JP2001054907A - 焼成体の製造方法及び装置 - Google Patents

焼成体の製造方法及び装置

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JP2001054907A
JP2001054907A JP23156799A JP23156799A JP2001054907A JP 2001054907 A JP2001054907 A JP 2001054907A JP 23156799 A JP23156799 A JP 23156799A JP 23156799 A JP23156799 A JP 23156799A JP 2001054907 A JP2001054907 A JP 2001054907A
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molding
barrier rib
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JP23156799A
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English (en)
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Shingen Kinoshita
真言 木下
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Ricoh Microelectronics Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Microelectronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度且つ容易に焼成体の原型体を形成で
き、また、該原型体を乾燥又は固化及び焼成する際に、
該原型体や焼成体の変形(歪み)やひび割れの発生を抑
制することができる焼成体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 可燃性材料により作成した成形用雌型1
00の型溝100a内にバリアリブ6の原材料となるセ
ラミックペースト12を充填してバリアリブ6の原型体
6Aを背面板2上に形成する。この原型体6Aを焼成炉
200内で成形用雌型100とともに燃焼し、成形用雌
型100を焼失させて、背面板2上にバリアリブ6を焼
成する。この製法によれば、原型体6Aを型抜きしない
ので高精度且つ容易に形成できる。また、原型体6Aを
乾燥又は固化あるいは焼成する際に、該原型体6Aが成
形用雌型100に支承された状態となるので、該原型体
6Aやバリアリブ6の変形(歪み)やひび割れの発生が
減少され、焼成時の歩留まりが向上される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼成体の製造方法
に関し、詳しくは、成形用雌型に充填して成形された原
型体を焼成して焼成体を製造する焼成体の製造方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な焼成体としては、陶土や
良質の粘土などからなる主原料に長石や石英を混ぜて焼
成した陶磁器などがある。また、この種の焼成体の一種
として、プラズマディスプレイパネル(以下、[PD
P]という)の放電空間をセル状に仕切るためのガラス
微粉末ペーストを主原料とするバリアリブが知られてい
る。カラーPDPは、原理的には、カラー蛍光灯を微小
化してアレイ状に配列したもので、該蛍光灯に相当する
放電セルの放電空間を上記バリアリブで仕切ることによ
って形成したものである。このPDPは、図6(a)に
示すようなDC型と、図6(b)、(c)に示すような
AC型とに大別され、また、主流になりつつあるAC型
のPDPには、図6(b)に示すような対向放電型と、
図6(c)に示すような面放電型との2種類がある。
【0003】DC型のPDPは、図6(a)に示すよう
に、表面ガラス基板(以下、「表面板」という)1、表
面板1に対して所定の高さの放電空間を隔てて対向配置
された背面ガラス基板(以下、「背面板」という)2、
ITOもしくはSnOをフォトエッチング法もしくは
リフトオフ法により表面板1の内面に製膜(パターニン
グ)して設けた陰極としての透明な表面電極3、Agペ
ーストなどの導電性ペーストを印刷法やフォトエッチン
グ法などにより背面板2の内面に製膜(パターニング)
して設けた陽極としての背面電極4、背面板に塗布され
紫外線によりRGBの3原色を発光する発光体5、表面
板1と背面板2との間の放電空間をセル状に仕切るため
のバリアリブ6、表面電極3と背面電極4とに直流電圧
を印加して表面電極3と背面電極4との間で放電現象を
生じさせることにより表面板1と背面板2との間の放電
空間に封入した水銀ガスに固有の紫外線を発光させる直
流電源7などで構成されている。このDC型のPDP
は、表面電極3及び背面電極4が放電空間に露出してい
るため、気体イオンによって該電極がスパッタされ飛散
してなくなったり、飛散した陰極材料が蛍光体5の上に
堆積して蛍光体5への紫外線照射を遮り光透過率が低下
してしまったりして、寿命が低下する不具合がある。
【0004】AC型のPDPは、上記DC型のPDPの
不具合を解消するために、図6(b)、(c)に示すよ
うに、表面電極3及び背面電極4を、誘電体層8と酸化
マグネシウム(MgO)からなる保護層9とで覆って、
放電空間に直接露出しないように構成したものである。
このAC型のPDPの放電は、絶縁物である保護層9の
表面を介して行われるため、交流電源10により行われ
る。つまり、電子回路的には、DC型のPDPをコンデ
ンサを通して駆動するのと同じである。また、酸化マグ
ネシウム(MgO)からなる保護層9は、DC型のPD
Pの陰極の役目をする他、余分な放電電流を抑えたり、
一旦点弧した放電を維持するメモリ機能などの役割を果
たす。なお、図6(b)に示す対向放電型のPDPは、
陰極と陽極との2本の電極を、表面電極3及び背面電極
4として上下対向させて配置したもので、図6(c)に
示す面放電型のPDPは、陰極と陽極とからなる2本の
表面電極3a、3bを、表面板1の内面にほぼ平行に並
べて配置したものである。
【0005】上記PDPにおいては、AC型、DC型の
如何を問わず、上記バリアリブ6で仕切られた放電セル
の輝度や解像度を向上させることが課題となっており、
CRTに比較して明るさが不充分なことが最大の課題と
なっている。その原因は、PDPの発光原理であるプラ
ズマ放電紫外線発光+可視光発光現象(フォトルミネッ
センス)の発光効率が、CRTの発光原理であるカソー
ドルミネッセンスの発光効率に比べて格段に低いことに
ある。すなわち、PDPと同じ発光原理の蛍光灯ではC
RTに匹敵する発光効率を実現しているが、PDPで
は、該蛍光灯に相当する放電セルをあまりにも小さくし
ているため、プラズマ放電による紫外線発光と紫外線に
よるフォトルミネッセンスの両面での発光効率の低下を
余儀なくされ、蛍光灯に比べて2桁程度低い発光効率し
か達成できていないことにある。なお、PDPの発光効
率を高める駆動技術の開発や、放電セルを仕切るバリア
リブ6の幅を狭くしたり、放電セルの壁面(バリアリブ
6の側面)にも蛍光体5を塗布して紫外線を余すことな
く使いきるといった工夫によって、PDPの輝度は数百
cd/mにまで向上されてきているが、まだ不十分な
状態である。
【0006】一方、PDPの解像度は、放電セルを小さ
くすることによって向上される。しかし、放電セルを小
さくして解像度を上げようとすると、放電セルを仕切る
バリアリブ6の空間占有率が相対的に大きくなり、発光
に寄与する放電空間が狭くなるため輝度が犠牲になる。
PDPの放電セルのギャップ(蛍光灯の長さに相当)や
ピッチの寸法は、バリアリブ6の高さやピッチの寸法に
よって決定される。この放電セルのギャップ(バリアリ
ブ6の高さ)としては200μm程度、ピッチとしては
数百μm程度であるが、バリアリブ6の幅は、強度上の
問題もあり、少なくとも数十μm程度は必要とされてい
る。このようなことから、PDPの輝度と解像度の両立
には、格段に細く且つ丈夫なバリアリブ6を形成するこ
とが必要であり、輝度や解像度の高いPDPを得る上
で、高精細なバリアリブ6の製法技術の確立が大きな課
題となっている。
【0007】従来のバリアリブ6の製法としては、 スクリーン印刷法(SCREEN PRINTIN
G) サンドブラスト法(SAND−BLAST) フォトレジスト法(PHOTO RESIST) フォトセンシティブ フィルム ペースト法(PHO
TOSENSITIVEFILM PASTE) プレスメソッド法(PRESS METHOD) などが実施又は提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
バリアリブ6の製法では、次に述べるような問題点があ
った。すなわち、上記スクリーン印刷法では、例えば、
図7(a)に示すように、バリアリブ6の平面形状に相
当する開口(パターン)が形成されたステンレスメッシ
ュからなるスクリーン(印刷版)11を用いて、PDP
の背面板2上に、バリアリブ6の原材料である絶縁性ペ
ーストからなるバインダーにガラス粉を分散混合したグ
レーズと呼ばれるセラミックペースト12を、スキージ
13によりスキージングして、バリアリブ6に対応した
ペースト層12aを印刷する。そして、図7(b)、
(c)に示すように、このペースト層12aを所定の高
さになるまで繰り返し重ね印刷して、図7(c)に示す
ようなバリアリブ6の原型体6Aを形成した後、図7
(d)に示すように、この背面板2上に印刷形成された
原型体6Aを図示しない焼成炉内で焼成してバリアリブ
6を成形している。この製法では、PDPの背面板2に
ペースト層12aを重ね印刷する際に、下層に印刷され
ているペースト層12aをある程度乾燥させておく必要
があり、該ペースト層12aの印刷工程に多大な時間を
要するため、量産化への対応が難しい。また、この製法
では、重ね印刷時におけるペースト層12aの印刷ズレ
を防止するために、該背面板2とスクリーン11とを厳
密に位置合わせする必要があり、極めて高度な印刷技術
や印刷装置の高精度化が要求される。しかし、この重ね
印刷時におけるペースト層12aの印刷ズレは、例え高
精度な印刷装置を用いて高度な印刷技術を駆使したとし
ても、スキージングの度ごとに摩擦がばらつくことによ
ってスクリーン開口部の位置がズレたり、該スクリーン
11が繰り返しスキージングされることによって、その
ステンレスメッシュのテンションが経時的に変化して、
該スクリーン11に形成されたパターンが歪む可能性が
高いため、完全に解消することは難しい。
【0009】上記サンドブラスト法では、まず、図8
(a)に示すように、PDPの背面板2上に所定の厚さ
の粘土状のセラッミク板14を積層形成する。そして、
図8(b)に示すように、該セラッミク板14上に、感
光樹脂を塗布して感光樹脂層15を形成する。次いで、
図8(c)に示すように、バリアリブ6の平面画像が形
成されたフィルム16を通して、該感光樹脂層15を露
光して、フォトレジスト加工を行うことにより、図8
(d)に示すような、バリアリブ6の平面形状に相当す
る開口17a(パターン)が形成されたマスク層17b
を形成する。次いで、図8(e)に示すように、該マス
ク層17bの開口17aを通して、セラミック板14に
砂粒状の掘削剤18を吹き付け、該セラミック板14の
該開口17aに対応する部分を、サンドブラスト加工に
より掘り下げる。このようにして、図8(f)に示すよ
うなバリアリブ6の原型体6Aを形成した後、図8
(g)に示すように、この背面板2上に掘削形成された
原型体6Aを図示しない焼成炉内で焼成してバリアリブ
6を成形している。この製法では、PDPの背面板2に
前述した背面電極4や誘電体層8及び保護層9などが予
め形成されている場合、セラミック板14にサンドブラ
スト加工を施す際に、該背面板2に形成されている背面
電極4や誘電体層8及び保護層9などを破損しないよう
に注意する必要がある。このため、極めて高度な加工技
術が要求される。また、この製法では、単純な穴形状又
は溝形状などの掘削加工しかできないため、バリアリブ
6の断面形状が極めて限定されたものになってしまう。
【0010】上記フォトレジスト法では、まず、上記サ
ンドブラスト法の場合と同様、図9(a)に示すよう
に、PDPの背面板2上に感光樹脂を塗布して感光樹脂
層15を形成し、図9(b)に示すように、バリアリブ
6の平面画像が形成されたフィルム16を通して、該感
光樹脂層15を露光してフォトレジスト加工を行うこと
により、図9(c)に示すような、バリアリブ6の平面
形状に相当する開口17aが形成されたマスク層17b
を形成する。次いで、図9(d)、(e)、(f)に示
すように、該マスク層17bの上に、上述のようなフォ
トレジスト加工を繰り返し施して、該背面板2上に、該
マスク層17bが所定の高さに積層された印刷マスク1
7を形成する。そして、図9(g)に示すように、この
印刷マスク17の開口17aにセラミックペースト12
を充填し、該印刷マスク17を分離して、図9(h)に
示すような、セラミックペースト12からなるバリアリ
ブ6の原型体6Aを型抜きする。その後、この背面板2
上に型抜きされたバリアリブ6の原型体6Aを図示しな
い焼成炉内で焼成して、図9(i)に示すようなバリア
リブ6を成形している。この製法では、上記印刷マスク
17がフォトレジスト加工により感光樹脂層15を積層
して形成されるため、その開口17aの内壁面が粗い状
態になり易い。
【0011】上記フォトセンシティブ フィルム ペー
スト法は、上述したフォトレジスト法で用いられている
感光樹脂の替りに、バリアリブ6の原材料として感光性
を有する絶縁性ペーストを使用し、該フォトレジスト法
と同様のフォトレジスト加工により、PDPの背面板2
上に絶縁性ペーストからなるバリアリブ6の原型体6A
を形成する方法である。すなわち、この製法では、ま
ず、上記フォトレジスト法の場合と同様、図10(a)
に示すように、PDPの背面板2上に感光性を有する絶
縁性ペースト19を塗布し、図10(b)に示すよう
に、バリアリブ6の平面画像が形成されたフィルム16
を通して、該絶縁性ペースト19を露光してフォトレジ
スト加工を行うことにより、図10(c)に示すよう
な、バリアリブ6に対応したペースト層19aを形成す
る。次いで、図10(d)、(e)に示すように、該ペ
ースト層19aの上に、上述のようなフォトレジスト加
工を繰り返し施し、該背面板2上に該ペースト層19a
を所定の高さに積層して、図10(f)に示すような、
ペースト層19aからなるバリアリブ6の原型体6Aを
背面板2上に形成する。その後、この背面板2上に形成
されたバリアリブ6の原型体6Aを図示しない焼成炉内
で焼成して、図10(g)に示すようなバリアリブ6を
成形している。この製法では、バリアリブ6の原型体6
Aを一度のフォトプロセスで形成できるので、前述した
フォトレジスト法よりも低コストとなる利点がある。し
かし、この製法では、バリアリブ6の原材料である絶縁
性ペースト19自体に感光性物質が含有されている。こ
のため、この絶縁性ペースト19からなるバリアリブ6
の原型体6Aの焼成時、あるいはPDPの発光時に、該
絶縁性ペースト19に含有されている感光性物質が化学
変化を起こして、バリアリブ6に変質や変形及び強度低
下などの悪影響を及ぼす懸念があるため、通常のグレー
ズに比べて特殊な対応を要する。
【0012】上記プレスメソッド法では、まず、図11
(a)に示すように、PDPの背面板2上に所定量の粘
土状のセラッミクペースト12を塗布する。次いで、図
11(b)に示すように、形成しようとするバリアリブ
6の型溝20aが形成されたプレス型20を用いて、該
背面板2上に塗布された粘土状のセラッミクペースト1
2をプレス(型押し)する。そして、この型押しにより
プレス型20の型溝20aに沿って形成されたセラッミ
クペースト12からなるバリアリブ6の原型体6Aを型
抜きした後、該背面板2上に型抜きされたセラッミクペ
ースト12からなる原型体6Aを図示しない焼成炉内で
焼成して、図11(c)に示すようなバリアリブ6を成
形している。この製法では、上記プレス型20でセラッ
ミクペースト12をプレスした際に、該セラミックペー
スト12がプレス型20の型溝20a内に十分に充満さ
れず、型押しされたバリアリブ6の原型体6Aの形状が
部分的に欠損した形状になる虞がある。また、この製法
では、該プレス型20の型溝20aからセラミックペー
スト12からなるバリアリブ6の原型体6Aを型抜きす
る際に、該プレス型20の型溝20aにより型押しされ
たバリアリブ6の原型体6Aが変形したり背面板2から
割れて欠けたりする虞がある。このような不具合は、プ
レス型20の型溝20aの溝幅、すなわち、形成しよう
とするバリアリブ6の幅が狭くなるに従って発生しやす
くなる傾向にある。このため、この製法では、PDPの
輝度を向上させるために、バリアリブ6の幅を狭くして
PDPの放電セルの放電空間の拡大を図ることが難しく
なる。
【0013】また、上述のような従来のバリアリブ6の
製法では、何れの製法においても、PDPの背面板2上
に形成されたセラッミクペースト12等からなるバリア
リブ6の原型体6Aが、自己の粘性や剛性などによって
自立した状態、つまり、他の何らの支えもない状態とな
る。このため、これらの製法では、PDPの背面板2上
に形成されたバリアリブ6の原型体6Aを乾燥又は固化
及び焼成する際の熱ストレスにムラが生じやすくなるた
め、該原型体6Aや焼成体としてのバリアリブ6に変形
(歪み)やひび割れが生じる虞が高い。
【0014】なお、ここでは、焼成対象としての焼成体
が、PDPの背面板上に形成されるバリアリブである場
合について述べたが、陶磁器などのような一般的な焼成
体の場合でも、その原型体を乾燥又は固化及び焼成する
際に、該原型体や焼成体としての陶磁器に変形(歪み)
やひび割れが生じる虞がある。そして、この原型体や焼
成体に変形(歪み)やひび割れが生じることにより、該
焼成体の機能や価値が著しく損なわれることは広く知ら
れているところである。
【0015】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、高精度且つ容易に焼
成体の原型体を形成でき、また、該原型体を乾燥又は固
化及び焼成する際に、該原型体や焼成体の変形(歪み)
やひび割れの発生を抑制することができる焼成体の製造
方法及び装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、焼成体を象った成形用雌型の型
溝内に焼成体の原材料を充填して該焼成体の原型体を成
形し、該原型体を焼成して焼成体を形成する焼成体の製
造方法であって、上記成形用雌型を可燃性材料で作成
し、該成形用雌型の型溝内に焼成体の原材料を充填して
原型体を形成し、該成形用雌型の型溝内に充填された原
型体に対する焼成処理を行って該成形用雌型を焼失させ
るとともに該焼成体を焼成することを特徴とするもので
ある。
【0017】この焼成体の製造方法においては、成形用
雌型の焼成体を象った型溝内に充填して成形された焼成
体の原型体に対する焼成処理によって、可燃性材料で作
成された成形用雌型が焼失されるとともに焼成体が焼成
される。つまり、該焼成体の原材料が成形用雌型の型溝
内に充填されたままの状態で、該原型体が焼成される。
従って、この焼成体の製造方法では、該原型体を成形用
雌型の型溝から型抜きする必要がないので、該型抜きに
より原型体が変形したり欠損したりすることがなく、該
原型体を高精度且つ容易に形成できる。また、この焼成
体の製造方法によれば、原型体を乾燥又は固化あるいは
焼成する際に、該原型体が成形用雌型の型溝により支承
された状態となるので、該原型体や焼成体の変形(歪
み)やひび割れの発生が減少され、焼成時の歩留まりが
向上される。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の焼成体の製
造方法において、上記原型体を焼成する焼成炉内に不活
性ガスを導入して該原型体を不活性ガス雰囲気中で焼成
した後、該焼成炉内に酸素を導入して上記成形用雌型を
焼失させることを特徴とするものである。
【0019】この焼成体の製造方法においては、上記原
型体が不活性ガス雰囲気中で焼成され、その後、任意の
タイミングで該不活性ガス雰囲気中に酸素が導入される
ことによって上記成形用雌型が焼失される。つまり、該
原型体の焼成が完了するまで、該原型体が成形用雌型の
型溝によって支承された状態となる。これにより、原型
体の焼成時に成形用雌型が先に焼失されて、該成形用雌
型による原型体の支承機能が損なわれることがなくな
り、該原型体や焼成体の変形(歪み)やひび割れの発生
が大幅に減少され、焼成時の歩留まりがより向上され
る。
【0020】請求項3の発明は、請求項1又は2の焼成
体の製造方法において、上記成形用雌型をカーボンで形
成したことを特徴とするものである。
【0021】この焼成体の製造方法においては、上記成
形用雌型がカーボンで形成されているので、該成形用雌
型が焼失される際に、原型体や環境に害を及ぼすような
有害物質の発生が少なくなる。また、カーボンからなる
成形用雌型の燃焼によって、原型体の焼成が助長される
ので、原型体の焼成にかかる燃料や時間を節約できるよ
うになる。
【0022】請求項4の発明は、請求項1、2又は3の
焼成体の製造方法において、上記焼成体の原材料が、ガ
ラス成分を含有していることを特徴とするものである。
【0023】この焼成体の製造方法においては、上記焼
成体の原材料にガラス粒子を含有させることで、該焼成
体の原型体が乾燥する際に該原型体に変形(歪み)やひ
び割れが生じても、該原型体が成形用雌型の型溝により
支承されて焼成される際に、焼成体の原材料のガラス成
分が溶融して結合することにより、該原型体に生じた変
形(歪み)やひび割れが消滅されるようになる。
【0024】請求項5の発明は、請求項1、2、3又は
4の焼成体の製造方法において、上記成形用雌型は、焼
成体の雛形を用いて型取りされたカーボンで形成されて
いることを特徴とするものである。
【0025】上記焼成体の製造方法では、焼成体の原型
体を焼成する度に、該原型体の成形用雌型が焼失されて
しまうため、該成形用雌型を安価な可燃性材料により容
易に量産できるようにして、焼成体の生産性の向上及び
生産コストの低減を図ることが求められる。この焼成体
の製造方法においては、焼成体の雛形を用いて型取りさ
れたカーボンペーストによって上記成形用雌型が形成さ
れるので、該成形用雌型を安価な材料により容易に量産
することが可能になる。
【0026】請求項6の発明は、請求項1、2、3、4
又は5の焼成体の製造方法において、上記焼成体は、プ
ラズマディスプレイパネルの放電セルを仕切るためのバ
リアリブであることを特徴とするものである。
【0027】この焼成体の製造方法においては、上記焼
成体としてのプラズマディスプレイパネル(PDP)の
放電セルを仕切るためのバリアリブが、成形用雌型の型
溝により支承された状態で、乾燥又は固化及び焼成され
るので、該バリアリブの変形(歪み)やひび割れの発生
が減少され、バリアリブの歩留まりが向上される。
【0028】請求項7の発明は、請求項6の焼成体の製
造方法において、上記バリアリブの断面形状は、台形状
であることを特徴とするものである。
【0029】この焼成体の製造方法においては、上記焼
成体としてのプラズマディスプレイパネル(PDP)の
放電セルを仕切るための台形状に形成されたバリアリブ
が製造される。この台形状に形成されたバリアリブは、
該バリアリブの壁面(側面)に蛍光体が塗布されること
により、PDPの視覚領域において直視できる該蛍光体
の面積を増大させる効果があるので、PDPの輝度を向
上させることができる。また、このように、バリアリブ
の形状を台形状に形成することで、その成形用雌型及び
バリアリブ自体の強度も向上される。
【0030】請求項8の発明は、焼成体を象った可燃性
材料からなる成形用雌型の型溝内に焼成体の原材料を充
填して該焼成体の原型体を成形し、該原型体を焼成して
焼成体を形成する焼成体の製造装置であって、上記成形
用雌型の型溝内に焼成体の原材料を充填して該焼成体の
原型体を成形する原型体形成手段と、該原型体形成手段
により成形された原型体に対する焼成処理を行って該成
形用雌型を焼失させるとともに該焼成体を焼成する焼成
炉とを有することを特徴とするものである。
【0031】この焼成体の製造装置においては、まず、
上記原型体形成手段により、成形用雌型の焼成体を象っ
た型溝内に充填されて焼成体の原型体が成形される。次
いで、上記焼成炉内で、原型体形成手段により成形され
た原型体に対する焼成処理が行われて、該成形用雌型が
焼失されるとともに該焼成体が焼成される。この焼成体
の製造装置では、該原型体を成形用雌型の型溝から型抜
きする必要がないので、該型抜きにより原型体が変形し
たり欠損したりすることがなく、該原型体を高精度且つ
容易に形成できる。また、この焼成体の製造装置によれ
ば、原型体を乾燥又は固化あるいは焼成する際に、該原
型体が成形用雌型の型溝により支承された状態となるの
で、該原型体や焼成体の変形(歪み)やひび割れの発生
が減少され、焼成時の歩留まりが向上される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、プラズマディス
プレイパネル(PDP)の放電セルを仕切るためのバリ
アリブ6に適用した実施形態について説明する。図1
に、本実施形態に係るバリアリブ6の製造方法の一例を
示す。該バリアリブ6は、可燃性材料により作成された
成形用雌型100を使用して製造される。この成形用雌
型100には、図1(a)に示すように、形成しようと
するバリアリブ6を象った型溝100aが形成されてい
る。この成形用雌型100の作成方法については後に詳
述することとする。
【0033】上記成形用雌型100は、図1(b)に示
すように、その型溝100aがPDPの背面板2に形成
されるバリアリブ6の形成位置に対応するように、該背
面板2上に配設される。次いで、図1(c)に示すよう
に、該背面板2上に配設された成形用雌型100の型溝
100a内に、バリアリブ6の原材料となるセラミック
ペースト12が、スキージングあるいは塗布などの方法
により充填される。従って、この製法では、この成形用
雌型100の型溝100a内に充填されたセラミックペ
ースト12が、そのまま焼成体としてのバリアリブ6の
原型体6Aとなる。次いで、このセラミックペースト1
2からなるバリアリブ6の原型体6Aは、図1(d)に
示すように、焼成炉200内で焼成処理される。そし
て、この焼成処理により該バリアリブ6の原型体6Aが
焼成され且つ可燃性材料からなる成形用雌型100が焼
失される。これによって、図1(e)に示すように、背
面板2上の所定の位置に、成形用雌型100の型溝10
0aにより成形された所定の幅及び高さのバリアリブ6
が焼成されて、該背面板2に一体形成される。
【0034】このように、本実施形態に係るバリアリブ
6の製造方法においては、上記成形用雌型100の型溝
100aに充填して成形されたバリアリブ6の原型体6
Aが、成形用雌型100の型溝100a内に充填された
ままの状態で焼成処理される。そして、この焼成処理に
より、可燃性材料で作成された成形用雌型100が焼失
されてバリアリブ6が焼成される。従って、この製法で
は、バリアリブ6の原型体6Aを成形用雌型100の型
溝100aから型抜きする必要がないので、該型抜きに
より原型体6Aが変形したり欠損したりすることがな
く、該原型体6Aを高精度且つ容易に形成できる。ま
た、この製法によれば、原型体6Aを乾燥又は固化ある
いは焼成する際に、該原型体6Aが成形用雌型100の
型溝100aにより支承された状態となるので、該原型
体6Aや焼成体としてのバリアリブ6の変形(歪み)や
ひび割れの発生が減少され、焼成時の歩留まりが向上さ
れる。
【0035】本実施形態に係るバリアリブ6の製造方法
においては、図1(d)に示す焼成工程において、ま
ず、焼成炉200内に吸気バルブ200aを通して不活
性ガスを導入して、上記原型体6Aを窒素等の不活性ガ
ス雰囲気中で焼成した後、排気バルブ200bを通して
該焼成炉200内の不活性ガスを排気し、次いで、焼成
炉200内に他の吸気バルブ200cを通して酸素を導
入して、上記成形用雌型100を焼失させることが好ま
しい。このように、原型体6Aを不活性ガス雰囲気中で
焼成した後、該焼成炉200内に酸素を導入して成形用
雌型100を焼失させることによって、成形用雌型10
0の焼失タイミングを制御できるので、該原型体6Aの
焼成が完了するまで、該原型体6Aが成形用雌型100
によって支承された状態となる。これにより、原型体6
Aの焼成時に成形用雌型100が先に焼失されて、該成
形用雌型100による原型体6Aの支承機能が損なわれ
ることがなくなり、該原型体6Aやバリアリブ6の変形
(歪み)やひび割れの発生が大幅に減少され、焼成時の
歩留まりがより向上される。
【0036】また、上記成形用雌型100を作成するた
めの可燃性材料は、乾燥や固化により雌型としての適度
な剛性を呈し且つ燃焼により焼失されるものであれば、
例えば可燃性の樹脂など、どのようなものでもよいが、
この成形用雌型100を作成する可燃性材料としてはカ
ーボンを使用することが好ましい。すなわち、成形用雌
型100をカーボンで作成することにより、該成形用雌
型100が焼失される際に、原型体6Aや環境に害を及
ぼすような有害物質の発生が少なくなる。また、カーボ
ンからなる成形用雌型100の燃焼によって、原型体6
Aの焼成が助長されるので、原型体6Aの焼成にかかる
燃料や時間を節約することができるようになる。
【0037】また、上記背面板2上に配設された成形用
雌型100の型溝100a内に充填されるバリアリブ6
の原材料は、焼成されることによってバリアリブ6とし
ての機能や強度を呈するものであればどのようなもので
もよいが、このバリアリブ6の原材料としてはセラミッ
クペースト12のようなガラス成分を含んでいるものを
使用することが好ましい。すなわち、バリアリブ6の原
材料としてセラミックペースト12を用いた場合には、
バリアリブ6の原型体6Aが乾燥する際に該原型体6A
に変形(歪み)やひび割れが生じても、該原型体6Aが
成形用雌型100に支承されて焼成される際に、セラミ
ックペースト12のガラス成分が溶融して結合すること
により、該原型体6Aに生じた変形(歪み)やひび割れ
が消滅されるようになる。例えば、この製法において
は、バリアリブ用原料として広く使用されているグレー
ズ(ガラス微粉末ペースト)を使用できる。
【0038】ところで、このようなバリアリブ6の製造
方法では、その原型体6Aを焼成する度に、該原型体6
Aの成形用雌型100が焼失されてしまうため、該成形
用雌型100を安価な可燃性材料により容易に量産でき
るようにして、焼成体の生産性の向上及び生産コストの
低減を図ることが重要となる。そこで、本実施系に係る
バリアリブ6の製造方法においては、該バリアリブ6の
雛形を用いて型取りしたカーボンペーストを硬化処理し
て成形用雌型100を作成するようにする。すなわち、
前述したように、成形用雌型100を作成する可燃性材
料としてはカーボンを使用することが好ましく、該カー
ボンをペースト状にしたカーボンペーストは、鉛筆の芯
材の原料などとして知られているように、比較的安価で
且つ容易に入手できる。また、カーボンペーストはその
取り扱いも容易であるので、複雑且つ高価な設備も不要
となる。成形用雌型100を、バリアリブ6の雛形を用
いて型取りして形成することで、該成形用雌型100を
容易に量産することが可能になる。
【0039】次に、上記成形用雌型100の作成方法に
ついて説明する。上記成形用雌型100は、図7乃至図
11に示した従来のバリアリブ6の製法である、 スクリーン印刷法(SCREEN PRINTIN
G) サンドブラスト法(SAND−BLAST) フォトレジスト法(PHOTO RESIST) フォトセンシティブ フィルム ペースト法(PHO
TOSENSITIVEFILM PASTE) プレスメソッド法(PRESS METHOD) や、機械加工などにより作成することができる。
【0040】すなわち、上記スクリーン法により上記成
形用雌型100を作成する場合には、例えば、図7
(a)に示すステンレスメッシュからなるスクリーン
(印刷版)11に、該成形用雌型100の平面形状に相
当する開口(パターン)を形成し、該スクリーン11を
用いて、PDPの背面板2上に、該成形用雌型100の
原材料である可燃性材料を、スキージ13によりスキー
ジングして、成形用雌型100に対応したペースト層を
印刷する。そして、図7(b)、(c)に示した場合と
同様に、この成形用雌型100の原材料である可燃性材
料からなるペースト層を所定の高さになるまで繰り返し
重ね印刷して成形用雌型100を成形する。ここで、上
記成形用雌型100となる上記ペースト層の幅は、PD
Pの放電セルの放電空間に対応した幅となる。従って、
上記スクリーン11に形成される開口は、上記バリアリ
ブ6の幅の約3倍程度の大きさになるので、ペーストの
抜け性が良くなり目詰まりを生じにくい。また、上記ペ
ースト層の重ね合わせ印刷時に、上記スクリーン11と
背面板2との位置合わせ精度が多少低下しても、該ペー
スト層の幅が大きいので、該ペースト層が変形し難い。
なお、スクリーン11と背面板2との位置合わせ精度の
低下に伴うペースト層の印刷ズレは、焼成されたバリア
リブ6の壁面のガサツキとなって現れるが、バリアリブ
6の壁面のガサツキは、該壁面への発光体5の塗布によ
ってある程度改善される。更に、成形用雌型100の原
材料のバインダとして速乾性のものを使用することで、
その乾燥速度をバリアリブ6の場合よりも速めることが
できるので、上記ペースト層の印刷工程に多大な時間を
浪費することもなくなる。
【0041】また、上記サンドブラスト法により上記成
形用雌型100を作成する場合には、図8に示す粘土状
のセラミック板14に替えて、該成形用雌型100の原
材料である可燃性材料をサンドブラスト加工により掘り
下げて、該成形用雌型100の型溝100aを形成す
る。この製法では、PDPの背面板2に前述した背面電
極4や誘電体層8及び保護層9などが予め形成されてい
る場合でも、背面電極4や誘電体層8及び保護層9など
が可燃性材料により覆われた部位、つまり、PDPの放
電セルの放電空間に対応した部位となるので、該サンド
ブラスト加工を施す際に、該背面板2に形成されている
背面電極4や誘電体層8及び保護層9などを破損するこ
とがなく、高度な加工技術を必要としない。
【0042】また、上記フォトレジスト法により上記成
形用雌型100を作成する場合には、該形成用雌型10
0の平面画像が形成されたフィルムを通して、該感光樹
脂層を露光してフォトレジスト加工を行うことにより、
図9(f)に示したような、該成形用雌型100に相当
する開口17aが形成された印刷マスク17を形成す
る。そして、図9(g)に示したセラミックペースト1
2に替えて、該成形用雌型100の原材料である可燃性
材料を該印刷マスク17の開口17aに充填し、該印刷
マスク17を分離し、該成形用雌型100を型抜きして
形成する。この製法では、上記印刷マスク17がフォト
レジスト加工により感光樹脂層15を積層して形成され
るため、その開口17aの内壁面が粗い状態になり易い
が、上述したように、該成形用雌型100の幅は、PD
Pの放電セルの放電空間に対応した幅となり、上記バリ
アリブ6の幅の約3倍程度の大きさになるので、ペース
トの抜け性が良くなり、該型抜き時に目詰まりや変形を
生じにくい。
【0043】また、上記フォトセンシティブ フィルム
ペースト法により上記成形用雌型100を作成する場
合には、上述したフォトレジスト法で用いられている感
光樹脂の替りに、該成形用雌型100の原材料として感
光性を有する可燃性ペーストを使用し、該フォトレジス
ト法と同様のフォトレジスト加工により、該成形用雌型
100を形成する。この製法では、該成形用雌型100
を一度のフォトプロセスで形成できるので、前述したフ
ォトレジスト法よりも低コストとなる利点がある。ま
た、この製法では、該成形用雌型100の原材料である
可燃性ペーストに感光性物質が含有されているが、この
感光性物質が焼成体としてのバリアリブ6の原型体6A
内に存在することがないので、該成形用雌型100の焼
失時に、該感光性物質が化学変化を起こしても、バリア
リブ6に変質や変形及び強度低下などの悪影響を及ぼす
ことがない。
【0044】また、上記プレスメソッド法により上記成
形用雌型100を作成する場合には、図11(b)に示
したプレス型20を、形成しようとする成形用雌型10
0の雛形とし、該プレス型20を用いて、該成形用雌型
100の原材料である可燃性ペーストをプレス(型押
し)して、該成形用雌型100を成形する。この製法で
は、該成形用雌型100の雛形としての上記プレス型2
0に形成される型溝20aの幅が、PDPの放電セルの
放電空間に対応した幅となり、上記バリアリブ6の幅の
約3倍程度の大きさになるので、該プレス型20により
可燃性ペーストをプレスした際に、該可燃性ペーストが
プレス型20の型溝20a内に十分に充満されなかった
り、型押しされた該成形用雌型100の形状が部分的に
欠損した形状になったりすることが少なくなる。また、
プレス(型押し)される可燃性ペーストの抜け性も良く
なり、該型抜き時に目詰まりや変形を生じにくい。
【0045】更に、上記フォトレジスト法により上記成
形用雌型100を作成する場合には、従来のバリアリブ
6を作成する際に用いられる該バリアリブ6に相当する
開口17aが形成された印刷マスク17を可燃性材料で
形成して、この印刷マスク17自体を上記成形用雌型1
00としても良い。
【0046】ところで、AC型のPDPの放電セルを仕
切るバリアリブ6は、周知のように、細かなピッチのス
トライプ形状に形成されている。また、DC型のPDP
の放電セルを仕切るバリアリブ6は、細かなピッチのメ
ッシュ形状に形成されている。従って、これらのバリア
リブ6の成形用雌型100の型溝100aは、このバリ
アリブ6に対応したストライプ形状あるいはメッシュ形
状に形成される。このため、この成形用雌型100を上
記背面板2に一体的に形成する場合には、該背面板2が
該成形用雌型100の支持体として機能するので、該成
形用雌型100の型溝100aを、図1に示すような貫
通開口とすることができる。しかしながら、この成形用
雌型100を上記背面板2から分離独立して形成する場
合には、該成形用雌型100の型溝100aを貫通開口
とすると、該成形用雌型100の支持体が存在しなくな
るため、AC型のPDPの放電セルを仕切るバリアリブ
6の成形用雌型100の場合には強度が著しく低下し、
また、DC型のPDPの放電セルを仕切るバリアリブ6
の成形用雌型100の場合には型溝100a自体を形成
することができなくなる。
【0047】そこで、上述のように、上記成形用雌型1
00を上記背面板2から分離独立して形成する場合に
は、該成形用雌型100の型溝100aを、図11に示
したプレス型20の型溝20aのように、ハーフエッチ
ング形状に形成する。この型溝100aをハーフエッチ
ング形状に形成した、DC型のPDPの放電セルを仕切
るバリアリブ6の成形用雌型100の一例を図2(a)
に、AC型のPDPの放電セルを仕切るバリアリブ6の
成形用雌型100の一例を図2(b)に示す。このよう
な型溝100aをハーフエッチング形状に形成した成形
用雌型100を用いて背面板2上にバリアリブ6を形成
する場合には、例えば、図3(a)に示すように、ま
ず、バリアリブ6の原材料であるセラミックペースト1
2をスキージ13により該成形用雌型100の型溝10
0a内に充填する。次いで、図3(b)に示すように、
この成形用雌型100の型溝100a内に充填されたセ
ラミックペースト12が背面板2の上面に接するよう
に、該成形用雌型100を背面板2上に位置決めする。
そして、この状態で、図1(d)に示したように、焼成
炉200内で、成形用雌型100の型溝100a内に充
填されたセラミックペースト12を焼成処理して、該成
形用雌型100を燃焼させる。これにより、該バリアリ
ブ6の原型体6Aである成形用雌型100の型溝100
a内に充填されたセラミックペースト12が焼成され且
つ可燃性材料からなる成形用雌型100が焼失される。
この結果、図3(c)に示すように、成形用雌型100
の型溝100aにより成形された所定の幅及び高さのバ
リアリブ6が、背面板2上の所定の位置に焼成される。
【0048】次に、上記成形用雌型100を機械加工に
よって作成する場合について説明する。バリアリブ6の
成形用雌型100を機械加工によって作成する場合に
は、図12(a)に示すように、例えば、カーボンペー
ストを硬化処理した板状の雌型材100Aの加工面(こ
こでは上面)に、ディスク状の回転カッタ300によ
り、雌型材100Aと回転カッタ300とを相対移動さ
せて、型溝100aを切削加工する。これにより、回転
カッタ300の刃の形状に応じた断面形状の型溝100
aが形成される。
【0049】回転カッタ300としては、図12(a)
に示すような1枚刃のものでもよく、図12(b)に示
すように、複数枚のカッティングディスクをバリアリブ
6のピッチに対応する間隔で配設したものでもよい。図
12(b)に示す回転カッタ300を用いた場合には、
カッティングディスクの枚数分の型溝100aを一度に
切削加工することができるので、加工時間を短縮できる
効果がある。
【0050】ここで、図12(b)に示すように、回転
カッタ300により雌型材100Aのx方向のみに型溝
100aを切削加工することにより、図2(b)に示す
ような、AC型のPDPの放電セルを仕切るバリアリブ
6の成形用雌型100を作成することができる。また、
図12(c)に示すように、回転カッタ300により雌
型材100Aのx方向及びy方向に型溝100aを切削
加工することにより、図2(a)に示すような、DC型
のPDPの放電セルを仕切るバリアリブ6の成形用雌型
100を作成することができる。
【0051】なお、上述のように、回転カッタ300に
より成形用雌型100の型溝100aを切削加工した場
合には、切削された型溝100aの縁がチップ状に欠け
ることがある。そこで、このような切削加工を行う場合
には、図12(d)に示すように、雌型材100Aの加
工面に、フラックスなどからなる保護膜400を予め形
成しておき、この保護膜400の上から型溝100aを
切削加工して、型溝100aの縁の欠けを防止するよう
にすることが望ましい。
【0052】一方、本実施形態に係る製造方法によって
形成される上記バリアリブ6の形状は、台形状であるこ
とが望ましい。すなわち、このPDPの放電セルを仕切
るためのバリアリブ6を台形状に形成した場合には、図
4に示すように、該バリアリブ6の壁面(側面)に塗布
された該蛍光体5の、PDPの視覚領域において直視で
きる面積が、バリアリブ6を矩形状に形成した場合より
も増大されるので、PDPの輝度を向上させることがで
きる。このような台形状のバリアリブ6は、図5に示す
ように、上記成形用雌型100の型溝100aの形状を
予め台形状に形成しておくことで、容易に形成すること
ができる。また、このように、バリアリブ6の形状を台
形状に形成することで、その成形用雌型100及びバリ
アリブ6自体の強度も向上される。
【0053】
【発明の効果】請求項1乃至7の発明によれば、原型体
を成形用雌型の型溝から型抜きする必要がないので、該
型抜きにより原型体が変形したり欠損したりすることが
なく、該原型体を高精度且つ容易に形成できる。また、
該原型体を乾燥又は固化あるいは焼成する際に、該原型
体が成形用雌型の型溝により支承された状態となるの
で、該原型体や焼成体の変形(歪み)やひび割れの発生
が減少され、焼成時の歩留まりを向上できるという優れ
た効果がある。
【0054】特に、請求項2の発明によれば、上記原型
体の焼成が完了するまで、該原型体が成形用雌型の型溝
によって支承された状態となるので、該原型体の焼成時
に成形用雌型が先に焼失されて、該成形用雌型の型溝に
よる原型体の支承機能が損なわれることがなくなり、該
原型体や焼成体の変形(歪み)やひび割れの発生が大幅
に減少され、焼成時の歩留まりをより向上できるという
優れた効果がある。
【0055】また、請求項3の発明によれば、上記成形
用雌型がカーボンで形成されているので、該成形用雌型
が焼失される際に、原型体や環境に害を及ぼすような有
害物質の発生が少なくなる。また、カーボンからなる成
形用雌型の燃焼によって、原型体の焼成が助長されるの
で、原型体の焼成にかかる燃料や時間を節約できるよう
になるという優れた効果がある。
【0056】請求項4の発明によれば、上記焼成体の原
材料にガラス粒子を含有させることで、該焼成体の原型
体が乾燥する際に該原型体に変形(歪み)やひび割れが
生じても、該原型体が成形用雌型の型溝により支承され
て焼成される際に、焼成体の原材料のガラス成分が溶融
して結合することにより、該原型体に生じた変形(歪
み)やひび割れが消滅されるようになるという優れた効
果がある。
【0057】請求項5の発明によれば、焼成体の雛形を
用いて型取りされたカーボンペーストによって上記成形
用雌型が形成されるので、該成形用雌型を安価な材料に
より容易に量産することが可能になるという優れた効果
がある。
【0058】請求項6の発明によれば、上記焼成体とし
てのプラズマディスプレイパネル(PDP)の放電セル
を仕切るためのバリアリブが、成形用雌型の型溝により
支承された状態で、乾燥又は固化及び焼成されるので、
該バリアリブの変形(歪み)やひび割れの発生が減少さ
れ、バリアリブの歩留まりが向上されるという優れた効
果がある。
【0059】請求項7の発明によれば、上記焼成体とし
てのプラズマディスプレイパネル(PDP)の放電セル
を仕切るためのバリアリブが台形状に形成されるので、
該バリアリブの壁面(側面)に蛍光体が塗布されること
により、PDPの視覚領域において直視できる該蛍光体
の面積が増大され、PDPの輝度が向上される。また、
バリアリブの形状が台形状に形成されることで、その成
形用雌型及びバリアリブ自体の強度も向上されるという
優れた効果がある。
【0060】請求項8の発明によれば、原型体を成形用
雌型の型溝から型抜きする必要がないので、該型抜きに
より原型体が変形したり欠損したりすることがなく、該
原型体を高精度且つ容易に形成できる。また、該原型体
を乾燥又は固化あるいは焼成する際に、該原型体が成形
用雌型の型溝により支承された状態となるので、該原型
体や焼成体の変形(歪み)やひび割れの発生が減少さ
れ、焼成時の歩留まりを向上できるという優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(e)は、本発明の実施形態に係る
バリアリブの製造工程を示す概略工程図。
【図2】(a)は、DC型のPDPの放電セルを仕切る
バリアリブの成形用雌型の一例を示す部分斜視図。
(b)は、AC型のPDPの放電セルを仕切るバリアリ
ブの成形用雌型の一例を示す部分斜視図。
【図3】(a)乃至(c)は、本発明の実施形態に係る
バリアリブの他の製造工程を示す概略工程図。
【図4】上記バリアリブを台形状に形成したPDPの概
略断面図。
【図5】上記台形状のバリアリブを形成するための成形
用雌型の概略断面図。
【図6】(a)は、従来のDC型のPDPの放電セルの
構成を示す概略断面図。(b)は、従来のAC型・対向
放電型のPDPの放電セルの構成を示す概略断面図。
(c)は、従来のAC型・面放電型のPDPの放電セル
の構成を示す概略断面図。
【図7】従来のスクリーン印刷法によるバリアリブの製
造工程を示す概略工程図。
【図8】従来のサンドブラスト法によるバリアリブの製
造工程を示す概略工程図。
【図9】従来のフォトレジスト法によるバリアリブの製
造工程を示す概略工程図。
【図10】従来のフォトセンシティブ フィルム ペー
スト法によるバリアリブの製造工程を示す概略工程図。
【図11】従来のプレスメソッド法によるバリアリブの
製造工程を示す概略工程図。
【図12】(a)乃至(d)は、上記成形用雌型を機械
加工によって作成する場合の一例を示す概略図。
【符号の説明】
1 表面ガラス基板(表面板) 2 背面ガラス基板(背面板) 3 表面電極 4 背面電極 5 発光体 6 バリアリブ 6A バリアリブの原型体 7 直流電源 8 誘電体層 9 保護層 10 交流電源 11 スクリーン 12 セラミックペースト 13 スキージ 14 セラミック板 15 感光樹脂層 16 フィルム 17 印刷マスク 20 プレス型 20a 型溝 100 成形用雌型 100a 成形用雌型の型溝 200 焼成炉 200a、200c 吸気バルブ 200b 排気バルブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼成体を象った成形用雌型の型溝内に焼成
    体の原材料を充填して該焼成体の原型体を成形し、該原
    型体を焼成して焼成体を形成する焼成体の製造方法であ
    って、 上記成形用雌型を可燃性材料で作成し、該成形用雌型の
    型溝内に焼成体の原材料を充填して原型体を形成し、該
    成形用雌型の型溝内に充填された原型体に対する焼成処
    理を行って該成形用雌型を焼失させるとともに該焼成体
    を焼成することを特徴とする焼成体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の焼成体の製造方法において、 上記原型体を焼成する焼成炉内に不活性ガスを導入して
    該原型体を不活性ガス雰囲気中で焼成した後、該焼成炉
    内に酸素を導入して上記成形用雌型を焼失させることを
    特徴とする焼成体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の焼成体の製造方法におい
    て、 上記成形用雌型をカーボンで形成したことを特徴とする
    焼成体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の焼成体の製造方法に
    おいて、 上記焼成体の原材料が、ガラス成分を含有していること
    を特徴とする焼成体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4の焼成体の製造方
    法において、 上記成形用雌型は、焼成体の雛形を用いて型取りしたカ
    ーボンで形成されていることを特徴とする焼成体の製造
    方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5の焼成体の製
    造方法において、 上記焼成体は、プラズマディスプレイパネルの放電セル
    を仕切るためのバリアリブであることを特徴とする焼成
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6の焼成体の製造方法において、 上記バリアリブの断面形状は、台形状であることを特徴
    とする焼成体の製造方法。
  8. 【請求項8】焼成体を象った可燃性材料からなる成形用
    雌型の型溝内に焼成体の原材料を充填して該焼成体の原
    型体を成形し、該原型体を焼成して焼成体を形成する焼
    成体の製造装置であって、 上記成形用雌型の型溝内に焼成体の原材料を充填して該
    焼成体の原型体を成形する原型体形成手段と、 該原型体形成手段により成形された原型体に対する焼成
    処理を行って該成形用雌型を焼失させるとともに該焼成
    体を焼成する焼成炉とを有することを特徴とする焼成体
    の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100482323B1 (ko) * 2002-02-04 2005-04-13 엘지전자 주식회사 전계 방출 표시소자의 스페이서 제조방법 및 제조장치

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