JPWO2008146436A1 - 安定な殺微生物組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物の水溶液を安定化させる。【解決手段】5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物の水溶液に、3〜25重量%の硝酸塩と、5〜500ppmのハロアセトアミドとを添加する。

Description

本発明は、殺微生物組成物に関するものであり、更に詳しくは、諸工業分野におけるさまざまな水系分散物の防腐や殺菌・静菌に有用である3−イソチアゾロン化合物の水溶液での安定性を改善した新規な殺微生物組成物に関する。
諸工業分野において利用されている接着剤、樹脂エマルジョン、インキ、糊剤、塗料、紙、繊維および建材等の水系分散物製品およびその製造工程の水系において、細菌、酵母、糸状菌、藻類等の種々の微生物が増殖して製品の品質や生産性を著しく低下させることを防止するために、多種多様な殺菌剤および殺菌組成物が用いられている。特に、3−イソチアゾロン化合物は多様な条件下で広範囲の微生物の増殖等を効果的に防止できることから汎用されており、中でも5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物(例えば、ケミクレア社製9:1混合物商品名:ゾーネン−F、ローム&ハース社製3:1混合物商品名:ケーソンLX SF25等)が商業的に成功を収めている。
しかしながら、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物を水で希釈して製剤化すると、それらイソチアゾロン化合物の分解が早く、水溶液製剤として安定に提供できないという問題があった。
従来より、高濃度でマグネシウム塩、カルシウム塩またはナトリウム塩等の金属塩を添加して、金属コンプレックスとして安定性を高めた製剤が提供されている。しかしながら、高濃度でカルシウム、マグネシウム塩等の多価金属塩を安定化剤として添加した製剤は、エマルジョン等の特定の水系分散物に添加したときに、金属イオンの作用によりエマルジョン相を破壊して凝集をもたらすという問題があった。また硝酸ナトリウム塩等の一価金属塩を安定化剤として添加した場合、長期安定性を十分改善できなかった。
そこで、過酸化物や臭素酸等の酸化物を、単独であるいは硝酸金属塩に加えて、安定剤として添加した製剤(例えば特許文献1および2)や、少量の銅塩を添加して安定性を付与した製剤(例えば特許文献3および4)が提案されている。しかしながら、酸化物の配合は、他殺菌剤と配合した場合にその酸化作用のため他殺菌剤を分解したり、また製剤等に着色をもたらすという問題があった。また硝酸銅等の重金属塩の配合は、環境への影響が懸念される。
さらには、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと、1000ppm以上のハロアセトアミドと、溶剤のみからなる工業用殺菌組成物も提案されている(特許文献5)。しかしながら、イソチアゾロン水溶液への高濃度のハロアセトアミドの配合は、他の殺菌剤と混合した場合に他の殺菌剤を分解することが懸念され、また濁りや着色をもたらすという問題があった。さらに、活性成分として2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンのみを配合した製剤は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの混合製剤に比べて抗菌スペクトルが狭くまた抗菌活性も低いという問題があった。
特開平5−170608号公報 特開平11−158013号公報 特開平8−165284号公報 特開2000−72608号公報 特開2005−187347号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物の水溶液を、金属塩を高濃度で配合する必要なしに長期に亘り安定化できる新規な方法を提供することを目的とするものである。また本発明は、長期間にわたり安定でかつ優れた特性を有する新規な殺微生物組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物の安定化水溶液を提供すべく種々研究を重ねた結果、それらイソチアゾロン化合物の混合物を含む水溶液に、硝酸塩と微量のハロアセトアミド化合物とを組み合わせて配合することにより、高濃度で金属塩を配合しなくても、水中においてそれらイソチアゾロン化合物を共に有意に安定化できることを見出し、この知見に基づいて本発明を達成するに至った。
本発明の殺微生物組成物は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物と、組成物の全重量に基づき3〜25重量%硝酸塩と、5〜500ppmのハロアセトアミドと、水とを含むことを特徴とする。
また本発明の安定化方法は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物の水溶液に、3〜25重量%の硝酸塩と、5〜500ppmのハロアセトアミドとを添加することを特徴とする。
入手し易さ等からハロアセトアミドとして2−ヨードアセトアミドを用いることが好ましい。また、ハロアセトアミドの含有量は組成物の全重量に基づき、5〜200ppmであることがより好ましい。
硝酸塩は、好ましくは、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウムおよび硝酸カルシウムより成る群から選択され、より好ましくは、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび硝酸リチウムより成る群から選択される硝酸一価金属塩が用いられる。また、硝酸塩の含有量は組成物の全重量に基づき3〜15重量%であることがより好ましい。
本発明において、イソチアゾロン化合物の全含有量は好ましくは0.5〜40質量%である。
さらに、本発明の組成物は5より低いpHを有する場合により安定であり、さらに好ましくは3.5以下のpHを有する。
尚、本発明において、「イソチアゾロン化合物の水溶液」とは、イソチアゾリン化合物を、実質的に水から成る溶媒に溶解させた溶液を意味する。溶媒は、90%以上の水を含み、より好ましくは95%以上の水を含み、最も好ましくは水のみから成る。
また、本発明において、「イソチアゾロン化合物の水溶液を安定化させる」とは、水溶液中のイソチアゾロン化合物を化学分解に対して安定化させることを意味する。
本発明は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物の水溶液に、硝酸塩化合物と微量のハロアセトアミド化合物とを組み合わせて配合することにより、低減された量の硝酸塩の配合で、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンの両方の水中での安定性を顕著に高めることができ、またハロアセトアミドの配合量が微量であるため、ハロアセトアミドによる他の殺菌剤の分解の問題や着色の問題も回避できる。従って、本発明は、長期間にわたり安定に保持できかつ優れた活性および特性を有する新規な殺微生物組成物を提供することができる。
本発明の組成物は、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物を含む。それら2種類の3−イソチアゾロン化合物を組み合わせて含むことによって、より優れた殺菌または防腐効果をもたらすことができる。
それら3−イソチアゾロン化合物はいずれも工業用殺菌剤として広く使用されており、市販品として容易に入手することができる。また、例えば、ゾーネン−F(ケミクレア社製9:1混合製剤)や、ケーソンLX SF25(ローム&ハース社製3:1混合製剤)等の市販の混合製剤も本発明において用いることができる。
本発明で用いられるイソチアゾロン化合物における5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの配合割合は、特に限定はされないが、好ましくは、重量に基づき50:1から1:50であり、より好ましくは10:1から1:10であり、さらに好ましくは5:1から1:5である。係る範囲の配合割合を有する場合に特に高い防腐効果を発揮できるが、本発明の目的を達成できる限り、上記範囲に限定されない。
本発明の組成物において、それらイソチアゾロン化合物の全含有量は、組成物全重量に対して、好ましくは0.5〜40重量%であり、より好ましくは5〜25重量%である。係る範囲の含有量で特に高い防腐効果を発揮できるが、本発明の目的を達成できる限り、その範囲に限定されない。
さらに、本発明において、イソチアゾロン化合物として5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンから成る混合物を用いることが好ましいが、本発明の目的を達成できる限り、それらの2つの3−イソチアゾロン化合物に加えて、例えば、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、およびN−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン等の他のイソチアゾロン化合物をさらに含めてもよい。
本発明の殺微生物組成物は、安定化剤として、硝酸塩と微量のハロアセトアミドとを含む。微量のハロアセトアミドを硝酸塩と組み合わせて配合することによって、安定化に必要である硝酸塩の量を半減させることができ、かつハロアセトアミドの配合量が微量であるため、他の殺菌剤との配合の際に生じるハロアセトアミドによる他の殺菌剤の分解の問題や、着色の問題も回避できる。
本発明において、硝酸塩として任意の水溶性硝酸塩を用いることができる。好適な硝酸塩として、限定はされないが、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウム、および硝酸カルシウム等が挙げられ、特に、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、および硝酸リチウム等の硝酸一価金属塩が好ましい。本発明において、それら硝酸塩を1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
驚くべきことに、本発明によって、より少ない量の硝酸塩の配合で水溶液中のイソチアゾロン化合物、特に5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを顕著に安定化することが可能である。本発明において、硝酸塩の量は、組成物全重量に基づき3〜25重量%であり、より好ましくは3〜15重量%であり、さらに好ましくは3〜12重量%である。3重量%未満ではイソチアゾロン化合物を長期間安定化させることができず、また25重量%を超えて配合すると金属イオンによる凝集等の問題が懸念されるため好ましくない。
本発明で用いられるハロアセトアミドとして、限定はされないが、2−ヨードアセトアミド、2−ブロモアセトアミド、2−フルオロアセトアミド、および2−クロロアセトアミド等が挙げられ、特に、2−ヨードアセトアミドを用いることが好ましい。これらハロアセトアミドは、1種単独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、ハロアセトアミドの配合量が微量であるため、ハロアセトアミドによる他の殺菌剤の分解の問題や着色の問題を回避できる。ハロアセトアミドの量は、組成物全重量に基づき、5〜500ppmであり、好ましくは5〜200ppmであり、さらに好ましくは5〜100ppmである。あるいは、ハロアセトアミドの配合量は、25〜500ppm、25〜200ppmまたは25〜100ppmの範囲であってもよい。ハロアセトアミドの配合量が500ppmを超えると着色が生じることがあり、また費用対効果の観点から好ましくない。また、ハロアセトアミドの配合量が5ppm未満の場合、イソチアゾロン化合物を長期間安定化させることができない。
本発明の殺微生物組成物は水溶液の形態である。イソチアゾリン化合物等の成分を、実質的に水から成る溶媒に溶解させることによって調製することができる。溶媒は、90%以上の水を含み、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは99%以上の水を含み、最も好ましくは水のみから成る。用いられる水は、水道水、イオン交換水、蒸留水、工業用水等のいずれでもよく、特に限定されない。
水以外の溶媒として水溶性有機溶剤を配合してもよい。溶媒中の水溶性有機溶剤の量は、10%未満であり、より好ましくは5%未満であり、さらに好ましくは1%未満である。そのような有機溶剤として、限定はされないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、メチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、プロピレンカーボネート等のエステル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類が挙げられる。
本発明の組成物は、殺菌剤を溶解させる任意の公知の方法によって調製することができ、例えば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンとの混合物、ハロアセトアミド、および硝酸塩を、上記の配合割合で、水または水と水溶性有機溶剤との混合物中に溶解させることによって調製することができる。
本発明の組成物は、本発明の目的を妨げない限り、上記の成分の他に、通常そのような殺微生物組成物に含まれる、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等の硝酸塩以外の塩をさらに含んでいてよい。
また、本発明の組成物は、本発明の目的を妨げない限り、必要に応じて、任意の安定剤、界面活性剤、緩衝剤等をさらに含有していて差し支えない。
本発明の組成物は、より低いpHを有する場合に安定化効果が顕著であり、限定はされないが、5未満のpHを有することが好ましく、より好ましくは3.5以下のpHを有し、最も好ましくは3.0〜2.0のpHを有する。
本発明の組成物は、限定はされないが、紙・パルプ工業における抄紙工程水やパルプスラリー、各種工業用の冷却水や洗浄水、並びにコーティングカラー、切削油、ラテックス類、合成樹脂のエマルジョン、デンプンスラリー、炭酸カルシウムスラリー、泥水ポリマー、重油スラッジ、金属加工油剤、繊維油剤、ペイント類、防汚塗料、紙用塗工液、バラスト水等の各種工業製品の、防腐、殺菌または静菌用として好適に用いることができる。
本発明の組成物の使用に際しての添加量は、微生物濃度や適用対象に応じて適宜決定することができるが、例えば、接着剤、樹脂エマルジョン、インキ、糊剤、塗料、紙、繊維および建材等の諸工業分野において利用されている水系分散物での使用において、5〜1000ppm(イソチアゾロン化合物)程度であり、より好ましくは20〜500ppm程度である。
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら例によってなんら限定されるものではない。尚、以下実施例ではハロアセトアミドとして2−ヨードアセトアミドを用いた。また、配合量は全て組成物全重量に基づく重量%で表す。
(1)殺微生物組成物の調製
表1に示す配合組成で、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(Cl−MIT)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(H−MIT)、および硝酸塩(比較例)、あるいはさらに2−ヨードアセトアミド(IAA)(実施例)を、水に溶解させて殺微生物組成物を調製した。組成物のpHはいずれも2.5に調整した:
Figure 2008146436
(2)貯蔵安定性試験
各組成物について貯蔵安定性試験をおこなった。各組成物をガラス容器に入れて50℃の条件に放置した。経時的に状態を肉眼で観察し、また試料を採取してHPLC(高速液体クロマトグラフィー)でCl−MITとH−MITの含有量を測定した。Cl−MITとH−MITの残存率は、試験開始直後の測定値を100として計算した。
結果を表2に示す:
Figure 2008146436
3〜25重量%硝酸塩と5〜500ppmのハロアセトアミドとを組み合わせて配合した実施例1〜13のいずれにおいても、28日間に亘りCl−MITとH−MITが共に安定に保持され、また外観の変化は認められなかった。一方、ハロアセトアミドを含まないかあるいは5ppm未満で含む比較例1〜8、ならびに硝酸塩の配合量が3重量%未満である比較例9では、7日後にすでにCl−MITが分解し始め、さらに21日後にはH−MITも減少し始めた。また、比較例ではいずれも、1日後には濁りおよび沈殿が生じ、またガスの発生も認められた。
尚、データは示していないが、組成物のpHが5.0以上のとき、時間経過に伴い少量の沈殿物が生じる傾向があり、3.5以下の低pHでより安定化効果が顕著であった。

Claims (18)

  1. 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物と、組成物の全重量に基づき3〜25重量%の硝酸塩と、5〜500ppmのハロアセトアミドと、水とを含む殺微生物組成物。
  2. 前記ハロアセトアミドが2−ヨードアセトアミドであることを特徴とする請求項1記載の殺微生物組成物。
  3. 前記ハロアセトアミドの含有量が組成物の全重量に基づき5〜200ppmであることを特徴とする請求項1または2記載の殺微生物組成物。
  4. 前記硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウムおよび硝酸カルシウムより成る群から選択されることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の殺微生物組成物。
  5. 前記硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび硝酸リチウムより成る群から選択されることを特徴とする請求項4記載の殺微生物組成物。
  6. 前記硝酸塩の含有量が組成物の全重量に基づき3〜15重量%であることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の殺微生物組成物。
  7. 前記イソチアゾロン化合物の全含有量が、組成物の全重量に基づき0.5〜40質量%であることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の殺微生物組成物。
  8. 組成物のpHが5未満であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載の殺微生物組成物。
  9. 組成物のpHが3.5以下であることを特徴とする請求項8記載の殺微生物組成物。
  10. 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよび2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンを含むイソチアゾロン化合物の水溶液を安定化させる方法であって、前記水溶液に、該水溶液の全重量に基づき、3〜25重量%の硝酸塩と、5〜500ppmのハロアセトアミドとを添加することを特徴とする方法。
  11. 前記ハロアセトアミドが2−ヨードアセトアミドであることを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 前記ハロアセトアミドの添加量が水溶液の全重量に基づき5〜200ppmであることを特徴とする請求項10または11記載の方法。
  13. 前記硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸マグネシウムおよび硝酸カルシウムより成る群から選択されることを特徴とする請求項10から12いずれか1項記載の方法。
  14. 前記硝酸塩が、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび硝酸リチウムより成る群から選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 前記硝酸塩の添加量が水溶液の全重量に基づき3〜15重量%であることを特徴とする請求項10から14いずれか1項記載の方法。
  16. 前記イソチアゾロン化合物の全含有量が水溶液の全重量に基づき0.5〜40質量%であることを特徴とする請求項10から15いずれか1項記載の方法。
  17. 前記水溶液のpHを5未満に調整することを特徴とする請求項10から16いずれか1項記載の方法。
  18. 前記水溶液のpHを3.5以下に調整することを特徴とする請求項17記載の方法。
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