JP2001059192A - Ni−Fe合金のエッチング用組成物およびエッチング方法 - Google Patents
Ni−Fe合金のエッチング用組成物およびエッチング方法Info
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- JP2001059192A JP2001059192A JP11234679A JP23467999A JP2001059192A JP 2001059192 A JP2001059192 A JP 2001059192A JP 11234679 A JP11234679 A JP 11234679A JP 23467999 A JP23467999 A JP 23467999A JP 2001059192 A JP2001059192 A JP 2001059192A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エッチング速度が実用化される50℃以上で
も、エッチング後のエッチング面の仕上がりが良好であ
り、作業環境に問題がなく、人体に安全なNi−Fe合
金のエッチング用組成物およびエッチング方法を提供す
る。 【解決手段】 塩酸0.01〜2.0重量部、好ましく
は0.1〜0.9重量部と、有機ホスホン酸またはその
塩0.01〜5.0重量部、好ましくは0.03〜1.
0重量部とを含み、30〜60重量%、好ましくは45
〜60重量%のの塩化第二鉄水溶液によって100重量
部に調整したエッチング用組成物およびこのエッチング
用組成物を50℃以上、好ましくは60〜80℃でNi
−Fe合金をエッチングする方法。
も、エッチング後のエッチング面の仕上がりが良好であ
り、作業環境に問題がなく、人体に安全なNi−Fe合
金のエッチング用組成物およびエッチング方法を提供す
る。 【解決手段】 塩酸0.01〜2.0重量部、好ましく
は0.1〜0.9重量部と、有機ホスホン酸またはその
塩0.01〜5.0重量部、好ましくは0.03〜1.
0重量部とを含み、30〜60重量%、好ましくは45
〜60重量%のの塩化第二鉄水溶液によって100重量
部に調整したエッチング用組成物およびこのエッチング
用組成物を50℃以上、好ましくは60〜80℃でNi
−Fe合金をエッチングする方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Ni−Fe合金板
をフォトエッチングにより金属を加工する際に使用する
エッチング用組成物および前記エッチング組成物を用い
るエッチング方法に関する。
をフォトエッチングにより金属を加工する際に使用する
エッチング用組成物および前記エッチング組成物を用い
るエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトエッチングによる金属の加工技術
は、電子部品の精密加工および各種機構部品などのケミ
カルエッチング、半導体デバイス製造工程などをはじめ
とする産業分野で広く利用され、それを応用してブラウ
ン管のシャドウマスク、ICリードフレーム、プリント
配線基板等が製造されている。科学技術の進展にともな
ってより高密度、高精度なエッチング加工が要求されて
きている。
は、電子部品の精密加工および各種機構部品などのケミ
カルエッチング、半導体デバイス製造工程などをはじめ
とする産業分野で広く利用され、それを応用してブラウ
ン管のシャドウマスク、ICリードフレーム、プリント
配線基板等が製造されている。科学技術の進展にともな
ってより高密度、高精度なエッチング加工が要求されて
きている。
【0003】特に、Ni−Fe合金を用いたカラーブラ
ウン管のシャドウマスク(36%Ni−Fe合金)や半
導体リードフレーム(42%Ni−Fe合金)に代表さ
れる電子部品材料では、エッチング後の表面仕上がりが
重要視されるが、通常の低炭素鋼ほど良好な加工精度を
得ることが困難とされている。
ウン管のシャドウマスク(36%Ni−Fe合金)や半
導体リードフレーム(42%Ni−Fe合金)に代表さ
れる電子部品材料では、エッチング後の表面仕上がりが
重要視されるが、通常の低炭素鋼ほど良好な加工精度を
得ることが困難とされている。
【0004】また、コンピュータのディスプレ用に使用
される丸孔タイプのシャドウマスクでは、エッチング面
の平滑性と真円性、さらには孔径の均一性などが要求さ
れ、リードフレームについても高集積化、微細化によっ
てエッチング面の平滑性と直線性、さらにはサイドエッ
チングの減少などの要求がある。
される丸孔タイプのシャドウマスクでは、エッチング面
の平滑性と真円性、さらには孔径の均一性などが要求さ
れ、リードフレームについても高集積化、微細化によっ
てエッチング面の平滑性と直線性、さらにはサイドエッ
チングの減少などの要求がある。
【0005】従来、これらの問題点の解決にあたっては
金属素材の製造方法についての提案が多く、たとえば、
特開平2−54743号公報、特開平2−54744号
公報、特開平2−17703号公報、特開平10−83
758号公報等が挙げられるが、エッチング液側からの
提案はほとんど報告されていない。
金属素材の製造方法についての提案が多く、たとえば、
特開平2−54743号公報、特開平2−54744号
公報、特開平2−17703号公報、特開平10−83
758号公報等が挙げられるが、エッチング液側からの
提案はほとんど報告されていない。
【0006】エッチング剤としての塩化第二鉄水溶液に
添加するものとして、特開平1−301869号公報の
アセチレンアルコールまたはそのアルキレンオキサイド
付加物およびアルカンスルホン酸、アルカノールスルホ
ン酸またはそれらの塩を必須成分とするエッチング促進
添加剤が提案されているが、これらの添加剤ではNi−
Fe合金に対しての前記のエッチング後の仕上がり向上
効果が充分とは言えない。
添加するものとして、特開平1−301869号公報の
アセチレンアルコールまたはそのアルキレンオキサイド
付加物およびアルカンスルホン酸、アルカノールスルホ
ン酸またはそれらの塩を必須成分とするエッチング促進
添加剤が提案されているが、これらの添加剤ではNi−
Fe合金に対しての前記のエッチング後の仕上がり向上
効果が充分とは言えない。
【0007】また特開平2−141589号公報には、
アルカンスルホン酸、ヒドロキシ基含有アルカンスルホ
ン酸またはこれらの塩類、アセチレンアルコールアルキ
レンオキシド付加物、ポリエチレングリコールおよび有
機リン化合物の4成分を必須成分とするエッチング促進
添加剤が提案されているが、これらの添加剤はエッチン
グ面の真円性、または直線性、あるいは孔径の均一性な
どの点については考慮されていない。
アルカンスルホン酸、ヒドロキシ基含有アルカンスルホ
ン酸またはこれらの塩類、アセチレンアルコールアルキ
レンオキシド付加物、ポリエチレングリコールおよび有
機リン化合物の4成分を必須成分とするエッチング促進
添加剤が提案されているが、これらの添加剤はエッチン
グ面の真円性、または直線性、あるいは孔径の均一性な
どの点については考慮されていない。
【0008】また特開平4−56784号公報には、炭
素数3〜6のアセチレンアルコールおよびSO2とジア
リルアンモニウム塩およびジアリルアミン塩から選ばれ
る1種以上の共重合物を必須成分とするエッチング促進
添加剤が提案されている。さらに特開平6−20038
5号公報には、平滑性、直線性等を改善するためのエッ
チング用添加剤として、炭素数3〜6のアセチレンアル
コールと、多価アルコールと−S基、−S基もしくは>
C=S基とを含む有機硫黄化合物が有効であると提案さ
れている。しかしながら、上記の組成物では温度が65
℃以上の条件でエッチング試験を行うとNi−Fe合金
板に対して安定した仕上がり(平滑性、真円性、孔径の
均一性)向上の効果が確認できなかった。
素数3〜6のアセチレンアルコールおよびSO2とジア
リルアンモニウム塩およびジアリルアミン塩から選ばれ
る1種以上の共重合物を必須成分とするエッチング促進
添加剤が提案されている。さらに特開平6−20038
5号公報には、平滑性、直線性等を改善するためのエッ
チング用添加剤として、炭素数3〜6のアセチレンアル
コールと、多価アルコールと−S基、−S基もしくは>
C=S基とを含む有機硫黄化合物が有効であると提案さ
れている。しかしながら、上記の組成物では温度が65
℃以上の条件でエッチング試験を行うとNi−Fe合金
板に対して安定した仕上がり(平滑性、真円性、孔径の
均一性)向上の効果が確認できなかった。
【0009】また特公平3−77279号公報には、鉄
系金属の化学溶解用添加剤および化学溶解処理液の組成
成分中にオキシホスホン酸やアミノホスホン酸が提案さ
れており、温度60℃以下での表面仕上がり効果が確認
されている。温度60℃以下では、Ni−Fe合金のエ
ッチング速度が遅く、生産性が低下し実用的には好まし
くない。
系金属の化学溶解用添加剤および化学溶解処理液の組成
成分中にオキシホスホン酸やアミノホスホン酸が提案さ
れており、温度60℃以下での表面仕上がり効果が確認
されている。温度60℃以下では、Ni−Fe合金のエ
ッチング速度が遅く、生産性が低下し実用的には好まし
くない。
【0010】また特開平4−56784号公報に提案さ
れている炭素数3〜6のアセチレンアルコールは、臭気
が強く作業環境を悪化させるため好ましくない。また、
特開平10−46365号公報の実施例に示されたエッ
チング添加剤に含有されている有機硫黄化合物bv(エ
チレンチオ尿素)は、平滑性の向上に寄与すると提案さ
れているが、エチレンチオ尿素は労安法の指定化学物質
であり、人体の健康に影響を及ぼす恐れがあるため取り
扱い上の注意が必要となり好ましくない。
れている炭素数3〜6のアセチレンアルコールは、臭気
が強く作業環境を悪化させるため好ましくない。また、
特開平10−46365号公報の実施例に示されたエッ
チング添加剤に含有されている有機硫黄化合物bv(エ
チレンチオ尿素)は、平滑性の向上に寄与すると提案さ
れているが、エチレンチオ尿素は労安法の指定化学物質
であり、人体の健康に影響を及ぼす恐れがあるため取り
扱い上の注意が必要となり好ましくない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エッ
チングが実用化される塩化第二鉄水溶液の温度が50℃
以上でもエッチング後のエッチング面の平滑性、直線
性、真円性、孔径の均一性等の仕上がり効果が得られ、
作業環境上問題なく、人体に対して安全であるNi−F
e合金のエッチング用組成物およびエッチング方法を提
供することである。
チングが実用化される塩化第二鉄水溶液の温度が50℃
以上でもエッチング後のエッチング面の平滑性、直線
性、真円性、孔径の均一性等の仕上がり効果が得られ、
作業環境上問題なく、人体に対して安全であるNi−F
e合金のエッチング用組成物およびエッチング方法を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩酸(HCl
として)0.01〜2.0重量部、好ましくは0.1〜
0.9重量部と、有機ホスホン酸またはその塩0.01
〜5.0重量部、好ましくは0.03〜1.0重量部と
を含み、30〜60重量%、好ましくは45〜60重量
%の塩化第二鉄水溶液によって100重量部に調整した
ことを特徴とするNi−Fe合金のエッチング用組成物
である。
として)0.01〜2.0重量部、好ましくは0.1〜
0.9重量部と、有機ホスホン酸またはその塩0.01
〜5.0重量部、好ましくは0.03〜1.0重量部と
を含み、30〜60重量%、好ましくは45〜60重量
%の塩化第二鉄水溶液によって100重量部に調整した
ことを特徴とするNi−Fe合金のエッチング用組成物
である。
【0013】本発明に従えば、エッチング剤としての塩
化第二鉄水溶液の濃度は、30〜60重量%、好ましく
は45〜60重量%、さらに好ましくは50〜60重量
%とされる。塩化第二鉄水溶液の濃度が30重量%未満
ではエッチング速度は大きくなるが、表面粗度または表
面荒れが大となり、エッチング面の表面平滑性、真円
性、直線性がいずれも悪化する。また塩化第二鉄水溶液
の濃度60重量%以上ではエッチング速度が遅く、生産
性から考え実用的ではない。
化第二鉄水溶液の濃度は、30〜60重量%、好ましく
は45〜60重量%、さらに好ましくは50〜60重量
%とされる。塩化第二鉄水溶液の濃度が30重量%未満
ではエッチング速度は大きくなるが、表面粗度または表
面荒れが大となり、エッチング面の表面平滑性、真円
性、直線性がいずれも悪化する。また塩化第二鉄水溶液
の濃度60重量%以上ではエッチング速度が遅く、生産
性から考え実用的ではない。
【0014】また塩酸は、HClとして、前記エッチン
グ剤に0.01〜2.0重量%、好ましくは0.1〜
0.9重量%添加される。塩酸濃度が0.01重量%未
満では、Ni−Fe合金のフォトエッチング孔径または
線幅の均一性が得難く、また表面の平滑性、真円性が悪
くなる。また塩酸濃度が2.0重量%を超えると、基板
とフォトレジストの密着性に悪影響を与え、サイドエッ
チングが大きくなり、エッチングファクタを低下させ
る。
グ剤に0.01〜2.0重量%、好ましくは0.1〜
0.9重量%添加される。塩酸濃度が0.01重量%未
満では、Ni−Fe合金のフォトエッチング孔径または
線幅の均一性が得難く、また表面の平滑性、真円性が悪
くなる。また塩酸濃度が2.0重量%を超えると、基板
とフォトレジストの密着性に悪影響を与え、サイドエッ
チングが大きくなり、エッチングファクタを低下させ
る。
【0015】また有機ホスホン酸またはその塩は、前記
エッチング剤に0.01〜5.0重量%、好ましくは
0.03〜1.0重量%添加される。この濃度が0.0
1重量%未満では所定の効果が得られず、5重量%を超
えると、エッチング剤中に安定して溶解させることがで
きない。
エッチング剤に0.01〜5.0重量%、好ましくは
0.03〜1.0重量%添加される。この濃度が0.0
1重量%未満では所定の効果が得られず、5重量%を超
えると、エッチング剤中に安定して溶解させることがで
きない。
【0016】また本発明は、前記エッチング用組成物が
50℃以上であることを特徴とする。
50℃以上であることを特徴とする。
【0017】本発明に従うエッチング用組成物は、50
℃以上でNi−Fe合金をエッチングしても、エッチン
グ面の平滑性、真円性、直線性が良好な状態で保持され
る。したがって実用的に好ましい速度で仕上がりが向上
したエッチングができる。
℃以上でNi−Fe合金をエッチングしても、エッチン
グ面の平滑性、真円性、直線性が良好な状態で保持され
る。したがって実用的に好ましい速度で仕上がりが向上
したエッチングができる。
【0018】また本発明は、有機ホスホン酸がアミノト
リメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレ
ンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレン
ホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホス
ホン酸の少なくとも1種以上であり、その塩がナトリウ
ム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩、アルカノールアミン塩のいずれかであることを特
徴とする。
リメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレ
ンホスホン酸、ヘキサメチレンジアミンテトラメチレン
ホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホス
ホン酸の少なくとも1種以上であり、その塩がナトリウ
ム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミ
ン塩、アルカノールアミン塩のいずれかであることを特
徴とする。
【0019】本発明に従えば、有機ホスホン酸またはそ
の塩は、特に限定されるものではないが、有機ホスホン
酸としては、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジ
アミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジア
ミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン
ペンタメチレンホスホン酸などが好ましい。また、有機
ホスホン酸塩として上記有機ホスホン酸のナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン
塩、アルカノールアミン塩が好ましい。アミン塩とし
て、エチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミ
ン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン
などが例示される。またアルカノールアミン塩として、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミンなどが例示される。
の塩は、特に限定されるものではないが、有機ホスホン
酸としては、アミノトリメチレンホスホン酸、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジ
アミンテトラメチレンホスホン酸、ヘキサメチレンジア
ミンテトラメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミン
ペンタメチレンホスホン酸などが好ましい。また、有機
ホスホン酸塩として上記有機ホスホン酸のナトリウム
塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン
塩、アルカノールアミン塩が好ましい。アミン塩とし
て、エチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミ
ン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン
などが例示される。またアルカノールアミン塩として、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタ
ノールアミンなどが例示される。
【0020】また本発明は、前記エッチング用組成物
を、50℃以上、好ましくは60〜80℃の温度で使用
することを特徴とするNi−Fe合金のエッチング方法
である。
を、50℃以上、好ましくは60〜80℃の温度で使用
することを特徴とするNi−Fe合金のエッチング方法
である。
【0021】本発明に従えば、Ni−Fe合金をエッチ
ングするために、前記エッチング用組成物は50℃以
上、好ましくは60〜80℃の範囲の温度で使用され
る。
ングするために、前記エッチング用組成物は50℃以
上、好ましくは60〜80℃の範囲の温度で使用され
る。
【0022】エッチング用組成物の温度は、60℃未満
ではエッチング速度が遅く好ましくない。特に50℃未
満ではエッチングが実用化できないほどエッチング速度
が遅い。80℃を超えると、エッチング面の平滑性が劣
り好ましくない。
ではエッチング速度が遅く好ましくない。特に50℃未
満ではエッチングが実用化できないほどエッチング速度
が遅い。80℃を超えると、エッチング面の平滑性が劣
り好ましくない。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例および比較
例によって、具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
例によって、具体的に説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
【0024】(実施例1および比較例1)板厚150μ
m、縦横400mmの36%Ni−Fe合金板の表裏面
に水溶性レジストで、直径100μmの丸孔パターンを
数百個/cm2塗布したものを試験片とした。この試験
片に温度65℃で、表1に示す有機ホスホン酸またはそ
の塩(c)と塩酸(b)と塩化第二鉄(a)とを表2の
割合で含む水溶液から成る本発明のエッチング用組成
物、および(c)成分を含まない表2で示す比較例のエ
ッチング用組成物を、スプレ圧2.0kgf/cm2の
条件でスプレ噴霧し、エッチングを行った。エッチング
試験結果を表2に示す。
m、縦横400mmの36%Ni−Fe合金板の表裏面
に水溶性レジストで、直径100μmの丸孔パターンを
数百個/cm2塗布したものを試験片とした。この試験
片に温度65℃で、表1に示す有機ホスホン酸またはそ
の塩(c)と塩酸(b)と塩化第二鉄(a)とを表2の
割合で含む水溶液から成る本発明のエッチング用組成
物、および(c)成分を含まない表2で示す比較例のエ
ッチング用組成物を、スプレ圧2.0kgf/cm2の
条件でスプレ噴霧し、エッチングを行った。エッチング
試験結果を表2に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表2に示すように、本発明のエッチング用
組成物で処理した試験片は、表面の仕上がり(平滑性、
真円性、孔径の均一性)は良好であった。比較例のエッ
チング用組成物で処理した試験片は、表面の仕上がりが
悪く、エッチングファクタも低いことが判る。
組成物で処理した試験片は、表面の仕上がり(平滑性、
真円性、孔径の均一性)は良好であった。比較例のエッ
チング用組成物で処理した試験片は、表面の仕上がりが
悪く、エッチングファクタも低いことが判る。
【0028】(実施例2および比較例2)板厚150μ
m、縦横各400mmの42%Ni−Fe合金板の表裏
に水溶性レジストで、線幅100μmのパターンを配布
したものを試験片とした。この試験片を実施例1および
比較例1と同条件でスプレ噴霧し、エッチングを行っ
た。エッチング試験結果を表3に示す。
m、縦横各400mmの42%Ni−Fe合金板の表裏
に水溶性レジストで、線幅100μmのパターンを配布
したものを試験片とした。この試験片を実施例1および
比較例1と同条件でスプレ噴霧し、エッチングを行っ
た。エッチング試験結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3に示すように、本発明のエッチング用
組成物で処理した試験片は、表面の仕上がり性能として
の平滑性および直線(スリットの蛇行性)は良好であっ
た。比較例のエッチング用組成物で処理した試験片は、
表面の仕上がりが悪くエッチングファクタも低いことが
判る。
組成物で処理した試験片は、表面の仕上がり性能として
の平滑性および直線(スリットの蛇行性)は良好であっ
た。比較例のエッチング用組成物で処理した試験片は、
表面の仕上がりが悪くエッチングファクタも低いことが
判る。
【0031】(実施例3)実施例1と同じ試験片を用
い、この試験片に温度を50〜90℃の範囲で変化した
実施例1と同じエッチング用組成物を実施例1と同一ス
プレ圧でスプレ噴霧し、エッチングを行った。エッチン
グ試験結果を表4に示す。
い、この試験片に温度を50〜90℃の範囲で変化した
実施例1と同じエッチング用組成物を実施例1と同一ス
プレ圧でスプレ噴霧し、エッチングを行った。エッチン
グ試験結果を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】表4に示すように、エッチング組成物の温
度が好ましい範囲(60〜80℃)ではエッチング速度
が早く、表面平滑性がよいが、温度が60℃未満の50
℃ではエッチング速度が遅く、また温度が80℃を超え
る90℃では表面平滑性が劣ることが判る。またエッチ
ング速度は、温度が50℃未満では、さらに遅くなり実
際に用いることはできない。
度が好ましい範囲(60〜80℃)ではエッチング速度
が早く、表面平滑性がよいが、温度が60℃未満の50
℃ではエッチング速度が遅く、また温度が80℃を超え
る90℃では表面平滑性が劣ることが判る。またエッチ
ング速度は、温度が50℃未満では、さらに遅くなり実
際に用いることはできない。
【0034】なお表面の仕上がり、エッチング速度(E
R)およびエッチングファクタ(EF)は次の方法で求
めた。
R)およびエッチングファクタ(EF)は次の方法で求
めた。
【0035】・表面仕上がり 上下からのスプレで貫通させたエッチング部分を走査電
子顕微鏡で観察し、エッチング面の平滑性、真円性、孔
径の均一性について目視判定した。◎:仕上がり非常に
良好、○:仕上がり良好、×:仕上がり不良をそれぞれ
示す。
子顕微鏡で観察し、エッチング面の平滑性、真円性、孔
径の均一性について目視判定した。◎:仕上がり非常に
良好、○:仕上がり良好、×:仕上がり不良をそれぞれ
示す。
【0036】・エッチング速度(ER) 試験片の板厚約半分のところまで片面からスプレーエッ
チングし、単位時間当りの孔の深さで表した。単位:μ
m/min
チングし、単位時間当りの孔の深さで表した。単位:μ
m/min
【0037】・エッチングファクタ(EF) 試験片の板厚約半分のところまで片面からスプレーエッ
チングし、レジストの開孔幅(W1)、エッチング後の
開孔幅(W2)、深さ(D)から次式により求めた。 EF = 2D /(W2−W1) EF値が大きくなるほど微細加工性が優れていることを
意味するものである。
チングし、レジストの開孔幅(W1)、エッチング後の
開孔幅(W2)、深さ(D)から次式により求めた。 EF = 2D /(W2−W1) EF値が大きくなるほど微細加工性が優れていることを
意味するものである。
【0038】
【発明の効果】以上のように請求項1〜6に記載の本発
明によれば、塩化第二鉄水溶液に塩酸と、有機ホスホン
酸またはその塩とを添加したエッチング用組成物による
Ni−Fe合金板のフォトエッチングによって、エッチ
ング速度が実用できる程度に大きくエッチングパターン
の微細化に伴うエッチング処理面の仕上がりが良好とな
る。
明によれば、塩化第二鉄水溶液に塩酸と、有機ホスホン
酸またはその塩とを添加したエッチング用組成物による
Ni−Fe合金板のフォトエッチングによって、エッチ
ング速度が実用できる程度に大きくエッチングパターン
の微細化に伴うエッチング処理面の仕上がりが良好とな
る。
【0039】また、請求項7,8に記載の本発明によれ
ば、前記エッチング組成物でNi−Fe合金をエッチン
グするときの温度は50℃以上、好ましくは60〜80
℃の範囲である。これによってエッチング速度は、実用
化できる程度であり、またエッチング面の平滑性が劣る
こともない。
ば、前記エッチング組成物でNi−Fe合金をエッチン
グするときの温度は50℃以上、好ましくは60〜80
℃の範囲である。これによってエッチング速度は、実用
化できる程度であり、またエッチング面の平滑性が劣る
こともない。
Claims (8)
- 【請求項1】 塩酸(HClとして)0.01〜2.0
重量部と、有機ホスホン酸またはその塩0.01〜5.
0重量部とを含み、30〜60重量%の塩化第二鉄水溶
液によって100重量部に調整したことを特徴とするN
i−Fe合金のエッチング用組成物。 - 【請求項2】 塩酸(HClとして)0.01〜2.0
重量部と、有機ホスホン酸またはその塩0.01〜5.
0重量部とを含み、30〜60重量%の塩化第二鉄水溶
液によって100重量部に調整したことを特徴とするN
i−Fe合金の50℃以上でのエッチング用組成物。 - 【請求項3】 塩化第二鉄水溶液の濃度が45〜60重
量%であることを特徴とする請求項1または2記載の組
成物。 - 【請求項4】 塩酸がHClとして0.1〜0.9重量
部含有されることを特徴とする請求項1または2記載の
組成物。 - 【請求項5】 有機ホスホン酸またはその塩が0.03
〜1.0重量%含有されることを特徴とする請求項1ま
たは2記載の組成物。 - 【請求項6】 有機ホスホン酸がアミノトリメチレンホ
スホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、
ヘキサメチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ジ
エチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸の少なく
とも1種以上であり、その塩がナトリウム塩、カリウム
塩、リチウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノ
ールアミン塩のいずれかであることを特徴とする請求項
1または2記載の組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のエッチ
ング用組成物を、50℃以上温度で使用することを特徴
とするNi−Fe合金のエッチング方法。 - 【請求項8】 前記使用温度が60〜80℃の範囲であ
ることを特徴とする請求項7に記載のエッチング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11234679A JP2001059192A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | Ni−Fe合金のエッチング用組成物およびエッチング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11234679A JP2001059192A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | Ni−Fe合金のエッチング用組成物およびエッチング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001059192A true JP2001059192A (ja) | 2001-03-06 |
Family
ID=16974768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11234679A Pending JP2001059192A (ja) | 1999-08-20 | 1999-08-20 | Ni−Fe合金のエッチング用組成物およびエッチング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001059192A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10151180A1 (de) * | 2001-10-17 | 2003-04-30 | Norbert Nowack | Verfahren zur Entmetallisierung von metallischen Gegenständen |
CN116121754A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-05-16 | 浙江奥首材料科技有限公司 | 一种有机体系Al/Mo蚀刻液、其制备方法及应用 |
-
1999
- 1999-08-20 JP JP11234679A patent/JP2001059192A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10151180A1 (de) * | 2001-10-17 | 2003-04-30 | Norbert Nowack | Verfahren zur Entmetallisierung von metallischen Gegenständen |
DE10151180A8 (de) * | 2001-10-17 | 2010-03-18 | Nowack, Norbert, Prof. Dr.-Ing. | Verfahren und Lösung zur Entschichtung von metallischen Gegenständen mit Nickel-Korrosionsschutzbeschichtung |
DE10151180B4 (de) * | 2001-10-17 | 2010-05-12 | Nowack, Norbert, Prof. Dr.-Ing. | Verfahren und Lösung zur Entschichtung von metallischen Gegenständen mit Nickel-Korrosionsschutzbeschichtung |
CN116121754A (zh) * | 2022-12-30 | 2023-05-16 | 浙江奥首材料科技有限公司 | 一种有机体系Al/Mo蚀刻液、其制备方法及应用 |
CN116121754B (zh) * | 2022-12-30 | 2023-11-17 | 浙江奥首材料科技有限公司 | 一种有机体系Al/Mo蚀刻液、其制备方法及应用 |
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