JP2001055692A - 偽造防止用紙、その真偽判別方法並びに真偽判別装置 - Google Patents

偽造防止用紙、その真偽判別方法並びに真偽判別装置

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JP2001055692A
JP2001055692A JP22876499A JP22876499A JP2001055692A JP 2001055692 A JP2001055692 A JP 2001055692A JP 22876499 A JP22876499 A JP 22876499A JP 22876499 A JP22876499 A JP 22876499A JP 2001055692 A JP2001055692 A JP 2001055692A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色磁性粉体を用紙の製造工程において、パ
ルプスラリーに配合し、湿紙状態の時点で、上記着色磁
性粉体が混抄されている部分に有意味情報透き入れパタ
ーンを施こすことによって、その得られた用紙に対して
非視認性の磁気情報を埋め込んだ偽造防止効果の高い偽
造防止用紙、その真偽判別方法並びに真偽判別装置を提
供する。 【解決手段】 黒色及び黒灰色以外の色彩を呈する着色
磁性粉体を、用紙製造工程において、パルプスラリーに
均一に分散させて混抄するとともに、湿紙状態の時点
で、着色磁性粉体が混抄されている部分に、画線長30m
m、画線幅0.3mm、画線ピッチ4mmの5本の万線模様(1)の
透き入れを施した偽造防止用紙(2)を作製し、上記透か
し部分の紙料凹凸形状に対応した非視認性の任意磁気パ
ターン及び固有の磁気特性とを有した偽造防止効果の高
い用紙を抄造し、更に、その非視認性の任意磁気パター
ン及び固有の磁気特性と上記用紙の任意箇所の光の透過
率または反射率とを合わせて検出することにより真偽判
別を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透き入れが施してある
銀行券、各種諸証券、株券、切符や定期券等の通行券、
有料道路等の回数券、各種チケット、その他有価証券な
どに使用される印刷用紙に関して、目視によって磁気が
付与されていることを第三者が識別不可能であると共に
任意の検出装置を用いることによって、透き入れ部分の
光学的特性且つ磁気的特性を検知し、真偽を判別できる
セキュリティ性に優れた偽造防止用紙及び上記偽造防止
用紙を利用したセキュリティ・ドキュメント、並びにそ
の真偽判別方法及び真偽判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】銀行券、株券、或いはその他の有価証券
は金銭的価値を有するため、偽造防止、改竄防止をする
必要があり、そのためには様々な手段が行われてきた。
例えば、銀行券の場合、印刷を複雑にしたり、紙自体に
透かし模様を入れるなどの手法が採用されている。しか
し、目視または光学的に真偽判別するものは、偽造者
が、判定の場所や方法を推測することができるという欠
点が存在している。そこで、近年、真偽判別手段とし
て、電気的或いは磁気的な信号を発信する機能性インキ
を印刷することによって、機械的に判別する方法及びそ
の方法に利用される印刷物及び基材等が提案されてい
る。
【0003】特に、磁気的な信号を利用するものとし
て、バーコード等の特定の磁気パターンを磁気インキに
よって形成して、そのセキュリティ性を向上させること
が行われている。この磁気パターンは、通常スクリーン
印刷等の印刷によって付与されているが、最近、更に、
そのセキュリティ性を向上させるために、磁気パターン
を目視で認識できないようにするために、その上に着色
隠蔽層を設けることが行われるようになった。それらの
例として、特開平5-208576号公報に、支持体上に形成さ
れた磁気パターン層及び上記磁気パターン層を隠蔽する
着色隠蔽層からなる磁気媒体が提案されている。
【0004】また、特開平1-269227号公報、特開平2-98
498号公報、特開平3-252901号公報には、磁性パターン
の所定の位置に磁気特性の異なるパターンを形成するこ
とで真偽判別に利用している提案が示されている。
【0005】更に、特開平7-61179号公報には、磁性パ
ターンに磁気特性と赤外線領域での反射率の違いを組み
合わせ、且つその磁性パターンのダミーパターンを形成
することで目視不可能にした磁気媒体も提案されてい
る。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】このように、従来の
磁性を利用したセキュリティ・ドキュメントでは、磁気
パターン層が容易に第三者に認識されるため、より一
層、セキュリティを向上させるために、磁気パターン層
に隠蔽層を設ける必要があり、磁気パターンの付与方法
の制限又は製造コストの面で問題があった。
【0007】すなわち、これらの支持体例えば用紙上に
形成された所定の磁気パターンは、使用される磁性材料
がγ-FeO、FeO、Co含有酸化鉄、CrO、メタル
粉、Baフェライト等が代表例として挙げられているが、
これらは可視光域に強い吸収を持ち、磁気パターン自体
が黒色若しくは灰色を呈するため、偽造者が、容易に判
定の場所や方法を推測することができるという欠点が存
在した。そのため、一般的に流通している磁性材料を利
用することで、本物と類似の磁気特性を付与することが
でき、偽造防止としては効果が小さい。
【0008】また、これに対して、形成された磁気パタ
ーンを隠蔽するような着色隠蔽層またはダミーパターン
を設けても、偽造者は、大まかに磁気パターンが隠蔽さ
れている場所を推測することができ、更に、支持体に磁
気パターンを形成する手段及びその磁気パターンをカム
フラージュする工程が煩雑且つ複雑であれば、その分製
造コストが嵩み、たとえいかに高いセキュリティシステ
ムでも、実用的でない場合が生じる。そのため、簡便で
且つローコストであることが重要である。
【0009】また、磁気的特性を利用して機械読み取り
による真偽判別を行うためには、信号のS/N比を良くす
るため、外部ノイズの相対比を小さくすることが必要に
なる。そのため、支持体上に形成される磁気パターンに
十分な磁気強度を付与するためには、比較的厚盛りのパ
ターンを形成する必要があり、磁気パターンの付与方法
に制限が存在してしまう。
【0010】更に、従来の磁性及び透かしを併用したセ
キュリティ・ドキュメントでは、透かしの光学的な効果
を利用するために、透かし部分には必然的に磁性を付与
することが不可能であり、このセキュリティ・ドキュメ
ントを機械的処理によって、真偽判別するためには、そ
の判別装置に磁気を検出する部分と透かしの光学的情報
を検出する2種類の検出装置を別々の位置に具備する必
要があり、判別装置面積又は容積はセキュリティ・ドキ
ュメント上の透かし部分と磁性付与部分の距離に応じて
必然的に大きくならざるを得なかった。
【0011】本発明の目的は、上記の如き従来の欠点を
除去すべくなされたものである。つまり、従来の磁気パ
ターンは、用紙基材上に印刷等によって付与する方法で
あるが、本発明では、用紙を抄造する過程において、着
色磁性粉体をパルプ、色材料等を含むパルプスラリー全
体又はその少なくとも一部分に配合し、その用紙の湿紙
状態の時点で、上記着色磁性粉体が混抄されている部分
に、有意味情報透き入れパターンを施した用紙であり、
上記有意味情報透き入れパターンに対応して、有意味情
報磁気パターン及び固有の磁気特性を付与することがで
きる。
【0012】また、相対的に磁性粉体の低配合割合で従
来の印刷方式等によって付与された磁気パターンに匹敵
する磁気力を得ることが可能になる。更に、本発明にお
いては、黒及び黒灰色以外の色彩を示す着色磁性粉体を
使用するため、着色磁性粉体が用紙に対して非視認性を
示し、第三者が磁性付与部分を特定できない偽造防止効
果が高い用紙を提供することにある。
【0013】また、本発明の偽造防止用紙は、透かし部
分の目視による真偽判別、更には、機械的に光学特性及
び磁気特性を検知することにより、真偽判別可能なセキ
ュリティ・ドキュメントとして利用できる。すなわち、
本発明の偽造防止用紙は、セキュリティ性が高く、比較
的製造工程が簡単で、外観上でも偽造防止用磁気パター
ンの構成が第三者に解読され難い偽造防止及び真偽判別
用紙であり、加えて、その真偽判別方法を提供すること
にある。
【0014】更に、本発明の磁性及び透かしを利用した
セキュリティ・ドキュメントでは、従来難しかった透か
しの光学的な効果と磁気特性を同時に有するセキュリテ
ィ・エレメントを提供することが可能であり、このセキ
ュリティ・ドキュメントを機械的処理によって、真偽判
別するためには、その判別装置に磁気を検出する部分と
透かしの光学的情報を検出する2種類の検出装置を一ヶ
所に具備することができ、判別装置面積又は容積は、比
較的コンパクトサイズにすることができる。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために成されたものであり、着色磁性粉体を銀
行券等のセキュリティドキュメントの印刷基材すなわち
用紙等の製造工程において、パルプスラリー状態で少な
くとも一部分に所定の配合比率で均一に分散させ、湿紙
状態の時点で、その着色磁性粉体が配合されている部分
に透き入れパターンを施すことによって抄造される有意
味情報磁気パターン及び固有の磁気特性を有する偽造防
止用紙であり、上記偽造防止用紙が黒色及び黒灰色系以
外の色彩を呈することを特徴としており、第三者がこの
透かし部分に、磁性が付与されていることを目視によっ
て認識することを不可能にしている。
【0016】更に、上記偽造防止用紙に付与された有意
味情報磁気パターン及び固有の磁気特性と上記偽造防止
用紙の透き入れ部分等の固有の光透過率または反射率を
照合することによって、より一層セキュリティ性を向上
させた偽造防止用紙であって、これら有意味情報磁気パ
ターン及び固有の磁気特性並びに光学特性を真偽判別の
一手段として利用する方法に関するものであり、詳細を
以下に説明する。
【0017】黒色及び黒灰色以外の色彩を呈する着色磁
性粉体を、用紙製造工程において、パルプスラリーに均
一に分散させて混抄すると共に、その用紙製造工程中の
湿紙状態の時点で、有意味情報透かしパターンが施され
た用紙であって、上記着色磁性粉体が上記用紙の呈する
色に対して非視認性を示すと共に、用紙に施された有意
味情報透かしパターンの形状に対応して真偽判別に利用
可能な固有の磁気情報パターン及び磁気特性を有するこ
とを特徴とする偽造防止用紙である。
【0018】黒色及び黒灰色以外の色彩を呈する着色磁
性粉体を、用紙製造工程において、パルプスラリーの少
なくとも一部分に均一に分散させて混抄すると共に、そ
の用紙製造工程中の湿紙状態の時点で、上記着色磁性粉
体が均一に分散されている部分に有意味情報透かしパタ
ーンが施された用紙であって、上記着色磁性粉体が上記
用紙の呈する色に対して非視認性を示すことによって、
上記着色磁性粉体が混抄された部分と上記着色磁性粉体
が混抄されていない部分の色彩の差が目視によって認識
不可能であると共に、上記用紙の少なくとも一部分の上
記着色磁性粉体が混抄された部分に施された有意味情報
透かしパターンの形状に対応して真偽判別に利用可能な
固有の磁気情報パターン及び磁気特性を有することを特
徴とする偽造防止用紙である。
【0019】黒色及び黒灰色以外の色彩を呈する着色磁
性粉体を、用紙製造工程において、パルプスラリーのそ
れぞれの部分において上記着色磁性粉体の配合濃度をそ
れぞれ異にして、均一に分散させて混抄すると共に、そ
の用紙製造工程中の湿紙状態の時点において、上記着色
磁性粉体の配合濃度をそれぞれ異にしているそれぞれの
部分の中で少なくとも一つの部分に、有意味情報透かし
パターンが施された用紙であって、上記着色磁性粉体が
上記用紙の呈する色に対して非視認性を示すことによっ
て、上記着色磁性粉体が配合濃度を異にして混抄された
それぞれの部分同士の色彩の差が目視によって認識不可
能であると共に、上記用紙の上記着色磁性粉体の配合濃
度をそれぞれ異にしているそれぞれの部分の中で少なく
とも一つの部分に施された有意味情報透かしパターンの
形状に対応して真偽判別に利用可能な固有の磁気情報パ
ターン及び磁気特性を有することを特徴とする偽造防止
用紙である。
【0020】上記有意味情報透かしパターンの形状とし
て、周囲より紙の厚さを薄くした白すき入れを施したこ
とを特徴とする偽造防止用紙である。
【0021】上記有意味情報透かしパターンの形状とし
て、周囲より紙の厚さを厚くした黒すき入れを施したこ
とを特徴とする偽造防止用紙である。
【0022】上記有意味情報透かしパターンの形状とし
て、周囲より紙の厚さを薄くした白すき入れ、且つ、周
囲より紙の厚さを厚くした黒すき入れを同時に施したこ
とを特徴とする偽造防止用紙である。
【0023】上記偽造防止用紙が黒色及び黒灰色系以外
の色彩を呈することを特徴とする偽造防止用紙である。
【0024】上記偽造防止用紙の光学特性が、可視光域
において分光反射率が380nmから480nmの領域で30%以上
を示し、480nmから780nmの領域で40%以上を示すことを
特徴とする偽造防止用紙である。
【0025】上記着色磁性粉体が、無彩色、有彩色又は
金属光沢を示す核磁性粉体の表面を有機材料又は無機材
料によってコーティングすることによって得られること
を特徴とする偽造防止用紙である。
【0026】上記着色磁性粉体が、黒色及び黒灰色を示
す核磁性粉体の表面を有機材料又は無機材料によってコ
ーティングすることによって得られることを特徴とする
偽造防止用紙である。
【0027】上記着色磁性粉体は、上記核磁性粉体に対
する相対分光反射率が380nm〜480nmで1.5倍以上を示
し、480nm〜780nmで2倍以上を示すことを特徴とする偽
造防止用紙である。
【0028】パルプスラリーにおける上記着色磁性粉体
の配合部分の配合比率が、対絶対乾燥パルプ比で0.01〜
10重量%であることを特徴とする偽造防止用紙である。
【0029】上記着色磁性粉体の粒径が0.1〜10μmであ
り、比重が1〜10g/cmであることを特徴とする偽造防
止用紙である。
【0030】上記偽造防止用紙の真偽判別方法であっ
て、上記用紙に配合された非視認性の上記着色磁性粉体
及び有意味情報透き入れパターンに由来する固有の磁気
情報パターン及び磁気特性を検出することにより、真偽
を判別することを特徴とする偽造防止用紙の真偽判別方
法である。
【0031】上記真偽判別方法において、上記偽造防止
用紙上に施された有意味情報透き入れパターンが有する
固有の磁気情報パターン及び磁気特性と、上記偽造防止
用紙が有する固有の可視光域の光学的な反射率、吸収及
び透過率の少なくとも一つ以上を組み合わせて、真偽を
判別することを特徴とする偽造防止用紙の真偽判別方法
である。
【0032】上記固有の磁気特性は、保磁力、残留磁
化、透磁率、最大透磁率、透磁率の微分値、磁気モーメ
ント及び磁束変化であり、これらの固有の磁気特性の中
で少なくとも一つを利用すること特徴とする偽造防止用
紙の真偽判別方法である。
【0033】上記固有の磁気特性を検出する手段とし
て、直流バイアスによる磁気ヘッド、交流バイアスによ
る磁気ヘッドまたは磁気抵抗素子による磁気センサーを
利用することを特徴とする偽造防止用紙の真偽判別方法
である。
【0034】上記偽造防止用紙の真偽判別装置であっ
て、上記偽造防止用紙に配合された非視認性の上記着色
磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来する固
有の磁気情報パターン及び磁気特性を検出するために、
磁気センサーを、上記偽造防止用紙に接触または接近さ
せ、上記偽造防止用紙に配合された非視認性の上記着色
磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来する固
有の磁気情報パターン及び磁気特性を検出し、予め記憶
させておいた真の磁性情報と比較照合し、上記偽造防止
用紙が有する上記着色磁性粉体及び有意味情報透き入れ
パターンに由来する固有の磁気情報パターン及び磁気特
性と予め記憶させておいた真の磁性情報が一致するとき
のみを真正と判断する判定回路を構成することを特徴と
する偽造防止用紙の真偽判別装置である。
【0035】上記偽造防止用紙の真偽判別装置であっ
て、上記偽造防止用紙に配合された非視認性の上記着色
磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来する固
有の磁気情報パターン及び磁気特性を検出するために、
磁気センサーを、上記偽造防止用紙に接触または接近さ
せ、上記偽造防止用紙に配合された非視認性の上記着色
磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来する固
有の磁気情報パターン及び磁気特性を検出し、予め記憶
させておいた真の磁性情報と比較照合し、且つ、上記偽
造防止用紙が呈する色彩を光電変換素子を用いて得られ
た電気的な信号をアンプを通して増幅することで得られ
た電圧値を、予め記憶させておいた真の電圧値と比較照
合させ、上記偽造防止用紙が有する上記着色磁性粉体及
び有意味情報透き入れパターンに由来する固有の磁気情
報パターン及び磁気特性と予め記憶させておいた真の磁
性情報が一致し、且つ、上記偽造防止用紙が呈する色彩
から得られる電圧値と予め記憶させておいた真の電圧値
が一致するときのみを真正と判断するような判定回路を
構成することを特徴とする偽造防止用紙の真偽判別装置
である。
【0036】上記検出する固有の磁気情報パターン及び
磁気特性として、保磁力、残留磁化、透磁率、最大透磁
率、透磁率の微分値、磁気モーメント及び磁束変化の少
なくとも一つを利用することを特徴とする偽造防止用紙
の真偽判別装置である。
【0037】上記固有の磁気情報パターン及び磁気特性
を検出する方法として、直流バイアスによる磁気センサ
ー、交流バイアスによる磁気センサー又は磁気抵抗素子
による磁気センサーを利用することを特徴とする偽造防
止用紙の真偽判別装置である。
【0038】
【発明の実施の形態】すなわち、本発明における偽造防
止用紙は、最終用紙製品の少なくとも一部分に不可視の
磁気特性を付与するために、製紙工程で着色磁性粉体を
対絶対乾燥パルプ比で任意の量を混抄して得られ、黒色
及び黒灰色以外の色調を示す着色用紙の磁性付与部分に
任意パターンの透かしを施すことによって、上記透かし
部分の紙料凹凸形状に対応した任意磁気パターンを有す
る偽造防止用紙である。
【0039】すなわち、上記透かし部分に磁気特性が付
与されていることを目視によって認識することを不可能
にしていることを特徴としており、且つ、得られた上記
偽造防止用紙の磁気パターンを磁気センサー等の機械的
な手法によって検知することで、上記偽造防止用紙を利
用したセキュリティ・ドキュメントの真偽判別方法の一
手段に利用することを特徴としている。
【0040】更に、上記偽造防止用紙の磁気パターンと
上前記偽造防止用紙の任意箇所の光の透過率または反射
率を検出装置によって検出することによって、これら2
つの検知信号を照合させることによって真偽判別を行う
ことを特徴としている。
【0041】本発明で言う偽造防止用紙とは、銀行券、
株券、商品券、小切手・手形用紙及びその他の有価証
券、重要書類、プリペードカード、クレジットカード、
各種交通手段の搭乗券、通行券、回数券、旅券、身分証
明書等の金銭的価値を有するもの、或いは、身分を証明
・保証する等の重要な用途のドキュメントやカードであ
り、真正を証明する必要性のあるものを言い、紙製また
は紙を主体として構成されるものである。
【0042】本発明の偽造防止用紙を製造するために利
用されるパルプは、通常の印刷紙、情報記録紙等に使用
されるパルプであれば特に制限は無い。化学パルプ(NB
KP、LBKP等)、機械パルプ(GP、CGP、RGP、TMP等)、
脱墨古紙パルプ(DIP)、木材パルプ、非木材パルプの
何れでも良く、これらが混合して配合されたものであっ
ても良い。また、必要に応じて、合成繊維、無機繊維な
どが混合されても良い。
【0043】更に、本発明の偽造防止用紙は、上記各種
パルプ、合成繊維及び無機繊維以外に、用途に応じて、
各種添加剤を配合しても良い。
【0044】また、本発明の偽造防止用紙は、上記材料
から成る単層または複数層の紙で、表面または紙層間に
合成樹脂が積層されても良い。更には、必要に応じて印
刷が施されたり、片面または両面が感熱記録、熱転写記
録、静電記録、磁気記録等の情報記録紙であっても構わ
ない。
【0045】本発明で利用する磁性粉体とは、γ-FeO
、FeO、Co含有酸化鉄、CrO、鉄等のメタル粉、
Baフェライト等の磁性材料を核として、蒸着、スパッタ
リング、ゾル−ゲル法、コーティング法、メッキ法等の
表面処理を施すことによって、上記磁性材料を任意材料
によって被覆することで、黒色及び黒灰色以外の所定の
有彩色或いは無彩色を示す材料であれば特に限定される
ものではない。
【0046】(実施例1)LBKPパルプスラリー中におい
て、LBKPパルプ100重量部に対して、薄褐色磁性粉体を
外割で2.5%配合し、任意の色材料、例えば、日本ピグメ
ント株製のパーマネントカーミンFB及び大日本インキ化
学株製のピグメントイエローGの微量を均一分散し、手
抄法にて、含水率約63%の湿紙状の本実施例における米
坪量約85g/m の偽造防止用紙の原紙を作製した。但
し、上記薄褐色磁性粉体とは、黒色の粒子径約1μmの磁
性を有する球状鉄粉にSiO、TiOなどを被覆すること
で、黒色を示す上記粒子径約1μmの球状鉄粉に対する相
対分光反射率が380nm〜480nmで1.5〜2倍を示し、480nm
〜780nmでは2〜2.5倍を示すものである。この原紙の色
彩は、一般的な有価証券等に利用されている薄クリーム
色の着色用紙に類似した色彩を呈していた。
【0047】次に、上記湿紙状の本実施例における偽造
防止用紙の原紙に、図1に示したような画線長30mm、画
線幅0.3mm、画線ピッチ4mmの5本の万線模様(1)の透き入
れを施した。
【0048】更に、上記偽造防止用紙の原紙を熱乾燥し
た後、カレンダー処理することによって、本実施例にお
ける偽造防止用紙(2)を作製した。
【0049】図2は、本実施例によって得られた上記偽
造防止用紙(2)のカレンダー処理する前の図1に示すA-
A'断面形状(3)を実際に表面粗さ試験器で測定した結果
である。更に図3は、本実施例によって得られた上記偽
造防止用紙(2)の表面を接触式の磁気検知ヘッドによっ
て30mm掃引させたときの磁気モーメント測定値(4)を示
したものである。
【0050】上記偽造防止用紙(2)の透き入れ部分の紙
料の凹凸形状に対応して、磁気モーメント測定値が変化
していることが確認される。この磁気モーメント測定値
において、相対値30以上を電気信号ONに、相対値30以下
を電気信号OFFにすることによって、得られる変換後の
検出信号の形状(5)を図4に示した。
【0051】すなわち、上記偽造防止用紙(2)を利用し
て作製されたセキュリティ・ドキュメントは、その透か
し部分の磁気特性を検出する検出ヘッドを具備した装置
によって、機械的にその磁気特性を検知することがで
き、上記検出信号の形状(5)を真偽判別用信号形状とし
て照合すれば、上記セキュリティ・ドキュメントの真偽
判別を行うことができる。また、上記透かし部分は、第
三者には、透かし模様が施されていることは認識されて
も、この部分に磁気特性が付与されていることは認識さ
れることはない。
【0052】更に、上記偽造防止用紙(2)を利用して作
製されたセキュリティ・ドキュメントは、透かし部分の
所定の箇所における分光反射率又は透過率を予め真偽判
別要素に設定し、このデータと上記磁気特性を照合する
ことによって、より一層のセキュリティ効果が向上す
る。
【0053】但し、上記透かし部分の所定の箇所におけ
る分光反射率、透過率等の予備真偽判別要素は、ここに
記した分光反射率、透過率等に制限されるものではな
い。
【0054】図5に、磁気モーメントを検出する磁気ヘ
ッドを具備した真偽判別装置の概略ブロック図を示し
た。すなわち、この装置は、上記偽造防止用紙(2)を用
紙搬送用モータ(6)によって装置内に挿入することによ
って、上記偽造防止用紙(2)の透かし部分に磁気ヘッド
(7)が接触する構造となっており、上記用紙に配合され
た非視認性の上記薄褐色磁性粉体及び有意味情報透き入
れパターンに由来する固有の磁気情報パターン及び磁気
特性を検出し、更に、上記用紙に配合された非視認性の
上記薄褐色磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに
由来する固有の磁気情報パターン及び磁気特性を電気信
号に変換した後、この電気信号をアンプ(8)によって増
幅させ、予め記憶させておいた真の磁性情報(Vrefm)
と比較照合し、且つ、上記偽造防止用紙の透き入れ部が
呈する色彩を光電変換素子(9)を用いて検出し、得られ
た電気的な信号をアンプ(10)を通して増幅することで得
られた電圧値を、予め記憶させておいた真の電圧値(Vre
fc)と比較照合させ、判定回路(11)において、上記偽造
防止用紙(2)が有する上記用紙に配合された非視認性の
上記薄褐色磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに
由来する固有の磁気情報パターン及び磁気特性と予め記
憶させておいた真の磁性情報(Vrefm)が一致し、且つ
上記偽造防止用紙の透き入れ部が呈する色彩から得られ
る電圧値と予め記憶させておいた真の電圧値(Vrefc)が
一致するときのみを真正と判断する回路とし、CPU(1
2)によって、真正と判断された場合は判定表示部(13)
において、OK表示を呈し、偽物と判断された場合は、判
定表示部(13)において、NG表示を呈すると共に、用紙搬
送用モータ(6)によって、この装置外へ排出するような
構成を成している。
【0055】(実施例2)LBKPパルプスラリー中におい
て、図6に示すように、パルプスラリー(14)中に一辺が
40mmである正方形筒(15)を、手抄法シートマシーン用網
(16)表面から上方向に数mm間隔を空けて挿入し、上記正
方形筒(15)の内側では実施例1で使用した上記薄褐色磁
性粉体を対絶対乾燥パルプ量に対して外割で2.5%配合
し、任意の色材料、例えば、日本ピグメント株製のパー
マネントカーミンFB及び大日本インキ化学株製のピグメ
ントイエローGの微量を均一分散し、且つ、上記正方形
筒の外側では、任意の色材料のみ、例えば、日本ピグメ
ント株製のパーマネントカーミンFB及び大日本インキ化
学株製のピグメントイエローGの微量を均一分散し、手
抄法にて、含水率約63%の湿紙状の本実施例における米
坪量約85g/mの偽造防止用紙の原紙を作製した。この
原紙の色彩は、一般的な有価証券等に利用されている薄
クリーム色の着色用紙に類似した色彩を呈していた。
【0056】次に、上記湿紙状の本実施例における偽造
防止用紙の原紙に、図7に示したように上記薄褐色磁性
粉体が混抄されている部分(17)に、画線長30mm、画線幅
0.3mm、画線ピッチ4mmの5本の万線模様(18)の透き入れ
を施した。
【0057】更に、上記本発明における偽造防止用紙の
原紙を熱乾燥した後、カレンダー処理して本発明におけ
る偽造防止用紙(19)を作製した。
【0058】図8に上記偽造防止用紙(19)における上記
薄褐色磁性粉体付与部分(17)と付与していない部分(20)
の可視光域でのそれぞれの分光反射率曲線(21)及び(22)
を示した。上記薄褐色磁性粉体付与部分(17)と付与して
いない部分(20)の可視光域での分光反射率は同程度を示
し、色差ΔEが0.5以下であり、一見しただけでは、上記
薄褐色磁性粉体付与部分(17)と付与していない部分(20)
の見分けは不可能である。
【0059】図9は、本実施例によって得られた上記偽
造防止用紙(19)をカレンダー処理する前の図7に示すB-
B'の断面形状(23)を実際に表面粗さ試験器で測定した結
果である。更に図10は、本実施例によって得られた上記
偽造防止用紙(19)の表面を接触式の磁気検知ヘッドによ
って30mm掃引させたときの磁気モーメント測定値(24)を
示したものである。
【0060】上記偽造防止用紙(19)の透き入れ部分の紙
料凹凸形状に対応して、磁気モーメント測定値が変化し
ていることが確認される。この磁気モーメント測定値に
おいて、相対値30以上を電気信号ONに、相対値30以下を
電気信号OFFにすることによって、得られる変換後の検
出信号の形状(25)を図11に示した。
【0061】すなわち、上記偽造防止用紙(19)を利用し
て作製されたセキュリティ・ドキュメントは、その透か
し部分の磁気特性を検出する検出ヘッドを具備した装置
によって、機械的にその磁気特性を検知することがで
き、上記検出信号の形状(25)を真偽判別用信号形状とし
て、照合すれば、上記セキュリティ・ドキュメントの真
偽判別を行うことができる。また、上記透かし部分は、
第三者には、透かし模様が施されていることは認識され
ても、この部分に磁気特性が付与されていることは認識
されることはない。
【0062】更に、上記偽造防止用紙(19)を利用して作
製されたセキュリティ・ドキュメントは、透かし部分の
所定の箇所における分光反射率又は透過率を予め真偽判
別要素に設定し、このデータと上記磁気特性を照合する
ことによって、より一層のセキュリティ効果が向上す
る。
【0063】但し、上記透かし部分の所定の箇所におけ
る分光反射率、透過率等の予備真偽判別要素は、ここに
記した分光反射率、透過率等に制限されるものではな
い。
【0064】すなわち、上記図5に示した実施例1にお
ける真偽判別装置を応用することで、実施例1と同様
に、上記偽造防止用紙(19)の磁気特性及び光学特性を検
出し、且つ、照合して最終的に真偽判別を行うことがで
きる。
【0065】
【発明の効果】従来までは、セキュリティ・ドキュメン
トの真偽判別を磁気的に判定する場合は、用紙基材上に
暗濃色の磁性インキによって、厚盛りの任意パターンを
形成する必要があった。しかし、本発明による固有の磁
気特性を有する黒色及び黒灰色を呈する磁性粉体の表面
を任意の材料によって被覆することで得られた、上記白
色或いは薄褐色化した磁性材料を用紙抄造工程中に分散
及び混抄し、更に、この磁気特性を有する用紙部分に透
き入れ模様を施すことによって、上記偽造防止用紙に
は、透き入れ部分の紙の厚さの厚薄形状に応じた任意の
真偽判別照合信号を付与することができる。
【0066】すなわち、磁気パターンの上に別の隠蔽層
を設けたり、ダミーパターンを追加することなく、第三
者が一見して、磁気パターンの存在を認識することを不
可能にしている。また、上記着色磁性粉体が基材用紙の
抄造工程中に均一に分散及び混抄されていることによっ
て、微量の添加量でも透き入れ部分の紙料の凹凸形状に
依存して、機械読み取りに十分な磁気信号を発信するこ
とが可能になり、黒色または暗濃色の磁性インキ等によ
って厚盛りの磁気パターンを形成する必要が無くなっ
た。
【0067】更に、用紙基材の抄造工程中に分散および
混抄することで得られる偽造防止用紙では、用紙中に上
記着色磁性粉体が微量で済むため用紙基材の物理的強度
に与える影響も小さいため、新たに紙力増強剤等を添加
する必要性が少なく、セキュリティ・ドキュメントの流
通時に対する強度を懸念する必要はない。
【0068】また、上記偽造防止用紙を利用して作製さ
れたセキュリティ・ドキュメントは、透かし部分の所定
の箇所における分光反射率又は透過率を予め真偽判別要
素に設定し、このデータと上記磁気特性を照合すること
によって、より一層のセキュリティ効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による偽造防止用紙を示す。
【図2】実施例1による偽造防止用紙の透かし部分A-A'
の表面形状を示す。
【図3】実施例1による偽造防止用紙の透かし部分の磁
気モーメント測定値を示す。
【図4】実施例1による偽造防止用紙の透かし部分の変
換後の検出信号を示す。
【図5】本発明の実施例における偽造防止用紙用の真偽
判別装置の概略ブロック図を示す。
【図6】実施例2の偽造防止用紙の製造工程図を示す。
【図7】実施例2による偽造防止用紙を示す。
【図8】実施例2による偽造防止用紙の磁性粉体付与部
分と付与していない部分の可視光域でのそれぞれの分光
反射率曲線を示す。
【図9】実施例2による偽造防止用紙の透かし部分B-B'
の表面形状を示す。
【図10】実施例2による偽造防止用紙の透かし部分の
磁気モーメント測定値を示す。
【図11】実施例2による偽造防止用紙の透かし部分の
変換後の検出信号を示す。
【符号の説明】
1 実施例1における透かし模様 2 実施例1における偽造防止用紙 3 実施例1による偽造防止用紙の透かし部分A-A'の表
面形状 4 実施例1による偽造防止用紙の透かし部分の磁気モ
ーメント測定値 5 実施例1による偽造防止用紙の透かし部分の変換後
の検出信号 6 真偽判別装置の搬送用モータ 7 真偽判別装置の磁気ヘッド 8 真偽判別装置のアンプ 9 真偽判別装置の光電変換素子 10 真偽判別装置のアンプ 11 真偽判別装置の判定回路 12 真偽判別装置のCPU 13 真偽判別装置の判定表示部 14 実施例2におけるパルプスラリー 15 一辺が40mmである正方形筒 16 手抄法シートマシーン用網 17 実施例2による偽造防止用紙上の薄褐色磁性粉体
が混抄されている部分 18 実施例2における透かし模様 19 実施例2による偽造防止用紙 20 実施例2における偽造防止用紙上の薄褐色磁性粉
体が混抄されていない部分 21 実施例2における偽造防止用紙上の薄褐色磁性粉
体が混抄されている部分の可視光域での分光反射率曲線 22 実施例2における偽造防止用紙上の薄褐色磁性粉
体が混抄されていない部分の可視光域での分光反射率曲
線 23 実施例2による偽造防止用紙の透かし部分B-B'の
表面形状 24 実施例2による偽造防止用紙の透かし部分の磁気
モーメント測定値 25 実施例2による偽造防止用紙の透かし部分の変換
後の検出信号 A 実施例1による偽造防止用紙の透かし部分の表面
形状測定開始点 A’ 実施例1による偽造防止用紙の透かし部分の表面
形状測定終了点 B 実施例2による偽造防止用紙の透かし部分の表面
形状測定開始点 B’ 実施例2による偽造防止用紙の透かし部分の表面
形状測定終了点 Vrefm 予め記憶させていた真の磁性情報 Vrefc 予め記憶させていた真の電圧値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 HA02 HB10 HB13 JB23 KA15 LB04 3E041 AA01 AA02 AA03 BA07 BB02 BB03 BB07 CA01 CB08 DB01 4L055 AG03 AG98 AH01 BD03 BD20 DA33 EA11 EA16 EA32 EA34 FA11 GA45

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒色及び黒灰色以外の色彩を呈する着色
    磁性粉体を、用紙製造工程において、パルプスラリーに
    均一に分散させて混抄すると共に、その用紙製造工程中
    の湿紙状態の時点で、有意味情報透かしパターンが施さ
    れた用紙であって、上記着色磁性粉体が上記用紙の呈す
    る色に対して非視認性を示すと共に、用紙に施された有
    意味情報透かしパターンの形状に対応して真偽判別に利
    用可能な固有の磁気情報パターン及び磁気特性を有する
    ことを特徴とする偽造防止用紙。
  2. 【請求項2】 黒色及び黒灰色以外の色彩を呈する着色
    磁性粉体を、用紙製造工程において、パルプスラリーの
    少なくとも一部分に均一に分散させて混抄すると共に、
    その用紙製造工程中の湿紙状態の時点で、上記着色磁性
    粉体が均一に分散されている部分に有意味情報透かしパ
    ターンが施された用紙であって、上記着色磁性粉体が上
    記用紙の呈する色に対して非視認性を示すことによっ
    て、上記着色磁性粉体が混抄された部分と上記着色磁性
    粉体が混抄されていない部分の色彩の差が目視によって
    認識不可能であると共に、上記用紙の少なくとも一部分
    の上記着色磁性粉体が混抄された部分に施された有意味
    情報透かしパターンの形状に対応して真偽判別に利用可
    能な固有の磁気情報パターン及び磁気特性を有すること
    を特徴とする請求項1記載の偽造防止用紙。
  3. 【請求項3】 黒色及び黒灰色以外の色彩を呈する着色
    磁性粉体を、用紙製造工程において、パルプスラリーの
    それぞれの部分において上記着色磁性粉体の配合濃度を
    それぞれ異にして、均一に分散させて混抄すると共に、
    その用紙製造工程中の湿紙状態の時点で、上記着色磁性
    粉体の配合濃度をそれぞれ異にしているそれぞれの部分
    の中で少なくとも一つの部分に、有意味情報透かしパタ
    ーンが施された用紙であって、上記着色磁性粉体が上記
    用紙の呈する色に対して非視認性を示すことによって、
    上記着色磁性粉体が配合濃度を異にして混抄されたそれ
    ぞれの部分同士の色彩の差が目視によって認識不可能で
    あると共に、上記用紙の上記着色磁性粉体の配合濃度を
    それぞれ異にしているそれぞれの部分の中で少なくとも
    一つの部分に施された有意味情報透かしパターンの形状
    に対応して真偽判別に利用可能な固有の磁気情報パター
    ン及び磁気特性を有することを特徴とする請求項1記載
    の偽造防止用紙。
  4. 【請求項4】 上記有意味情報透かしパターンの形状と
    して、周囲より紙の厚さを薄くした白すき入れを施した
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の偽造防止用
    紙。
  5. 【請求項5】 上記有意味情報透かしパターンの形状と
    して、周囲より紙の厚さを厚くした黒すき入れを施した
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の偽造防止用
    紙。
  6. 【請求項6】 上記有意味情報透かしパターンの形状と
    して、周囲より紙の厚さを薄くした白すき入れ、且つ、
    周囲より紙の厚さを厚くした黒すき入れを同時に施した
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の偽造防止用
    紙。
  7. 【請求項7】 上記偽造防止用紙が黒色及び黒灰色系以
    外の色彩を呈することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5又は6記載の偽造防止用紙。
  8. 【請求項8】 上記偽造防止用紙の光学特性が、可視光
    域において分光反射率が380nmから480nmの領域で30%以
    上を示し、480nmから780nmの領域で40%以上を示すこと
    を特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載
    の偽造防止用紙。
  9. 【請求項9】 上記着色磁性粉体が、無彩色、有彩色又
    は金属光沢を示す核磁性粉体の表面を有機材料又は無機
    材料によってコーティングすることによって得られるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8記載の偽造防止用紙。
  10. 【請求項10】 上記着色磁性粉体が、黒色及び黒灰色
    を示す核磁性粉体の表面を有機材料又は無機材料によっ
    てコーティングすることによって得られることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5、6、7、8及び9記載
    の偽造防止用紙。
  11. 【請求項11】 上記着色磁性粉体は、上記核磁性粉体
    に対する相対分光反射率が380nm〜480nmで1.5倍以上を
    示し、480nm〜780nmで2倍以上を示すことを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記
    載の偽造防止用紙。
  12. 【請求項12】 パルプスラリーにおける上記着色磁性
    粉体の配合部分の配合比率が、対絶対乾燥パルプ比で0.
    01〜10重量%であることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の偽造
    防止用紙。
  13. 【請求項13】 上記着色磁性粉体の粒径が0.1〜10μm
    であり、比重が1〜10g/cmであることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11
    又は12記載の偽造防止用紙。
  14. 【請求項14】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12又は13記載の上記偽造防止
    用紙の真偽判別方法であって、上記用紙に配合された非
    視認性の上記着色磁性粉体及び有意味情報透き入れパタ
    ーンに由来する固有の磁気情報パターン及び磁気特性を
    検出することにより、真偽を判別することを特徴とする
    偽造防止用紙の真偽判別方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の上記真偽判別方法に
    おいて、上記偽造防止用紙上に施された有意味情報透き
    入れパターンが有する固有の磁気情報パターン及び磁気
    特性と、上記偽造防止用紙が有する固有の可視光域の光
    学的な反射率、吸収及び透過率の少なくとも一つ以上を
    組み合わせて、真偽を判別することを特徴とする偽造防
    止用紙の真偽判別方法。
  16. 【請求項16】 上記固有の磁気特性は、保磁力、残留
    磁化、透磁率、最大透磁率、透磁率の微分値、磁気モー
    メント及び磁束変化であり、これらの固有の磁気特性の
    中で少なくとも一つを利用すること特徴とする請求項1
    4又は15記載の偽造防止用紙の真偽判別方法。
  17. 【請求項17】 上記固有の磁気特性を検出する方法と
    して、直流バイアスによる磁気センサー、交流バイアス
    による磁気センサーまたは磁気抵抗素子による磁気セン
    サーを利用することを特徴とする請求項14、15又は
    16記載の偽造防止用紙の真偽判別方法。
  18. 【請求項18】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9又は10記載の上記偽造防止用紙の真偽判別装置
    であって、上記偽造防止用紙に配合された非視認性の上
    記着色磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来
    する固有の磁気情報パターン及び磁気特性を検出するた
    めに、磁気センサーを、上記偽造防止用紙に接触または
    接近させ、上記偽造防止用紙に配合された非視認性の上
    記着色磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来
    する固有の磁気情報パターン及び磁気特性を検出し、予
    め記憶させておいた真の磁性情報と比較照合し、上記偽
    造防止用紙が有する上記着色磁性粉体及び有意味情報透
    き入れパターンに由来する固有の磁気情報パターン及び
    磁気特性と予め記憶させておいた真の磁性情報が一致す
    るときのみを真正と判断する判定回路を構成することを
    特徴とする偽造防止用紙の真偽判別装置。
  19. 【請求項19】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9又は10記載の上記偽造防止用紙の真偽判別装置
    であって、上記偽造防止用紙に配合された非視認性の上
    記着色磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来
    する固有の磁気情報パターン及び磁気特性を検出するた
    めに、磁気センサーを、上記偽造防止用紙に接触または
    接近させ、上記偽造防止用紙に配合された非視認性の上
    記着色磁性粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来
    する固有の磁気情報パターン及び磁気特性を検出し、予
    め記憶させておいた真の磁性情報と比較照合し、且つ、
    上記偽造防止用紙が呈する色彩を光電変換素子を用いて
    得られた電気的な信号をアンプを通して増幅することで
    得られた電圧値を、予め記憶させておいた真の電圧値と
    比較照合させ、上記偽造防止用紙が有する上記着色磁性
    粉体及び有意味情報透き入れパターンに由来する固有の
    磁気情報パターン及び磁気特性と予め記憶させておいた
    真の磁性情報が一致し、且つ、上記偽造防止用紙が呈す
    る色彩から得られる電圧値と予め記憶させておいた真の
    電圧値が一致するときのみを真正と判断するような判定
    回路を構成することを特徴とする偽造防止用紙の真偽判
    別装置。
  20. 【請求項20】 上記検出する固有の磁気情報パターン
    及び磁気特性として、保磁力、残留磁化、透磁率、最大
    透磁率、透磁率の微分値、磁気モーメント及び磁束変化
    の少なくとも一つを利用することを特徴とする請求項1
    8又は19記載の偽造防止用紙の真偽判別装置。
  21. 【請求項21】 上記固有の磁気情報パターン及び磁気
    特性を検出する方法として、直流バイアスによる磁気セ
    ンサー、交流バイアスによる磁気センサー又は磁気抵抗
    素子による磁気センサーを利用することを特徴とする請
    求項18又は19記載の偽造防止用紙の真偽判別装置。
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