JP2001054980A

JP2001054980A - 画像保護フィルム及びインクリボン

Info

Publication number: JP2001054980A
Application number: JP11231941A
Authority: JP
Inventors: Tetsuo Koseki; 鉄夫古積
Original assignee: Sony Corp
Current assignee: Sony Corp
Priority date: 1999-08-18
Filing date: 1999-08-18
Publication date: 2001-02-27

Abstract

(57)【要約】【課題】被保護画像の画像保存性を向上させる。【解決手段】少なくとも基材２と、光透過性を有する
樹脂を基材２上に積層してなる画像保護層３とを有して
なり、画像保護層３を被保護画像に被覆させる画像保護
フィルム１において、画像保護層３は、モノフェノール
系酸化防止剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印画紙等の上に形
成された画像等の保護のために、その画像上に被覆させ
る画像保護層を備える画像保護フィルムに関する。

【０００２】また、本発明は、サーマルヘッド等を有す
るプリンタ装置等に用いられ、印画紙等と組み合わされ
て用いられるインクリボンに関する。

【０００３】

【従来の技術】近年、熱転写方式型のフルカラーコピー
が盛んになってきており、その用途はアミューズメント
の分野、メディカル分野、ＩＤカードやパスポート等の
身分証明書など、多岐にわたっている。

【０００４】このような熱転写方式により印画紙等上に
形成された画像、特に昇華性又は熱拡散性染料を使用し
た熱転写方式により形成された画像を保護するために、
画像に対して画像保護フィルムを被覆させることが、従
来からなされている。

【０００５】画像保護フィルムの被覆方法については、
例えばローラにより画像保護フィルもを画像面に熱圧着
する方法や、常温で粘着剤を用いて接着させる方法等、
種々の方法が知られている。

【０００６】また、基材上に熱可塑性樹脂からなる画像
保護層を積層した画像保護フィルムを用意し、この画像
保護フィルムの画像保護層を被保護画像上に熱転写する
ことにより、被保護画像上に画像保護層を形成する方法
も知られている。（特開昭６０−２０４３９７号公報、
特開昭５９−８５７９３号公報、特開昭５９−８５７９
３号公報）このような画像保護フィルムによると、サー
マルヘッド等を使用したプリンタ装置内部で行われる画
像形成に連続して、画像保護フィルムを被保護画像上に
被覆させることも可能となる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】印画紙等上に形成され
た画像に対し、画像保護層を被覆させることで、画像の
光退色性、耐摩耗性、耐薬品性及び耐溶剤性等の耐久性
が向上する。しかしながら、従来の画像保護層を被覆さ
せた画像を長期間保存した場合では、画像の退色や変
色、更には画像の滲みといった問題が生じていた。

【０００８】例えば、昇華型熱転写方式で使用されてい
るインドアニリン系のシアン色素は、酸や還元剤の存在
下で退色することが知られている。このため、昇華型熱
転写方式により形成した画像に画像保護層を被覆させた
場合であっても、画像は、長期間保存をした後では空気
中に存在する酸や還元剤物質の影響を受けるため、シア
ン色素の退色が生じたものとなることがあった。特に、
高温度、高湿度の過酷な条件では、画像のシアン色素が
退色する現象が顕著に現れやすいとった問題がある。

【０００９】また、昇華型熱転写方式で形成された画像
と銀塩写真とを比較した場合、昇華型熱転写方式で形成
された画像に画像保護層を被覆させたとしても、銀塩写
真の方が優れた画像保存性を示す。言い換えると、従来
の画像保護層には画像保存性が十分でないといった問題
があった。

【００１０】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、被保護画像上に画像保存性に優
れた画像保護層を形成する画像保護フィルムを提供する
ことを目的とする。

【００１１】また、本発明は、被保護画像上に画像保存
性に優れた画像保護層を形成するインクリボンを提供す
ることを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明に係る画像保護フィルムは、少なくとも基材
と、光透過性を有する樹脂を基材上に積層してなる画像
保護層とを有してなり、画像保護層を被保護画像に被覆
させる画像保護フィルムにおいて、画像保護層は、モノ
フェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする。

【００１３】以上のように構成された画像保護フィルム
は、被保護画像上にモノフェノール系酸化防止剤を含有
する画像保護層を被覆させるため、被保護画像の画像保
存性を向上させることができる。

【００１４】また、本発明に係るインクリボンは、少な
くとも基材と、光透過性を有する樹脂を上記基材上に積
層してなる画像保護層と、基材上に上記画像保護層と併
設して配され、１色以上の色素領域を有するインク層と
を有するインクリボンにおいて、画像保護層は、モノフ
ェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする。

【００１５】以上のように構成された本発明に係るイン
クリボンは、被保護画像上にモノフェノール系酸化防止
剤を含有する画像保護層を被覆させるため、被保護画像
の画像保存性を向上させることができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像保護フィ
ルム及びインクリボンの実施の形態について、図面を参
照にしながら詳細に説明する。

【００１７】本発明を適用した画像保護フィルム１は、
図１に示すように、基材２と、基材２の一主面上に積層
された画像保護層３とからなる。

【００１８】この画像保護フィルム１は、例えば、印画
紙上に形成された画像上に画像保護層３を被覆させるも
のである。画像上に画像保護層３を被覆させる際には、
画像保護フィルム１の画像保護層３が積層された面と、
印画紙の画像が形成された面とを対向させた状態で、基
材２の他主面側からサーマルヘッド等により加熱する。
これにより、画像保護層３は、印画紙の画像上に被覆さ
れることとなる。

【００１９】基材２としては、従来公知の画像保護フィ
ルムに基材として用いられているものであれば何れも使
用可能である。具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステルフィルム、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、セロハン、酢酸セルロース、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ
イミド、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー等のプラス
チックのフィルムが挙げられる。又、グラシン紙、コン
デンサ紙、パラフィン紙等の薄葉紙或いはこれら２種以
上の積層紙であっても良い。特に、強度及び耐熱性等で
優れるポリエチレンテレフタレートを用いることが好ま
しい。

【００２０】基材２の厚さは、３〜１００μｍが好まし
い。基材２の厚さが３μｍより薄い場合には、画像保護
フィルム１の強度及び耐熱性が低下する虞がある。基材
２の厚さが１００μｍよりも厚い場合には、サーマルヘ
ッド等の加熱手段により基材２の他主面側から加熱する
際に、熱が伝わりにくい虞がある。

【００２１】画像保護層３は、少なくとも光透過性を有
する樹脂と、モノフェノール系酸化防止剤とを有するも
のである。

【００２２】光透過性を有する樹脂としては、耐摩耗
性、耐薬品性、硬度等に優れたものが好ましい。具体的
には、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセ
タール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン等のビニル系樹
脂、その他各種ウレタン樹脂等が挙げられる。

【００２３】モノフェノール系酸化防止剤としては、１
−オキシ−メチル−４−イソプロピルベンゼン、２，６
−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４−メチルフェノール、２，
６−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４−ｓｅｃ−ブチルフェノ
ール、ブチル−ヒドロキシアニソール、２，６−ジ−ｔ
ｅｒｔ−ブチル−α−ジメチルアミノ−ｐ−クレゾー
ル、アルキル化フェノール、２，６−ジ−ｔｅｒｔ−ブ
チル−４−エチルフェノール、２−（１−メチルシクロ
ヘキシル）−４，６−ジメチルフェノール、スチレン化
フェノール、高分子量フェノール化合物、その他のフェ
ノール誘導体等が挙げられる。

【００２４】モノフェノール系酸化防止剤の融点は、５
０℃以上であることが好ましい。モノフェノール系酸化
防止剤の融点が５０℃よりも小さい場合には、被保護画
像を高湿度な環境下において保存をした際に、画像色素
の滲みが生じる虞がある。

【００２５】また、モノフェノール系酸化防止剤の含有
量は、樹脂１００重量部に対して１〜２０重量部とする
ことが好ましく、２〜１５重量部とすることがより好ま
しい。モノフェノール系酸化防止剤の含有量が樹脂１
００重量部に対して１重量部よりも少ない場合には、被
保護画像の退色を防ぐ効果が十分に得られない虞があ
る。一方、モノフェノール系酸化防止剤の含有量が樹脂
１００重量部に対して２０重量部よりも多い場合には、
画像保護層３が過度に可塑化することがある。この場
合、高湿度の環境下で保存をした際に、画像色素の滲み
が生じる虞がある。更に、モノフェノール系酸化防止剤
の含有量が、樹脂１００重量部に対して２０重量部より
も多い場合には、画像保護層３自体が黄色変化をする虞
がある。

【００２６】画像保護層３の厚さは、０．１〜１０μｍ
の範囲であることが好ましい。画像保護層３の厚さが
０．１μｍよりも薄い場合には、被保護画像を保護する
効果が十分に得られない虞がある。一方、画像保護層３
の厚さが１０μｍよりも厚い場合には、非保護画像に対
する画像保護層３の接着性が低下する虞がある。

【００２７】画像保護層３には、従来公知である添加剤
の使用が可能である。例えば、被保護画像を紫外線から
保護するために、紫外線を遮断する機能を付与する従来
公知の紫外線吸収剤の使用が可能である。具体的な紫外
線吸収剤としては、サリシレート系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、
ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系等が挙げられ
る。

【００２８】本発明を適用した画像保護フィルム１は、
上述したような構成に限らず、例えば図２に示すよう
に、基材２上の画像保護層３が設けられた面とは反対側
の面に、リボンバック層４を設けても良い。

【００２９】リボンバック層４を設けることにより、例
えば、プリンタ装置によって画像保護層３を被保護画像
に被覆させる際に、プリンタ装置のサーマルヘッドに基
材２が融着することを防止することができる。

【００３０】リボンバック層４としては、ウレタン樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の
耐熱性のある熱硬化樹脂や、耐熱性を有る程度備えた熱
可塑性樹脂が使用可能である。

【００３１】また、リボンバック層４には、滑性をさら
に向上させることを目的として、例えばリン酸エステル
系界面活性剤等の従来公知の各種滑剤を添加することが
可能である。また、シリカ、アルミナ、樹脂粒子等の従
来公知の各種充填剤等を添加することも可能である。

【００３２】また、本発明を適用した画像保護フィルム
１は、例えば図３に示すように、基材２と画像保護層３
との間に、剥離層５を有しても良い。剥離層５として
は、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等
が挙げられる。剥離層５を設けることにより、基材２と
画像保護層３との剥離性がより良好なものとなる。

【００３３】以上のように構成された画像保護フィルム
１は、被保護画像上にモノフェノール系酸化防止剤を含
有する画像保護層３を被覆させるので、被保護画像の色
素の退色や変色を防ぐことができる。特に、モノフェノ
ール系酸化防止剤を含有する画像保護層３は、シアン色
素の退色を極めて防ぐことができる。

【００３４】これにより、印画紙上に形成された画像等
は、高温、高湿度の環境下においても長期にわたる保存
が可能なものとなる。言い換えると、画像保護フィルム
１は、印画紙の画像等の上に画像保存性に優れた画像保
護層３を形成することができるものとなる。

【００３５】また、より優れた画像保存性を得るために
は、モノフェノール系酸化防止剤の融点は、５０℃以上
であることが好ましい。

【００３６】また、より優れた画像保存性を得るために
は、モノフェノール系酸化防止剤の含有量は、樹脂１０
０重量部に対して１〜２０重量部とすることが好まし
く、２〜１５重量部とすることがより好ましい。

【００３７】上述した実施の形態においては、画像保護
層３を備える画像保護フィルム１について説明したが、
本発明は、インクリボンにも適用される。

【００３８】本発明を適用したインクリボンは、印画紙
等と組み合わされてプリンタ装置に用いられるものであ
る。このインクリボン６は、図４に示すように、基材２
と、基材２の一主面に積層してなる画像保護層３と、画
像保護層３と同一面上に併設された複数のインク層７
と、これら複数のインク層７の間に配設されたセンサー
マーク８と、基材２の他主面上に配設されたリボンバッ
ク層４とを有してなる。

【００３９】インク層７は、基材２上に形成された画像
保護層３と同一面上に併設される。また、インク層７
は、必要に応じて昇華型熱転写記録用或いは熱溶融型熱
転写記録用の何れであってもよく、従来公知のインク層
と同様の構成が可能である。

【００４０】例えば、昇華型熱転写記録用のインク層７
は、少なくとも染料を樹脂に分散してなるものである。
染料としては、昇華性或いは熱拡散性染料を用いる。樹
脂としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセ
トアセタール、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン等のビニ
ル系樹脂、その他各種ウレタン樹脂等が挙げられる。

【００４１】なお、インク層７としては、図５に示すよ
うに、イエローＹとマゼンタＭとシアンＣとの３色から
なるものを例示したが、ブラック等のインク層を有して
いても良い。また、インクリボンとしては、単色のイン
ク層を有するものでも良い。

【００４２】センサーマーク８は、例えば、インクリボ
ン６の位置を認識するために配されるものであり、透過
性の低い黒帯として形成される。このセンサーマーク８
は、プリンタ装置等に配設された光学式センサにより検
出されるものである。

【００４３】画像保護層３やインク層７を基材２上に形
成する際には、これらを塗料化した塗工液をグラビアコ
ート、グラビアリバースコート、ロールコート等の塗工
や、或いはグラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷手段
等の、従来公知の各種皮膜形成手段を用いることが可能
である。

【００４４】なお、インク層７の領域と画像保護層３の
領域とを、交互に並列させて基材２上に設ける場合に
は、部分塗工可能な塗工手段或いはグラビア印刷、スク
リーン印刷等の印刷手段を用いることが好ましい。

【００４５】以上のように構成されたインクリボン６
は、被保護画像上にモノフェノール系酸化防止剤を含有
する画像保護層３を被覆させるので、被保護画像の色素
の退色や変色を防ぐことができる。特に、モノフェノー
ル系酸化防止剤を含有する画像保護層３は、シアン色素
の退色を極めて防ぐことができるものとなる。

【００４６】これにより、印画紙上に形成された画像等
は、高温、高湿度の環境下においても長期にわたる保存
が可能なものとなる。言い換えると、インクリボン６
は、印画紙の画像等の上に画像保存性に優れた画像保護
層３を形成することができる。

【００４７】また、より優れた画像保存性を得るために
は、モノフェノール系酸化防止剤の融点は、５０℃以上
であることが好ましい。

【００４８】また、より優れた画像保存性を得るために
は、モノフェノール系酸化防止剤の含有量は、樹脂１０
０重量部に対して１〜２０重量部とすることが好まし
く、２〜１５重量部とすることがより好ましい。

【００４９】

【実施例】以下、本発明の具体的な実施例及び比較例に
ついて説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ないことは言うまでもない。

【００５０】実施例及び比較例では、まず、本発明を適
用した画像保護フィルムを作製した。次に、画像保護層
を有するインクリボンを作製し、このインクリボンを用
いて後述する画像保存性の特性評価を行った。

【００５１】実施例１まず、下記の組成に準じて、リボンバック層塗工液を作
製した。

【００５２】＜リボンバック層塗工液組成＞・ポリビニルアセタール系樹脂５．０重量部（電気化学工業（株）製：商品名デンカブチラール＃３０００Ｋ）・イソシアネート０．５重量部（日本ポリウレタン工業（株）製：商品名コロネートＬ）・燐酸エステル２０重量部（東邦化学（株）製：商品名フォスファノールＧＢ５２０）・シリカ０．５重量部（日本シリカ工業（株）製：商品名ＮｉｐｓｉｌＥ−２００Ａ）・メチルエチルケトン３７重量部・トルエン３７重量部次に、基材として、厚さ６μｍのポリエチレンテレフタ
レートフィルム（東レ（株）製：商品名ルミラー）を
用意した。この基材の一方の面に、全面に渡ってリボン
バック層塗工液をグラビアコート方式により塗工した。
そして、５５℃のオーブンにて５日間硬化させて、リボ
ンバック層を備える基材を作製した。

【００５３】次に、下記の組成に準じて、画像保護層塗
工液を作製した。

【００５４】＜画像保護層塗工液組成＞・樹脂：セルロースアセテートブチレート樹脂１００重量部（イーストマン・ケミカル社製商品名：ＣＡＢ３８１−０．１）・溶剤：メチルエチルケトン４００重量部トルエン４００重量部・モノフェノール系酸化防止剤５重量部：２，６−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４−メチルフェノールこの画像保護層塗工液を、リボンバック層が形成された
面とは反対側の基材の面に対して、画像保護層塗工液の
乾燥後の厚みが３μｍとなるように、バーコータで塗工
した。そして、１００℃の環境下で１分間乾燥させるこ
とで、画像保護フィルムを得た。

【００５５】次に、上述のようにして作製した画像保護
フィルムを、インクリボン（ソニー（株）製：商品名
ＵＰＣ−８８４０）の転写フィルム部分と置き換え、リ
ボンと張り合わせることによって、画像保護層を有する
インクリボンを実施例１として作製した。

【００５６】実施例２〜実施例１１モノフェノール系酸化防止剤の種類、融点及び樹脂１０
０重量部に対する含有量を表１に示すようにした以外は
実施例１と同様にして、実施例２〜実施例１１を作製し
た。

【００５７】比較例１モノフェノール系酸化防止剤を、画像保護層塗工液に含
有させないこと以外は、実施例１と同様にして、比較例
１を作製した。

【００５８】比較例２〜比較例４モノフェノール系酸化防止剤の代わりに、表１に示すよ
うな融点を備える物質を樹脂１００重量部に対して含有
させること以外は、実施例１と同様にして、比較例２〜
比較例４を作製した。

【００５９】以上のように作製された実施例１〜実施例
１１及び比較例１〜比較例４に関して、画像保存性を評
価した。これらの評価方法を以下に示す。

【００６０】＜画像保存性＞上述のようにして作製した
インクリボンを、印画紙（ソニー（株）製：商品名ＵＰ
Ｃ−８８４０印画紙）と組み合わせて、ビデオプリンタ
（ソニー（株）製：商品名ＵＰ−Ｄ８８００）に用い
た。

【００６１】このビデオプリンタにより、印画紙上にＣ
ｙａｎ色を階調印画（１６ｓｔｅｐ）して画像を形成し
た後に、インクリボンの画像保護層を、画像に対して熱
転写方式により被覆させた。次に、これを温度３０℃、
湿度８０％の環境下において４週間保存した。

【００６２】画像保護層で被覆された画像について、４
週間保存の前後での、画像の残存率及び滲みの程度を、
次のように評価した。

【００６３】残存率４週間保存後の被保護画像の残存率が、保存前に比べて
８５％を越える場合には○、８０〜８５％の範囲である
場合には△、８０％未満である場合には×とした。

【００６４】滲み４週間保存後における被保護画像を目視により観察し、
滲みが認められない場合には○、滲みが若干認められる
が実用上問題のない場合には△、滲みが酷く実用上問題
がある場合には×とした。

【００６５】以上の画像保存性の結果を表１に示す。

【００６６】

【表１】

【００６７】表１から明らかなように、実施例１〜実施
例１１に示したインクリボンは、被保護画像上に、モノ
フェーノール系酸化防止剤を含有する画像保護層を被覆
させるため、被保護画像の画像保存性を向上させること
ができる。

【００６８】また、実施例１〜実施例７を比較すると、
より良い画像保存性を得るためには、モノフェノール系
酸化防止剤の融点は、５０℃以上であることが好ましい
ことがわかった。

【００６９】また、実施例１，実施例８〜実施例１１を
比較すると、より優れた画像保存性を得るためには、モ
ノフェノール系酸化防止剤の含有量は、樹脂１００重量
部に対して１〜２０重量部とすることが好ましいことが
わかった。

【００７０】これに対して、比較例１に示すように、画
像保護層がモノフェノール系酸化防止剤を含有しない場
合には、残存率が悪く、所望の画像保存性を得ることが
できない。

【００７１】また、比較例２〜４に示すように、画像保
護層がモノフェノール系酸化防止剤とは異なる酸化防止
剤として、比較例２では亜リン酸エステル系の酸化防止
剤、比較例３及び４ではヒドロキノン誘導体の酸化防止
剤を含有する場合にも、所望の画像保存性を得ることが
できない。

【００７２】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る画像保護フィルムは、画像保護層がモノフェノ
ール系酸化防止剤を含有する。画像保護フィルムは、被
保護画像上にモノフェノール系酸化防止剤を含有する画
像保護層を被覆させるため、被保護画像の画像保存性を
向上させることができる。

【００７３】また、本発明に係るインクリボンは、画像
保護層がモノフェノール系酸化防止剤を含有する。イン
クリボンは、被保護画像上にモノフェノール系酸化防止
剤を含有する画像保護層を被覆させるため、被保護画像
の画像保存性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態として示す画像保護フィル
ムの要部断面図である。

【図２】本発明の異なる実施の形態として示す画像保護
フィルムの要部断面図である。

【図３】本発明の異なる実施の形態として示す画像保護
フィルムの要部断面図である。

【図４】本発明の実施の形態として示すインクリボンの
要部断面図である。

【図５】本発明の実施の形態として示すインクリボンの
平面図である。

【符号の説明】

１画像保護フィルム、２基材、３画像保護層、４
リボンバック層、５剥離層、６インクリボン、７
インク層、８センサーマーク

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも基材と、光透過性を有する樹
脂を上記基材上に積層してなる画像保護層とを有してな
り、上記画像保護層を被保護画像に被覆させる画像保護
フィルムにおいて、上記画像保護層は、モノフェノール系酸化防止剤を含有
することを特徴とする画像保護フィルム。
【請求項２】上記モノフェノール系酸化防止剤は、融
点が５０℃以上であることを特徴とする請求項１記載の
画像保護フィルム。
【請求項３】上記画像保護層は、上記モノフェノール
系酸化防止剤を、上記樹脂１００重量部に対して１〜２
０重量部の範囲で含有することを特徴とする請求項１記
載の画像保護フィルム。
【請求項４】少なくとも基材と、光透過性を有する樹
脂を上記基材上に積層してなる画像保護層と、上記基材
上に上記画像保護層と併設して配され、１色以上の色素
領域を有するインク層とを有するインクリボンにおい
て、上記画像保護層は、モノフェノール系酸化防止剤を含有
することを特徴とするインクリボン。
【請求項５】上記モノフェノール系酸化防止剤は、融
点が５０℃以上であることを特徴とする請求項４記載の
インクリボン。
【請求項６】上記画像保護層は、上記モノフェノール
系酸化防止剤を、上記樹脂１００重量部に対して１〜２
０重量部の範囲で含有することを特徴とする請求項４記
載のインクリボン。