JP2001056050A - 車両用動力伝達機構の制御装置 - Google Patents

車両用動力伝達機構の制御装置

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JP2001056050A
JP2001056050A JP2000151695A JP2000151695A JP2001056050A JP 2001056050 A JP2001056050 A JP 2001056050A JP 2000151695 A JP2000151695 A JP 2000151695A JP 2000151695 A JP2000151695 A JP 2000151695A JP 2001056050 A JP2001056050 A JP 2001056050A
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deceleration
vehicle
degree
power transmission
vehicle speed
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JP2000151695A
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English (en)
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Kohachi Tanaka
浩八 田中
Yoshiaki Yamamoto
良明 山本
Tadashi Tamura
忠志 田村
Daisuke Inoue
大輔 井上
Katsumi Kono
克巳 河野
Koji Taniguchi
浩司 谷口
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の減速度合いに拘わらず、車両減速中のク
ラッチ機構を効率的に作動させることができる車両用動
力伝達機構の制御装置を提供する。 【解決手段】車両減速中に電子制御装置20は、無段階
変速機20介した駆動輪回転軸32とエンジン出力軸1
0との動力伝達経路を断接するロックアップ機構12を
作動させて、エンジンENGと駆動輪DRVとを直結状
態とする。そして、ブレーキセンサ43によって検知さ
れたブレーキペダルの踏み込み量が大きくて車両の減速
度合いが大きいと判断されるときほど、ロックアップ解
除車速を低速側に設定して、車両減速中におけるロック
アップ機構12の作動解除時期が遅くなるように設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエンジン出
力軸と駆動輪回転軸との間の動力伝達を行う車両用動力
伝達機構の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】こうした車両用動力伝達機構としては、
例えば特開平9−210166号公報にみられるよう
に、ロックアップ機能を有するトルクコンバータと無段
階変速機とを採用した動力伝達機構が知られている。
【0003】この動力伝達機構では、エンジン出力軸
は、クラッチ機構を備えるトルクコンバータを介して無
段階変速機に連結されている。このトルクコンバータ
は、エンジン出力軸に連結された入力側と無段階変速機
に連結された出力側との回転の伝達を流体を媒介して行
う流体継ぎ手の1種である。こうした流体を媒介した回
転の伝達には、流体のスリップによる動力伝達効率の低
下を伴うため、燃費の悪化などの不具合は避けられない
ものとなる。
【0004】こうした動力伝達効率の低下を抑制すべ
く、上記公報に記載の動力伝達機構のトルクコンバータ
には、上記クラッチ機構の作動に応じて、その入力側と
出力側とを直接連結するロックアップ機能が備えられて
いる。このロックアップを行うことで、駆動輪の回転負
荷が低いときにトルクコンバータの入力側と出力側とを
直接連結し、上記流体を媒介せずに回転を伝達させるよ
うにすることで動力伝達効率の低下を抑制している。
【0005】なお、上記のような無段階変速機を備える
車両用動力伝達機構では、一般的な多段式の自動変速機
を備える機構に比べ、低い車速においても上記ロックア
ップを行うことができる。これは次の理由による。
【0006】一般に見られる多段式の自動変速機では、
低速側の変速段が用いられる低車速運転時には変速の頻
度が高くなる傾向がある。更に、こうした多段式の自動
変速機においてロックアップ中に変速を行うには、上記
ロックアップを一旦解除する必要がある。このため、低
速運転中にロックアップを実行すれば、ロックアップ装
置の作動解除と再作動とが頻繁に繰り返されることとな
り、ドライバビリティの悪化は避けがたいものとなる。
したがって、一般に多段式の自動変速機を備える動力伝
達機構では、変速機の高速段が使用される車両の高速運
転時にしかロックアップを実行しないようにしている。
【0007】これに対して無段階変速機はロックアップ
を実行しながらも、滑らかに変速を行うことができるた
め、より低い車速までロックアップの実行を続けること
ができる。
【0008】ところで、車両の減速時においてロックア
ップを実行している間は、内燃機関への燃料供給を停止
する、いわゆるフューエルカットを実施することができ
る。これは、車両の減速時にロックアップを実行する
と、駆動輪の回転がエンジン出力軸へと直接的に伝達さ
れ、エンジンを稼動せずともエンジン出力軸の回転が維
持されるためである。したがって、上記のように、より
低い車速までロックアップを実行できる無段階変速機を
備える車両では、より長期間に亘って減速中にフューエ
ルカットを実施することができるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、車両減速
中にロックアップを行うことで、フューエルカット領域
を拡大して燃費を向上することができる。しかしなが
ら、次の事情により、実際にはその最低車速の低減はあ
る程度に制限されていた。
【0010】無段階変速機では、車両の減速中に、再び
アクセルペダルが踏み込まれた際の再加速を円滑に行う
べく、車速の低下に伴って無段階変速機の変速比を減速
側に変速させている。このため車両の減速中にロックア
ップを続けていると、車速の低下と共にエンジンブレー
キが次第に増大するようになり、車両は運転者が意図す
るよりも急激に減速されるようになる。そこで従来は、
こうした運転者に与える違和感を回避する必要から、車
両が所定の車速以下まで減速されるとロックアップを解
除して、エンジンブレーキの過剰な増大を抑制するよう
にしていた。
【0011】このように、如何に無段階変速機を備える
車両用動力伝達機構と云えども、車両減速中のロックア
ップを持続可能な最低速度の低減はある程度に制限され
ており、ロックアップと共にフューエルカットを実施す
ることによる燃費向上にも自ずと限界があった。
【0012】一方、こうした車両減速中のロックアップ
時にエンジン回転数が過剰に低下すれば、フューエルカ
ット復帰時のストールの発生等の不具合が生じるおそれ
がある。また、エンジン駆動式のオイルポンプの発生油
圧を用いて駆動される変速機を備える車両用動力伝達機
構では、エンジン回転の低下に伴う発生油圧の低下によ
って、変速機の動作に支障をきたすおそれもある。例え
ばベルト式無段階変速機の場合、オイルポンプの発生油
圧が低下した場合には、プーリのベルト狭圧が不足して
ベルト滑りが発生する。そこで従来、車両減速中のロッ
クアップ時にエンジン回転数が所定の回転数を下回るこ
とを条件に、上記クラッチ機構の作動を強制解除するよ
うにしている。
【0013】ところが、車両が急減速されているときに
は、エンジン回転数の落ち込みも急速であることから、
強制解除の指令がなされてからクラッチ機構の作動が実
質的に解除されるまでの応答遅れ期間のエンジン回転数
の落ち込みも大きくなる。したがって、上記所定の回転
数を下回ったときに強制解除の指令を発令したとして
も、緩減速時と急減速時とでは、実質的にクラッチ機構
の作動が解除されるときの車速やエンジン回転数が異な
るようになる。そして、急減速時には、クラッチ機構の
実質的な作動が解除されたときの車速やエンジン回転数
が許容される領域を下回って、ショックによる違和感の
発生や、フューエルカット復帰時のストールの発生など
の不具合が生じるおそれがある。無論、そうしたエンジ
ン回転数の低下によって、上記ポンプ性能の低下による
無段変速機の動作への影響も避け難くなる。
【0014】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、車両の減速度合いに拘わら
ず、車両減速中のクラッチ機構を効率的に作動させるこ
とができる車両用動力伝達機構の制御装置を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の発明は、変速機を介した駆動輪回転軸とエン
ジン出力軸との動力伝達経路を断接するクラッチ機構を
備える車両に適用されて、車両減速中に前記クラッチ機
構を作動させる車両用動力伝達機構の制御装置におい
て、前記車両の減速度合いを判断する減速度合い判断手
段と、前記車両減速中における前記クラッチ機構の作動
解除時期を、その減速度合いに応じて可変設定する解除
時期可変手段とを備えるようにしたものである。
【0016】この構成では、車両減速中にクラッチ機構
が作動されて駆動輪回転軸からの回転がエンジン出力軸
に直接的に伝達されるようになるため、エンジン回転の
低下が抑制され、フューエルカット領域が拡大されるよ
うになる。ただし、車速やエンジン回転がある程度に低
下すると、減速加速度の増大による違和感やフューエル
カット復帰時のストール発生などの不具合を回避すべ
く、クラッチ機構の作動を解除する必要が生じる。この
ときの違和感の官能され易さやエンジン回転の低下度合
いは車両の減速度合いによって異なっている。このた
め、減速度合いに応じてクラッチ機構の作動を解除する
ことで、車両の減速度合いに拘わらず、適正な時期にク
ラッチ機構の作動を解除することができるようになる。
したがって、車両の減速度合いに拘わらず、車両減速中
のクラッチ機構を効率的に作動させることができるよう
になる。
【0017】また請求項2記載の発明は、変速機を介し
た駆動輪回転軸とエンジン出力軸との動力伝達経路を断
接するクラッチ機構を備える車両に適用されて、車両減
速中に前記クラッチ機構を作動させる車両用動力伝達機
構の制御装置において、前記車両の減速度合いを判断す
る減速度合い判断手段と、前記車両減速中における前記
クラッチ機構の作動解除時期を、前記減速度合い判断手
段の判断する減速度合いに応じて、その減速度合いが大
きなほど遅らせるように可変設定する解除時期可変手段
とを備えるようにしたものである。
【0018】変速機の変速比は、車速の低下とともにロ
ー側に設定されるため、車両減速中にクラッチ機構を作
動させているときには、車速の低下とともにエンジンブ
レーキが増大して減速加速度が大きくなり、違和感を生
じさせることがある。このため、そうした減速加速度の
増大による違和感が生じるようになる前に、クラッチ機
構の作動を解除する必要がある。ただし、ブレーキング
時のように車両の減速度合いが元より大きなときには、
上記のようなクラッチ機構の作動に伴う減速加速度の増
大が違和感を生じさせ難くなる。また、ブレーキング時
のように運転者の意思による減速がなされているときに
も、上記減速加速度の増大が違和感を生じさせ難くな
る。このため、上記構成では、減速中の車両の減速度合
いが大きなほどクラッチ機構の作動を解除する時期を遅
らせるようにしている。これにより、上記違和感の発生
を回避し得る限界までクラッチ機構の作動を維持できる
ようになる。したがって、クラッチ機構の作動に伴う減
速加速度増大による違和感を防止しながらも、フューエ
ルカット領域を十分に確保して燃費向上を図ることがで
きるようになる。このため、車両減速中のクラッチ機構
の作動を効率的に行うことができるようになる。
【0019】また請求項3記載の発明は、請求項2記載
の車両用動力伝達機構の制御装置において、前記クラッ
チ機構を、車速が所定の速度を下回ることを条件に車両
減速中の作動を解除されるものであって、前記解除時期
可変手段は、前記所定の速度を低速側に変更することで
前記クラッチ機構の作動解除時期を遅らせるように可変
設定するようにしたものである。
【0020】この構成では、車速が所定の速度を下回る
ことを条件にクラッチ機構の作動を解除するようにして
いるため、上記車速の低下に伴う減速加速度の増大に応
じてクラッチ機構の作動を適正に解除することができ
る。しかも、クラッチ機構の作動解除にかかる所定の速
度を、車両の減速度合い、或いはそれに加え減速開始時
の車速に応じて可変としているため、そうした減速度合
いや減速加速時の車速に拘わらず、適正な時期にクラッ
チ機構の作動を解除することができるようになる。
【0021】また請求項4記載の発明は、請求項1記載
の車両用動力伝達機構の制御装置において、前記解除時
期可変手段は、前記クラッチ機構の作動の解除にかかる
応答遅れに拘わらず一定の車速において同クラッチ機構
の作動が解除されるように、前記車両の減速度合いに応
じて前記クラッチ機構の作動解除の指令を出力する時期
を可変設定することをその要旨としている。
【0022】この構成では、車両の減速度合いに応じて
クラッチ機構の作動解除の指令を出力する時期が可変と
することで、クラッチ機構の作動の解除にかかる応答遅
れに拘わらず一定の車速において同クラッチ機構の作動
を解除するようにしている。これにより、クラッチ機構
の作動を一定の車速において確実に解除することができ
るようになり、減速加速度の増大に伴う違和感の発生、
或いはフューエルカット復帰時のストールの発生などの
不具合を適切に防止することができるようにもなる。
【0023】また請求項5記載の発明は、請求項4記載
の車両用動力伝達機構の制御装置において、前記解除時
期可変手段は、前記車速が所定の速度を下回ることを条
件に前記クラッチ機構の作動解除の指令を出力するもの
であって、前記所定の速度を前記車両の減速度合いに応
じて変更することで、前記指令を出力する時期を可変設
定することをその要旨としている。
【0024】この構成では、車両の減速度合いに応じて
クラッチ機構の作動解除の指令を出力する車速を変更す
るようにしている。そして、これにより、一定の車速で
クラッチ機構の作動の解除がなされるようにしている。
このため、クラッチ機構の作動を一定の車速において、
より確実に解除することができるようになる。
【0025】また請求項6記載の発明は、請求項1〜5
のいずれか記載の車両用動力伝達機構の制御装置におい
て、前記車両の減速開始時の車速を判断する減速車速判
断手段を更に備えるようにするとともに、前記解除時期
可変手段を、更にその減速開始時の車速に応じて前記ク
ラッチ機構の作動解除時期を可変設定するようにしたも
のである。
【0026】減速中の車両の減速度合いが同一であって
も、減速開始時の車速によって、運転者の意図する減速
態様、或いは運転者の減速要求の大きさは異なるため、
減速加速時の車速によっても、上記違和感の官能され易
さは自ずと異なっている。そこで上記構成では、減速中
の減速度合いに加え、更に減速開始時の車速によって
も、クラッチ機構の作動を解除する時期を可変設定して
いる。このため、減速開始時の車速に拘わらず、クラッ
チ機構の作動を適正な時期に解除することができるよう
になる。
【0027】また請求項7記載の発明は、請求項6記載
の車両用動力伝達機構の制御装置において、前記解除時
期可変手段を、前記減速開始時の車速が低速であるほど
前記クラッチ機構の作動解除時期を遅らせるように可変
設定するようにしたものである。
【0028】車両の減速度合いが同一であれ、減速開始
時の高車速のときには、低車速のときに比して、ある車
速に減速されるまでの時間が長くなる。このことから、
減速度合いが同一であれば、減速開始時の車速が低速で
あるほど、運転者の減速要求は高いものと判断すること
ができる。そこで上記構成では、減速開始時の車速が低
速であるほどクラッチ機構の作動解除時期を遅らせるよ
うにしているため、クラッチ機構の作動を適正な時期に
解除することができるようになる。
【0029】また請求項8記載の発明は、変速機を介し
た駆動輪回転軸とエンジン出力軸との動力伝達経路を断
接するクラッチ機構を備える車両に適用されて、車両減
速中に前記クラッチ機構を作動させる車両用動力伝達機
構の制御装置において、前記車両の減速度合いを判断す
る減速度合い判断手段と、車両減速中に前記減速度合い
が所定の大きさを超えることを条件に前記クラッチ機構
の作動を強制解除することで、前記減速度合いに応じて
前記クラッチ機構の作動解除時期を可変設定する解除時
期可変手段と、その強制解除がなされる減速度合いの大
きさを、車速及び前記変速機の変速比に応じて変更する
解除条件変更手段と、を備えるようにしたものである。
【0030】この構成では、クラッチ機構の作動が解除
される減速度合いの大きさが、車速及び変速機の変速比
に応じて変更されるため、車両の走行状態や変速比の変
速比制御の如何に拘わらず、好適な条件でクラッチ機構
の作動を強制解除することができるようになる。そして
これにより、燃費の悪化を好適に回避しながらも、エン
ジン回転数の過剰低下が適切に防止され、クラッチ機構
の作動解除時の違和感の発生やフューエルカット復帰時
のストールの発生などの不具合を防止することができる
ようになる。
【0031】また請求項9記載の発明は、請求項8記載
の車両用動力伝達機構の制御装置において、前記クラッ
チ機構の強制解除がなされた後、前記エンジンの出力ト
ルクを、強制解除がなされないときの同一運転条件での
出力トルクに比して増大させるトルクアップ制御手段を
更に備えるようにしたものである。
【0032】この構成では、クラッチ機構の強制解除が
なされた後、エンジンの出力トルクが増大されてエンジ
ン回転数が高められるため、エンジン回転が不安定とな
り易い強制解除後にあっても、エンジン運転の安定化を
図ることができる。
【0033】また請求項10記載の発明は、請求項1〜
9のいずれか記載の車両用動力伝達機構の制御装置にお
いて、前記減速度合い判断手段を、ブレーキペダルの踏
み込み量の検知結果に基づき前記減速度合いを判断する
ものとしている。
【0034】例えばブレーキペダルの踏み込み量や、踏
み込み時間、踏み込み速度、或いは踏み込み量の時間積
分値、或いはそれらの組み合わせなどのような、ブレー
キペダルの踏み込み量の検知結果に基づくパラメータか
ら、運転者の減速要求(青銅要求)の大きさや、ブレー
キペダルが踏み込まれてからの車両の減速態様を容易且
つ適正に把握することができる。したがって、上記構成
によれば、車両の減速度合いを容易且つ適切に判断し
て、クラッチ機構の作動を適正な時期に解除することが
できるようになる。
【0035】なお、上記ブレーキペダルの踏み込み量
が、例えば手動式ブレーキなどのようなペダル式(足踏
み式)以外のブレーキを備える車両においては、そのブ
レーキの操作量を意味することは云うまでもない。
【0036】また請求項11記載の発明は、請求項1〜
10のいずれか記載の車両用動力伝達機構の制御装置に
おいて、前記減速度合い判断手段を、車両の加速度を検
知する加速度センサの検知結果に基づき前記減速度合い
を判断するものとしている。
【0037】この構成では、加速度センサの検知結果に
よって車両の減速加速度を直接的に検知して、その減速
度合いを判断しているため、車両の減速度合いを容易且
つ適切に判断して、クラッチ機構の作動を適正な時期に
解除することができるようになる。
【0038】また請求項12記載の発明は、請求項1〜
11のいずれか記載の車両用動力伝達機構の制御装置に
おいて、前記変速機は、無段階に変速可能な無段階変速
機であることをその要旨としている。
【0039】無段階変速機は滑らかに変速可能であるた
め、無段階変速機を採用した車両用動力伝達機構では、
より低車速まで車両減速中のクラッチ機構の作動を続け
ることができる。こうした無段階変速機を備える車両用
動力伝達機構でのクラッチ機構の作動の効率化すること
で、燃費の更なる向上を図るなどの更に効果的なクラッ
チ機構の運用が可能となる。
【0040】また請求項13記載の発明は、請求項12
記載の車両用動力伝達機構の制御装置において、前記無
段階変速機は、前記エンジン出力軸に駆動連結されたオ
イルポンプの発生油圧によって駆動されることをその要
旨としている。
【0041】この構成では、クラッチ機構の作動を適正
な時期に解除することで、エンジン回転の極端な低下が
防止されて、オイルポンプのポンプ能力の低下が抑制さ
れるため、無段階変速機の作動性を好適に保持すること
ができるようにもなる。
【0042】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明にかかる車両用動力伝達機構の制御装置を具体化した
第1の実施の形態について説明する。
【0043】図1は、本実施の形態にかかる車両用動力
伝達機構の制御装置について、その全体構成を模式的に
示している。車両においてこの動力伝達機構は、エンジ
ンENGの稼動に伴い回転されるエンジン出力軸10と
駆動輪DRVに連結された駆動輪回転軸32との間での
回転力の伝達を、無段階変速機(CVT)20を介して
行っている。まずは、この図1に基づいて、この動力伝
達機構の構成を説明する。
【0044】上記エンジン出力軸10は、トルクコンバ
ータ11に連結されている。このトルクコンバータ11
は、入力された回転を流体(オイル)を媒介して伝達す
る流体継ぎ手の1種である。トルクコンバータ11は、
こうして流体を媒介することによって、エンジン出力軸
10の回転トルクを適宜に調整して駆動輪DRV側へと
伝達している。
【0045】このトルクコンバータ11は、ロックアッ
プ機構12を備えている。そして、例えば油圧作動され
るクラッチ機構などによって構成されており、トルクコ
ンバータ11のエンジンENG側と駆動輪DRV側とを
直接連結することで、入力された回転を上記オイルを媒
介せずに直接伝達可能としている。すなわち、このロッ
クアップ機構12は、無段階変速機20を介して行われ
るエンジン出力軸10と駆動輪回転軸32との間の動力
伝達経路を断接するクラッチ機構となっている。そして
こうしたロックアップ機構12を適宜に作動させてロッ
クアップを実行させることで、トルクコンバータ11中
でのオイルのスリップによる動力伝達効率の低下を好適
に回避し、エンジンENGの燃費を向上することができ
る。
【0046】一方、こうしたロックアップ機構12を備
えるトルクコンバータ11の駆動輪DRV側は、前後進
切換機構13に連結されている。この前後進切換機構1
3は、車両を後進させるときに、エンジン出力軸10か
ら入力される回転をその回転方向を反転して駆動輪DR
V側へと伝達させるための機構である。
【0047】また、この前後進切換機構13の駆動輪D
RV側は、無段階変速機(CVT)20に連結されてい
る。この無段階変速機20は、そのエンジンENG側と
駆動輪DRV側との間で、入力された回転の回転数を変
速するに際して、その変速比を連続して無段階に変速す
ることのできる変速機である。こうした無段階変速機に
は、例えばトロイダル式などの様々な方式の変速機が知
られているが、この実施の形態の車両用動力伝達機構で
は、いわゆるベルト式の無段階変速機が採用されてい
る。
【0048】このベルト式の無段階変速機20は、同変
速機20のエンジンENG側に設けられた駆動プーリ2
2と駆動輪DRV側に設けられた被動プーリ23とを備
えている。これら駆動プーリ22と被動プーリ23と
は、ベルト24によって、駆動連結されている。そし
て、これら両プーリ22,23のベルト24の巻き掛け
半径をそれぞれ適宜に変更することによって、入力され
た回転を変速して伝達するようにしている。
【0049】本実施の形態では、上記駆動プーリ22及
び被動プーリ23のベルト24と接する部分が、対向す
る傾斜面となるよう構成されている。そして、各プーリ
22,23の上記対向する傾斜面の間隙、すなわちベル
ト24の挟み幅を変更して、ベルト24と各プーリ2
2,23との斜面接点をこれらプーリ22,23の径方
向に移動させて、上記巻き掛け半径を可変としている。
更に、これら駆動プーリ22及び被動プーリ23のベル
ト24の挟み幅を、それぞれ互いに相反するよう変更す
ることで、ベルト24を弛ませることなく、無段階の変
速を行うことができる。なお、この無段階変速機20で
は、各プーリ22,23のベルト24の挟み幅の変更
は、エンジン出力軸10に駆動連結されたオイルポンプ
(図示略)の発生油圧を用いた油圧駆動に基づき行われ
ている。
【0050】更に、この無段階変速機20の駆動輪DR
V側は、複数のギアによって構成されて、エンジンEN
G側から入力された回転を減速して駆動輪DRV側へと
伝達するための減速機構30に連結されている。この減
速機構30の駆動輪DRV側は、同減速機構30を通じ
て入力された回転を、左右の駆動輪DRVの差動を許容
して自動的に振り分けて伝達するディファレンシャルギ
ア31を介して駆動輪回転軸32に連結されている。
【0051】以上説明したように、この車両用動力伝達
機構は、上記オイルを媒介して回転を伝達する流体継ぎ
手の一種であるトルクコンバータ11と、その作動に応
じてオイルを媒介せずに直接に回転を伝達可能とするロ
ックアップ機構12と、回転を無段階に変速して伝達す
る無段階変速機20とを備えている。そして、これらト
ルクコンバータ11や無段階変速機20を介して、エン
ジン出力軸10と駆動輪回転軸32との間の動力伝達を
行っている。
【0052】次に、以上説明した車両用動力伝達機構を
構成するトルクコンバータ11やロックアップ機構1
2、前後進切換機構13、無段階変速機20などの作動
制御を行うための制御系について、同図1に基づき説明
する。
【0053】この図1に示すように、この車両用動力伝
達機構の制御装置には、同動力伝達機構の作動制御にか
かる各種処理を行う電子制御装置40が設けられてい
る。本実施の形態では、この電子制御装置40は、エン
ジンENGの制御するためのエンジン制御装置や、上記
無段階変速機20の作動制御を行うCVT制御装置、ア
ンチロックブレーキシステム(ABS)などの制動装置
の制御を行うABSコンピュータなど、車内ネットワー
ク回線を通じて電気的に接続された電子回路群によって
構成されている。
【0054】この電子制御装置40には、車両各部に設
けられた車両の運転状態を検知する各種センサの検知結
果が入力されている。この実施の形態では、こうしたセ
ンサとして、ブレーキペダルの踏み込み量を検知するブ
レーキセンサ43、アクセルペダルの踏み込み量を検知
するアクセル開度センサ44、車両の走行速度(車速)
を検知する車速センサ45などを備えている。
【0055】そして電子制御装置40は、これらセンサ
の検知結果に基づいて車両の運転状態に応じた上記無段
階変速機20の変速比やロックアップ機構12の作動及
び作動解除の切り換え時期などを求めている。こうした
演算結果に基づき電子制御装置40は、上記無段階変速
機20を駆動して変速比を変更するためのCVT駆動装
置41や、ロックアップ機構12の作動/作動解除を切
り換えるためのロックアップ作動装置42などに指令信
号を出力し、無段階変速機20の変速比の変更やロック
アップ機構12の作動/作動解除の切り換えなどを実行
させている。
【0056】ちなみに本実施の形態では、これらCVT
駆動装置41及びロックアップ作動装置42は、それぞ
れ無段階変速機20及びロックアップ機構12の作動用
の油圧を調整する油圧制御弁などの油圧切換機構やその
駆動回路などによって構成されている。
【0057】ロックアップ機構12の作動及び作動解除
は、エンジン回転数、車速、及び無段階変速機20の作
動用オイル(CVTオイル)の温度などに応じて切り換
えられている。電子制御装置40は、これらエンジン回
転数、車速、CVTオイルの温度などに基づき、エンジ
ン出力軸10の回転負荷がある程度よりも低下している
と判断されるときに、ロックアップ機構12を作動させ
てる。ただし、急ブレーキ時などの特に急激な減速時、
あるいは上記アンチロックブレーキシステムの作動時に
は、駆動輪DRVからエンジン出力軸10へと入力され
る回転の変動により、エンジン回転数が大幅に変動され
ることを低減するため、ロックアップ機構12を作動解
除するようにしている。
【0058】こうしてロックアップ機構12が作動され
ると、エンジン出力軸10の回転は、トルクコンバータ
11内のオイルを媒介せずに直接的に無段階変速機20
へと伝達されるようになる。
【0059】ところで、車両の減速中は、駆動輪DRV
側からエンジンENG側へとトルクが逆入力されるた
め、エンジンENGへの燃料供給を遮断する、いわゆる
フューエルカットを実施しても、エンジン出力軸10の
回転をある程度まで維持することができる。このため、
本実施の形態の動力伝達機構が適用された車両のエンジ
ンENGでは、アクセルペダルがオフとされ、車両が減
速されると、フューエルカットが実施されている。
【0060】ただし、ある程度よりもエンジン回転数が
低下してからもフューエルカットを実施し続けると、燃
料供給を再開したときに失火が発生するおそれがある。
このため、フューエルカットの実施を、エンジン回転数
によって制限するようにしている。こうしたフューエル
カットを禁止するエンジン回転数、すなわちフューエル
カットを実施可能なエンジン回転数の下限値は、エアコ
ンディショナの作動の有無、エンジンの温度状態などに
応じて可変設定されている。
【0061】エアコンディショナはエンジン出力軸10
の回転によって作動されているため、その作動時にはエ
ンジン出力軸10の回転負荷が増大する。このため、エ
アコンディショナの作動時には、非作動時に比べて高い
エンジン回転数でフューエルカットを禁止するようにし
ている。また、エンジンの冷間運転時には、失火が発生
し易くなるため、暖機運転時よりも高いエンジン回転数
でフューエルカットを禁止するようにしている。
【0062】更に、車両の減速中にロックアップ機構1
2が作動されていると、駆動輪DRVの回転がトルクコ
ンバータ11のオイルを媒介せずに、直接的にエンジン
出力軸10へと伝達されるようになる。このため、ロッ
クアップ機構12の作動時には、非作動時に比べ、より
低い車速となっても、すなわち駆動輪DRVから動力伝
達機構へと入力される回転が更に低下してからも、フュ
ーエルカットを実施し続けることができるようになる。
【0063】なお、本実施の形態では、車両の減速中に
おけるロックアップ機構12の作動を禁止する車速の上
限値、すなわちロックアップの実行を許容する車速の上
限値であるロックアップ禁止車速を、ブレーキペダルの
踏み込み量や踏み込み時間、及び減速開始時の車速によ
って可変設定するようにしている。
【0064】図2及び図3は、このロックアップ禁止車
速の設定にかかる電子制御装置40の処理手順を示すフ
ローチャートである。以下、この図2及び図3に基づい
てロックアップ禁止車速の設定手順について説明する。
【0065】このロックアップ禁止車速の設定処理は、
前記ブレーキセンサ43の検知結果からブレーキペダル
の踏み込みが検知されることを条件に、所定時間毎の割
り込み処理として電子制御装置40によって実行され
る。
【0066】ブレーキペダルの踏み込みが検知され、こ
の処理が実行されると、電子制御装置40は、図2に示
すように、まずステップS100において、現在アクセ
ルペダルがオフとされており、且つロックアップ機構1
2が作動中であるか否かを判断する。ここで、これらの
条件が満たされていない場合(ステップS100におい
てNO)、電子制御装置40は、ロックアップ禁止車速
を設定しないまま、今回の処理を終了する。
【0067】また、上記条件を満たしている場合(ステ
ップS100においてYES)においても、ブレーキペ
ダルの踏み込み開始時の車速が30km/hよりも高い場合
(ステップS110においてNO)、電子制御装置40
は、ロックアップ禁止車速を設定しないまま、今回の処
理を終了する。
【0068】これに対して、ここでブレーキペダルの踏
み込み開始時の車速が30km/h以下である場合(ステッ
プS110においてYES)、電子制御装置40は、こ
のブレーキペダルの踏み込み開始時の車速や同ブレーキ
ペダルの踏み込み量などに応じて、そのときの車両の減
速度合いを判断し、この減速度合いに応じてロックアッ
プ禁止車速を算出する。
【0069】このロックアップ禁止車速の算出に際し
て、電子制御装置40は、まずステップS120におい
て、ブレーキペダルの踏み込み開始時の車速が20km/h
以下であるか否かを判断する。ここでこのブレーキペダ
ルの踏み込み開始時の車速が20km/h以下であると判断
された場合(ステップS120においてYES)、電子
制御装置40は、図3のステップS300の処理に移行
する。
【0070】一方、上記ステップS120の判断におい
て否と判断された場合、すなわちブレーキペダルの踏み
込み開始時の車速が30km/h以下で20km/hよりも高い
と判断された場合、電子制御装置40は、ステップS2
00及びステップS210において、そのときのブレー
キペダルの踏み込み量を判断する。ここでは、そのとき
のブレーキペダルの踏み込み量が「大」「中」「小」の
3つ範囲の何れに当てはまるかを判断している。ちなみ
に、この実施の形態では、ブレーキペダルの踏み込み量
が50%以上を「大」と、30〜50%を「中」と、3
0%未満を「小」としている。
【0071】そして、ここでブレーキペダルの踏み込み
量が「大」であると判断された場合(ステップS200
においてYES)、電子制御装置40は、ステップS2
200において、図4(a)に示すマップA1に基づき
ロックアップ禁止車速を算出する。このマップA1は、
ブレーキペダルの踏み込み開始時の車速が20〜30km
/hで踏み込み量が「大」であるときの、踏み込み時間と
ロックアップ禁止車速との対応関係が記憶されている。
このマップA1に示すように、ロックアップ禁止車速
は、所定の車速「HI」〜「MID」〜「LO」の範囲
において、ブレーキペダルの踏み込み時間が長くなるほ
ど低速となるように設定される。なお、上記各車速は、
「HI」>「MID」>「LO」の関係にあり、例えば
この実施の形態では、車速「HI」=18km/h、車速
「MID」=15km/h、車速「LO」=12km/hに設定
されている。
【0072】一方、ブレーキペダルの踏み込み量が
「中」であると判断された場合(ステップS200にお
いてNO、ステップS210においてYES)に、電子
制御装置40は、ステップS230において、図4
(b)に示すマップB1に基づきロックアップ禁止車速
を算出する。このマップB1には、ブレーキペダルの踏
み込み開始時の車速20〜30km/hで踏み込み量が
「中」であるときの、踏み込み時間とロックアップ禁止
車速との対応関係が記憶されている。
【0073】更に、ブレーキペダルの踏み込み量が
「小」であると判断された場合(ステップS200及び
ステップS210の何れにおいてもNO)には、電子制
御装置40は、ステップS240において、ロックアッ
プ禁止車速を車速「HI」に設定する。
【0074】こうして電子制御装置40は、ブレーキペ
ダルの踏み込み開始時の車速が20〜30km/hのときの
ロックアップ禁止車速を、同ペダルの踏み込み量や踏み
込み時間に応じて可変設定した後、この処理を一旦終了
する。
【0075】他方、ブレーキペダルの踏み込み開始時の
車速が20km/h以下の場合(ステップS120において
YES)においても、電子制御装置40は、先のステッ
プS200〜ステップS240の処理と同様に、ブレー
キペダルの踏み込み量等に応じてロックアップ禁止車速
を可変設定する。
【0076】この場合、電子制御装置40は、図3のス
テップS300,S310においてそのときのブレーキ
ペダルの踏み込み量を判断している。そして、電子制御
装置40は、ステップS320及びステップS330に
おいて、ブレーキペダルの踏み込み量が「大」と判断さ
れた場合(ステップS300においてYES)には図4
(c)に示すマップC1に基づいて、同踏み込み量が
「中」と判断された場合(ステップS300においてN
O、ステップS310においてYES)には図4(d)
に示すマップD1に基づいてロックアップ禁止車速を設
定する。これらのマップC1,D1は、先のマップA
1,B1と同様、ブレーキペダルの踏み込み開始時の車
速が20km/h以下でそれぞれ同ペダルの踏み込み量が
「大」及び「中」であるときの同ペダルの踏み込み時間
とロックアップ禁止車速との対応関係が記憶されてい
る。更に、そのときのブレーキペダルの踏み込み量が
「小」であると判断された場合(ステップS300及び
ステップS310の何れにおいてもNO)、電子制御装
置40は、ステップS340においてロックアップ禁止
車速を車速「MID」に設定する。
【0077】こうして電子制御装置40は、ブレーキペ
ダルの踏み込み開始時の車速が20km/h以下の場合に
も、ロックアップ禁止車速を同ペダルの踏み込み量や踏
み込み時間に応じて可変設定し、この処理を一旦終了す
る。
【0078】電子制御装置40は、ブレーキペダルの踏
み込みが検知されている間、以上の処理を所定時間毎に
繰り返し実行している。そして電子制御装置40は、減
速加速度の継続時間の延長などに応じてロックアップ禁
止車速を随時更新しながら設定し直すようにしている。
【0079】このように本実施の形態では、ブレーキペ
ダルの踏み込み量や踏み込み時間から把握される車両の
減速度合いと、同ブレーキペダルの踏み込み開始時の車
速、すなわち減速開始時の車速とに応じてロックアップ
禁止車速を可変設定するようにしている。
【0080】なお、この実施の形態では、上記図4
(a)〜(d)のマップA1〜D1の対比から明らかな
ように、いずれのマップにおいても、ブレーキペダルの
踏み込み時間が長くなる程、ロックアップ禁止車速がよ
り低速となるように設定されている。また、ブレーキペ
ダルの踏み込み量が「大」の場合には、同踏み込み量が
「中」の場合に比べ、短い踏み込み時間でロックアップ
禁止車速が低速側に変更されている。すなわち、この実
施の形態では、ブレーキペダルの踏み込み量が大きな
程、ロックアップ禁止車速がより低速となるように設定
されている。
【0081】このようにこの実施の形態では、ブレーキ
ペダルの踏み込み量とその踏み込み時間とから車両の減
速度合いを判断している。そして、ブレーキペダルの踏
み込み量が大きなことから、あるいはその踏み込み時間
が長いことから車両の減速度合いが大きい、すなわち車
両が急激に減速されていると判断される場合には、ロッ
クアップ禁止車速をより低速となるように設定してい
る。
【0082】図5及び図6は、この実施の形態の制御装
置の制御態様を示しており、図5は緩やかな減速時の制
御態様を、図6は急激な減速時の制御態様をそれぞれ示
している。以下、これら図5及び図6に基づき、本実施
の形態の車両用動力伝達機構の制御装置の作用について
説明する。
【0083】図5は、上記のように、ブレーキペダルの
踏み込み量が小さい、あるいはその踏み込み時間が短く
て、車両の減速度合いが小さく、緩やかに減速されてい
るときの本実施の形態の制御装置の制御態様を示してい
る。
【0084】上述のように、図5(a)に示す車速の低
下に伴い、図5(b)に示す上記無段階変速機20は、
再加速性を確保するため、変速比が大きくなる側、すな
わち減速側へと徐々に変速される。このとき車両は減速
中であり、動力伝達機構の駆動輪DRV側からエンジン
ENG側へとトルクが逆入力されている。
【0085】ここで無段階変速機20の変速比が減速側
に変速されると、無段階変速機20の駆動輪DRV側か
ら入力される回転に対するエンジンENG側に出力され
る回転の回数が大きくなる。このときロックアップ機構
12が作動されていると、上記無段階変速機20のエン
ジンENG側は、トルクコンバータ11内のオイルを媒
介せず、直接的にエンジン出力軸10へと伝達される。
【0086】したがって、トルクが逆入力される車両減
速中に、ロックアップ機構12を作動させたまま無段階
変速機20の変速比を減速側に変速させると、駆動輪D
RVは1回転毎に、より多くの回数だけエンジン出力軸
10を回転させなければならなくなる。そしてこの結
果、変速比が減速側に変速されるのに伴って、駆動輪D
RVの回転負荷が大きくなり、車両にかかるエンジンブ
レーキが増大する。
【0087】そこで、車両の緩やかな減速中に、ロック
アップ禁止車速をより低速な速度v0に設定して、図5
(c)に一点鎖線にて示すようにロックアップを車両が
より低車速となる時刻t0まで作動させ続けると、こう
したエンジンブレーキの効きが過剰に増大されるように
なる。そしてこの結果、図5(d)に一点鎖線にて示す
ように、車両の減速加速度が増大し、車両は運転者が意
図するよりも急激に減速されるようになる。
【0088】この点、本実施の形態の制御装置では、上
述したように車両の緩やかな減速中は、ロックアップ禁
止車速がより高速な速度v1に設定される。このため、
ロックアップ機構12の作動は、図5(c)に実線で示
すように、図5(a)に示す車速が速度v1となった時
刻t1において解除されるようになる。そしてこの結
果、上記エンジンブレーキの増大が抑制され、減速加速
度は、図5(d)に実線にて示すように適宜な大きさの
まま維持されるようになる。
【0089】このように本実施の形態では、車両の減速
度合いが小さな場合、ロックアップ禁止車速をより高速
となるよう設定することで、ロックアップの解除時期を
早め、エンジンブレーキが過大となることを抑制して、
運転者に与える違和感を低減させるようにしている。
【0090】図6は、ブレーキペダルの踏み込み量が大
きい、あるいはその踏み込み時間が長く、車両の減速度
合いが大きな場合、すなわち車両が急激に減速されてい
る場合の本実施の形態の制御装置の制御態様を示してい
る。
【0091】図6(a)に示すブレーキペダルの踏み込
み量、あるいはその踏み込みが開始された時刻t2から
の踏み込み継続時間によって、車両の減速度合いが大き
なことが判断された場合、この実施の形態では、ロック
アップ禁止車速は、図6(b)に示すように、先の図5
に示した緩やかな減速の場合の速度v1に比して低速な
速度v2に設定される。なおこの図6では、ロックアッ
プ禁止車速を比較的高速な速度v1に設定した場合の制
御態様を一点鎖線にて示し、比較的低速な速度v2に設
定した場合の制御態様を実線で示している。
【0092】上述のように、ロックアップ禁止車速をエ
ンジンブレーキの増大が運転者に与える違和感を低減す
べく比較的高速な速度v1に設定した場合には、ロック
アップ機構12の作動は、図6(d)に示すように、車
速が速度v1まで低下する時刻t3において解消され
る。これに対して本実施の形態では、ロックアップ禁止
車速を比較的低速な速度v2に設定しているため、ロッ
クアップ機構12の作動は時刻t4まで維持され、より
長期に亘って持続される。
【0093】車両減速中にロックアップ機構12が作動
されている場合、駆動輪DRVの回転が直接的にエンジ
ンENGへと伝達されるため、エンジンENGを稼動せ
ずともエンジン出力軸10は充分に高い回転数で回転さ
れ続けるようになる。このため、車両減速中においてロ
ックアップ機構12が作動されている期間、フューエル
カットを持続可能であることは、先に説明した通りであ
る。
【0094】この実施の形態では、上記のようにロック
アップ禁止車速を車両の減速度合いに応じて可変設定す
ることで、より長期間に亘ってロックアップを持続する
ことができるため、図6(f)にエンジンENGの燃料
消費量の推移を示すように、より長期間に亘ってフュー
エルカットを持続することができ、エンジンENGの燃
料消費量を低減することができるようになる。
【0095】また上述のように、車両が低速となるまで
ロックアップを維持した場合、エンジンブレーキの増大
するようになる。このため、ロックアップ禁止車速を比
較的低速な速度v2とした場合には、図6(e)に示す
ように、増大したエンジンブレーキが加味されることに
よって、車両のブレーキの効きは向上する。したがっ
て、図6(c)に車両の加速度の推移を示すように、あ
るいは図6(b)にその車速の推移を示すように、ロッ
クアップ禁止車速を高速な速度v1に設定したときより
も、車両の減速度合いは大きくなる。
【0096】このように、ロックアップ禁止車速がより
低速度となるように設定し、ロックアップが持続される
期間を延長すれば、増大したエンジンブレーキにより車
両は本来よりも急激に減速されるようになる。ただし、
このときには、先の緩やかな減速が行われているときと
違って、車両の減速度合いがある程度増大したとして
も、運転者の減速要求が高いため、違和感を与えること
はない。しかも、増大したエンジンブレーキが加味され
るため、車両の減速性能(制動性能)が向上されるよう
にもなる。
【0097】以上説明したように、この制御装置では、
車両の減速度合いが小さなときにはロックアップ禁止車
速をより高い速度に設定して、ロックアップを早期に解
除させるようにしている。そして、このように設定する
ことで、ロックアップを低車速となるまで持続すること
で過大なエンジンブレーキがかかり、運転者に違和感を
与えることを好適に抑制することができるようになる。
【0098】また、この制御装置では、車両の減速度合
いが大きいと判断されたときには、ロックアップ禁止車
速をより低速度に設定している。こうしてロックアップ
が持続される期間を適宜に延長させることで、車両減速
中にロックアップを行うことで実施可能となるフューエ
ルカットの実施期間を延長し、エンジンENGの燃料消
費量を低減することができるようになる。また、低速と
なるまでロックアップを持続することで増大するエンジ
ンブレーキによって、車両の減速性能(制動性能)を向
上することができるようにもなる。
【0099】更に、この制御装置では、ブレーキペダル
の踏み込み開始時の車速、すなわち車両の減速開始時の
車速に応じてもロックアップ禁止車速を可変設定するよ
うにしている。これは、車両の減速度合いが同じであっ
ても、減速開始時の車速に応じて運転者の減速要求の大
きさが異なるためである。例えば、ある車速まで同一の
減速度合いで車両を減速させるのに必要な時間は、減速
開始時の車速が高い場合には、減速開始時の車速が低い
場合に比して長くなる。したがって、車両の減速度合い
が同一であれば、減速開始時の車速が低いほど運転者の
減速要求は高いと判断することができる。
【0100】そこで、本実施の形態の制御装置では、ブ
レーキペダルの踏み込み開始時の車速が低いほど、ロッ
クアップ禁止車速をより低速に設定するようにしてい
る。このように設定することで、運転者の減速要求や車
両の減速態様をより的確に判断することができ、更に効
果的にロックアップを実行させることができるようにな
る。
【0101】このように、本実施の形態の車両用動力伝
達機構の制御装置では、ロックアップ禁止車速を、すな
わちロックアップの作動を禁止する時期を、ブレーキペ
ダルの踏み込み量やその踏み込み時間に応じて可変設定
することで、運転者に与える違和感を好適に回避しなが
らも、車両減速中におけるロックアップが継続される期
間を延長させている。そしてこの結果、この制御装置で
は、無段階変速機20と流体継ぎ手であるトルクコンバ
ータ11及びロックアップ機構12を備える車両用動力
伝達機構において、車両減速中のロックアップをより効
率的に実行することができるようになる。
【0102】以上説明したように、本実施の形態の車両
用動力伝達機構の制御装置によれば、以下に記載する効
果を得ることができるようになる。 (1)車両の減速度合いを判断し、これに応じてロック
アップ機構12の作動を禁止する、すなわちその作動を
解除する車速を可変設定することで、運転者に与える違
和感を好適に低減しながらも、車両減速中のロックアッ
プ機構12の作動期間を適宜に延長することができるよ
うになる。
【0103】(2)車両減速中のロックアップ機構12
の作動期間を延長することで、フューエルカットの実施
期間も延長することができ、エンジンENGの燃料消費
量を低減することができるようになる。
【0104】(3)また、車両の減速度合いが大きなと
きには、ロックアップ機構12の作動を低車速まで許容
することで、増大したエンジンブレーキによる車両の減
速性能や制動性能の向上が図られるようにもなる。
【0105】(4)車両の減速度合いが大きなときほど
ロックアップ禁止車速をより低速度に設定することで、
運転者の減速要求が低く、上記違和感の大きな車両の緩
やかな減速時には比較的早期にロックアップを禁止して
上記違和感を低減することができるようになる。また、
運転者の減速要求が高く、上記違和感の小さな車両の急
激な減速時にはロックアップを実行する期間を延長し
て、燃料消費量の低減や車両の減速性能あるいは制動性
能の向上を図ることができるようになる。
【0106】(5)更に、ブレーキペダル踏み込み開始
時の車速に応じてロックアップ禁止車速を可変設定する
ことで、運転者の減速要求や車両の減速態様をより的確
に判断することができ、更に効果的にロックアップを実
行させることができるようになる。
【0107】(6)ブレーキセンサ43の検知結果、す
なわちブレーキペダルの踏み込み量やその踏み込み時間
に基づき車両の減速度合いを判断することで、運転者の
減速要求(制動要求)の大きさや、ブレーキペダルが踏
み込まれてからの車両の減速態様を容易且つ適切に判断
することができ、より適切にロックアップ禁止車速を設
定することができるようになる。
【0108】(第2の実施の形態)続いて、本発明にか
かる車両用動力伝達機構の制御装置を具体化した第2の
実施の形態について説明する。なお、この実施の形態に
かかる車両用動力伝達機構の制御装置において、先の第
1の実施の形態と共通する構成については、同一の符号
を付してその説明を省略するものとする。
【0109】この実施の形態の制御装置の適用される車
両用動力伝達機構は、先の図1に示す第1の実施の形態
の適用対象となる車両用動力伝達機構と同一の構成であ
り、やはり無段階変速機20、トルクコンバータ11及
びロックアップ機構12を備えている。更に、この実施
の形態においても、電子制御装置40は、車両の減速度
合いに応じてロックアップ禁止車速を可変設定するよう
にしている。
【0110】ただし、この実施の形態においては、車両
の減速度合いを、図1に破線にて示す加速度センサ46
の検知結果に基づいて判断するようにしている。この加
速度センサ46は、車両の加速度を検知するセンサであ
る。電子制御装置40は、この加速度センサ46の出力
信号に基づき車両の加速度を把握し、これに応じてロッ
クアップ禁止車速を可変設定する。
【0111】図7及び図8は、こうしたロックアップ禁
止車速の設定にかかる電子制御装置40の処理手順を示
すフローチャートである。以下、これら図7,図8に基
づき、本実施の形態におけるロックアップ禁止車速の設
定方法について説明する。
【0112】この実施の形態においても、電子制御装置
40は、ブレーキセンサ43の検知結果からブレーキペ
ダルの踏み込みが検知されていることを条件に、所定時
間毎の割り込み処理として、ロックアップ禁止車速の設
定にかかる処理を実行する。そして、電子制御装置40
は、やはり第1の実施の形態と同様に、アクセルペダル
がオフとされて、且つロックアップ機構12が作動中で
あって(図7のステップS500においてYES)、ブ
レーキペダルの踏み込み開始時の車速が30km/h以上で
ないこと(ステップS510においてYES)を条件
に、ブレーキペダルの踏み込み開始時の車速や車両の減
速度合いに応じてロックアップ禁止車速を算出する。
【0113】ここで、ブレーキペダルの踏み込み開始時
の車速が20〜30km/hのとき(ステップS510にお
いてYES)、電子制御装置40は、ステップS600
及びステップS610において、加速度センサ46の検
知結果に基づき、そのときの車両の減速加速度の大きさ
を判断する。なお、この制御装置では、車両の減速加速
度をその大きさに応じて「大」「中」「小」の3つの領
域に区分けしている。ちなみにこの実施の形態では、車
両の減速加速度が−0.3G以下のときを減速加速度
「大」と、−0.3Gから−0.2Gまでのときを減速
加速度「中」と、−0.2Gよりも大きいときを減速加
速度「小」としている。
【0114】そして、この実施の形態では、電子制御装
置40は、減速加速度が「大」と判断された場合(ステ
ップS600においてYES)には、ステップS620
において、図9(a)に示すマップA2を用いてロック
アップ禁止車速を算出し設定する。また、減速加速度が
「中」であると判断された場合(ステップS600にお
いてNO,ステップS610においてYES)、電子制
御装置40は、ステップS630において、図9(b)
に示すマップB2を用いてロックアップ禁止車速を算出
し設定する。これらのマップA2,B2には、ブレーキ
ペダルの踏み込み開始時の車速が20〜30km/hで、そ
れぞれ減速加速度が「大」または「中」のときの、減速
加速度「大」または「中」が継続されている時間とロッ
クアップ禁止車速との対応関係が記憶されている。
【0115】これに対して、減速加速度が「小」である
と判断された場合(ステップS600,S610の何れ
においてもNO)、電子制御装置40は、ステップS6
40において、ロックアップ禁止車速を上述の速度「H
I」に設定する。こうしてロックアップ禁止車速を算出
及び設定した後、電子制御装置40は、この処理を一旦
終了する。
【0116】他方、ブレーキペダルの踏み込み開始時の
車速が20km/h以下の場合(ステップS520において
YES)、電子制御装置40は、先のステップS600
〜S640と同様にそのときの減速加速度の大きさに応
じてロックアップ禁止車速を設定する。
【0117】そして、電子制御装置40は、減速加速度
が「大」である場合(図8のステップS700において
YES)には、ステップS720において図9(c)に
示すマップC2を、減速加速度が「中」である場合(ス
テップS700においてNO、ステップS710におい
てYES)には、ステップS730において図9(d)
に示すマップD2をそれぞれ用いてロックアップ禁止車
速を算出し設定する。また、減速加速度が「小」である
場合(ステップS700及びS710の何れにおいても
NO)、電子制御装置40は、ステップS740におい
て、ロックアップ禁止車速を上述の速度「MID」に設
定する。こうしてロックアップ禁止車速を算出及び設定
した後、電子制御装置40はこの処理を一旦終了する。
【0118】電子制御装置40は、ブレーキペダルの踏
み込みが検知されている間、以上の処理を所定時間毎に
繰り返し実行している。そして電子制御装置40は、減
速加速度の継続時間の延長などに応じてロックアップ禁
止車速を随時更新しながら設定し直すようにしている。
【0119】なお、この実施の形態においても、上記マ
ップA2〜マップD2の対比から明らかなように、加速
度センサ46の検知結果、すなわち減速加速度の大きさ
やその継続時間に基づき判断される車両の減速度合いが
大きな程、ロックアップ禁止車速は、より低速度となる
ように設定される。また、ブレーキペダルの踏み込み開
始時の車速が低速度であるほど、ロックアップ禁止車速
はより低速度となるように設定される。
【0120】したがって、この実施の形態においても、
運転者に与える違和感を好適に回避しながらも、車両減
速中におけるロックアップが継続される期間を延長させ
ている。そしてこの結果、この制御装置では、無段階変
速機20と流体継ぎ手であるトルクコンバータ11及び
ロックアップ機構12を備える車両用動力伝達機構にお
いて、車両減速中のロックアップをより効率的に実行す
ることができるようになる。
【0121】しかも、この実施の形態では、車両の減速
度合いを加速度センサ46の検知結果に基づき直接的に
判断している。このため、車両の減速度合いをより正確
に把握することができ、車両減速中のロックアップを更
に効率的に実行することができるようになる。
【0122】以上説明したように、本実施の形態の車両
用動力伝達機構の制御装置によれば、上記(1)〜
(5)に記載した効果に加え、以下に記載する優れた効
果を奏することができるようになる。
【0123】(7)車両の減速度合いを加速度センサ4
6の検知結果に基づき直接的に判断しているため、車両
の減速度合いをより正確に把握することができ、車両減
速中のロックアップを更に効率的に実行することができ
るようになる。
【0124】なお、以上説明した各実施の形態の車両用
動力伝達機構の制御装置は、以下のように変更すること
もできる。 ・上記各実施の形態のロックアップ禁止車速の算出にか
かる車速、ブレーキペダルの踏み込み量やその踏み込み
時間、減速加速度の大きさやその継続時間などの各数値
は任意であり、適宜に変更してもよい。
【0125】・上記各実施の形態では、車両の減速度合
いに加え、ブレーキペダルの踏み込み開始時を車両の減
速開始時として、そのときの車速に応じてロックアップ
禁止車速を可変設定する構成としたが、ブレーキペダル
の踏み込み開始時に換えて、例えば車速の推移や減速加
速度の推移などの他の方法によって減速開始時を判断す
るようにしてもよい。
【0126】・上記第1の実施の形態では、ブレーキペ
ダルの踏み込み量とその踏み込み時間とから車両の減速
度合いを判断する構成としているが、ブレーキセンサ4
3によるブレーキペダルの踏み込み量の検知結果に基づ
き把握される他の状態量、例えばブレーキペダルの踏み
込み速度やその踏み込み量の時間積分値などから車両の
減速度合いを判断するようにしてもよい。また、ブレー
キペダルの踏み込み量のみ、あるいはその踏み込み時間
のみから車両の減速度合いの大きさを判断するようにし
てもよい。
【0127】・上記第2の実施の形態では、車両の減速
加速度の大きさ及びその継続時間に基づき車両の減速度
合いの大きさを判断するようにしているが、これらのい
ずれか一方によって車両の減速度合いの大きさを判断す
るようにしてもよい。
【0128】・また、上記各実施の形態では、それぞれ
ブレーキセンサ43によって検知されるブレーキペダル
の踏み込み量や、加速度センサ46によって検知される
車両の加速度に基づき車両の減速度合いの大きさを判断
する構成としているが、車両の減速度合いの判断方法は
任意であり、例えば車速の推移などによって車両の減速
度合いを判断するようにしてもよい。
【0129】・また、上記各実施の形態では減速開始時
の車速が低速度であるほどロックアップ禁止車速が高速
度となるよう設定しているが、こうした減速開始時の車
速に応じたロックアップ禁止車速の設定態様は任意であ
り、効率的なロックアップの運用が行えるように上記設
定態様を適宜に変更してもよい。
【0130】・更に、上記各実施の形態における減速度
合いに応じたロックアップ禁止車速の設定態様について
も任意であり、同じく効率的なロックアップの運用が行
えるように上記設定態様を適宜に変更してもよい。
【0131】・上記各実施の形態では、ブレーキペダル
の踏み込み量や車両の加速度の検知結果に基づく車両の
減速度合いに加え、ブレーキペダルの踏み込み開始時を
車両の減速開始時として、そのときの車速に応じてロッ
クアップ禁止車速を可変設定する構成としたが、上記車
両の減速度合いのみに基づいてロックアップ禁止車速を
可変設定するようにしてもよい。
【0132】・上記各実施の形態では、ロックアップ禁
止車速、すなわちロックアップ機構12の作動を禁止す
る車速を、車両の減速度合いなどに応じて可変設定する
ことで、車両減速中におけるロックアップを禁止する時
期を可変とする構成としたが、減速開始からロックアッ
プを禁止するまでの時間などの他の状態量の可変設定に
基づきロックアップを禁止する時期を可変とするように
してもよい。
【0133】・また、車両用動力伝達機構の構成につい
ても任意に変更してもよい。要は、上記ロックアップ機
構12のように、変速機を介したエンジン出力軸と駆動
輪回転軸との動力伝達経路を断接する機能を有するクラ
ッチ機構を備える車両用動力伝達機構であれば、上記各
実施形態と同様或いはそれに準じた制御を適用すること
ができる。
【0134】(第3の実施の形態)続いて、本発明を具
体化した第3の実施の形態について説明する。上記第1
及び第2の実施形態では、ブレーキペダルの踏み込み量
や加速度センサ46の検出結果などに基づき判断される
車両の減速度合いに応じて、その減速度合いが大きなほ
どロックアップ禁止車速を低速側に設定してロックアッ
プ機構12の作動解除時期を遅らせるようにしていた。
そしてこれにより、車両の減速度合いに拘わらず、違和
感を生じさせない許容限界までロックアップ機構12の
作動を継続して燃料カット領域を拡大するようにしてい
た。
【0135】ところで、ロックアップ機構12の作動の
解除には、ある程度の応答遅れが存在する。また、エン
ジン出力軸10と駆動輪回転軸32とが直結状態とされ
たロックアップ機構12の作動時には、エンジン回転数
の落ち込み速度は、車両の減速度合いによって変化す
る。このため、同一車速においてロックアップ機構12
の作動解除の指令を出力したとしても、急減速時と緩減
速時とでは、実質的にロックアップ機構12の作動が解
除されるときの車速は異なるようになる。したがって、
ロックアップ機構12の作動を一定の車速で解除する要
求がある場合には、そうした車両の減速度合いの影響は
無視しがたいものとなる。
【0136】そこで、本実施の形態では、車速がロック
アップ禁止車速を下回ることを条件にロックアップ機構
12の作動解除の指令を出力するようにしている。そし
て、車両の減速度合いに拘わらず一定の車速においてロ
ックアップ機構12の作動が解除されるように、車両の
減速度合いに応じてそのロックアップ禁止車速を設定す
るようにしている。
【0137】すなわち、エンジン回転数の落ち込み速度
の大きな急減速時には、ロックアップ禁止車速をより高
速側に設定し、より高車速でロックアップ機構12の作
動解除の指令を出力するようにしている。またエンジン
回転数の落ち込み速度の小さな緩減速時には、ロックア
ップ禁止車速をより低速側に設定し、より低車速で上記
作動解除の指令を出力するようにしている。そして、こ
こでは、加速度センサ46によって検知される車両の減
速加速度(減速G)及び無段階変速機20の変速比に基
づいて、ロックアップ禁止車速を設定して、車両の減速
度合いに拘わらず、一定の車速でロックアップ機構12
の実質的な作動の解除が行われるようにしている。
【0138】図10は、こうした本実施の形態の制御態
様が、車両の減速Gが大きなときと小さなときとの2つ
の場合を例として示している。ここでは、減速Gが大き
なとき、すなわち車両がより急減速されているときに
は、ロックアップ禁止車速として速度V1が、減速Gが
小さなときには、その速度V1よりも低速側の速度V2
が、各々ロックアップ禁止車速として設定されている。
このため、同図(a)に車速の推移が破線にて示される
減速Gが大きなときには、実線にて示される減速Gが小
さなときにに比して、ロックアップ機構12の作動解除
の指令がなされるようになる。この図10は、いずれの
減速Gの場合にも、同一の時刻t5において上記作動解
除の指令が出力されたものとして、示されている。
【0139】一方、同図(c)に示すように、ロックア
ップ機構12の駆動油圧の変化には応答遅れがあるた
め、作動解除の指令がなされてから時間ΔTが経過した
時刻t6において、実質的なロックアップ機構12の作
動が解除されるようになる。この応答遅れ期間ΔTにお
ける車速の低下は、減速Gの大きなときと小さなときと
では当然異なっている。ただし本実施形態では、上記の
如くロックアップ禁止車速を設定するようにしているた
め、いずれの場合においても実質的にロックアップ機構
12の作動が解除される時刻t6での車速を、減速Gに
拘わらず一定の車速V3とすることができる。
【0140】以上説明した本実施形態によれば、以下に
記載の効果を得ることができる。 (1)本実施形態では、車速が所定のロックアップ禁止
車速を下回ることを条件にロックアップ機構12の車両
減速中の作動を解除させるようにするとともに、車両の
減速度合いに拘わらず一定の車速においてロックアップ
機構12の作動が解除されるように、車両の減速度合い
に応じてそのロックアップ禁止車速を可変設定するよう
にしている。このため、ロックアップ機構12の作動解
除にかかる応答遅れの存在しようとも、車両の減速度合
いの如何に拘わらず、常に一定の車速においてロックア
ップ機構12の作動を解除することができるようにな
る。そしてこれにより、減速加速度の増大に伴う違和感
の発生、或いはフューエルカット復帰時のストールの発
生などの不具合を適切に防止することができるようにも
なる。
【0141】なお、本実施形態では、車両の減速度合い
を、加速度センサ46の検知結果に基づいて判断するよ
うにしているが、ブレーキペダルの踏み込み量の検知結
果、或いは車速の推移などから車両の減速度合いを求め
るようにしてもよい。要は、エンジン出力軸と駆動輪回
転軸との動力伝達経路を断接するクラッチ機構の作動解
除の指令を発する車速(ロックアップ禁止車速)を、車
両の減速度合いに拘わらず一定の車速においてクラッチ
機構の実質的な作動解除がなされるように、その減速度
合いに応じて可変設定するようにすれば、減速度合いに
拘わらず、一定車速でクラッチ機構の作動を解除するこ
とができるようになる。
【0142】(第4の実施の形態)続いて、本発明を具
体化した第4の実施の形態について説明する。上述した
ように、変速機を介したエンジン出力軸と駆動輪回転軸
との動力伝達系路を断接するクラッチ機構を備える車両
用動力伝達機構では、車両減速中にクラッチ機構を作動
させて、エンジン出力軸と駆動輪回転軸とを直結状態と
して、フューエルカットを行うようにしている。特に、
無段階変速機を備える車両用動力伝達機構では、クラッ
チ機構の作動を維持したまま、滑らかに変速することが
できるため、より低車速となるまでクラッチ機構の作動
を維持してフューエルカットを続けることができる。
【0143】一方、こうした車両減速中のクラッチ機構
の作動時にエンジン回転数が過剰に低下すれば、フュー
エルカット復帰時のストールの発生等の不具合が生じる
おそれがある。また、エンジン駆動式のオイルポンプの
発生油圧を用いて駆動される変速機を備える車両用動力
伝達機構では、エンジン回転の低下に伴う発生油圧の低
下によって、変速機の動作に支障をきたすおそれもあ
る。例えば上記ベルト式無段階変速機の場合、オイルポ
ンプの発生油圧が低下した場合には、プーリのベルト狭
圧が不足してベルト滑りが発生する。そこで従来、車両
減速中のクラッチ機構の作動時にエンジン回転数が所定
の回転数を下回ることを条件に、クラッチ機構の作動を
強制解除するようにしている。
【0144】ところが、車両が急減速されているときに
は、エンジン回転数の落ち込みも急速であることから、
強制解除の指令がなされてからクラッチ機構の作動が実
質的に解除されるまでの応答遅れの間でのエンジン回転
数の落ち込みも、急減速時には大きくなる。したがっ
て、上記所定の回転数を下回ったときに強制解除の指令
を発令したとしても、緩減速時と急減速時とでは、実質
的にクラッチ機構の作動が解除されるときの車速やエン
ジン回転数が異なるようになる。そして、急減速時に
は、クラッチ機構の実質的な作動が解除されたときの車
速やエンジン回転数が許容される領域を下回って、ショ
ックによる違和感の発生や、フューエルカット復帰時の
ストールの発生などの不具合が生じるおそれがある。無
論、そうしたエンジン回転数の低下によって、上記オイ
ルポンプの発生油圧の低下による変速機の作動への影響
も避け難くなる。
【0145】そこで、本実施形態では、車両減速中にク
ラッチ機構の作動を強制解除する時期を車両の減速度合
いに応じて可変設定することで、燃費の悪化を回避しな
がらも、そうした不具合の発生を防止するようにしてい
る。以下、こうした本実施形態での車両減速中の車両制
御について、図11及び図12を参照して詳細に説明す
る。
【0146】なお、本実施形態の制御装置及びその制御
対象となる車両用動力伝達機構の構成は、先の図1に示
したものと同様の構成となっている。すなわち、本実施
形態の適用される車両用動力伝達機構は、図1に示され
るように、駆動輪回転軸32とエンジン出力軸10との
動力伝達を無段階変速機20を介して行っており、それ
らの動力伝達を断接するクラッチ機構であるロックアッ
プ機構12を備えて構成されている。また、無段階変速
機20の変速制御やロックアップ機構12の作動制御
は、電子制御装置40によって行われるようになってい
る。
【0147】アクセルペダルがオフとされて車両の減速
が開始されると、電子制御装置40は、車速が所定車速
以上であることを条件として、ロックアップ機構12を
作動させ、エンジン出力軸10と駆動輪回転軸32とを
直結状態とする。またこれとともに、電子制御装置40
は、エンジンENGでのフューエルカットを実施させて
いる。
【0148】本実施形態では、こうして車両減速中のロ
ックアップ機構12の作動が開始されると、フューエル
カットからの復帰がなされるまでの間、電子制御装置4
0は、図11に示される一連の処理を、所定時間毎の割
り込み処理として周期的に実行する。なお、ここでの減
速加速度(減速G)の値は、減速時の加速度の絶対値を
示している。したがって、減速加速度の値が大きなほ
ど、急減速であることを示している。
【0149】電子制御装置40はこの処理において、車
両減速中に周期的に、ロックアップ機構12の作動の強
制解除の条件となる減速G(強制解除減速G)及びフュ
ーエルカットの強制復帰の条件となる減速G(強制復帰
減速G)を、そのときの車速及び無段階変速機20の変
速比に基づいて、各々算出するようにしている(S10
00)。
【0150】ここでの強制解除減速Gの算出は、例えば
図12に示されるような3次元マップを用いて行われ
る。この図11にみられるように、強制解除減速Gは、
変速比が大きな(ロー側)ほど、或いは車速が高速なほ
ど、大きな値(急減速側の値)が設定される。すなわ
ち、車速が低車速域まで減速されていて、変速比が小さ
な(ハイ側)ときほど、強制解除減速Gには小さな値
(緩減速側の値)が設定されて、より小さな減速Gでも
ロックアップ機構12の強制解除がなされるようにな
る。したがって、低車速でハイ側の変速比が設定されて
いて、フューエルカットからの復帰にとってシビアな条
件なときほど、より小さな減速Gでもロックアップ機構
12の強制解除がなされるようになる。
【0151】一方、強制復帰減速Gの算出も、同様の3
次元マップを用いて行われている。この強制復帰減速G
についても、変速比が大きな(ロー側)ほど、或いは車
速が高速なほど、大きな値が設定されて、車速が低車速
で変速比が小さな(ハイ側)ときほど、より小さな減速
Gでもフューエルカットの強制復帰がなされるようにな
る。ただし、強制復帰減速Gには、同一の車速及び変速
比での強制解除減速Gの値よりも、若干大きな値が設定
されている。
【0152】そして、加速度センサ46による減速Gの
検出値が上記強制解除減速Gを上回り、ロックアップ機
構12の強制解除条件が成立すると(S1010:
Y)、未だ強制解除がなされていなければ(S102
0:N)、電子制御装置40はロックアップ機構12の
作動の強制解除指令を出力する(S1030)。
【0153】またこのとき電子制御装置40は、そのと
きの車速及び減速Gの検出値に基づいてエンジン回転数
の増大量を算出する(S1040)。このエンジン回転
数増大量は、エンジンENGのストール防止や無段階変
速機20の作動油圧の確保のため、フューエルカット復
帰後に行われるエンジン回転増大制御にあたってのエン
ジン回転数目標値の増大補正量となっている。この増大
量には、強制解除条件成立時の車速が低速なほど、或い
は減速Gが大きなほど(急減速であるほど)、大きな値
が設定される。すなわち、車速が低速でエンジン回転数
が低く、或いは減速Gが大きくてエンジン回転数の落ち
込みが急速な、よりシビアな条件にてロックアップ機構
12の強制解除がなされたときほど、フューエルカット
復帰後にエンジン回転数を大きく増大させるようにして
いる。
【0154】一方、ロックアップ機構12の強制解除が
なされた後、車速の低下に応じて上記強制復帰減速Gが
より小さな値に設定されることなどによって、減速Gの
検出値が上記強制復帰減速Gを上回り、フューエルカッ
トの強制復帰条件が成立すると(S1050:Y)、電
子制御装置40は、フューエルカットからの強制復帰を
実行して(S1060)、上記エンジン回転数増大制御
を実行する(S1070)。
【0155】以上説明したように、本実施形態では、車
両の減速Gの検出値が、車速及び変速比に基づいて算出
された強制解除減速Gよりも大きくなることを条件にロ
ックアップ機構12の作動を強制解除するようにしてい
る。そしてこれにより、車両の減速度合いに応じてロッ
クアップ機構12の作動解除時期が可変設定されてい
る。このため、車両の減速Gが大きなときほど、車両減
速中の早期の段階でロックアップ機構12の作動の強制
解除がなされるようになる。
【0156】そして、こうしてロックアップ機構12の
作動が強制解除された後、車速の低下等に応じてフュー
エルカット強制復帰減速Gがより小さな値に設定される
ことにより、フューエルカットの強制復帰条件が成立し
て、フューエルカットの強制復帰がなされるようにな
る。そして、フューエルカットの強制復帰がなされる
と、エンジン回転増大制御が実施され、エンジンENG
の出力トルクが増大されるようになる。
【0157】また、本実施形態では、車速及び変速比に
基づいて算出された強制復帰減速Gを減速Gの実測値が
上回ることをフューエルカットの強制復帰条件としてい
る。このため、フューエルカットの強制復帰についても
同様に、減速Gに拘わらず、車速及びエンジン回転数が
好適な条件で実施することができるようになる。
【0158】以上説明した本実施形態によれば、以下の
効果を得ることができる。 (1)本実施形態では、車両減速中の減速Gの検出値
が、車速及び無段階変速機20の変速比に基づき算出さ
れた強制解除減速Gを上回ることを条件に、ロックアッ
プ機構12の作動を強制解除するようにしている。この
ため、ロックアップ機構12の応答遅れや車両減速中の
減速Gに拘わらず、好適な条件でロックアップ機構12
の作動を強制解除するように設定することができるよう
になる。
【0159】(2)本実施形態では、ロックアップ機構
12の作動を強制解除する強制解除減速Gを、車速と変
速比とに基づいて算出するようにしている。これによ
り、無段階変速機20の変速比制御の如何に拘わらず、
適切な時期にロックアップ機構12の作動を強制解除し
て、エンジン回転数の極端な低下を防止することができ
るようになる。
【0160】(3)また本実施形態では、車速が低速で
あるほど、及び変速比がロー側であるほど、強制解除減
速Gに大きな値を設定するようにしている。このため、
車両が急減速されているときほど、高車速及び高回転数
においてロックアップ機構12の作動の強制解除を開始
できるようになり、ロックアップ機構12の応答遅れや
車両減速中の減速Gに拘わらず、車速及びエンジン回転
数が許容限度を下回ることなくロックアップ機構12の
作動を解除することができるようになる。そして、これ
により、ロックアップ機構12の作動解除時の違和感の
発生やフューエルカット復帰後のストールの発生を防止
することができるようになる。また、これにより、エン
ジン回転数の低下に伴うオイルポンプのポンプ性能不足
も防止されるようになって、ベルト挟み圧の不足等の不
具合を回避して、無段階変速機20の作動性を好適に保
持することもできるようになる。
【0161】(4)また本実施形態では、ロックアップ
機構12の作動が強制解除された後、エンジン回転数の
増大制御を実施して、エンジンENGの出力トルクを、
強制解除がなされないときの同一運転状態での出力トル
クに比して増大させるようにしている。これにより、フ
ューエルカット復帰後のエンジン運転の安定化やオイル
ポンプのポンプ性能を好適に確保することができるよう
になる。
【0162】なお、本実施形態の車両用動力伝達機構の
制御装置は、以下のように変更することもできる。そし
てその場合であれ、本実施形態と同様或いはそれに準じ
た効果を得ることができる。
【0163】・上記実施形態では、ロックアップ機構1
2の作動を強制解除した後、エンジンENGの出力トル
クを増大させるようにエンジン回転増大制御を行ってい
るが、そうした制御を実施しない構成としてもよい。
【0164】・上記実施形態では、無段階変速機20
は、エンジン出力軸に駆動連結されたオイルポンプの発
生油圧によって駆動されるよう構成されているが、そう
した油圧駆動式の無段階変速機以外の任意の無段階変速
機にも、上記制御は同様に適用することができる。ま
た、無段階変速機以外の変速機を備える車両用動力伝達
機構についても、上記実施形態と同様或いはそれに準じ
た態様で、上記制御を適用することができる。要は、変
速機を介したエンジン出力軸と駆動輪回転軸との動力伝
達を断接するクラッチ機構を備える車両用動力伝達機構
であれば、上記実施形態と同様或いはそれに準じた車両
減速中の制御を適用することで、エンジン回転の極端な
低下を防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる車両用動力伝達機構の制御装置
の第1実施形態について全体構成を示す略図。
【図2】第1実施形態についてそのロックアップ禁止車
速の算出手順を示すフローチャート。
【図3】同じくロックアップ禁止車速の算出手順を示す
フローチャート。
【図4】マップデータであるブレーキ踏み込み時間とロ
ックアップ禁止車速との関係を示すグラフ。
【図5】第1実施形態における制御態様を示すタイムチ
ャート。
【図6】同じく第1実施形態における制御態様を示すタ
イムチャート。
【図7】第2実施形態についてそのロックアップ禁止車
速の算出手順を示すフローチャート。
【図8】同じくロックアップ禁止車速の算出手順を示す
フローチャート。
【図9】マップデータである減速加速度とロックアップ
解除時間との関係を示すグラフ。
【図10】第3実施形態についてその制御態様例を示す
略図。
【図11】第4実施形態についてその車両減速中の制御
手順を示すフローチャート。
【図12】同実施形態で用いられる強制解除減速加速度
算出用のマップ例を示す略図。
【符号の説明】
10…エンジン出力軸、11…トルクコンバータ、12
…ロックアップ機構(クラッチ機構)、13…前後進切
換機構、20…無段階変速機、22…駆動プーリ、23
…被動プーリ、24…ベルト、30…減速機構、31…
ディファレンシャルギア、32…駆動輪回転軸、40…
電子制御装置、41…CVT駆動装置、42…ロックア
ップ作動装置、43…ブレーキセンサ、44…アクセル
開度センサ、45…車速センサ、46…加速度センサ、
ENG…エンジン、DRV…駆動輪。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 忠志 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 井上 大輔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 河野 克巳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 谷口 浩司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変速機を介した駆動輪回転軸とエンジン出
    力軸との動力伝達経路を断接するクラッチ機構を備える
    車両に適用されて、車両減速中に前記クラッチ機構を作
    動させる車両用動力伝達機構の制御装置において、 前記車両の減速度合いを判断する減速度合い判断手段
    と、 前記車両減速中における前記クラッチ機構の作動解除時
    期を、その減速度合いに応じて可変設定する解除時期可
    変手段とを備えることを特徴とする車両用動力伝達機構
    の制御装置。
  2. 【請求項2】変速機を介した駆動輪回転軸とエンジン出
    力軸との動力伝達経路を断接するクラッチ機構を備える
    車両に適用されて、車両減速中に前記クラッチ機構を作
    動させる車両用動力伝達機構の制御装置において、 前記車両の減速度合いを判断する減速度合い判断手段
    と、 前記車両減速中における前記クラッチ機構の作動解除時
    期を、前記減速度合い判断手段の判断する減速度合いに
    応じて、その減速度合いが大きなほど遅らせるように可
    変設定する解除時期可変手段とを備えることを特徴とす
    る車両用動力伝達機構の制御装置。
  3. 【請求項3】前記クラッチ機構は、車速が所定の速度を
    下回ることを条件に車両減速中の作動を解除されるもの
    であって、前記解除時期可変手段は、前記所定の速度を
    低速側に変更することで前記クラッチ機構の作動解除時
    期を遅らせるように可変設定するものである請求項2記
    載の車両用動力伝達機構の制御装置。
  4. 【請求項4】前記解除時期可変手段は、前記クラッチ機
    構の作動の解除にかかる応答遅れに拘わらず一定の車速
    において同クラッチ機構の作動が解除されるように、前
    記車両の減速度合いに応じて前記クラッチ機構の作動解
    除の指令を出力する時期を可変設定するものである請求
    項1記載の車両用動力伝達機構の制御装置。
  5. 【請求項5】前記解除時期可変手段は、前記車速が所定
    の速度を下回ることを条件に前記クラッチ機構の作動解
    除の指令を出力するものであって、前記所定の速度を前
    記車両の減速度合いに応じて変更することで、前記指令
    を出力する時期を可変設定するものである請求項4記載
    の車両用動力伝達機構の制御装置。
  6. 【請求項6】前記車両の減速開始時の車速を判断する減
    速車速判断手段を更に備えるとともに、前記解除時期可
    変手段は、更にその減速開始時の車速に応じて前記クラ
    ッチ機構の作動解除時期を可変設定する請求項1〜5の
    いずれか記載の車両用動力伝達機構の制御装置。
  7. 【請求項7】前記解除時期可変手段は、前記減速開始時
    の車速が低速であるほど前記クラッチ機構の作動解除時
    期を遅らせるように可変設定する請求項6記載の車両用
    動力伝達機構の制御装置。
  8. 【請求項8】変速機を介した駆動輪回転軸とエンジン出
    力軸との動力伝達経路を断接するクラッチ機構を備える
    車両に適用されて、車両減速中に前記クラッチ機構を作
    動させる車両用動力伝達機構の制御装置において、 前記車両の減速度合いを判断する減速度合い判断手段
    と、 車両減速中に前記減速度合いが所定の大きさを超えるこ
    とを条件に前記クラッチ機構の作動を強制解除すること
    で、前記減速度合いに応じて前記クラッチ機構の作動解
    除時期を可変設定する解除時期可変手段と、 その強制解除がなされる減速度合いの大きさを、車速及
    び前記変速機の変速比に応じて変更する解除条件変更手
    段と、 を備えることを特徴とする車両用動力伝達機構の制御装
    置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の車両用動力伝達機構の制御
    装置において、 前記クラッチ機構の強制解除がなされた後、前記エンジ
    ンの出力トルクを、強制解除がなされないときの同一運
    転条件での出力トルクに比して増大させるトルクアップ
    制御手段を更に備えることを特徴とする車両用動力伝達
    機構の制御装置。
  10. 【請求項10】前記減速度合い判断手段は、ブレーキペ
    ダルの踏み込み量の検知結果に基づき前記減速度合いを
    判断するものである請求項1〜9のいずれか記載の車両
    用動力伝達機構の制御装置。
  11. 【請求項11】前記減速度合い判断手段は、車両の加速
    度を検知する加速度センサの検知結果に基づき前記減速
    度合いを判断するものである請求項1〜10のいずれか
    記載の車両用動力伝達機構の制御装置。
  12. 【請求項12】前記変速機は、無段階に変速可能な無段
    階変速機である請求項1〜11のいずれか記載の車両用
    動力伝達機構の制御装置。
  13. 【請求項13】前記無段階変速機は、前記エンジン出力
    軸に駆動連結されたオイルポンプの発生油圧によって駆
    動される請求項12記載の車両用動力伝達機構の制御装
    置。
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