JP2001055827A - 暖房床用床材 - Google Patents

暖房床用床材

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JP2001055827A
JP2001055827A JP23071899A JP23071899A JP2001055827A JP 2001055827 A JP2001055827 A JP 2001055827A JP 23071899 A JP23071899 A JP 23071899A JP 23071899 A JP23071899 A JP 23071899A JP 2001055827 A JP2001055827 A JP 2001055827A
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hot water
heating
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groove
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Yoshinari Yamamoto
吉成 山本
Kazuhiro Yamada
一宏 山田
Takao Inoue
貴雄 井上
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Eidai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱源としての温水用パイプなどを収容する
凹溝を備えた床材を床下地面の所定の場所に予め配置し
ておき、該配置してある床材の凹溝内に温水用パイプな
どを挿通するようにした暖房床の施工方法において、特
に、曲線状の凹溝を持つ床材における凹溝内への温水用
パイプの挿通をスムースに行うことができるようにす
る。 【解決手段】 温水又は電気ヒータの熱により床面を暖
房する暖房床に用いる床材b1であり、該床材B1は裏
面に一部に曲線部分(矢印Yの領域)を有する凹溝7a
を備えており、少なくとも前記凹溝7aの曲線部分の両
側壁部分は、多数の平面7dが角度αをなして接続する
ことによって形成されている。それにより、凹溝7aに
挿通される温水用パイプPとの間の摩擦抵抗が低減す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水又は電気ヒー
タの熱により床面を暖房する暖房床に用いられる床材に
関し、特に、床材施工と配管施工とを分離して行なうこ
とを可能とし、それにより、暖房床施工の作業性の改善
を図り低コスト化を可能とした温水式又は電気ヒータ式
の暖房床に用いられる床材に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート床あるいはコンクリート床
上に張られた捨て貼り合板のような床下地上に、木質系
床材に電気ヒータあるいは温水用パイプなどの発熱源を
組み込んだ床材を配置するようにした暖房床は知られて
いる。従来、予め発熱源である温水用パイプあるいは電
気ヒータを組み込んだ単位床材が工場で製造され、暖房
床の施工現場に搬入後、施工現場において、組み込まれ
た温水用パイプあるいは電気ヒータが連続した閉回路を
構築するように相互に接続する作業を行っている。施工
現場の作業において、床材の敷設は大工の仕事であり、
温水循環路形成あるいは電気ヒータ接続回路形成の作業
は暖房機器店側の作業であることから、作業効率を落と
さないために、従来、双方の作業者を施工現場に同時に
配置することが必要とされている。
【0003】そのような現場施工上の不都合を回避した
暖房床の改良された施工方法として、大工側の作業であ
る床材の配置作業と、暖房設備店側の作業である温水用
パイプの配設などの作業を別々に分離した工程として施
工することを可能とし、それにより、施工コストを低減
可能とした温水式暖房床の施工方法が提案されている
(特開平9−105532号公報、特開平10−253
085号公報など参照)。
【0004】この温水式暖房床の施工方法は、基本的
に、温水用パイプの循環路の形状に対応した凹溝を裏面
に形成した複数の床材を床下地上に配置する工程、該配
置した複数の床材の一部を取り外す工程、該取り外した
床材に隣接して配置されている床材に形成された凹溝を
通して温水用パイプを連続的に配設する工程、温水用パ
イプの配設終了後に前記取り外した床材を元の位置に再
配置する工程、とからなる。
【0005】この温水式暖房床の施工方法においては、
床材を配置するいわゆる床材施工と温水循環系を形成す
る暖房施工とを完全に独立した工程として行なうことが
可能となり、かつ、床材施工は通常のフローリング床施
工と同じようにして実施可能である。そのために作業効
率は向上し施工コストは低減する。また、床材は、主に
直線状の凹溝を持つものと曲線状の凹溝を持つものとに
分けることができ、かつ、曲線状の凹溝を持つものは必
要とされる床材の総個数の一部であることから、床材全
体としての凹溝加工作業は低減し、製造コストは低減す
る。
【0006】図3〜図10は、上記温水式暖房床の施工
方法を説明している。図3に上方から見た状態を示すよ
うに、この温水式暖房床は、施工床面の4周に沿った部
分を除いて配置される直線状の凹溝を持つ床材A(斜線
部分)、図でその右方側辺に沿って配置される第1の端
末用床材Ba、その左方側辺に沿って配置される第2の
端末用床材Bb、及び、その上下の側辺に沿って配置さ
れるボーダー床材Cとが、コンクリートスラブに敷設し
た捨て貼り合板(床下地材)上に配置されている。図示
しないが、暖房床の遮音性を向上させるために、床下地
材の全面に遮音機能を持つ遮音材(遮音シート)を貼り
付け、その上に、上記した暖房用床材を貼り付け配置す
ることも行われる。遮音材としては、不織布、軟質ゴム
シート、軟質プラスチックシート、又はこれらの発泡シ
ートあるいは凹凸を有するエンボスシートなどが用いら
れる。
【0007】図4、図5は、直線状の凹溝を持つ床材A
の一つの実施例を示している。図4aはその平面図、図
4bは背面図であり、図5は図4に示す床材Aの短辺に
沿った断面図である。直線状の凹溝を持つ床材Aは、表
面側合板1aと裏面側合板1bとの間に均熱板として機
能するアルミ箔3を配置した3層構造であり、例えば同
時熱圧成形などの手段により一体成形される。裏面側合
板1bの周囲には、通常の床材の場合と同様に雄実5
a、雌実5bが形成されている。
【0008】図5によく示すように、裏面側合板1bの
裏面には、温水用パイプPを収容できる大きさの凹溝2
が長辺方向に平行に複数本(この例では4本)形成され
ており、該凹溝2に沿って細い第2の溝2a、2aがさ
らに形成されている。そして、前記凹溝2を覆うように
して好ましくはその全長にわたりポリエチレンラミネー
ト紙のような裏面シート4が接着剤により貼着されてい
る。
【0009】図6は、前記第1の端末用床材Baと第2
の端末用床材Bbを説明するものであり、この例では、
両者が一体に形成された端末用床材Bが、施工現場にお
いて図6bに示すように位置10で切断され、第1の端
末用床材Baと第2の端末用床材Bbとに分離される。
もちろん、第1の端末用床材Baと第2の端末用床材B
bとを当初から別の部材として形成されるときもある。
端末用床材Bの裏面には、直線状の凹溝を持つ床材Aに
形成した凹溝2とほぼ同じ大きさである概略U字状をな
す凹溝7及び8が形成される。図示しないが、少なくと
も前記第1の端末用床材Baに形成した概略U字状をな
す凹溝7には、それを覆うようにして、同じような裏面
シート4が接着剤により貼着されるときもある。前記ボ
ーダー床材Cは従来のフローリング床に用いられる木質
系床材が用いられる。
【0010】施工に当たっては、床材A、B、Cが施工
現場に搬入され、それらが図7に示すように床下地材上
に配置される。最初に、ボーダー床材Cを床面の上辺と
下辺に沿って配置し、次に、好ましくは前記端末用床材
Bを床面の寸法に合わせて2分割した第1の端末用床材
Baと第2の端末用床材Bbとを、床面の左右両端に配
置する。この際、一方の端末用床材(第1の端末用床材
Ba)は接着剤を用いてあるいは必要に応じて雌実部分
に釘打ちなどを行って床面に定着させ、他方の端末用床
材(第2の端末用床材Bb)は床面上に置くだけとして
容易に取り外しができるようにしておく。なお、図7に
おいて、12は第2の端末用床材Bbの取り外しの便の
ために一次的に取り付けた粘着テープである。
【0011】次に、第1の端末用床材Baと第2の端末
用床材Bbとの間の領域に、直線状の凹溝を持つ床材A
を配置する。その際に、直線状の凹溝を持つ床材Aは、
接着剤を用いてあるいは必要に応じて雌実部分に釘打ち
などを行って床面に定着させる。この床材Aでは、配置
時に床面に押し付けながら幾分滑らせることによって、
余分な接着剤を裏面に形成した第2の溝2a内に入り込
ませることができ、均平な接着面が得られる利点があ
る。そのようにして直線状の凹溝を持つ床材Aを定着さ
せることにより、大工側が行う図3に示す形状の床材施
工工程は終了する。
【0012】次に、暖房器具店の作業員が、図7に示す
ように、前記粘着テープ12を利用して第2の端末用床
材Bbを取り外し、温水用パイプP挿入用の空間Sを作
り出す。そして、図8に示すように、該空間Sを利用し
て、所定長に切断された架橋ポリエチレンパイプのよう
な温水用パイプPを、直線状の凹溝を持つ床材Aの裏面
に形成した凹溝2(例えば最上段の凹溝21)を通し
て、一方端から他方端まで貫通させる。凹溝2(21)
の他方端に達した温水用パイプPの先端は、当該床材A
の接続して配置されている前記第1の端末用床材Baの
裏面に形成した概略U字状をなす凹溝7の入口開口71
内に入り込み、該凹溝7内を通過してUターンした後、
他方の出口開口72から、床材Aの裏面に形成した凹溝
2(2段目の凹溝22)に入り込む。さらに温水用パイ
プPを押し込むことにより、最終的には、図9に示すよ
うに、両先端Pa,Paが温水用パイプ挿入用の空間S
側に飛び出した状態となる。
【0013】以下、同じようにして、すべての床材Aの
裏面に形成した凹溝2及び第1の端末用床材Baの裏面
に形成した概略U字状をなす凹溝7を通して所定長に切
断された温水用パイプPをU字状に挿入配置する。な
お、床材Aの直線状の凹溝2及び第1の端末用床材Ba
の裏面に形成した概略U字状をなす凹溝7は裏面シート
4により覆われているので、凹溝2や凹溝7内に、床材
Aや第1の端末用床材Baの接着時に用いた接着剤や異
物が入り込むことはなく、温水用パイプPは比較的円滑
に凹溝2及び凹溝7内を通過する。
【0014】この後、図10に示すように、温水用パイ
プ挿入用の空間S側に飛び出している各温水用パイプP
の端部Pa同士を、温水用パイプP群が一つの循環路を
形成するように連接し、循環路の両端をジョイントボッ
クスGに接続することにより、一つの温水循環路が形成
される。その後で、先に取り外しておいた前記第2の端
末用床材Bbを、裏面に形成した概略U字状をなす凹溝
8などと前記温水用パイプPの接続部とを一致させるよ
うにして配置し、接着剤によりあるいは必要に応じて釘
打ちを行うことによって元の位置に固定する。それによ
り、暖房施工工程は終了する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
暖房床の施工を実際に行ってきているが、その過程にお
いて、前記図8,図9に示したようにして、温水用パイ
プPの先端Paを、直線状の凹溝を持つ床材Aの一つの
凹溝2(21)を通し、第1の端末用床材Baの概略U
字状をなす凹溝7を経由して、床材Aのもう一つの凹溝
2(22)を通して挿入側に戻してくるときに、温水用
パイプPの送り込みが円滑に進行しない場合があること
を経験した。その不具合は、その殆どが、温水用パイプ
Pの先端Paが第1の端末用床材Baの概略U字状をな
す凹溝7を通過するときに発生した。そのことは、温水
用パイプの挿通の不具合は、第1の端末用床材Baのよ
うに概略U字状をなす凹溝7を持つ床材での当該凹溝の
形状に起因して発生する可能性が高いものと推測され
た。
【0016】温水用パイプPの進行が停止した状態から
無理をして更に温水用パイプPを押し込もうとすると、
床下地材がコンクリートスラブ面あるいはコンクリート
スラブに敷設した捨て貼り合板のように、表面が比較的
硬いものである場合には、温水用パイプPに挫屈が発生
してしまいそれ以上の挿入ができなくなった。また、前
記したように、暖房床の遮音性を向上させるために、床
下地材の全面に不織布や発泡シートのような遮音機能を
持つシートを貼り付け、その上に暖房床用床材を貼り付
け配置した場合には、床下地面が軟らかくかつ変形し易
いものであることから、温水用パイプPの先端Paが凹
溝2に貼り付けた裏面シートを突き破り、遮音シートの
表面に突き刺さったような姿勢となり、やはり、それ以
降の送り込みができなくなった。また、場合によって
は、裏面シートを突き破った後、温水用パイプPの先端
Paが暖房用床材と遮音シートとの間に入り込んでさら
に前進してしまうことも経験した。
【0017】暖房床の遮音性を向上させる他の手段とし
て、床下地材の全面に遮音機能を持つシートを貼り付け
るのではなく、裏面に遮音シートを貼り付けた暖房床用
床材を、コンクリートスラブ面あるいはコンクリートス
ラブに敷設した捨て貼り合板のような床下地面に貼り付
け施工することが行われるが、その場合でも、概略U字
状をなす凹溝を基材の裏面に形成した前記第1の端末用
床材Baにおける、基材とその裏面に貼り付けた遮音機
能を持つシートとの間で、同じような現象が発生しがち
であった。
【0018】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、上記したような、加熱源としての
温水用パイプなどを収容する凹溝を備えた床材を床下地
面の所定の場所に予め配置しておき、該配置してある床
材の凹溝内に温水用パイプなどを挿通するようにした暖
房床の施工方法において、配置してある床材、特に、概
略U字状をなす凹溝を持つ床材(第1の端末用床材)な
どのように、曲線部分を持つ凹溝を裏面に形成した床材
での、該曲線部分における温水用パイプなどの挿通を円
滑に行うことができる暖房床用床材を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべ
く、本発明者らは、上記暖房床用床材に形成される概略
U字状をなす凹溝と、温水用パイプが該概略U字状をな
す凹溝を通過するときの両者間の抵抗について多くの考
察を行った。それにより、暖房床用床材などにおいて、
木質基材に曲線状の凹溝を切り込み加工するには、通
常、NCルーターを用いて行っており、加工された曲線
状の凹溝の内壁面は滑らかに連続した曲面であること。
一方、該曲線状の凹溝内に挿通される温水用パイプの外
周面も滑らかに連続した曲面となることから、曲線状の
凹溝の内壁面とそこに挿通される温水用パイプの外周面
との接触面積が大きくなること。その結果、両者間での
摩擦抵抗が増大して、温水用パイプの押し込み及び送り
出しを困難にしていることを知った。
【0020】本発明は上記の知見に基づいており、第1
の発明による暖房床用床材は、温水又は電気ヒータの熱
により床面を暖房する暖房床に用いる床材であり、該床
材は温水用パイプ又は電気ヒータを挿通するための凹溝
を裏面に形成しており、該凹溝は少なくとも一部に曲線
部分を有しており、かつ、前記曲線部分の少なくとも両
側壁部分は、多数の平面が角度をなして接続することに
よって形成されていることを特徴とする。
【0021】また、第2の発明による暖房床用床材は、
一つの端面に入口開口と出口開口とを持つ温水用パイプ
又は電気ヒータを挿通するための概略U字状をなす凹溝
を少なくとも一つ裏面に形成しており、該概略U字状を
なす凹溝のうちの少なくとも曲がりをなす部分における
少なくとも両側壁部分は、多数の平面が角度をなして接
続することによって形成されていることを特徴とする。
【0022】好ましい態様において、前記第1及び第2
の暖房床用床材は、少なくとも基材と該基材の裏面に貼
り付けた遮音機能を有する層とを備えており、前記各凹
溝は前記基材の裏面に形成されている。
【0023】上記のように、本発明による暖房床用床材
では、凹溝の曲線部分、あるいは概略U字状をなす凹溝
の少なくとも曲がりをなす部分における少なくとも両側
壁部分は、多数の平面が角度をなして接続することによ
って形成されるので、そこに温水パイプや電気ヒータを
挿通したときに、該温水パイプや電気ヒータの外周面と
凹溝の曲線部分あるいは概略U字状をなす凹溝の内壁面
との接触は、基本的に、面接触ではなく線接触又は点接
触となる。その結果、両者間のトータルとしての接触面
積は、従来のもの、すなわち、凹溝の曲線部分や概略U
字状をなす凹溝の内壁面が連続した曲面により形成され
ているものと比較して大幅に低減する。それにより、両
者間での摩擦抵抗が小さくなり、温水用パイプの押し込
みや送り出しを円滑に行うことが可能となる。
【0024】そのために、直線状の凹溝内を温水用パイ
プ又は電気ヒータを通過させるときはもちろんのこと、
凹溝の曲線部分や概略U字状をなす凹溝内を通過させる
ときであっても、過度な押し込み力が温水用パイプ又は
電気ヒータの先端に作用することは回避され、挫屈が生
じたり、凹溝の下側に位置する緩衝シートのような柔軟
な部材中に温水用パイプ又は電気ヒータの先端が突き刺
さり、それによりそれ以上の挿入が阻害されるようなこ
とはほとんど生じない。
【0025】上記のことは、暖房床の遮音性を向上させ
るために、床下地面に予め遮音機能を持つシートを貼り
付け、その上に暖房床用床材を貼り付け配置する場合で
あっても、裏面に遮音シートを貼り付けた暖房床用床材
を、コンクリートスラブ面あるいはコンクリートスラブ
に敷設した捨て貼り合板のような床下地面に貼り付け施
工する場合であっても、同様である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明による暖房床用床材
の好ましい実施の形態を説明する。図1は、本発明によ
る暖房床用床材の一実施の形態を示しており、図1aは
裏面側から見た状態を示し、図1bはその一部を拡大し
て示している。この端末用床材B1は、前記図6に示し
た端末用床材Bにおける第1の端末用床材Ba側に形成
される概略U字状をなす凹溝7aの形状を除き、他の構
成は、前記図6に示した端末用床材Bと同じである。従
って、同じ機能を持つ部材には同じ符号を付し、説明は
省略する。
【0027】この実施の形態による端末用床材B1にお
いて、前記概略U字状をなす凹溝7aの形状は、その部
分50を図1bに拡大して示すように、該概略U字状を
なす凹溝7aのうちの、少なくとも曲がりをなす部分
(例えば、図で矢印Yで区画される領域)に両側壁部分
は、多数の平面7dが任意の角度(α、α1、・・α
n)をなして接続することによって形成されている。個
々の平面の大きさや形状は任意であってよく、また、平
面が交叉する角度αにも特に制限はない。
【0028】図1cは、前記図1bに示した概略U字状
をなす凹溝7aに温水用パイプPを挿通した状態を示し
ている。図示されるように、概略U字状をなす凹溝7a
の曲がりをなす部分(区画Yの領域)での、温水パイプ
Pの外周面と凹溝7aの側壁部分との接触は線接触又は
点接触となっており、その結果、両者間のトータルでの
接触面積は少なくなっている。そのために、押し込みあ
るいは引っ張りにより温水パイプPが概略U字状をなす
凹溝7aを移動するときに、該曲がりをなす部分(区画
Yの領域)で温水パイプPが受ける摩擦抵抗は低減す
る。
【0029】それにより、前記したように、所定長に切
断された温水用パイプPの先端を、直線状の凹溝を持つ
床材Aの裏面に形成した凹溝2から、前記第1の端末用
床材Baの裏面に形成した概略U字状をなす凹溝7aで
Uターンさせた後、床材Aのもう一つの凹溝2から飛び
出させるように作業を行うときに、温水用パイプPの凹
溝7、7a内での挿通を円滑に行うことが可能となり、
過度な押し込み力により温水用パイプPが挫屈したり、
裏面の緩衝性シートに先端が突き刺さったり、基材と緩
衝性シートの間に入り込んだりするのは回避される。そ
のために、暖房床施工における温水用パイプPの配設作
業は極めて容易化される。
【0030】図2は、本発明による暖房床用床材の他の
実施の形態を示している。図2aは前記図1bに相当す
る図であり、ここでは、概略U字状をなす凹溝7aは、
その平面視での形状がすべて曲がりをなす部分とされて
いる点で、図1bに示したものと相違している。従っ
て、ここでは、凹溝7aの両側壁部分のすべてが角度α
をなして接続する平面に7dより形成されている。
【0031】図2bは、暖房床用床材の他の形態を裏面
から見た状態を示す概略図であり、この暖房床用床材B
1では、矩形状の暖房床用床材B1の交叉する2辺に端
部を開放するようにして曲線状の凹溝7bが形成されて
いる。図2cは、暖房床用床材のさらに他の形態を裏面
から見た状態を示す概略図であり、この暖房床用床材B
2では、矩形状の暖房床用床材B2の対向する2辺に端
部を開放するようにして曲線状の凹溝7cが形成されて
いる。いずれの場合であっても、この様な曲線状の凹溝
7b、7cの両側壁部分を多数の平面が角度をなして接
続させることにより形成することによって、該曲線状の
凹溝7b、7c内を温水用パイプPが走行するときの摩
擦抵抗を低減することができる。そのために、この様な
形態の暖房床用床材を適宜用いることによって、種々の
配管態様を持つ暖房床施工における温水用パイプPの配
設作業を極めて容易化することが可能となる。
【0032】なお、既に記したように、上記した暖房床
用床材のように裏面に遮音機能を持つシートを積層しな
い暖房床用床材は、通常、床下地面に予め貼り付けられ
た遮音機能を持つシートの上に、貼り付け施工される。
図示しないが、上記した個々の暖房床用床材の裏面に遮
音機能を持つシートを貼り付けるようにしてもよく、そ
の場合には、その床材は、コンクリートスラブ面あるい
はコンクリートスラブに敷設した捨て貼り合板の上に、
直接貼り付け配置される。この形態の床材は裏面に遮音
機能を持つシートが貼り付けられているので、そのまま
で、遮音機能の高い暖房床を容易に構築できる利点があ
る。
【0033】
【発明の効果】加熱源としての温水用パイプなどを収容
する凹溝を備えた床材を床下地面の所定の場所に予め配
置しておき、該配置してある床材の凹溝内に温水用パイ
プなどを挿通するようにした暖房床の施工方法におい
て、曲線部分を持つ凹溝を裏面に形成した床材として本
発明による暖房床用床材を用いることにより、該曲線部
分における温水用パイプの挿通を円滑に行うことが可能
となり、温水用パイプなどの配設作業が極めて容易化す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による暖房床用床材の一実施の形態を示
しており、図1aは背面図を、図1bは曲線部分を持つ
凹溝部分の拡大図を、図1cは該凹溝部分に温水パイプ
を挿通した状態をそれぞれ示している。
【図2】本発明による暖房床用床材の他の実施の形態を
示しており、図2aは曲線部分を持つ他の形態の凹溝部
分の拡大図を示している。また、図2bは暖房床用床材
の他の形態を裏面から見た状態を示す概略図であり、図
2cは、暖房床用床材のさらに他の形態を裏面から見た
状態を示す概略図である。
【図3】暖房床を示す平面図。
【図4】直線状の凹溝を持つ床材示す図であり、aは平
面図、bは背面図。
【図5】図4の床材のV−V線による拡大断面図。
【図6】端部用床材の一例を示す図であり、aは平面
図、bは背面図。
【図7】暖房設備店側の作業の最初の手順を説明する
図。
【図8】暖房設備店側の作業の次の手順を説明する図。
【図9】取り外した床材以外の凹溝を持つ床材に温水用
パイプを挿通した状態を説明する図。
【図10】温水用パイプP群を一つの循環路を形成する
ように端部同志の連接して一つの温水循環路が形成され
た状態を説明する図。
【符号の説明】
A…直線状の凹溝を持つ床材、B、B1…端末用床材、
C…ボーダー用床材、2…直線状の凹溝、7、7a〜7
c…曲線状の凹溝、7d…曲線状の凹溝の両側壁部分を
形成する平面、α〜αn…平面7dと平面7dsとが交
叉する角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 貴雄 大阪府大阪市住之江区平林南2丁目10番60 号 永大産業株式会社内 Fターム(参考) 3L070 BD07 BD19 3L072 AB03 AC02 AC05 AD02 AD14 AD17 3L073 BC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水又は電気ヒータの熱により床面を暖
    房する暖房床に用いる床材であり、該床材は温水用パイ
    プ又は電気ヒータを挿通するための凹溝を裏面に形成し
    ており、該凹溝は少なくとも一部に曲線部分を有してい
    る暖房床用床材における、少なくとも前記凹溝の曲線部
    分の少なくとも両側壁部分は、多数の平面が角度をなし
    て接続することによって形成されていることを特徴とす
    る暖房床用床材。
  2. 【請求項2】 温水又は電気ヒータの熱により床面を暖
    房する暖房床に用いる床材であり、該床材は、一つの端
    面に入口開口と出口開口とを持つ温水用パイプ又は電気
    ヒータを挿通するための概略U字状をなす凹溝を少なく
    とも一つ裏面に形成しており、該概略U字状をなす凹溝
    のうちの少なくとも曲がりをなす部分における少なくと
    も両側壁部分は、多数の平面が角度をなして接続するこ
    とによって形成されていることを特徴とする暖房床用床
    材。
  3. 【請求項3】 前記暖房床用床材は、少なくとも基材と
    該基材の裏面に貼り付けた遮音機能を有する層とを備え
    ており、前記凹溝は前記基材の裏面に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の暖房床用床材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008057280A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Eidai Co Ltd 電気式床暖房パネルおよび床暖房構造

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