JP2001055505A - 水性樹脂組成物、コーティング剤およびインキジェット用記録剤 - Google Patents

水性樹脂組成物、コーティング剤およびインキジェット用記録剤

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JP2001055505A
JP2001055505A JP23367399A JP23367399A JP2001055505A JP 2001055505 A JP2001055505 A JP 2001055505A JP 23367399 A JP23367399 A JP 23367399A JP 23367399 A JP23367399 A JP 23367399A JP 2001055505 A JP2001055505 A JP 2001055505A
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mol
polyurethane resin
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Seiji Tanimoto
征司 谷本
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐溶剤性、インク吸収性に優れる水
性樹脂組成物、水性コーテイング剤およびイクジェット
用記録剤を得ること。 【解決手段】 ポリウレタン樹脂エマルジョン(A)およ
び分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜2
0モル%含有し、けん化度90モル%以上のビニルアル
コール系重合体(B)からなる水性樹脂組成物、水性コー
テイング剤およびインクジェット用記録剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性樹脂組成物、
水性コーティング剤およびインクジェット用記録剤に関
し、詳しくは、耐水性、耐溶剤性、密着性等に優れる水
性樹脂組成物、水性コーティング剤およびインキジェッ
ト用記録剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリウレタンはその優れた機械的
性質、耐磨耗性、耐薬品性、接着性などの特性を生かし
て、ゴムとプラスチックスの境界分野を埋める樹脂とし
て、塗料、接着剤、人工皮革などの幅広い用途分野に浸
透している。その中で、環境保全、省資源、安全性とい
った社会ニーズに対応すべく、水性ポリウレタンが急激
に発展してきている。ウレタン樹脂の水中への乳化分散
技術、アイオノマー化による自己乳化分散技術、さらに
は水中での高分子量化技術等の進歩により高性能の水性
ポリウレタンが出現し、その性能は今日では溶剤系ポリ
ウレタン樹脂に匹敵するレベルになり、各種の用途分野
で実用化されるに至っている。水性ポリウレタンは、造
膜性、皮膜強度、耐溶剤性等に優れる水溶性樹脂である
ポリビニルアルコールと配合し、紙や繊維シートのよう
な多孔質支持体や、フィルムのような無多孔質支持体の
オーバーコート用の水性コーティング剤として多用され
ている。しかしながら、コーティング剤として用いる場
合、水性インクの吸収性、造膜性などをもたせるため、
ポリビニルアルコールは必須で有るにも関わらず、水溶
性樹脂であるが故に、耐水性に劣るといった問題点があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、上記の如き問題がない優れた耐水性、耐
溶剤性を有する水性樹脂組成物、水性コーティング剤お
よびインキジェット用記録剤を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
について鋭意研究した結果、ポリウレタン樹脂エマルジ
ョン(A)および分子内に炭素数4以下のα−オレフィン
単位を1〜20モル%含有し、けん化度90モル%以上
のビニルアルコール系重合体(B)からなる水性樹脂組成
物、水性コーティング剤およびインキジェット用記録剤
により従来の問題点を解決することができることを見出
し、さらにはポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(C)を
配合してなる水性樹脂組成物、水性コーティング剤およ
びインキジェット用記録剤が、従来の問題点をより好適
に解決することを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明を構成するポリウレタン樹脂エマルジョン
(A)としては、平均粒子径が3μm以下であることが好
適である。平均粒子径が3μmをこえた場合、ポリビニ
ルアルコールとの相溶性に問題が生じる場合がある。こ
こで、平均粒子径とは動的光散乱法により測定した粒子
径をいう。
【0006】ポリウレタン樹脂エマルジョン(A) として
は特に制限はないが、分散質であるポリウレタンが分子
中にアルキレンオキサイド鎖を含有するもの、あるいは
分子中にポリカーボネート鎖、またはポリカーボネート
鎖とポリエステル鎖を含有するものであることがより好
適である。
【0007】ポリウレタン樹脂エマルジョンは、公知の
製造法にて製造することができる。具体的には、例えば
アルキレンオキサイド鎖を含むポリオールとジイソシア
ネートとを溶剤中で反応させ、その後、エマルジョン化
することにより製造することができる。
【0008】分子中にポリカーボネート鎖を含有するポ
リウレタン樹脂エマルジョンもまた公知の製造法にて製
造することができる。すなわち、具体的には、例えばポ
リカーボネート鎖を含むポリオール(以下ポリカーボネ
ートポリオールという)とジイソシアネートとを溶剤中
で反応させ、その後、エマルジョン化することにより製
造することができる。本発明の分子中にポリカーボネー
ト鎖及びポリエステル鎖を含有するポリウレタン樹脂エ
マルジョンも、公知の製造法にて製造することができ
る。あるいは、例えばポリカーボネートポリオール、ポ
リエステル鎖を有するポリオール(以下ポリエステルポ
リオールという)とジイソシアネートとを溶剤中で反応
させ、その後、エマルジョン化することにより製造する
か、ポリカーボネートポリオールとジイソシアネートと
を溶剤中で反応させ、その後、エマルジョン化したもの
とポリエステルポリオールとジイソシアネートとを溶剤
中で反応させ、その後、エマルジョン化したものとを混
合することにより製造することができる。
【0009】アルキレンオキサイド鎖として代表的なも
のとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド等が挙げられ、これら単独又は2種以上組み合わされ
ていてもよい。ポリオール中のアルキレンオキサイド鎖
の含有量は特に制限はない。アルキレンオキサイド鎖は
後で述べるポリアミドエピクロルヒドリン樹脂との安定
性に好影響を与える。
【0010】アルキレンオキサイド鎖を含むポリオール
としては、例えばポリオキシエチレングリコール又はポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体グリ
コール、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレン共重
合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシアル
キレン共重合体グリコール又はそのモノアルキルエーテ
ル等のノニオン基含有化合物又はこれらを共重合して得
られるポリエステルポリオールが挙げられ、これらを単
独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0011】ポリカーボネートポリオールとしては、例
えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール等のグリコールとジフェニー
ルカーボネート、ホスゲンとの反応によって得られる化
合物が挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わ
せて使用することができる。
【0012】ポリエステルポリオールとしては、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレ
ングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,
4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノ
ールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキサ
イド付加体等のグリコール成分とコハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタ
ンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、
ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)
エタン−p,p'−ジカルボン酸及びこれらジカルボン
酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロ
キシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香
酸及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成性
誘導体等の酸成分とから脱水縮合反応によって得られる
ポリエステル、ε−カプロラクトン等の環状エステル化
合物の開環重合反応によって得られるポリエステル及び
これらの共重合ポリエステル等が挙げられる。
【0013】ジイソシアネートとしては、例えば2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソ
シアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジ
イソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェ
ニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシア
ネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,
4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシア
ネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,
4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,
3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート等が挙げられ、それぞれ単独又は2種以上
組み合わせて使用することができる。
【0014】本発明の実施にあたっては、一般に市販さ
れている分子中にアルキレンオキサイド鎖を有するポリ
ウレタン樹脂エマルジョン、あるいは分子中にポリカー
ボネート鎖、またはポリカーボネート鎖とポリエステル
鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンを使用するこ
とができる。市販品としては、後記のものが挙げられ
る。またアルキレンオキサイド鎖、ポリカーボネート鎖
あるいはポリエステル鎖の他に親水性基、例えばカルボ
ン酸やスルフォン酸を分子中に含有していてもかまわな
い。皮膜強度や耐水性の問題から、乳化剤含有量のでき
るだけ少ないものを選定すべきである。
【0015】本発明の分子中にアルキレンオキサイド
鎖、あるいはポリカーボネート鎖、またはポリカーボネ
ート鎖とポリエステル鎖を含有するポリウレタン樹脂エ
マルジョンの市販品としては、例えば大日本インキ化学
工業(株)製の「ボンディック」(商品名)、「ハイド
ラン」(商品名)やバイエル社製の「インプラニール」
(商品名)等が該当する。
【0016】本発明に用いられる分子内にα−オレフィ
ン単位を1〜20モル%含有し、けん化度90モル%以
上のビニルアルコール系重合体(B)は、ビニルエステル
と炭素数4以下のα−オレフィンとの共重合体をけん化
することにより得ることができる。
【0017】ビニルエステルとしては、蟻酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど
が挙げられるが、酢酸ビニルが好ましい。
【0018】炭素数4以下のα−オレフィンの含有量と
しては、1〜20モル%であることが必要であり、好ま
しくは3〜15%、さらに好ましくは5〜10%であ
る。α−オレフィンの含有量が1モル%未満の場合に
は、耐水性が悪化する恐れがあり、20モル%を越える
場合には、ポリビニルアルコール本来の性質である水溶
性が低下する懸念が生じる。ここでα−オレフィンとし
てはエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンが
挙げられるが、エチレンが好適である。
【0019】また、該ビニルアルコール系重合体は本発
明の効果を損なわない範囲で共重合可能なエチレン性不
飽和単量体を共重合したものでも良い。このようなエチ
レン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)
イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3
−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニ
ウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニ
ルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム
などが挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプ
ロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニ
ルなどのビニルエステル系単量体を、エチレンと共重合
し、それをけん化することによって得られる末端変性物
も用いることができる。さらにはアセトアセチル基を含
有するビニルアルコール系重合体を併用することも構わ
ない。
【0020】本発明に用いる分子内にα−オレフィン単
位を1〜20モル%含有し、けん化度90モル%以上の
ビニルアルコール系重合体のけん化度は、90モル%以
上であることが必要であり、より好ましくは、91モル
%以上、さらに好ましくは92.0モル%以上。けん化
度が90モル%未満の場合には、耐水性に優れた水性コ
ーティング剤およびインキジェット用記録剤が得られな
い場合がある。該ビニルアルコール系重合体(以下PV
A系重合体と略記する場合がある)の重合度は、100
〜8000の範囲が好ましく、300〜3000がより
好ましい。重合度が100未満の場合には、耐溶剤性が
低下し、8000を越える場合には、該PVA系重合体
の工業的な製造に問題がある。
【0021】ビニルアルコール系重合体(B)の添加量
は、ポリウレタン樹脂エマルジョン(A)100重量部
(固形分)に対し、1〜300重量部、好ましくは2〜
200重量部である。配合量が1重量部未満の場合に
は、造膜性、耐溶剤性等が不足する場合がある。配合量
が300重量部を越える場合には、ポリウレタンの性質
である基材への密着性が損なわれる場合がある。また、
ビニルアルコール系重合体の添加は、通常水溶液にして
行うが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等
のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジメチル
ホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等の
有機溶媒と水の混合溶媒に溶解させて添加しても良い。
【0022】また、本発明においては、ポリアミドエピ
クロルヒドリン樹脂を配合した場合に、さらにインク吸
収性、耐水性等に優れる水性樹脂組成物、水性コーティ
ング剤およびインキジェット用記録剤を得ることができ
る。ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂は、一般には紙
力増強剤として知られている。この樹脂は公知の方法で
製造することができ、例えばアジピン酸とジエチレント
リアミンの脱水重縮合で得られる。この樹脂の市販品と
しては日本PMC(株)の「WS525」、「WS53
5」や「WS570」等を挙げることができる。
【0023】ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(C)は
任意に配合でき、その配合割合は特に制限されないが、
ポリウレタン樹脂エマルジョン(A)と、分子内に炭素数
4以下のα−オレフィン単位を1〜20モル%含有し、
けん化度90モル%以上のビニルアルコール系重合体
(B)とからなる樹脂組成物100重量部(固形分)に対
して0.1〜50重量部である。ポリアミドエピクロル
ヒドリン樹脂(C)の配合割合が0.1未満の場合、耐水
化効果がみられない場合があり、50重量部をこえる
と、水性樹脂組成物、水性コーティング剤およびインキ
ジェット用記録剤の安定性が悪化する恐れがある。
【0024】本発明の水性コーティング剤は各種基材へ
塗工される。基材としては、紙、板紙、各種フィルム等
が主であるが、その他不織布、スパンボンド等各種繊維
基材等が挙げられる。特に、インクジェット記録紙用コ
ーティング剤として好ましく用いられる。
【0025】本発明の水性コーティング剤を基材に塗布
する方法としては、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロ
ール塗布、グラビア塗布、含浸、サイズプレス塗工、ゲ
ートロール塗工等が挙げられる。
【0026】本発明の水性樹脂組成物、水性コーティン
グ剤およびインキジェット用記録剤は、他の添加剤を、
本発明の特徴である耐水性、耐溶剤性などを損なわない
範囲で配合することができる。他の添加剤としては、タ
ルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化アル
ミニウム等が挙げられる。これらは上記組成物とともに
混合、分散させる。また、本発明の水性樹脂組成物は、
その他接着剤、塗料としても使用できる。
【0027】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明する。な
お例中の部および%は特に断りのない限り重量基準とす
る。
【0028】実施例1 ハイドランHW−970(大日本インキ化学工業(株)
製アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンの水性
分散液、平均粒子径0.2ミクロン)45部とエチレン
変性ポリビニルアルコール( PVA-1;重合度1700、
けん化度98.0%、エチレン変性量6.0mol%)の1
5%水溶液を固形分換算で50部配合した水性コーティ
ング剤およびインキジェット用記録剤を得た。
【0029】上記により得られた水性コーティング剤お
よびインクジェット用記録剤としての評価を下記により
行った。結果を表1に示す。 (水性コーティング剤およびインクジェット適性評価)
(1)インクジェット記録方法 吐出オリフィス径60μmのオンディマンド型インクジ
ェット記録ヘッドを有する記録装置を用い、下記4色の
インクを用いてカラーインクジェット記録を行い、記録
特性の評価を行った。 イエローインク(組成) C.I.アシッドイエロー2.3 2部 ジエチレングリコール 30部 水 70部 マゼンタインク(組成) C.I.アシッドレッド32 2部 ジエチレングリコール 30部 水 70部 シアンインク(組成) C.I.ダイレクトブルー86 2部 ジエチレングリコール 30部 水 70部 ブラックインク(組成) C.I.ダイレクトブラック19 2部 ジエチレングリコール 30部 水 70部
【0030】(2)インク吸収速度 インクジェット記録後、一定時間ごとに被記録材上の印
字を指でこすり、印字部分が変化しなくなるまでの時間
を測定した。時間が短いほどインク吸収速度が大であ
る。 (3)耐水性 インクジェット記録後のシートの印字部に水を付け指で
こすったとき、印字部が溶解したりにじんだりするかど
うかを4段階で判定した。 ◎ほとんどにじみなし、○僅かににじみがある、△にじ
みがある、×にじみ多い (4)耐溶剤性 アセトンを試験片の塗膜表面にたらし、試験片の表面を
指でこすり、塗膜外観の変化をみた。評価結果は◎非常
に良好、○良好、△やや悪い、×塗膜に剥がれ有り、の
ように表記した。
【0031】実施例2 実施例1で用いたビニルアルコール系重合体(PVA-1)の
代わりに、エチレン変性ビニルアルコール系重合体(PVA
-2;重合度1700、けん化度94.0%、エチレン変
性量5mol%)を用いた他は実施例1と同様にして水性コ
ーティング剤を得た。この水性コーティング剤の性能を
実施例1に示した方法により評価した。結果を併せて表
1に示す。
【0032】実施例3 実施例1で用いたビニルアルコール系重合体(PVA-1)の
代わりに、エチレン変性ビニルアルコール系重合体(PVA
-3;重合度1000、けん化度99.0%、エチレン変
性量7mol%)を用いた他は実施例1と同様にして水性コ
ーティング剤を得た。この水性コーティング剤の性能を
実施例1に示した方法により評価した。結果を併せて表
1に示す。
【0033】実施例4 実施例1で用いたビニルアルコール系重合体(PVA-1)の
代わりに、エチレン変性ビニルアルコール系重合体(PVA
-4;重合度500、けん化度95.0%、エチレン変性
量10mol%)を用いた他は実施例1と同様にして水性コ
ーティング剤を得た。この水性コーティング剤の性能を
実施例1に示した方法により評価した。結果を併せて表
1に示す。
【0034】比較例1 実施例1で用いたビニルアルコール系重合体(PVA-1)の
代わりに、無変性ホポリビニルアルコール(PVA-5;重合
度1700、けん化度98.5%、クラレ製PVA-117)を用
いた他は実施例1と同様にして水性コーティング剤を得
た。この水性コーティング剤の性能を実施例1に示した
方法により評価した。結果を併せて表1に示す。
【0035】実施例5 実施例1において、さらにWS535[日本PMC
(株)製ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂]30部を
さらに配合した他は実施例1と同様にして水性コーティ
ング剤を得た。この水性コーティング剤の性能を実施例
1に示した方法により評価した。結果を併せて表1に示
す。
【0036】比較例2 実施例5において、PVA-1を用いる代わりに無変性ポリ
ビニルアルコール(PVA-5)を用いた以外は実施例5と同
様にして水性コーティング剤を得た。この水性コーティ
ング剤の性能を実施例1に示した方法により評価した。
結果を併せて表1に示す。
【0037】比較例3 実施例1で用いたハイドランHW−970(アルキレン
オキサイド鎖を有するポリウレタン水性分散液)を用い
なかった他は、実施例1と同様にして水性コーティング
剤を得た。この水性コーティング剤の性能を実施例1に
示した方法により評価した。結果を併せて表1に示す。
【0038】実施例6 実施例1において、PVA-1の配合量を固形分換算で10
0重量部とした他は実施例1と同様にして水性コーティ
ング剤を得た。この水性コーティング剤の性能を実施例
1に示した方法により評価した。結果を併せて表1に示
す。
【0039】実施例7 実施例1において、PVA-1の配合量を固形分換算で10
重量部とした他は実施例1と同様にして水性コーティン
グ剤を得た。この水性コーティング剤の性能を実施例1
に示した方法により評価した。結果を併せて表1に示
す。
【0040】実施例8 実施例5で用いたハイドランHW−970(アルキレン
オキサイド鎖を有するポリウレタンの水性分散液)の代
わりにボンディック2250(大日本インキ化学工業
(株)製ポリカーボネート鎖を有するポリウレタンの水
性分散液、平均粒子径0.2ミクロン)を用いた他は、
実施例5と同様にして水性コーティング剤を得た。この
水性コーティング剤の性能を実施例1に示した方法によ
り評価した。結果を併せて表1に示す。
【0041】実施例9 実施例8で用いたボンディック2250(ポリカーボネ
ート鎖を有するポリウレタンの水性分散液)の代わりに
ハイドランHW−930(大日本インキ化学工業(株)
製ポリエステルポリオール鎖を有するポリウレタンの水
性分散液、平均粒子径0.2ミクロン)とボンディック
2250とを固形分換算で50:50に混合したものを
用いた他は、実施例8と同様にして水性コーティング剤
を得た。この水性コーティング剤の性能を実施例1に示
した方法により評価した。結果を併せて表1に示す。
【0042】比較例4、5 実施例7、8で用いたエチレン変性ビニルアルコール系
重合体(PVA-1)の代わりに無変性ポリビニルアルコー
ル(PVA-4)を用いた他は、実施例7、8と同様にして
水性コーティング剤を得た。この水性コーティング剤の
性能を実施例1に示した方法により評価した。結果を併
せて表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】インク吸収速度;インクジェット記録後、
一定時間ごとに被記録材上の印字を指でこすり、印字部
分が変化しなくなるまでの時間を測定。時間が短いほど
インク吸収速度が大。耐水性 ;インクジェット記録後のシートの印字部に水を
付け指でこすったとき、印字部が溶解したりにじんだり
するかどうかを4段階で判定。ほとんどにじみなし、○
僅かににじみがある、△にじみがある、×にじみ多い耐溶剤性 ;アセトンを試験片の塗膜表面にたらし、試験
片の表面を指でこすり、塗膜外観の変化を観察。◎非常
に良好,○良好,△やや悪い,×塗膜に剥がれ有り
【0045】
【発明の効果】本発明の水性樹脂組成物、コーティング
剤は、耐水性、耐溶剤性、インク吸収性等に優れるた
め、各種基材へ塗工されて好ましく用いられる。基材と
しては、紙、板紙、各種フィルム等が主であるが、その
他不織布、スパンボンド等各種繊維基材等が挙げられ
る。また、とりわけインクジェット記録紙用コーティン
グ剤として好ましく用いることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリウレタン樹脂エマルジョン(A)およ
    び分子内に炭素数4以下のα−オレフィン単位を1〜2
    0モル%含有し、けん化度90モル%以上のビニルアル
    コール系重合体(B)からなる水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン樹脂エマルジョン(A)が、
    分子中にアルキレンオキサイド鎖を含有するポリウレタ
    ン樹脂エマルジョンである請求項1記載の水性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 ポリウレタン樹脂エマルジョン(A)が、
    分子中にポリカーボネート鎖、またはポリカーボネート
    鎖とポリエステル鎖を含有するポリウレタン樹脂エマル
    ジョンである請求項1記載の水性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリウレタン樹脂エマルジョン(A)が、
    平均粒子径3μm以下のポリウレタン樹脂エマルジョン
    である請求項1〜3のいずれかに記載の水性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂(C)
    を含む請求項1〜4のいずれかに記載の水性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の水性樹
    脂組成物からなる水性コーティング剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の水性樹
    脂組成物からなるインキジェット用記録剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017088839A (ja) * 2015-11-06 2017-05-25 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物

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