JP2001064342A - 変性アミノ樹脂及び水溶性樹脂組成物 - Google Patents

変性アミノ樹脂及び水溶性樹脂組成物

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JP2001064342A
JP2001064342A JP24546599A JP24546599A JP2001064342A JP 2001064342 A JP2001064342 A JP 2001064342A JP 24546599 A JP24546599 A JP 24546599A JP 24546599 A JP24546599 A JP 24546599A JP 2001064342 A JP2001064342 A JP 2001064342A
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Hiroshi Adachi
浩 安達
Toshiyuki Hachiya
利幸 八矢
Naruhiro Nakamura
成宏 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な水溶性と塗料安定性を示し、その硬化
塗膜が耐水性、密着性及び可とう性に優れた水溶性樹脂
組成物、及び、これに好適に用いられるアルキルエーテ
ル化ポリカプロラクトン変性アミノ樹脂を提供する。 【解決手段】 トリアジン核を有する化合物とホルムア
ルデヒドとを反応させ、これにアルコール類とポリカプ
ロラクトンジオール又はポリカプロラクトントリオール
を反応させて得られるアルキルエーテル化ポリカプロラ
クトン変性アミノ樹脂、及びこの変性アミノ樹脂と水溶
性又は水分散性樹脂を含有する水溶性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として、塗料、接
着剤、紙含浸用処理剤等に好適な水溶性樹脂組成物及び
これに好適に用いられるアルキルエーテル化ポリカプロ
ラクトン変性アミノ樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、産業機械、鋼製家具等の
被膜塗料塗装時、排出される有機溶剤量の低減が望まれ
ており、従来の溶剤型塗料から水性塗料への移行が進み
つつある。
【0003】アミノ樹脂を硬化剤として含有する水性塗
料においては、アミノ樹脂としては、水溶性の点からア
ルキルエーテル化メラミン樹脂等が使用されている。こ
れらの水性化の方法としては、米国特許第3,464,
946号明細書及び同第3,444,144号明細書に
開示されている。しかし、使用されているアルキルエー
テル化メラミン樹脂は水又は水混和性溶剤に対する可溶
性は良好なものの硬化塗膜において耐水性に劣る問題が
ある。
【0004】一方、アルキルエーテル化ベンゾグアナミ
ン樹脂を用いた水性塗料においては、水又は水混和性溶
剤に対する可溶性が劣り塗料安定性に問題がある。
【0005】ところで、上記問題の解決方法として、特
開平6−287263号公報、特開平6−346020
号公報及び特開平8−165408号公報によりオキシ
カルボン酸変性アミノ樹脂が開示されている。しかし、
これらに使用されているオキシカルボン酸は分子量が小
さいため、アミノ樹脂中に残存する未反応のオキシカル
ボン酸が塗料安定性及び得られる水性化物の塗膜の耐水
性に影響を及ぼし、まだ充分な性能が得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は充分な
水溶性と塗料安定性を示し、その硬化塗膜が耐水性、密
着性及び可とう性に優れた水溶性樹脂組成物、及びこれ
に好適に用いられるアルキルエーテル化ポリカプロラク
トン変性アミノ樹脂を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ト
リアジン核を有する化合物とホルムアルデヒドとを反応
させ、これにアルコール類とポリカプロラクトンジオー
ル又はポリカプロラクトントリオールを反応させて得ら
れるアルキルエーテル化ポリカプロラクトン変性アミノ
樹脂に関する。
【0008】本発明はまた、上記アルキルエーテル化ポ
リカプロラクトン変性アミノ樹脂と(B)水溶性又は水
分散性樹脂を含有することを特徴とする水溶性樹脂組成
物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水溶性樹脂組成物の
(A)成分として用いるアルキルエーテル化ポリカプロ
ラクトン変性アミノ樹脂は、トリアジン核を有する化合
物とホルムアルデヒドとを反応させ、更にこれにアルコ
ール類とポリカプロラクトンジオール又はポリカプロラ
クトントリオールを反応させて得られる樹脂である。
【0010】トリアジン核を有する化合物としては、メ
ラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、スピロ
グアナミン等が挙げられ、単独でも2種類以上の併用で
も良い。
【0011】アルコール類としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール
などの脂肪族アルコール、ベンジルアルコールのような
芳香族アルコールやエチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
などのエーテルアルコール類が挙げられる。これらのア
ルコール類は単独でも、2種類以上の併用でも良い。
【0012】ポリカプロラクトンジオール又はポリカプ
ロラクトントリオールは、ε−カプロラクトンをアルコ
ールで開環させた化合物であり、例えば、下記式(1)
〜(3)で表される数平均分子量が100〜10,00
0の化合物[式中、a、b、c、d、e、f、gは正の
整数を示し、Rは3価の有機基(好ましくは、炭素数1
〜10の炭化水素基)である。]が挙げられる。
【0013】
【化1】 式(1)で表される化合物の例としてはプラクセル21
0(Mn=1000)、220(Mn=2000)、2
60(Mn=6000)、式(2)で表される化合物の
例としてはプラクセル320(Mn=2000)、式
(3)で表される化合物の例としてはプラクセル205
A(Mn=500)、205BA(Mn=500)、2
10A(Mn=1000)、210BA(Mn=100
0)、220A(Mn=2000)、220BA(Mn
=2000)(いずれもダイセル化学工業(株)製)等
が挙げられる。なお、側鎖にカルボキシル基を有するポ
リカプロラクトンジオール又はポリカプロラクトントリ
オールを用いた場合、合成後、塩基性化合物(アルキル
アミン、アルカノールアミン等)で中和することで水溶
化しやすくなる。
【0014】トリアジン核を有する化合物1モルに対し
て、ホルムアルデヒドは好ましくは2〜30モル、アル
コール類は好ましくは1.5〜10.0モル、ポリカプ
ロラクトンジオール又はポリカプロラクトントリオール
は好ましくは0.1〜5.0モル反応させる。反応は3
0〜140℃で行うことが好ましい。
【0015】(A)成分のアルキルエーテル化ポリカプ
ロラクトン変性アミノ樹脂としては、メラミン核1個当
り、結合ホルムアルデヒドを2.5〜5.5個、アルコ
キシ基を2.0〜5.0個及びポリカプロラクトンジオ
ール若しくはポリカプロラクトントリオールで変性され
たメチロール基を0.01〜1.0個有するアルキルエ
ーテル化ポリカプロラクトン変性メラミンホルムアルデ
ヒド樹脂、ベンゾグアナミン核1個当り、結合ホルムア
ルデヒドを1.8〜3.8個、アルコキシ基を1.5〜
3.3個及びポリカプロラクトンジオール若しくはポリ
カプロラクトントリオールで変性されたメチロール基を
0.01〜1.0個有するアルキルエーテル化ポリカプ
ロラクトン変性ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂
が好ましく用いられる。
【0016】(A)成分の分子量は重量平均分子量で4
00〜10000が好ましい。なお、分子量はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン
換算)で測定できる。
【0017】(B)成分として用いる水溶性又は水分散
性樹脂は、(A)成分と加熱反応硬化するものであれば
特に制限はないが、例えば、水溶性又は水分散性アルキ
ド樹脂、水溶性又は水分散性アクリル樹脂等の中和物な
どが用いられる。
【0018】上記水溶性又は水分散性アルキド樹脂は例
えば、多価カルボン酸、多価アルコール及び必要に応じ
て油若しくはこれらの脂肪酸を反応させて得られるアル
キド樹脂である。ここで、多価カルボン酸としては、フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラフタル
酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸などがある。これらは、その酸無水物メチ
ルエステル等エステル形成誘導体でも良い。多価アルコ
ールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、トリメチレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスト
ールなどある。油としては、亜麻仁油、大豆油、脱水ヒ
マシ油、サフラワ油、ヒマシ油、ヤシ油、トール油など
がある。
【0019】アルキド樹脂の製造法は公知の方法により
行うことができ、油を使用するときは、油と多価アルコ
ールを水酸化リチウム等のエステル交換触媒の存在下2
00〜260℃で反応させた後、多塩基酸、残りの多価
アルコールを加え180〜250℃で反応させる方法、
油を使用しないときは、原料を混合して180〜250
℃で反応させる方法がある。
【0020】また、水溶性又は水分散性アクリル樹脂は
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等
のβ−モノエチレン性不飽和カルボン酸とアクリル酸2
−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基を有する
α,β−エチレン性不飽和単量体、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸n−ブチル等のα,β−モノエチレン性不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロー
ルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のア
クリルアミド誘導体、アクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸グリシジル等のα,β−モノエチレン性不飽和カル
ボン酸グリシジルエステルなどを共重合することにより
得られる。
【0021】上記の共重合は、アゾビスイソブチロニト
リル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、クメンヒド
ロペルオキシド等のラジカル触媒の存在下に100〜1
60℃に加熱して行うことができる。
【0022】上記アルキド樹脂及びアクリル樹脂は、酸
価20〜100及び水酸基価15〜200になるように
調整されるのが好ましい。酸価が小さすぎると、中和後
に水溶性又は水分散性が劣る傾向があり、酸価が大きす
ぎると、塗膜特性が低下しやすい傾向がある。また、水
酸基価が小さすぎると、硬化性が劣り、水酸基価が大き
すぎると塗膜の耐水性が劣る傾向がある。
【0023】このようなアルキド樹脂及びアクリル樹脂
を水溶性又は水分散性とするときには、樹脂の酸基をア
ンモニア、又はアミンのような揮発性の塩基性化合物で
中和すればよく、ここで好適な塩基性化合物のアミンと
しては、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエ
タノールアミン、モルホリン、ピペリジン等の第一級ア
ミン、第二級アミン及び第三級の脂肪族又は脂環族アミ
ンが挙げられる。アンモニア及びアミンは酸基1当量に
対して0.3〜1.2モル使用することが好ましい。
【0024】(B)成分として用いる水溶性又は水分散
性樹脂と(A)成分のアミノ樹脂は前者/後者の重量比
が95/5〜20/80となるように配合することが好
ましい。
【0025】本発明の水溶性樹脂組成物は、イソプロピ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジアセトン
アルコール、3−メトキシ−3−メチルブタン−1−オ
ール、3−メトキシ−1−ブタノール等の水溶性溶剤と
水の混合溶剤により適当な固形分に希釈して使用され
る。この混合溶剤は、(A)成分と(B)成分の合計量
100重量部に対し30〜80重量部配合することが好
ましい。
【0026】本発明の水溶性樹脂組成物にはリン酸、p
−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等
の酸触媒を添加してもよい。酸触媒の使用量は、(A)
成分に対して0.01〜1重量%とすることが好まし
い。
【0027】本発明の水溶性樹脂組成物には、さらに、
目的に応じて、顔料、その他の添加剤を添加することが
できる。
【0028】本発明の水溶性樹脂組成物を用いた塗装方
式としては、スプレー塗装、ロールコーターによる塗
装、浸漬塗装、スピンコートなどを採用することができ
る。
【0029】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれによって制限されるもので
はない。(なお、以下の記載において、部は重量部を、
%は重量%を表す。) 製造例1 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコに80
%パラホルム225部(6.0モル)、メタノール96
0部(30.0モル)を入れ、50%水酸化ナトリウム
水溶液を用い、pH9〜10に調整し、パラホルムアル
デヒドを溶解させた後、メラミン126部(1.0モ
ル)加え、60℃にて5時間反応を行った。その後、6
2%硝酸を用い、pH2〜3に調整し、ポリカプロラク
トンジオール:プラクセル210(ダイセル化学工業
(株))50部仕込み、60℃で3時間反応させた。反
応終了後、再び50%水酸化ナトリウム水溶液を用い、
pH8〜9に調整し、反応液をアルカリ性にして、減圧
下(50torr)で濃縮した。終点は、フラスコ内温
度が130℃に達したときとした。終点と同時にイソプ
ロピルセロソルブを加え、加熱残分75%になるよう調
整した。生成したメチルエーテル化ポリカプロラクトン
変性メラミンホルムアルデヒド樹脂の量は約405部で
あり、粘度はガードナ粘度でZ3であった。
【0030】製造例2 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコに80
%パラホルム150部(4.0モル)、メタノール64
0部(20.0モル)を入れ、50%水酸化ナトリウム
水溶液を用い、pH9〜10に調整し、パラホルムアル
デヒドを溶解させた後、ベンゾグアナミン187部
(1.0モル)加え、60℃にて3時間反応を行った。
その後、62%硝酸を用い、pH2〜3に調整し、ポリ
カプロラクトンジオール:プラクセル210(ダイセル
化学工業(株))30部仕込み、60℃で5時間反応さ
せた。反応終了後、再び50%水酸化ナトリウム水溶液
を用い、pH8〜9に調整し、反応液をアルカリ性にし
て、減圧下(50torr)で濃縮した。終点は、フラ
スコ内温度が130℃に達したときとした。終点と同時
にイソプロピルセロソルブを加え、加熱残分75%にな
るよう調整した。生成したメチルエーテル化ポリカプロ
ラクトン変性ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂の
量は約380部であり、粘度はガードナ粘度でZであっ
た。
【0031】製造例3 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコに80
%パラホルム187.5部(5.0モル)、メタノール
800部(25.0モル)を入れ、50%水酸化ナトリ
ウム水溶液を用い、pH9〜10に調整し、パラホルム
アルデヒドを溶解させた後、メラミン63部(0.5モ
ル)及びベンゾグアナミン93.5部(0.5モル)加
え、60℃にて4時間反応を行った。その後、62%硝
酸を用い、pH2〜3に調整し、ポリカプロラクトンジ
オール:プラクセル210(ダイセル化学工業(株))
50部仕込み、60℃で5時間反応させた。反応終了
後、再び50%水酸化ナトリウム水溶液を用い、pH9
〜10に調整し、反応液をアルカリ性にして、減圧下
(50torr)で濃縮した。終点は、フラスコ内温度
が130℃に達したときとした。終点と同時にイソプロ
ピルセロソルブを加え、加熱残分75%になるよう調整
した。生成したメチルエーテル化ポリカプロラクトン変
性メラミンベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂の量
は約395部であり、粘度はガードナ粘度でZ1であっ
た。
【0032】製造例4 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコに80
%パラホルム187.5部(5.0モル)、メタノール
800部(25.0モル)を入れ、50%水酸化ナトリ
ウム水溶液を用い、pH9〜10に調整し、パラホルム
アルデヒドを溶解させた後、メラミン63部(0.5モ
ル)及びベンゾグアナミン93.5部(0.5モル)加
え、60℃にて4時間反応を行った。その後、62%硝
酸を用い、pH2〜3に調整し、ポリカプロラクトンジ
オール:プラクセル210BA(ダイセル化学工業
(株)、前記式(3)の−R(COOH)−:−CH2
−C(COOH)(C25)−CH2−)100部仕込
み、60℃で5時間反応させた。反応終了後、トリエチ
ルアミンを用い、pH7.5〜8.0に調整し、反応液
をアルカリ性にして、減圧下(50torr)で濃縮し
た。終点は、フラスコ内温度が110℃に達したときと
した。終点と同時にイソプロピルセロソルブを加え、加
熱残分75%になるよう調整した。生成したメチルエー
テル化ポリカプロラクトン変性メラミンベンゾグアナミ
ンホルムアルデヒド樹脂の量は約420部であり、粘度
はガードナ粘度でZ1であった。
【0033】製造例5 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコに80
%パラホルム187.5部(5.0モル)、ブタノール
1100部(15.0モル)及びメラミン63部(0.
5モル)及びベンゾグアナミン93.5部(0.5モ
ル)加え、90℃にて2時間反応を行った。その後、ポ
リカプロラクトンジオール:プラクセル210BA(ダ
イセル化学工業(株))50部仕込み、還流脱水しなが
ら5時間反応させた。反応終了後、過剰のブタノールを
常圧下、2時間で濃縮した。終点は、フラスコ内温度が
110℃に達したときとした。終点と同時にイソプロピ
ルセロソルブを加え、加熱残分75%になるよう調整し
た。生成したブチルエーテル化ポリカプロラクトン変性
メラミンベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂の量は
約395部であり、粘度はガードナ粘度でZ2であっ
た。
【0034】比較製造例1 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコに80
%パラホルム262.5部(7.0モル)、メタノール
960.0部(30.0モル)を入れ、50%水酸化ナ
トリウム水溶液を用い、pH9〜10に調整し、パラホ
ルムアルデヒドを溶解させた後、メラミン126.0部
(1.0モル)加え、60℃にて3時間反応を行った。
その後、メタノール640部(20.0モル)、62%
硝酸を用い、pH2〜3に調整した後に60℃で2時間
反応させた。反応終了後、トリエチルアミンを用い、p
H7.5〜8.0に調整し、反応液をアルカリ性にし
て、減圧下(50torr)で濃縮した。終点は、フラ
スコ内温度が130℃に達したときとした。終点と同時
にイソプロピルセロソルブ125部を加え加熱残分75
%になるよう調整した。生成メチルエーテル化メラミン
樹脂の量は約390部であり、粘度はガードナ粘度でZ
4であった。
【0035】比較製造例2 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにメラ
ミン126部(1.0モル)、80%パラホルム300
部(8.0モル)、メタノール320部(10.0モ
ル)を入れ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH1
0.5に調整した後、70℃にて1時間反応を行った。
反応終了後、冷却し、50%硫酸でpH1.0に調整
し、40℃で40分間反応させた。反応終了後、30%
水酸化ナトリウム水溶液でpH10.0に調整し、減圧
下(50torr)で濃縮した。再度メタノール320
部(10.0モル)を仕込み、50%硫酸でpH1.0
に調整し、40℃で30分間反応させた。その後、30
%水酸化ナトリウム水溶液でpH10.0に調整し、減
圧下(50torr)で濃縮し、メチルエーテル化メラ
ミン樹脂を得た。
【0036】上記製造例と比較例で得られたアルキルエ
ーテル化ポリカプロラクトン変性アミノ樹脂及びメチル
エーテル化アミノ樹脂のトリアジン核1個当りの平均結
合ホルムアルデヒド数、アルコキシ基数及びポリカプロ
ラクトン数について、分析した結果を表1に示す。なお
トリアジン核1個当りの平均結合ホルムアルデヒド数、
アルコキシ基数及びポリカプロラクトン数は1H−NM
R及び合成時の物質収支により算出した。
【0037】
【表1】 製造例6 撹拌装置付き反応容器にブチルセロソルブ200部を入
れ、窒素気流下120℃に保持する。滴下管よりスチレ
ン60部、エチルアクリレート60部、ブチルアクリレ
ート30部、メチルメタクリレート60部、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート60部、アクリル酸30部及
びアゾビスイソブチロニトリル6部の混合物を約2時間
にわたり滴下し、滴下終了後2時間おきにアゾビスイソ
ブチロニトリル1部を3回添加し、更に2時間反応せし
め、不揮発分60%のアクリル樹脂溶液を得た。更にジ
メチルエタノールアミン37部とイオン交換水500部
を加え、減圧下系内の水を実質的に留去し、不揮発分約
60%のアクリル樹脂水溶液を得た。
【0038】実施例1〜5及び比較例1〜2 製造例1で得られた樹脂及び製造例6で得られた水溶性
アクリル樹脂(溶媒;水/ブチルセロソルブ)及びチタ
ン白を表2に示す配合にて混合、ロール混練した。更
に、シンナー(組成;ブチルセロソルブ/水=10/9
0)を添加フォードカップ♯4で30秒になるよう塗料
粘度を調整し、実施例1の塗料を得た。
【0039】製造例2〜5で得られた樹脂及び比較例製
造例1〜2で得られた樹脂についても同様に調整し、実
施例1〜5及び比較例1〜2の塗料を得た。
【0040】塗料を膜厚20〜30μ/Dryになるよ
う、塗膜板(ボンデライト♯144処理鋼板)にスプレ
ー塗装し、室温にて20分間放置した後、160×20
分焼付後、得られた塗膜板の評価結果を表2に示す。
【0041】塗膜性能の各試験方法は次の通りである。 (1)鉛筆硬度:三菱鉛筆ユニで判定した。 (2)クロスカット:塗膜面をカッターナイフで1mm
の間隔で100個のます目を切り、セロハンテープで引
きはがしたときの残ったます目の数で判定した。 (3)エリクセン値:エリクセン試験機で測定した。 (4)衝撃値:デュポン式衝撃試験器で撃芯1/2イン
チ−500gによりセンチメートルで判定した。 (7)耐レトルト性:130℃、30分間のレトルト処
理後、塗膜面の状態を肉眼で判定した。
【0042】○:変化なし、 △:やや侵される、×:
激しく侵される
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明により、充分な水溶性と塗料安定
性を示し、その硬化塗膜が耐水性、密着性及び可とう性
に優れた水溶性樹脂組成物及びこれに好適に用いられる
アルキルエーテル化ポリカプロラクトン変性アミノ樹脂
が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 成宏 茨城県鹿島郡波崎町大字砂山五番壱 日立 化成工業株式会社鹿島事業所内 Fターム(参考) 4J002 BG01X BG03X BG04X BG05X BG07X BG12X BG13 CC17W CC18W CC19W CC24W CD19X CF01X CF19W CF28X GH01 GJ01 HA04 4J033 EA02 EA34 EA35 EA36 EA45 EA51 EA52 EA62 EA66 GA05 HA08 HA24 HA28 HB08 HB09 4J038 CG031 CG032 CG061 CG062 CG071 CG072 CG141 CG142 CG171 CG172 CH031 CH032 CH041 CH042 CH051 CH052 CH171 CH172 DA161 DA162 DA171 DA172 DA191 DA192 DB221 DB222 DD121 DD122 DD231 DD232 GA02 GA03 GA06 GA07 GA08 GA09 MA09 MA10 MA14 NA04 NA12 4J040 DF011 DF012 DF041 DF042 DF051 DF052 DF061 DF062 DF091 DF092 DG001 DG002 EB131 EB132 EB141 EB142 EB161 EB162 EC231 EC232 ED091 ED092 ED151 ED152 GA05 GA07 GA08 GA11 GA22 JA02 JA03 JB02 LA01 LA06 LA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリアジン核を有する化合物とホルムア
    ルデヒドとを反応させ、これにアルコール類とポリカプ
    ロラクトンジオール又はポリカプロラクトントリオール
    を反応させて得られるアルキルエーテル化ポリカプロラ
    クトン変性アミノ樹脂。
  2. 【請求項2】 アルキルエーテル化ポリカプロラクトン
    変性アミノ樹脂が、メラミン核1個当り、結合ホルムア
    ルデヒドを2.5〜5.5個、アルコキシ基を2.0〜
    5.0個及びポリカプロラクトンジオール若しくはポリ
    カプロラクトントリオールで変性されたメチロール基を
    0.01〜1.0個有するアルキルエーテル化ポリカプ
    ロラクトン変性メラミンホルムアルデヒド樹脂である請
    求項1記載のアルキルエーテル化ポリカプロラクトン変
    性アミノ樹脂。
  3. 【請求項3】 アルキルエーテル化ポリカプロラクトン
    変性アミノ樹脂が、ベンゾグアナミン核1個当り、結合
    ホルムアルデヒドを1.8〜3.8個、アルコキシ基を
    1.5〜3.3個及びポリカプロラクトンジオール若し
    くはポリカプロラクトントリオールで変性されたメチロ
    ール基を0.01〜1.0個有するアルキルエーテル化
    ポリカプロラクトン変性ベンゾグアナミンホルムアルデ
    ヒド樹脂である請求項1記載のアルキルエーテル化ポリ
    カプロラクトン変性アミノ樹脂。
  4. 【請求項4】 (A)請求項1、2又は3記載のアルキ
    ルエーテル化ポリカプロラクトン変性アミノ樹脂と
    (B)水溶性又は水分散性樹脂を含有することを特徴と
    する水溶性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の水溶性又は水分散性樹脂
    が、酸価30〜120、水酸基価15〜180の水溶性
    又は水分散性樹脂である請求項4記載の水溶性樹脂組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005146231A (ja) * 2003-11-20 2005-06-09 Sanyo Chem Ind Ltd 反応性ホットメルト接着剤
CN114057969A (zh) * 2021-11-30 2022-02-18 江苏三木化工股份有限公司 一种高性能卷材涂料用氨基树脂及其制备方法
CN115558386A (zh) * 2022-09-27 2023-01-03 重庆三峡油漆股份有限公司 包装桶用水性耐水煮烤漆及其制备方法

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