JP2001053233A - 半導体集積回路及び記憶媒体 - Google Patents

半導体集積回路及び記憶媒体

Info

Publication number
JP2001053233A
JP2001053233A JP11223625A JP22362599A JP2001053233A JP 2001053233 A JP2001053233 A JP 2001053233A JP 11223625 A JP11223625 A JP 11223625A JP 22362599 A JP22362599 A JP 22362599A JP 2001053233 A JP2001053233 A JP 2001053233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clock signal
circuit
signal
data
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11223625A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Hirose
健志 廣瀬
Tomoki Ajioka
智己 味岡
Satoshi Hoshi
聡 星
Kensuke Ishikawa
憲輔 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP11223625A priority Critical patent/JP2001053233A/ja
Publication of JP2001053233A publication Critical patent/JP2001053233A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロックスキュー対策の点で、半導体集積回
路の設計期間の増大やコスト上昇を抑える。 【解決手段】 低速動作機能モジュール(4A)におけ
る多相クロック信号(CK2t,CK22b)のノンオ
ーバラップ量を高速動作機能モジュール(3A)におけ
る多相クロック信号(CK11t,CK11b)のノン
オーバラップ量よりも大きくする。機能モジュール内の
順序回路が多相クロック信号によってスルーラッチ形態
で動作する場合、高速動作機能モジュールでは、小さな
ノンオーバラップ量故に、多相クロック信号を受けて動
作する順序回路の前段の組合せ回路にとって出力確定タ
イミングとして許容される期間が相対的に長くされ、高
速化への対応が容易になる。低速動作機能モジュールで
は大きなノンオーバラプ量故に、ノンオーバラップ量を
小さくするときのクロックスキュー回避のための設計時
間が不用になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノンオーバラップ
2相クロック信号などの多相クロック信号の生成若しく
は位相調整技術等に関し、例えば、半導体集積回路のク
ロック供給系やその設計・開発に適用して有効な技術に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】同期動作されるべき各部の順序回路に供
給されるクロック信号に不所望なタイミングのずれ(ス
キュー)があると、順序回路間でデータ転送が正しい順
序で行なわれなくなる。クロックスキューによる影響を
避けるには一般的に2相クロック方式が有効である。半
導体集積回路において2相クロックを順序回路に供給す
る技術として、半導体チップ内の機能モジュール毎に2
相クロック生成回路を設け、クロック源から各機能モジ
ュールまで単相でクロックを供給し、2相クロック生成
回路は単相クロックを基に2相クロックを発生して当該
機能ブロック内の順序回路に2相クロックを供給する技
術がある。これは、特開平2―85910号公報、特開
昭59―201517号公報に記載がある。前記特開昭
59―201517号公報において、2相クロック信号
の非オーバラップ期間(ノンオーバラップ量)は2相ク
ロック信号の出力経路に直列配置されたインバータの数
によって決定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、第1に、
ノンオーバラップ2相クロック信号などの多相クロック
信号の位相差について検討した。即ち、本発明者は、半
導体集積回路の機能モジュールが高速、中速、低速等の
動作速度に応じた周波数のクロックを利用する場合、動
作速度に応じてノンオーバラップ時間を変えることの有
用性を見出した。例えば、2相クロック信号に対して順
序回路がスルーラッチ方式でデータを転送する場合、順
序回路はクロック信号のハイレベル期間に入力を出力に
伝達し、クロック信号のローレベル期間に入力をラッチ
して出力に伝達する。このとき、順序回路の入力、換言
すればその入力の前段に接続された組合せ回路の出力動
作は、クロック信号のハイレベル期間に確定しなければ
ならない。クロック信号周波数を一定とすれば、ノンオ
ーバラップ期間が長くなるに従ってクロック信号のハイ
レベル期間が短くなる。従って、周波数の高いクロック
信号ほどノンオーバラップ時間を短くしなければ、クロ
ック信号サイクルにおいて組合せ回路の出力確定タイミ
ングとして許容される期間が短くなってしまう。若しく
は順序回路が入力をラッチするまでに組合せ回路に許容
される動作時間が短くなってしまう。しかしながら、低
速動作の機能モジュールに対しても同様にノンオーバラ
ップ時間を短くしようとすれば、高速クロック信号の場
合と同じように厳しい条件でクロックスキュー対策を講
じなければならず、それによって設計時間の増大、そし
てコスト上昇を招くという問題点のあることが本発明者
によって明らかにされた。このように、複数の機能モジ
ュールの動作速度が相違される場合にもノンオーバラッ
プ量を一定にすると不都合である。
【0004】本発明者は、第2にノンオーバラップ2相
クロック信号等の多相クロック信号に対する位相調整の
必要性について検討した。即ち、機能モジュール毎にノ
ンオーバラップ時間を調整するという考え方を採用しな
い場合には、チップ全体でクロックスキューが最悪にな
る部分の値を予測し、これに応じて各機能モジュールで
ノンオーバラップマージンを大きく採らなければなら
ず、このような手法は半導体集積回路の動作の高速化に
は適さない。
【0005】また、ノンオーバラップ時間を調整するの
にレイアウトパターンを大掛かりに修正するのは現実的
ではない。設計部品として提供されるモジュールデータ
を用いる場合には、データそれ自体に予めノンオーバラ
ップ時間を調整可能にする考慮が無ければ、当該機能モ
ジュールが要求されるノンオーバラップ時間を満たすよ
うにするために、実質的に再設計が必要となり、若しく
は、当該機能モジュールのノンオーバラップ時間に合わ
せて、LSI全体のタイミング設計を行うことが必要と
なる等、使い勝手が悪くなることも本発明者によって見
出された。
【0006】本発明の目的は、半導体集積回路が多相ク
ロック信号に同期動作される機能モジュールを搭載して
いるとき、その半導体集回路におけるクロックスキュー
対策の点で、設計期間の増大やコスト上昇を抑えること
ができる半導体集積回路及びその開発方法を提供するこ
とにある。
【0007】本発明の別の目的は、半導体集積回路が多
相クロック信号に同期動作される機能モジュールを搭載
しているとき、動作速度が相違される機能モジュールが
設けられている中で、クロックスキュー対策の点で高い
信頼性があり高速動作にも対応できる半導体集積回路を
提供することにある。
【0008】本発明の更に別の目的は、半導体集積回路
が多相クロック信号に同期動作される機能モジュールを
搭載しているとき、その半導体集回路におけるクロック
スキュー対策の点で、動作の高速化に適応できる半導体
集積回路及びその開発方法を提供することにある。
【0009】本発明のその他の目的は、多相クロック信
号に同期動作される機能モジュールを搭載した半導体集
積回路におけるクロックスキュー対策の点で、設計期間
の増大やコスト上昇を抑え、動作の高速化に適応できる
半導体集積回路の設計並びにその開発の容易化もしくは
能率化に寄与することができる設計データを提供するこ
とにある。
【0010】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0012】〔1〕多相クロック信号のノンオーバラッ
プ量若しくは位相差の観点を主体とした本発明による半
導体集積回路は、半導体チップに複数の機能モジュール
を含み、前記機能モジュールは所定のノンオーバラップ
量が規定された多相クロック信号に同期動作され、一の
機能モジュール(4A)が用いる相対的に周波数の低い
多相クロック信号(CK22t,CK22b)のノンオ
ーバラップ量は、他の機能モジュール(3A)が用いる
相対的に周波数の高い多相クロック信号(CK11t,
CK11b)のノンオーバラップ量よりも大きくされて
成る。前記クロック信号周波数とノンオーバラップ量と
の関係は全ての機能モジュールが満足しなければならな
いものではない。例えば、多相クロック周波数の相違が
僅かな一部の機能モジュール間では多相クロック信号の
ノンオーバラップ量を等しく設定してもよい。
【0013】前記ノンオーバラップ量とは、各相のクロ
ック信号の所定レベルが重ならない期間を意味する。前
記所定レベルとは、例えばスルーラッチ形態のように多
相クロック信号を受けて動作する順序回路が前段からの
信号を入力可能にするクロック信号のレベル、或いはエ
ッジトリガ形態のように多相クロック信号を受けて動作
する順序回路がラッチ動作を行なう時のクロック信号の
エッジ変化によるレベルである。
【0014】上記において、機能モジュールに含まれる
順序回路が多相クロック信号によってスルーラッチ形態
で動作される場合、高速動作される機能モジュールでは
多相クロック信号のノンオーバラップ量が相対的に小さ
くされているから、当該多相クロック信号のサイクル時
間内において、そのクロック信号を受けて動作する順序
回路の後段に配置された組合せ回路にとって出力確定タ
イミングとして許容される期間が相対的に長くされ、高
速化への対応が容易になる。一方、比較的動作速度の遅
い機能モジュールでは当該多相クロック信号のサイクル
時間はもともと長く、ノンオーバラップ量が大きくて
も、そのクロック信号を受けて動作する順序回路後段の
組合せ回路にとって出力確定タイミングとして許容され
ている期間は十分長く、したがって、高速動作される機
能モジュールにおいて必要とされる程のノンオーバラッ
プ量を小さくする為の設計時間(クロックスキュー回避
のための設計時間)をかける必要もない。これにより、
動作速度の異なる機能モジュールを搭載する半導体集積
回路において、高速化への対応が容易になり、しかも、
低速動作機能モジュールに対してはクロックスキュー対
策の点で、設計期間の増大やコスト上昇を抑えることが
できる。
【0015】エッジトリガ形態を含む回路では、クロッ
ク信号サイクルの長い多相クロック信号ほど相対的に大
きなノンオーバラップ量を設定するから、クロックスキ
ュー回避のための設計時間を短縮できる。
【0016】前記一の機能モジュールと他の機能モジュ
ールが単相クロック信号に基づいて多相クロック信号を
生成するクロック発生回路(11〜17)を有すると
き、前記クロック発生回路が前記多相クロック信号のノ
ンオーバラップ量を決定することになる。このとき、前
記多相クロック生成回路には、多相クロック信号の各相
のクロック信号の位相を規定する信号伝播遅延時間を決
定する回路(DL)を各相のクロック信号毎に有して多
相クロック信号のノンオーバラップ量を決定する構成を
採用してもよい。
【0017】前記多相クロック生成回路への単相クロッ
ク信号の供給に関しては、前記多相クロック生成回路に
単相クロック信号を別々に供給する複数のクロックバッ
ファ(81〜87)と、前記複数のクロックバッファに
クロック信号を供給するクロック発生回路とを更に設
け、前記複数のクロックバッファを半導体チップ上で隣
接配置し、前記クロックバッファにも、入力されたクロ
ック信号の信号伝播遅延時間を決定する回路(DL)を
設けてもよい。前記クロック発生回路は例えば前記機能
モジュールが必要とする周波数の単相クロック信号を複
数形成して出力するPLL(フェーズ・ロックト・ルー
プ)回路などによって実現することができる。各機能モ
ジュールでスキュー及びノンオーバラップ量の調整を行
った結果、各機能モジュール毎に負荷が異なってくるこ
ともあり得る。この場合、クロックスキュー調整の為に
行われる等長等幅配線をPLLと各機能モジュールのク
ロック端子の間で行ったのでは、一の機能モジュールの
順序回路と、他の機能モジュールの順序回路とでスキュ
ーを生じることがあり得る。そのため、夫々のクロック
バッファは、例えば、対応する機能モジュールの負荷を
考慮して、末端の順序回路でのスキューを抑制するよう
に、クロック信号の伝播遅延時間若しくは駆動能力が設
定される。個々の機能モジュールにおける多相クロック
発生回路は専ら多相クロック信号の各クロック信号間の
ノンオーバラップ量の調整若しくは位相調整に用いられ
ることになる。このように、機能モジュール間でのクロ
ックスキューの低減と、機能モジュール内の多相クロッ
ク信号の各相のクロック信号間の位相調整若しくはスキ
ュー抑制とを、夫々分けて別々の回路で行なうことが可
能であるから、クロック供給系の設計が容易化でき、ま
た、それによって得られる半導体集積回路のクロック同
期動作に高い信頼性を得ることができるようになる。ま
た、複数のクロックバッファを隣接配置すれば、クロッ
クバッファを半導体チップ上に分散させる場合に比べ、
プロセス上トランジスタのゲート長等がばらつくことに
よる影響を小さくすることが可能にされ、これにより、
クロックバッファの駆動能力の設計値に対する誤差が小
さくなり、クロックスキューの低減に寄与する。
【0018】前記信号伝播遅延時間を決定する回路とし
て例えば以下の構成を採用することができる。第1の態
様として、複数の遅延素子(100)と、少なくとも一
つの遅延素子をバイパスさせて残りの遅延素子を直列形
態に接続し或いは前記複数の遅延素子を全部直列形態に
接続する配線(101)とを有し、前記遅延素子の直列
段数によって信号伝播遅延時間を決定することができ
る。第2の態様として、複数の容量性負荷素子(11
0)を有し、クロック信号の信号伝播経路(111)に
並列的に接続する前記容量性負荷素子の数に基づいて信
号伝播遅延時間を決定することができる。第3の態様と
して、複数個直列結合された第1導電型トランジスタ
(Mp)と複数個直列結合された第2導電型トランジス
タ(Mn)との直列回路と、前記第1導電型トランジス
タ及び第2導電型トランジスタをプッシュ・プル動作さ
せる信号伝達用の第1配線(120A)と、前記第1導
電型トランジスタを常時オン動作させる電源供給用に割
当てられる第2配線(120B)と、前記第2導電型ト
ランジスタを常時オン動作させる電源供給用に割当てら
れる第3配線(120C)とを有し、常時オン動作する
第1導電型トランジスタ及び第2導電型トランジスタの
数と位置とによって信号伝播遅延時間を決定することが
できる。
【0019】〔2〕多相クロック信号に対するノンオー
バラップ量の調整の観点を主体とした本発明によるクロ
ック生成回路(3A)は、単相クロック信号(CK1
1)を入力してノンオーバラップ量が規定された第1ク
ロック信号(CK11t)及び第2クロック信号(CK
11b)を生成する。
【0020】第1の態様のクロック生成回路は、前記第
1クロック信号の形成に利用される複数の第1遅延素子
と、前記第2クロック信号の形成に利用される複数の第
2遅延素子と、前記複数の第1遅延素子のうち少なくと
も一つをバイパスさせて残りの遅延素子を直列形態に接
続し或いは前記第1遅延素子を全部直列形態に接続する
第1配線と、前記複数の第2遅延素子のうち少なくとも
一つをバイパスさせて残りの遅延素子を直列形態に接続
し或いは前記第2遅延素子を全部直列形態に接続する第
2配線とを有し、前記第1配線に接続された遅延素子に
よる信号伝播遅延時間と第2配線に接続された遅延素子
による信号伝播遅延時間とに基づいて第1クロック信号
と第2クロック信号とのノンオーバラップ量を決定す
る。
【0021】第2の態様のクロック生成回路は、前記第
1クロック信号の形成に利用される複数の第1容量性負
荷素子と、前記第2クロック信号の形成に利用される複
数の第2容量性負荷素子と、前記第1クロック信号の形
成に利用される信号伝達経路への前記第1容量性負荷素
子の接続に割当てられる第1配線と、前記第2クロック
信号の形成に利用される信号伝達経路への前記第2容量
性負荷素子の接続に割当てられる第2配線とを有し、容
量性負荷素子による前記第1配線の信号伝播遅延時間と
容量性負荷素子による第2配線の信号伝播遅延時間とに
基づいて第1クロック信号と第2クロック信号とのノン
オーバラップ量を決定する。
【0022】第3の態様のクロック生成回路は、前記第
1クロック信号を形成するための信号伝播遅延時間を決
定する第1遅延回路と、前記第2クロック信号を形成す
るための信号伝播遅延時間を決定する第2遅延回路とを
有する。前記第1遅延回路及び第2遅延回路は夫々、複
数個直列結合された第1導電型トランジスタと複数個直
列結合された第2導電型トランジスタとの直列回路と、
前記第1導電型トランジスタ及び第2導電型トランジス
タをプッシュ・プル動作させる信号伝達用の第1配線
と、前記第1導電型トランジスタを常時オン動作させる
電源供給用に割当てられる第2配線と、前記第2導電型
トランジスタを常時オン動作させる電源供給用に割当て
られる第3配線とを有し、常時オン動作する第1導電型
トランジスタ及び第2導電型トランジスタの数によって
信号伝播遅延時間が決定される。前記第1遅延回路によ
る信号伝播遅延時間と第2遅延回路による信号伝播遅延
時間とに基づいて第1クロック信号と第2クロック信号
とのノンオーバラップ量が決定される。
【0023】〔3〕多相クロック信号のノンオーバラッ
プ量若しくは位相差を調整可能とする設計部品データと
してのIPモジュールデータのような機能モジュールデ
ータの観点に立った発明は、記憶媒体(155)に、半
導体集積回路の設計に用いられる機能モジュールデータ
(130,140)をコンピュータ(150)により読
取り可能に記憶させておく。前記機能モジュールデータ
は、単相クロック信号に基づいてノンオーバラップ量が
規定された多相クロック信号を生成するクロック生成回
路を定めるデータと、このクロック生成回路で生成され
る多相クロック信号を受けて動作する順序回路を定める
データとを含み、前記多相クロック生成回路を定めるデ
ータは、多相クロック信号の各相のクロック信号の位相
を規定する信号伝播遅延時間を決定する遅延回路を各相
のクロック信号毎に定めることができ且つ前記位相を選
択可能として多相クロック信号のノンオーバラップ量を
決定するデータを含む。前記遅延回路を定めるデータ
は、機能記述データ又は図形パターンデータである。図
形パターンデータは、例えばマスクパターンの描画デー
タ若しくはマスクパターンデータである。
【0024】前記遅延回路を定めるデータは、第1の形
態として、複数の遅延素子とクロック配線とを定めるデ
ータを有し、前記クロック配線を定めるデータは、複数
の遅延素子のうち少なくとも一つの遅延素子をバイパス
させて残りの遅延素子を直列形態に接続し或いは前記複
数の遅延素子を全部直列形態に接続する態様が予め複数
種類定義されたデータを含む。
【0025】前記遅延回路を定めるデータは、第2の形
態として、複数の容量性負荷素子と接続配線とを定める
データを有し、前記接続配線を定めるデータは、接続す
べき容量性負荷素子の数を相違させた態様が予め複数種
類定義されたデータを含む。
【0026】前記遅延回路を定めるデータは、第3の形
態として、複数個直列結合された第1導電型トランジス
タと複数個直列結合された第2導電型トランジスタとの
直列回路と、前記第1導電型トランジスタ及び第2導電
型トランジスタをプッシュ・プル動作させる信号伝達用
の第1配線と、前記第1導電型トランジスタを常時オン
動作させる電源供給用に割当てられる第2配線と、前記
第2導電型トランジスタを常時オン動作させる電源供給
用に割当てられる第3配線とを定めるデータを有する。
前記第1乃至第3配線を定めるデータは、常時オン動作
すべき第1導電型トランジスタ及び第2導電型トランジ
スタを相違させた態様が予め複数種類定義されたデータ
を含む。
【0027】動作速度の異なる複数の機能モジュールを
搭載する半導体集積回路の設計において、設計ツールの
ようなコンピュータで記憶媒体から上記機能モジュール
データを読み込んで用いれば、クロックスキュー対策の
点で、設計期間の増大やコスト上昇を抑えることがで
き、クロック同期動作の信頼性が高く高速動作に対応し
た半導体集積回路の設計を容易化することができる。
【0028】〔4〕半導体チップに複数の機能モジュー
ルを搭載し、前記機能モジュールを所定のノンオーバラ
ップ量が規定された多相クロック信号に同期動作させる
半導体集積回路を開発する方法の観点によれば、前記複
数の機能モジュールに供給される前記多相クロック信号
の周波数を相違させるとき、相対的に周波数の低い前記
多相クロック信号のノンオーバラップ量は相対的に周波
数の高い前記多相クロック信号のノンオーバラップ量よ
りも大きくする。
【0029】前記半導体チップに機能モジュールを搭載
するに当たり、単相クロック信号に基づいてノンオーバ
ラップ量の異なる多相クロック信号を生成するクロック
生成回路を定めるデータと、このクロック生成回路で生
成される多相クロック信号を受けて動作する順序回路を
定めるデータとを含む機能モジュールデータを設計部品
データとして読み込む。読み込んだ前記機能モジュール
データの内のクロック生成回路を定めるデータから、前
記多相クロック信号の各相毎に設けられていて各相のク
ロック信号の位相調整を可能とする遅延回路を定めるデ
ータを選択して、前記多相クロック信号のノンオーバラ
ップ量を設定する。
【0030】上記によれば、機能モジュール内の順序回
路が多相クロック信号によってスルーラッチ形態で動作
する場合、高速動作機能モジュールでは、小さなノンオ
ーバラップ量故に、多相クロック信号を受けて動作する
順序回路の前段の組合せ回路にとって出力確定タイミン
グとして許容される期間が相対的に長くされ、高速化へ
の対応が容易になる。低速動作機能モジュールでは大き
なノンオーバラップ量故に、ノンオーバラップ量を小さ
くするときのクロックスキュー回避のための設計時間が
不用になる。したがって、クロックスキュー対策の点
で、設計期間の増大やコスト上昇を抑えることができ、
クロック同期動作の信頼性が高く高速動作に対応した半
導体集積回路の開発を容易化することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】《半導体集積回路のクロック供給
系》図1には本発明に係る半導体集積回路がクロック供
給系を主体に示されている。同図に示される半導体集積
回路1は、特に制限されないが、単結晶シリコンのよう
な1個の半導体チップ2に、例えばCMOS集積回路製
造技術によって形成されている。半導体集積回路1は、
特に制限されないが、半導体チップの周縁部に多数のボ
ンディングパッド6を有し、半導体チップの中央部分に
は、クロック信号に同期して高速動作される機能モジュ
ール(高速機能モジュール)、及び低速動作される機能
モジュール(低速機能モジュール)を有し、必要に応
じ、中速動作される機能モジュール(中速機能モジュー
ル)を更に有する。前記高速機能モジュールとして例え
ば中央処理装置(CPU)3A、ディジタル信号処理プ
ロセッサ(DSP)3B、及びスタティック・ランダム
・アクセス・メモリ(SRAM)で成るメモリ3Cを有
する。バスコントローラ(BSC)4A及びダイレクト
・メモリ・アクセス・コントローラ(DMA)4B等
は、中速機能モジュールとしても良い。低速機能モジュ
ールとしてユニバーサル・シリアル・バス(USB)5
A及びシリアル・コミュニケーション・インタフェース
(SCI)5Bを有する。
【0032】特に図示はしないが、前記高速機能モジュ
ール3A,3B,3Cは第1の内部バスを共有する。第
2の内部バスにはDMAC4Bなどの中速機能モジュー
ルが接続され、第3の内部バスには低速機能モジュール
5A,5Bが接続されている。BSC4Aは第1乃至第
3の内部バスの間のインタフェース制御と共に、半導体
チップの外部に対するバス制御を行なう。
【0033】半導体集積回路は原発振として外付け振動
子を用い或いは外部からシステムクロック信号を入力す
る。そのような原発振としてのクロック信号は、特に制
限されないが、PLL回路7で所要の複数種類の周波数
に逓倍され、例えば3種類の単相クロック信号CK1、
CK2、CK3が形成される。クロック信号CK1、C
K2、CK3の周波数は、CK1の周波数>CK2の周
波数>CK3の周波数、の関係を有する。
【0034】前記クロック信号CK1、CK2、CK3
はモジュール間バッファ回路8に供給される。モジュー
ル間バッファ回路8は前記機能モジュール5A,5B,
3A,3B,3C,4A,4Bにそれぞれクロックを供
給するクロックバッファ81〜87を有する。クロック
バッファ81,82はクロック信号CK3を入力し、低
速機能モジュール5A,5Bにクロック信号CK31、
CK32を出力する。クロックバッファ83,84,8
5はクロック信号CK1を入力し、高速機能モジュール
3A,3B,3C用にクロック信号CK11、CK1
2、CK13を出力する。クロックバッファ86,87
はクロック信号CK2を入力し、中速機能モジュール4
A,4B用にクロック信号CK21、CK22を出力す
る。クロック信号CK11、〜CK32の供給経路は夫
々に専用のクロック配線とされる。
【0035】前記クロックバッファ81〜87は、対応
する機能モジュールの負荷を考慮して、末端の順序回路
でのスキューを抑制するように、クロック信号CK11
〜CK32の伝播遅延時間若しくは駆動能力を決定す
る。
【0036】前記機能モジュール3A,3B,3C,4
A,4B,5A,5Bは対応する単相クロック信号CK
11,CK12,CK13,CK21,CK22,CK
31,CK32に基づいてノンオーバラップで2相クロ
ック信号を生成可能な2相クロック生成回路13,1
4,15,16,17,11,12を有する。2相クロ
ック生成回路11〜17は、これが生成する2相クロッ
ク信号の各クロック信号間のノンオーバラップ量を決定
する。
【0037】前記2相クロック生成回路11、12は、
ノンオーバラップで2相クロック信号CK31t,CK
31b、CK32t,CK32bを生成する。前記2相
クロック生成回路13,14,15は、ノンオーバラッ
プで2相クロック信号CK11t,CK11b、CK1
2t,CK12b、CK13t,CK13bを生成す
る。前記2相クロック生成回路16,17はノンオーバ
ラップで2相クロック信号CK21t,CK21b、C
K22t,CK22bを生成する。
【0038】図2には図1の半導体集積回路1のクロッ
ク供給系を抜き出して示してある。前記クロックバッフ
ァ81,82は、入力バッファ81BF、遅延回路81
DL,82DL、及び出力ドライバ81DV,82DV
によって構成され、入力バッファ81BFは遅延回路8
1DL,82DLに共有されている。同様に、前記クロ
ックバッファ83,84,85は、入力バッファ83B
F、遅延回路83DL,84DL,85DL、及び出力
ドライバ83DV,84DV,85DVによって構成さ
れ、入力バッファ83BFは遅延回路83DL〜85D
Lに共有されている。前記クロックバッファ86,87
は、入力バッファ86BF、遅延回路86DL,87D
L、及び出力ドライバ86DV,87DVによって構成
され、入力バッファ86BFは遅延回路86DL,87
DLに共有されている。
【0039】図2に例示された順序回路11LTCa、
組合せ回路11CMBa、順序回路11LTCbのデー
タパスにおいて、特に制限されないが、順序回路11L
TCa、11LTCbはスルーラッチ形態で動作され、
入力されるクロック信号CK11t,CK11bのハイ
レベルでデータを入力し、ローレベルでその入力データ
をラッチする。図2に例示された別の機能モジュール3
Cについても同様に、代表的に例示された順序回路13
LTCa、組合せ回路13CMBa、順序回路13LT
Cbのデータパスにおいて、順序回路13LTCa、1
3LTCbはスルーラッチ形態で動作され、入力される
クロック信号CK13t,CK13bのハイレベルでデ
ータを入力し、ローレベルでその入力データをラッチす
る。図示は省略するが、半導体集積回路1の全ての機能
モジュール3A〜3C、4A,4B、5A,5Bは、デ
ータパスの順序回路を、上記同様、ノンオーバラップ2
相クロック信号によってスルーラッチ形態で動作させる
ように構成されている。したがって前記データパスの組
合せ回路は、順序回路の同期クロック信号のハイレベル
期間に出力を確定させなければならない。当該クロック
信号のハイレベル期間が短ければ、組合せ回路にとって
出力動作確定タイミングとして許容される期間が短くな
る。
【0040】図3には前記クロックバッファ83の一例
が示される。入力バッファ83BF及び出力ドライバ8
3DVにはインバータを採用することができる。図4に
はクロックバッファ83の入出力信号波形の一例が示さ
れている。図4において、入力バッファ83BF及び出
力ドライバ83DVの動作遅延(ゲート遅延)は無いも
のとしている。遅延回路83DLに設定される遅延を便
宜上“0”、“+T”、“+2T”と分類している“+
T”を遅延回路83DLの初期設定値とすれば、“−
T”〜“+T”の幅で遅延時間の調整が可能となる。
尚、特に図示はしないが、その他のクロックバッファ8
3も同様に構成されている。
【0041】図5には2相クロック生成回路13の論理
構成の一例が示される。2相クロック生成回路13は、
インバータ13IVa,13IVb,13IVc,13
IVd、ナンドゲート13NDa,13NDb、及び遅
延回路13DLa,13DLbによって構成される。図
6には2相クロック生成回路13の動作波形の一例が示
されている。図6において、前記インバータ13IV
a,13IVb,13IVc,13IVd及びナンドゲ
ート13NDa,13NDbの動作遅延(ゲート遅延)
は無いものとしている。例えば遅延回路13DLa、1
3DLbによる遅延時間を“T”とすると、ノンオーバ
ラップ量を時間Tとするノンオーバラップ2相クロック
信号CK11t、CK11bが生成される。ノンオーバ
ラップ量は遅延回路13DLa,13DLbの遅延時間
によって決定される。即ち、遅延回路13DLa,13
DLbは2相のクロック信号CK11t,CK11bの
夫々の位相を規定する信号伝播遅延時間を決定する。
尚、特に図示はしないが、その他の2相クロック生成回
路11、12、14〜17も同様に構成されている。
【0042】《遅延回路》ここで、前記クロックバッフ
ァ81〜87に含まれる遅延回路81DL〜87DL並
びに2相クロック生成回路11〜17に含まれる遅延回
路11DLa,11DLb〜17DLa,17DLbの
具体例を説明する。以下、それら遅延回路を符号DLで
総称することもある。
【0043】図7に例示される遅延回路DLは、複数の
遅延素子100と、少なくとも一つの遅延素子をバイパ
スさせて残りの遅延素子を直列形態に接続し或いは前記
複数の遅延素子を全部直列形態に接続する配線101と
を有し、前記遅延素子100の直列段数によって信号伝
播遅延時間を決定する。前記1個の遅延素子100は例
えば2個のインバータを直列接続して構成される。前記
配線101は、配線パターンによって経路を決定するこ
とができるメタルスイッチ101Sを有している。初段
遅延素子100のメタルスイッチ101Sは遅延素子1
00の入力を回路の接地端子VSSに接続するか又は入
力端子INに接続するかを決定する。最終段の遅延素子
100のメタルスイッチ101Sは出力端子OUTをバ
イパス経路101Bに接続するか又は最終段遅延素子1
00の出力に接続するかを決定する。その他のメタルス
イッチ101は遅延素子100の入力を前段遅延素子1
00の出力に接続するか又はバイパス経路101Bに接
続するかを決定する。
【0044】図8に例示される遅延回路DLは、複数の
容量性負荷素子110を有し、入力端子INから出力端
子OUTに至る信号伝播経路を構成する配線111に、
前記容量性負荷素子110を接続し又は非接続とするメ
タルスイッチ111Saを形成し、配線111に並列的
に接続する前記容量性負荷素子110の数に基づいて信
号伝播遅延時間を決定する。前記1個の容量性負荷素子
110は例えばインバータによって構成される。このイ
ンバータの出力は省略する。前記メタルスイッチ111
Saは、容量性負荷素子110の入力を前記配線111
に接続するか又は回路の接地端子VSSに接続するかを
決める事ができる。尚、前記配線111には遅延素子1
12が介在され、また、前記遅延素子112を迂回して
入力端子INから出力端子OUTに至るバイパス配線1
11Bが形成され、配線111とバイパス配線111B
とを選択するメタルスイッチ111Sbが形成されてい
る。前記メタルスイッチ111Sa,111Sbは配線
パターンによって経路が決定されるスイッチであり、例
えばアルミマスタスライスのような手法で経路を決定す
ることができる。
【0045】図9に例示される遅延回路DLは、複数個
直列結合されたpチャンネル型MOSトランジスタMp
と複数個直列結合されたnチャンネル型MOSトランジ
スタMnとの直列回路を有し、それらをスイッチ制御す
るための信号配線として、第1配線120A、第2配線
120B、第3配線120C及び複数個のメタルスイッ
チ120Sa,120bを有する。第1配線120Aは
前記pチャンネル型MOSトランジスタMp及びnチャ
ンネル型MOSトランジスタをプッシュ・プル動作可能
にする信号伝達用の配線である。第2配線120Bは、
前記pチャンネル型MOSトランジスタMpのゲート電
極を回路の接地端子VSSに接続して常時オン動作可能
にする配線である。第3配線120Cは、前記nチャン
ネル型MOSトランジスタMnのゲート電極を電源端子
VCCに接続して常時オン動作可能にする配線である。
前記メタルスイッチ120Saは、pチャンネル型MO
SトランジスタMpのゲート電極を第1配線120A又
は第2配線120Bの何れに接続するかを決定する。前
記メタルスイッチ120Sbは、nチャンネル型MOS
トランジスタMnのゲート電極を第1配線120A又は
第3配線120Cの何れに接続するかを決定する。前記
メタルスイッチ120Sa,120Sbは配線パターン
によって経路が決定されるスイッチであり、例えばアル
ミマスタスライスのような手法で経路を決定することが
できる。図9に例示された遅延回路DLは入力信号IN
につながる配線120Aが接続するpチャンネル型MO
SトランジスタMp及びnチャンネル型MOSトランジ
スタMnの位置と数によって信号伝播遅延時間が決定さ
れる。遅延回路DLは、入力信号INに接続するMOS
トランジスタの位置が電源VCC、VSSに近い程プッ
シュ・プル動作の過渡応答時間が長くなり、また入力信
号INに接続するMOSトランジスタMp,Mnの数が
多いほど、プッシュ・プル動作の過渡応答時間が長くな
って、遅延時間が長くなる。
【0046】図10には図7に示される遅延回路に類似
する遅延回路のレイアウトパターンの一例が示される。
同図に示される遅延回路DLの回路構成は基本的に図7
と同様であり、初段インバータ103S、最終段インバ
ータ103E、複数の遅延素子100と、少なくとも一
つの遅延素子をバイパスさせて残りの遅延素子を直列形
態に接続し或いは前記複数の遅延素子を全部直列形態に
接続する配線101とを有し、前記遅延素子100の直
列接続段数によって信号伝播遅延時間を決定する。前記
1個の遅延素子100は例えば2個のインバータを直列
接続して構成される。前記配線101は、配線パターン
によって経路を決定することができるメタルスイッチ1
02S,102M,102Eを有している。初段遅延素
子100のメタルスイッチ102Sは遅延素子100の
入力を回路の接地端子VSSに接続するか又は初段イン
バータ103Sの出力に接続するかを決定する。最終段
の遅延素子100のメタルスイッチ102Eは最終段イ
ンバータ103Eの入力をバイパス経路101Bに接続
するか又は最終段遅延素子100の出力に接続するかを
決定する。その他のメタルスイッチ102Mは遅延素子
100の入力を前段遅延素子100の出力に接続するか
又はバイパス経路101Bに接続するかを決定する。
【0047】図10の上記回路は、そのレイアウトパタ
ーンに示されるように、金属配線層として、下層より、
第1金属配線層M1、第2金属配線層M2、及び第3金
属配線層M3を有する。図10において、DPはpチャ
ンネル型MOSトランジスタ用のn型拡散層、DNはn
チャンネル型MOSトランジスタ用のp型拡散層であ
り、その上層にポリシリコン配線層Gが形成される。ポ
リシリコン配線層GはMOSトランジスタのゲート電極
とされ、拡散層DP,DNはMOSトランジスタのソー
ス電極及びドレイン電極が形成される。図10において
Cはポリシリコン配線層Gと第1金属配線層M1との接
続孔又は拡散層DP,DNと第1金属配線層M1との接
続孔である。V12は第1金属配線層M1と第2金属配
線層M2との接続孔、V23は第2金属配線層M2と第
3金属配線層M3との接続孔である。
【0048】図10の遅延回路DLでは、そのメタルス
イッチ102S,102M,102Eの接続態様によ
り、入力端子INから出力端子OUTに至る信号伝播経
路には遅延素子100は1つも配線されておらず、イン
バータ103S,103Eが配線されている。
【0049】図11には図10に対してメタルスイッチ
102S,102M,102Eの接続態様だけが異なる
遅延回路DLのレイアウトパターンが示されている。図
11の遅延回路DLにおいて入力端子INから出力端子
OUTに至る信号伝播経路にはインバータ103S,1
03E及び直列2段の遅延素子100が配置されてい
る。図10と図11の回路の機能上の相違は、レイアウ
トパターン上での第3金属配線層M3のパターンのみの
相違によって実現されている。したがって、遅延回路D
Lに設定すべき遅延時間に応じて、第3金属配線層M3
のパターンを修正し、或いは、第3金属配線層M3のパ
ターンを選択するだけで、設計上、簡単に所望の遅延時
間を設定することができる。
【0050】《2相クロック生成回路の遅延時間設定》
次に、図1の半導体集積回路1の2相クロック生成回路
11〜17に含まれる夫々の遅延回路DLに対して設計
上どのような観点で遅延時間を設定するかについて説明
する。
【0051】先ず、2相クロック生成回路11〜17で
生成される2相クロック信号のノンオーバラップ量につ
いて説明する。即ち、図12に示されるように、高速ク
ロックを用いる高速動作機能モジュールの設計では種々
のタイミング条件が厳しく一般に当該モジュールの設計
時間は多くなり、それに比例して、同期用の2相クロッ
ク信号のスキューも小さくて済む。これに対し、低速ク
ロックを用いる低速動作機能モジュールの設計では種々
のタイミング条件はさほど厳しくなく、過去の設計資産
を流用すれば済む場合も多いから、一般に当該モジュー
ルの設計時間は少なく、それに応じて、同期用の2相ク
ロック信号のスキューは大きくなる傾向に有る。
【0052】このとき、相対的に低速な機能モジュール
が用いる相対的に周波数の低い2相クロック信号のノン
オーバラップ量(ノンオーバラップ時間)は、相対的に
高速な機能モジュールが用いる相対的に周波数の高い2
相クロック信号のノンオーバラップ量よりも大きくされ
る。例えば、3A,3B,3Cなどの高速クロックを用
いる高速動作機能モジュールに対しては図6の遅延時間
Tを小さく設定し、5A,5Bなどの低速クロックを用
いる低速動作機能モジュールに対しては図6の遅延時間
Tを大きく設定する。
【0053】図13には上記観点による2相クロック信
号のスキューとノンオーバラップ時間の設計例が示され
る。図13(A)は高速動作機能モジュールの例であ
り、2相クロック信号CK11t,CK11bに対して
スキュー及びノンオーバラップ量が小さくなるように機
能モジュールの設計が行われる。図13(B)は低速動
作機能モジュールの例であり、比較的短時間で行われる
設計過程において例えば2相クロック信号CK31t,
CK31bにオーバラップTovを生じている。この場
合、当該低速動作機能モジュールに内蔵された2相クロ
ック生成回路11の双方の遅延回路DLの遅延時間を夫
々Tov分だけ大きくする。これによって、図13
(C)のように、2相クロック信号のオーバラップが解
消される。
【0054】図1の半導体集積回路1において、機能モ
ジュール3A,3B,3C,4A,4B、5A,5Bに
含まれる順序回路は、CK11t,CK11b等の固有
の2相クロック信号によってスルーラッチ形態で動作さ
れる。3A,3B,3C等の相対的に高速動作される機
能モジュールでは2相クロック信号のノンオーバラップ
量が相対的に小さくされているから、当該2相クロック
信号のサイクル時間内において、そのクロック信号を受
けて動作する順序回路の後段に配置された組合せ回路に
とって出力確定タイミングとして許容される期間が相対
的に長くされ、高速化への対応が容易になる。一方、5
A,5B等の比較的動作速度の遅い機能モジュールでは
当該2相クロック信号のサイクル時間はもともと長く、
ノンオーバラップ量が大きくても、そのクロック信号を
受けて動作する順序回路後段の組合せ回路にとって出力
確定タイミングとして許容されている期間は十分長いか
ら、高速動作される機能モジュールにおいて必要とされ
る程にノンオーバラップ量を小さくする為の設計時間
(クロックスキュー回避のための設計時間)をかける必
要もない。これにより、動作速度の異なる機能モジュー
ルを搭載する半導体集積回路1において、高速クロック
を用いる高速動作機能モジュールに対しては高速化への
対応が容易であり、しかも、低速クロックを用いる低速
動作機能モジュールに対してはクロックスキュー対策の
点で設計期間の増大やコスト上昇を抑えることができ
る。
【0055】《クロックバッファの遅延時間設定》次
に、図1の半導体集積回路1のクロックバッファ81〜
87に含まれる夫々の遅延回路DLに対して設計上どの
ような観点で遅延時間を設定するかについて説明する。
【0056】図14にはクロックバッファ83,84か
ら機能モジュール3A,3B内部の順序回路に至るクロ
ック供給系が例示されている。
【0057】半導体集積回路1の全体では各クロックバ
ッファから対応する2相クロック生成回路までのクロッ
ク配線は、特に制限されないが、等長・等幅など相互に
遅延成分が等しくされ、また、2相クロック生成回路か
ら順序回路までのクロック配線も、特に制限されない
が、各機能モジュール内において等長・等幅など相互に
遅延成分が等しくされている。一方、夫々の機能モジュ
ールにおいて、その論理規模はほとんどの場合相違さ
れ、これに応じて2相クロック生成回路の負荷も機能モ
ジュール間で相違される場合が多い。
【0058】図14の例では、論理規模は機能モジュー
ル3Bよりも機能モジュール3Aの方が大きく、機能モ
ジュール3Aの2相クロック生成回路13が駆動すべき
負荷は、機能モジュール3Bの2相クロック生成回路1
4が駆動すべき負荷よりも大きくされている。このと
き、設計上、クロックバッファ83,84に設定すべき
遅延時間は、各機能ブロック内のクロック伝達系の負荷
を考慮して、機能ブロック間でクロックスキューを生じ
ないように決定すればよい。
【0059】上記条件において機能モジュール3Aの順
序回路13LTCに供給されるクロック信号CK11b
と、機能モジュール3Bの順序回路14LTCに供給さ
れるクロック信号CK12tとのクロックスキューの抑
制という観点から、図15をも参照しながら、クロック
バッファ83,84の遅延回路DLに対する遅延時間設
定態様の一例を説明する。
【0060】図15の(A)は機能モジュール間でのク
ロック補正を行なわない場合を示してある。即ち、クロ
ックバッファ83,84の遅延回路による遅延時間を全
く等しくしている。その場合には、機能モジュール3A
と3B内の2相クロック生成回路による駆動負荷の相違
に起因して、機能モジュール3Aと3Bとの間で、例え
ばクロック信号CK12tとCK11bに不所望なオー
バラップTovを生ずる。クロック信号CK12tとC
K11bに対するそのようなオーバラップTovの発生
を抑止するには、図15(B)に例示されるように、ク
ロックバッファ83、84の遅延回路DLによる遅延時
間の設定を変えて、機能モジュール間でのクロック補正
を行なえばよい。具体的には、クロックバッファ84に
対してはクロック信号CK12の位相を“−T1”補正
し、クロックバッファ83に対してはクロック信号CK
11の位相を“+T2”補正する。
【0061】《半導体集積回路の開発方法》図16には
前記半導体集積回路1の開発方法の一例が示されてい
る。同図はクロック系のレイアウト設計処理(S1)を
主体に示してあり、クロック系以外のレイアウト設計
は、その他レイアウト設計処理(S10)のステップに
集約されているものとする。
【0062】半導体集積回路1の開発方法は、レイアウ
ト設計処理(S1)、マスク作成処理(S2)、製造
(S3)、評価・特性調整処理(S4)、及びタイミン
グ調整処理(S5)の各ステップを有する。
【0063】レイアウト設計処理(S1)では、前記そ
の他レイアウト設計処理(S10)が行われると共に、
クロック系に対しては、先ず最初、機能モジュール内ク
ロックレイアウト設計処理(S11)、機能モジュール
間レイアウト設計処理(S12)、チップ全体クロック
遅延評価処理(S13)が行われる。機能モジュール内
クロックレイアウト設計処理(S11)では、前記図1
2で説明した高速・低速機能モジュールの観点による2
相クロック信号のクロックスキューの最小化処理を行な
うことになる。
【0064】ステップS11,S12のクロックレイア
ウトで実際にクロックスキューなどが生じている場合、
タイミングのずれや、オーバラップの量は、ステップS
13で評価される。その評価結果を基に、ステップS1
1、S12のクロックレイアウトによって得られるクロ
ックタイミングが調整可能範囲であるか否かが判定され
(S14)、調整範囲を超えている場合にはステップS
11,S12をやり直し、調整範囲を超えていなけれ
ば、機能モジュール内のクロック遅延のばらつき補正
(S16)、機能モジュール間のクロック遅延のばらつ
き補正(S15)を行なう。
【0065】前記機能モジュール内のクロック遅延のば
らつき補正処理(S16)では、図13で説明したよう
な2相クロック信号相互間のスキュー抑止のためのノン
オーバラップ量の設定を変更する事が行われる。
【0066】機能モジュール間のクロック遅延のばらつ
き補正処理(S15)では、前記図15で説明したよう
に、機能モジュールに内蔵されている2相クロック生成
回路の駆動負荷の相違を考慮してクロックバッファの遅
延回路(DL)の設定を変更する事が行われる。
【0067】レイアウト設計(S1)の後、その設計結
果を用いてフォトマスクなどを作成し(S2)、作成さ
れたフォトマスクを用いて半導体集積回路1の製造が行
われる(S3)。製造された半導体集積回路に対しては
更に評価が行われる(S3)。このステップでは、製造
された半導体集積回路(実チップ)に対してクロック供
給系の評価が行なわれる。
【0068】ステップS4での評価においてクロックタ
イミングが製品マージン内に収まるかの判定がなされ
(S6)、収まっていればその製品は出荷される。
【0069】ステップS4での評価においてクロックタ
イミングが製品マージン内に収まっていない場合には以
下の処理が行なわれる。即ち、ワーキングサンプル等の
少量出荷の場合は、FIB(Focused Ion Beam:収束分
子線)加工によって実チップに対してクロックタイミン
グを調整し(S7)、調整されたものがワーキングサン
プルなどとされる。FIB加工によるクロックタイミン
グの調整は、例えば、図10や図11で説明した第3金
属配線層M3のパターンを部分的に修正して行なう。ま
た、今後の製品のクロックタイミングが製品マージン内
に収まるようにするために配線層レイアウトの変更など
によりクロックタイミングの調整が行なわれ(S5)、
その調整結果がマスクパターンに反映される。この場合
の配線層レイアウトの修正の際も、例えば図10や図1
1で説明した第3金属配線層M3のパターンを部分的に
修正して行うことが可能であるため、修正するマスク枚
数が少なくて済み、修正に必要な時間の増大、コストの
増加を抑えることができる。また、特に制限されない
が、S11とS12、S15とS16は相互に入れ代え
ることも可能である。
【0070】《機能モジュールデータ》図16で説明し
た半導体集積回路の開発では、機能モジュールデータを
設計部品として用いることができる。以下、そのような
設計部品としての機能モジュールデータについて説明す
る。
【0071】機能モジュールとは、半導体集積回路等の
設計に際して、その中に設けられるべき演算機能や信号
制御機能等の機能上のまとまりを意味し、例えば図1で
説明したCPU3A、DSP3B等の機能単位を意味す
ることもある。この機能モジュールの機能若しくは構成
を特定する機能モジュールデータにはハードモジュール
データというものがある。これは、その部分のレイアウ
トの設計が完了し、そのレイアウトを形成するための複
数のマスクパターンを表すところのデータであって、部
品としてチップ設計者に提供される。最近では、そのよ
うなハードモジュールデータをハードIP(Intellectu
al Property:知的所有権)モジュールデータとも称す
る。このようなハードモジュールをチップ設計者に提供
する際には、そのハードモジュールを定義するデータと
して、HDL(Hardware Description Language)等のコ
ンピュータ言語で、そのモジュールの機能を記述したデ
ータと共に、その回路のレイアウトを表すところのマス
クパターンのデータ(例えば、マスクパターンを形成す
るための描画データ)等が提供される。この様なハード
モジュールデータに対して、ソフトモジュールデータと
呼ばれるものがある。ソフトモジュールデータでは、そ
のモジュールの機能がHDL等の記述によって特定さ
れ、その記述が部品としてチップ設計者に提供される。
ソフトモジュールデータではモジュールの機能を記述し
たHDL等の記述を基に、論理合成等を行うことによ
り、実際の回路を作成し、レイアウトが可能となる。こ
のようなソフトモジュールデータは、ハードIPモジュ
ールデータに対してソフトIPモジュールデータとも称
される。
【0072】図17には前記半導体集積回路1等の開発
に利用可能なハードIPモジュールデータ130の一例
が示される。図17に示されるハードIPモジュールデ
ータ130は、例えば前記CPU3Aを定義するデータ
であり、エンジニアリングワークステーションなどのコ
ンピュータを用いて一つの半導体チップに形成されるべ
き集積回路の設計に用いられる部品データとして位置付
けられる。このハードIPモジュールデータは、磁気テ
ープ、フロッピーディスク、ハードディスク、CD−R
OM、MO(マグネット−オプチカル・ディスク)など
の記憶媒体に、コンピュータによって読取り可能に記憶
されている。
【0073】前記IPモジュールデータ130は、前記
CPU3Aを半導体チップに形成するための図形パター
ンを定めるレイアウトパターンデータ131と、前記C
PU3Aの機能を記述した機能記述データ132と、検
証用データ133と、ユーティリティーデータ134と
を含んでいる。
【0074】前記レイアウトパターンデータ131は、
半導体チップにCPU3Aを製造する際に使われるマス
クのレイアウトパターンを形成するためのデータであ
り、例えばマスクパターンを形成するための描画データ
である。レイアウトパターンデータ131は、半導体チ
ップ上の半導体層(半導体領域)、ポリシリコン配線
層、多層の金属配線層、絶縁層等の回路形成層毎に、図
形パターンを規定するデータであり、例えば、GDS2
と称されるようなストリームフォーマットのデータとさ
れ、エンジニアリングワークステーションによって構成
されるようなマスク設計装置等に読み込まれて、フォト
マスクのパターンを生成することができるようなデータ
とされる。
【0075】前記レイアウトパターンデータ131のう
ち、特に、図10及び図11で説明したような第3金属
配線層M3のレイアウトパターンデータに関しては、図
5に例示される遅延回路13DLa,13DLbの遅延
時間毎に相違される複数の配線パターンデータDLP#
1〜DLP#nが予め用意されている。この配線パター
ンデータDLP#1〜DLP#nは、図10、図11に
対応させるなら、第3金属配線層M3で形成されるバイ
パス101B及びメタルスイッチ102S,102M,
102Eの状態を決定するパターンデータである。この
配線パターンデータDLP#1〜DLP#nが図5の2
相クロック生成回路13においてどの程度のノンオーバ
ラップ量に対応するかは前記ユーティリティーデータ1
34で対応付けられている。例えば、Tov#1のノン
オーバラップ量を得る為に選択すべき配線パターンデー
タはDLP#1であることを意味している。尚、このよ
うな対応データはデータそれ自体で提供されなくても、
ドキュメントで提供されてもよい。
【0076】前記機能記述データ132は、CPU3A
の機能をHDL等のコンピュータ言語で機能記述したデ
ータである。このデータは、ネットと信号名とを用い
て、機能モデル毎に、順序回路や組合せ回路などから成
る論理ゲートを機能記述している。前記検証用データ1
33はハードIPモジュールデータ130を用いて形成
されるCPU3Aをその他の機能モジュールと一緒に機
能若しくは回路検証したりするときに必要なCPU3A
の外部インタフェースタイミング等を提供する情報であ
る。この機能記述データや検証用データの中に、クロッ
ク信号の遅延情報やノンオーバラップ時間等のDLP#
1〜DLP#nに対応した情報を含めても良い。ここで
は、前記機能記述データ132及び検証用データは、ハ
ードIPモジュールデータ130を用いてレイアウトパ
ターンが特定されるCPU3Aの検証に専ら用いられ
る。
【0077】前記レイアウトパターンデータ131は、
機能及び性能的な検証を経たデータであるから、それに
よって特定される回路の機能や性能は既に安定されてい
る性質のものである。したがって、半導体集積回路1の
設計に前記レイアウトパターンデータ131を用いるこ
とにより、半導体集積回路1の開発に当たり、CPU3
Aに対して、少ない設計工数で、機能及び性能上高い信
頼性を保証することが可能になる。
【0078】特に、図16に示されるような開発方法に
おいて、機能モジュール内の2相クロック生成回路にお
けるノンオーバラップ量を変更する場合(S15)、遅
延時間設定用配線パターンDLP#1〜DLP#nを選
択し直すだけでよいから、その処理は極めて簡単であ
り、しかも、それら配線パターンDLP#1〜DLP#
nは検証済パターデータであるから、パターンの変更に
よって回路特性などの信頼性が低下する虞も無い。また
DLP#1〜DLP#nのいずれを選択するかに応じ
て、機能記述データや検証用データに含まれる遅延時間
情報等も利用できるようになるため、S13やS4での
評価も容易となる。
【0079】上記図17のハードIPモジュールデータ
は2相クロック生成回路における遅延回路DLの遅延時
間設定には図7、図10及び図11の回路構成を想定し
ているが、図8のように容量性負荷素子111の数によ
って遅延時間を設定する場合も、予めメタルスイッチ1
11Sa,111Sbを含む配線111の状態が異なる
複数種類の金属配線層パターンのデータを用意して、前
述同様に選択可能にしておけばよい。また、図9のよう
に常時オン状態にされるMOSトランジスタの位置と数
とによって遅延時間を設定する回路構成の場合にも、予
めメタルスイッチ120Sa,120Sbを含む配線1
20B,120Cの状態が異なる複数種類の金属配線層
パターンのデータを用意して、前述同様に選択可能にし
ておけばよい。
【0080】図18には前記半導体集積回路1等の開発
に利用可能なソフトIPモジュールデータ140の一例
が示される。図18に示されるソフトIPモジュールデ
ータ140は、例えば前記CPU3Aを定義するデータ
であり、エンジニアリングワークステーションなどのコ
ンピュータを用いて一つの半導体チップに形成されるべ
き半導体集積回路の設計に用いられる部品データとして
位置付けられる。このソフトIPモジュールデータも、
磁気テープ、フロッピーディスク、ハードディスク、C
D−ROM、MO(マグネット−オプチカル・ディス
ク)などの記憶媒体に、コンピュータによって読取り可
能に記憶されている。
【0081】前記ソフトIPモジュールデータ140
は、前記CPU3Aの機能を定める機能記述データ14
1と、検証用データ142と、ユーティリティーデータ
143とを含んでいる。
【0082】前記機能記述データ141は、CPU3A
の機能をHDL等のコンピュータ言語で機能記述したデ
ータであり、ネットと信号名とを用いて、順序回路や組
合せ回路などから成る論理ゲートを機能記述している。
更に詳しくは、その機能記述データ141は、命令デコ
ーダ、演算ユニット、シーケンスコントローラ、2相ク
ロック生成回路などの回路構成用機能モデル毎の機能モ
デルデータを有する。図18に例示される機能モデルデ
ータは、2相クロック生成回路モデルのデータ141a
と、その他の回路構成用機能モデルのデータ141bと
されている。
【0083】特に、2相クロック生成回路モデル141
aには遅延経路記述PSDが含まれている。この遅延経
路記述PSDは、図5の遅延回路13DLa,13DL
bが図7の回路構成を採用している場合には、メタルス
イッチ101Sを含む配線101の接続状態をネット名
と信号名とを用いて論理的に記述してある。その記述を
変更して遅延経路を変更すれば遅延回路13DLa,1
3DLbによる遅延時間を変更する事ができる。特に、
図18の例では、遅延経路記述PSDで選択可能な遅延
経路に応じて2相クロック生成回路13でどの程度のノ
ンオーバラップ量を得られるかが前記ユーティリティー
データ143に記述されている。即ち、Tov#1のノ
ンオーバラップ量が得られる遅延経路記述データはPS
D#1であり、Tov#nのノンオーバラップ量が得ら
れる遅延経路記述データはPSD#nであることが記述
されている。ノンオーバラップ量を変更する場合には、
所要のノンオーバラップ量に対応する遅延経路記述をユ
ーティリティーデータ143から選んで2相クロック生
成回路モデル141aの記述データの一部として採用す
ればよい。尚、このような対応データはデータそれ自体
で提供されなくても、ドキュメントで提供されてもよ
い。
【0084】前記検証用データ142はソフトIPモジ
ュールデータ140を用いて形成されるCPU3Aをそ
の他の機能モジュールと一緒に論理シミュレーションし
たりするときに必要なCPU3Aの外部インタフェース
タイミング等を提供する情報であり、クロックのノンオ
ーバラップ量等についての情報を含んでいても良い。
【0085】機能記述データ141によって特定される
回路の機能や性能はハードIPモジュールデータの場合
ほど安定性が保証されていない反面、回路の駆動能力等
に関する設計の自由度が保証されている。例えば、外部
機能モジュールの負荷の大小に応じて、出力ドライバ又
は出力バッファの駆動能力を容易に変更することができ
る。
【0086】上記図18のソフトIPモジュールデータ
は2相クロック生成回路における遅延回路の遅延時間設
定には図7の論理機能を想定しているが、図8のように
容量性負荷素子の数によって遅延時間を設定する場合に
はそれに応じた遅延経路記述を採用し、また、図9のよ
うにオン状態にされるMOSトランジスタの位置と数と
によって遅延時間を設定する場合にはメタルスイッチ1
20Sa,120Sbを含む配線120B,120Cの
接続状態を示す制御配線記述を採用すればよい。
【0087】図19には半導体集積回路1の設計に用い
られるエンジニアリングワークステーション、パーソナ
ルコンピュータ若しくは設計装置のようなコンピュータ
の一例が示される。図19に示されるコンピュータ15
0は、プロセッサ及びメモリなどを実装したプロセッサ
ボード、そして各種インタフェースボードを搭載した本
体151に、ディスプレイ152、キーボード153、
ディスクドライブ154などの代表的に示された周辺機
器が接続されて構成される。図17及び図18で説明し
たハードIPモジュールデータ30やソフトIPモジュ
ールデータ140は記憶媒体155に格納されている。
記憶媒体155は、特に制限されないが、前記ディスク
ドライブ154に装着されて、それに記憶されているI
Pモジュールデータがコンピュータの本体151に読み
込まれる。半導体集積回路1の開発に当たり、複数個の
機能モジュールに対してIPモジュールデータを用いる
ことができ、ハードIPモジュールデータとソフトIP
モジュールデータとが混在されていてもよい。コンピュ
ータ150は、機能設計、回路設計、レイアウト設計な
どの設計ツールを有し、読み込んだIPモジュールデー
タは、そのデータの対応される設計ツールにとって設計
部品として利用される。コンピュータ150は分散処理
システムであっても良い。例えば、ディスクアクセス、
レイアウト演算、マンマシン・インタフェースの夫々を
個別のコンピュータを用いて処理させ、処理結果を連携
して利用可能にしてもよい。
【0088】尚、前記IPモジュールデータの容量が大
きくなり、1個の記憶媒体155に格納することが不可
能になった場合には、複数の記憶媒体に分けてIPモジ
ュールデータを格納させるようにしてもよい。勿論、上
記IPモジュールデータを、予め複数の記憶媒体に格納
するように分割しておいて、複数の記憶媒体に格納して
もよい。
【0089】以上のように、動作速度の異なる複数の機
能モジュールを搭載する半導体集積回路1の設計におい
て、設計ツールのようなコンピュータ150で記憶媒体
155から上記機能モジュールデータであるIPモジュ
ールデータを読み込んで用いれば、クロックスキュー対
策の点で、設計期間の増大やコスト上昇を抑えることが
でき、クロック同期動作の信頼性が高く高速動作に対応
した半導体集積回路1の設計を容易化することができ
る。
【0090】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更可能であることは言うまでもない。
【0091】以上の説明では2相クロックに同期動作さ
れる順序回路をスルーラッチ形態で動作させる場合につ
いて説明したが、本発明はエッジトリガ形態で動作され
る順序回路を含む機能モジュール、半導体集積回路、及
びその開発方法にも適用することができる。例えば、エ
ッジトリガ形態を含む場合ではクロック信号サイクルの
長い多相クロック信号ほど相対的に大きなノンオーバラ
ップ量を設定するから、クロックスキュー回避のための
設計時間を短縮できるようになる。
【0092】また、多相クロック信号は2相クロック信
号に限定されず、3相又は4相以上であってもよい。ま
た、個々の機能モジュールが夫々多相クロック生成回路
を内蔵し、クロックバッファから単相クロック信号を受
けて多相クロック信号を生成する構成に限定されない。
機能モジュールは外部から多相クロック信号を受けて動
作する場合であっても、低速動作機能モジュールにおけ
る多相クロック信号のノンオーバラップ量を高速動作機
能モジュールにおける多相クロック信号のノンオーバラ
ップ量よりも大きくする構成を採用することは可能であ
る。
【0093】また、半導体集積回路に内蔵される機能モ
ジュールの種類、IPモジュールデータで提供される機
能モジュールの種類は上述の説明に限定されず、適宜変
更可能である。また、機能モジュールの設計データがI
Pモジュールデータとして提供される場合においては、
半導体集積回路の機能モジュールが全て同一の動作速度
で動作するものであっても良く、その場合、開発する半
導体集積回路の動作に最も適したノンオーバラップ量や
遅延時間を選択することが可能となる。
【0094】そして、本発明は図1に示されるマイクロ
コンピュータに適用されるだけでなく、マイクロプロセ
ッサや、大規模なDRAMと共に所要のデータ処理機能
を搭載したシステムLSI若しくはアクセラレータ等と
称される半導体集積回路やその開発方法等にも広く適用
することができる。
【0095】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0096】すなわち、低速動作機能モジュールにおけ
る多相クロック信号のノンオーバラップ量を高速動作機
能モジュールにおける多相クロック信号のノンオーバラ
ップ量よりも大きくする構成を採用することにより、機
能モジュールに含まれる順序回路が多相クロック信号に
よってスルーラッチ形態で動作される場合、高速動作さ
れる機能モジュールでは、高速化への対応が容易にな
り、一方、比較的動作速度の遅い機能モジュールでは、
高速動作される機能モジュールと同様にノンオーバラッ
プ量を小さくする為の設計時間(クロックスキュー回避
のための設計時間)をかける必要もない。これにより、
動作速度の異なる機能モジュールを搭載する半導体集積
回路において、高速化への対応が容易であり,しかも、
低速動作機能モジュールに対してはクロックスキュー対
策の点で、設計期間の増大やコスト上昇を抑えることが
できる。
【0097】エッジトリガ形態を含む場合ではクロック
信号サイクルの長い多相クロック信号ほど相対的に大き
なノンオーバラップ量を設定するから、クロックスキュ
ー回避のための設計時間を短縮できる。
【0098】機能モジュール間でのクロックスキューの
低減と、機能モジュール内の多相クロック信号の各相の
クロック信号間の位相調整若しくはスキュー抑制とを、
夫々分けて別々の回路で行なうことを可能にすることに
より、クロック供給系の設計が容易化でき、また、それ
によって得られる半導体集積回路のクロック同期動作に
高い信頼性を得ることができるようになる。
【0099】また、複数のクロックバッファを隣接配置
すれば、クロックバッファを半導体チップ上に分散させ
る場合に比べ、プロセス上トランジスタのゲート長等が
ばらつくことによる影響を小さくすることが可能にな
り、これによって、クロックバッファの駆動能力の設計
値に対する誤差が小さくなり、クロックスキューの低減
に寄与することができる。
【0100】前記信号伝播遅延時間を決定する回路とし
て、複数の遅延素子と、少なくとも一つの遅延素子をバ
イパスさせて残りの遅延素子を直列形態に接続し或いは
前記複数の遅延素子を全部直列形態に接続する配線とを
有し、前記遅延素子の直列段数によって信号伝播遅延時
間を決定することにより、遅延時間の設定若しくは変更
を簡単にできる。複数の容量性負荷素子を有し、クロッ
ク信号の信号伝播経路に並列的に接続する前記容量性負
荷素子の数に基づいて信号伝播遅延時間を決定するよう
にしても、同様に、遅延時間の設定若しくは変更が簡単
である。更に、常時オン動作させるプッシュプルトラン
ジスタの位置と数とを配線で制御する構成によっても、
上記同様、遅延時間の設定若しくは変更が簡単になる。
【0101】多相クロック信号のノンオーバラップ量若
しくは位相差を調整可能とする設計部品データとしての
機能モジュールデータに、多相クロック信号を生成する
クロック生成回路を定めるデータを含め、このデータを
コンピュータ読取り可能に記憶媒体に格納して提供す
る。この多相クロック生成回路を定めるデータには、多
相クロック信号の各相のクロック信号の位相を規定する
信号伝播遅延時間を決定する遅延回路を各相のクロック
信号毎に定めることができ且つ前記位相を選択可能とし
て多相クロック信号のノンオーバラップ量を決定するデ
ータを含めることにより、動作速度の異なる複数の機能
モジュールを搭載する半導体集積回路の設計において、
設計ツールのようなコンピュータで記憶媒体から上記機
能モジュールデータを読み込んで用いれば、クロックス
キュー対策の点で、設計期間の増大やコスト上昇を抑え
ることができ、クロック同期動作の信頼性が高く高速動
作に対応した半導体集積回路の設計を容易化することが
できる。
【0102】半導体チップに複数の機能モジュールを搭
載し、前記機能モジュールを所定のノンオーバラップ量
が規定された多相クロック信号に同期動作させる半導体
集積回路を開発する方法の観点によれば、前記複数の機
能モジュールに供給される前記多相クロック信号の周波
数を相違させるとき、相対的に周波数の低い前記多相ク
ロック信号のノンオーバラップ量は相対的に周波数の高
い前記多相クロック信号のノンオーバラップ量よりも大
きくする。この開発方法によれば、クロックスキュー対
策の点で、設計期間の増大やコスト上昇を抑えることが
でき、クロック同期動作の信頼性が高く高速動作に対応
した半導体集積回路の開発を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体集積回路をクロック供給系
を主体に示したレイアウト図である。
【図2】図1の半導体集積回路におけるクロック供給系
を部分的に抜き出して示したブロック図である。
【図3】クロックバッファの一例を示すブロック図であ
る。
【図4】図3のクロックバッファの入出力信号波形の一
例を示し動作波形図である。
【図5】2相クロック生成回路の論理構成の一例を示す
論理回路図である。
【図6】図5の2相クロック生成回路の動作波形の一例
を示す動作波形図である。
【図7】クロックバッファ及び2相クロック生成回路に
含まれる遅延回路の遅延時間を遅延素子のバイパスの有
無で決定する回路形式の一例を示す論理回路図である。
【図8】クロックバッファ及び2相クロック生成回路に
含まれる遅延回路の遅延時間をクロック伝播経路の入力
用量素子の数で決定する回路形式の一例を示す論理回路
図である。
【図9】クロックバッファ及び2相クロック生成回路に
含まれる遅延回路の遅延時間を常時オン状態にされるプ
ッシュ・プルトランジスタの位置と数とによって決定す
る回路形式の一例を示す論理回路図である。
【図10】図7に示される遅延回路に類似する遅延回路
のレイアウトパターンの一例と論理構成を示す説明図で
ある。
【図11】図10に対してメタルスイッチの接続態様だ
けが異なる遅延回路のレイアウトパターンの一例と論理
構成を示す説明図である。
【図12】機能モジュールの動作速度、設計時間、スキ
ュー発生率、ノンオーバラップ時間の相関を例示する説
明図である。
【図13】低速機能モジュールほど2相クロック信号の
ノンオーバラップ時間を大きくするという観点に立った
とき2相クロック信号のスキューに対するノンオーバラ
ップ時間の設定例を示す波形図である。
【図14】クロックバッファから機能モジュールの内部
の順序回路回路に至るクロック供給系の負荷が相違する
場合を例示したブロック図である。
【図15】複数の機能モジュール内部のクロック伝播経
路の負荷の相違を考慮して複数個のクロックバッファの
遅延回路に異なる遅延時間を設定する場合を例示した波
形図である。
【図16】半導体集積回路の開発方法の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図17】ハードIPモジュールデータの一例を示すデ
ータフォーマット図である。
【図18】ソフトIPモジュールデータの一例を示すデ
ータフォーマット図である。
【図19】半導体集積回路の設計に用いられるエンジニ
アリングワークステーション等のコンピュータを例示す
る斜視図である。
【符号の説明】
1 半導体集積回路 2 半導体チップ 3A、3B,3C 高速機能モジュール 4A,4B 中速機能モジュール 5A,5B 低速機能モジュール 7 PLL CK1,CK2,CK3 単相クロック信号 8 モジュール間バッファ回路 81〜87 クロックバッファ 821DL,82DL 遅延回路 83DL,84DL,85DL 遅延回路 86DL,87DL 遅延回路 CK11、CK12,CK13 高速クロック信号 CK21,CK22 中速クロック信号 CK31,CK32 低速クロック信号 11〜17 2相クロック生成回路 CK11t,CK11b ノンオーバラップ2相クロッ
ク信号 CK12t,CK12b ノンオーバラップ2相クロッ
ク信号 CK13t,CK13b ノンオーバラップ2相クロッ
ク信号 CK21t,CK21b ノンオーバラップ2相クロッ
ク信号 CK22t,CK22b ノンオーバラップ2相クロッ
ク信号 CK31t,CK31b ノンオーバラップ2相クロッ
ク信号 CK32t,CK32b ノンオーバラップ2相クロッ
ク信号 11LTCa,11LTCb 順序回路 11CMBa 組合せ回路 13DLa,13DLb 遅延回路 13LTCa,13LTCb 順序回路 13CMBa 組合せ回路 31LTCa,31LTCb 順序回路 31CMBa 組合せ回路 DL 遅延回路 100 遅延素子 101 配線 101B バイパス配線 101S メタルスイッチ 111 配線 111B バイパス配線 110 容量性負荷素子 111Sa,111Sb メタルスイッチ Mp pチャンネル型MOSトランジスタ Mn nチャンネル型MOSトランジスタ 120A 第1配線 120B 第2配線 120C 第3配線 120Sa、120Sb メタルスイッチ M3 第3金属配線層 130 ハードIPモジュールデータ 140 ソフトIPモジュールデータ 150 コンピュータ 155 記憶媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星 聡 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体グループ内 (72)発明者 石川 憲輔 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体グループ内 Fターム(参考) 5B046 AA08 BA06 JA01 5B079 CC02 CC03 CC14 DD06 DD08 DD13 DD17 5F038 AV13 CA02 CD06 CD08 CD09 CD13 DF01 DF04 DF05 DF11 EZ10 EZ20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体チップに複数の機能モジュールを
    含み、前記機能モジュールは所定のノンオーバラップ量
    が規定された多相クロック信号に同期動作され、一の機
    能モジュールが用いる多相クロック信号のノンオーバラ
    ップ量は、他の機能モジュールが用いる多相クロック信
    号のノンオーバラップ量よりも大きくされて成るもので
    あることを特徴とする半導体集積回路。
  2. 【請求項2】 半導体チップに複数の機能モジュールを
    含み、前記機能モジュールは所定のノンオーバラップ量
    が規定された多相クロック信号に同期動作されるもので
    あり、相互に多相クロック信号の周波数が異なる所定の
    機能モジュール間において、一の機能モジュールが用い
    る相対的に周波数の低い多相クロック信号のノンオーバ
    ラップ量は、他の機能モジュールが用いる相対的に周波
    数の高い多相クロック信号のノンオーバラップ量よりも
    大きくされて成るものであることを特徴とする半導体集
    積回路。
  3. 【請求項3】 前記一の機能モジュールと他の機能モジ
    ュールは単相クロック信号に基づいて多相クロック信号
    を生成する多相クロック発生回路を有し、前記多相クロ
    ック発生回路が前記多相クロック信号のノンオーバラッ
    プ量を決定するものであることを特徴とする請求項1又
    は2記載の半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 前記多相クロック生成回路は、多相クロ
    ック信号の各相のクロック信号の位相を規定する信号伝
    播遅延時間を決定する回路を各相のクロック信号毎に有
    して多相クロック信号のノンオーバラップ量を決定する
    ものであることを特徴とする請求項3記載の半導体集積
    回路。
  5. 【請求項5】 前記多相クロック生成回路毎に単相クロ
    ック信号を供給する複数のクロックバッファと、前記複
    数のクロックバッファにクロック信号を供給するクロッ
    ク発生回路とを更に有し、前記複数のクロックバッファ
    は半導体チップ上で隣接配置され、前記クロックバッフ
    ァは、入力されたクロック信号の信号伝播遅延時間を決
    定する回路を有して成るものであることを特徴とする請
    求項4記載の半導体集積回路。
  6. 【請求項6】 前記信号伝播遅延時間を決定する回路
    は、複数の遅延素子と、少なくとも一つの遅延素子をバ
    イパスさせて残りの遅延素子を直列形態に接続し或いは
    前記複数の遅延素子を全部直列形態に接続する配線とを
    有し、前記遅延素子の直列段数によって信号伝播遅延時
    間が決定されて成るものであることを特徴とする請求項
    4又は5記載の半導体集積回路。
  7. 【請求項7】 前記信号伝播遅延時間を決定する回路
    は、複数の容量性負荷素子を有し、クロック信号の信号
    伝播経路に並列的に接続する前記容量性負荷素子の数に
    基づいて信号伝播遅延時間が決定されて成るものである
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の半導体集積回
    路。
  8. 【請求項8】 前記信号伝播遅延時間を決定する回路
    は、複数個直列結合された第1導電型トランジスタと複
    数個直列結合された第2導電型トランジスタとの直列回
    路と、前記第1導電型トランジスタ及び第2導電型トラ
    ンジスタをプッシュ・プル動作させる信号伝達用の第1
    配線と、前記第1導電型トランジスタを常時オン動作さ
    せる電源供給用に割当てられる第2配線と、前記第2導
    電型トランジスタを常時オン動作させる電源供給用に割
    当てられる第3配線とを有し、常時オン動作する第1導
    電型トランジスタ及び第2導電型トランジスタの数と位
    置とによって信号伝播遅延時間が決定されて成るもので
    あることを特徴とする請求項4又は5記載の半導体集積
    回路。
  9. 【請求項9】 単相クロック信号を入力してノンオーバ
    ラップ量が規定された第1クロック信号及び第2クロッ
    ク信号を生成するクロック生成回路であって、 前記第1クロック信号の形成に利用される複数の第1遅
    延素子と、前記第2クロック信号の形成に利用される複
    数の第2遅延素子と、前記複数の第1遅延素子のうち少
    なくとも一つをバイパスさせて残りの遅延素子を直列形
    態に接続し或いは前記第1遅延素子を全部直列形態に接
    続する第1配線と、前記複数の第2遅延素子のうち少な
    くとも一つをバイパスさせて残りの遅延素子を直列形態
    に接続し或いは前記第2遅延素子を全部直列形態に接続
    する第2配線とを有し、前記第1配線に接続された遅延
    素子による信号伝播遅延時間と第2配線に接続された遅
    延素子による信号伝播遅延時間とに基づいて第1クロッ
    ク信号と第2クロック信号とのノンオーバラップ量が決
    定されて成るものであることを特徴とするクロック生成
    回路。
  10. 【請求項10】 単相クロック信号を入力してノンオー
    バラップ量が規定された第1クロック信号及び第2クロ
    ック信号を生成するクロック生成回路であって、 前記第1クロック信号の形成に利用される複数の第1容
    量性負荷素子と、前記第2クロック信号の形成に利用さ
    れる複数の第2容量性負荷素子と、前記第1クロック信
    号の形成に利用される信号伝達経路への前記第1容量性
    負荷素子の接続に割当てられる第1配線と、前記第2ク
    ロック信号の形成に利用される信号伝達経路への前記第
    2容量性負荷素子の接続に割当てられる第2配線とを有
    し、容量性負荷素子による前記第1配線の信号伝播遅延
    時間と容量性負荷素子による第2配線の信号伝播遅延時
    間とに基づいて第1クロック信号と第2クロック信号と
    のノンオーバラップ量が決定されて成るものであること
    を特徴とするクロック生成回路。
  11. 【請求項11】 単相クロック信号を入力してノンオー
    バラップ量が規定された第1クロック信号及び第2クロ
    ック信号を生成するクロック生成回路であって、 前記第1クロック信号を形成するための信号伝播遅延時
    間を決定する第1遅延回路と、前記第2クロック信号を
    形成するための信号伝播遅延時間を決定する第2遅延回
    路とを有し、 前記第1遅延回路及び第2遅延回路は夫々、複数個直列
    結合された第1導電型トランジスタと複数個直列結合さ
    れた第2導電型トランジスタとの直列回路と、前記第1
    導電型トランジスタ及び第2導電型トランジスタをプッ
    シュ・プル動作させる信号伝達用の第1配線と、前記第
    1導電型トランジスタを常時オン動作させる電源供給用
    に割当てられる第2配線と、前記第2導電型トランジス
    タを常時オン動作させる電源供給用に割当てられる第3
    配線とを有し、常時オン動作する第1導電型トランジス
    タ及び第2導電型トランジスタの数と位置とによって信
    号伝播遅延時間が決定されて、 前記第1遅延回路による信号伝播遅延時間と第2遅延回
    路による信号伝播遅延時間とに基づいて第1クロック信
    号と第2クロック信号とのノンオーバラップ量が決定さ
    れて成るものであることを特徴とするクロック生成回
    路。
  12. 【請求項12】 半導体集積回路の設計に用いられる機
    能モジュールデータがコンピュータにより読取り可能に
    記憶された記憶媒体であって、 前記機能モジュールデータは、単相クロック信号に基づ
    いてノンオーバラップ量が規定された多相クロック信号
    を生成するクロック生成回路を定めるデータと、このク
    ロック生成回路で生成される多相クロック信号を受けて
    動作する順序回路を定めるデータとを含み、 前記多相クロック生成回路を定めるデータは、多相クロ
    ック信号の各相のクロック信号の位相を規定する信号伝
    播遅延時間を決定する遅延回路を各相のクロック信号毎
    に定めることができ且つ前記位相を選択可能として多相
    クロック信号のノンオーバラップ量を決定するデータを
    含んで成るものであることを特徴とする記憶媒体。
  13. 【請求項13】 前記遅延回路を定めるデータは、機能
    記述データ又は図形パターンデータであることを特徴と
    する請求項12記載の記憶媒体。
  14. 【請求項14】 前記遅延回路を定めるデータは、複数
    の遅延素子とクロック配線とを定めるデータを有し、 前記クロック配線を定めるデータは、複数の遅延素子の
    うち少なくとも一つの遅延素子をバイパスさせて残りの
    遅延素子を直列形態に接続し或いは前記複数の遅延素子
    を全部直列形態に接続する態様が予め複数種類定義され
    たデータを含むものであることを特徴とする請求項12
    記載の記憶媒体。
  15. 【請求項15】 前記遅延回路を定めるデータは、複数
    の容量性負荷素子と接続配線とを定めるデータを有し、 前記接続配線を定めるデータは、接続すべき容量性負荷
    素子の数を相違させた態様が予め複数種類定義されたデ
    ータを含むものであることを特徴とする請求項12記載
    の記憶媒体。
  16. 【請求項16】 前記遅延回路を定めるデータは、複数
    個直列結合された第1導電型トランジスタと複数個直列
    結合された第2導電型トランジスタとの直列回路と、前
    記第1導電型トランジスタ及び第2導電型トランジスタ
    をプッシュ・プル動作させる信号伝達用の第1配線と、
    前記第1導電型トランジスタを常時オン動作させる電源
    供給用に割当てられる第2配線と、前記第2導電型トラ
    ンジスタを常時オン動作させる電源供給用に割当てられ
    る第3配線とを定めるデータを有し、 前記第1乃至第3配線を定めるデータは、常時オン動作
    すべき第1導電型トランジスタ及び第2導電型トランジ
    スタを相違させた態様が予め複数種類定義されたデータ
    を含むものであることを特徴とする請求項12記載の記
    憶媒体。
  17. 【請求項17】 半導体チップに複数の機能モジュール
    を搭載し、前記機能モジュールを所定のノンオーバラッ
    プ量が規定された多相クロック信号に同期動作させる半
    導体集積回路を開発する方法であって、 前記複数の機能モジュールに供給される前記多相クロッ
    ク信号の周波数を相違させるとき、1の機能モジュール
    に供給される前記多相クロック信号のノンオーバラップ
    量は他の機能モジュールに供給される前記多相クロック
    信号のノンオーバラップ量よりも大きくすることを特徴
    とする半導体集積回路の開発方法。
  18. 【請求項18】 前記半導体チップに機能モジュールを
    搭載するに当たり、単相クロック信号に基づいてノンオ
    ーバラップ量の異なる多相クロック信号を生成するクロ
    ック生成回路を定めるデータと、このクロック生成回路
    で生成される多相クロック信号を受けて動作する順序回
    路を定めるデータとを含む機能モジュールデータを設計
    部品データとして読み込み、 読み込んだ前記機能モジュールデータの内のクロック生
    成回路を定めるデータから、前記多相クロック信号の各
    相毎に設けられていて各相のクロック信号の位相調整を
    可能とする遅延回路を定めるデータを選択して、前記多
    相クロック信号のノンオーバラップ量を設定することを
    特徴とする請求項17記載の半導体集積回路の開発方
    法。
JP11223625A 1999-08-06 1999-08-06 半導体集積回路及び記憶媒体 Pending JP2001053233A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11223625A JP2001053233A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 半導体集積回路及び記憶媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11223625A JP2001053233A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 半導体集積回路及び記憶媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001053233A true JP2001053233A (ja) 2001-02-23

Family

ID=16801150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11223625A Pending JP2001053233A (ja) 1999-08-06 1999-08-06 半導体集積回路及び記憶媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001053233A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005086242A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Nec Corp 集積回路
JP2005183895A (ja) * 2003-11-28 2005-07-07 Ricoh Co Ltd セルレイアウト、半導体集積回路装置、半導体集積回路の設計方法並びに半導体集積回路の半導体製造方法
US6941540B2 (en) 2002-05-13 2005-09-06 Nec Electronics Corporation Design method for gate array integrated circuit
JP2007519097A (ja) * 2003-12-19 2007-07-12 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 集積回路におけるクロック配給
CN113657065A (zh) * 2021-07-20 2021-11-16 长鑫存储技术有限公司 时钟电路、存储器及半导体结构的制作方法
CN114578895A (zh) * 2020-12-02 2022-06-03 京东方科技集团股份有限公司 一种集成电路及其时钟信号配送方法
JP7454689B2 (ja) 2021-07-20 2024-03-22 チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド クロック回路、メモリ及び半導体構造の製造方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6941540B2 (en) 2002-05-13 2005-09-06 Nec Electronics Corporation Design method for gate array integrated circuit
JP2005086242A (ja) * 2003-09-04 2005-03-31 Nec Corp 集積回路
JP4613483B2 (ja) * 2003-09-04 2011-01-19 日本電気株式会社 集積回路
JP2005183895A (ja) * 2003-11-28 2005-07-07 Ricoh Co Ltd セルレイアウト、半導体集積回路装置、半導体集積回路の設計方法並びに半導体集積回路の半導体製造方法
JP4523290B2 (ja) * 2003-11-28 2010-08-11 株式会社リコー セルレイアウト、半導体集積回路装置、半導体集積回路の設計方法並びに半導体集積回路の半導体製造方法
JP2007519097A (ja) * 2003-12-19 2007-07-12 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 集積回路におけるクロック配給
CN114578895A (zh) * 2020-12-02 2022-06-03 京东方科技集团股份有限公司 一种集成电路及其时钟信号配送方法
CN113657065A (zh) * 2021-07-20 2021-11-16 长鑫存储技术有限公司 时钟电路、存储器及半导体结构的制作方法
CN113657065B (zh) * 2021-07-20 2023-08-25 长鑫存储技术有限公司 时钟电路、存储器及半导体结构的制作方法
JP7454689B2 (ja) 2021-07-20 2024-03-22 チャンシン メモリー テクノロジーズ インコーポレイテッド クロック回路、メモリ及び半導体構造の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020059538A1 (en) Information processor and information processing system utilizing interface for synchronizing clock signal
US7161394B2 (en) Digital phase mixers with enhanced speed
JPH05233275A (ja) マイクロプロセッサ
JP3908618B2 (ja) マルチモードラッチタイミング回路、ロジック回路、ロジック回路を動作させる方法、および、ロジック回路により必要とされるクロック電力を低減する方法
JP4130006B2 (ja) 半導体装置
JP2008278482A (ja) マルチスピードリングオシレータ
US6425115B1 (en) Area efficient delay circuits
US5831459A (en) Method and system for adjusting a clock signal within electronic circuitry
JP2001053233A (ja) 半導体集積回路及び記憶媒体
JP3962455B2 (ja) クロック機構
US6107852A (en) Method and device for the reduction of latch insertion delay
JP4251692B2 (ja) 集積回路設計方法
US6185720B1 (en) Slaveless synchronous system design
JPH10133768A (ja) クロックシステム、半導体装置、半導体装置のテスト方法、及びcad装置
Jong et al. A novel structure for portable digitally controlled oscillator
JP3139750B2 (ja) タイミング調整方法
US6981166B2 (en) Method, apparatus, and computer program product for pacing clocked operations
JP3138045B2 (ja) 半導体集積回路
JP2002311092A (ja) スキャンフリップフロップと、スキャンパス回路およびその設計方法
JP3184135B2 (ja) 半導体集積回路のレイアウト方法
JP2001257566A (ja) イネーブル付きラッチ回路
JP2000294737A (ja) 半導体集積回路およびその製造方法
JPH0573703A (ja) 半導体集積回路装置
JPH087643B2 (ja) 情報処理システム
JP2565103B2 (ja) 出力回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090820

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091215