JP5383969B2 - エマルジョン製剤組成物及び水溶性殺菌剤の安定化方法 - Google Patents

エマルジョン製剤組成物及び水溶性殺菌剤の安定化方法 Download PDF

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Description

本発明は、水溶性殺菌剤、界面活性剤、水及び有機溶媒を含有する水中油型エマルジョン製剤組成物、並びに水溶性殺菌剤を、界面活性剤、水及び有機溶媒と混合して水中油型エマルジョンとする水溶性殺菌剤の安定化方法に関する。
紙パルプ工業、各種産業分野における循環冷却水、水性塗料、紙用塗工液、ラテックスエマルジョン、織物エマルジョン、紡糸油、切削油、皮革等の製造に用いられる工業用水には有害な微生物が繁殖し易い。微生物が繁殖した水は悪臭の発生等の原因となって作業環境を悪化させ、また、前記工業における生産性や製品の低下を招く。このため従来から、微生物の繁殖の防除や殺菌を目的として、種々の防腐剤や殺菌剤が使用されている。
このような殺菌剤として、イソチアゾロン化合物、特に2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等の水溶性のイソチアゾロン化合物が知られている。
ところで、このような水溶性イソチアゾロン化合物は、湿気、pH変化、温度等に対して非常に敏感で分解しやすい。そのため、従来は各種安定化剤、例えば大量の無機塩を含有した状態や、水を含まないグリコール系溶媒に溶解させた状態で保存されていた。
しかし、グリコール系溶媒で溶液化した製剤は、消防法による危険物の指定を受けており、その取り扱いや保存には特別な注意を払う必要があり、イソチアゾロン化合物をグリコール溶媒に溶解させた製剤を安全かつ簡便に使用することは困難であった。
また、安全に使用できるイソチアゾロン化合物を含む製剤として、先に記載した通り無機塩等の安定化剤の存在下に水で希釈した製剤が提案されている。例えば、特許文献1〜3等には、イソチアゾロン系化合物の水溶液中に、臭素酸又はヨウ素酸のアルカリ金属塩を安定化剤として含有する組成物が開示されている。また、これらの文献には、組成物中のイソチアゾロン化合物は分解することなく、長期間にわたって安定して存在するという効果も記載されている。
しかしながら、上記文献に記載されている安定化剤を含有する組成物は、エマルジョン樹脂と混合した場合にエマルジョンショックを引き起こしたり、腐食の原因となる場合があった。従って、有機溶媒の含有量が少なく、長期に亘る安定性に優れ、しかも塗料と混合した場合であってもエマルジョンショックを引き起こしたり、塗料が塗布された基材を腐食することがない、水溶性殺菌剤を含有する製剤が要望されていた。
本発明に関連して、特許文献4には、水に対する溶解度が1重量%未満であるイソチアゾロン化合物0.1〜50重量%、陰イオン系界面活性剤0.1〜25重量%、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー0.1〜50重量%、水10〜99重量%、及び助剤0〜30重量%を含むミクロエマルジョンが開示されている。しかしながら、この文献には、水溶性のイソチアゾロン化合物を用いるエマルジョン製剤についての記載はない。
また特許文献5には、疎水性イソチアゾロン系化合物、親水性イソチアゾロン系化合物、グリコール系溶剤、及び水を所定割合で調製する均一系の工業用殺菌組成物が開示されている。しかしながら、この組成物はエマルジョンではなく、極限られた組成範囲でしか安定化が図れないという問題があった。
特開平5−221813号公報 特開平5−170608号公報 特開平5−286815号公報 特公平8−032613号公報 特開2005−320320号公報
本発明は、かかる従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、有機溶媒の含有量が少なく、長期に亘る安定性に優れ、しかも塗料と混合した場合であってもエマルジョンショックを引き起こしたり、塗料が塗布された基材を腐食することがない、水溶性のイソチアゾロン化合物を含有する水中油型エマルジョン製剤組成物、並びに、水溶性殺菌剤を、界面活性剤、水、及び有機溶媒と混合して水中油型エマルジョンとする水溶性殺菌剤の安定化方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、水、及び炭化水素系溶媒を用いてエマルジョンを調製したところ、無機塩等の安定化剤が存在しなくとも、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの安定化が図られた水中油型エマルジョンが簡便に得られることを見出した。さらに、上記の成分に加えて脂溶性の殺菌剤を加えても、エマルジョンの安定性は保たれることを見出し、この知見を一般化することにより本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、下記の(1)〜(7)の水中油型エマルジョン製剤組成物が提供される。
(1)水溶性殺菌剤、界面活性剤、水、及び有機溶媒を含有することを特徴とする水中油型エマルジョン製剤組成物。
(2)前記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤であることを特徴とする(1)に記載の組成物。
(3)前記界面活性剤が、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CH−(式中、nは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーであることを特徴とする(1)に記載の組成物。
(4)前記界面活性剤が、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CHn’−(式中、n’はmよりも小さい任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーであることを特徴とする(1)に記載の組成物。
(5)前記水溶性殺菌剤が、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンの塩、及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールからなる群から選ばれる少なくとも一種である(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(6)さらに、脂溶性殺菌剤を含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物。
(7)前記脂溶性殺菌剤が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、又は1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンである(6)に記載の組成物。
本発明の第2によれば、下記(8)〜(14)の水溶性殺菌剤の安定化方法が提供される。
(8)水溶性殺菌剤を、界面活性剤、水、及び有機溶媒と混合して水中油型エマルジョンとすることを特徴とする水溶性殺菌剤の安定化方法。
(9)前記界面活性剤として、ノニオン系界面活性剤を用いることを特徴とする(8)に記載の安定化方法。
(10)前記界面活性剤として、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CH−(式中、nは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーを用いることを特徴とする(8)に記載の安定化方法。
(11)前記界面活性剤として、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CHn’−(式中、n’はmよりも小さい任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーを用いることを特徴とする(8)に記載の安定化方法。
(12)前記水溶性殺菌剤が、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンの塩、及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールからなる群から選ばれる少なくとも一種である(8)〜(11)のいずれかに記載の安定化方法。
(13)さらに、脂溶性殺菌剤を添加することを特徴とする(8)〜(12)のいずれかに記載の安定化方法。
(14)前記脂溶性殺菌剤が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、又は1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンである(13)に記載の安定化方法。
本発明によれば、長期にわたる安定性に優れ、しかも塗料と混合した場合であってもエマルジョンショックを引き起こしたり、塗料が塗布された基材を腐食することがない、水溶性殺菌剤を含有する水中油型エマルジョン製剤組成物が提供される。
本発明の組成物は、有機溶媒の使用割合が小さく、殺菌剤の含有量が高いので、製造及び使用コストの削減を図ることができ、作業の安全性を高め、環境への負荷を低減することができる。
本発明の組成物は、脂溶性殺菌剤を併用しても安定であり、製紙工程における白水、合成高分子エマルジョン、顔料、塗料、印刷版用処理液、接着剤、冷却用水、インキ、切削油、化粧用品、不織布、紡糸油、皮革等の工業用殺菌剤として有用である。
本発明の安定化方法によれば、無機塩等の安定化剤が存在しない、又はその存在量が少ない場合であっても、化学的に不安定な水溶性殺菌剤を長期にわたって安定化させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1)水中油型エマルジョン製剤組成物
本発明の第1は、(1)水溶性殺菌剤、界面活性剤、水、及び有機溶媒を含有することを特徴とする水中油型エマルジョン製剤組成物である。
本発明において、水中油型エマルジョンとは、水からなる連続相に油からなる分散相(油滴)が分散している形態のエマルジョンや、水からなる連続相中に油中水型エマルジョンが分散粒子となって分散している形態のエマルジョンのことをいう(以下、これらをまとめて、「O/W型エマルジョン」ということがある)。
(1)水溶性殺菌剤
本発明の組成物に用いる水溶性殺菌剤としては、水溶性であって殺菌効果を有する剤であれば特に制限されない。ここで、水溶性殺菌剤とは、概して、20℃の水に対する溶解度が1重量%より大きい殺菌剤をいう。また、殺菌効果とは、対象での菌の成長を抑制又は制御する能力をいう。菌としては、真菌、細菌、酵母、及び藻類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。対象とは、菌による汚染に曝される製品又はシステム等をいう。
水溶性殺菌剤としては、下記式(I)で表される3−イソチアゾロン化合物及びその塩、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、塩酸ポリヘキサメチレンビグアニジン、ソディウムピリチオン、フェノール、メチレンビスチオシアネイト、第4級アンモニウム化合物、2,4−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ヘキサブロモジメチルスルホン、2,2−ジブロモ−3−ニトロプロピオンアミド等のうち水溶性のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの殺菌剤は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
Figure 0005383969
(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、R、Rは一緒になって結合して、飽和又は不飽和の環を形成していてもよい。)
〜Rの炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
、Rのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
また、RとRが結合して形成する環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の飽和環;ベンゼン環、ナフタレン環等の不飽和環等が挙げられる。
また、前記式(I)で表される3−イソチアゾロン化合物の塩としては、前記式(I)で表される3−イソチアゾロン化合物の、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物の塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシドの塩;メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基の塩;等が挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、殺菌効果が高いこと、安定なO/W型エマルジョン製剤組成物が得られることから、水溶性の、前記式(I)で表される3−イソチアゾロン化合物及びその塩、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを用いるのが好ましく、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−エチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンの塩、又は2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールを用いるのがより好ましく、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンの塩、及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールからなる群から選ばれる少なくとも一種を用いるのがさらに好ましい。
水溶性殺菌剤の使用量は、組成物全体に対して、通常1〜60重量%、好ましくは、15〜45重量%である。
(2)界面活性剤
本発明の組成物に用いる界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等種々の界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、これらの中でも、安定したO/W型エマルジョン製剤組成物が得られることから、ノニオン系界面活性剤を使用することが好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、ソルビタンの脂肪酸エステル等のエステル型ノニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテル型ノニオン系界面活性剤;等が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも、分子内にポリオキシアルキレン鎖を有するポリオキシアルキレンポリマーであるのが好ましく、分子内に二種類以上のポリオキシアルキレン鎖を有するポリオキシアルキレンブロックコポリマーがより好ましく、分子内に、式:−(OCHCH−(mは任意の自然数を表す)で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CH−(nは任意の自然数を表す)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーであるのがより好ましく、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CHn’−(式中、n’はmよりも小さい任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーであるのがさらに好ましい。
前記分子内に、式:−(OCHCH−で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CH−で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーにおいて、前記ポリオキシエチレン鎖と、ポリオキシプロピレン鎖の存在割合は、m:nが、好ましくは55:45〜95:5、より好ましくは70:30〜90:10である。用いる界面活性剤として、ポリオキシエチレン鎖の存在割合がポリオキシプロピレン鎖の存在割合より多いコポリマーを用いることで、より安定なO/W型のエマルジョン製剤組成物を得ることができる。
前記ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーの重量平均分子量は、特に制限されないが、通常1750以上、好ましくは3000以上である。
前記分子内にポリオキシエチレン鎖とポリオキシプロピレン鎖を有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしては、例えば、下記式(II)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005383969
式中、Rはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基等の低級アルコキシ基;又は式:HO(CHCHO)m−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表される基を示す。
nは前記と同じ意味を表す。mは、Rが低級アルコキシ基であるとき、mと同じ意味を表し、Rが式:HO(CHCHO)m−で表される基である場合は、式:m+m=m(mは前記と同じ意味を表し、mは任意の自然数を表す。)を満たす自然数を表す。
本発明に用いられるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーの具体例を以下に挙げる。
エパン410(商品名/第一工業製薬(株))、エパン420(商品名/第一工業製薬(株))、エパン450(商品名/第一工業製薬(株))、エパン485(商品名/第一工業製薬(株))、エパン610(商品名/第一工業製薬(株))、エパン680(商品名/第一工業製薬(株))、エパン710(商品名/第一工業製薬(株))、エパン720(商品名/第一工業製薬(株))、エパン740(商品名/第一工業製薬(株))、エパン750(商品名/第一工業製薬(株))、エパン785(商品名/第一工業製薬(株))、エパンU103(商品名/第一工業製薬(株))、エパンU105(商品名/第一工業製薬(株))、エパンU108(商品名/第一工業製薬(株))、ニューポールPE−61(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−62(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−64(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−68(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−71(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−74(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−75(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−78(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−108(商品名/三洋化成工業(株))、ニューポールPE−128(商品名/三洋化成工業(株))、プルロニックPE3100(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE4300(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE6100(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))プルロニックPE6200(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE6400(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE6800(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE8100(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE9200(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE9400(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE10100(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックPE10500(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックRPE2520(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、プルロニックRPE3110(商品名/ビーエーエスエフジャパン(株))、ニューカルゲン5050PB(商品名/竹本油脂(株))、ニューカルゲン70100PB(商品名/竹本油脂(株))、ペポールB−182(東邦化学工業(株))、ペポールB−184(東邦化学工業(株))、及びペポールB−188(東邦化学工業(株))等が挙げられる。
界面活性剤の使用量は、組成物全体に対して、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
(3)水
本発明に用いる水としては、不純物の少ないものであれば特に制限されない。例えば、純水、イオン交換水等を用いることができる。
水の使用量は、特に限定されないが、組成物全体に対して、通常50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%である。このような範囲で水を使用することで、安定なO/W型のエマルジョン製剤組成物を得ることができる。
(4)有機溶媒
有機溶媒は、水からなる連続相中に分散する油からなる分散相を構成する成分、又は水からなる連続相中に分散する、油中水型エマルジョンの油からなる連続相を構成する成分である。
本発明に用いる有機溶媒としては、水と非混和性の有機溶媒であるのが好ましい。例えば、n−ヘプタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素化合物;フェニルキシリルエタン、キシレン等の芳香族系炭化水素化合物;ケロシン等の石油系炭化水素化合物;クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素化合物;フタル酸ジオクチル、イソオクタン酸セチル、ヒマシ油、ヤシ油、トリ−2−エチルへキサン酸グリセリル、高級脂肪酸のアルキルエステル等のエステル系化合物;ジメチルヘキシルアミド等のアミド系化合物;及びこれらの混合物;等が挙げられる。これらの中でも、安定なO/W型エマルジョン製剤組成物が簡便に得られることから、フェニルキシリルエタン等の高沸点芳香族系炭化水素化合物が好ましい。
有機溶媒の使用量は、組成物全体に対して、通常5〜35重量%、好ましくは10〜20重量%である。このような範囲で有機溶媒を使用することで、安定なO/W型のエマルジョン製剤組成物を得ることができる。
本発明の組成物においては、上記有機溶媒に加えて、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール等のグリコール系化合物;ベンジルアルコール等のアルコール系化合物;等の他の有機溶媒を併用することができる。
他の有機溶媒の使用量は、組成物全体に対して、通常0〜10重量%である。
(5)脂溶性殺菌剤
本発明の組成物には、脂溶性殺菌剤を含有してもよい。脂溶性殺菌剤とは、20℃の水に対する溶解度が1重量%未満であって、有機溶媒に溶解する殺菌剤である。
本発明の組成物に脂溶性殺菌剤を含有する場合には、後述するように、水溶性殺菌剤が水相に溶解し、脂溶性殺菌剤は有機溶媒が形成する分散相(油滴)中に取り込まれた形の安定したO/W型のエマルジョンが得られる。脂溶性殺菌剤を水溶性殺菌剤と併用することで、殺菌剤の含有割合をより高めることができ、かつ、広範囲の殺菌スペクトルを有する殺菌性エマルジョン製剤組成物を得ることができる。
用いる脂溶性殺菌剤としては、本発明の組成物に用いる有機溶媒に溶解し、水に対する溶解度が1重量%未満であれば特に制約はない。例えば、下記式(III)で表される3−イソチアゾロン化合物であって、水に対する溶解度が1重量%未満のものが挙げられる。
Figure 0005383969
式中、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜8のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数2〜8のアルキニル基、置換されていてもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基、及び置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基を表す。R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基を表す。また、R、Rは一緒になって結合して、飽和又は不飽和の環を形成していてもよい。
の炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。
これらのアルキル基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、ハロフェニルアミノ基、カルボキシル基、カルボアルコキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリドニル基、カルバモキシル基、又はイソチアゾロニル基等で置換されていてもよい。
炭素数2〜8のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、5−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、2−オクテニル基、4−オクテニル基、7−オクテニル基等が挙げられる。
これらのアルケニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されていてもよい。
炭素数2〜8のアルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基,5−へキシニル基、1−ヘプチニル基、2−ヘプチニル基、4−ヘプチニル基、6−ヘプチニル基、1−オクチニル基等が挙げられる。
これらのアルキニル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子等で置換されていてもよい。
炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基等が挙げられる。
これらのシクロアルキル基は、炭素数1〜12のアルキル基等によって置換されていてもよい。
炭素数7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、フェナシル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基等が挙げられる。
これらのアラルキル基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基等で置換されていてもよい。
炭素数6〜10のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
これらのアリール基は、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級カルボアルコキシ基等で置換されていてもよい。
、Rのハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
また、RとRが結合して形成する環としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等の飽和環;ベンゼン環、ナフタレン環等の不飽和環等が挙げられる。
前記式(III)で表される3−イソチアゾロン化合物の好ましい具体例としては、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
本発明の組成物において、脂溶性殺菌剤の使用量は、組成物全体に対して、通常0〜10重量%である。
(6)その他の助剤
本発明の組成物には、上記の成分の他、無機塩、増粘剤、消泡剤、pH緩衝剤、分散剤、凍結防止剤等のその他の助剤を、組成物の安定性に影響のない範囲で含有してもよい。
無機塩としては、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸銅、硝酸マンガン、硝酸ニッケル、硝酸亜鉛等の金属硝酸塩;塩化マグネシウム等の金属ハロゲン化物;硫酸マグネシウム等の金属硫酸塩;等が挙げられる。
無機塩は、安定剤としての働きを有するが、エマルジョンショックを誘発したり、腐食の要因になる場合がある。本発明の組成物は、無機塩が存在しないか、又は無機塩の存在量が少ないものであるので、エマルジョンショックを誘発したり、腐食の原因となることがない。本発明によれば、無機塩が存在しない場合や無機塩の存在量が少ない場合であっても、化学的に不安定な水溶性殺菌剤が安定して存在できるO/W型のエマルジョン製剤組成物を得ることができる。
増粘剤は、組成物に粘性を与えるために用いられる。増粘剤としては、ヘテロポリサッカライド等のポリサッカライド類;ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類;等が挙げられる。
消泡剤は、発泡を押さえ、生じた泡を抑える働きを有する。消泡剤としては、シリコーンオイル等が挙げられる。
pH緩衝剤は、組成物のpHを一定範囲に維持させるために用いられる。用いるpH緩衝剤としては、フタル酸水素カリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。
本発明の組成物においては、pHが、通常3.5〜6、好ましくは4〜5.5、より好ましくは4〜5.2に維持されていることが好ましい。
分散剤は、エマルジョン中の油滴の分散性を向上させ、均一性を保つために用いられる。分散剤としては、POEトリスチリルフェニルエーテル等が挙げられる。
凍結防止剤は、組成物が凍結するのを防ぐために用いられる。凍結防止剤としては、プロピレングリコール、尿素等が挙げられる。
本発明の組成物において、助剤の総使用量は、組成物全体に対して、通常0〜30重量%である。
本発明のO/W型エマルジョン製剤組成物の調製方法としては、特に制約はなく、公知のエマルジョンの調製方法を採用することができる。例えば、水溶性殺菌剤、界面活性剤、水、有機溶媒、並びに、所望によりその他の助剤及び脂溶性殺菌剤からなる混合物を、公知の分散装置を使用して、均一に撹拌・分散させることにより調製する方法が挙げられる。
以上のようにして得られる本発明の製剤組成物は、無機塩が存在しない場合や無機塩の存在量が少ない場合であっても、化学的に不安定な水溶性殺菌剤が安定して存在できるO/W型のエマルジョン製剤組成物である。
本発明の組成物が、O/W型エマルジョンであることは、例えば、電気伝導度計、顕微鏡等によって確認することができる。
本発明の組成物が脂溶性殺菌剤を更に含有する場合には、水からなる連続相に油からなる分散相が分散している形態のエマルジョンであって、水相中において水溶性殺菌剤が、油相中において脂溶性殺菌剤がそれぞれ安定に存在する殺菌剤組成物を得ることができる。
本発明のエマルジョン製剤組成物は、例えば、製紙工場、冷却水循環工程等の種々の産業用水や、切削油等の金属加工用油剤、カゼイン、澱粉粉、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤等の各種工業製品における工業用殺菌剤として好適に用いることができる。
2)水溶性殺菌剤の安定化方法
本発明の第2は、水溶性殺菌剤を、界面活性剤、水、及び有機溶媒と混合して水中油型エマルジョンとすることを特徴とする水溶性殺菌剤の安定化方法である。すなわち、本発明の安定化方法は、化学的に不安定な水溶性殺菌剤を、該水溶性殺菌剤、界面活性剤、水、及び有機溶媒を含有するO/W型エマルジョンの形態として、長期にわたって安定に存在させるものである。
本発明の安定化方法において、水溶性殺菌剤、界面活性剤、水、及び有機溶媒を含有するO/W型のエマルジョンを調製する方法は、特に制限されないが、上記した本発明の組成物を調製する方法と同様の方法を採用できる。
本発明の安定化方法に用いる界面活性剤としては、上記した本発明の組成物に用いる界面活性剤と同様のものが使用できる。例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、O/W型エマルジョン中で、水溶性殺菌剤を長期にわたって安定して存在させることができる観点から、ノニオン系界面活性剤を用いることが好ましく、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CH−(式中、nは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーを用いることがより好ましく、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、及び、式:−(OCH(CH)CHn’−(式中、n’はmよりも小さい任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーを用いることがさらに好ましい。
本発明の安定化方法の対象とする水溶性殺菌剤としては、水溶性の殺菌性化合物であれば、特に制限されないが、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールからなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
水溶性殺菌剤を、該水溶性殺菌剤、界面活性剤、水、及び有機溶媒を含有するO/W型のエマルジョン中で安定化させる際の、該エマルジョンのpHは、好ましくは4〜6、より好ましくは4〜5.2である。また、安定化させる際の温度は、通常0〜50℃、好ましくは5〜35℃である。
本発明の安定化方法によれば、無機塩等の安定化剤が存在しない、又はその存在量が少ない場合であっても、化学的に不安定な水溶性殺菌剤を長期にわたって安定化させることができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)O/W型のエマルジョン製剤組成物(1)の調製
以下に示す水溶性殺菌剤、脂溶性殺菌剤、界面活性剤、水、有機溶媒、及びその他の助剤の所定量を撹拌容器中にいれ、ホモジナイザー(ポリトロン PT−10−35、KINEMATIKA社製)を使用して、均一に撹拌・分散させることにより、実施例1のO/W型エマルジョン製剤組成物(1)を調製した。
(a)水溶性殺菌剤
5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有する水溶液(商品名:KATHON WT、ローム・アンド・ハース社製)3重量部
(b)脂溶性殺菌剤:
2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含有するクロロベンゼン溶液(商品名:KATHON893T、ローム・アンド・ハース社製)2重量部
(c)界面活性剤
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー(ポリオキシエチレン鎖と、ポリオキシプロピレン鎖のモル比:80:20、商品名:プルロニックF98、BASF社製)1重量部
(d)水
イオン交換水 70.8重量部
(e)有機溶剤
高沸点芳香族系炭化水素(商品名:ハイゾールSAS296、新日本石油化学社製) 10重量部
(f)その他の助剤
・分散剤:(商品名:ソプロフォールBSU、ローディア日華社製)2重量部
・乳化剤:ソルビタントリオレエート(商品名:RY−425、和光純薬工業社製)
1重量部
・消泡剤:(商品名:シリコーンSM5512、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.1重量部
・増粘剤:キサンタンガム(シグマアルドリッチ社製)0.1重量部
・凍結防止剤:プロピレングリコール 10重量部
(実施例2)O/W型のエマルジョン製剤組成物(2)の調製
実施例1において、(b)脂溶性殺菌剤を添加せず、(d)水の使用量を72.8重量部とした以外は実施例1と同様にして、実施例2のO/W型のエマルジョン製剤組成物(2)を調製した。
(比較例1)
実施例1において、(c)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー(ポリオキシエチレン鎖と、ポリオキシプロピレン鎖のモル比:80:20、商品名:プルロニックF98、BASF社製)を使用せず、(d)水の使用量を71.8重量部とした以外は実施例1と同様にして、比較例1の組成物(3)を調製した。
(比較例2)
実施例1において、(b)脂溶性殺菌剤、及び(c)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー(ポリオキシエチレン鎖と、ポリオキシプロピレン鎖のモル比:80:20、商品名:プルロニックF98、BASF社製)を使用せず、(d)水の使用量を73.8重量部とした以外は実施例1と同様にして、比較例2の組成物(4)を調製した。
(安定性試験)
試料を50ml容量のスクリュー瓶に90%程度入れ、恒温槽(EYELA:LOW TEMP INCUBATOR LTI−1000D、東京理化機械製)内に、50℃にて一週間放置した。放置後、試料外観を肉眼観察し、変色の程度(色調)を調べた。また、水溶性殺菌剤(有効成分)の相対残存率を高速液体クロマトグラフィーにて測定して求めた。
高速液体クロマトグラフィーの条件は以下の通りである。
・カラム:ODS−3 5μm、4.6φ×150mm(GL Siences社製)
・カラム温度:50℃
・溶離液:水−アセトニトリル−メタノール−酢酸混合溶媒(水:アセトニトリル:メタノール:酢酸=77.5:11:9:2.5(体積比))
・流速:1.0ml/min
・試料注入量:5μl
・検出器:紫外分光検出器(SPD−20A、島津製作所社製)
・検出器波長:278nm
水溶性殺菌剤(有効成分)の相対残存率(%)は、高速液体クロマトグラフィーにて測定して求めた水溶性殺菌剤の含有量をA(mg)、50℃にて一週間放置する前における水溶性殺菌剤の量(試料量)をB(mg)とすると、式:水溶性殺菌剤(有効成分)の相対残存率(%)=(A/B)×100から算出した。
組成物1〜4の、各成分の組成物全体に対する配合割合(重量%)、変色の程度(色調の変化)、及び水溶性殺菌剤の相対残存率を下記第1表に示す。
Figure 0005383969
第1表より、実施例1、2の製剤組成物は、50℃で1週間放置した後においても、変色がなく、有効成分の残存率も99%以上であって、長期間にわたる保存安定性に優れていた。一方、界面活性剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー)を添加しない比較例1、2の製剤組成物は、50℃で1週間放置した後において、変色が見られ、有効成分の残存率も87〜88%と低いものであり、実施例1、2の製剤組成物に比して、保存安定性に劣るものであった。

Claims (8)

  1. 式(I)
    Figure 0005383969
    (式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、R、Rは一緒になって結合して、飽和又は不飽和の環を形成していてもよい。)で表される3−イソチアゾロン化合物又はその塩であって、20℃の水に対する溶解度が1重量%より大きい殺菌剤の少なくとも一種、
    分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、および、式:−(OCH(CH)CH−(式中、nは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマー、水、並びに、水と非混和性の有機溶媒を含有し、
    前記殺菌剤の含有量が組成物全体に対し、1〜44.5重量%であり、
    前記ブロックコポリマーの含有量が組成物全体に対し、0.5〜5重量%であり、
    水の含有量が組成物全体に対し50〜90重量%であり、
    有機溶媒の含有量が組成物全体に対し5〜35重量%である
    ことを特徴とする水中油型エマルジョン製剤組成物。
  2. 前記ブロックコポリマーが、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、および、式:−(OCH(CH)CHn’−(式中、n’はmよりも小さい任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーである
    ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. さらに、脂溶性殺菌剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記脂溶性殺菌剤が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、または1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンである請求項3に記載の組成物。
  5. エマルジョン全体に対し1〜44.5重量%の、式(I)
    Figure 0005383969
    (式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基を表す。また、R、Rは一緒になって結合して、飽和又は不飽和の環を形成していてもよい。)で表される3−イソチアゾロン化合物又はその塩であって、20℃の水に対する溶解度が1重量%より大きいものの少なくとも一種を、
    エマルジョン全体に対し0.5〜5重量%の、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、および、式:−(OCH(CH)CH−(式中、nは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマー、
    エマルジョン全体に対し50〜90重量%の水、および、
    エマルジョン全体に対し5〜35重量%の、水と非混和性の有機溶媒
    と混合して、
    水中油型エマルジョンとすることを特徴とする水溶性殺菌剤の安定化方法。
  6. 前記ブロックコポリマーとして、分子内に、式:−(OCHCH−(式中、mは任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシエチレン鎖、および、式:−(OCH(CH)CHn’−(式中、n’はmよりも小さい任意の自然数を表す。)で表されるポリオキシプロピレン鎖を有するブロックコポリマーを用いる
    ことを特徴とする請求項5に記載の安定化方法。
  7. さらに、脂溶性殺菌剤を添加することを特徴とする請求項5または6に記載の安定化方法。
  8. 前記脂溶性殺菌剤が、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、または1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンである請求項7に記載の安定化方法。
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