JP3200052B2 - プリント配線板用転写フイルムとそれを使用して得るプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

プリント配線板用転写フイルムとそれを使用して得るプリント配線板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写方法で配線回
路を形成するプリント配線板、及びその製造方法に関す
る。さらに本発明は、上記プリント配線板の製造に使用
するプリント配線板用転写フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来例えばプリント配線板の製造方法と
しては、紙又は、ガラス繊維にフェノール樹脂やエポキ
シ樹脂を含浸したベース基材に銅箔を貼り合わせ、銅箔
面にレジスト印刷した後、塩化第二鉄水溶液等によりエ
ッチングして所望の配線パターンを得る方法がある。ま
た、基材の絶縁性フイルムに銅箔を貼り合わせ、前記と
同様の方法で製造した、配線に柔軟性をもたせたフレキ
シブル配線板が知られている。
【0003】しかし、上記のような銅箔を使用したプリ
ント配線板は、製造工程も複雑で、そのためコストも高
くなるという欠点があった。さらに、銅箔の厚みが30
μm以上と厚いためにエッチング工程に時間がかかると
いう問題もあった。
【0004】そこで、上記の問題を解決するために、転
写方法により配線回路を形成するプリント配線板用転写
フイルムが発明された。例えば、特公昭44−3102
2号公報には、ポリエステルフイルム等のシート上に、
離型層、厚みが2μm〜30μmの銅蒸着層、接着剤層
を順次形成した転写シートを使用して、凹凸面を形成し
た樹脂成型板の凸面上に配線回路を形成する、プリント
配線板の製造方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
プリント配線板用転写フイルムは、転写されて導電性を
有する配線回路となる銅蒸着層が一層のみで構成されて
いるため、該転写フイルムの製造工程、及びプリント配
線板の製造時に、銅蒸着層にクラックが生じ易く、その
ため配線回路が断線してしまうという問題があった。従
って、でき上がったプリント配線板の歩留まりも悪かっ
た。また、銅蒸着層がプリント配線板の最表層に形成さ
れているため、経時により銅蒸着層の腐食が容易におこ
り、導電性が失われるという問題があった。さらに、プ
リント配線板の形状は、銅蒸着層の断線の問題から、平
板状、若しくはせいぜい緩やかな曲面状に限られてお
り、急な曲面状や複雑な形状の成形品に配線回路を形成
することはできなかった。また、転写時の熱や、シート
の伸びや歪み等でも、銅蒸着層のクラックや断線が生じ
易かった。従って、インモールド成形転写のように成形
と同時に回路基板に配線回路を転写しようとした場合に
は、転写時の熱や、シートの伸びや歪みがさらに大きく
なり、銅蒸着層のクラックや断線がいっそう生じ易くな
るので、インモールド成形転写には全く使用できなかっ
た。従来のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを
使用したプリント配線板は、以上のような問題から到底
実用に耐えられるものではなかった。本発明は、上記全
ての欠点を除去したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
フイルムの片面に、離型層、厚さ10〜300ÅのNi
薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層、厚
さ10〜300ÅのNi薄膜層、接着層を順次形成した
プリント配線板用転写フイルムにおいて、厚さ10〜3
00ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのC
u薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層が配線回路
を形成していることを特徴とするプリント配線板用転写
フイルムである。また、本発明は、上記プリント配線板
用転写フイルムのプラスチックフイルムの厚みが38〜
75μmであること、及び離型層がシリコーン樹脂層で
あることを特徴とするインモールド成形転写に最適なプ
リント配線板用転写フイルムである。さらに、本発明
は、上記プリント配線板用転写フイルムを回路基板に転
写して得ることを特徴とするプリント配線板の製造方法
である。また、上記転写方法が、特にインモールド成形
転写法であることを特徴とするプリント配線板の製造方
法である。本発明は、回路基板上に形成された配線が、
回路基板上に接着層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜
層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層、厚さ1
0〜300ÅのNi薄膜層を順次形成したものであるこ
とを特徴とするプリント配線板である。
【0007】本発明のプリント配線板用転写フイルム
は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、厚さ
10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた構成
になっているので、該転写フイルムの製造工程、及びプ
リント配線板の製造時に、Cu薄膜層にクラックが生じ
ず、そのため配線回路が断線してしまうということもな
い。従って、本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、でき上がったプリント配線板もCu薄膜層
が、Ni薄膜層でサンドイッチされた構成になっている
ので、配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅に向上し
た。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイッチされ
た構成になっているので、プリント配線板用転写フイル
ムを回路基板に転写してでき上がったプリント配線板
は、Cu薄膜層が最表層に形成されていないため、経時
によりCu薄膜層の腐食がおこり難く、導電性が失われ
るということもない。従って、でき上がったプリント配
線板は、耐蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。
さらに、Cu薄膜層の断線の問題がないので、プリント
配線板の形状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急
な曲面状や複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容
易に形成することができる。また、Cu薄膜層が、Ni
薄膜層でサンドイッチされた構成になっているので、転
写時の熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪み等でも
Cu薄膜層の断線が生じない。従って、転写時の熱や、
プラスチックフイルムの伸びや歪みが非常に大きいイン
モールド成形転写においても、成形と同時に複雑な形状
の回路基板に配線回路を容易に転写することができる。
本発明のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを使
用したプリント配線板は、以上のような点から十分実用
に耐え得るものである。また、本発明のプリント配線板
用転写フイルムを使用すればプリント配線板の製造工程
も短縮でき、品質も安定しているので、品質管理コスト
も削減でき、従って製造コストも大幅に削減できる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のプリント配線板用転写フ
イルムに使用するプラスチックフイルムは、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、アクリル、塩酢ビ、メラミ
ン、ノルボルネン系樹脂、トリアセチルセルロース、A
BS樹脂等の従来転写フイルムに使用されている各種の
プラスチックフイルムであれば特に制限はないが、耐熱
性、強度等の点からポリエチレンテレフタレートフイル
ムが好ましい。プラスチックフイルムの厚さは、12〜
75μm、好ましくは25〜75μm、さらにインモー
ルド成形時に使用するには耐熱性を考慮して38〜75
μmが特に好ましい。
【0009】離型層は、転写時にプラスチックフイルム
とNi薄膜層との間に離型性を持たせるためのもので、
転写後にはNi薄膜層が被転写物の最表層になるよう
に、Ni薄膜層との界面で剥離することが好ましい。し
かし、転写後に離型層がNi薄膜層上に形成されていて
も、導電性に影響を与えない程度であれば特に問題はな
い。離型層に使用される樹脂としては、シリコーン樹
脂、熱により溶融する各種ワックス類、その他Ni薄膜
層と剥離する樹脂であれば特に制限はないが、転写時の
熱によるCu薄膜層のクラックや断線の発生、及びNi
薄膜層界面との離型性を考慮すれば、シリコーン樹脂が
好ましく、特にインモールド成形転写には最適である。
離型層の厚さは、0.005〜2.0μm、好ましくは
0.005〜0.5μm、さらに好ましくは0.005
〜0.1μmである。離型層の厚さが0.005μmよ
り薄いと離型性が低下して、転写性が失われるので好ま
しくない。離型層の厚さが2.0μmより厚いと離型性
が良すぎて、離型層上に形成された、Ni薄膜層、Cu
薄膜層、Ni薄膜層、接着層の各層が容易に剥離してし
まい、所謂、箔散りが生じてしまうので好ましくない。
離型層は、グラビアコート法、リバースコート法、バー
コート法、ダイコート法等の従来公知の方法で設けるこ
とができる。
【0010】厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層
は、配線回路に導電性を付与するものである。Cu薄膜
層の厚さが、1000Åより薄いと電気抵抗値が高くな
るので好ましくない。Cu薄膜層の厚さが、10000
Åより厚いとNi薄膜層でサンドイッチされていてもク
ラックや断線を生じ易くなるので好ましくない。従っ
て、Cu薄膜層の厚さは、1000〜10000Åが好
ましい。Cu薄膜層は、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法等の従来公知の薄膜生成法
により容易に、安価に、かつ、大量に形成することがで
きる。
【0011】厚さ10〜300ÅのNi薄膜層は、Cu
薄膜層の耐蝕性を改善してCu薄膜層の腐食を防止する
とともに、Cu薄膜層のクラックや断線を防止するもの
であり、Cu薄膜層の両面にあってその効果を発揮す
る。Ni薄膜層の厚さが10Åより薄いと、Cu薄膜層
の腐食防止や、Cu薄膜層のクラックや断線の防止が十
分でない。Ni薄膜層の厚さが300Åより厚いと、N
i薄膜層に極少のクラックが入りやすくなり、その結果
として、やはりCu薄膜層の腐食防止や、Cu薄膜層の
クラックや断線の防止を十分にできない。Ni薄膜層
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等の従来公知の薄膜生成法により容易に、安価
に、かつ、大量に形成することができる。
【0012】また、Cu薄膜層とNi薄膜層間の密着力
向上のために、Cu薄膜層とNi各薄膜層間に、導電性
や耐クラック性に影響を及ぼさない範囲で、樹脂薄膜層
や金属薄膜層を設けてもよい。樹脂薄膜層や金属薄膜層
を設けることにより、転写して得るプリント配線板の耐
蝕性もさらに向上する。
【0013】接着層は、Ni薄膜層上に設けられてい
て、プリント配線板用転写フイルムを回路基板に転写し
た場合、回路基板とNi薄膜層とを接着するものであ
る。接着層に使用する樹脂は、従来の転写フイルムに使
用されている樹脂であれば特に制限はなく、回路基板に
使用される樹脂の種類により適宜選択すればよい。例え
ば、アクリル系、アクリル/ビニル系、エチレン/酢酸
ビニル系、ABS、塩ビ等の樹脂が使用できる。接着層
の厚さは、1〜10μm、好ましくは2〜4μmであ
る。接着層の厚さが1μmより薄いと、接着性が低下し
て、転写した時に回路基板との密着力が悪くなるので好
ましくない。接着層の厚さが10μmより厚いと、接着
性はそれ以上向上することがないので経済的ではなく、
また接着剤を塗工して接着層を形成する際に、溶剤の飛
散が遅くなるので加工速度が落ちて生産性が低下するの
で好ましくない。接着層は、グラビアコート法、リバー
スコート法、バーコート法、ダイコート法等の従来公知
の方法で設けることができる。
【0014】本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、回路基板に転写すれば、容易に所望の配線回
路を形成したプリント配線板を得ることができる。
【0015】本発明のプリント配線板用転写フイルム
は、あらかじめ配線回路を形成してある。あらかじめ配
線回路を形成しておけば、わさわざ配線回路を刻印や回
路基板に形成しなくてすむので、プリント配線板の製造
におけるコストも安くなり、製造工程も短縮できる。
【0016】本発明のプリント配線板用転写フイルムに
配線回路を形成する方法としては、例えばプラスチック
フイルムの片面に、離型層、厚さ10〜300ÅのNi
薄膜層、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層、厚
さ10〜300ÅのNi薄膜層を順次形成し、その上
に、所望の配線回路をレジスト印刷したのち、エッチン
グにより、非印刷部分のNi薄膜層/Cu薄膜層/Ni
薄膜層を除去し、さらに印刷層を洗浄除去して所望の配
線回路を形成することができる。印刷層は、プリント配
線板用転写フイルムを回路基板に転写したあと、導電性
に影響を与えるものではないので、洗浄除去しなくても
よい。
【0017】本発明のプリント配線板用転写フイルムを
回路基板に転写する方法は、熱プレスや熱ロール転写す
る方法等があり、これらの方法により、容易に所望の配
線回路を形成したプリント配線板を得ることができる。
【0018】また、本発明のプリント配線板用転写フイ
ルムは、インモールド成形転写法に使用すれば成形と同
時に転写を行うことができるので特に有益である。。本
発明のプリント配線板用転写フイルムは、Cu薄膜層を
Ni薄膜層でサンドイッチした構成となっているので、
成形時における熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪
みによって、Ni薄膜層/Cu薄膜層/Ni薄膜層にク
ラックや断線が生じることがないので、従来は使用不可
能であったインモールド成形転写法に使用可能となっ
た。特に、プラスチックフイルムの厚みを38〜75μ
m、及び離型層をシリコーン樹脂にすると、インモール
ド成形転写法には最適である。
【0019】本発明のプリント配線板は、上記プリント
配線板用転写フイルムを使用して、上記何れかの方法で
得ることができ、その構成は、回路基板上に接着層、厚
さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜100
00ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層
を順次形成したことを特徴とする。本発明のプリント配
線板は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、
厚さ10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた
構成になっているので、プリント配線板の製造時に、C
u薄膜層にクラックが生じず、そのため配線回路が断線
してしまうということもない。従って、でき上がったプ
リント配線板も配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅
に向上した。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイ
ッチされた構成になっているので、Cu薄膜層が最表層
に形成されていないため、経時によりCu薄膜層の腐食
がおこり難く、導電性が失われるということもなく、耐
蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。さらに、C
u薄膜層の断線の問題がないので、プリント配線板の形
状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急な曲面状や
複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容易に形成す
ることができる。
【0020】ここで、本発明に係るプリント配線板用転
写フイルムについて、図面を参照しながら説明する。図
1は、本発明に係るプリント配線板用転写フイルムの一
例を示す一部拡大断面図であり、プラスチックフイルム
1の片面に、離型層2が形成されており、その上にNi
薄膜層3、Cu薄膜層4、Ni薄膜層3が一部除去され
て配線回路を形成し、さらにその上に全面に接着層5が
順次形成されている。図1に示したプリント配線板用転
写フイルムの接着層側を回路基板側にして、回路基板に
適宜の方法で転写した後、プラスチックフイルムを剥離
すれば、本発明のプリント配線板が得られる。プラスチ
ックフイルムを剥離する時に、離型層2は通常プラスチ
ックフイルムと一緒に剥離されるが、一部剥離されずに
プリント配線板のNi薄膜層上に形成されていても、導
電性に影響を与えない程度であれば特に問題はない。
【0021】
【実施例】厚さ38μmのポリエステルフイルム(三菱
化学ポリエステルフイルム社製ダイアホイルT100)
の片面に、シリコーン樹脂をグラビアコート法にてコー
ティングして厚さ0.1μmの離型層を形成し、該離型
層上に、真空蒸着法により厚さ100ÅのNi薄膜層、
厚さ3000ÅのCu薄膜層、厚さ100ÅのNi薄膜
層を順次形成した。次に、Ni薄膜層上にレジスト用塗
料(太陽インキ社製)を配線回路パターンにシルクスク
リーン印刷して、配線回路印刷層を形成した後、非印刷
部分のNi薄膜層、Cu薄膜層、Ni薄膜層を塩化第二
鉄水溶液を使用してエッチング除去し、さらに水酸化ナ
トリウム水溶液を使用して、配線回路印刷層を水洗除去
し、所望の配線回路を形成した。そして、配線回路面側
の全面にABS接着剤(大日精化社製)を使用して、厚
さ2μmの接着層を形成し、図1に示すような本発明の
プリント配線板用転写フイルムを得た。得られたプリン
ト配線板用転写フイルムを使用して、インモールド成形
転写法でABS樹脂成形品の表面に配線回路を形成し、
目的のプリント配線板を得た。得られたプリント配線板
は、断線もなく、経時的にも安定で歩留まりも向上し
た。
【0022】
【発明の効果】本発明のプリント配線板用転写フイルム
は、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜層が、厚さ
10〜300ÅのNi薄膜層でサンドイッチされた構成
になっているので、該転写フイルムの製造工程、及びプ
リント配線板の製造時に、Cu薄膜層にクラックが生じ
ず、そのため配線回路が断線してしまうということもな
い。従って、本発明のプリント配線板用転写フイルムを
使用して、でき上がったプリント配線板もCu薄膜層
が、Ni薄膜層でサンドイッチされた構成になっている
ので、配線回路の断線もなく、歩留まりも大幅に向上し
た。また、Cu薄膜層がNi薄膜層でサンドイッチされ
た構成になっているので、プリント配線板用転写フイル
ムを回路基板に転写してでき上がったプリント配線板
は、Cu薄膜層が最表層に形成されていないため、経時
によりCu薄膜層の腐食がおこり難く、導電性が失われ
るということもない。従って、でき上がったプリント配
線板は、耐蝕性に優れ、経時的にも安定なものである。
さらに、Cu薄膜層の断線の問題がないので、プリント
配線板の形状は、平板状、緩やかな曲面状に限らず、急
な曲面状や複雑な形状の成形品にも所望の配線回路を容
易に形成することができる。また、Cu薄膜層が、Ni
薄膜層でサンドイッチされた構成になっているので、転
写時の熱や、プラスチックフイルムの伸びや歪み等でも
Cu薄膜層の断線が生じない。従って、転写時の熱や、
プラスチックフイルムの伸びや歪みが非常に大きいイン
モールド成形転写においても、成形と同時に複雑な形状
の回路基板に配線回路を容易に転写することができる。
本発明のプリント配線板用転写フイルム、及びそれを使
用したプリント配線板は、以上のような点から十分実用
に耐え得るものである。また、本発明のプリント配線板
用転写フイルムを使用すればプリント配線板の製造工程
も短縮でき、品質も安定しているので、品質管理コスト
も削減でき、従って製造コストも大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリント配線板用転写フイルムの
一例を示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチックフイルム 2 離型層 3 Ni薄膜層 4 Cu薄膜層 5 接着層

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフイルムの片面に、離型層、
    厚さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1000〜10
    000ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜
    層、接着層を順次形成したプリント配線板用転写フイル
    ムにおいて、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1
    000〜10000ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300
    ÅのNi薄膜層が配線回路を形成していることを特徴と
    するプリント配線板用転写フイルム。
  2. 【請求項2】プラスチックフイルムの厚みが38〜75
    μmであること、及び離型層がシリコーン樹脂層である
    ことを特徴とする請求項1記載のプリント配線板用転写
    フイルム。
  3. 【請求項3】請求項1、又は2何れかに記載のプリント
    配線板用転写フイルムを回路基板に転写して得ることを
    特徴とするプリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】転写方法が、インモールド成形転写法であ
    ることを特徴とする請求項3に記載のプリント配線板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】回路基板上に形成された配線が、回路基板
    上に接着層、厚さ10〜300ÅのNi薄膜層、厚さ1
    000〜10000ÅのCu薄膜層、厚さ10〜300
    ÅのNi薄膜層を順次形成したものであることを特徴と
    するプリント配線板。
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