JP3852654B2 - インキジェット用被記録材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキジェット用被記録材に関し、さらに詳しくは各種顔料プリンターインキのインキ印字性、耐摩耗性にも優れ、発色性良好で、カールが少なく、印刷光沢の高いインキジェット用被記録材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特にフルカラー対応のインキジェットプリンターの需要が増加しているが、紙や繊維シートのような多孔質支持体やフィルムのような無多孔質支持体へ印字する場合は、高精細印字性やインキのにじみ等を付与する目的で、支持体にインク受容層を塗布して使用されている。
【0003】
これらの処理を施したインキジェット用記録材としては、例えば各種親水性樹脂とシリカとの配合液を塗布する方法で製造されるインキジェット紙(特開昭59−148583号公報、特開昭55−51583号公報、特開昭58−72495号公報等)、尿素−ホルマリン樹脂を用いたインキジェット紙(特開昭58−72495公報等)等が知られている。
特開平9−39372号公報には、吸収性のウレタン系ポリマーとカチオン性のアクリル系ポリマー及びカルシウムまたはバリウムイオンを含むインキ受容層を塗布した被記録材が示されている。
【0004】
ウレタン系樹脂を用いる技術もいくつか提案されている。例えば特公平3−42590号公報には、イソシアネート化合物とポリエーテルポリオールの反応生成物を含有する被記録材が示されている。
【0005】
これらは概して染料インキ吸収性が比較的良好で、かつ、インキの広がりが少なくなるよう薬剤について工夫されたものである。
【0006】
しかしながら、昨今屋外向け看板への使用が多くなり、また長期にわたる初期発色濃度の維持が必要であることから、顔料インクを用いたプリンターが市場で増加傾向にあるが、この顔料インクを用いた場合には染料インクプリンターで印刷性能が良好な従来技術の被記録材も顔料インクプリンターでは必ずしも良好とは限らないことが多い。更に顔料インク仕様は各プリンターメーカーで多種多様であり、顔料粒子が染料に比べ大きいことなどに起因して、概して染料インクに比較すると、印刷性能(印刷性、インク吸収性、発色性等)を改良することが困難であることが言われている。また顔料インクを用いることは屋外向け看板等に印刷することを想定した使い方であって、耐光性、耐摩耗性、発色性等を十分に有するレベルに達していない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特に顔料インクプリンターでの印刷性能を向上させ、実用レベルの光沢、インク吸収性、耐摩耗性、発色性を有した、高精細なインキジェット用被記録材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点について鋭意研究した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、基材上に塩化マグネシウム、水性ポリウレタン、及びエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を含有するインキ受容層を有するインキジェット用被記録材であって、前記水性ポリウレタンが分子中にポリカーボネート鎖又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有するものであることを特徴とするインキジェット用被記録材に関するものである。前記エピクロルヒドリンポリアミド樹脂はカチオン系の樹脂であり、かつ塩化マグネシウムは塩であり一般的には併用不可能とされるが、ポリエーテルポリオールを用いない非吸収性のスルホン酸系のポリカーボネート鎖/又はポリエステル鎖を有する水性ポリウレタンを用いると、この水性ポリウレタンが水中で塩やカチオン樹脂と安定に存在するのである。そして、このインク受容層を皮膜化したとき、透明性を損なわない超微多孔質膜が形成できるという効果があり、従来顔料インクプリンターでは得られなかった印刷性、発色性、耐摩耗性等を向上させたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき詳細に説明する。
【0010】
本発明のインク受容層を形成する、分子中にポリカーボネート鎖を含有する水性ポリウレタンは、公知の製造法にて製造することができる。すなわち、具体的には、例えばポリカーボネート鎖を含むポリオール(以下ポリカーボネートポリオールという)とジイソシアネートとを溶剤中で反応させ、その後、エマルジョン化することにより製造することができる。
【0011】
予めジイソシアネートとポリカーボネートポリオールとが高分子量化され、かつジイソシアネートの反応性は既にない状態の水分散体を塗布することになるので、実用皮膜を形成させるための熟成は不要であり、品質のばらつきはまったくないし、生産性の向上を図ることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば1,4ーブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のグリコールとジフェニールカーボネート、ホスゲンとの反応によって得られる化合物が挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ジイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられ、それぞれ単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
これらのジイソシアネートのうち、安定性と耐光性等の点から、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
【0012】
脂肪族ジイソシアネートとしては、上記で掲げたジイソシアネートのうち、脂肪族ジイソシアネートに属するものがそのまま使用できる。
【0013】
本発明の実施にあたっては、一般に市販されているポリカーボネート鎖を有するポリウレタン樹脂エマルジョンを使用することができる。使用に当たっては、皮膜強度や耐水性の問題から、乳化剤含有量のできるだけ少ないものを選定することが好ましい。
【0014】
水性ポリウレタン樹脂の平均粒子径は、樹脂エマルジョンの透明性、安定性や耐水性の点から、3.0ミクロン以下とすることが好ましい。平均粒子径が3.0ミクロンを越えると、耐水性や安定性、透明性、印刷光沢等が若干劣ることになるため好ましくないが、本発明のポリウレタンはこれに限定されるものではない。
【0015】
本発明の分子中にポリカーボネート鎖を含有する水性ポリウレタン樹脂の市販品としては、例えば大日本インキ化学工業(株)製の「ボンディック」(商品名)、「ハイドラン」(商品名)やバイエル社製の「インプラニール」(商品名)等が挙げられる。
【0016】
本発明の分子中にポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有する水性ポリウレタン樹脂は、公知の製造法にて製造することができる。すなわち、具体的には、例えばポリカーボネートポリオール、ポリエステル鎖を有するポリオール(以下ポリエステルポリオールという)とジイソシアネートとを溶剤中で反応させ、その後、エマルジョン化することにより製造するか、ポリカーボネートポリオールとジイソシアネートとを溶剤中で反応させ、その後、エマルジョン化したものとポリエステルポリオールとジイソシアネートとを溶剤中で反応させ、その後、エマルジョン化したものとを混合することにより製造することができる。
ポリカーボネートポリオールとジイソシアネートは、上記で挙げた化合物をそのまま用いることができる。
またポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキサイド付加体等のグリコール成分とコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p'−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体等の酸成分とから脱水縮合反応によって得られるポリエステル、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル及びこれらの共重合ポリエステル等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールの他に、これら以外のポリオールを使用することができる。
上記以外のポリオールとしては、例えばアルキレンオキサイド鎖を有するポリオールが挙げられる。アルキレンオキサイド鎖の代表的なものとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物等が挙げられ、これら単独又は2種以上組み合わされていてもよい。アルキレンオキサイド鎖の含有量は特に制限ない。一般には他のポリオール成分と併用することで、皮膜の機械的強度が向上する。
【0017】
スルホン酸基を含有する水性ポリウレタンは、スルホン酸基を有するジオール、ジアミン、ジイソシアネート等を、上記のポリカーボネートポリオールとジイソシアネートとの反応時に併用することで製造される。通常、末端イソシアネートを有するプレポリマーの高分子量(鎖伸長工程)化でジアミン、ジオールの形で導入することができる。一般的にはカルボン酸基を有する場合が多いが、スルホン酸基含有タイプを使用すると、塗布シートがカールしにくくなるという効果がある。すなわち一般にはカルボン酸基を大量に含有するタイプは塗布シートにカールが生じやすいが、スルホン酸含有基タイプはこのようなことがない。このスルホン酸基にカルボン酸基を併用することもできる。
【0018】
本発明のインキジェット用被記録材のインク受容層は、塩化マグネシウムとポリカーボネート鎖を有する水性ポリウレタンを含む。
【0019】
一般にポリカーボネート鎖を有する水性ポリウレタン等は水素結合が経時で強くなる傾向にあり、これが印刷性能に影響することが判明している。本発明は、これに塩化マグネシウムを併用することで水素結合をコントロールし、顔料印刷適性が向上するものと推定される。これにさらにポリアミドエピクロルヒドリン樹脂を配合することによりゲル化することなく、安定な組成物が得られる。カチオンとアニオンのイオン的なミクロ凝集がもたらす微細な構造体の形成によるものと思われる。さらに水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ポリビニルアルコールを配合することにより、これを各種基材へ塗布した場合には更に基材の耐摩耗性等の耐久性を向上させることができる。
【0020】
本発明の塩化マグネシウムは、一般には凍結融解剤として用いられているもので、一般化学式MgCl2で表される塩であり、工業用、試薬用等純度で限定されるものではない。この塩化マグネシウムの使用量としては特に限定されるものではないが、強度面を考慮すると被記録材の塗布量に対して5〜30重量%が好ましい。
【0021】
本発明のエピクロルヒドリンポリアミド樹脂は、一般には紙力増強剤として知られているものである。この樹脂は公知の方法で製造することができ、例えばアジピン酸とジエチレントリアミンの脱水重縮合により得られる。この樹脂の市販品としては日本PMC(株)の「WS525」、「WS535」や「WS570」等を挙げることができる。
【0022】
エピクロルヒドリンポリアミド樹脂は、カチオン系の樹脂であるが、一般にはアニオン系の水性ポリウレタンとは混和できない。本発明の水性ポリウレタンを用いると、カチオン系の樹脂と凝集物を形成することなく、安定に水に分散できる状態となり、印刷性と光沢性とをともに向上させることが可能となる。その理由の詳細は明らかではないが、カチオンとアニオンとの極ミクロ凝集(光沢性、透明性に影響ないレベル)が形成されて、印刷性が向上するものと推定される。
【0023】
すなわち本発明のポリカーボネート鎖、又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有する特定の水性ポリウレタンは、カチオン系樹脂であるエピクロルヒドリンポリアミド樹脂とエマルジョン状態で安定に存在し(カチオンとアニオンが混在したエマルジョンとして安定でないものは印刷性として満足いく結果は得られない)、その乾燥皮膜が透明性と印刷可能なミクロ多孔質を形成するため、本発明の目的とする効果が得られるものと考えられる。水系のエマルジョンの形態であるため、ミクロ凝集が形成できるものである。またこのエマルジョンはアクリル系エマルジョンよりも発色性が良好であり、かつカール性が良好であることも確認されている。
【0024】
本発明の水溶性エポキシ化合物としては、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリチリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシデルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグルシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレン/プロピレングリコールジグリシジルエーテル等各種のものを挙げることができる。これらのうち、3官能以上のソルビトール系ポリグリシジルエーテルが好ましい。
【0025】
本発明の水溶性エポキシ化合物は、その配合割合は特に制限されないが、好ましくはポリカーボネート鎖、又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有する水性ポリウレタンを含む組成物100重量部に対して0.1〜20重量部である。
本発明のアセトアセチル化ポリビニルアルコールとは、一般にポリビニルアルコール系樹脂の溶液あるいは粉末に、液状、またはガス状のジケテンを添加反応させて製造されるものをいう。このアセトアセチル化ポリビニルアルコールの配合割合は、特に制限されないが、ポリカーボネート鎖を有するポリウレタンを含む組成物100重量部に対し、50〜500重量部使用することが好ましい。
【0026】
またアセトアセチル化ポリビニルアルコールの市販品としては、日本合成化学(株)製の「ゴーセファイマーZ−100」、「ゴーセファイマーZ−200」(いずれも商品名)等が挙げられ、これらを使用することができる。
【0027】
水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ビニルアルコールを併用することによりインキジェット用被記録材の耐久性が向上する。
【0028】
本発明のインキジェット用被記録材のインク受容層を形成するインキには、インキジェット印字性やその他の印刷性を阻害しない範囲で他の添加剤を配合することができる。
【0029】
他の添加剤としては、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化珪素、酸化アルミニウム等、各種酸化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられ、これらは上記組成物とともに混合し、分散させる。
【0030】
本発明のインキ受容層形成用のインキは各種基材へ塗工される。
【0031】
基材としては、紙、板紙、各種フィルム等が主であるが、その他不織布、スパンボンド等各種繊維基材等が挙げられる。
【0032】
本発明のインキを基材に塗布する方法としては、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布、グラビア塗布、含浸、サイズプレス塗工、ゲートロール塗工等が挙げられる。
【0033】
この系では乾燥温度を100℃以下にすると、顔料の印刷性向上に効果がある。乾燥温度は、100℃以上になるとインク吐出量が400%でにじんだり、クラックの傾向があり、印刷性の向上る。これは一般の水性樹脂、例えばポリビニルアルコールでは高温乾燥で顔料印刷性が向上する傾向があるのに対して、逆の傾向がでている。乾燥温度条件は本発明の特徴の一つでもある。
【0034】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を説明する。なお例中の部および%はすべて重量基準とする。
【0035】
実施例1
塩化マグネシウムを10部、ボンディック2250[大日本インキ化学工業(株)製 ポリカーボネート鎖を有するポリウレタンの水性分散液、平均粒子径0.2ミクロン]50部とWS535[日本PMC(株)製 エピクロルヒドリンポリアミド樹脂 50部を配合し、ゲル化することなく安定な、組成物を得た。更にZ200[日本合成化学(株)製 アセトアセチル化ポリビニルアルコール]を固形分として50部配合したインキジェット用組成物を得た。
【0036】
この組成物を固形分30%でコンマコーターにより未塗工フィルム(100ミクロン)に塗布し、乾燥温度90℃、30秒で乾燥し、被記録材を得た(以下被記録材Aという)
得られた記録紙はインキジェットワイドプリンター(エンキャド、GOインク)を用いて評価した。結果は表1に示す。いずれも印字、印刷適性が優れていることがわかる。
実施例2
塩化マグネシウム10部とハイドランHW−970[大日本インキ化学工業(株)製 ポリカーボネート鎖含有、スルフォン酸基を含むポリウレタン水性分散液]を固形分として30部配合し、ゴーセファイマー Z−200[日本合成化学(株)製 アセトアセチル化ポリビニルアルコール]を固形分として70部配合、WS535[日本PMC(株)製エピクロルヒドリンポリアミド樹脂]30部を配合したインキジェット用組成物を得た。
【0037】
実施例1と同様にフィルムに塗布して評価した(以下被記録材Bという)。結果は表1に示す。実施例1と同様各種印字適性に優れていることがわかる。
【0038】
実施例3
実施例1で得た安定なAの固形分100部に水溶性エポキシ化合物であるCR−5L[大日本インキ化学化学工業(株)製]を固形分で5部添加して組成物を得た。
【0039】
実施例1と同様に紙に塗布し評価した(以下被記録材Cという)。結果は表1に示す。実施例1と同様各種印字適性に優れていることがわかる。
実施例4
ハイドランHW−930[大日本インキ化学化学工業(株)製 ポリエステルポリオール鎖、スルフォン酸基を有するポリウレタンの水性分散液、平均粒子径2.0ミクロン)とハイドランHW970[大日本インキ化学化学工業(株)製ポリカーボネートポリオール鎖を有するポリウレタンの水性分散液、平均粒子径0.1ミクロン)とを固形分換算で50:50に混合したものをボンディック2250の替わりに使用する以外は実施例1同様にフィルムに塗布して評価した(以下被記録材Dという)。結果は表1に示す。各種印刷性に優れていることがわかる。
【0041】
【表1】
Figure 0003852654
【0042】
<インキジェット顔料(GO)印刷性の測定方法及び評価>
ノバジェットGOインクでC(100%)、M(100%)、Y(100%)、K(100%)、CM(200%)、CY(200%)、MY(200%)、CMY(300%)、CMYK(400%)ベタ印字での印刷外観、にじみの確認、印字後1分後、PPCを重ねインクの転移量の確認した。
<発色性の測定方法及び評価>
グレタグ反射濃度計で上記ベタ部を測定した。三段階評価とし、値の総合計の高いものを○とし、値の低いものを×とし、中間の値のものを△とした。
<耐摩耗性の測定方法及び評価>
上記印字面を綿棒でこすり色落ちのないことを確認した。三段階評価でこすり落ちのないものを○、不良のものを×、中間のものを△とした。
<光沢/透明性の測定方法及び評価>
三段階の目視評価を行い、良好なものを○、不良のものを×、中間のものを△とした。
【0043】
比較例1
実施例2において塩化マグネシウムを用いることなく、塩化バリウムを用い、かつハイドランHW−970の代わりにハイドランHW−301[大日本インキ化学工業(株)製 カルボキシル基含有ポリエステルポリウレタン水性分散液]に置き換えて組成物(以下被記録材Eという)を作成し乾燥温度90℃で処理し、同様に顔料印刷性を評価したが、実用性のあるものではなかった。
【0044】
比較例2
比較例1において塩化カルシウムを用いた(以下被記録材Fという)。結果は表2に示す。実施例2に比べ劣るものであった。
【0045】
【表2】
Figure 0003852654
【0046】
【0047】
【発明の効果】
本発明のインキジェット被記録材は顔料インクのインキジェット印字性に優れるのみならず耐摩耗性、発色性に優れる。

Claims (4)

  1. 基材上に塩化マグネシウム、水性ポリウレタン、及びエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を含有するインキ受容層を有するインキジェット用被記録材であって、前記水性ポリウレタンが分子中にポリカーボネート鎖又はポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を含有するものであることを特徴とするインキジェット用被記録材。
  2. インキ受容層に、さらに水溶性エポキシ化合物及び/またはアセトアセチル化ビニルアルコールを含んでなる請求項1に記載のインキジェット用被記録材。
  3. 水性ポリウレタンが分子中にスルホン酸基を有する、請求項1または2に記載のインキジェット用被記録材。
  4. 基材上に前記インキ受容層形成用のインキを塗布した後、100℃以下の温度で乾燥する請求項1記載のインキジェット用被記録材。
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