JP2001063484A - ピラーガーニッシュ - Google Patents

ピラーガーニッシュ

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JP2001063484A
JP2001063484A JP24538499A JP24538499A JP2001063484A JP 2001063484 A JP2001063484 A JP 2001063484A JP 24538499 A JP24538499 A JP 24538499A JP 24538499 A JP24538499 A JP 24538499A JP 2001063484 A JP2001063484 A JP 2001063484A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】衝撃吸収体を内蔵するピラーガーニッシュ本体
に摺動自在に配されたスライドプレートをがたつかせる
ことなく、効率的に、容易に、正確に且つ確実に取り付
けることを可能にしたピラーガーニッシュを提供する。 【解決手段】シートベルトアンカー(2) の高さ位置調節
用開口(11c) を有するピラーガーニッシュ(10)の一端部
は開口(11c) の長手方向に交差する方向に係脱部である
衝撃吸収体(12)取付用の取付けボス(14)を有している。
同取付けボス(14)は車室側ピラー(1a)に対するピラーガ
ーニッシュ(10)の組付け時に、前記車室側ピラー(1a)の
組付構造によりスライドプレート(13)の一端を解放可能
に係合保持している。同スライドプレート(13)の長手方
向の端縁をスリット状に切り欠いた取付けボス挿脱用切
欠部(17a) と、同挿脱用切欠部(17a) と交差する方向に
分岐して切り欠かれた少なくとも1つの係止切欠部(17
b) とを有している。前記組付け時に、前記係止切欠部
(17b) に係合する取付けボス(14)が前記挿脱用切欠部(1
7a) に相対的に移行してピラーガーニッシュ本体(11)と
スライドプレート(13)との係合が自動的に解除される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は衝撃吸収体を内蔵するピ
ラーガーニッシュに係わり、更に詳しくは、ピラーガー
ニッシュ本体と衝撃吸収体との間にスライド可能に配さ
れるスライドプレートの組立作業を効率よく容易に且つ
確実に実施することを可能にしたピラーガーニッシュに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ピラーガーニッシュは車体ピラー
の室内側を覆うための樹脂材からなり、更にその表面に
塗装やクロス貼り等を施したものもある。このピラーガ
ーニッシュは、例えば耐久性、量産性、外観意匠性や重
量軽減等を満足すると同時に、車両の急制動や衝突など
により乗員がピラーガーニッシュにぶつかったときに受
ける衝撃を緩和させる衝撃吸収体を有すると共に、車体
ピラーに沿って上下方向に移動可能なシートベルトの高
さ位置調節用のシートベルトアンカーが配されている。
【0003】この従来のピラーガーニッシュの一例が、
例えば特開平10−53075号公報に開示されてい
る。同公報に開示されたピラーガーニッシュは車体のセ
ンターピラーの室内側を覆って取り付けられる略コ字形
断面を有する縦長形状の硬質樹脂製のピラーガーニッシ
ュ本体と、同ピラーガーニッシュ本体の裏面に取り付け
られた硬質樹脂製の格子状の衝撃吸収体と、同衝撃吸収
体及び前記ピラーガーニッシュ本体の間に配されて前記
センターピラーに沿って上下方向に移動可能なシートベ
ルトアンカーに追従する長板状をなす硬質樹脂製のスラ
イドプレートとを備えている。
【0004】ピラーガーニッシュ本体には、例えば三点
式シートベルトの上側支点となるシートベルトアンカー
を上下方向に移動させる高さ位置調節用の略長方形の開
口が形成され、同開口は、その美観を向上させるために
スライドプレートにより覆われる。ピラーガーニッシュ
本体の左右両側縁部には、衝撃吸収体の端部が係止する
鋭角三角形状の係止爪を成形一体化している。前記ピラ
ーガーニッシュ本体の下部裏面には前記衝撃吸収体の下
端部を固定する衝撃吸収体固定用ボスが突設されている
と共に、ピラーガーニッシュ本体の上下端裏面に形成さ
れた取付座にセンターピラー取付用のクリップがそれぞ
れ装着されている。
【0005】前記衝撃吸収体は縦リブ及び横リブにより
構成された格子部材からなり、同格子部材の下端縁部に
はピラーガーニッシュ本体の前記衝撃吸収体固定用ボス
に差し込む舌片状の取付片が延設されていると共に、格
子部材の両側側縁部にはピラーガーニッシュ本体の前記
係止爪に係止固定する係合リブが設けられている。更
に、前記センターピラーのフランジ接合部に係止固定す
る左右一対の鋭角三角形状の係止部が格子部材の両側側
縁部から上方に向かって突設されている。
【0006】前記衝撃吸収体の中央部は前記スライドプ
レートが入る大きさの凹部を有しており、同凹部の中央
部にシートベルトアンカーを上下方向に移動させる細長
い挿通開口を有している。同挿通開口の下側部にはスラ
イドプレートをピラーガーニッシュ本体と衝撃吸収体の
前記凹部との間に差し込むための差し込み開口が形成さ
れている。
【0007】衝撃吸収体の前記中央凹部の両端部の所定
部位には、スライドプレートの幅方向及び厚さ方向のが
たつきを抑えると共に前記スライドプレートを上下方向
に滑らかに移動させるための補助リブが長手方向内側に
突設されている。衝撃吸収体の前記挿通開口の上端縁に
は、スライドプレートを車室内方に押し出してピラーガ
ーニッシュ本体の裏面に沿わせるための隙間防止用の一
対の押出しリブが突設されている。前記差し込み開口の
下端縁にはスライドプレートの下方への移動限位置を定
める一対の逆L字状ストッパリブが突設されている。
【0008】上述のごとく構成された従来のピラーガー
ニッシュによると、ピラーガーニッシュ本体の前記係止
爪に衝撃吸収体の前記嵌合リブを係止固定すると共に、
ピラーガーニッシュ本体の前記衝撃吸収体固定用ボスに
衝撃吸収体の前記取付座を差し込んで固定する。次に、
スライドプレートを衝撃吸収体の裏面側から同衝撃吸収
体の前記差し込み開口に差し込んで、ピラーガーニッシ
ュ本体と衝撃吸収体との間の前記凹部内に配置する。配
置したスライドプレートの下端を前記差し込み開口の下
端縁に突設されたストッパリブに載せる。スライドプレ
ートが前記ストッパリブによって下方の移動を規制され
るため、スライドプレートの挿通孔が前記シートベルト
アンカーに連結可能な状態に維持されてピラーガーニッ
シュの組立が完了する。
【0009】こうして組み立てられたピラーガーニッシ
ュ組立体は車体のセンターピラーに固定される。同セン
ターピラーのフランジ接合部に衝撃吸収体の一対の前記
係止部を嵌着固定すると共に、ピラーガーニッシュ本体
のセンターピラー取付用の前記クリップを前記センター
ピラーの上下端部に穿設された取付孔に差し込んで固定
する。それと同時に、衝撃吸収体の前記挿通開口及びピ
ラーガーニッシュ本体の前記開口を介してスライドプレ
ートの前記挿通孔にシートベルトアンカーを嵌挿させ
る。
【0010】この構造によれば、ピラーガーニッシュ本
体と衝撃吸収体との間にスライドプレートを支持するた
め、ピラーガーニッシュ本体の中央部に改めてスライド
プレート支持用の係止爪等を設ける必要がなく、ピラー
ガーニッシュ本体の成形の複雑さ、ピラーガーニッシュ
本体のひずみ、別個のクリップによるコスト高などの問
題点を解消することができるという利点を有するもので
ある。
【0011】また、ピラーガーニッシュ本体と衝撃吸収
体とは係止爪、熱カシメやスピードナット等の固定構造
を適用すると外部からの衝撃に対しても支障なく安定し
て固定できるという利点をも有している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開平
10−53075号公報に開示されたピラーガーニッシ
ュにあっては、前記衝撃吸収体は衝突安全性を十二分に
確保するために、その取付け強度が大きく設定され、前
記ピラーガーニッシュ本体の裏面のほぼ全面を覆った状
態で前記ピラーガーニッシュ本体内の所定の位置に固定
されている。
【0013】通常、スライドプレートは滑り性がよく、
曲げ変形によく追従できる可撓性の大きな肉薄の合成樹
脂材料で成形され、極めて変形しやすい。このため、組
立工程においては作業が難しい。つまり、衝撃吸収体の
背後から前記差し込み開口に差し込むことにより衝撃吸
収体とピラーガーニッシュ本体との間の隙間にスライド
プレートを配しようとすると、同スライドプレートを湾
曲させた状態で前記隙間に徐々に差し込む必要があり、
前記衝撃吸収体内の奥まった部分に作業者の手を入れて
位置を合わせる困難な作業となる。
【0014】また、この組立作業にあっては硬質樹脂材
からなるスライドプレートを強い弾力に抗して差し込む
ため、衝撃吸収体及びスライドプレートの損傷等を防止
し、またスライドプレートの動作及び衝撃吸収体の衝撃
吸収特性等を阻害しないよう注意する必要があり、スラ
イドプレートの組立作業が正しく行われないときには修
正のために分解が困難となる。
【0015】つまり、ピラーガーニッシュの組立及び同
ピラーガーニッシュを車体に組立てる際の車体部品への
組付けにあって、スライドプレートの位置が一定せず、
そのため、正しく組み付けができず、歩留りが非常に悪
い。しかも、スピードナット又は熱カシメ等による固着
方法では不良品の修正ができないため、通常スクラップ
として再成形に回す以外の手だてがない。即ち、熱カシ
メにあってはカシメ用ボスは復元不可能であり、スピー
ドナットにあっては取り外しが極めて困難であり、量産
工程には馴染みやすいものの歩留りが悪く、生産性に問
題が多い。
【0016】また、衝撃吸収体はネジ止め等による固着
構造は適さない。裏面側から止めるときはタッピングビ
スのネジ部が室内側に向かって固定される。表面から止
めるならば、ビスの頭が目立ち外観意匠上好ましくな
い。そこで、そのようなネジ等を使用せず、確実に1度
の組立作業で各構成部品を正しく組付けることができ、
ピラーガーニッシュの組立開始から車体に対する組付完
了直前まで作業性がよくスライドプレートが遊動せずし
っかりと保持できると共に、組付後にはスライドプレー
トの円滑な動作が確保できるピラーガーニッシュ構造が
求められている。
【0017】本発明は、かかる従来の課題を解消すべく
なされたものであり、その具体的な目的は、衝撃吸収体
を内蔵するピラーガーニッシュ本体に摺動自在に配され
たスライドプレートをがたつかせることなく、効率的
に、容易に、正確に且つ確実に取り付けることを可能に
したピラーガーニッシュを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用効果】前記目的
は、本件請求項1及び2に記載された各発明により効果
的に達成される。請求項1に係る発明は、車室側のピラ
ーを覆うピラーガーニッシュであって、前記ピラーに位
置調節可能に取り付けられるシートベルトアンカーを移
動させる位置調節用の開口を有する略コ字断面状のピラ
ーガーニッシュ本体と、同ピラーガーニッシュ本体の裏
面に取り付けられ、前記位置調節用の開口に対応する挿
通開口を有する衝撃吸収体と、同衝撃吸収体と前記ピラ
ーガーニッシュ本体との間に前記シートベルトアンカー
と共にスライド可能に配され、前記位置調節用の開口を
塞ぐスライドプレートとを備えてなり、前記ピラーガー
ニッシュ本体の一端部には、車室側のピラーに対する前
記ピラーガーニッシュ本体の組付け時に、前記スライド
プレートの一端がピラーガーニッシュ本体に対して長手
方向と交差する方向に移動して解放する係脱部を有して
なることを特徴とするピラーガーニッシュである。
【0019】かかる構成に基づき、スライドプレートの
一端は、ピラーガーニッシュ本体の一端部に設けられ位
置調節用開口の長手方向と交差する係脱部に係合保持さ
れて、前記ピラーガーニッシュ本体に対する長手方向の
位置決めがなされる。前記係脱部によりスライドプレー
トの位置づれや動き等が十分に阻止され、こうしてピラ
ーガーニッシュ本体の裏面に仮保持されたスライドプレ
ートを介して衝撃吸収体が取り付けられる。
【0020】前記係脱部により移動を拘束されたスライ
ドプレートは、ピラーガーニッシュ本体を車室側のピラ
ーに組付けるときにも位置づれ等を起こすことなく、不
動状態を保ったままである。ピラーガーニッシュ本体が
車室側のピラーに組付けられるとき、同ピラーの組付構
造に基づきアンカーを差し込みスライドプレートに固定
すると、前記スライドプレートの一端が前記ピラーガー
ニッシュ本体に対して長手方向と交差する方向に自動的
に変位されて前記係脱部から外れ、ピラーガーニッシュ
本体に対するスライドプレートの仮保持が解除されると
共に、スライドプレートはピラーガーニッシュ本体と衝
撃吸収体との間を長手方向にスライドできるようにな
る。
【0021】このように、スライドプレートはピラーガ
ーニッシュの組立開始から車室側のピラーに対する組付
完了直前まで前記係脱部により一時的に拘束される。こ
のため、前記スライドプレートの遊動を未然に防ぐこと
が可能となり、また手動により係合を解除する操作も不
要となり、効率的に、容易に且つ正確に組付作業を行う
ことができることに加えて、組付け不良による修正作業
等を回避することが可能となる。しかも、本発明では前
述のようにスライドプレートが常に適正な位置に取り付
けられるため、衝撃吸収体のエネルギー吸収特性をも阻
害することはない。
【0022】請求項2に係る発明にあっては、前記スラ
イドプレートは、長手方向の端縁をスリット状に切り欠
いた取付けボス挿脱用切欠部と、同挿脱用切欠部と交差
する方向に分岐して切り欠かれた少なくとも1つの係止
切欠部とを有しており、前記ピラーガーニッシュ本体の
裏面には、前記係止切欠部を係合する取付けボスを有し
てなり、前記車室側のピラーに対する前記ピラーガーニ
ッシュ本体の組付け時に、前記係止切欠部に係合する取
付けボスが前記取付けボス挿脱用切欠部に相対的に移行
して、ピラーガーニッシュ本体と前記スライドプレート
との係合が自動的に解除されることを規定している。
【0023】請求項2の係る発明によれば、例えばピラ
ーガーニッシュ本体の裏面側上部に突設された衝撃吸収
体取付用の取付けボスがスライドプレートとの一時的な
係合保持構造として効果的に適用されている。一方のス
ライドプレートは、その長手方向の端縁をスリット状に
切り欠いた取付けボス挿脱用切欠部と交差する方向に分
岐して切り欠かれた係止切欠部を前記取付けボスに嵌挿
し、前記ピラーガーニッシュ本体に係合保持している。
【0024】この係合状態では、前記スライドプレート
は車室側のピラーに位置調節可能に取り付けられるシー
トベルトアンカーに追従可能な範囲外に配されており、
前記取付けボスが前記係止切欠部から前記挿脱用切欠部
内に相対的に移行することにより前記スライドプレート
は前記シートベルトアンカーと共に上下動可能な移動範
囲内に配される。
【0025】つまり、前記ピラーに対するピラーガーニ
ッシュ本体の組付け時に、前記係止切欠部は前記ピラー
の組付構造により、前記挿脱用切欠部と交差する方向に
自動的に動いて、前記取付けボスが前記挿脱用切欠部内
に相対的に移行すると共にピラーガーニッシュ本体とス
ライドプレートとの係合が自動的に解除される。このと
き、同スライドプレートの前記挿脱用切欠部内には前記
取付けボスが上下方向に挿脱自在に配されるようにな
り、スライドプレートは上下動自在となる。
【0026】また、ピラーガーニッシュ本体とスライド
プレートとの係合が自動的に解除されて、前記係脱部が
スライドプレートの前記係止切欠部から挿脱用切欠部内
に相対的に移行するときには、ピラーガーニッシュ本体
は車体前後方向の動きにより前記ピラーに組付けられる
ことが好ましい。
【0027】請求項2の発明によると、既述のごとく前
記スライドプレートはピラーガーニッシュ本体に対して
長手方向と交差する方向に移動して解放されるため、こ
のスライドプレートの動きが前記ピラーに対するピラー
ガーニッシュ本体の組付作業に効果的に適用される。ピ
ラーガーニッシュ本体を上下方向に殆ど動かす必要がな
いため、同ピラーガーニッシュ本体の上端部が、例えば
周辺に配されたルーフサイドガーニッシュ等の樹脂部品
に損傷等を付ける危険性等を回避することが可能とな
る。
【0028】前記係止切欠部はスライドプレートの少な
くとも一端に形成すれば足り、スライドプレートの表裏
面を任意に選択することが可能である。この場合には、
車体の左右側の共用部品として共通に使用可能なスライ
ドプレートとして利用することができる。また、前記係
止切欠部は前記挿脱用切欠部の両側に形成できる。この
場合には、例えば前記挿脱用切欠部及び前記係止切欠部
が十文字状や上下に分岐した枝木のような形状等をなす
構成を効果的に採用することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1
〜図6は本発明の代表的な実施例を示すもので、図1は
本発明にかかるピラーガーニッシュを裏面側からみた概
略斜視図、図2は同ピラーガーニッシュを概略的に示す
分解斜視図であり、図3は同ピラーガーニッシュを車体
に取り付けた状態を説明するための図1のA−A線拡大
断面図、及び図4〜図6は同ピラーガーニッシュを車体
に組付けるときのスライドプレートの動きを説明するた
めに裏面側からみた部分平面図及び同斜視図である。な
お、図3〜図6は車体進行方向左側に配されたピラーガ
ーニッシュを示している。
【0030】これらの図において、符号10は車体パネ
ルであるピラー1の室内側を覆って取り付けられる本発
明のピラーガーニッシュであり、同ピラーガーニッシュ
10はピラーガーニッシュ本体11と、外部から衝撃が
加わった際に塑性変形することにより衝撃荷重を吸収す
る衝撃吸収体12と、同衝撃吸収体12及び前記ピラー
ガーニッシュ本体11の間に摺動自在に配されるスライ
ドプレート13とを備えている。
【0031】図3に示すごとく前記ピラー1は車室側の
パネル1aと同パネル1aに重ねられ溶接された車外側
のパネル1bとからなる。このパネル1a及び1bの合
わせ溶接部には鉄芯4cと略U字形断面のクランプ部4
a及び断面環状のシール部4bからなるゴム材とが一体
押出成形されたウエルト4が嵌着されている。なお、図
示のパネル1bは重合溶接部の他を省略してある。
【0032】前記ピラーガーニッシュ本体11はタルク
入りポリプロピレン樹脂材(PPコンポジット)等の長
尺体からなり、その表面部には皮革を模したシボ模様が
成形時に金型を転写して形成される。図示例によれば、
前記ピラーガーニッシュ本体11は、平面状の本体の長
手方向に沿った両側部に同じ方向に折り曲げられて相対
向する一対の側壁部11a,11aが形成され、断面が
略C字断面状の開断面構造をなしている。前記ピラーガ
ーニッシュ本体11の下端には図示せぬピラーロアに内
嵌する重合部11bが段差をもって延設されている。ピ
ラーガーニッシュ本体11の全体は長手方向の一端から
他端にかけて緩やかに湾曲された湾曲形状をなしてい
る。
【0033】前記ピラーガーニッシュ本体11には、例
えば図示せぬ三点式シートベルトの上側支点となるシー
トベルトアンカー2の高さ位置調節用の略長方形の開口
11cが形成されている。図示例によれば、同開口11
cは車体進行方向後側Rに僅かにずれている。前記ピラ
ーガーニッシュ本体11の裏面部は開口11cの長手方
向に沿った上下部に衝撃吸収体取付用の筒状取付けボス
14及び15がそれぞれ立設されている。図示例によれ
ば、同取付けボス14及び15は、衝撃吸収体12の設
置範囲外に配されており、ピラーガーニッシュ本体11
の前記開口11cの中心線から車体進行方向後側Rに僅
かにずらせてある。
【0034】前記ピラーガーニッシュ本体11の各側壁
部11a,11aの裏面側の対向面には、両側部が略逆
三角形をなす短尺凹状の衝撃吸収体取付用の係着突起1
1dが長手方向に所定の間隔をおいて3個ずつ突設され
ている。更に、前記ピラーガーニッシュ本体11の裏面
側の上端の中央部と前記重合部11bの中央部とには車
体ピラー装着用の弾性クリップ16がそれぞれ装着され
ている。
【0035】前記ピラーガーニッシュ本体11の裏面に
取り付けられる衝撃吸収体12はポリプロピレン樹脂材
等を射出成形することにより一体成形される長尺体から
構成されている。前記衝撃吸収体12は平面状の平板部
12aと同平板部12aの長手方向の一端から他端にわ
たって裏面方向に突出した一対の箱状衝撃吸収部12
b,12bとを有している。
【0036】前記衝撃吸収体12の形状はピラーガーニ
ッシュ本体11の裏面に沿う有底筒状とされており、そ
の両側部はピラーガーニッシュ本体11と同一方向に湾
曲されている。図3に示すように一方の衝撃吸収部12
bの車体前後方向の設定寸法間隔は他方の衝撃吸収部1
2bとは異なる寸法に設定されている。図示例によれ
ば、車体進行方向前側Fに配される衝撃吸収部12bの
設定寸法間隔は僅かに長く設定されている。
【0037】前記衝撃吸収部12bは段差をもつ階段状
をなす複数の板リブ12c,…12cを有しており、同
板リブ12cは前記平板部12aの長手方向に所定の間
隔をおいて平行に配されている。各衝撃吸収部12bの
外側端縁にはピラーガーニッシュ本体11の前記係着突
起11dの設置位置間隔と等しく3個の凹状の切欠部1
2d,…12dがそれぞれ設けられ、各切欠部12dは
前記係着突起11dに係止される。
【0038】前記衝撃吸収体12の平板部12aの中央
にはピラーガーニッシュ本体11の開口11cを塞ぐス
ライドプレート13の移動を案内する縦長凹状の案内凹
状部12eが形成されている。同案内凹状部12eはス
ライドプレート13に対して反った湾曲形状をなしてお
り、同スライドプレート13の設定幅寸法より幅広に設
定されている。前記案内凹状部12eはピラーガーニッ
シュ本体11の裏面と衝撃吸収体12の表面との間にス
ライドプレート13の摺動空間を構成している。前記案
内凹状部12eにはピラーガーニッシュ本体11の開口
11cの設定位置間隔と等しくシートベルトアンカー挿
通用の略長方形状の挿通開口12fが形成されている。
前記案内凹状部12eの近傍には突起12iが突設され
ており、衝撃吸収体12はピラーガーニッシュ本体11
の裏面から所定の間隔をおいて配されている。
【0039】前記案内凹状部12eの長手方向の一端縁
部には同一方向に延在した細長板状の取付片12gを有
しており、同取付片12gにはピラーガーニッシュ本体
11の上端側取付ボス14に固定する図示せぬ取付孔が
穿設されている。前記衝撃吸収体12の下端部は、その
案内凹状部12eから室内方向に前記取付片12gの設
定高さと略等しく突設された略U字状の段付取付部12
hが形成されており、同段付取付部12hにはピラーガ
ーニッシュ本体11の下端側取付ボス15に挿入固定す
る取付孔が穿設されている。各取付孔とピラーガーニッ
シュ本体11の各取付けボス14,15とは図示せぬス
ピードナット又は熱カシメ等により固着される。
【0040】前記衝撃吸収体12の案内凹状部12e内
に上記シートベルトアンカー2と共にスライド可能に配
される略長方形板状のスライドプレート13はオレフィ
ン系エラストマーからなっている。同スライドプレート
13は衝撃吸収体12の挿通開口12fの設置位置に対
応する中央部にシートベルトアンカー挿通用の略円形状
の挿通孔13bが形成されている。
【0041】このスライドプレート13の両側縁部は前
記案内凹状部12eの表面及びピラーガーニッシュ本体
11の裏面の間を弾性的に線接触して摺動する一対の摺
動リブ13a,13aを有しており、断面が断面略H字
状をなしている。かかる構成により、前記摺動リブ13
aの摺動により乗員から見えるスライドプレート13の
表面に傷等が発生せず、しかもスライドプレート13の
動きが滑らかになる。
【0042】ところで、従来のピラーガーニッシュ本体
は裏面(内面)側を上方に露呈させて作業者と対面する
ように作業台に載置され、一方の衝撃吸収体はピラーガ
ーニッシュ本体の内面に対して外面を下方に向けて嵌合
され、衝撃吸収体及びピラーガーニッシュ本体は熱カシ
メ等により固着されている。この組立作業においてスラ
イドプレートは、その外周縁を全て衝撃吸収体及びピラ
ーガーニッシュ本体で隠されており、シートベルトアン
カー挿通用の挿通孔及びその周辺の中央部以外には、外
部から位置決めできる部分がない。
【0043】長尺板状のスライドプレートにあっては、
単に前記中央部の一点だけの固定方法では上下端部の位
置が不安定となり、衝撃吸収体及びピラーガーニッシュ
本体の嵌め合わせ作業中に、スライドプレートが衝撃吸
収体及びピラーガーニッシュ本体の間の案内凹状部から
ずれてしまう。その結果、スライドプレートは前記案内
凹状部以外の箇所で挟まれることになる。
【0044】スライドプレートは薄い部品であるため、
例えば衝撃吸収体の樹脂ブロック等の外部から目視によ
って、挟まれた状態を見つけることは大変困難であり、
熱カシメ等による固着作業の後工程で発見される。しか
して、そのような段階で発見しても、熱カシメ等の固着
作業が済んでおり、再分解して手直しすることは不可能
となる。
【0045】本発明において、最も特徴とする部分は、
前記ピラーガーニッシュ本体11の一端部には、上記ピ
ラー1に対するピラーガーニッシュ本体11の組付け時
に前記ピラー1の組付構造に基づきスライドプレート1
3の一端を解放可能なように係合保持する係脱部を有し
ているところにある。本実施例にあっては、ピラーガー
ニッシュ本体11の裏面側上部に突設された衝撃吸収体
取付用の上記取付けボス14を前記係脱部として効果的
に採用している。
【0046】図4に示すごとく前記取付けボス14はピ
ラーガーニッシュ本体11の前記開口11cの長手方向
に交差する方向に配されている。図示例にあっては、前
記取付けボス14は、スライドプレート13の上昇限位
置で同スライドプレート13の長手方向の一端を係合保
持可能に配されており、車体進行方向後側R寄りに変位
して立設されている。この取付けボス14は既述したご
とく衝撃吸収体12を取り付ける機能の他に、スライド
プレート13を一時的に係合保持する仮保持手段として
の機能をもっている。
【0047】一方の前記スライドプレート13は、前記
取付けボス14に長手方向の一端を往復動させる挿脱用
切欠部17a及び前記取付けボス14に長手方向の一端
を一時的に係合保持する係止切欠部17bとを有してい
る。前記挿脱用切欠部17aは前記取付けボス14の対
応位置に対応するスライドプレート13の長手方向の一
端縁をスリット状に切り欠いて形成され、前記係止切欠
部17bは前記挿脱用切欠部17aと交差する方向に分
岐して切り欠かれている。図示例によれば、同挿脱用切
欠部17aと前記挿脱用切欠部17aとが略ト字状をな
している。各切欠部17a及び17aは略L字状に形成
することも可能である。
【0048】図4に示すようにスライドプレート13の
前記係止切欠部17bは前記シートベルトアンカー2の
ポスト部2aに同スライドプレート13の挿通孔13b
を挿入可能な上限位置で前記取付けボス14に係合保持
される。かかる構成により、同取付けボス14により移
動を拘束されたスライドプレート13は、ピラーガーニ
ッシュ本体11を前記ピラー1に組付けるときにも位置
づれ等を起こすことなく不動状態を保ったままである。
ピラーガーニッシュ本体11に対するスライドプレート
13の位置決めがなされ、前記スライドプレート13の
位置ずれや動きを抑えると共に同スライドプレート13
の落下等が未然に阻止される。
【0049】ピラーガーニッシュ本体11の裏面に仮保
持されたスライドプレート13を介して衝撃吸収体12
が取り付けられたピラーガーニッシュ10を前記ピラー
1に組付けるとき、スライドプレート13の前記挿通孔
13bにシートベルトアンカー2の前記ポスト部2aが
嵌挿される。同ポスト部2aが前記挿通孔13bに嵌挿
されると、スライドプレート13はピラーガーニッシュ
本体11に対して長手方向と交差する方向に自動的に変
位されて前記係止切欠部17bが前記取付けボス14か
ら外れると共に、同取付けボス14を前記挿脱用切欠部
17a内に相対的に移行してピラーガーニッシュ本体1
1に対するスライドプレート13の仮保持が自動的に解
除される。こうして、スライドプレート13の前記挿脱
用切欠部17a内には前記取付けボス14が上下方向に
挿脱自在に配され、スライドプレート13はピラーガー
ニッシュ本体11と衝撃吸収体12との間を上下動する
ようになっている。
【0050】上記のごとく構成された挿脱用切欠部17
a及び係止切欠部17bはスライドプレート13の一端
に形成されているが、これに限定されるものでなく、本
発明にあっては、車体の左右側の部品として共通に使用
可能なスライドプレートとする場合には、同スライドプ
レートの表裏面のいずれを選択してもよく、例えば前記
挿脱用切欠部17a及び係止切欠部17bが分岐点を一
致させた十文字状や分岐点を分けた枝木状等をなす形状
を効果的に採用することができる。
【0051】図7は前記挿脱用切欠部17aと直交する
方向に分岐された係止切欠部17bを左右2方向に配し
た変形例を示している。この例では前記挿脱用切欠部1
7aは分岐点を上下にずらした2つの係止切欠部17b
を有している。かかる構成によれば、車体の左右のピラ
ーガーニッシュ10に1種類のスライドプレート13を
適用できるため、部品の共用化が可能となる。
【0052】次に、上述のごとく構成された本発明の係
るピラーガーニッシュ10を前記ピラー1に組付けると
きの組付方法を図4〜図6に基づいて説明する。図4
(a),図5(a)及び図6(a)はピラーガーニッシ
ュ10の組付方法に従った取付ボス14とスライドプレ
ート13との位置関係を説明するためにピラーガーニッ
シュ本体11の要部を裏面側からみた部分平面図であ
る。なお、衝撃吸収体12は図示しない。図4(b),
図5(b)及び図6(b)は同部分斜視図である。な
お、衝撃吸収体12は二点鎖線で図示している。
【0053】さて、ピラーガーニッシュ本体11の組立
方法を説明する。先ず図示せぬ組立て作業台にピラーガ
ーニッシュ本体11の裏面を露呈した状態で載置し、同
ピラーガーニッシュ本体11が位置決めされる。 次に、
ピラーガーニッシュ本体11の取付けボス14にスライ
ドプレート13の挿脱用切欠部17aに連通する係止切
欠部17bを嵌挿する。同係止切欠部17bを前記取付
けボス14に嵌挿すると、スライドプレート13の他端
は衝撃吸収体12の案内凹状部12e内に弾接される。
【0054】図4に示すようにスライドプレート13は
車体進行方向前側Fに偏った状態で前記ピラーガーニッ
シュ本体11のシートベルトアンカー挿通用の開口11
bの大部分を塞ぐ。スライドプレート13の挿通孔13
bは車体進行方向前側Fに偏って配される。この状態
で、前記ピラーガーニッシュ本体11に対する長手方向
の位置決めがなされる。前記取付けボス14によりスラ
イドプレート13の位置づれや動き等が十分に阻止さ
れ、同スライドプレート13は一時的に係合保持され
る。
【0055】次に、前記衝撃吸収体12の取付片12g
及び段付取付部12hの各取付孔をピラーガーニッシュ
本体11の各取付けボス14,15に嵌挿し、ピラーガ
ーニッシュ本体11の左右側壁部11a,11aを弾性
変形させて左右に僅かに開き、同左右側壁部11a,1
1aの内面から相対向して立設された6個の係着突起1
1d,…11dと衝撃吸収体12の外側端縁の6個の切
欠部12d,…12dとを係合させ、ピラーガーニッシ
ュ本体11を原形に戻す。同ピラーガーニッシュ本体1
1の開口11cの対応部位には衝撃吸収体12の挿通開
口12fが配される。
【0056】衝撃吸収体12は前記係着突起11dと前
記切欠部12dとにより仮固定されており、衝撃吸収体
12とピラーガーニッシュ本体11とは前記取付けボス
14及び15を熱変形させることにより釘の頭状に押し
潰して強固に固着される。こうして、前記スライドプレ
ート13はピラーガーニッシュ本体11と衝撃吸収体1
2との間に仮保持され、ピラーガーニッシュ10が組立
てられる。
【0057】上述のごとき組立作業にあって、前記ピラ
ーガーニッシュ本体11の各取付けボス14,15は図
示せぬスピードナットにより固着することも可能であ
る。対向する3個の係着突起11dを離反するようにピ
ラーガーニッシュ本体11の左右側壁部11a,11a
を弾性変形させて左右に開いても、スライドプレート1
3の位置は動かず、同スライドプレート13が常に適正
な位置に取り付けられるため、同スライドプレート13
が衝撃吸収体12の案内凹状部12e以外でピラーガー
ニッシュ本体11と衝撃吸収体12との間に挟まれるこ
とはない。
【0058】さて次に、前記ピラー1に前記ピラーガー
ニッシュ10を組付ける組付方法を図3〜図6を参照し
ながら説明する。先ず始めに、前記シートベルトアンカ
ー2のポスト部2aの位置を上昇限に配する。次に衝撃
吸収体12の挿通開口12f、スライドプレート13の
挿通孔13b及びピラーガーニッシュ本体11の開口1
1bを前記ポスト部2aに位置決めし、ピラーガーニッ
シュ10を前記ピラー1に当接させる。図4に示した状
態では、ピラーガーニッシュ10の高さ位置はピラーに
対する装着位置に略一致しており、車体前後位置が僅か
に車体進行方向前側F寄りにある。スライドプレート1
3の挿通孔13bはピラーガーニッシュ本体11から車
体進行方向前側Fに相対的にずれている。
【0059】続いてピラーガーニッシュ本体11の車体
進行方向前側Fの側壁部11aを車体進行方向前側F寄
りのウエルト4に引っ掛ける。次にピラーガーニッシュ
本体11を車体進行方向後側R寄りのウエルト4に引っ
掛けるように同ピラーガーニッシュ本体11の左右両側
壁部11a,11aを弾性変形させて僅かに左右に開
く。同ピラーガーニッシュ本体11は各左右のウエルト
4,4を一緒に抱き込むように嵌め込まれる。このと
き、上記弾性クリップ16を前記ピラー1に穿設された
図示せぬ取付孔に差込む。スライドプレート13は位置
づれ等を起こすことなく、不動状態を保ったままであ
る。
【0060】こうして、ピラーガーニッシュ本体11を
上下方向に殆ど動かすことなく、同ピラーガーニッシュ
本体11が前記ウエルト4,4に嵌め込まれるとき、図
3〜図5に示すように衝撃吸収体12の挿通開口12f
に前記シートベルトアンカー2のポスト部2aが挿通さ
れる。それと同時にスライドプレート13の挿通孔13
bに前記ポスト部2aが嵌挿される。すると、同ポスト
部2aの押圧によりスライドプレート13は略一定の高
さ位置を保ったまま直ちに衝撃吸収体12の案内凹状部
12e内を図示した矢印R方向に摺動する。スライドプ
レート13が摺動すると、同スライドプレート13の前
記係止切欠部17bは、前記ピラーガーニッシュ本体1
1の取付けボス14から抜け出る。
【0061】そして、図5に示すように前記係止切欠部
17bが前記取付けボス14から抜け出ると同時に、ス
ライドプレート13の前記挿脱用切欠部17a内に前記
取付ボス14が入る。前記スライドプレート13の挿通
孔13bはピラーガーニッシュ本体11の開口11bの
対応部位に対応する所定の位置に移行する。シートベル
トアンカー2がポスト2aに装着され、ピラーガーニッ
シュ本体11に対するスライドプレート13の仮保持が
解除される共に、スライドプレート13はピラーガーニ
ッシュ本体11と衝撃吸収体12との間を長手方向にス
ライドできるようになる。
【0062】ところで、例えば前記シートベルトアンカ
ー2のポスト部2aが先細り状のテーパ面形状に形成さ
れている場合には、スライドプレート13の挿通孔13
bは前記シートベルトアンカー2のポスト部2aの押圧
により衝撃吸収体12の案内凹状部12e内を図示した
矢印R方向に徐々に摺動する。
【0063】図6に示すように、前記ピラー1に組付け
られたピラーガーニッシュ10はシートベルトアンカー
2をピラーガーニッシュ本体11の開口11bに沿わせ
て下方向に摺動させる。スライドプレート13の前記挿
脱用切欠部17aはシートベルトアンカー2の上下動に
追従して前記取付けボス14を挿脱自在に往復動する。
同取付けボス14はスライドプレート13の前記係止切
欠部17bには入らない。このため、同係止切欠部17
bは組付作業においてはスライドプレート13を所定の
位置に略水平方向に移動させるが、その後の使用にあっ
ては全く関与しない。
【0064】上記構成を採用することにより、スライド
プレート13の円滑な操作が確保される。スライドプレ
ート13の上下動や衝撃吸収体12のエネルギー吸収特
性を阻害することなくスライドプレート13を衝撃吸収
体12の案内凹状部12e内に収容することができる。
また、スライドプレート13の前記係止切欠部17bは
シートベルトアンカー2の上昇限、つまり通常の動作範
囲内で前記シートベルトアンカー2のポスト部2aにス
ライドプレート13の挿通孔13bを挿入することがで
きる。
【0065】前記ピラーガーニッシュ10は、その上端
部が天井の近くに取り付けられるものであり、組付作業
におけるピラーガーニッシュ10の上下方向の動きによ
り図示を省略したルーフサイドガーニッシュ又は同じく
図示せぬクロス貼り天井材に損傷等を付ける危険性等が
ある。このため、ピラーガーニッシュ10を略水平方向
の移動により組付ける組付作業が好ましい。この点、上
術の構成を採用することにより、一連の組付作業におい
て円滑にスライドプレート13の仮保持を解除できるこ
とに加えて、上述のごときスライドプレート13の動き
を既述したピラーガーニッシュ10の組付作業に好適に
採用することができる。
【0066】以上の説明からも明らかなように、本発明
に係るピラーガーニッシュによれば、ピラーガーニッシ
ュ本体の一端部に設けた係脱部にスライドプレートの一
端をピラーガーニッシュの組立開始から車室側のピラー
に対する組付完了直前まで一時的に拘束し、ピラーガー
ニッシュの組付時に車室側のピラーの組付構造に基づい
てピラーガーニッシュ本体とスライドプレートとの係合
を自動的に解除しているため、前記スライドプレートの
遊動を防ぐことが可能となり、また手動により係合を解
除する操作を不要とし、効率的に、容易に且つ正確に組
付作業を行うことができることに加えて、組付け不良に
よる修正作業等を未然に回避することが可能となる。
【0067】また、スライドプレートの中央部の位置決
めに加えてスライドプレートの端末部を位置決めするこ
とが可能となり、ピラーガーニッシュの組立開始から車
室側のピラーに対する組付完了直前までのスライドプレ
ートの動きを十分に規制することが可能となる。なお、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、それら
の実施例から当業者が容易に変更可能な技術的範囲をも
当然に包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な第1実施例であるピラーガー
ニッシュを概略的に示す斜視図である。
【図2】同ピラーガーニッシュを概略的に示す分解斜視
図である。
【図3】同ピラーガーニッシュを車体に取り付けた状態
を説明するための図1のA−A線断面図である。
【図4】同ピラーガーニッシュを車体に組付けるときの
スライドプレートの動きを裏面側からみた部分平面図及
び同部分斜視図である。
【図5】図4の次の同動きを裏面側からみた部分平面図
及び同部分斜視図である。
【図6】図5の次の同動きを裏面側からみた部分平面図
及び同部分斜視図である。
【図7】本発明にかかるスライドプレートの変形例を示
す部分斜視図である。
【符号の説明】
1 ピラー 1a 車室側パネル 1b 車外側パネル 2 シートベルトアンカー 2a ポスト部 4 ウエルト 4a クランプ部 4b シール部 4c 鉄芯 10 ピラーガーニッシュ 11 ピラーガーニッシュ本体 11a 側壁部 11b 重合部 11c 位置調節用開口 11d 係着突起 12 衝撃吸収体 12a 平板部 12b 衝撃吸収部 12c 板リブ 12d 切欠部 12e 案内凹状部 12f 挿通開口 12g 取付片 12h 段付取付部 12i 突起 13 スライドプレート 13a 摺動リブ 13b 挿通孔 14 係脱部である取付けボス 15 取付けボス 16 弾性クリップ 17a 挿脱用切欠部 17b 係止切欠部 F 車体進行方向前側 R 車体進行方向後側

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室側のピラーを覆うピラーガーニッシ
    ュであって、 前記ピラーに位置調節可能に取り付けられるシートベル
    トアンカーを移動させる位置調節用の開口を有する略コ
    字断面状のピラーガーニッシュ本体と、 同ピラーガーニッシュ本体の裏面に取り付けられ、前記
    位置調節用の開口に対応する挿通開口を有する衝撃吸収
    体と、 同衝撃吸収体と前記ピラーガーニッシュ本体との間に前
    記シートベルトアンカーと共にスライド可能に配され、
    前記位置調節用の開口を塞ぐスライドプレートとを備え
    てなり、 前記ピラーガーニッシュ本体の一端部には、車室側のピ
    ラーに対する前記ピラーガーニッシュ本体の組付け時
    に、前記スライドプレートの一端を解放可能に係合保持
    する前記位置調節用の開口の長手方向に交差する方向に
    係脱部を有してなることを特徴とするピラーガーニッシ
    ュ。
  2. 【請求項2】 前記スライドプレートは、長手方向の端
    縁をスリット状に切り欠いた取付けボス挿脱用切欠部
    と、同挿脱用切欠部と交差する方向に分岐して切り欠か
    れた少なくとも1つの係止切欠部とを有しており、前記
    ピラーガーニッシュ本体の裏面には、前記係止切欠部を
    係合する取付けボスを有してなり、前記車室側のピラー
    に対する前記ピラーガーニッシュ本体の組付け時に、前
    記係止切欠部に係合する取付けボスが前記取付けボス挿
    脱用切欠部に相対的に移行して、ピラーガーニッシュ本
    体と前記スライドプレートとの係合が自動的に解除され
    てなる請求項1記載のピラーガーニッシュ。
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