JP2007021884A - 記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性体を含む記録媒体において、磁性体が外部から視認し難い記録媒体を提供すること。
【解決手段】マトリックス材料と、磁性体とを含み、且つ、表面のコントラスト濃度が0.05以下であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクやトナー等の一般的な記録材を用いた印刷が可能であると共に、磁気的あるいは電磁気的手段により情報を記録・再生することができる磁性体を含む記録媒体に関するものである。
近年、コンピュータや複合機およびネットワークの普及により、膨大な情報の中から所望の情報を容易に取得し、取得した情報を印刷、複写することが可能となっている。
そこで、情報が不正に複写もしくは印刷された印刷物が持ち出されることによって機密情報が漏洩することを防止するために情報のセキュリティーを強化した種々の装置や方法が提案されている。
例えば、固有の識別情報が記録可能な磁性体を含む印刷用紙と、この識別情報を読み取って、印刷用紙に印刷された情報の正当性を判断する情報読取装置とを組合わせて利用することにより情報のセキュリティーを強化する方法が提案されている(特許文献1,2参照)。
特開2004−284053号公報 特開2004−285524号公報
しかしながら、磁性体は可視光を透過しないのに対して、印刷用紙を構成するマトリックス材料であるパルプ材は可視光を透過する。加えて、磁性体材料は明度の低い黒っぽい色のものが多いのに対して、印刷用紙は、通常、白色を基調とするものが多く用いられる。それゆえ、印刷用紙中に含まれる磁性体が外部から容易に視認されてしまう。
この場合、情報のセキュリティーを確保するための用紙であることが一見して判別できることになるために、機密情報の盗用を試みる者に対しては、容易に他の手段での盗用を許すことになり、情報セキュリティーの向上を図ることができず、機密情報の漏洩や改竄を招く恐れがある。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、磁性体が外部から視認し難い記録媒体を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
<1>
マトリックス材料と、磁性体とを含み、且つ、表面のコントラスト濃度が0.05以下であることを特徴とする記録媒体である。
<2>
前記表面が、前記マトリックス材料の色と同相色を基調とすることを特徴とする<1>に記載の記録媒体である。
<3>
前記マトリックス材料が、パルプ繊維を含むことを特徴とする<1>に記載の記録媒体である。
<4>
前記磁性体が、カモフラージュ材料を含む層により被覆されていることを特徴とする<1>に記載の記録媒体である。
<5>
前記磁性体が、絶縁性を有する層により被覆されていることを特徴とする<1>に記載の記録媒体である。
<6>
前記磁性体と、前記パルプ繊維と、接着剤とを含むことを特徴とする<3>に記載の記録媒体である。
<7>
カモフラージュ材料が、前記マトリックス材料中に含まれることを特徴とする<1>に記載の記録媒体である。
<8>
前記磁性体と、前記マトリックス材料とを含む基材と、該基材の少なくとも片面に設けられたカモフラージュ材料を含むコート層とからなることを特徴とする<1>に記載の記録媒体である。
以上に説明したように本発明によれば、磁性体が外部から視認し難い記録媒体を提供することができる。
本発明の記録媒体は、マトリックス材料と、磁性体とを含み、且つ、表面のコントラスト濃度が0.05以下であることを特徴とする。
従って、本発明の記録媒体は、記録媒体中に含まれる磁性体が、一般的な環境や使用条件下(例えば、通常の室内照明光や太陽光下で、机の上に置いたり、記録媒体を光に透かして見た場合等)においても外部から容易に視認され難い。
なお、コントラスト濃度は、より好ましくは0.03以下であり、0に近いほど好ましい。
ここで、本発明において、「コントラスト濃度」とは、記録媒体面内の光学的な濃度の差を意味し、具体的には、記録媒体面内の磁性体が存在する領域と、磁性体が存在しない領域との濃度差を意味する。なお、通常、記録媒体表面は無地であるが、記録媒体面内に濃度差が生じる模様や記号等(例えば、罫線やロゴマーク等)が予め意図的に付されている場合、このような意図的に形成されたものに起因するコントラスト濃度は、本発明におけるコントラスト濃度を意味するものではない。
コントラスト濃度の測定には、測定装置としては、富士ゼロックス社製の光学濃度測定装置IQMを利用した。なお、当装置の詳細については特公平6−68466号公報や、特公平8−14535号公報、特公平6−54940号公報に記載されている。
IQMは、A3サイズのハードコピーをX,Y方向に切り換え可能な10μm×500μmの測定アパーチャーを備えており、10μmのサンプリング間隔で自由に濃度測定できる2次元走査型ミクロ濃度計である。最終データはISO視覚濃度に較正して測定した。
なお、この装置を用いて測定する場合の主要な測定条件は以下の通りである。
(1)照明系:入射角が45度の環状(リング)照明。
(2)光源:ハロゲンランプ(4010 K、三菱電機社製)。
(3)受光角:0度。
(4)センサー:フォトマル管(R928HA、浜松フォトニクス製)。
(5)裏当て(BackingMaterial):濃度0.07の白色シート。
本発明の記録媒体表面の色は特に限定されるものではなく、様々な色を選択することができるが、マトリックス材料の色と同相色を基調とすることが好ましい。なお、一般的には、特に複写用紙が白色であることから、記録媒体表面の色は白色を基調とする色であることがより好ましい。なお、「白色を基調とする色」とは、白色そのものの他に、淡く着色した白色も含まれ、例えば、古紙パルプを原料として製紙された再生紙のように、記録媒体を構成する材料の色(紙質)に起因するような自然な着色状態や、意図的に所望の色に淡く着色したような状態も含まれる。
次に、本発明の記録媒体の構成材料や層構成、製造方法等についてより詳細に説明する。
本発明の記録媒体は、マトリックス材料と磁性体とを含むものであれば特に限定されないが、必要に応じて、その他種々の材料を用いることができる。また、本発明の記録媒体は、マトリックス材料と磁性体とを含む基材部分のみから構成されていてもよいが、この基材の表面に必要に応じてコート層を設けてもよい。
−基材及びコート層−
基材の層構成としては特に限定されず、単層であってもよいし、2層以上の多層構成であってもよいが、実用上は、2層または3層構成であることが好ましい。
なお、2層の場合は、層と層との界面部分に磁性体を分散させる。また、3層の場合は、磁性体を分散させた層の両面を、磁性体を含まない層によりサンドイッチする構成とすることが好ましい。また、単層の場合は、基材の表面近傍にも磁性体が存在する場合があるため、基材の表面に存在する磁性体が外部から視認し難くなるようにコート層を設けることが好ましい。
単層構成の基材を作製する場合には、マトリックス材料と磁性体とを含む原料をシート状に成形すればよく、例えば、紙媒体の場合は、磁性体を添加したパルプスラリーを用いて、通常の製紙方法と同様に抄紙する工程を経て作製することができる。また、樹脂媒体の場合は、例えば、熱可塑性樹脂と磁性体とを含む溶融混練物を射出成形して形成する等、公知の樹脂シート形成方法が利用できる。
また、2層構成の基材を作製する場合には、予め形成された1枚の基材の片面に磁性体を配置した後、この上からもう1枚の基材をラミネートして貼り合わせて作製することができる。このラミネート処理に際しては、基材同士の貼り合わせに接着剤を用いてもよく、マトリックス材料が熱可塑性樹脂の場合は、加熱処理による基材同士の熱融着を利用してもよい。
なお、紙基材を作製する過程で、層と層との界面に磁性体を配置する場合には、抄紙工程を経て得られた潤湿状態のパルプシート(湿紙)の片面に磁性体を配置した後、この上からもう1枚の潤湿状態のパルプシートを積層する工程を経て基材を作製することができる。
3層構成の基材を作製する場合には、上述した磁性体が分散した単層構成の基材(あるいは湿紙)と、磁性体を含まない2枚の基材(あるいは湿紙)とを用いて、上述したようにラミネートしたり積層することにより得ることができる。
また、コート層としては、その機能や材料は特に限定されないが、例えば、電子写真法により画像を形成する場合に、画像表面のトナーに起因する凹凸を低減して画像表面を平滑化し、光沢感のある画像や、銀塩写真ライクな画像を得るために設けられるような受像層などを設けることができる。あるいは、基材が上述したような単層構成である場合には、基材の表面に磁性体が外部から視認し難くなるような機能を有するコート層を設けてもよいし、このコート層が、他の機能、例えば上述したような受像層の機能を兼ねるものであってもよい。
なお、このコート層は、サイズプレス処理の他、シムサイズ、ゲートロール、ロールコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブレードコーター等の公知の塗工方法を利用して、コート層を構成する材料を含む塗工液を基材上に塗工することにより形成することができる。
−マトリックス材料−
本発明に用いられるマトリックス材料とは、記録媒体(の基材)を構成する主材料を意味し、電子写真記録やインクジェット記録等、公知の記録方法に適した厚みや強度等を有するシート状に加工できるものであれば特に限定されない。例えば、本発明の記録媒体が紙である場合はパルプ繊維が挙げられ、樹脂シートである場合は樹脂が挙げられ、アルミ箔のような金属シートである場合は金属が挙げられる。
−磁性体−
本発明に用いられる磁性体は、大バルクハウゼン効果を起こす特性を有する磁性材料からなるものであれば、その磁気的物性、組成、形状等は特に限定されるものではない。
しかし、磁気的物性としては、ヒステリシスループがほぼ長方形で、保持力(Hc)が比較的小さいことが好ましい。
また、組成としては、例えば、磁性元素のCo−Fe―Ni、遷移金属類及びガラス形成元素のSi,B,C,Pからなる合金が挙げられ、その構成元素の組成比率や製造方法を選択することにより様々な磁気特性をもつものが利用できる。なお、上記元素からなるアモルファス合金の色相はその元素の比率にさほど影響されない。
形状としては、大バルクハウゼン効果を起こすのに適した形状であれば特に限定されないが、大バルクハウゼン効果を起こすのには断面積に対して所定の長さが必要となってくることから、線状(ワイヤ状)や帯状であることが好ましく、ワイヤ状であることがより好ましい。
磁性体がワイヤ状である場合、記録媒体表面に磁性体が露出したり、表面近傍に位置しないように磁性体を分散させたり、製造・取り扱い性等の観点からは、その直径は記録媒体の厚みに依存し、例えば、90μm前後の厚さの用紙の場合では、40μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。また、長さとしては10mm以上が好ましい。
なお、磁性体は、記録媒体中にそのまま分散させて用いることもできるが、記録媒体中に分散している磁性体の大バルクハウゼン効果の発揮が阻害されないように、絶縁性を有する層(以下、「絶縁層」と称する場合がある)により被覆されていることが好ましい。この絶縁層を構成する材料としては公知の絶縁性材料であれば特に限定されず、例えば、樹脂やガラス等が利用できる。なお、絶縁性材料として樹脂を用いる場合には耐熱性を有するポイリイミド樹脂等を用いることが好ましい。また、詳細は後述するが、この絶縁層は、磁性体をカモフラージュする機能を兼ねるものであってもよい。
絶縁層の形成方法としては特に限定されず、絶縁層を形成する材料に応じてスパッタリングやCVD(Chemical Vapor Deposition)、真空蒸着等の気相成膜法や、浸漬塗布、ローラー塗布、スプレー塗布、ゾルゲル法を利用したコーティング等の液相成膜法のような公知の薄膜形成方法を適宜選択することができるが、均一且つより膜厚の薄い絶縁層を形成する上では気相成膜法の方が好ましい。なお、絶縁層の形成は磁性体のワイヤ化とほぼ同時に実施することもでき、例えば、溶融状態の磁性体材料をワイヤー状として加工した直後に、磁性体ワイヤの冷却も兼ねてCVD等の気相成膜法により絶縁層を形成することもできる。
−カモフラージュ方法−
記録媒体表面の濃度コントラストを0.05以下とし、記録媒体中に含まれる磁性体が外部から視認し難くしてカモフラージュする方法としては、例えば、媒体の厚みを厚くしたり、光透過性の低いマトリックス材料を用いたり、磁性体とほぼ同じ色調のマトリックス材料を用いたりする方法が挙げられる。
一方、本発明の記録媒体は、実用上、一般的な複写機等で印刷できるようにするためには記録媒体の厚みは60〜120μm程度の範囲内であることが好ましく、また、汎用性の高さからは、本発明の記録媒体は表面が白色を基調とした紙媒体であることが特に好ましい。しかしながら、このような構成からなる記録媒体中に、単に磁性体を分散させただけでは、磁性体が外部から容易に視認されてしまう場合が多い。従って、複写機等での利用が可能な一般的な媒体厚み(85〜95μm)を有し、且つ、マトリックス材料としてパルプ繊維を用いた紙媒体であっても、磁性体が外部から視認し難いように、何らかのカモフラージュ処理を施すことが必要である。
このようなカモフラージュの方法としては、大別すると、以下の第1〜第5のカモフラージュ方法が挙げられる。
(1)磁性体を、カモフラージュ材料を含む層により被覆する方法(第1のカモフラージュ方法)
(2)磁性体を、パルプ繊維で密に覆う方法(第2のカモフラージュ方法)
(3)マトリックス材料中にカモフラージュ材料を分散させる方法(第3のカモフラージュ方法)
(4)基材の表面にカモフラージュ材料を含むコート層を設ける方法(第4のカモフラージュ方法)
(5)基材の表面を、シートによりラミネートする方法(第5のカモフラージュ方法)
これら、第1〜第5のカモフラージュ方法は、2種類以上を組合わせてもよい。また、第4のカモフラージュ方法は、記録媒体が基材とコート層とからなる場合に限定されるが、第1〜第3、第5のカモフラージュ方法は、記録媒体が基材のみからなる場合でも、コート層が設けられる場合でもいずれの場合にも利用できる。
なお、これらのカモフラージュ方法は、本発明の記録媒体が、一般的な厚みを有する紙媒体である場合に特に好適であるため、以下の説明では、本発明の記録媒体が紙媒体であることを前提として説明するが、勿論、このような構成以外の記録媒体にも必要に応じて利用することができる。以下、これらのカモフラージュ方法についてより詳細に説明する。
−第1のカモフラージュ方法−
第1のカモフラージュ方法は、磁性体を、カモフラージュ材料を含む層(以下、「カモフラージュ層」と称す場合がある)により被覆する方法である。具体的には、磁性体を、カモフラージュ層で被覆することにより、磁性体の見掛け上の色調を、マトリックス材料の色調に近づけることにより、磁性体を外部から視認し難くする。
なお、本発明において「カモフラージュ材料」とは、記録媒体中に含まれる磁性体を外部から視認し難くするために用いられる材料であれば特に限定されないが、例えば、光の透過性を逓減する材料や、マトリックス材料の色と同相色を基調とする材料などが利用できる。
ここで、第1のカモフラージュ方法に用いられるカモフラージュ材料としては、特に限定されないが、顔料や染料などの公知の色材や、蛍光材料等を利用することが好ましく、着色したガラスや樹脂などのように、カモフラージュ層を構成する主材料自体が着色しているものが利用でき、これらの材料の選定に際しては、マトリックス材料の色調と同一または類似する色調のものが利用できる。なお、2種類以上のカモフラージュ材料を組合わせることにより、マトリックス材料の色調に近づけるようにカモフラージュ層の色調を調整してもよい。
例えば、マトリックス材料が白色を基調とする場合は、色材としては白色系の色材を利用することができ、カモフラージュ層が、ガラスからなる場合には、Na2SiF6、Al23,Al(OH)3、ZnO、BaSO4等を含むガラス材料が利用できる。簡易な方法としては、メチルシクロヘキサン等の有機溶剤に白色の色材を溶解・分散させたような塗布液(いわゆる修正液)を利用してもよく、例えば、コクヨ製のTW−40や、ペンテル(株)製のXZL21−EWを利用することができる。
また、蛍光材料を用いる場合には、所定の波長域に蛍光発光を有する蛍光材料を2種類以上組合わせてカモフラージュ層の色を白色系に調整してもよいし、フルオレセインのような白色の蛍光を発する蛍光材料を利用することもできる。
なお、蛍光材料を用いる場合には、磁性体表面(絶縁層が予め設けられたものでもよい)に蛍光材料を塗布した後に透明な樹脂でコーティングしてもよいし、透明な樹脂でコーティングしてから、その表面を蛍光材料により塗布してもよいし、蛍光材料を透明な樹脂に分散させてカモフラージュ層を形成してもよい。この場合の樹脂としては、例えば、無色透明で、耐熱性(溶融温度280℃)にも優れたパレリン樹脂(poly−monochloro−para−xylylene)等を用いることが好ましい。
なお、前記色材のような着色した材料を用いる場合には、磁性体の見掛け上の色と、マトリックス材料の色とが同一・類似になるため、磁性体が外部から視認し難くなる。
また、蛍光材料を用いた場合には、例えば、記録媒体が紙媒体であれば、記録媒体に入射する外部からの光(特に太陽光や室内の白色光源に含まれる紫外線)は、パルプ繊維に乱反射すると共に、磁性体表面にコーティングされた蛍光材料にもぶつかって蛍光発光する。このため、これらの乱反射光と蛍光発光とが交じり合った光が最終的には視覚的に認識されることになるため磁性体が外部から視認し難くなる。
一方、磁性体の表面には、上述したように絶縁層が設けられることが好ましいが、この場合、カモフラージュ層と絶縁層とは、別々に設けてもよいし、両者の機能を兼ねる被覆層を設けることもできる。
カモフラージュ層と絶縁層とを別々に設ける場合には、磁性体表面にカモフラージュ層を設け、その表面に透明な絶縁層を設けるか、あるいは、磁性体表面に絶縁層を設け、その表面にカモフラージュ層を設けることができる。
しかしながら、磁性体表面に設けられるこれら2つの機能を有する層の厚みを薄くでき、且つ、コーティング処理もより容易であることからは、磁性体表面には、カモフラージュ機能および絶縁機能の双方を兼ね備えた被覆層であることが好ましい。
なお、磁性体表面に設けられるこれら被覆層が、単層構成か、あるいは、2層以上の多層構成かに係らず、磁性体表面に設けられる被覆層の総厚みはカモフラージュ機能や絶縁機能を損なわない範囲で薄ければ薄い方が好ましい。例えば、磁性体がワイヤ状である場合には、磁性体ワイヤと被覆層との総厚み(直径)が、既述した磁性体ワイヤの直径(40μm以下)であることが好ましい。なお、被覆層の厚みは絶対値で1μmから5μmが好ましい。
また、本発明の記録媒体を用いて、電子写真法により印刷する場合、磁性体表面に設けられるカモフラージュ層や、絶縁層、あるいは、これら2つの層の機能を兼ねる被覆層は、定着時の加熱(200℃程度の温度)により劣化しない材料からなることが好ましい。このような観点からは、これらの層を構成する材料としては、色材であれば顔料が好ましく、絶縁機能も兼ねる材料としては、ガラス等の無機材料や、ポリイミド樹脂やパレリン樹脂のような耐熱性の樹脂材料を利用することが好ましい。
第1の方法を利用した記録媒体を作製する場合には、予め表面にカモフラージュ層を設けた磁性体を用いる以外は、通常の方法で記録媒体を作製することができる。例えば、パルプ繊維を含むパルプスラリーを抄紙して基材を作製する工程を少なくとも経て本発明の記録媒体を作製する場合、上述したような単層あるいは3層構成のように、パルプ繊維中に磁性体を分散させる場合には、パルプスラリー中に予めカモフラージュ層が設けられた磁性体を添加すればよい。
−第2のカモフラージュ方法−
第2のカモフラージュ方法は、磁性体を、パルプ繊維で密に覆う方法である。この場合、パルプ繊維を含む記録媒体に入射した光は、光をより吸収し易い磁性体にぶつかることなく、磁性体表面を密に覆うパルプ繊維によって乱反射されるため、外部から磁性体が視認し難くなる。
なお、この方法では、パルプ繊維中に磁性体を分散させることが必要であるため、基材の層構成は上述したように基本的には単層あるいは3層であることが好ましい。
磁性体を、パルプ繊維で密に覆う方法としては、磁性体表面とパルプ繊維とを接着する接着剤を用いることが好ましい。このような接着剤としては後述する紙力増強剤や、ポリビニルアルコール(PVA)等のバインダーを用いることが好ましい。
また、接着剤以外にも、磁性体を分散させたパルプスラリーを抄紙して得られた潤湿状態のパルプシートを通常の紙媒体を作製する場合よりもより強い圧力でプレスし、磁性体を覆うパルプ繊維の密度を大きくする方法も利用することができる。
−第3のカモフラージュ方法−
第3のカモフラージュ方法は、マトリックス材料中にカモフラージュ材料を分散させる方法であり、マトリックス材料の色を磁性体の色に近づける方法である。カモフラージュ材料としては、磁性体の色に近い顔料や染料などの色材を利用することができ、マトリックス材料がカモフラージュ材料を兼ねていてもよい。
この方法では、明度が低い着色した磁性体にマトリックス材料の色を近づけるものであり、記録媒体を着色させることによって透過率を下げることができるため、磁性体が存在する部分と存在しない部分との透過率差を小さくすることができる。従って、磁性体が外部から視認し難くなる。
−第4のカモフラージュ方法−
第4のカモフラージュ方法は、基材の表面にカモフラージュ材料を含むコート層を設ける方法であり、特に、基材が単層構成である場合に好適な方法である。
この場合のコート層は、カモフラージュ機能のみを備えたものでもよいし、受像層のような他の機能を兼用していてもよく、また、基材上にカモフラージュ機能を備えたコート層の他に、この層の上に受像層のようなその他の機能を有する層を順次設けてもよい。
コート層に含まれるカモフラージュ材料は特に限定されず、磁性体の色調やマトリックス材料の色調に応じて、磁性体が外部から視認し難くなるように適宜選択することができるが、記録媒体表面が白色を基調とする場合には、白色系の顔料などの色材(例えば、アルミナ等)を用いることができる。なお、第4のカモフラージュ方法で基材上に形成されるコート層の好適な形成方法や、構成材料の詳細については後述する。
−第5のカモフラージュ方法−
第5のカモフラージュ方法は、基材の表面を、シートによりラミネートする方法であり、特に、基材が単層構成である場合に好適な方法である。
この場合のラミネートに用いられるシートは特に限定されず、基材単体では外部から視認されてしまう磁性体が、シートをラミネートして基材と貼り合わせることにより、磁性体をカモフラージュできる厚みや遮光性を備えていればよく、基材と異なる色相であってもよい。しかしながら、通常は、基材と同じ色相を基調とするシートを用いることが好ましい。また、シートの材質も基材と異なっていてもよいが、一般的には同一の材質からなることが好ましい。シートの厚みは特に限定されないが、記録媒体全体の厚みを小さくする観点からは15〜20μmの範囲内であることが好ましい。
ラミネートの際に利用できる接着剤としては公知の接着剤が利用でき、例えば、ウレタン樹脂やポリエステル樹脂などの透明樹脂を利用した接着剤が利用できる。なお、これらの接着剤は、遮光性を高めるために透過性のより少ないものを用いてもよい。
−紙媒体−
次に、本発明の記録媒体が紙媒体である場合についてより詳細に説明する。本発明の記録媒体が紙媒体である場合、基本的には、磁性体を含むことや、上述したように必要に応じて、2層、3層等の多層構成の基材を用いること以外は、従来公知の紙媒体と同様の材料・プロセスを利用して作製することができる。
なお、この場合の記録媒体の厚みとしては、通常の紙媒体と同様に60〜110μmの範囲内が好ましく、60〜80μmの範囲内であることがより好ましい。
本発明に用いられる基材は、少なくともパルプ繊維を主原料とするものであり、以下に説明する基材であってもよく、この基材表面に顔料やバインダーなどを処理した普通紙であってもよい。
基材は、パルプ繊維を含むものであるが、パルプ繊維としては公知のものを用いることができ、具体的には、化学パルプ、具体的には広葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等、木材及び綿、麻、じん皮等の繊維原料を化学的に処理して作製されたパルプ等を使用できる。
また、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及び、チップをやや軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ等も使用できる。これらはバージンパルプのみで使用してもよいし、必要に応じて古紙パルプを加えてもよい。
特にバージンで使用するパルプは、塩素ガスを使用せず二酸化塩素を使用する漂白方法(Elementally Chlorine Free;ECF)や塩素化合物を一切使用せずにオゾン/過酸化水素等を主に使用して漂白する方法(Total Chlorine Free;TCF)で漂白処理されたものであることが好ましい。
また、古紙パルプの原料として、製本、印刷工場、断裁所等において発生する裁落、損紙、幅落しした上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙;印刷やコピーが施された上質紙、上質コート紙などの上質印刷古紙;水性インク、油性インク、鉛筆などで筆記された古紙;印刷された上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙等のチラシを含む新聞古紙;中質紙、中質コート紙、更紙等の古紙;を配合することができる。
本発明に用いられる基材に使用される古紙パルプとしては、古紙原料を、オゾン漂白処理又は過酸化水素漂白処理の少なくとも一方で処理して得られたものが望ましい。また、より白色度の高い基材を得るためには、上記漂白処理によって得られた古紙パルプの配合率を50重量%以上100重量%以下とすることが望ましい。さらに資源の再利用という観点からは、古紙パルプの配合率を70重量%以上100重量%以下とすることがより望ましい。
オゾン処理は、上質紙に通常含まれている蛍光染料等を分解する作用があり、過酸化水素処理は脱墨処理時に使用されるアルカリによる黄変を防ぐ作用がある。特にこの二つを組み合わせた処理によって古紙の脱墨を容易にするだけでなく、パルプの白色度も向上することが知られている。また、パルプ中の残留塩素化合物を分解・除去する作用もあるため、塩素漂白されたパルプを使用した古紙の有機ハロゲン化合物含有量低減において多大な効果を持つ。
また、本発明に用いられる基材には、不透明度、白さ及び表面性を調整するため、填料を添加することが好ましい。特に記録媒体中のハロゲン量を低減したい場合には、ハロゲンを含まない填料を使用することが好ましい。
使用できる填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク、カオリン、焼成クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、セリサイト、ホワイトカーボン、サポナイト、カルシウムモンモリロナイト、ソジウムモンモリロナイト、ベントナイト等の白色無機顔料、及びアクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、等の有機顔料を挙げることができる。また、古紙を配合する場合には、古紙原料に含まれる灰分を予め推定して添加量を調整する必要がある。
更に、本発明に用いられる基材には、内添サイズ剤を添加することが好ましい。内添サイズ剤としては、中性抄紙に用いられる、中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤が使用できる。
また、基材の表面をカチオン性に調整する場合には、カチオン性物質としては、例えば、親水性のカチオン樹脂等を表面に処理することができるが、このカチオン性樹脂の内部への浸透を抑制するためには、このカチオン性樹脂を塗布する前の用紙サイズ度は10秒以上60秒未満であることが好ましい。
また、基材には、必要に応じて紙力増強剤を内添あるいは外添することができる。紙力増強剤としては、でんぷん、変性でんぷん、植物ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ジアルデヒドでんぷん、ポリエチレンイミン、エポキシ化ポリアミド、ポリアミド・エピクロルヒドリン系樹脂、メチロール化ポリアミド、キトサン誘導体等が挙げられ、これらの材料を単独あるいは混合して使用することができる。
また、この他にも、染料、pH調整剤等、通常の紙媒体に配合される各種助剤が適宜使用される。
このような基材を作製する過程や、抄紙後に得られたパルプシートを乾燥させた後に、上述したように磁性体を層と層との界面に配置したり、層中に分散させて本発明に用いる基材を得ることができる。
また、得られた基材に、必要に応じて表面サイズ液を表面処理したり、コート層を設けたりすることもできる。表面処理は、表面サイズ液や、コート層形成用の塗工液をサイズプレス、シムサイズ、ゲートロール、ロールコーター、バーコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブレードコーター等の通常使用されている塗布手段によって、基材に塗布することにより行うことができる。
また、本発明の記録媒体は、従来の塗被紙と同様な風合いを持たせること以外にも、第4のカモフラージュ方法により磁性体を外部から視認し難くするために、基材上に、顔料および接着剤を主成分とするコート層を必要に応じて設けることもできる。
このコート層に用いられる顔料としては、通常の一般塗被紙に用いられる顔料、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ホワイトカーボン、カオリン、焼成カオリン、デラミネーテッドクレー、アルミノ珪酸塩、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルムアルデヒド樹脂微粒子、微小中空粒子およびその他の有機系顔料等を単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
コート層に用いられる接着剤としては、合成接着剤や天然系の接着剤が利用できる。
合成接着剤としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等が挙げられる。これらの合成接着剤の中で目的に応じて、1種類以上を使用することができる。これらの接着剤は顔料100重量%当たり5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%程度の範囲で使用されることが好ましい。
また、天然系接着剤として、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプンやそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等の一般に知られた接着剤が挙げられる。これらの接着剤も顔料100重量%当たり0.1〜50重量%、より好ましくは2〜30重量%程度の範囲で使用される。
また必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤等、通常の塗被紙用顔料に配合される各種助剤が適宜使用される。
上述したような成分を含むように調製された塗被組成物は一般の塗被紙製造に使用される塗被装置、例えばブレードコータ、エアナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等を用いオンマシンあるいはオフマシンによって、基材上に一層あるいは多層に分けて塗被することができる。なお、塗工量は一般的には乾燥重量で片面に5〜15g/m2程度となるように塗被されるが、本発明においては、外部から磁性体が視認し難くするために、前述の範囲より多めにしてもよい。
塗被後の平滑化処理は、通常用いられる平滑化装置、例えば、スーパーカレンダー、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー等が用いられ、白紙光沢が30%以上になるように仕上げられることが好ましい。
以下に、本発明を実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
−磁性体−
磁性体としては、長さ25mm、直径27μmのFe−Co系アモルファス磁性体ワイヤ(Hc=19.1A/m)を準備した。この磁性体ワイヤは、灰黒色で、JIS Z 8729で規定されるL*a*b*表色系の色座標L*、a*、b*はそれぞれ、16.9、0.0、12.6である。
次に、この磁性体ワイヤに以下の手順で、厚みが約5μmの絶縁層と、厚みが約2μmのカモフラージュ層とを順次積層し、コーティング処理された磁性体ワイヤを得た。このコーティング処理後の磁性体ワイヤは白色である。
−絶縁層の形成−
絶縁層は、溶融状態の磁性体材料をワイヤー状に加工した直後に、この磁性体ワイヤを密閉チャンバー内を通過させると同時にチャンバー内にてシリカ膜をCVD成膜することにより形成した。
−カモフラージュ層の形成−
続いて、絶縁層を形成し、十分冷却された磁性体ワイヤを、白色の塗布液(コクヨ製、TW−40)中に浸漬した後、ほぼ一定の速度で引き上げて、余分な液を除去し、その後数分間乾燥させて磁性体ワイヤ表面にカモフラージュ層を形成した。
−記録媒体の作製−
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)80重量部と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)10重量部と有機合成繊維(一般名:パラ型アラミド繊維、商品名:テクノーラ、帝人株式会社製)10重量部とを含むパルプスラリーをナイヤガラビータ(熊谷理機工業社製)で叩解して得られたろ水度430mlのパルプスラリーに、パルプ繊維固形分100重量部に対し、軽質炭酸カルシウム(タマパール TP−121、奥多摩工業(株)製)8重量部、硫酸アルミニウム0.5重量部、カチオン化デンプン(商品名:MS4600 日本食品化学工業(株)製)0.5重量部、アルケニル無水コハク酸(ファイブラン81、王子ナショナル(株)製)0.09重量部および架橋剤(一般名:カルボジイミド系架橋剤、カルボジライトV−04)0.8重量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、固形分濃度0.3重量%のパルプスラリーを調製した。
このパルプスラリーを2時間攪拌した後、オリエンテッドシートフォーマー(熊谷理機工業社製)を用いて噴出圧力1.5kg/cm2、ドラムの回転速度を950m/minの条件で抄紙した後、この湿紙からA4サイズに2枚切り出し、その内1枚を反転させて、もう一枚と重ねた。なお、この重ね合わせを行なう前に、上述のコーティング処理された長さ25mmの磁性体ワイヤをA4の広さに対して5〜10本を、一方の湿紙の貼り合わせ面に均等になるように布置した。
続いて、この2枚の湿紙を貼り合わせたものを角型シートマシンプレス2570(熊谷理機工業社製)を用いてプレス圧10kg/cm2で3分間プレスした。
次いで、この湿紙に、酸化デンプン(エースB、王子コーンスターチ(株)製)を、塗布量が、乾燥重量で2.5g/m2になるように、サイズプレス装置で塗布し、乾燥後、マシンカレンダーにより王研式平滑度が30秒になるように平滑化処理を施し、坪量が約52g/m2の基材を作製し、これを実施例1の記録媒体とした。
<実施例2>
コート層形成用の塗被液として、顔料成分100重量%〔重湿炭酸カルシウム(商品名:ソフトン2200、備北粉化工業(株)製)を36重量%、カオリン(ウルトラホワイト90、エンゲルハード(株)製)を64重量%〕に対し、接着剤として酸化デンプン(エースA 王子コーンスターチ(株)製)3.5重量%(顔料に対する固形比;以下同様)および合成接着剤(LX407H、日本ゼオン(株)製)12重量%、分散剤(アロンT−40 東亜合成(株)製)0.3重量%を配合した塗被組成物を調整した。
続いて、この塗被組成物を実施例1で得られた記録媒体(基材)の両面に、片面当り乾燥重量で6g/m2となるようにブレードコータにより塗被し、乾燥後、ロール温度50℃のスーパーカレンダーで白紙光沢が53%になるように平滑化処理を行い、坪量が約64g/m2の実施例2の記録媒体を得た。得られた記録媒体の繊維配向比は、1.11であった。
<実施例3>
坪量が約70g/m2となるように調整した以外は実施例1と同様にして作製した基材の片面を、シートによりラミネートした。なお、ラミネートに用いたシートとしては、実施例1で用いた重ね合わせ前の湿紙単体(但し、坪量は25g/m2となるように調整した)を、実施例1と同様にしてプレス処理したものである。ラミネートは、210℃前後に溶融したポリエステル樹脂を厚みが15μm程度となるようにした後、基材とシートとを圧着させる直前に流し込んで両者を貼り合わせることにより実施した。
<比較例1>
コーティング処理された磁性体ワイヤの代わりに、何らのコーティング処理していない磁性体ワイヤを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の記録媒体を得た。
<参考例1>
磁性体ワイヤを用いなかった以外は、実施例1と同様にして参考例1の記録媒体を得た。
<参考例2>
磁性体ワイヤを用いなかった以外は、実施例2と同様にして参考例2の記録媒体を得た。
<参考例3>
磁性体ワイヤを用いなかった以外は、実施例3と同様にして参考例3の記録媒体を得た。
以上に説明したようにして得られた実施例1〜3および比較例1の記録媒体のコントラスト濃度、並びに、実施例1,2、比較例1、参考例1〜3の記録媒体の外観の目視による官能評価を実施した。結果を表1に示す。
また、市販のインクジェット方式のプリンターや電子写真方式の複写機を用いて、プリントテストを行なったが、磁性体を含む実施例1〜3および比較例1の記録媒体は、参考例1〜3の記録媒体と同様に、画像を形成することができた。
Figure 2007021884
なお、表1中に示すコントラスト濃度および目視評価の測定・観察方法および評価基準は以下の通りである。
−コントラスト濃度の評価−
コントラスト濃度の評価は、既述した方法により実施した。表1中に示す評価結果は以下の通りである。
◎:コントラスト濃度が0.02以下。
○:コントラスト濃度が0.02を超え0.05以下。
×:コントラスト濃度が0.05を超え、実用上問題となるレベル。
−目視評価−
目視評価は、参考例の記録媒体を基準として、基材、コート層、ラミネート処理について同一の層構成を有する記録媒体同士を比較して評価した。
目視評価に際しては、記録媒体を目視観察するための机の真上に配置された1本の白色蛍光灯(60W)を点灯した室内照明光下にて、机の上に、記録媒体と同相の用紙を2枚重ね置き、その上に配置された記録媒体の外観を観察すると共に、記録媒体を光源側(蛍光灯)にかざした場合についても観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:参考例の記録媒体と比較しても外観上の差異は殆ど認められない。
○:参考例の記録媒体と比較して、目を近づけてじっくり観察したり、光源にかざしたりした場合には、磁性体らしきものの存在が確認されたが、机の上に配置された記録媒体を一見する限りでは、外観上の差異は殆ど認められない。
×:参考例の記録媒体と比較して、一見して外観上の差異が認められ、実用上問題となるレベル。

Claims (8)

  1. マトリックス材料と、磁性体とを含み、且つ、表面のコントラスト濃度が0.05以下であることを特徴とする記録媒体。
  2. 前記表面が、前記マトリックス材料の色と同相色を基調とすることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 前記マトリックス材料が、パルプ繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  4. 前記磁性体が、カモフラージュ材料を含む層により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  5. 前記磁性体が、絶縁性を有する層により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  6. 前記磁性体と、前記パルプ繊維と、接着剤とを含むことを特徴とする請求項3に記載の記録媒体。
  7. カモフラージュ材料が、前記マトリックス材料中に含まれることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  8. 前記磁性体と、前記マトリックス材料とを含む基材と、該基材の少なくとも片面に設けられたカモフラージュ材料を含むコート層とからなることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
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