JP2001057065A - ハードディスク装置のシール方法及びホットメルト型シーリング剤組成物 - Google Patents

ハードディスク装置のシール方法及びホットメルト型シーリング剤組成物

Info

Publication number
JP2001057065A
JP2001057065A JP11230179A JP23017999A JP2001057065A JP 2001057065 A JP2001057065 A JP 2001057065A JP 11230179 A JP11230179 A JP 11230179A JP 23017999 A JP23017999 A JP 23017999A JP 2001057065 A JP2001057065 A JP 2001057065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hard disk
sealing agent
disk drive
coating
sealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11230179A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuto Fukuda
勝人 福田
Sadahiro Ii
定弘 伊井
Mari Konosu
真理 鴻巣
Tamio Akata
民生 赤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsumura Oil Research Corp
Original Assignee
Matsumura Oil Research Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsumura Oil Research Corp filed Critical Matsumura Oil Research Corp
Priority to JP11230179A priority Critical patent/JP2001057065A/ja
Publication of JP2001057065A publication Critical patent/JP2001057065A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立時におけるシーリング剤の取り付け作業
を要さず、金型や抜き型を使用しないハードディスクド
ライブのシール方法、およびハードディスクヘッドの浮
遊安定性を阻害したり、他の材料に対して悪影響を及ぼ
すことの無い上、耐熱性に優れたハードディスク装置用
ホットメルト型(HM型)シーリング剤組成物を提供す
ることにある。 【解決手段】 ホットメルト型シーリング剤組成物をハ
ードディスクドライブのカバー面上に溶融塗工後、冷却
により固化させ、ハードディスクドライブ本体に装着す
ることによってハードディスクドライブを組み立てるこ
とを特徴とするハードディスクドライブのシール方法、
およびこの方法に好適に使用されるホットメルト型シー
リング剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブのシール方法、これに用いられるホットメルト型
シーリング剤組成物及びこれを用いて作成されるハード
ディスクドライブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置はアルミニウム合金
などで成形された円盤上に磁性体を固着させたハードデ
ィスクを密閉容器内に収めると共に、該ハードディスク
と約0.05〜0.1μmの隙間を介して磁気ヘッドを装
着し、該磁気ヘッドによって情報の記録および読出しを
行う装置であるが、その密閉容器内に塵埃が生じたり、
外部から塵埃が侵入するとディスクの磁性面もしくは磁
気ヘッドが破壊される場合がある。したがって、これに
ついてはその密閉容器内に高性能フィルターを有する空
気循環機を装着させて内外からの塵埃を補集して内部の
空気を清浄に維持するようにしている。
【0003】また、これについては外部からの塵埃など
の侵入を防止するために密閉容器を形成しているカバー
と容器の隙間を遮断するシーリング剤が設けられている
が、シーリング剤自体が塵埃や凝集性気体または液体等
(アウトガスという)を発生させるものであってはなら
ないことから、従来、ネオプレンゴム、ウレタンゴム、
シリコーンゴム、NBRゴム、もしくはこれらの発泡ゴ
ム、または、ポリオレフィンの発泡ゴムなどが使用され
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、上記のシーリン
グ剤は、成形シートを所定形状に打ち抜いた打抜シーリ
ング剤や、所定形状に成形した成形シーリング剤として
使用されるので、前者の場合には、成形シートを打抜く
ための金型および抜き型が必要となる上、カットロスが
発生し製造コストが高くなると共に、発生材の廃棄物処
理の問題が生じるという欠点があった。また、後者の場
合には成形用の金型が必要となるので製造コストが高く
なると共に、成形時のバリ取りが不十分であると塵埃な
どの発生原因になるという欠点を有していた。
【0005】更に、上記のシーリング剤は、接着剤を使
用して蓋部に取り付けたり、予め片面に順次粘着剤およ
び剥離紙を設けておき、使用に際し剥離紙をはがして蓋
部に取り付けたりするので、作業が煩雑である上シーリ
ング剤を蓋部の所定の位置に正確に取りつけるには熟練
を要し、製造コストも高くなるという欠点を有してい
た。また、粘着剤や接着剤は塵埃等の発生原因ともなっ
ていた。
【0006】加えて、近年のハードディスク装置の高性
能化により、内部温度が90℃前後まで上昇するためシ
ーリング剤から低分子量化合物の揮散があることが判明
した。
【0007】揮散成分は通常アウトガスと呼ばれるが、
イオウ、臭素、塩素などの腐食ガスや、シロキサンガ
ス、アクリルやスチレンの未反応モノマー、低分子量炭
化水素、有機スズ触媒などが挙げられ、これらがハード
ディスクヘッドに吸着されてヘッドの浮遊安定性を阻害
したり、他の材料に対し悪影響を及ぼすことが判明し
た。
【0008】本発明の課題は、組立時におけるシーリン
グ剤の取り付け作業を要さず、金型や抜き型を使用しな
いハードディスクドライブのシール方法を提供すること
にある。また、本発明の他の課題は、ハードディスクヘ
ッドの浮遊安定性を阻害したり、他の材料に対して悪影
響を及ぼすことの無い上、耐熱性に優れたハードディス
ク装置用ホットメルト型(HM型)シーリング剤組成物
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホットメルト
型シーリング剤組成物をハードディスクドライブのカバ
ー面上に溶融塗工後、冷却により固化させ、ハードディ
スクドライブ本体に装着することによってハードディス
クドライブを組み立てることを特徴とするハードディス
クドライブのシール方法に係る。
【0010】また本発明は熱可塑性ブロック共重合体エ
ラストマー30〜70%、軟化点110℃以上の粘着付
与剤1〜50%、25℃における蒸気圧が10−2MP
a以下の軟化剤10〜40%を含有する、ハードディス
クドライブカバー用ホットメルト型シーリング剤組成物
に係る。
【0011】本発明者らは従来技術の不利を解決するこ
とができるハードディスク装置用カバー・シーリング剤
組立体の製造方法について種々検討した結果、これにつ
いては熱可塑性エラストマーを主成分としたホットメル
ト型シーリング剤を溶融状態でハードディスク装置用収
納容器蓋部に直接塗工し、数秒ないし数分間放冷固化さ
せて組立体を製造すれば、シーリング剤成形品のみを金
型で成形したり、シートから打抜く必要が無くなるし、
この成形品、打抜き品の接着剤、剥離紙処理、カバーと
成形品、打抜き品との接着工程も不要となるために、シ
ーリング剤自身の清浄性が向上し、さらに接着剤、粘着
剤によるカバー汚染も無くなり、組立体の洗浄も可能に
なるということを見出すと共に、これによれば工程が簡
単であり、効率よく生産することができ、しかも寸法精
度の高いものが得られるし、安価、軽量で造形性に富ん
だものが得られることを見出した。
【0012】さらに本発明のホットメルト型シーリング
剤は、塵埃等に対するシール性を有することに加え、シ
ーリング剤自身から腐食性、凝集性を持つアウトガスが
でないこと、近年のハードディスクに対応可能な耐熱性
を有すること、水による洗浄が可能なことなど卓越した
ホットメルト型シーリング剤であることを見出した。
【0013】本発明は、上記のようなホットメルト型シ
ーリング剤組成物をハードディスクドライブのカバー面
上に溶融塗工後、冷却により固化させ、ハードディスク
ドライブ本体に装着することは、従来全く行われたこと
のない新規な方法であり、これにより上記のようなシー
リング剤成形品のみを金型で成形したり、シートから打
抜く必要が無くなるし、この成形品、打抜き品の接着
剤、剥離紙処理、カバーと成形品、打抜き品との接着工
程も不要等、種々の卓越した効果を奏するものである。
【0014】本発明において使用する容器本体および蓋
部は公知のハードディスク装置用収納容器の中から適宜
選択して使用することができる。その材質としては例え
ばステンレス、アルミニウム、ニッケル−リンメッキ鋼
板等が例示できるが、何らこれらに限定されるものでは
ない。
【0015】本発明において使用される熱可塑性ブロッ
ク共重合体エラストマーとしては、例えば同一分子内に
ソフトセグメントと、ハードセグメントを有した粘弾性
を持つ熱可塑性エラストマー(以下、Thermoplastic el
astomer, TPEという)を例示できる。例えば、スチ
レン系TPE、オレフィン系TPE、塩化ビニル系TP
E、ウレタン系TPE、エステル系TPE、アミド系T
PE、フッ素系TPEなどが挙げられるが、粘弾性、ア
ウトガス量、汎用性から考慮するとスチレン系TPEも
しくはオレフィン系TPEが好ましい。
【0016】中でも、スチレン系TPEにおいては、ス
チレン含有量が15%以上でカップリング率が50%以
上のスチレンイソプロピレンスチレンブロックコポリマ
ー(SIS)、スチレンブタジエンスチレンブロックコ
ポリマー(SBS)、もしくはそれらの水素添加ポリマ
ー(SEBS、SEPS等)が好ましく用いられる。
【0017】スチレン含有量が多いのが好ましい理由
は、スチレン含有量が多いとシーリング剤として使用し
た際、弾性率が高くなり、ハードディスクドライブ(H
DD)が発熱した際にも、シーリング剤の熱による変形
や、HDD本体との接着、外部へのはみ出しが起こりに
くくなるためである。
【0018】カップリング率が多いのが好ましい理由
は、カップリング率が多いスチレン系TPEはトリブロ
ックが多く、凝集力が高いためハードディスク装置が発
熱した際にも、シーリング剤の熱による変形や、HDD
本体との接着、外部へのはみ出しが起こりにくくなるな
ど耐熱性への信頼性が向上するためである。一般にHD
Dが発熱した際シール材が温まり、シール材に粘着力が
発生し、HDD本体と接着し、HDDの蓋を再開閉でき
ない可能性があるが、本発明においてはHDD使用温度
では粘着力が発生しないという優れた特徴を有する。
【0019】また、本発明のシーリング剤は、粘着付与
剤(タッキファイヤー)、軟化剤を含有する。また、必
要に応じて炭酸カルシウムや、水酸化マグネシウム、チ
タン白等の充填材や色素などを含有させることもでき
る。また、好ましくはそれらの組成物に低分子量の成分
が存在しない化合物を用いることにより、シーリング剤
自体から塵埃や凝集性気体または液体等(アウトガス)
が発生しにくくなる。
【0020】シーリング剤に粘着付与剤を用いる理由と
しては、ハードディスク装置収納容器蓋部にシーリング
剤を直接塗布する際に、シーリング剤溶融時には接着性
を有し、放冷固化後に自己接着性を持ちながら表面タッ
クを無くす機能を持たせるためである。
【0021】粘着付与剤としては石油樹脂系、天然樹脂
系に限らないが、低分子量をできるだけカットし、ハー
ドディスク発熱時の温度以内にガラス転移温度を持たな
いもの、かつ冷却固化後にタックを持たないもの、臭気
を持たないものが望ましい。さらに望ましくは、水素添
加処理により凝集性気体分子を除去したグレードが最も
良い。
【0022】シーリング剤組成物中の粘着付与剤の量と
しては全量中の1〜50%(重量%、以下同様)が良
く、特に5〜40%が望ましい。粘着付与剤を使用しな
い場合は自己接着性が低下し、シーリング剤がハードデ
ィスク収納容器蓋部から外れるなど作業性が低下する。
また、粘着付与剤が多すぎると耐熱性が低下すると共に
シーリング剤の弾性も低下するため、気密性が悪くなる
傾向になる。
【0023】シーリング剤に軟化剤を用いる理由として
は、ハードディスク装置収納容器蓋部にシーリング剤を
直接塗布する際に、シーリング剤の溶融粘度を低下させ
ることで作業性が向上し、かつ塗工精度も良好になるた
めである。軟化剤に付いても同様に低分子量がなるべく
少ないもの、蒸気圧ができるだけ低いものが望ましく、
特に真空ポンプ用オイルの様な25℃における蒸気圧が
10−2MPa以下のものが好ましい。
【0024】シーリング剤組成物中の軟化剤の量として
は全量中の10〜40%が良く、特に15〜35%が望
ましい。軟化剤が少なすぎるとシーリング剤の溶融粘度
が上昇し、ハードディスク装置収納容器蓋部にシーリン
グ剤を直接塗布する際の生産効率が低下し、しかも寸法
精度が悪くなる傾向がある。また、軟化剤が多すぎると
耐熱性が低下し、ハードディスク発熱時にシーリング剤
が変形したり、流出する恐れがある。
【0025】その他の成分として、シール性、耐熱性、
塗工性、アウトガス流出に付いて悪影響を与えない限
り、それ自体周知の種々の添加剤を配合することができ
る。例えば、老化防止剤、凝集力向上、耐熱性向上をね
らった炭酸カルシウム、水酸化マグネシウムなどの無機
分散材、顔料などを必要に応じて配合することができ
る。
【0026】本発明のハードディスク装置用カバーシー
リング剤は、上述したシーリング剤を溶融状態でハード
ディスク装置用収納容器蓋部の所定の位置に塗布し、数
秒ないし数分間放冷固化させて使用する。
【0027】本発明において使用されるシーリング剤は
周知のホットメルト塗工機をベースとした装置で塗布す
ることができる。その際、その塗工機には次の機能を付
与する必要がある。
【0028】塗工装置へのシーリング剤供給時において
は、HM型シーリング剤は溶融状態でポンプ輸送が可能
であるため、周知のホットメルト塗工機に使用できるア
プリケーターとギアポンプを用いることが望ましい。好
ましくは、窒素充填下、もしくはドラムメルター型の供
給装置を用い使用する量だけを溶融するようにすれば、
熱劣化などによるシーリング剤の性能低下を防止でき
る。
【0029】ハードディスク装置用収納容器蓋部にシー
リング剤を塗工する塗工ヘッドには、塗工ヘッドをロボ
ットアームに固定し所定の箇所に塗工する方法と、収納
容器蓋部を稼動台に設置し塗工ヘッドを固定する方法等
が挙げられるが、前者の方法がより精度良くかつ量産性
に富んだ方法であり好ましい。
【0030】塗工方法において塗布ロボット、ドラムメ
ルター型シーリング剤供給部、周知のホットメルト塗工
機を使用することにより、HM型シーリング剤を供給部
で輸送し、塗工機内で流量等を制御し、蓋部材上に塗工
ヘッドによって該組成物の塗布を行うと同時に、塗布ロ
ボットにより予め記憶されたパターンにしたがって塗布
を行い、速やかに固化した後シーリング剤の形成が行わ
れる。かかる方法においては、シーリング剤が形成され
る位置を極めて正確に設定することができる。また、固
化後においては、必要に応じて、水洗浄、エアー洗浄、
乾燥等のクリーン処理を行うことができる。
【0031】かくして得られるカバーシーリング剤組立
体は、ハードディスク装置収納容器にビス等で締結する
ことにより、これと一体化され、ハードディスク装置が
製造されるが、この際シーリング剤を構成する組成物は
適当な硬度を有するため、該カバーに加わる応力が有効
に軽減される。また、この本発明のシーリング剤は気体
透過性、水分透過性が極めて低く、シール性は良好であ
る。
【0032】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳
細に説明するが、何らこれらに限定されるものではな
い。
【0033】実施例1 200℃まで加熱可能な双腕型ニーダーに粘着付与剤と
して水添DCPD重合物(トーネックス製:ECR−2
28F)を100部、水添スチレン系ブロック熱可塑性
エラストマー(TPE)であるSEPS(クラレ製:セ
プトン2002:スチレン30%、カップリング率10
0%)を200部投入し、160℃で1時間、加熱、混
練した後、オレフィン系ランダムTPE(三洋化成工業
製:ハイマー330P)を100部添加し、更に1時
間、加熱、混練する。内容物が均一になった状態で最後
に軟化剤として真空ポンプ油として用いられる特殊精製
鉱物油(松村石油研究所製:MR−200)を100部
投入し、更に1時間、加熱、攪拌を行った後、ニーダー
より内容物を取り出し、シーリング剤を作成した。
【0034】実施例2 実施例1と同様、ニーダーに粘着付与剤として水添C9
溜分重合体(荒川化学:AP−140)を100部、ス
チレン系ブロックTPEであるSIS(日本ゼオン:Q
T−3460C:スチレン25%、カップリング率60
%)を200部投入し、160℃で1時間、加熱、混練
した後、オレフィン系ランダムTPE(三洋化成工業
製:ハイマー660P)を100部添加し、更に1時
間、加熱、混練する。内容物が均一になった状態で最後
に軟化剤として真空ポンプ油として用いられる特殊精製
鉱物油(松村石油研究所製:MR−100)を100部
投入し、更に1時間、加熱、攪拌を行った後、ニーダー
より内容物を取り出し、シーリング剤を作成した。
【0035】実施例3 実施例1と同様、ニーダーに粘着付与剤としてテルペン
フェノール重合体(ヤスハラケミカル:マイティーエー
ス150G)を100部、オレフィン系ブロックTPE
であるCEBC(JSR:DYNARON6200P:
結晶オレフィン30%)を150部投入し、160℃で
1時間、加熱、混練した後、オレフィン系ランダムTP
E(三洋化成工業製:ハイマー330P)を100部添
加し、更に1時間、加熱、混練する。内容物が均一にな
った状態で最後に軟化剤として真空ポンプ油として用い
られるアルキルジフェニルエーテル(松村石油研究所
製:ネオバックSX)を100部投入し、更に1時間、
加熱、攪拌を行った後、ニーダーより内容物を取り出
し、シーリング剤を作成した。
【0036】比較例1 実施例1と同様、ニーダーに粘着付与剤としてC5C9
溜分重合体(日本ゼオン:H−180X)を100部、
スチレン系ランダムTPEであるHSBR(JSR:D
YNARON1320P:スチレン10%)を200部
投入し、160℃で1時間、加熱、混練した後、オレフ
ィン系ランダムTPE(三洋化成工業製:ハイマー33
0P)を100部添加し、更に1時間、加熱、混練す
る。内容物が均一になった状態で最後に軟化剤として真
空ポンプ油として用いられる特殊精製鉱物油(松村石油
研究所製:MR−200)を100部投入し、更に1時
間、加熱、攪拌を行った後、ニーダーより内容物を取り
出し、シーリング剤を作成した。
【0037】比較例2 実施例1と同様、ニーダーに粘着付与剤として水添C9
溜分重合体(荒川化学:AP−140)を100部、ス
チレン系ブロックTPEであるSIS(日本ゼオン:Q
T−3460C:スチレン25%、カップリング率60
%)を200部投入し、160℃で1時間、加熱、混練
した後、オレフィン系ランダムTPE(三洋化成工業
製:ハイマー660P)を100部添加し、更に1時
間、加熱、混練する。内容物が均一になった状態で最後
に軟化剤として鉱物油(コスモ石油製:60スピンドル
油)を100部投入し、更に1時間、加熱、攪拌を行っ
た後、ニーダーより内容物を取り出し、シーリング剤を
作成した。
【0038】比較例3 実施例1と同様、ニーダーに粘着付与剤として水添C9
溜分重合体(荒川化学:AP−140)を100部、オ
レフィン系ランダムTPEであるAPAO(宇部興産:
UT−2535)を200部投入し、160℃で1時
間、加熱、混練した後、オレフィン系TPEのかわりに
ワックス(CW−220 南ア サゾール公社製)を1
00部添加し、更に1時間、加熱、混練する。内容物が
均一になった状態で最後に軟化剤として真空ポンプ油と
して用いられる特殊精製鉱物油(松村石油研究所製:M
R−200)を100部投入し、更に1時間、加熱、攪
拌を行った後、ニーダーより内容物を取り出し、シーリ
ング剤を作成した。
【0039】比較例4 200℃まで加熱可能な双腕型ニーダーに粘着付与剤と
して水添DCPD重合物(トーネックス製:ECR−2
28F)を100部、水添スチレン系ブロック熱可塑性
エラストマー(TPE)であるSEPS(クラレ製:セ
プトン2002:スチレン30%、カップリング率10
0%)を80部投入し、160℃で1時間、加熱、混練
した後、オレフィン系ランダムTPE(三洋化成工業
製:ハイマー330P)を100部添加し、更に1時
間、加熱、混練する。内容物が均一になった状態で最後
に軟化剤として真空ポンプ油として用いられる特殊精製
鉱物油(松村石油研究所製:MR−200)を100部
投入し、更に1時間、加熱、攪拌を行った後、ニーダー
より内容物を取り出し、シーリング剤を作成した。
【0040】比較例5 市販されているハードディスクドライブに用いられてい
る架橋フッ素ゴム製の成形パッキングを比較例5として
用いた。 比較例6 市販されているハードディスクドライブに用いられてい
るウレタンフォーム製の打抜きパッキングを比較例6と
して用いた。
【0041】塗工例1 ハンダ付けロボット(スカラーアームロボット:安川電
気製作所製 MOTOMAN)と、ホットメルトアプリ
ケーター(ノードソン株式会社 HM3500V)と、
塗工ヘッド(ノードソン株式会社 H−200)とを備
えた塗工システムを使用し、ハードディスク収納容器蓋
部に、HM型シーリング剤を予め記憶されたパターンに
したがって塗工した。塗工条件はディスペンサーノズル
内径1.0mm、アプリケーター内部温度180℃、塗
工温度190℃、塗工スピード50mm/秒、塗工終了
後2秒間ほど放冷し硬化を行った。硬化後は高さ1.5
mm、幅1.5mmの円弧状断面を有するシール材が形
成された。得られたシール材一体型収納容器蓋部の全体
図を図1に、収納容器本体を図2に示した。
【0042】実施例1〜3および比較例1〜4で得られ
たシーリング剤を塗工例1に従って蓋部材上に塗工し、
シーリング剤に必要な評価を行った。以上の各実施例お
よび比較例で得られたシーリング剤について、次の各項
目の測定を行った。 シール性:ハードディスク収納容器内に圧縮空気を用い
て1.0kg/cmの圧力をかける、1時間経過後の
圧力を測定する。 アウトガスの検出:100℃での蒸気を分析するオーバ
ーヘッドガスクロマトグラフィーによって発生有機物の
定量を行った。
【0043】加熱減量:示差熱天秤により、100℃4
時間後の減量を測定した。 表面タック:シール材の表面タックを観察した。 自己接着力:シール材を収納容器に装着する際に、接着
剤や両面テープを必要とするかを比較した。 耐熱性:100℃の恒温槽内でのシール材の変形につい
て目視で観察した。 作業性:機械による自動化が容易なのか、手作業と熟練
が必要なのかを表した。 コスト:シール材一体型収納容器蓋部の一枚当たりのコ
ストを比較した。
【0044】
【表1】
【0045】評価基準を以下に示す。 シール性評価:◎圧力変化なし、○圧力変化10%未
満、△圧力変化10%以上アウトガスの検出:◎検出下
限以下、○僅かに検出された、△明らかにアウトガスが
見られた。 加熱減量:◎減量0%、○減量1%未満、△1%以上 表面タック:◎タック(べたつき感)なし、△タックあ
り 自己接着力:◎接着剤・粘着テープを必要としない、△
接着剤・粘着テープを必要とする 耐熱性:◎シール材に変形はない、△シール材の変形が
ある 作業性:◎機械による自動化が容易、○機械による自動
化をするには熟練が必要、△手作業+熟練が必要 コスト:◎安価、○やや高価、△高価 以上の結果から次のことがいえる。
【0046】実施例1〜3:シール方法に適した、自己
接着性を有し、表面タックが少なく、耐熱性に優れ、ア
ウトガスの無い、透湿性が低く、気密性の高い、ホット
メルト型シーリング剤である。
【0047】比較例1,3,4(ベースポリマーに関す
る知見)より、ランダムTPEを使用するとシール剤の
凝集力が低下し、耐熱性やタックに不具合が現れる。T
PEの量が少ない、もしくはオレフィン系、スチレン系
のブロックTPEを用いないと、弾性が低下し、満足な
シール性が得られない。比較例1(粘着付与剤に関する
知見)より、低軟化点の粘着付与剤を使用するとタック
が発生すると同時にアウトガスが発生する。比較例2
(軟化剤に関する知見)より、蒸気圧の高い軟化剤を使
用するとシール性、表面タック、自己接着力、耐熱性に
は満足なものができるが、アウトガスと加熱減量に問題
を生じ易い。
【0048】比較例6,7(従来使用されているシール
剤)より、架橋フッ素ゴムや、ウレタンフォームはシー
ル性、加熱減量、表面タック、耐熱性に優れているが、
自己接着性を有していない為、接着剤や粘着テープを必
要とする。その為、熟練者の手作業を必要とし作業性が
悪い。また比較例6,7のアウトガスは接着剤や粘着テ
ープから発生する成分である。
【0049】
【発明の効果】本発明で提案するシール材と塗工システ
ムを利用すれば、カバーシーリング剤組立時における製
造コストを大幅に低下することができる。本発明のハー
ドディスク装置用収納容器はシーリング剤として、自己
および周辺に対する汚染物質の揮散と拡散が無い上、組
立時のシーリング剤取り付け作業が不要である。
【0050】また、本発明のハードディスク装置用収納
容器の製造方法は、シーリング剤を溶融状態で蓋部に直
接施こすので、従来の金型や抜き型を使用する場合と異
なり、成形品のバリ抜きや打抜き品のカットロスが生じ
ない上、使用するシーリング剤が室温で即座に固化する
ので、省エネルギーであると共に製造適性にも優れてい
る。また、製造に際して両面テープや汎用接着剤を使用
しないので製造工程も簡略化される上、シーリング剤表
面の粘着性、タックも低いのでハードディスク装置用収
納容器用シーリング剤として清浄性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】シール材一体型収納容器蓋部の上面図である。
【図2】収納容器本体の上面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 33/14 501 G11B 33/14 501P 503 503J (72)発明者 鴻巣 真理 兵庫県西宮市芦原町10−33 株式会社松村 石油研究所内 (72)発明者 赤田 民生 兵庫県西宮市芦原町10−33 株式会社松村 石油研究所内 Fターム(参考) 4D075 BB18Y BB26Z CA47 DA08 DB02 DC19 EA35 EB13 EB14 EB56 4H017 AA03 AA31 AB17 AB18 AC01 AC02 AC09 AC16 AC17 AD06 AE05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホットメルト型シーリング剤組成物をハ
    ードディスクドライブのカバー面上に溶融塗工後、冷却
    により固化させ、ハードディスクドライブ本体に装着す
    ることによってハードディスクドライブを組み立てるこ
    とを特徴とするハードディスクドライブのシール方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ブロック共重合体エラストマー
    30〜70%、軟化点110℃以上の粘着付与剤1〜5
    0%、25℃における蒸気圧が10−2MPa以下の軟
    化剤10〜40%を含有する、ハードディスクドライブ
    カバー用ホットメルト型シーリング剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1のシール方法により請求項2の
    シーリング剤組成物をハードディスクドライブのカバー
    面上に溶融塗工後、冷却により固化させ、ハードディス
    クドライブの本体に装着することにより作成されるハー
    ドディスクドライブ。
JP11230179A 1999-08-17 1999-08-17 ハードディスク装置のシール方法及びホットメルト型シーリング剤組成物 Pending JP2001057065A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11230179A JP2001057065A (ja) 1999-08-17 1999-08-17 ハードディスク装置のシール方法及びホットメルト型シーリング剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11230179A JP2001057065A (ja) 1999-08-17 1999-08-17 ハードディスク装置のシール方法及びホットメルト型シーリング剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001057065A true JP2001057065A (ja) 2001-02-27

Family

ID=16903851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11230179A Pending JP2001057065A (ja) 1999-08-17 1999-08-17 ハードディスク装置のシール方法及びホットメルト型シーリング剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001057065A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001329248A (ja) * 2000-05-19 2001-11-27 Nhk Spring Co Ltd シール部位のシーリング構造
JP2002180032A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Nhk Spring Co Ltd 電子部品のシーリング方法
JP2003055645A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Nhk Spring Co Ltd シール部位のシーリング方法
WO2003073425A1 (fr) * 2002-02-27 2003-09-04 Matsumura Oil Research Corp. Procede de formation de composition de resine thermofusible, procede de scellement d'un lecteur de disque dur au moyen de cette composition, et composition de materiau d'etancheite
US7088309B2 (en) 2001-07-04 2006-08-08 Murata Manufacturing Co., Ltd. Lens antenna
US7256221B2 (en) 2002-11-07 2007-08-14 Corning Incorporated Low outgassing photo or electron beam curable rubbery polymer material, preparation thereof and device comprising same
US7723441B2 (en) 2005-12-29 2010-05-25 Corning Incorporated Low out-gassing room temperature curable rubbery polymer, preparation thereof and device comprising same
WO2010107396A1 (en) * 2009-03-17 2010-09-23 Spn International Pte Ltd. A coating process
JPWO2014013871A1 (ja) * 2012-07-18 2016-06-30 東洋紡株式会社 シール層含有構造体、その製造方法およびコネクタ
JP2018065327A (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 大倉工業株式会社 均一拡張性と復元性に優れるポリオレフィン系フィルム

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001329248A (ja) * 2000-05-19 2001-11-27 Nhk Spring Co Ltd シール部位のシーリング構造
JP2002180032A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Nhk Spring Co Ltd 電子部品のシーリング方法
US7088309B2 (en) 2001-07-04 2006-08-08 Murata Manufacturing Co., Ltd. Lens antenna
JP2003055645A (ja) * 2001-08-10 2003-02-26 Nhk Spring Co Ltd シール部位のシーリング方法
WO2003073425A1 (fr) * 2002-02-27 2003-09-04 Matsumura Oil Research Corp. Procede de formation de composition de resine thermofusible, procede de scellement d'un lecteur de disque dur au moyen de cette composition, et composition de materiau d'etancheite
US7256221B2 (en) 2002-11-07 2007-08-14 Corning Incorporated Low outgassing photo or electron beam curable rubbery polymer material, preparation thereof and device comprising same
US7723441B2 (en) 2005-12-29 2010-05-25 Corning Incorporated Low out-gassing room temperature curable rubbery polymer, preparation thereof and device comprising same
WO2010107396A1 (en) * 2009-03-17 2010-09-23 Spn International Pte Ltd. A coating process
JPWO2014013871A1 (ja) * 2012-07-18 2016-06-30 東洋紡株式会社 シール層含有構造体、その製造方法およびコネクタ
JP2018065327A (ja) * 2016-10-21 2018-04-26 大倉工業株式会社 均一拡張性と復元性に優れるポリオレフィン系フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001057065A (ja) ハードディスク装置のシール方法及びホットメルト型シーリング剤組成物
JP4804007B2 (ja) 粘着製品
CA2203644C (en) Quick-mounting fastening assembly
JP5434046B2 (ja) 感圧式接着組成物及び該感圧式接着組成物を用いた積層体
TW201144402A (en) Method for binding substrate
JP2003171640A (ja) ポリエステル系ホットメルト接着剤組成物、これを用いた金属用接着剤組成物、接着剤フィルム・シート及び金属接着用フィルム・シート
JP2003323781A (ja) ホットメルト型樹脂組成物の成形方法およびそれを用いたハードディスクドライブのシール方法ならびにハードディスクドライブカバー用ホットメルト型シーリング剤組成物
JP4743931B2 (ja) 複合体及びその製造方法
JPWO2020138061A1 (ja) 可剥離塗膜の剥離方法、及び積層体
JP2004036630A (ja) ガスケット及び二部材間の密封構造
WO2004081131A3 (en) Adhesive composition and adhesive tape for mounting a mirror
JP3167404U (ja) 流し台
JP2008223953A (ja) フィルム仮留め一体型ガスケットとその製造方法およびガスケットの取り付け方法
JP2009036381A (ja) ガスケット及び二部材間の密封構造
JPH08229964A (ja) パウダースラッシュ成形装置
JPH04281285A (ja) ハードディスク装置用カバー・パッキング組立体及びその製造方法
TW201412917A (zh) 具硬及軟嵌段之溫度穩定性可交聯黏著劑
JP2001317680A (ja) 制振材の施工方法及び制振材
JP2001294824A (ja) 物品固定用粘着テープ
JP2000215642A (ja) 情報記録再生装置およびそれに用いるディスクドライブ用シ―ル材ならびにその製法
JP2001139930A (ja) ガスケット材
CN220166095U (zh) 一种散热型背胶
JP2001316561A (ja) ハードディスク装置用ガスケットの製造方法
JP2010095283A (ja) ホットメルト接着剤の収容容器及びその収容容器に収容したホットメルト接着剤の供給方法
JP2001208205A (ja) ガスケット及びその製造方法