JP2001060318A - 磁気記録媒体,その製造方法及び製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体,その製造方法及び製造装置

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JP2001060318A
JP2001060318A JP11235814A JP23581499A JP2001060318A JP 2001060318 A JP2001060318 A JP 2001060318A JP 11235814 A JP11235814 A JP 11235814A JP 23581499 A JP23581499 A JP 23581499A JP 2001060318 A JP2001060318 A JP 2001060318A
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JP
Japan
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oxygen
magnetic
film
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magnetic film
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JP11235814A
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Toshikazu Nishihara
敏和 西原
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性膜表層の過渡の酸化を防ぎ、高周波信号
出力特性を改善することができる磁気記録媒体,その製
造方法及び製造装置を提供する。 【解決手段】 ベ−スフィルム7が冷却キャンロール6
に沿って走行している状態で、ピアス型電子銃13から
ルツボ12に対して電子ビーム14を照射し、コバルト
Coなどの磁性材料11を溶融蒸発させる。蒸発したコ
バルトCoは、ベースフィルム7に入射付着する。一
方、酸素ノズル9からは酸素が噴出している。このた
め、ベ−スフィルム7上には、酸化コバルトCoOが磁
性膜として形成される。次に、ベースフィルム7が防着
板8のスリット20の部分に達すると、ルツボ12から
蒸発したコバルトCoが蒸着され、酸素濃度が低い磁性
層が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸着法を利用して
磁性膜を形成した磁気記録媒体,その製造方法及び製造
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の蒸着法を利用した磁気記録媒体の
製造装置としては、例えば図3に示すものがある。同図
において、真空槽1内には、供給ロール2,巻取りロー
ル3,供給側の金属ガイドローラ4,巻取り側の金属ガ
イドローラ5,及び冷却キャンロール6が配置されてい
る。供給ロール2から送り出されたベースフィルム7
は、冷却キャンロール6に沿って図中矢印方向に連続走
行している。すなわち、ベースフィルム7は、供給側の
ガイドローラ4を経て回転自在な冷却キャンロール6に
沿いながら走行し、更に巻取り側の金属ガイドロール5
を経て巻取りロール3に巻き取られている。
【0003】冷却キャンロール6には、図示しない冷却
器が内蔵されており、前記ベースフィルム7に対する磁
性材の蒸着時におけるベ−スフィルム7の温度上昇を防
止している。また、冷却キャンロール6の下方には、C
oなどの磁性材料11を収容したルツボ12が配置され
ており、真空槽1の供給側の側壁にはこの磁性材料11
を溶融させて、蒸発磁性材料を蒸発させるための加熱器
として、例えばピアス型電子銃13が斜め下方に向かっ
て設置されている。
【0004】冷却キャンロール6に沿って、防着板8が
設けられている。この防着板8は、ルツボ12からの蒸
発磁性材料のベ−スフィルム7への最小入射角θminを
規制する作用もある。なお、本例では、ルツボ12から
の蒸発磁性材料のベ−スフィルム7への最大入射角θma
x=90°,最小入射角θmin=40゜となっている。ま
た、冷却キャンロール6と防着板8との間には、酸素ノ
ズル9が設けられている。また、真空槽1の適宜位置に
は、排気装置17が設けられている。
【0005】ベ−スフィルム7が冷却キャンロール6に
沿って走行している状態で、ピアス型電子銃13からル
ツボ12に対して電子ビーム14を照射し、Coなどの
磁性材料11を溶融蒸発させる。蒸発したCoは、ベー
スフィルム7に入射付着する。一方、酸素ノズル9から
は酸素Oが噴出している。このため、ベ−スフィルム
7上には、磁性膜CoOが形成される。
【0006】なお、ピアス型電子銃13から出力される
電子ビーム14の制御は、ピアス型電子銃13に取り付
けた偏向マグネット15と、ルツボ12に近接して設置
されている偏向マグネット16によって行われている。
また、電子ビーム14の照射位置はルツボ12の中央部
となっており、ベ−スフィルム7の幅方向に所定の周期
で電子ビーム14を走査して、ルツボ12内の磁性材料
11を溶解・蒸発している。また、冷却キャンロール6
とルツボ12との間には、シャッタ(図示せず)が設け
られており、蒸着の開始,終了の制御が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
にしてベースフィルム7上に形成された磁性膜の厚み方
向の組成分布を調べると、例えば図4のようになる。こ
の例は、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemic
al Analysis)による分析結果の一例である。図4の横
軸はエッチング時間であり、磁性膜の深さに相当する。
また、図4の縦軸は元素の割合である。磁性膜は、酸素
供給量1400(SCCM)で形成したものである。この図
4は、磁性膜がエッチング時間の経過とともに膜表層か
らベースフィルム7側にエッチングされたときの元素の
割合を示しており、各エッチング時間では、C+Co+
O=100%になるものである。
【0008】この図4に示すように、磁性膜表面には、
まず炭素Cが存在する。これは、保護膜として磁性膜表
面に形成されるダイヤモンドライク膜に対応する。しか
し、それ以降は、コバルトCo及び酸素Oが存在するよ
うになる。ところが、その割合をみると、磁性膜表面
(矢印FA)とベースフィルムに接する部分(矢印F
B)では、酸素Oの割合が高く、中央部分より過度に酸
化されている。特に磁性膜の表層が酸化されやすいの
は、酸素導入ノズルに近いことや、本来表層は活性で酸
化されやすいことが原因である。
【0009】このように、磁性膜表層が過度に酸化され
ると、その部分が非磁性になり、磁気的には磁気ヘッド
に対してスペーシングとなってしまう。このため、高周
波における信号出力が劣化するという不都合があり、そ
の改善が望まれている。
【0010】本発明は、以上の点に着目したもので、蒸
着法で磁気記録媒体を作製する際において、磁性膜表層
の過渡の酸化を防ぎ、高周波信号出力特性を改善するこ
とができる磁気記録媒体,その製造方法及び製造装置を
提供することを、目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、コバルトを主
成分とする蒸気流によって、酸素を供給しつつベース上
に磁性膜を形成する第1の工程;前記第1の工程によっ
て形成した磁性膜上に、コバルトを主成分とする蒸気流
によって、酸素を供給することなく磁性膜を形成する第
2の工程;を含むことを特徴とする。
【0012】本発明の磁気記録媒体の製造装置は、磁性
膜を形成するためのベースを供給する冷却キャンロー
ル;コバルトを主成分とする蒸気流を放出する蒸発源;
この蒸発源から放出された蒸気流の前記ベースに対する
付着を規制する防着板;この防着板と前記冷却キャンロ
ールとの間に設けられており、前記蒸気流に酸素を供給
する酸素ノズル;前記防着板の前記酸素ノズルよりも後
側に設けられており、酸素が供給されない状態で前記蒸
気流を前記ベースに付着させるスリット;を備えたこと
を特徴とする。
【0013】本発明の磁気記録媒体は、コバルトを主成
分とする蒸気流によって、酸素を供給しつつベース上に
磁性膜を形成した磁気記録媒体であって、前記磁性膜の
膜表層酸素濃度が膜中央部酸素濃度よりも低いことを特
徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。図1には、本実施形態の磁気記録媒
体の製造装置の構成が示されている。図2には、図1の
主要部が拡大して示されている。
【0015】これらの図において、冷却キャンロール6
に沿って設けられている防着板8には、スリット20が
設けられている。このスリット20は、酸素ノズル9よ
りもベースフィルム7の走行先(下流側)に設けられて
いる。より詳細には、酸素ノズル9の先端から後方下流
50mmの部位に2mmの幅でスリット20が設けられてい
る。また、酸素ノズル9による酸素吹き出し方向の略延
長線上に、真空槽1の排気装置17が設けられている。
他の部分は、前記背景技術と同様である。
【0016】次に、以上のように構成された装置の動作
を説明すると、図2の矢印F1のようにベ−スフィルム
7が冷却キャンロール6に沿って走行している状態で、
ピアス型電子銃13からルツボ12に対して電子ビーム
14を照射し、コバルトCoなどの磁性材料11を溶融
蒸発させる。蒸発したコバルトCoは、矢印F2のよう
にベースフィルム7に入射付着する。一方、酸素ノズル
9からは、矢印F3のように酸素Oが噴出している。
このため、ベ−スフィルム7上には、酸化コバルトCo
Oが磁性膜として形成される。
【0017】このようにして酸化コバルトCoOが形成
されたベースフィルム7は、矢印F4のように更に冷却
キャンロール6に沿って走行する。そして、防着板8の
スリット20の部分に達すると、矢印F5のように、再
びルツボ12から蒸発したコバルトCoが蒸着する。こ
のスリット20は、酸素ノズル9の後方下流に位置し、
また酸素ノズル9の酸素吹き出し方向に排気装置17が
設けられている。このため、磁性膜の表面側には、コバ
ルトCoの層が形成されるようになる。
【0018】次に、実施例について説明する。1000
(SCCM)の酸素Oを導入しつつ、図1の装置でベース
フィルム7を冷却キャンローラ6上を走行させて磁性膜
を蒸着した。ベースフィルム7としては、厚み6.3μ
mのPETフィルムを用いた。磁性膜の成膜の際におけ
る蒸発流の最小入射角θminは48°である。次に、成
膜した磁性膜上に、約10nmのダイヤモンドライクカー
ボン(DLC)による保護膜を設けるとともに、潤滑剤
を約3nm塗布した。またベースフィルム7の裏面には、
帯電防止などのために、バックコート層を約0.5μm
成膜した。以上のようにして、実施例1のサンプルを得
た。
【0019】次に、酸素Oの導入量を1200(SCC
M)とした他は前記実施例1と同様として、実施例2の
サンプルを得た。また、酸素Oの導入量を1400
(SCCM)とした他は前記実施例1と同様として、実施例
3のサンプルを得た。
【0020】一方、性能比較のために比較例を作製し
た。図1に示した本実施形態の製造装置においてスリッ
ト26を設けない構成として、比較例の各サンプルを作
製した。酸素Oの導入量を、それぞれ1000(SCC
M),1200(SCCM),1400(SCCM)として、比
較例1,2,3のサンプルを得た。
【0021】次に、以上のようにして得た各サンプルの
組成分布をESCAで分析した。また、電気特性をドラ
ムテスタ(図示せず)で評価した。ドラムテスタでは、
磁気ヘッドとテープ媒体との相対速度を10.2(m/s
ec)とするとともに、トラック幅10μm,ギャップ長
0.19μmのMIGヘッドを用いて20.925MHzの
信号出力を調べた。各サンプルの測定結果を示すと、次
の表1のようになる。
【0022】
【表1】
【0023】この表1において、まず磁性膜の膜表層酸
素濃度を比較すると、実施例のサンプルでは20〜29
原子%(at%)であるのに対し、従来技術の比較例のサ
ンプルでは36〜46原子%となっており、実施例のほ
うが低い。一方、磁性膜の膜中央部酸素濃度を比較する
と、実施例が23〜32原子%であるのに対し、比較例
は21〜32原子%となっており、両者ほぼ同じであ
る。次に、信号出力を比較すると、実施例では0.2〜
3.4dBであるのに対し、比較例では−3.6〜0dBで
あり、実施例のほうが高い。このように、スリット20
を設けることにより、磁性膜の膜表層酸素濃度が膜中央
部酸素濃度より低くなり、また高周波信号出力も大きく
なっている。
【0024】なお、本発明は、何ら上記実施形態に限定
されるものではない。例えば、前記実施形態では、酸素
ノズルの吹き出し方向に排気ポンプを設けたが、これは
不要な酸素を速やかに真空槽外に排気するためのもの
で、必要に応じて行えばよい。その他、前記実施形態に
示した材料や数値などにも、本発明は限定されるもので
はない。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁性膜表層に酸素濃度の低い磁性層を形成することとし
たので、磁性膜表層の過渡の酸化を防ぎ、高周波信号出
力特性を改善することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる磁気記録媒体製造
装置の構成を示す図である。
【図2】前記図1の製造装置の主要部を示す図である。
【図3】従来の磁気記録媒体製造装置の一例を示す図で
ある。
【図4】図3に示した装置で作製した磁気テープのES
CAによる調べたテープ厚み方向の組成分布を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…真空槽 2…供給ロール 3…巻取りロール 4…ガイドローラ 5…金属ガイドロール 6…冷却キャンロール 7…ベースフィルム 8…防着板 9…酸素ノズル 12…ルツボ 13…ピアス型電子銃 14…電子ビーム 15,16…偏向マグネット 17…排気装置 20…スリット θmax…最大入射角 θmin…最小入射角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コバルトを主成分とする蒸気流によっ
    て、酸素を供給しつつベース上に磁性膜を形成する第1
    の工程;前記第1の工程によって形成した磁性膜上に、
    コバルトを主成分とする蒸気流によって、酸素を供給す
    ることなく磁性膜を形成する第2の工程;を含むことを
    特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 磁性膜を形成するためのベースを供給す
    る冷却キャンロール;コバルトを主成分とする蒸気流を
    放出する蒸発源;この蒸発源から放出された蒸気流の前
    記ベースに対する付着を規制する防着板;この防着板と
    前記冷却キャンロールとの間に設けられており、前記蒸
    気流に酸素を供給する酸素ノズル;前記防着板の前記酸
    素ノズルよりも後側に設けられており、酸素が供給され
    ない状態で前記蒸気流を前記ベースに付着させるスリッ
    ト;を備えたことを特徴とする磁気記録媒体の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 コバルトを主成分とする蒸気流によっ
    て、酸素を供給しつつベース上に磁性膜を形成した磁気
    記録媒体において、 前記磁性膜の膜表層酸素濃度が膜中央部酸素濃度よりも
    低いことを特徴とする磁気記録媒体。
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