JP2002364744A - 手動変速モード付き無段変速機の変速制御システム - Google Patents

手動変速モード付き無段変速機の変速制御システム

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JP2002364744A
JP2002364744A JP2001170717A JP2001170717A JP2002364744A JP 2002364744 A JP2002364744 A JP 2002364744A JP 2001170717 A JP2001170717 A JP 2001170717A JP 2001170717 A JP2001170717 A JP 2001170717A JP 2002364744 A JP2002364744 A JP 2002364744A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手動変速モードにおいて、高回転領域で加速
中にアップシフトが行われるときにはエンジン回転速度
の落ち込みを抑えて良好な加速性能を確保するととも
に、高回転領域でない、あるいは加速中でないときにア
ップシフトが行われるときにはエンジン回転速度を下げ
てエンジン騒音を低減し、過大なエンジンブレーキの発
生を防止する。 【解決手段】 手動変速モードが選択されている場合、
変速機入力回転速度Ninが所定の高回転速度NinH以下あ
るいはアクセル踏み込み中でないときにアップシフト操
作が行われたときは各変速段の変速比が固定された通常
用変速線〜に基づき前記無段変速機の変速比を制御
し、変速機入力回転速度Ninが所定の高回転速度NinH以
上かつアクセル踏み込み中にアップシフト操作が行われ
た時には各変速段の変速比が前記通常用変速線よりもロ
ー側に設定される加速時用変速線’〜’に基づき前
記無段変速機の変速比を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】手動変速モードを有する無段変速
機の変速制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平11-13870号には変速比が走行状態
に応じて最適な変速比に自動的に制御される自動変速モ
ードに加えて、運転者が変速段を自由に選択することが
でき、有段の手動変速機類似の変速が可能な手動変速モ
ードを備えた無段変速機が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記従来技術で
は、手動変速モードにおいて各変速段の変速比を固定せ
ず、変速機の入力回転速度が高くなる程変速比がハイ側
に変化する特性とすることにより、高回転領域でアップ
シフトが行われた場合の変速機入力回転速度の低下量、
すなわちエンジン回転速度の低下量を小さくし、加速度
段差によるショックの低減を図っている。また、エンジ
ン回転速度の低下量を小さくできることからエンジンが
パワーバンドから外れにくくなり、アップシフトによる
トルクの落ち込みが少なくなるという効果もある。
【0004】しかしながら、変速機の入力回転速度が高
い時のアップシフトであっても、必ずしもアクセルを踏
み込んで加速を継続しているわけではなく、加速を止め
て惰性走行するためにアップシフトさせる場合もありう
る。この場合にエンジン回転速度の低下量が小さいと、
エンジンの騒音が気になったり、あるいはアクセルオフ
でエンジン回転速度が高いとエンジンブレーキが効き過
ぎる場合があり、エンジン回転速度を早く低下させたほ
うが好ましいこともある。また、変速を行わずに車両を
減速させていくときにも上記変速特性では高回転領域で
はエンジン回転速度がなかなか落ちてこないため運転者
に違和感を与えることにもなる。
【0005】本発明は、かかる技術的課題を鑑みてなさ
れたもので、高回転領域で加速中にアップシフト操作が
行われるときにはエンジン回転速度の低下を抑えて良好
な加速性能を確保するとともに、高回転領域でない、あ
るいは加速中でないときにアップシフト操作が行われる
ときにはエンジン回転速度を十分に下げてエンジン騒音
を低減し、過大なエンジンブレーキの発生を防止するこ
とを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】第1の発明は、手動変
速モード付き無段変速機の変速制御システムにおいて、
前記無段変速機の入力回転速度を検出する手段と、アク
セルペダルの操作量を検出する手段と、アップシフト操
作が行われたか否かを検出する手段と、前記手動変速モ
ードにおいて、前記変速機入力回転速度が所定の高回転
速度より低いあるいはアクセル踏み込み中でないときに
アップシフト操作が行われたときは各変速段の変速比が
固定された通常用変速線に基づき前記無段変速機の変速
比を制御し、前記変速機入力回転速度が所定の高回転速
度より高くかつアクセル踏み込み中にアップシフト操作
が行われた時には各変速段の変速比が前記通常用変速線
よりもロー側に設定される加速時用変速線に基づき前記
無段変速機の変速比を制御する変速制御手段とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0007】第2の発明は、第1の発明において、加速
時用変速線が、車速が上昇するにつれ同一変速段の通常
用変速線に近づくように設定されることを特徴とするも
のである。
【0008】第3の発明は、第2の発明において、前記
加速時用変速線による変速制御中にアクセルペダルが戻
された場合、変速線をアクセル戻し時の変速比で固定さ
れる変速線に修正するように構成したことを特徴とする
ものである。
【0009】第4の発明は、第3の発明において、前記
加速時用変速線による変速制御中にアクセルペダルが戻
された場合には、アクセル戻し時の車速からみて低速側
はアクセル戻し時の変速比で固定されるように、また高
速側はアクセル戻し時に設定されていた加速時用変速線
と一致するように変速線を修正するように構成したこと
を特徴とするものである。
【0010】第5の発明は、第2から第4の発明におい
て、加速時用変速線が、一段下の変速段の通常用変速線
における前記所定の高回転速度よりも低い回転速度に対
応する点から、同一変速段の通常変速線における変速機
最高入力回転速度に対応する点までを直線で結んだもの
であることを特徴とするものである。
【0011】
【作用及び効果】したがって、第1の発明によれば、ア
クセル踏み込み中の高回転でアップシフト操作が行われ
た場合、アップシフト後の変速線として各変速段の変速
比が通常用変速線よりもロー側の加速時用変速線が設定
されるので(図2参照)、アップシフト時のエンジン回
転速度の低下量が小さく抑えられ、エンジンがパワーバ
ンドから外れにくくすることができる。また、加速終了
後にアップシフト操作が行われた場合には加速時用変速
線ではなく通常用変速線が用いられるので、エンジン回
転速度の低下量を大きくでき、エンジン回転の騒音、エ
ンジンブレーキの作用が強くなるのを防止できる。
【0012】また、加速時用変速線の各変速段の変速比
を固定変速比とした場合、通常用変速線から加速時用変
速線のアップシフトでは上記効果が得られるものの、さ
らに加速中にアップシフト操作が行われ加速時用変速線
から加速時用変速線へのアップシフトになると上記効果
が薄れてしまうが、第2の発明にあるように車速の上昇
と共に通常用変速線の変速比に近づくように加速時用変
速線を設定すれば、高回転領域で加速中にアップシフト
が連続して行われる場合でも上記効果が得られる(図8
参照)。
【0013】また、第3、第4の発明によれば、加速時
用変速線を用いて変速制御を行っているときでもアクセ
ルを戻して減速する際には車速の低下に相応してエンジ
ン回転速度を低下させることができ、運転者に違和感の
ない減速を実現することができる。さらに、第4の発明
によれば、この状態から再度加速した場合には元の加速
時用変速線に移り変速制御が行われるので、そこからア
ップシフトが行われる時のエンジン回転速度の低下量を
小さく抑えられる。
【0014】また、加速時用変速線を、一段下の通常用
変速線における所定の高回転速度よりも低い回転速度に
対応する点から、同一変速段の通常変速線における変速
機最高入力回転速度に対応する点までを直線で結んだも
のに設定すれば(図5参照)、所定の高回転速度以上で
アップシフトが行われて通常用変速線から加速時用変速
線に移行する時には必ずエンジン回転速度の落ち込みが
発生し、適度なアップシフト感が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施の形態について説明する。
【0016】図1は本発明に係る手動変速モード付き無
段変速機の変速制御システムの概略構成を示し、変速比
制御システムは、無段変速機4と、その変速比を制御す
るCVTコントロールユニット1とで構成される。
【0017】無段変速機4は、前後進切替機構10及び
トルクコンバータ11を介して図示しないエンジンに接
続される変速機構部17と、変速機構部17への油圧供
給を制御する油圧コントロールユニット3と、油圧コン
トロールユニット3内の図示しない変速制御弁を駆動す
るステップモータ2とを備える。変速機構部17は、プ
ーリ溝幅を変更可能な一対の可変プーリ5、6と、それ
らに掛け回されるVベルト7とを備えたVベルト式無段
変速機構であり、可変プーリ5、6のプーリ溝幅を変更
することで変速比を無段階に変更することができる。
【0018】油圧コントロールユニット3内の変速制御
弁はステップモータ2の角位置に応じて駆動され、可変
プーリ5、6の可動円錐板の背面に設けられた油圧シリ
ンダ8、9に供給される油圧が調整される。この結果、
可変プーリ5、6のプーリ溝幅が相反的に変更され、変
速機構部17の変速比が変更される。
【0019】CVTコントロールユニット1には、アク
セル操作量センサ12で検出されたアクセルペダルの操
作量、インヒビタースイッチ13で検出されたセレクト
レバー13sの位置、入力回転速度センサ15で検出さ
れた変速機入力回転速度(=エンジン回転速度)、出力
回転速度センサ16で検出された変速機出力回転速度等
が入力される。自動変速モードにおいては、CVTコン
トロールユニット1は、これらの信号に基づきその時点
の走行状態で最適な変速比(目標変速比)を演算し、変
速機構部17の実変速比がこの目標変速比に近づくよう
変速比指令値を演算する。変速比指令値はCVTコント
ロールユニット1で角位置指令値に変換された後ステッ
プモータ2に出力される。
【0020】また、運転者がセレクトレバー13sをマ
ニュアルシフトゲート13mに操作すると、セレクトレ
バー13sを前方(+側)あるいは後方(−側)に操作
することによって運転者が変速段を自由に切り換えるこ
とができる手動変速モードに切り換えられる。
【0021】手動変速モードにおいては、有段の手動変
速機同様に幾つかの変速段(この実施例では1速から6
速)が予め設定されており、運転者のセレクトレバー操
作によって変速段を自由に選択することができる。そし
て無段変速機4はこの選択された変速段に対応する変速
比が実現されるように制御される。各変速段に対応する
変速比は変速機の出力回転速度と入力回転速度との関係
を規定した手動変速モード用変速マップ(図2)を参照
して決定される。なお、変速段の切り換えはステアリン
グに設けられたスイッチを操作することによって行うよ
うしても良い。
【0022】手動変速モード用変速マップは、図中実線
〜で示すように各変速段毎に予め決められた変速比
となるよう通常用変速線が設定されるが、高回転領域
(例えば、変速機入力回転速度Ninが5000rpm以上)で加
速中にアップシフト操作が行われ変速が行われるとき
は、変速機入力回転速度Nin及びエンジン回転速度の低
下量を抑え、エンジンがパワーバンドから外れないよう
にアップシフト後の変速線が図中破線’〜’で示す
加速時用変速線に切り換えられる。加速時用変速線は2
速以上の各変速段について設定され、各変速段における
加速時用変速線により設定される変速比は同じ変速段に
おける通常用変速線により設定される変速比よりもロー
側(大側)となるように設定される。
【0023】なお、ある車速以下では1速以外で変速機
入力回転速度Ninが所定の低回転速度(例えば1000rpm)
以下とならないよう通常用変速線、加速時用変速線共に
可変とされる。これは変速機入力回転速度Nin、すなわ
ちエンジン回転速度が低くなってアイドル回転速度に近
づくとエンジンの回転安定性が低下するためであり、変
速比を強制的にロー側に変更することによって変速機入
力回転速度Ninが所定以上に維持されるようにする。
【0024】図3は手動変速モードにおける変速制御の
内容を示したフローチャートである。このフローはセレ
クトレバー13sがマニュアルシフトゲート13mにあ
るときにCVTコントロールユニット1において所定周
期で繰り返し実行される。なお、変速マップとして図2
に示したものが使用される。
【0025】これについて説明すると、まず、ステップ
S1、S2では、セレクトレバー13sがアップシフト
側に操作されたか、あるいはダウンシフト側に操作され
たかが判断される。そして、アップシフト側に操作され
たと判断されたときはステップS3に進み、ダウンシフ
ト側に操作されたと判断されたときはステップS7に進
む。アップシフト側、ダウンシフト側いずれにも操作さ
れていない、すなわちセレクトレバー13sがマニュア
ルシフトゲート13mの中立位置にあるときは現在の変
速線のままステップS8に進む。
【0026】アップシフト側に操作されたとして進んだ
ステップS3ではアクセルペダルの操作量APOに基づき
車両が現在加速中か判断され、さらにステップS4では
変速機入力回転速度Ninが所定の高回転領域にあるかが
判断される。アクセル操作量APOが所定量APOHよりも大
きく加速中であり、かつ変速機入力回転速度Ninが所定
回転速度NinH(例えば5000rpm)よりも高く所定の高回
転領域にある場合はステップS5に進み、変速線が一段
上の変速段の加速時用変速線に設定される。それ以外の
場合はステップS6に進んで変速線が一段上の変速段の
通常用変速線に設定される。一方、ダウンシフト側に操
作されたと判断されて進んだステップS7では変速線が
一段下の変速段の通常用変速線に設定される。
【0027】ステップS8では、ステップS5ないしS
7で設定された変速線を用いて無段変速機4の変速比が
制御される。
【0028】次に、上記変速制御を行うことによる作用
を図4を参照しながら説明する。なお、以下の説明では
変速機出力回転速度Noutと変速機入力回転速度Ninとか
ら決まる図4中の各位置を変速動作点と称する。変速動
作点と原点Oとを結ぶ直線の傾きが無段変速機4の変速
比となり、この傾きが大きくなるほど無段変速機4の変
速比はロー側に変化する。
【0029】例えば、図4中の変速機入力回転速度Nin
が上記所定の高回転速度NinHよりも高い点Aで加速中に
セレクトレバー13sが+側に操作されて2速から3速
へのアップシフトが行われる場合を考える。
【0030】本発明を適用しない場合、アップシフト後
の変速線として図中実線で示す3速の通常用変速線が
設定されるため、変速後の変速動作点は通常用変速線
上の点Bに移行する。しかしながら、この場合、変速前
後の変速機入力回転速度Ninの落ち込み量が大きいた
め、エンジン回転速度が低下してエンジンがパワーバン
ドから外れてしまう可能性があり、またエンジントルク
の落ち込み量が大きいため、運転者に加速度段差感や加
速不良感を与える可能性がある。
【0031】これに対し、本発明を適用した場合、アッ
プシフト後の変速線として図中破線で示す3速の加速時
用変速線’が設定され、変速動作点は点Aから点B’
に移行する。これにより、変速前後の回転速度の落ち込
み量はアップシフト後の変速線として通常用変速線を設
定した場合に比べて小さくなり、車両は良好な加速を続
けることができる。
【0032】一方、加速終了後にアップシフト操作が行
われるときには、加速時用変速線ではなく通常用変速線
を用いて変速が行われるので、エンジン回転速度の低下
量を加速時用変速線を用いた場合と比べて大きくするこ
とができ、エンジン回転速度が高くなることによる騒音
を抑えると共にエンジンブレーキが必要以上に強くなっ
てしまうのを防止できる。
【0033】このように本発明によれば、手動変速モー
ドにおいて、高速回転域で走行中は車両が加速中か否か
に応じて変速線が切り換えられるので、高回転領域で加
速中にアップシフト操作が行われるときには良好な加速
性能を確保するとともに、高回転領域で加速中でないと
きのアップシフト操作が行われるときにはエンジン回転
速度を下げてエンジン騒音を低減し、過剰なエンジンブ
レーキを防止することができる。
【0034】ところで、上記実施形態では加速時用変速
線の各変速段の変速比はアイドル回転近傍の低回転領域
を除き固定としているが、各変速段の変速比を固定とす
ると、高回転領域で加速中にアップシフトが連続して行
われると本発明の効果が十分に得られない場合が生じ
る。
【0035】例えば、図4において、変速動作点Aで加
速中に1回目のアップシフト操作が行われて変速動作点
B’に移行し、その後さらに加速を続けて変速動作点
C’に移行したところで2回目のアップシフト操作が行
われると、変速動作点は加速時用変速線’上の変速動
作点D’に移行するが、このときの変速機入力回転速度
Ninの低下量は通常用変速線使用時の下降量(変速動作
点C→D)と同等となってしまい、本発明の効果が十分
に得られない。
【0036】以下に説明する第2の実施形態は上記実施
形態をさらに改良したもので、加速時用変速線において
も変速比を可変とすることによって上記課題を解決す
る。具体的には、この実施形態においては、加速時用変
速線を、通常用変速線よりもロー側に設定し、さらに車
速(出力回転速度)の上昇と共にハイ側に変化して通常
用変速線に近づくように設定する。
【0037】図5は加速時用変速線の変速比を可変とし
た場合の手動変速モード用変速マップを示し、実線〜
が通常用変速線、破線’〜’が加速時用変速線を
示している。
【0038】これに示されるように、加速時用変速線は
通常用変速線に対してロー側に設定されるのであるが、
加速時用変速線は、一段下の変速段の通常用変速線にお
ける所定入力回転速度NinH(例えば5000rpm)よりも所
定回転速度dN(例えば1000rpm)だけ低い回転速度に対
応する変速動作点から同一変速段の通常用変速線の最高
入力回転速度(例えば7000rpm)に対応する変速動作点
までを結んだ線に設定される。
【0039】例えば、2速の加速時用変速線’は1速
の通常用変速線の所定の高回転速度NinHよりも所定回
転速度dNだけ低い回転速度に対応する変速動作点Eから
2速の通常変速線のの最高入力回転速度に対応する変
速動作点E’に延びるように設定される。他の変速段の
加速時用変速線’〜’についても同様に設定され
る。これにより、加速時用変速線は通常変速線に対して
ロー側に設定されるだけでなく、出力回転速度(車速)
が上昇するにつれて同一変速段の通常用変速線に近づく
ように設定される。
【0040】さらに、この加速時用変速線により変速制
御を行っているときにアクセルペダルが戻され車両が減
速するときには、アクセル戻し時の変速段の加速時用変
速線が修正され、そのときの車速よりも低速側がアクセ
ル戻し時の変速動作点と原点を結んだ変速線に設定され
る。これは加速時用変速線をそのまま用いた場合、変速
機入力回転速度、エンジン回転速度がなかなか低下せず
運転者に違和感を与える原因等になるからである。
【0041】図6はこのときの変速制御の内容を示した
ものであり、このフローはセレクトレバー13sがマニ
ュアルシフトゲート13mにあるときにCVTコントロ
ールユニット1において所定周期で繰り返し実行され
る。変速マップとしては図5に示したものが使用され
る。
【0042】これについて説明すると、まず、ステップ
S11、S12では運転者がセレクトレバーをアップシ
フト側に操作したか、あるいはダウンシフト側に操作し
たかがセレクトレバー位置信号に基づき判断される。ア
ップシフト側に操作されたときはステップS13に進
み、ダウンシフト側に操作されたときはステップS17
に進み、アップシフト側、ダウンシフト側いずれにも操
作されていないときはステップS20以降に進む。
【0043】ステップS13、S14では車両が所定の
高回転領域で加速中か判断される。アクセル操作量APO
が所定量APOHよりも大きくかつ変速機入力回転速度Nin
が所定回転速度NinH(例えば5000rpm)よりも高い場合
は所定の高回転領域で加速中であると判断してステップ
S15に進み、変速線が一段上の加速時用変速線に設定
される。また、フラグF1、F2にはそれぞれ「1」が
セットされる。フラグF1、F2双方に「1」がセット
されているときは加速度用変速線に基づき変速制御が行
われていることを示す。
【0044】アクセル操作量APOが所定量APOHよりも小
さく加速中でない、あるいは変速機入力回転速度Ninよ
りも低い場合はステップS16に進み、変速線が一段上
の通常用変速線に設定され、フラグF1、F2には
「0」がセットされる。フラグF1、F2双方に「0」
がセットされているときは通常用変速線に基づき変速制
御が行われていることを示す。
【0045】一方、ステップS17では、変速線が一段
下の通常用変速線に設定され、フラグF1、F2に
「0」がセットされる。
【0046】また、ステップS20ではフラグF1が
「1」か判断され、フラグF1が「1」のとき、すなわ
ち加速時用変速線に基づき変速制御が行われているとき
はステップS21に進む。そして、ステップS21では
アクセル操作量APOに基づき車両が減速中かが判断さ
れ、アクセル操作量APOが所定の所定値APOLよりも小さ
く減速中であると判断された場合はステップS22に進
む。ステップS22では、現在変速線として設定されて
いる加速時用変速線を修正したものが新たな変速線とし
て設定される。また、フラグF1には「0」がセットさ
れる。フラグF1が「0」でフラグF2が「1」のとき
はこの修正後の変速線に基づき変速制御が行われること
を示す。
【0047】変速線の修正は図7に示すように、アクセ
ル戻し時の車速から見て低速側をその時点の変速動作点
Fと原点を結ぶ直線とし、アクセル戻し時における変速
比が減速中も維持されるように修正される。一方、アク
セル戻し時の車速から見て高速側の変速線はアクセル戻
し時に設定されていた加速時用変速線に一致するように
設定される。したがって、修正後の変速線はアクセル戻
し時の変速動作点Fで折れ曲がったものとなる。
【0048】また、ステップS23ではフラグF2が
「1」か判断される。フラグF2が「1」、すなわち加
速時用変速線あるいは上記修正後の変速線で変速制御が
行われているときはステップS24に進み、変速比が通
常用変速線の変速比に一致したか判断される。一致した
場合はステップS25に進み、変速線が通常用変速線に
設定され、フラグF2に「0」がセットされる。これら
ステップS23からS25の処理は加速時用変速線ある
いは上記修正後の変速線に基づく変速制御から通常用変
速線に基づく変速制御に復帰するためのものである。
【0049】ステップS18ではステップS15ないし
S17、あるいはステップS25で設定された変速線を
用いて無段変速機4の変速比が制御される。
【0050】次に、上記変速制御を行うことによる作用
を図8から図11を参照しながら説明する。図8から図
11では変速動作点が変化する様子をわかりやすくする
ために通常用変速線、加速時用変速線ともに点線で表し
てある。
【0051】図8は変速機入力回転速度Ninが所定回転
速度NinH以上で加速中に3速から4速へのアップシフト
操作が行われ、さらに加速中に4速から5速にアップシ
フト操作が行われた場合の様子を示したものである。上
記変速制御によれば高回転領域で加速中であるので4
速、5速の変速線として加速時用の’、’が設定さ
れるが、これによって3速から4速へのアップシフト時
だけでなく、その後に続く4速から5速へのアップシフ
ト時においても変速機入力回転速度の低下量が抑えられ
る。
【0052】さらに、加速時用変速線はアップシフト前
の変速段の通常変速線の所定入力回転速度NinHよりも所
定回転速度dNだけ低い点とアップシフト後の変速段の通
常変速線の最高入力回転速度の点とを結んだものである
ので、アップシフト時のエンジン回転速度の落ち込み量
が最も小さくなる変速機入力回転速度が所定回転速度Ni
nHのときでもエンジン回転速度が低下することになる。
これにより、アップシフト時には必ずエンジン回転速度
の落ち込みが発生し、適度なアップシフト感が得られ
る。
【0053】また、図9は変速機入力回転速度Ninが所
定回転NinH以上で走行中にアクセルペダルを戻し、3速
から4速にアップシフト操作をしたときの様子を示した
ものである。この場合は加速用変速線’ではなく通常
用変速線を用いて変速制御が行われるので変速機入力
回転速度Ninの下降量Gを加速時用変速線’を用いた
場合の下降量G’に比べて大きくすることができ、エン
ジン回転速度を下げてエンジン騒音を低減し、過大なエ
ンジンブレーキが作用するのを避けることができる。
【0054】また、図10は所定回転NinH以上で加速中
に3速から4速にアップシフト操作した後、アクセルペ
ダルを戻した場合の様子を示したものである。この場合
はアクセル戻し時における変速動作点からみて低速側の
変速線が修正され、変速動作点はそのときの変速比が維
持されるように変位する。これにより、加速時用変速線
使用時においてもアクセル戻し時には変速機入力回転速
度、エンジン回転速度を下げ、エンジン騒音の増大や過
大なエンジンブレーキを避けることができる。
【0055】さらに、図10に示す状態から再加速をし
た場合には、図11に示すように変速動作点が上記アク
セル戻し時における変速動作点に復帰するまでは上記修
正後の変速線を用いて変速制御が行われ、上記アクセル
戻し時における変速動作点に復帰後は再び修正前の加速
時用変速線’に従って変速制御が行われる。これによ
り、変速比は徐々にハイ側に変化し、そこからさらにア
ップシフト操作が行われる時のエンジン回転速度の低下
量を小さく抑えることができる。
【0056】したがって、この実施形態においても、先
の実施形態同様に、高回転領域で加速中のアップシフト
では通常用変速線よりロー側に設定された加速時用変速
線を用いて変速制御が行われ、変速時のエンジン回転速
度の低下量を抑えてアップシフトによるトルクの落ち込
みを少なくできる。また、加速を終了してアップシフト
させたいときは通常変速線を用いて変速制御が行われる
ので、この場合はエンジン回転速度の降下量を大きくで
き、エンジン騒音を下げるとともにエンジンブレーキが
必要以上に強くなるのを防止できる。
【0057】さらに、この実施形態では、上記効果に加
え、加速時用変速線は車速の上昇と共に通常用変速線の
変速比に近づくように設定されるので、アップシフト操
作が連続して行われる場合でも上記効果が得られ、手動
変速モードにおける運転性をより一層向上させることが
できる。
【0058】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、上記実施形態は本発明を適用した構成の一例を示
したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記構成に限定す
るものではない。また、本発明をベルト式無段変速機に
対して適用した場合について説明したが、本発明はトロ
イダル型無段変速機等の他の方式の無段変速機であって
も適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る手動変速モード付き無段変速機の
変速制御システムの全体構成図である。
【図2】手動変速モード用変速マップの一例である。
【図3】手動変速モードにおける変速制御の内容を示し
たフローチャートである。
【図4】手動変速モードにおける変速制御を説明する図
である。
【図5】手動変速モード用変速マップの別の例である
(第2の実施形態)。
【図6】手動変速モードにおける変速制御の別の例の内
容を示したフローチャートである。
【図7】変速線の修正処理を説明するための図である。
【図8】手動変速モードにおける変速制御を説明するた
めの図である。
【図9】手動変速モードにおける変速制御を説明するた
めの図である。
【図10】手動変速モードにおける変速制御を説明する
ための図である。
【図11】手動変速モードにおける変速制御を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 CVTコントロールユニット 4 無段変速機 12 アクセル操作量センサ 13 インヒビタースイッチ 13s セレクトレバー 13m マニュアルシフトゲート 15 入力回転速度センサ 16 出力回転速度センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】手動変速モード付き無段変速機の変速制御
    システムにおいて、 前記無段変速機の入力回転速度を検出する手段と、 アクセルペダルの操作量を検出する手段と、 アップシフト操作が行われたか否かを検出する手段と、 前記手動変速モードにおいて、前記変速機入力回転速度
    が所定の高回転速度より低いあるいはアクセル踏み込み
    中でないときにアップシフト操作が行われたときは各変
    速段の変速比が固定された通常用変速線に基づき前記無
    段変速機の変速比を制御し、前記変速機入力回転速度が
    所定の高回転速度より高くかつアクセル踏み込み中にア
    ップシフト操作が行われた時には各変速段の変速比が前
    記通常用変速線よりもロー側に設定される加速時用変速
    線に基づき前記無段変速機の変速比を制御する変速制御
    手段と、を備えたことを特徴とする変速制御システム。
  2. 【請求項2】前記加速時用変速線は、車速が上昇するに
    つれ同一変速段の通常用変速線に近づくように設定され
    ることを特徴とする請求項1に記載の変速制御システ
    ム。
  3. 【請求項3】前記加速時用変速線による変速制御中にア
    クセルペダルが戻された場合、変速線をアクセル戻し時
    の変速比で固定される変速線に修正するように構成した
    ことを特徴とする請求項2に記載の変速制御システム。
  4. 【請求項4】前記加速時用変速線による変速制御中にア
    クセルペダルが戻された場合、アクセル戻し時の車速か
    らみて低速側はアクセル戻し時の変速比で固定されるよ
    うに、また高速側はアクセル戻し時に設定されていた加
    速時用変速線と一致するように変速線を修正するように
    構成したことを特徴とする請求項3に記載の変速制御シ
    ステム。
  5. 【請求項5】前記加速時用変速線は、一段下の変速段の
    通常用変速線における前記所定の高回転速度よりも低い
    回転速度に対応する点から、同一変速段の通常変速線に
    おける変速機最高入力回転速度に対応する点までを直線
    で結んだものであることを特徴とする請求項2から4の
    いずれか一つに記載の変速制御システム。
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