JP2001053420A - プリント配線板用転写フイルムとそれを使用して得るプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

プリント配線板用転写フイルムとそれを使用して得るプリント配線板及びその製造方法

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JP2001053420A
JP2001053420A JP26428599A JP26428599A JP2001053420A JP 2001053420 A JP2001053420 A JP 2001053420A JP 26428599 A JP26428599 A JP 26428599A JP 26428599 A JP26428599 A JP 26428599A JP 2001053420 A JP2001053420 A JP 2001053420A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回路基板にプリント配線板用転写フイルムを使
用して、転写により配線回路を形成してプリント配線板
を製造する際に、転写時の熱やプラスチックフイルムの
伸びによって、導電性を有するCu薄膜層にクラックや
断線が生じたり、経時によりCu薄膜層に腐食が発生し
たりすることがないプリント配線板用転写フイルム、及
びそれを使用して得るプリント配線板とその製造方法を
提供する。 【解決手段】プラスチックフイルムの片面に、離型層、
厚さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜10
000ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜
層、さらに必要に応じて接着層を順次形成したことを特
徴とするプリント配線板用転写フイルム、及びそれを使
用して転写法により配線回路を形成したプリント配線板
であり、その転写方法にインモールド成形転写が使用可
能になったことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写方法で配線回
路を形成するプリント配線板、及びその製造方法に関す
る。さらに本発明は、上記プリント配線板の製造に使用
するプリント配線板用転写フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来例えばプリント配線板の製造方法と
しては、紙又は、ガラス繊維にフェノール樹脂やエポキ
シ樹脂を含浸したベース基材に銅箔を貼り合わせ、銅箔
面にレジスト印刷した後、塩化第二鉄水溶液等によりエ
ッチングして所望の配線パターンを得る方法がある。ま
た、基材の絶縁性フイルムに銅箔を貼り合わせ、前記と
同様の方法で製造した、配線に柔軟性をもたせたフレキ
シブル配線板が知られている。
【0003】しかし、上記のような銅箔を使用したプリ
ント配線板は、製造工程も複雑で、そのためコストも高
くなるという欠点があった。さらに、銅箔の厚みが30
μm以上と厚いためにエッチング工程に時間がかかると
いう問題もあった。
【0004】そこで、上記の問題を解決するために、転
写方法により配線回路を形成するプリント配線板用転写
フイルムが発明された。例えば、特公昭44−3102
2号公報には、ポリエステルフイルム等のシート上に、
離型層、厚みが2μm〜30μmの銅蒸着層、接着剤層
を順次形成した転写シートを使用して、凹凸面を形成し
た樹脂成型板の凸面上に配線回路を形成する、プリント
配線板の製造方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
プリント配線板用転写フイルムは、転写されて導電性を
有する配線回路となる銅蒸着層が一層のみで構成されて
いるため、該転写フイルムの製造工程、及びプリント配
線板の製造時に、銅蒸着層にクラックが生じ易く、その
ため配線回路が断線してしまうという問題があった。従
って、でき上がったプリント配線板の歩留まりも悪かっ
た。また、銅蒸着層がプリント配線板の最表層に形成さ
れているため、経時により銅蒸着層の腐食が容易におこ
り、導電性が失われるという問題があった。さらに、プ
リント配線板の形状は、銅蒸着層の断線の問題から、平
板状、若しくはせいぜい緩やかな曲面状に限られてお
り、急な曲面状や複雑な形状の成形品に配線回路を形成
することはできなかった。また、転写時の熱や、シート
の伸びや歪み等でも、銅蒸着層のクラックや断線が生じ
易かった。従って、インモールド成形転写のように成形
と同時に回路基板に配線回路を転写しようとした場合に
は、転写時の熱や、シートの伸びや歪みがさらに大きく
なり、銅蒸着層のクラックや断線がいっそう生じ易くな
るので、インモールド成形転写には全く使用できなかっ
た。従来のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを
使用したプリント配線板は、以上のような問題から到底
実用に耐えられるものではなかった。本発明は、上記全
ての欠点を除去したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
フイルムの片面に、離型層、厚さ10〜300ÅのNi
薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層、厚
さ10〜300ÅのNi薄膜層、さらに必要に応じて接
着層を順次形成したことを特徴とするプリント配線板用
転写フイルムである。本発明は、厚さ10〜300Åの
Ni薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜
層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層が配線回路を形成
していることを特徴とする、上記プリント配線板用転写
フイルムである。また、本発明は、上記プリント配線板
用転写フイルムのプラスチックフイルムの厚みが38〜
75μmであること、及び離型層がシリコーン樹脂層で
あることを特徴とするインモールド成形転写に最適なプ
リント配線板用転写フイルムである。さらに、本発明
は、上記プリント配線板用転写フイルムを回路基板に転
写して得ることを特徴とするプリント配線板の製造方法
である。また、上記転写方法が、特にインモールド成形
転写法であることを特徴とするプリント配線板の製造方
法である。本発明は、回路基板上に形成された配線が、
回路基板上に接着層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜
層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層、厚さ1
0〜300ÅのNi薄膜層を順次形成したものであるこ
とを特徴とするプリント配線板である。
【0007】本発明のプリント配線板用転写フイルム
は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、厚さ
10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた構成
になっているので、該転写フイルムの製造工程、及びプ
リント配線板の製造時に、Cu薄膜層にクラックが生じ
ず、そのため配線回路が断線してしまうということもな
い。従って、本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、でき上がったプリント配線板もCu薄膜層
が、Ni薄膜層でサンドイッチされた構成になっている
ので、配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅に向上し
た。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイッチされ
た構成になっているので、プリント配線板用転写フイル
ムを回路基板に転写してでき上がったプリント配線板
は、Cu薄膜層が最表層に形成されていないため、経時
によりCu薄膜層の腐食がおこり難く、導電性が失われ
るということもない。従って、でき上がったプリント配
線板は、耐蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。
さらに、Cu薄膜層の断線の問題がないので、プリント
配線板の形状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急
な曲面状や複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容
易に形成することができる。また、Cu薄膜層が、Ni
薄膜層でサンドイッチされた構成になっているので、転
写時の熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪み等でも
Cu薄膜層の断線が生じない。従って、転写時の熱や、
プラスチックフイルムの伸びや歪みが非常に大きいイン
モールド成形転写においても、成形と同時に複雑な形状
の回路基板に配線回路を容易に転写することができる。
本発明のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを使
用したプリント配線板は、以上のような点から十分実用
に耐え得るものである。また、本発明のプリント配線板
用転写フイルムを使用すればプリント配線板の製造工程
も短縮でき、品質も安定しているので、品質管理コスト
も削減でき、従って製造コストも大幅に削減できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のプリント配線板用転写フ
イルムに使用するプラスチックフイルムは、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、アクリル、塩酢ビ、メラミ
ン、ノルボルネン系樹脂、トリアセチルセルロース、A
BS樹脂等の従来転写フイルムに使用されている各種の
プラスチックフイルムであれば特に制限はないが、耐熱
性、強度等の点からポリエチレンテレフタレートフイル
ムが好ましい。プラスチックフイルムの厚さは、12〜
75μm、好ましくは25〜75μm、さらにインモー
ルド成形時に使用するには耐熱性を考慮して38〜75
μmが特に好ましい。
【0009】離型層は、転写時にプラスチックフイルム
とNi薄膜層との間に離型性を持たせるためのもので、
転写後にはNi薄膜層が被転写物の最表層になるよう
に、Ni薄膜層との界面で剥離することが好ましい。し
かし、転写後に離型層がNi薄膜層上に形成されていて
も、導電性に影響を与えない程度であれば特に問題はな
い。離型層に使用される樹脂としては、シリコーン樹
脂、熱により溶融する各種ワックス類、その他Ni薄膜
層と剥離する樹脂であれば特に制限はないが、転写時の
熱によるCu薄膜層のクラックや断線の発生、及びNi
薄膜層界面との離型性を考慮すれば、シリコーン樹脂が
好ましく、特にインモールド成形転写には最適である。
離型層の厚さは、0.005〜2.0μm、好ましくは
0.005〜0.5μm、さらに好ましくは0.005
〜0.1μmである。離型層の厚さが0.005μmよ
り薄いと離型性が低下して、転写性が失われるので好ま
しくない。離型層の厚さが2.0μmより厚いと離型性
が良すぎて、離型層上に形成された、Ni薄膜層、Cu
薄膜層、Ni薄膜層、接着層の各層が容易に剥離してし
まい、所謂、箔散りが生じてしまうので好ましくない。
離型層は、グラビアコート法、リバースコート法、バー
コート法、ダイコート法等の従来公知の方法で設けるこ
とができる。
【0010】厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層
は、配線回路に導電性を付与するものである。Cu薄膜
層の厚さが、1000Åより薄いと電気抵抗値が高くな
るので好ましくない。Cu薄膜層の厚さが、10000
Åより厚いとNi薄膜層でサンドイッチされていてもク
ラックや断線を生じ易くなるので好ましくない。従っ
て、Cu薄膜層の厚さは、1000〜10000Åが好
ましい。Cu薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等の従来公知の薄膜生成法
により容易に、安価に、かつ、大量に形成することがで
きる。
【0011】厚さ10〜300ÅのNi薄膜層は、Cu
薄膜層の耐蝕性を改善してCu薄膜層の腐食を防止する
とともに、Cu薄膜層のクラックや断線を防止するもの
であり、Cu薄膜層の両面にあってその効果を発揮す
る。Ni薄膜層の厚さが10Åより薄いと、Cu薄膜層
の腐食防止や、Cu薄膜層のクラックや断線の防止が十
分でない。Ni薄膜層の厚さが300Åより厚いと、N
i薄膜層に極少のクラックが入りやすくなり、その結果
として、やはりCu薄膜層の腐食防止や、Cu薄膜層の
クラックや断線の防止を十分にできない。Ni薄膜層
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等の従来公知の薄膜生成法により容易に、安価
に、かつ、大量に形成することができる。
【0012】また、Cu薄膜層とNi薄膜層間の密着力
向上のために、Cu薄膜層とNi各薄膜層間に、導電性
や耐クラック性に影響を及ぼさない範囲で、樹脂薄膜層
や金属薄膜層を設けてもよい。樹脂薄膜層や金属薄膜層
を設けることにより、転写して得るプリント配線板の耐
蝕性もさらに向上する。
【0013】接着層は、Ni薄膜層上に、必要に応じて
設ければよい。接着層は、プリント配線板用転写フイル
ムを回路基板に転写した場合、回路基板とNi薄膜層と
を接着するものである。接着層に使用する樹脂は、従来
の転写フイルムに使用されている樹脂であれば特に制限
はなく、回路基板に使用される樹脂の種類により適宜選
択すればよい。例えば、アクリル系、アクリル/ビニル
系、エチレン/酢酸ビニル系、ABS、塩ビ等の樹脂が
使用できる。接着層の厚さは、1〜10μm、好ましく
は2〜4μmである。接着層の厚さが1μmより薄い
と、接着性が低下して、転写した時に回路基板との密着
力が悪くなるので好ましくない。接着層の厚さが10μ
mより厚いと、接着性はそれ以上向上することがないの
で経済的ではなく、また接着剤を塗工して接着層を形成
する際に、溶剤の飛散が遅くなるので加工速度が落ちて
生産性が低下するので好ましくない。接着層は、グラビ
アコート法、リバースコート法、バーコート法、ダイコ
ート法等の従来公知の方法で設けることができる。
【0014】本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、回路基板に転写すれば、容易に所望の配線回
路を形成したプリント配線板を得ることができる。プリ
ント配線板用転写フイルムを使用して、回路基板に転写
して、所望の配線回路を形成したプリント配線板を得る
方法としては、例えば、該転写フイルムに接着層を設け
てある場合には、配線回路を形成した刻印を使用して転
写する方法、回路基板に凸面状の配線回路を形成してお
き、熱プレスする方法等があり、該転写フイルムに接着
層を設けてない場合には、回路基板に、接着層で配線回
路を形成しておき、転写すればよい。
【0015】また、プリント配線板用転写フイルムにあ
らかじめ、配線回路を形成しておくこともできる。あら
かじめ配線回路を形成しておけば、わさわざ配線回路を
刻印や回路基板に形成しなくてすむので、プリント配線
板の製造におけるコストも安くなり、製造工程も短縮で
きる。
【0016】プリント配線板用転写フイルムにあらかじ
め、配線回路を形成しておく方法としては、例えばプラ
スチックフイルムの片面に、離型層、厚さ10〜300
ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄
膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層を順次形成し、
その上に、所望の配線回路をレジスト印刷したのち、エ
ッチングにより、非印刷部分のNi薄膜層/Cu薄膜層
/Ni薄膜層を除去し、さらに印刷層を洗浄除去して所
望の配線回路を形成することができる。印刷層は、プリ
ント配線板用転写フイルムを回路基板に転写したあと、
導電性に影響を与えるものではないので、洗浄除去しな
くてもよい。さらに、必要に応じて配線回路の上に接着
層を形成してもよい。
【0017】配線回路をあらかじめ形成したプリント配
線板用転写フイルムを回路基板に転写する方法は、該転
写フイルムに接着層を設けてある場合には、熱プレスや
熱ロール転写する方法等があり、該転写フイルムに接着
層を設けてない場合には、回路基板に、接着層を形成し
ておき、転写すればよい。上記の方法により、容易に所
望の配線回路を形成したプリント配線板を得ることがで
きる。
【0018】また、本発明のプリント配線板用転写フイ
ルムは、インモールド成形転写法に使用すれば成形と同
時に転写を行うことができる。この場合、成形品に凸面
状の配線回路を形成しておくか、該転写フイルムにあら
かじめ配線回路を形成しておけば、成形と同時に配線回
路の形成を行うことができるので、特に有益である。本
発明のプリント配線板用転写フイルムは、Cu薄膜層を
Ni薄膜層でサンドイッチした構成となっているので、
成形時における熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪
みによって、Ni薄膜層/Cu薄膜層/Ni薄膜層にク
ラックや断線が生じることがないので、従来は使用不可
能であったインモールド成形転写法に使用可能となっ
た。特に、プラスチックフイルムの厚みを38〜75μ
m、及び離型層をシリコーン樹脂にすると、インモール
ド成形転写法には最適である。
【0019】本発明のプリント配線板は、上記プリント
配線板用転写フイルムを使用して、上記何れかの方法で
得ることができ、その構成は、回路基板上に接着層、厚
さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜100
00ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層
を順次形成したことを特徴とする。本発明のプリント配
線板は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、
厚さ10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた
構成になっているので、プリント配線板の製造時に、C
u薄膜層にクラックが生じず、そのため配線回路が断線
してしまうということもない。従って、でき上がったプ
リント配線板も配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅
に向上した。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイ
ッチされた構成になっているので、Cu薄膜層が最表層
に形成されていないため、経時によりCu薄膜層の腐食
がおこり難く、導電性が失われるということもなく、耐
蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。さらに、C
u薄膜層の断線の問題がないので、プリント配線板の形
状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急な曲面状や
複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容易に形成す
ることができる。
【0020】ここで、本発明に係るプリント配線板用転
写フイルムについて、図面を参照しながら説明する。図
1は、本発明に係るプリント配線板用転写フイルムの一
例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム
1の片面に、離型層2、Ni薄膜層3、Cu薄膜層4、
Ni薄膜層3、接着層5が順次形成されている。図2
は、本発明に係るプリント配線板用転写フイルムに配線
回路を形成した一例を示す一部拡大断面図であり、プラ
スチックフイルム1の片面に、離型層2が形成されてお
り、その上にNi薄膜層3、Cu薄膜層4、Ni薄膜層
3が一部除去されて配線回路を形成し、さらにその上に
全面に接着層5が順次形成されている。図1、及び図2
に示したプリント配線板用転写フイルムの接着層側を回
路基板側にして、回路基板に適宜の方法で転写した後、
プラスチックフイルムを剥離すれば、本発明のプリント
配線板が得られる。プラスチックフイルムを剥離する時
に、離型層2は通常プラスチックフイルムと一緒に剥離
されるが、一部剥離されずにプリント配線板のNi薄膜
層上に形成されていても、導電性に影響を与えない程度
であれば特に問題はない。
【0021】
【実施例】厚さ38μmのポリエステルフイルム(三菱
化学ポリエステルフイルム社製ダイアホイルT100)
の片面に、シリコーン樹脂をグラビアコート法にてコー
ティングして厚さ0.1μmの離型層を形成し、該離型
層上に、真空蒸着法により厚さ100ÅのNi薄膜層、
厚さ3000ÅのCu薄膜層、厚さ100ÅのNi薄膜
層を順次形成した。次に、Ni薄膜層上にレジスト用塗
料(太陽インキ社製)を配線回路パターンにシルクスク
リーン印刷して、配線回路印刷層を形成した後、非印刷
部分のNi薄膜層、Cu薄膜層、Ni薄膜層を塩化第二
鉄水溶液を使用してエッチング除去し、さらに水酸化ナ
トリウム水溶液を使用して、配線回路印刷層を水洗除去
し、所望の配線回路を形成した。そして、配線回路面側
の全面にABS接着剤(大日精化社製)を使用して、厚
さ2μmの接着層を形成し、図2に示すような本発明の
プリント配線板用転写フイルムを得た。得られたプリン
ト配線板用転写フイルムを使用して、インモールド成形
転写法でABS樹脂成形品の表面に配線回路を形成し、
目的のプリント配線板を得た。得られたプリント配線板
は、断線もなく、経時的にも安定で歩留まりも向上し
た。
【0022】
【発明の効果】本発明のプリント配線板用転写フイルム
は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、厚さ
10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた構成
になっているので、該転写フイルムの製造工程、及びプ
リント配線板の製造時に、Cu薄膜層にクラックが生じ
ず、そのため配線回路が断線してしまうということもな
い。従って、本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、でき上がったプリント配線板もCu薄膜層
が、Ni薄膜層でサンドイッチされた構成になっている
ので、配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅に向上し
た。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイッチされ
た構成になっているので、プリント配線板用転写フイル
ムを回路基板に転写してでき上がったプリント配線板
は、Cu薄膜層が最表層に形成されていないため、経時
によりCu薄膜層の腐食がおこり難く、導電性が失われ
るということもない。従って、でき上がったプリント配
線板は、耐蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。
さらに、Cu薄膜層の断線の問題がないので、プリント
配線板の形状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急
な曲面状や複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容
易に形成することができる。また、Cu薄膜層が、Ni
薄膜層でサンドイッチされた構成になっているので、転
写時の熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪み等でも
Cu薄膜層の断線が生じない。従って、転写時の熱や、
プラスチックフイルムの伸びや歪みが非常に大きいイン
モールド成形転写においても、成形と同時に複雑な形状
の回路基板に配線回路を容易に転写することができる。
本発明のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを使
用したプリント配線板は、以上のような点から十分実用
に耐え得るものである。また、本発明のプリント配線板
用転写フイルムを使用すればプリント配線板の製造工程
も短縮でき、品質も安定しているので、品質管理コスト
も削減でき、従って製造コストも大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリント配線板用転写フイルムの
一例を示す一部拡大断面図である。
【図2】本発明に係るプリント配線板用転写フイルムに
配線回路を形成した一例を示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチックフイルム 2 離型層 3 Ni薄膜層 4 Cu薄膜層 5 接着層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年5月18日(2000.5.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】プリント配線板用転写フイルムとそれを
使用して得るプリント配線板及びその製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写方法で配線回
路を形成するプリント配線板、及びその製造方法に関す
る。さらに本発明は、上記プリント配線板の製造に使用
するプリント配線板用転写フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来例えばプリント配線板の製造方法と
しては、紙又は、ガラス繊維にフェノール樹脂やエポキ
シ樹脂を含浸したベース基材に銅箔を貼り合わせ、銅箔
面にレジスト印刷した後、塩化第二鉄水溶液等によりエ
ッチングして所望の配線パターンを得る方法がある。ま
た、基材の絶縁性フイルムに銅箔を貼り合わせ、前記と
同様の方法で製造した、配線に柔軟性をもたせたフレキ
シブル配線板が知られている。
【0003】しかし、上記のような銅箔を使用したプリ
ント配線板は、製造工程も複雑で、そのためコストも高
くなるという欠点があった。さらに、銅箔の厚みが30
μm以上と厚いためにエッチング工程に時間がかかると
いう問題もあった。
【0004】そこで、上記の問題を解決するために、転
写方法により配線回路を形成するプリント配線板用転写
フイルムが発明された。例えば、特公昭44−3102
2号公報には、ポリエステルフイルム等のシート上に、
離型層、厚みが2μm〜30μmの銅蒸着層、接着剤層
を順次形成した転写シートを使用して、凹凸面を形成し
た樹脂成型板の凸面上に配線回路を形成する、プリント
配線板の製造方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
プリント配線板用転写フイルムは、転写されて導電性を
有する配線回路となる銅蒸着層が一層のみで構成されて
いるため、該転写フイルムの製造工程、及びプリント配
線板の製造時に、銅蒸着層にクラックが生じ易く、その
ため配線回路が断線してしまうという問題があった。従
って、でき上がったプリント配線板の歩留まりも悪かっ
た。また、銅蒸着層がプリント配線板の最表層に形成さ
れているため、経時により銅蒸着層の腐食が容易におこ
り、導電性が失われるという問題があった。さらに、プ
リント配線板の形状は、銅蒸着層の断線の問題から、平
板状、若しくはせいぜい緩やかな曲面状に限られてお
り、急な曲面状や複雑な形状の成形品に配線回路を形成
することはできなかった。また、転写時の熱や、シート
の伸びや歪み等でも、銅蒸着層のクラックや断線が生じ
易かった。従って、インモールド成形転写のように成形
と同時に回路基板に配線回路を転写しようとした場合に
は、転写時の熱や、シートの伸びや歪みがさらに大きく
なり、銅蒸着層のクラックや断線がいっそう生じ易くな
るので、インモールド成形転写には全く使用できなかっ
た。従来のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを
使用したプリント配線板は、以上のような問題から到底
実用に耐えられるものではなかった。本発明は、上記全
ての欠点を除去したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
フイルムの片面に、離型層、厚さ10〜300ÅのNi
薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層、厚
さ10〜300ÅのNi薄膜層、接着層を順次形成した
プリント配線板用転写フイルムにおいて、厚さ10〜3
00ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのC
u薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層が配線回路
を形成していることを特徴とするプリント配線板用転写
フイルムである。また、本発明は、上記プリント配線板
用転写フイルムのプラスチックフイルムの厚みが38〜
75μmであること、及び離型層がシリコーン樹脂層で
あることを特徴とするインモールド成形転写に最適なプ
リント配線板用転写フイルムである。さらに、本発明
は、上記プリント配線板用転写フイルムを回路基板に転
写して得ることを特徴とするプリント配線板の製造方法
である。また、上記転写方法が、特にインモールド成形
転写法であることを特徴とするプリント配線板の製造方
法である。本発明は、回路基板上に形成された配線が、
回路基板上に接着層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜
層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層、厚さ1
0〜300ÅのNi薄膜層を順次形成したものであるこ
とを特徴とするプリント配線板である。
【0007】本発明のプリント配線板用転写フイルム
は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、厚さ
10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた構成
になっているので、該転写フイルムの製造工程、及びプ
リント配線板の製造時に、Cu薄膜層にクラックが生じ
ず、そのため配線回路が断線してしまうということもな
い。従って、本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、でき上がったプリント配線板もCu薄膜層
が、Ni薄膜層でサンドイッチされた構成になっている
ので、配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅に向上し
た。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイッチされ
た構成になっているので、プリント配線板用転写フイル
ムを回路基板に転写してでき上がったプリント配線板
は、Cu薄膜層が最表層に形成されていないため、経時
によりCu薄膜層の腐食がおこり難く、導電性が失われ
るということもない。従って、でき上がったプリント配
線板は、耐蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。
さらに、Cu薄膜層の断線の問題がないので、プリント
配線板の形状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急
な曲面状や複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容
易に形成することができる。また、Cu薄膜層が、Ni
薄膜層でサンドイッチされた構成になっているので、転
写時の熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪み等でも
Cu薄膜層の断線が生じない。従って、転写時の熱や、
プラスチックフイルムの伸びや歪みが非常に大きいイン
モールド成形転写においても、成形と同時に複雑な形状
の回路基板に配線回路を容易に転写することができる。
本発明のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを使
用したプリント配線板は、以上のような点から十分実用
に耐え得るものである。また、本発明のプリント配線板
用転写フイルムを使用すればプリント配線板の製造工程
も短縮でき、品質も安定しているので、品質管理コスト
も削減でき、従って製造コストも大幅に削減できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のプリント配線板用転写フ
イルムに使用するプラスチックフイルムは、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、アクリル、塩酢ビ、メラミ
ン、ノルボルネン系樹脂、トリアセチルセルロース、A
BS樹脂等の従来転写フイルムに使用されている各種の
プラスチックフイルムであれば特に制限はないが、耐熱
性、強度等の点からポリエチレンテレフタレートフイル
ムが好ましい。プラスチックフイルムの厚さは、12〜
75μm、好ましくは25〜75μm、さらにインモー
ルド成形時に使用するには耐熱性を考慮して38〜75
μmが特に好ましい。
【0009】離型層は、転写時にプラスチックフイルム
とNi薄膜層との間に離型性を持たせるためのもので、
転写後にはNi薄膜層が被転写物の最表層になるよう
に、Ni薄膜層との界面で剥離することが好ましい。し
かし、転写後に離型層がNi薄膜層上に形成されていて
も、導電性に影響を与えない程度であれば特に問題はな
い。離型層に使用される樹脂としては、シリコーン樹
脂、熱により溶融する各種ワックス類、その他Ni薄膜
層と剥離する樹脂であれば特に制限はないが、転写時の
熱によるCu薄膜層のクラックや断線の発生、及びNi
薄膜層界面との離型性を考慮すれば、シリコーン樹脂が
好ましく、特にインモールド成形転写には最適である。
離型層の厚さは、0.005〜2.0μm、好ましくは
0.005〜0.5μm、さらに好ましくは0.005
〜0.1μmである。離型層の厚さが0.005μmよ
り薄いと離型性が低下して、転写性が失われるので好ま
しくない。離型層の厚さが2.0μmより厚いと離型性
が良すぎて、離型層上に形成された、Ni薄膜層、Cu
薄膜層、Ni薄膜層、接着層の各層が容易に剥離してし
まい、所謂、箔散りが生じてしまうので好ましくない。
離型層は、グラビアコート法、リバースコート法、バー
コート法、ダイコート法等の従来公知の方法で設けるこ
とができる。
【0010】厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層
は、配線回路に導電性を付与するものである。Cu薄膜
層の厚さが、1000Åより薄いと電気抵抗値が高くな
るので好ましくない。Cu薄膜層の厚さが、10000
Åより厚いとNi薄膜層でサンドイッチされていてもク
ラックや断線を生じ易くなるので好ましくない。従っ
て、Cu薄膜層の厚さは、1000〜10000Åが好
ましい。Cu薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等の従来公知の薄膜生成法
により容易に、安価に、かつ、大量に形成することがで
きる。
【0011】厚さ10〜300ÅのNi薄膜層は、Cu
薄膜層の耐蝕性を改善してCu薄膜層の腐食を防止する
とともに、Cu薄膜層のクラックや断線を防止するもの
であり、Cu薄膜層の両面にあってその効果を発揮す
る。Ni薄膜層の厚さが10Åより薄いと、Cu薄膜層
の腐食防止や、Cu薄膜層のクラックや断線の防止が十
分でない。Ni薄膜層の厚さが300Åより厚いと、N
i薄膜層に極少のクラックが入りやすくなり、その結果
として、やはりCu薄膜層の腐食防止や、Cu薄膜層の
クラックや断線の防止を十分にできない。Ni薄膜層
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等の従来公知の薄膜生成法により容易に、安価
に、かつ、大量に形成することができる。
【0012】また、Cu薄膜層とNi薄膜層間の密着力
向上のために、Cu薄膜層とNi各薄膜層間に、導電性
や耐クラック性に影響を及ぼさない範囲で、樹脂薄膜層
や金属薄膜層を設けてもよい。樹脂薄膜層や金属薄膜層
を設けることにより、転写して得るプリント配線板の耐
蝕性もさらに向上する。
【0013】接着層は、Ni薄膜層上に設けられてい
て、プリント配線板用転写フイルムを回路基板に転写し
た場合、回路基板とNi薄膜層とを接着するものであ
る。接着層に使用する樹脂は、従来の転写フイルムに使
用されている樹脂であれば特に制限はなく、回路基板に
使用される樹脂の種類により適宜選択すればよい。例え
ば、アクリル系、アクリル/ビニル系、エチレン/酢酸
ビニル系、ABS、塩ビ等の樹脂が使用できる。接着層
の厚さは、1〜10μm、好ましくは2〜4μmであ
る。接着層の厚さが1μmより薄いと、接着性が低下し
て、転写した時に回路基板との密着力が悪くなるので好
ましくない。接着層の厚さが10μmより厚いと、接着
性はそれ以上向上することがないので経済的ではなく、
また接着剤を塗工して接着層を形成する際に、溶剤の飛
散が遅くなるので加工速度が落ちて生産性が低下するの
で好ましくない。接着層は、グラビアコート法、リバー
スコート法、バーコート法、ダイコート法等の従来公知
の方法で設けることができる。
【0014】本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、回路基板に転写すれば、容易に所望の配線回
路を形成したプリント配線板を得ることができる。
【0015】本発明のプリント配線板用転写フイルム
は、あらかじめ配線回路を形成してある。あらかじめ配
線回路を形成しておけば、わさわざ配線回路を刻印や回
路基板に形成しなくてすむので、プリント配線板の製造
におけるコストも安くなり、製造工程も短縮できる。
【0016】本発明のプリント配線板用転写フイルムに
配線回路を形成する方法としては、例えばプラスチック
フイルムの片面に、離型層、厚さ10〜300ÅのNi
薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層、厚
さ10〜300ÅのNi薄膜層を順次形成し、その上
に、所望の配線回路をレジスト印刷したのち、エッチン
グにより、非印刷部分のNi薄膜層/Cu薄膜層/Ni
薄膜層を除去し、さらに印刷層を洗浄除去して所望の配
線回路を形成することができる。印刷層は、プリント配
線板用転写フイルムを回路基板に転写したあと、導電性
に影響を与えるものではないので、洗浄除去しなくても
よい。
【0017】本発明のプリント配線板用転写フイルムを
回路基板に転写する方法は、熱プレスや熱ロール転写す
る方法等があり、これらの方法により、容易に所望の配
線回路を形成したプリント配線板を得ることができる。
【0018】また、本発明のプリント配線板用転写フイ
ルムは、インモールド成形転写法に使用すれば成形と同
時に転写を行うことができるので特に有益である。。本
発明のプリント配線板用転写フイルムは、Cu薄膜層を
Ni薄膜層でサンドイッチした構成となっているので、
成形時における熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪
みによって、Ni薄膜層/Cu薄膜層/Ni薄膜層にク
ラックや断線が生じることがないので、従来は使用不可
能であったインモールド成形転写法に使用可能となっ
た。特に、プラスチックフイルムの厚みを38〜75μ
m、及び離型層をシリコーン樹脂にすると、インモール
ド成形転写法には最適である。
【0019】本発明のプリント配線板は、上記プリント
配線板用転写フイルムを使用して、上記何れかの方法で
得ることができ、その構成は、回路基板上に接着層、厚
さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜100
00ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層
を順次形成したことを特徴とする。本発明のプリント配
線板は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、
厚さ10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた
構成になっているので、プリント配線板の製造時に、C
u薄膜層にクラックが生じず、そのため配線回路が断線
してしまうということもない。従って、でき上がったプ
リント配線板も配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅
に向上した。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイ
ッチされた構成になっているので、Cu薄膜層が最表層
に形成されていないため、経時によりCu薄膜層の腐食
がおこり難く、導電性が失われるということもなく、耐
蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。さらに、C
u薄膜層の断線の問題がないので、プリント配線板の形
状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急な曲面状や
複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容易に形成す
ることができる。
【0020】ここで、本発明に係るプリント配線板用転
写フイルムについて、図面を参照しながら説明する。図
1は、本発明に係るプリント配線板用転写フイルムの一
例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム
1の片面に、離型層2が形成されており、その上にNi
薄膜層3、Cu薄膜層4、Ni薄膜層3が一部除去され
て配線回路を形成し、さらにその上に全面に接着層5が
順次形成されている。図1に示したプリント配線板用転
写フイルムの接着層側を回路基板側にして、回路基板に
適宜の方法で転写した後、プラスチックフイルムを剥離
すれば、本発明のプリント配線板が得られる。プラスチ
ックフイルムを剥離する時に、離型層2は通常プラスチ
ックフイルムと一緒に剥離されるが、一部剥離されずに
プリント配線板のNi薄膜層上に形成されていても、導
電性に影響を与えない程度であれば特に問題はない。
【0021】
【実施例】厚さ38μmのポリエステルフイルム(三菱
化学ポリエステルフイルム社製ダイアホイルT100)
の片面に、シリコーン樹脂をグラビアコート法にてコー
ティングして厚さ0.1μmの離型層を形成し、該離型
層上に、真空蒸着法により厚さ100ÅのNi薄膜層、
厚さ3000ÅのCu薄膜層、厚さ100ÅのNi薄膜
層を順次形成した。次に、Ni薄膜層上にレジスト用塗
料(太陽インキ社製)を配線回路パターンにシルクスク
リーン印刷して、配線回路印刷層を形成した後、非印刷
部分のNi薄膜層、Cu薄膜層、Ni薄膜層を塩化第二
鉄水溶液を使用してエッチング除去し、さらに水酸化ナ
トリウム水溶液を使用して、配線回路印刷層を水洗除去
し、所望の配線回路を形成した。そして、配線回路面側
の全面にABS接着剤(大日精化社製)を使用して、厚
さ2μmの接着層を形成し、図1に示すような本発明の
プリント配線板用転写フイルムを得た。得られたプリン
ト配線板用転写フイルムを使用して、インモールド成形
転写法でABS樹脂成形品の表面に配線回路を形成し、
目的のプリント配線板を得た。得られたプリント配線板
は、断線もなく、経時的にも安定で歩留まりも向上し
た。
【0022】
【発明の効果】本発明のプリント配線板用転写フイルム
は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、厚さ
10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた構成
になっているので、該転写フイルムの製造工程、及びプ
リント配線板の製造時に、Cu薄膜層にクラックが生じ
ず、そのため配線回路が断線してしまうということもな
い。従って、本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、でき上がったプリント配線板もCu薄膜層
が、Ni薄膜層でサンドイッチされた構成になっている
ので、配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅に向上し
た。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイッチされ
た構成になっているので、プリント配線板用転写フイル
ムを回路基板に転写してでき上がったプリント配線板
は、Cu薄膜層が最表層に形成されていないため、経時
によりCu薄膜層の腐食がおこり難く、導電性が失われ
るということもない。従って、でき上がったプリント配
線板は、耐蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。
さらに、Cu薄膜層の断線の問題がないので、プリント
配線板の形状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急
な曲面状や複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容
易に形成することができる。また、Cu薄膜層が、Ni
薄膜層でサンドイッチされた構成になっているので、転
写時の熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪み等でも
Cu薄膜層の断線が生じない。従って、転写時の熱や、
プラスチックフイルムの伸びや歪みが非常に大きいイン
モールド成形転写においても、成形と同時に複雑な形状
の回路基板に配線回路を容易に転写することができる。
本発明のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを使
用したプリント配線板は、以上のような点から十分実用
に耐え得るものである。また、本発明のプリント配線板
用転写フイルムを使用すればプリント配線板の製造工程
も短縮でき、品質も安定しているので、品質管理コスト
も削減でき、従って製造コストも大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリント配線板用転写フイルムの
一例を示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】 1 プラスチックフイルム 2 離型層 3 Ni薄膜層 4 Cu薄膜層 5 接着層
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA02 BB01 BB32 CC17 CC19 DD04 DD19 4F100 AB16C AB16E AB17D AK01A AK41 AK52B AK74 AS00B BA05 BA07 BA10A BA10E EH46 EH462 EH66 EH662 EJ15 EJ152 GB43 HB31 JB02 JK17 JL02 YY00A YY00C YY00D YY00E 5E343 AA16 BB17 BB24 BB44 DD23 DD52 DD56 DD76 ER13 GG11 GG13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフイルムの片面に、離型層、
    厚さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜10
    000ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜
    層を順次形成したことを特徴とするプリント配線板用転
    写フイルム。
  2. 【請求項2】プラスチックフイルムの片面に、離型層、
    厚さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜10
    000ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜
    層、接着層を順次形成したことを特徴とするプリント配
    線板用転写フイルム。
  3. 【請求項3】厚さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1
    000〜10000ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300
    ÅのNi薄膜層が配線回路を形成していることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のプリント配線板用転写フイ
    ルム。
  4. 【請求項4】プラスチックフイルムの厚みが38〜75
    μmであること、及び離型層がシリコーン樹脂層である
    ことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のプリン
    ト配線板用転写フイルム。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4何れかに記載のプリント配
    線板用転写フイルムを回路基板に転写して得ることを特
    徴とするプリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】転写方法が、インモールド成形転写法であ
    ることを特徴とする請求項5に記載のプリント配線板の
    製造方法。
  7. 【請求項7】回路基板上に形成された配線が、回路基板
    上に接着層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1
    000〜10000ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300
    ÅのNi薄膜層を順次形成したものであることを特徴と
    するプリント配線板。
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