤としては、例えば、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,
2' −メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アル
キルジフェニルアミン、N,N' −ジ−s−ブチル−p
−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが
挙げられる。これら酸化防止剤は、単独または2種以上
併用してもよく、例えば、液剤の場合には、液剤100
重量部に対して0.1〜20重量部添加される。
【0029】一般にいう界面活性剤としては、例えば、
ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオ
ン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性
剤など、公知の界面活性剤が挙げられ、好ましくは、ノ
ニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられ
る。
【0030】ノニオン系界面活性剤としては、例えば、
ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、酸化エチレン
と酸化プロピレンとのブロック共重合物などが挙げられ
る。
【0031】アニオン系界面活性剤としては、例えば、
アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレ
ンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジ
アルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエ
チレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアン
モニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩などが挙げられ
る。また、これらの金属塩としては、例えば、ナトリウ
ム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
【0032】カチオン系界面活性剤としては、例えば、
ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリ
ルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられ
る。
【0033】両イオン界面活性剤としては、例えば、ラ
ウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキ
シスルホベタインなどが挙げられる。
【0034】高分子界面活性剤としては、例えば、特殊
ポリカルボン酸型高分子などが挙げられる。
【0035】これら一般にいう界面活性剤は、単独また
は2種以上併用してもよく、例えば、液剤の場合には、
液剤100重量部に対して0.01〜20重量部、好ま
しくは、0.1〜10重量部添加される。
【0036】このようにして得られる本発明の工業用殺
菌剤は、好ましくは、外壁用の水系塗料、とりわけ、透
明性が要求される水系クリヤー塗料に配合される。
【0037】このような水系クリヤー塗料は、例えば、
コンクリートの打放しなどのように、建築材料の素材感
を生かした意匠を有する構造物の仕上げ処理に使用され
るものであって、例えば、酢酸ビニル系、アクリル系、
ポリエステル系、シリコン系、フッ素系の樹脂のエマル
ションまたは水溶性樹脂、およびこれらの混合物などが
挙げられる。これら樹脂のエマルションまたは水溶性樹
脂の平均粒子径は、例えば、1μ以下、さらには、0.
5μ以下、とりわけ、0.1μ以下であることが好まし
い。なお、このような水系クリヤー塗料には、例えば、
顔料などが配合された有色透明のものも含まれる。
【0038】また、本発明の工業用殺菌剤は、このよう
な水系塗料に対して、約1〜100000ppm、好ま
しくは、1〜50000ppmの割合で配合することが
好ましい。
【0039】このようにして使用される本発明の工業用
殺菌剤は、製剤化時および水系塗料への配合時に、泡立
つことなく、見かけ状にごりのない状態を保つことがで
き、とりわけ、水系クリヤー塗料に配合した場合には、
見かけ状透明となるまで可溶化、分散して、その水系ク
リヤー塗料の透明性を保つことができる。また、本発明
の工業用殺菌剤が配合された水系塗料を、構造物に施し
た場合には、雨水などによる抗微生物剤の溶脱が少な
く、とりわけ、水系クリヤー塗料にあっては、その構造
物の素材の有する質感、風合いなどを保ちながら、かつ
構造物の表面を藻、かびおよび菌から有効に保覆するこ
とができる。
【0040】なお、本発明の工業用殺菌剤は、水系塗料
への配合のみならず、例えば、有機溶剤系塗料など、水
系塗料以外の塗料にももちろん適用可能である。
【0041】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を
より具体的に説明する。 (1) 実施例および比較例の工業用殺菌剤の調製 実施例1 メチル−β−シクロデキストリン20gをジエチレング
リコールモノメチルエーテル75gに溶解し、これに、
2.5gの2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン(以下、OITという。)および2.5gのイルガロ
ール1051(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ
(株)製、成分名:2−メチルチオ−4−tert−ブ
チルアミノ−6−シクロプロピニルアミノ−s−トリア
ジン)を添加し、混合攪拌して、本発明の工業用殺菌剤
を得た。なお、得られた工業用殺菌剤の泡立ちは認めら
れなかった。
【0042】実施例2 イルガロール1051に代えてテブコナゾール(慣用
名、成分名:(±)−α[2−(4−クロロフェニル)
エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−
1,2,4−トリアゾール−(1)−エタノール)を添
加したこと以外は、実施例1と同様の操作により、本発
明の工業用殺菌剤を得た。なお、得られた工業用殺菌剤
の泡立ちは認められなかった。
【0043】実施例3 OITに代えて3−ヨード−2−プロピニル−ブチル−
カーバメート(以下、IPBCという。)を添加したこ
と以外は、実施例1と同様の操作により、本発明の工業
用殺菌剤を得た。なお、得られた工業用殺菌剤の泡立ち
は認められなかった。
【0044】実施例4 メチル−β−シクロデキストリン50gを水45gに溶
解し、これに、5gの3−ベンゾ[b]チエン−2−イ
ル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−
4−オキサイド(以下、BTOという。)を添加し、混
合攪拌して、本発明の工業用殺菌剤を得た。なお、得ら
れた工業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0045】実施例5 BTOに代えて4,5−ジクロロ−2−オクチル−4−
イソチアゾリン−3−オン(以下、Cl−OITとい
う。)を添加したこと以外は、実施例4と同様の操作に
より、本発明の工業用殺菌剤を得た。なお、得られた工
業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0046】実施例6 BTOに代えて3,3,4,4−テトラクロロテトラヒ
ドロチオフェン−1,1−ジオキシド(以下、TeCS
という。)を添加したこと以外は、実施例4と同様の操
作により、本発明の工業用殺菌剤を得た。なお、得られ
た工業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0047】実施例7 分岐シクロデキストリン(マルトシルシクロデキストリ
ン主成分、商品名:イソエリートP、製造元:塩水港精
糖(株))30gを、水40gおよびジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル20gに溶解し、これに、10
gのIPBCを添加し、混合攪拌して、本発明の工業用
殺菌剤を得た。なお、得られた工業用殺菌剤の泡立ちは
認められなかった。
【0048】実施例8 5gのTeCS、15gの2,2−ジブロモ−2−ニト
ロエタノール、1gのメチル−β−シクロデキストリ
ン、1gのソルポール4211(東邦化学(株)製、ア
ニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、芳香族系
溶剤の混合物)をジエチレングリコールモノメチルエー
テル78gに溶解し、混合攪拌して、本発明の工業用殺
菌剤を得た。なお、得られた工業用殺菌剤の泡立ちは認
められなかった。
【0049】実施例9 5gのTeCS、15gの2−ブロモ−2−ニトロプロ
パン−1,3−ジオール、1gのメチル−β−シクロデ
キストリン、1gのソルポール4211をジエチレング
リコールモノメチルエーテル78gに溶解し、混合攪拌
して、本発明の工業用殺菌剤を得た。なお、得られた工
業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0050】比較例1 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル20gをジ
エチレングリコールモノメチルエーテル75gに溶解
し、これに、2.5gのOITおよび2.5gのイルガ
ロール1051を添加し、混合攪拌して、工業用殺菌剤
を得た。なお、得られた工業用殺菌剤には泡立ちが認め
られた。
【0051】比較例2 イルガロール1051に代えてテブコナゾールを添加し
たこと以外は、比較例1と同様の操作により、工業用殺
菌剤を得た。なお、得られた工業用殺菌剤には泡立ちが
認められた。
【0052】比較例3 OITに代えてIPBCを添加したこと以外は、比較例
1と同様の操作により、工業用殺菌剤を得た。なお、得
られた工業用殺菌剤には泡立ちが認められた。
【0053】比較例4 2.5gのOITおよび2.5gのイルガロール105
1に代えて、5gのBTOを添加したこと以外は、比較
例1と同様の操作により、工業用殺菌剤を得た。なお、
得られた工業用殺菌剤には泡立ちが認められた。
【0054】比較例5 BTOに代えてCl−OITを添加したこと以外は、比
較例4と同様の操作により、工業用殺菌剤を得た。な
お、得られた工業用殺菌剤には泡立ちが認められた。
【0055】比較例6 BTOに代えてTeCSを添加したこと以外は、比較例
4と同様の操作により、工業用殺菌剤を得た。なお、得
られた工業用殺菌剤には泡立ちが認められた。
【0056】比較例7 ポリビニルピロリドン20gをジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル75gに溶解し、これに、2.5gの
OITおよび2.5gのイルガロール1051を添加
し、混合攪拌して、工業用殺菌剤を得た。なお、得られ
た工業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0057】比較例8 イルガロール1051に代えてテブコナゾールを添加し
たこと以外は、比較例7と同様の操作により、工業用殺
菌剤を得た。なお、得られた工業用殺菌剤の泡立ちは認
められなかった。
【0058】比較例9 OITに代えてIPBCを添加したこと以外は、比較例
7と同様の操作により、工業用殺菌剤を得た。なお、得
られた工業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0059】比較例10 2.5gのOITおよび2.5gのイルガロール105
1に代えて、5gのBTOを添加したこと以外は、比較
例7と同様の操作により、工業用殺菌剤を得た。なお、
得られた工業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0060】比較例11 BTOに代えてCl−OITを添加したこと以外は、比
較例10と同様の操作により、工業用殺菌剤を得た。な
お、得られた工業用殺菌剤の泡立ちは認められなかっ
た。
【0061】比較例12 BTOに代えてTeCSを添加したこと以外は、比較例
10と同様の操作により、工業用殺菌剤を得た。なお、
得られた工業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0062】比較例13 5gのTeCS、15gの2,2−ジブロモ−2−ニト
ロエタノール、1gのソルポール4211をジエチレン
グリコールモノメチルエーテル79gに溶解し、混合攪
拌して、工業用殺菌剤を得た。なお、得られた工業用殺
菌剤の泡立ちは認められなかった。
【0063】比較例14 5gのTeCS、15gの2−ブロモ−2−ニトロプロ
パン−1,3−ジオール、1gのソルポール4211を
ジエチレングリコールモノメチルエーテル79gに溶解
し、混合攪拌して、工業用殺菌剤を得た。なお、得られ
た工業用殺菌剤の泡立ちは認められなかった。 (2) 水系クリヤー塗料への適用 シリコン系水系クリヤー塗料(固形分30重量%)に実
施例1〜9および比較例1〜14の工業用殺菌剤を、5
000ppm配合し、60℃で3時間攪拌後、5℃で1
週間放置し、少し手で振った後の外観を観察し、泡立ち
および見かけ状のにごりの有無を判断した。見かけ状の
にごりの有無の判断の結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】さらに、実施例1〜7および比較例1〜1
2の工業用殺菌剤が0.5重量%配合されたアクリル系
水系クリヤー塗料を、ろ紙(3cm×3cm)に均一に
塗布し、24時間乾燥後、200mlの水に7日間(4
0℃)浸漬し、水中へ溶出する抗微生物剤の溶出率%
(溶出量/添加量)を液体クロマトグラフィーまたはガ
スクロマトグラフィーによって求めた。その結果を表2
に示す。
【0066】
【表2】
【0067】表1および表2から明らかなように、実施
例は、外観が透明でありながらも、その溶出率が、比較
例に比べて低いことがわかる。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の工業用殺菌
剤は、製剤化時および水系塗料への配合時に、泡立つこ
となく、見かけ状にごりのない状態を保つことができ、
とりわけ、水系クリヤー塗料に配合した場合には、見か
け状透明となるまで可溶化、分散して、その水系クリヤ
ー塗料の透明性を保つことができる。また、本発明の工
業用殺菌剤が配合された水系塗料を、構造物に施した場
合には、雨水などによる抗微生物剤の溶脱が少なく、と
りわけ、水系クリヤー塗料にあっては、その構造物の素
材の有する質感、風合いなどを保ちながら、かつ構造物
の表面を藻、かびおよび菌から有効に保覆することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 43/70 A01N 43/70 43/80 102 43/80 102 43/88 43/88 47/12 47/12 Z // C09D 5/14 C09D 5/14 201/00 201/00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗微生物剤と、界面活性剤と、水系溶剤
    とが配合されている工業用殺菌剤であって、前記界面活
    性剤としてシクロデキストリン類が配合されていること
    を特徴とする、工業用殺菌剤。
  2. 【請求項2】 液剤であることを特徴とする、請求項1
    に記載の工業用殺菌剤。
  3. 【請求項3】 水系塗料に配合されることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の工業用殺菌剤。
  4. 【請求項4】 抗微生物剤が、イソチアゾリン系化合
    物、有機よう素系化合物、チオフェン系化合物、トリア
    ゾール系化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、
    オキサチアジン系化合物、アルコール系化合物からなる
    群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の工業用殺菌剤。
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