JP3138045B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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JP3138045B2 JP04021984A JP2198492A JP3138045B2 JP 3138045 B2 JP3138045 B2 JP 3138045B2 JP 04021984 A JP04021984 A JP 04021984A JP 2198492 A JP2198492 A JP 2198492A JP 3138045 B2 JP3138045 B2 JP 3138045B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フリップフロップ回路
のような順序回路(データの記憶機能があって現時点の
入力と記憶データによって論理出力が決まる回路)を含
む半導体集積回路、さらには情報の伝達経路に配置され
たフリップフロップ回路に対するクロック同期動作によ
ってその論理動作タイミングが制御される半導体集積回
路に関し、例えばマイクロコンピュータに適用して有効
な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロコンピュータなどの論理LSI
において、その実行部に含まれる算術論理演算回路、マ
ルチプレクサ、シフタ、デコーダ、及びセレクタなどの
論理回路間の情報伝達経路にレジスタを配置し、各レジ
スタをクロック信号で同期動作させることにより容易に
誤動作を防止してデータ処理を行うようにすることがで
きる。レジスターはフリップフロップ回路のような同期
型順序回路によって構成される。このような論理LSI
の性能は、情報の伝達経路に配置されたレジスタの同期
動作を規定するためのクロック信号周波数によって決定
される。すなわち、クロック信号の変化に同期して一の
レジスタからデータが出力されると、そのデータに対し
て論理演算などが行われる。この演算結果が次段レジス
タに到達するタイミングに併せて、当該次段レジスタが
クロック信号の変化に同期してデータを入力できるよう
に、当該クロック信号周波数が決定される。このような
マイクロコンピュータについて記載された文献の例とし
ては日経マグロウヒル社発行の「日経エレクトロニクス
(1987年7月13日号)」第124頁から第138
頁がある。
【0003】しかしながら、従来この種の論理LSIに
おいてレジスタにクロック信号の変化が与えられてから
その保持データが出力されるまでの動作遅延時間は、ナ
ンドゲートやノアゲートなどの一般ゲート若しくは組合
せ回路(ここに組合せ回路とは、入力が決まると出力が
一義的に決まる論理回路をいう)に比べて数倍大きくな
る。なぜならば、フリップフロップ回路のような順序回
路は、そのデータ入力端子とそのデータ出力端子との間
にデータをラッチするためのデータ系論理ゲートや上記
データ系論理ゲートをクロック信号に同期して動作させ
るためのクロック系論理ゲートなどを含み、データ入力
端子からデータ出力端子までの間に存在するゲート直列
段数が多くなるからである。このように従来のクロック
同期型フリップフロップ回路ではクロック信号のレベル
変化からデータ出力が確定するまでに比較的大きな遅延
を生ずるため、クロック信号に対するデータのセットア
ップ時間やホール時間を所要時間確保するためには必然
的にクロック信号周期が長くなる。これにより、斯るフ
リップフロップ回路の動作を規定するクロック信号サイ
クルによって動作速度が決定されるような論理LSIに
おいてはその高速化に限界を生じてしまう。例えばその
ようなフリップフロップ回路がクリティカルパスに存在
している場合、当該フリップフロップ回路の動作遅延時
間が論理LSIの高速化を阻むこととなる。
【0004】そこで本発明者は、情報の伝達経路に配置
されたフリップフロップ回路に対するクロック同期動作
によってその論理動作タイミングが制御される半導体集
積回路装置に関する先の出願(特願平2−242257
号及び特願平3−248278号)において、前記フリ
ップフロップ回路として、そのデータ入力端子と出力端
子との間に記憶回路とバイパス回路を並列接続し、記憶
回路のデータ書き込み動作時にはバイパス回路の出力を
出力端子に伝達し、記憶回路のデータ保持状態では記憶
回路の出力を前記出力端子に伝達する構成を採用したも
のを提案した。これによれば、バイパス回路は、内蔵ゲ
ートの直列接続段数が記憶回路よりも少なく、入力端子
から出力端子までの情報伝達遅延が記憶回路よりも小さ
くされているから、記憶回路からの出力が確定する以前
にバイパス回路は上記入力データに対応する情報を高速
に出力することができる。したがって、クロック信号に
同期して入力データがフリップフロップの入力端子に入
力されてから該入力データに応ずるデータがフリップフ
ロップの出力端子に出力されるまでのタイミングが早め
られ、フリップフロップ回路の動作を規定するためのク
ロック信号サイクルによってその性能が決定されるよう
なマイクロコンピュータなどの動作を高速化できるよう
になる。
【0005】また、半導体集積回路(以下、LSIと称
する)においては、その量産性と信頼性を高めるために
テストパターンによる故障検出率を100%近くにする
必要がある。論理回路を含む半導体集積回路に対して
は、種々の回路素子が所望の機能及び性能を有するか否
かを、テストパターンの入力信号を外部から加えて判定
しており、これを一般に診断と呼んでいる。ここで入力
テストパターンは内部の素子を漏れなく診断できるもの
が必要であり、総素子数の中で診断可能な素子の比率を
診断率と定義する。したがって、この入力テストパター
ンを作る場合に実用上十分な診断率を、できるだけ少な
いステップ数で達成することが必要である。このとき、
数千ないし数万ゲート以上の高集積化された半導体集積
回路に対しては、テストパターンだけで検出率を上げる
のは不可能に近く、何らかの診断用回路をLSIに設け
る必要がある。そこで、通常は診断用の回路を論理設計
時に加えることが行われている。
【0006】本発明者は更に、そのような診断用回路と
して例えば特開昭61−62878号に記載されたもの
を、上記バイパス回路付きのフリップフロップ回路に適
用することを検討した。特開昭61−62878号に記
載されフリップフロップ回路は、マスター・スレーブ型
に構成され、従来のフリップフロップを構成するMF部
と診断用ラッチ回路を構成するSF部から成る。通常モ
ードではSF部のラッチ回路はデータスルー状態に制御
され、フリップフロップ回路全体としては、SF部のゲ
ート一段分のデータ遅延を除いて、何らMF部の動作と
変わりない。診断モードでは前記MF部とSF部がマス
ター・スレーブ動作される。これにより、診断モードに
おいて組合わせ回路の出力を受信側フリップフロップ回
路にセットするとき、次段の組合わせ回路の入力が動か
ないので、組合せ回路の前後に配置されているフリップ
フロップ回路を相互に同一クロック信号を用いて同相転
送制御することができ、さらに、ゲートアレイLSIに
対するユーザの論理設計におけるフィードバック回路の
禁止といった制約を解消する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記検討
結果によれば、上記バイパス回路付きのフリップフロッ
プ回路にそのような診断機能を付加する場合には、診断
動作時におけるフリップフロップ回路のマスター・スレ
ーブ動作をバイパス回路の出力が妨げないように制御
し、更にその制御のために多数の制御信号を外部から入
力しなくても済むようにして診断の複雑化を招かないよ
うな考慮が更に必要なことを見い出した。
【0008】本発明の目的は、診断機能を有し、診断時
にマスター・スレーブ動作されるクロック同期型順序回
路の通常動作時における動作遅延を少なくして半導体集
積回路の論理動作を高速化しようとするものである。更
に、上記クロック同期型順序回路の診断動作時における
同相転送を保証することができるようにする。
【0009】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0011】すなわち、図1を参照すれば、クロック信
号に同期動作可能な順序回路を含む半導体集積回路にお
いて、前記順序回路(FF)は、入力データを書き込ん
で出力する書き込み状態並びに書き込まれたデータを保
持して出力する保持状態が制御される第一記憶回路(M
F)、前記書き込み状態と保持状態が制御される第二記
憶回路(SF)、及びバイパス回路(BP)を有する。
前記第一記憶回路(MF)は、主データ入力端子(2
0)から供給されるデータに対する前記書き込み状態と
保持状態が第一及び第二制御信号(CK、MC1)に基
づいて制御される。前記第二記憶回路(SF)は、第一
記憶回路(MF)の出力データに対する前記書き込み状
態と保持状態が第三制御信号(C2)に基づいて制御さ
れる。前記バイパス回路(BP)は、主データ入力端子
(20)とデータ出力端子(21)とに接続され、前記
主データ入力端子(20)から前記双方の記憶回路(M
F,SF)を経てデータ出力端子(21)に至るまでの
データ伝達時間よりも短い伝達時間、換言すれば前記主
データ入力端子(20)から前記双方の記憶回路(M
F,SF)を経てデータ出力端子(21)に至るまでの
直列ゲート段数よりも少ない数の直列ゲート段数、を有
する。このバイパス回路(BP)は、前記第一記憶回路
(MF)及び第二記憶回路(SF)をマスター・スレー
ブ動作させるときの前記第二及び第三制御信号(MC
1、C2)の状態に呼応して出力動作が抑制され、前記
第二記憶回路(SF)に常時書き込み状態を指示すると
きの前記第三制御信号(C2)の状態と前記第一記憶回
路(MF)に主データ入力端子(20)からのデータ書
き込み状態を制御するときの第一及び第二制御信号(C
K、MC1)の状態に呼応して前記データ出力端子(2
1)への出力動作が可能にされる。
【0012】スキャンバスから診断用データのスキャン
・インを可能にするには、前記第一記憶回路(MF)は
更に、診断用データ入力端子(25)からの診断用デー
タ(SiD)に対する前記書き込み状態と保持状態を第
四制御信号(SWi)に基づいて制御可能にされるとよ
い。
【0013】スキャンバスへの診断用データのスキャン
・アウトを可能にするには、前記第二記憶回路(SF)
の出力に接続する診断用データ出力端子(23)を更に
設ける。
【0014】前記バイパス回路(BP)は、記憶回路
(MF,SF)を通さずに、それに書き込まれるべき情
報を迂回して出力端子(21)に伝達する。このとき記
憶回路(MF)の書き込み確定前の保持情報とバイパス
回路(BP)の出力情報との競合を防止するには、前記
第二記憶回路(SF)の出力と前記データ出力端子(2
1)との間に、前記バイパス回路(BP)の出力可能な
状態に呼応してカット・オフ制御される出力ゲート回路
(G1)を設ける。
【0015】クロック同期型順序回路の適用態様の如何
に拘らず動作の安定化若しくは動作仕様の統一化を図る
には、順序回路のセットアップ時間及びホールド時間を
データ出力端子に結合される容量性負荷の大小に大きく
依存させないように、データ出力端子(21)に結合さ
れるべき負荷を駆動するためのドライバー回路を前記バ
イパス回路(BP)に設ける。
【0016】第一記憶回路(MF)にリセット機能があ
る場合、そのリセット指示を優先させるためにバイパス
回路(BP)にもリセット機能を設ける。即ち、バイパ
ス回路(BP)には、前記データ出力端子(21)に出
力されるべきデータを第五制御信号(例えば図5のR)
に応答して所定に論理値に強制する手段(例えば図5の
MN3、MP3)を設ける。前記第一記憶回路(MF)
は、これが保持するデータを前記第五制御信号に応答し
て所定の論理値に強制する手段(例えば図5のNR1)
を有する。
【0017】
【作用】上記した手段によれば、通常動作モードでは、
第一記憶回路(MF)は第一制御信号(CK)のクロッ
ク変化に基づいて書き込み状態と保持状態を採り得るよ
うに制御され、第二記憶回路(SF)はデータスルー状
態に制御される。このときバイパス回路(BP)は第一
記憶回路(MF)に対する書き込み制御に呼応して、主
データ入力端子(20)からのデータを出力端子(2
1)に向けて出力可能にされる。バイパス回路(BP)
は、記憶動作を伴わず、内蔵ゲートの直列接続段数が記
憶回路(MF)よりも少なく、主データ入力端子(2
0)からデータ出力端子(21)までの情報伝達遅延が
記憶回路よりも小さくされているから、記憶回路(S
F)の出力が確定する以前にバイパス回路(BP)は上
記入力データに対応する情報を高速に出力する。このよ
うに、順序回路の入力端子(20)に入力されたデータ
がクロック信号の変化に同期して出力端子(21)に出
力されるまでのタイミングが早められる。このことは、
クロック同期型順序回路の動作遅延を少なくすることに
なる。したがって当該順序回路の動作を規定するための
クロック信号周波数によって、その性能が決定されるよ
うなマイクロコンピュータなどの半導体集積回路におい
て、上記クロック信号周波数を上げることができるの
で、当該半導体集積回路の論理動作を高速化することが
できる。
【0018】診断モードでは、前記第一及び第二記憶回
路(MF,SF)はマスター・スレーブ動作され、それ
を制御する信号(MC1、C2)の状態に呼応してバイ
パス回路(BP)はその出力動作が抑制される。これに
より、診断モードにおいて組合わせ回路の出力を受信側
の順序回路にセットするとき、次段の組合わせ回路の入
力が動かないので、診断時の制御クロック若しくは同期
クロックの信号周波数が通常動作時より低くても、ま
た、当該信号波形が鈍っていても、組合せ回路の前後に
配置されている順序回路を相互に同一クロック信号を用
いて同相転送制御することができ、さらに、ゲートアレ
イLSIに対するユーザの論理設計におけるフィードバ
ック回路の禁止といった制約を解消する。更にこのと
き、第一制御信号(CK)はクロック信号である必然性
はなく、論理信号と等価な信号であるとみなせ、任意の
信号波形を用いて診断に供することができる。換言すれ
ば、論理設計において第一制御信号のようなクロック系
に対する診断時の考慮は一切不要になる。
【0019】
【実施例】図10には本発明の一実施例に係るマイクロ
コンピュータのチップレイアウト図が示される。ここで
本明細書におけるマイクロコンピュータは中央処理装置
を含んでデータ処理を行うデータ処理LSIとして広く
把握され、ディジタル信号処理プロセッサなどもその概
念に含まれる。
【0020】同図において1はシリコンのような1個の
半導体基板である。例えばこの半導体基板1の外縁部に
は多数のボンディングパッド2が配置されると共に、入
力バッファ、出力バッファ、及び入出力バッファの形成
領域3が構成される。上記形成領域3の内側には、命令
をプリフェッチする命令キュー4、命令キュー4から所
定の手順で命令を受け取る命令レジスタ5、命令レジス
タ5が保持する命令をデコードして各種制御信号を生成
する命令デコーダ6などを含む命令制御部が構成され
る。更に算術論理演算器7、乗算器アレイ8、バレルシ
フタ9、演算レジスタ10などの演算手段、そしてこれ
を制御する浮動小数点コントローラ11や乗算器コント
ローラ12が設けられる。そのほかに、レジスタファイ
ル13、データキャッシュメモリ14、アドレスレジス
タ15、アドレス変換バッファ16、クロックジェネレ
ータ17などが設けられている。このマイクロコンピュ
ータMCUは、命令レジスタ5にフェッチした命令を命
令デコーダ6が解読することにより、各種演算器やレジ
スタなどを介してデータやアドレスの演算などを行って
その命令を実行する。
【0021】図11には、図10に示したマイクロコン
ピュータMCUの性能を指標する情報伝達経路例えばク
リティカルパスの一例が示されている。同図に示される
クリティカルパスは、特に制限されないが、ジャンプ命
令によって命令アドレスを生成するときのパスである。
前記演算レジスタ10及びアドレスレジスタ15は通常
動作モードにおいて例えばクロック信号CKに同期して
データを書き込んでこれを保持し出力する。前記命令レ
ジスタ5はクロック信号CKに同期して命令を書き込ん
でこれを保持し出力する。命令レジスタ5から出力され
た命令は命令デコーダ6で解読され、セレクタ20を通
して算術論理演算器7に供給される。そこでの演算結果
は演算レジスタ10に向けて伝達される。この演算結果
が正常に後段に伝達されて誤動作を生じないようにする
には、演算レジスタ10に例えばクロック信号CKの次
のサイクルが与えられる前に、即ちサイクルタイムTc
yc以内に当該演算結果データが演算レジスタ10の入
力に到達していなければならない。同様に演算レジスタ
10から出力されるデータがバレルシフタ9で演算され
てセレクタ21からアドレスレジスタ15に伝達される
情報に関してもサイクルタイムTcyc以内に該アドレ
スレジスタ15の入力に到達していなければならない。
前記命令レジスタ5、演算レジスタ10、アドレスレジ
スタ15などはその構成ビット数に応ずる数のクロック
同期型順序回路としてのフリップフロップ回路によって
構成され、命令デコーダ6や算術論理演算器7などはナ
ンドゲート、ノアゲート、インバータゲートなどの組合
せ回路によって構成される。図11のクリティカルパス
で代表されるように、情報の伝達経路に配置されたフリ
ップフロップ回路に対するクロック同期動作によって、
その論理動作タイミングが制御されるような本実施例の
マイクロコンピュータMCUにおいて、データ処理の高
速化を図るにはサイクルタイムTcycの短縮が必要で
あり、そのためにはナンドゲートなどの組み合わせ回路
の動作遅延時間を小さくするのと同時に、フリップフロ
ップ回路においてクロック信号CKが変化してから正規
のデータが出力されるまでの遅延時間を極力短くするこ
とが必要になる。
【0022】図1には前記各種レジスタを構成するため
のフリップフロップ回路の一実施例が示される。同図に
示されるフリップフロップ回路FFは、特に制限されな
いが、データDの入力端子20、データQの出力端子2
1、スキャン・イン・データSiDの入力端子22、ス
キャン・アウト・データSoDの出力端子23、クロッ
ク信号CKの入力端子24、スキャンライト信号SWi
の入力端子25、スキャンリード信号SRiの入力端子
28、診断用マスタークロック信号MC1の入力端子2
6、及び診断用スレーブクロック信号C2の入力端子2
7を、夫々外部端子として有し、更に、入力データを書
き込んで出力する書き込み状態並びに書き込まれたデー
タを保持して出力する保持状態が制御される第一記憶回
路MF、前記書き込み状態と保持状態が制御される第二
記憶回路SF、及びバイパス回路BPを有する。
【0023】前記第一記憶回路MFは、データ入力端子
20から供給されるデータDに対する前記書き込み状態
と保持状態がクロック信号CKと診断用マスタークロッ
ク信号MC1に基づいて制御される。例えば、クロック
信号CK及び診断用マスタークロック信号MC1はアン
ドゲートG2で論理積が採られ、その論理積出力のハイ
レベル(本実施例においては論理”1”)によって、第
一記憶回路MFは書き込み状態に制御され、前記論理積
出力のロウレベル(本実施例においては論理”0”)に
よって、第一記憶回路MFは保持状態に制御される。
【0024】前記第二記憶回路SFは、第一記憶回路M
Fの出力データに対する前記書き込み状態と保持状態が
診断用スレーブクロック信号C2に基づいて制御され
る。本実施例に従えば第二記憶回路SFは、診断用スレ
ーブクロック信号C2のハイレベルによって書き込み状
態に制御され、そのロウレベルによって保持状態に制御
される。
【0025】前記バイパス回路BPは、前記データ入力
端子20とデータ出力端子21とに接続され、前記デー
タ入力端子20から供給されるデータが前記双方の記憶
回路MF,SFを経てデータ出力端子21に至るまでの
データ伝達時間よりも短い伝達時間を有する。見方を変
えれば、前記データ入力端子20から供給されるデータ
を出力端子21に到達させるまでの直列ゲート段数が、
前記双方の記憶回路MF,SFを通る経路に比べて少な
くされる。ここで言う直列ゲート段数とは、データ系及
びクロック系の双方を意味する。バイパス回路BPの出
力動作は、クロック信号CKと、診断用マスタークロッ
ク信号MC1及び診断用スレーブクロック信号C2を入
力して論理積を採るアンドゲートG3の出力論理積信号
とによって制御される。
【0026】フリップフロップ回路FFの通常動作モー
ド(LSIの診断以外の正規の動作モード)において前
記診断用マスタークロック信号MC1及び診断用スレー
ブクロック信号C2はハイレベルにされる。これによ
り、第二記憶回路SFは常時書き込み状態とされ、デー
タスルー状態に制御される。第一記憶回路MFは、クロ
ック信号CKのクロック変化にしたがって書き込み状態
と保持状態が交互に制御される。この状態においてクロ
ック信号CKとアンドゲートG3の出力信号とを受ける
バイパス回路BPはクロック信号CKのハイレベルに同
期して出力動作可能に制御される。バイパス回路BP
は、記憶動作を伴わず、内蔵ゲートの直列接続段数が記
憶回路MF及びSFよりも少なく、主データ入力端子2
0からデータ出力端子21までの情報伝達遅延が記憶回
路MF及びSFよりも小さくされているから、データ・
スルー状態の第二記憶回路SFの出力が確定する以前に
バイパス回路BPは上記入力データに対応する情報を高
速に出力する。このようにフリップフロップ回路FFの
入力端子20に入力されたデータがクロック信号CKの
変化に同期して出力端子21に出力されるまでのタイミ
ングが早められる。これにより、クロック同期型フリッ
プフロップ回路FFの動作遅延を少なくすることができ
る。したがってフリップフロップ回路の動作を規定する
ためのクロック信号CKの周波数によって、その性能が
決定されるようなマイクロコンピュータMCUにおい
て、上記クロック信号CKの周波数を高くできるのでマ
イクロコンピュータMCUを高速に動作させることがで
きるようになる。
【0027】診断モードにおいて、クロック信号CKは
論理信号と等価な信号とみなされ、そのハイレベルによ
って診断用マスタークロック信号MC1の変化に同期し
て第一記憶回路MFを制御可能にする。診断用マスター
クロック信号MC1と診断用スレーブクロック信号C2
がノン・オーバラップでクロック変化されることによ
り、第一及び第二記憶回路MF,SFはマスター・スレ
ーブ動作される。この状態においてアンドゲートG3の
出力はローレベルに固定され、その結果バイパス回路B
Pはクロック信号CKの論理レベルとは無関係にその出
力動作が抑制される。換言すれば、第一及び第二記憶回
路MF,SFのマスター・スレーブ動作が保証される。
これにより、診断モードにおいて組合わせ回路の出力を
受信側フリップフロップ回路にセットするとき、次段の
組合わせ回路の入力が動かないので、診断時の制御クロ
ック若しくは同期クロックの信号周波数が通常動作時よ
り低くても、また、当該信号波形が鈍っていても、組合
せ回路の前後に配置されているフリップフロップ回路を
相互に同一クロック信号を用いて同相転送制御すること
ができ、さらに、ゲートアレイLSIに対するユーザの
論理設計におけるフィードバック回路の禁止といった制
約を解消する。更にこのときクロック信号CKはクロッ
ク信号である必然性はなく、論理信号と等価な信である
とみなせ、任意の信号波形を用いて診断に供することが
できる。換言すれば、論理設計においてクロック系に対
する診断時の考慮は一切不要になる。
【0028】診断時において前記スキャン・イン・デー
タSiDは前記スキャンライト信号SWiのハイレベル
によって書き込まれ、そのローレベルで保持状態にされ
る。このようにして書き込み保持されたスキャン・イン
・データSiDは診断用スレーブクロック信号C2のハ
イレベルに同期して第二記憶回路SFに書き込まれて出
力され、診断用スレーブクロック信号C2のロウレベル
によってそのデータが保持状態にされ出力される。診断
時に第二記憶回路SFが保持する情報をスキャン・アウ
ト・データSoDとして出力すべきときは、スキャンリ
ード信号SRiがハイレベルにされることにより該デー
タが出力ゲートG5を介して端子23から出力される。
【0029】通常動作モードにおいて前記バイパス回路
BPは、記憶回路MF,SFを通さずに、それに書き込
まれるべきデータDを迂回させて出力端子21に伝達す
る。このとき第一記憶回路MFの書き込み確定前の保持
情報とバイパス回路BPの出力情報との競合を防止する
ために、前記第二記憶回路SFの出力と前記データ出力
端子21との間に出力ゲート回路G1が設けられる。こ
の出力ゲート回路G1は、前記アンドゲートG3の出力
とクロック信号CKの反転信号とを入力して論理積を採
るアンドゲートG4の出力で制御される。出力ゲート回
路G1はアンドゲートG4の出力がハイレベルのときに
出力不可能にされ、ロウレベルのときは出力可能にされ
る。したがって、診断用マスタークロック信号MC1及
び診断用スレーブクロック信号C2がハイレベルにされ
る通常動作時にクロック信号CKのハイレベルによって
第一記憶回路MFが書き込み状態に制御されるとともに
バイパス回路BPの出力動作が許容されるとき、出力ゲ
ート回路G1はカット・オフ状態にされ、第一記憶回路
MFの書き込み確定前の保持情報とバイパス回路BPの
出力情報との競合が防止される。次いでクロック信号C
Kがロウレベルにされてバイパス回路BPの出力動作が
禁止されると共に第一記憶回路MFに保持状態が指示さ
れると、アンドゲートG4の出力が反転されて出力ゲー
トG1は出力動作可能にされ、保持状態に制御される第
一記憶回路MFの出力が第二記憶回路SFを通して出力
端子21に与えられる。このときロウレベルのクロック
信号CKによりバイパス回路BPの出力動作は禁止され
ている。一方診断用マスタークロック信号MC1及び診
断用スレーブクロック信号C2がノン・オーバーラップ
でクロック変化される診断時においてアンドゲートG3
の出力は常時ロウレベルにされるので、出力ゲート回路
G1は常に出力動作可能にされ、第一記憶回路MF及び
第二記憶回路SFのマスター・スレーブ動作に影響しな
い。
【0030】図2には診断時の前記フリップフロップ回
路FFを主体とした部分的な機能ブロック図が示され
る。同図に示される構成は、全体の回路を、論理接続情
報をもとに順序回路群とこれらに挟まれる組合せ回路群
に分割し、組合せ回路群単独の診断に置換える分割診断
の手法を採用したものである。図2には前記フリップフ
ロップ回路FFと同じ5個のフリップフロップ回路FF
1〜FF5が代表的に示され、3個の組み合せ回路群C
C1、CC2,CC3が代表的に示される。夫々のフリ
ップフロップ回路には診断用マスタークロック信号MC
1及び診断用スレーブクロック信号C2が共通に供給さ
れる。フリップフロップ回路FF1〜FF5はスキャン
バス30からスキャン・イン・データSiDが与えら
れ、スキャン・アウト・データSoDはスキャンバス3
0に与えられる。前記フリップフロップ回路FF2の出
力データDは組み合せ回路群CC1を介してフリップフ
ロップ回路FF3の入力データとされる。前記フリップ
フロップ回路FF3の出力データDは組み合せ回路群C
C2を介してフリップフロップ回路FF4の入力データ
とされる。制御信号CK1は図1のクロック信号CKに
相当し、本例ではフリップフロップ回路FF2〜FF4
で共通化されており、いわゆる同相転送となっている。
フリップフロップ回路FF5の出力データQは組み合せ
回路群CC3に供給され、その出力は制御信号CK2と
して当該フリップフロップ回路FF5にフィードバック
される。信号CK2は図1のクロック信号CKに相当す
る。
【0031】図3には図2の機能ブロックをアドレスス
キャン形式で制御する場合の診断用回路構成の全体的な
機能ブロックが示される。同図には図2に対応する機能
ブロックとしてフリップフロップ回路FF2〜FF4と
組み合せ回路群CC2,CC3が代表的に示される。そ
れらは下位アドレスデコーダ40と共に所定の論理ブロ
ック41を構成している。尚、図には示されていないが
41で代表的に示されるような論理ブロックは多数存在
する。診断用データ入力部42を介して取り込まれる上
位アドレス信号Ai〜Amは上位アドレスデコーダ43
に供給され、上位アドレス信号によって指定される論理
ブロックの選択信号を生成する。その選択信号はそれに
対応して予じめ定められた論理ブロックの前記下位アド
レスデコーダを活性化する。診断用データ入力部42を
介して取り込まれる下位アドレス信号A0〜Aiは40
で代表的に示された各下位アドレスデコーダに供給され
る。下位アドレスデコーダ40はこれが活性化されてい
るとき下位アドレス信号A0〜Aiをデコードして、ス
キャン・イン・データSiDを書き込むべきフリップフ
ロップ回路を指定するためのスキャンライト信号SW
i、スキャン・アウト・データSoDを読出すべきフリ
ップフロップ回路を指定するためのスキャンリード信号
SRiを生成する。図3においてそのスキャンライト信
号SWiとしてSW2,SW3,SW4が代表的に示さ
れ、スキャンリード信号SRiとしてSR2,SR3,
SR4が代表的に示されている。スキャン・イン・デー
タSiDは診断用データ入力部42を介して供給され
る。診断制御部44は診断用データ入力部42を介して
供給される各種制御信号CONTに基づいて診断用マス
タークロック信号MC1,診断用スレーブクロック信号
C2,クロック信号CK1などを対応するフリップフロ
ップ回路に供給する。スキャンデータ出力部45はスキ
ャン・アウト・データSoDを外部に出力する。
【0032】図4にはアドレススキャンによる診断時の
一例タイミングチャートが示される。同図においてS―
SIはスキャン・イン・データをフリップフロップ回路
にセットするためのスキャンインサイクル、S―Tはス
キャン・イン・データに基づいて組合せ回路群をテスト
するテストサイクル、S―SOは前記テストサイクルに
よってフリップフロップ回路に得られたテスト結果をス
キャンバスを介して取得するスキャンアウトサイクルで
ある。
【0033】スキャンインサイクルS―SIにおいては
アドレス信号Aiに従って順次スキャンライト信号SW
iで指定されるフリップフロップ回路の第一記憶回路M
Fにスキャン・イン・データSiDを書き込み保持させ
る。例えば図3の論理ブロック41に着目した場合、ス
キャン・ライト信号SW2によりフリップフロップ回路
FF2にスキャン・イン・データがセットされ、スキャ
ン・ライト信号SW3によりフリップフロップ回路FF
3にスキャンインデータがセットされる。その後スキャ
ンライト信号SWi(SW2,SW3)はロウレベルに
ネゲートされる。このとき診断用スレーブクロック信号
C2,診断用マスタークロック信号MC1,クロック信
号CK1はロウレベルにされており、各第一記憶回路M
Fに保持されたスキャン・イン・データは次段への伝達
が阻止されている。
【0034】テストサイクルS―Tでは診断用スレーブ
クロック信号C2及び診断用マスタークロック信号MC
1がノン・オーバラップでクロック変化されて記憶回路
MF,SFがマスター・スレーブ動作される。例えば前
記論理ブロック41に着目すると、最初に診断用スレー
ブクロック信号C2がハイレベルにされることにより、
フリップフロップ回路FF2の第一記憶回路MFが保持
しているスキャン・イン・データがスレーブ段の第二記
憶回路SFに書き込まれて次段の組合せ回路群CC1に
供給され、また、これに並行してフリップフロップ回路
FF3の第一記憶回路MFが保持しているスキャン・イ
ン・データがスレーブ段の第二記憶回路SFに書き込ま
れて次段の組合せ回路群CC2に供給される。そして診
断用マスタークロック信号MC1がハイレベルにされて
初めて、組合せ回路群CC1,CC2の出力が次段フリ
ップフロップ回路FF3,FF4の第一記憶回路MFに
書き込み保持される。このとき第二記憶回路SFは保持
状態に制御されているから、組合せ回路群CC1の出力
は組合せ回路群CC2の入力に一切影響しない。
【0035】スキャンアウトサイクルS―SOでは、先
ずスレーブクロック信号C2がハイレベルにされ、これ
により、各フリップフロップ回路FFの第一記憶回路M
Fが保持しているテスト結果を第二フリップフロップ回
路SFが取り込む。次いで、アドレス信号Aiに従って
順次制御信号SRiで指定されるフリップフロップ回路
の第二記憶回路SFからスキャン・アウト・データSo
Dが読出される。例えば前記論理ブロック41に着目し
た場合、フリップフロップ回路FF3の第二記憶回路S
Fに保持されている前記組合せ回路群CC1のテスト結
果がスキャンリード信号SR3に同期してスキャンバス
30に読出され、フリップフロップ回路FF4の第二記
憶回路SFに保持されている前記組合せ回路群CC2の
テスト結果がスキャンリード信号SR4に同期してスキ
ャン・アウト・データとして読出される。
【0036】診断時に第一及び第二記憶回路MF,SF
をマスター・スレーブ構成とすることにより、組合わせ
回路の出力を受信側フリップフロップにセットすると
き、次段の組合わせ回路の入力が動かないので、全分割
診断単位中の組合わせ回路の応答パターンを1ステップ
で次段のフリップフロップ回路にセットできると同時に
該応答パターンデータの診断用読出しを容易に行うこと
ができる。さらに、図2の組合せ回路群CC3とフリッ
プフロップ回路FF5に代表されるように、ゲートアレ
イLSIに対するユーザの論理設計におけるフィードバ
ック回路の禁止といった制約を解消することができる。
【0037】図5には図1に示されるフリップフロップ
回路の更に詳細な一実施例が示され、図6にはその回路
の真理値が示される。図5において図1と同一の回路ブ
ロックには同一符号を付してある。同図に示されるフリ
ップフロップ回路は正転出力Qと共に反転出力Q*(記
号*は反転を意味する)を有し、それぞれに対応するバ
イパス回路BP1,BP2を備え、更にリセット機能を
有する。尚,図中のVccは5ボルト、3.3ボルト、
又は2ボルトの様な電源電圧とされ、GNDは0ボルト
の様な接地電圧とされる。図6(後述する図9も同じ)
において、Qmは第一記憶回路MFの出力、Q0、Q0
*、Qm0,Qm0*は前の状態保持、Hはハイレベル、L
はロウレベル、#は任意の論理値、L#はR,CK,診
断用マスタークロック信号MC1が切れた後にデータの
保証なし、HiZは高インピーダンス、を夫々意味す
る。
【0038】図5において図1のアンドゲートG2〜G
4はそれぞれナンドゲートND1及びインバータIN1
により実現される。前記出力ゲートG1は正転出力用の
相補型MOS(以下単にCMOSとも記す)トランスフ
ァゲートT1と反転出力用のCMOSトランスファゲー
トT2により実現される。前記出力ゲートG5はクロッ
クドインバータCIN1により実現される。
【0039】正転出力用のバイパス回路BP1は、イン
バータIN3と、2個のpチャンネル型MOSトランジ
スタMP1,MP2及び2個のnチャンネル型MOSト
ランジスタMN1,MN2によって構成されるクロック
ドインバータCIN2と、CMOSトランスファゲート
T3とによって構成される入力データDの正転伝達経路
を有する。前記反転出力用のバイパス回路BP2は、2
個のpチャンネル型MOSトランジスタMP4,MP5
及び2個のnチャンネル型MOSトランジスタMN4,
MN5によって構成されるクロックドインバータCIN
3と、CMOSトランスファゲートT4とによって構成
される入力データDの反転伝達経路を有する。
【0040】前記第一記憶回路MFは、トランスファゲ
ートT5とノアゲートNR1とクロックドインバータC
IN4によって構成されるスタティックラッチを主体
に、その前段に配置されたCMOSトランスファゲート
T6と共に前記CMOSトランスファゲートT5により
書き込み状態と保持状態が制御される。前記スキャン・
イン・データSiDはCMOSトランスファゲートT7
を介してスタティックラッチに与えられる。
【0041】前記第二記憶回路SFは、トランスファゲ
ートT8と2個のインバータIN4,IN5とによって
構成されるスタティックラッチを主体に、その前段に配
置されたCMOSトランスファゲートT9と共に前記C
MOSトランスファゲートT8により書き込み状態と保
持状態が制御される。
【0042】図5に示されるフリップフロップ回路のリ
セット機能は第一記憶回路MFと双方のバイパス回路B
P1,BP2がそれぞれ備える。ハイレベルによってリ
セット動作を指示するリセット信号Rは前記診断用マス
タークロック信号MC1と共にナンドゲートND2に入
力され、その出力がハイレベルのときにリセット動作が
可能にされる。したがってMC1がハイレベルのときだ
けリセット動作の指示が有効とされる。ここで診断用マ
スタークロック信号MC1は前述の如く通常動作時は常
時ハイレベルにされるから、このときには信号Rによる
リセット指示は常に有効である。一方、診断時のスキャ
ン・イン・データSiD*書き込み時は、前述の如く診
断用マスタークロック信号MC1がローレベルにされ、
スキャンライト信号SWiで書き込み制御される。した
がってスキャンインサイクルにおいてスキャン・イン・
データが誤ってリセットされる事態を防止することがで
きる。換言すれば,スキャンインサイクルではリセット
信号Rに対して何等考慮しなくてもよくなる。
【0043】第一記憶回路MFにおけるリセット機能
は、前記ナンドゲートND2の反転出力を前記ノアゲー
トNR1に供給し、当該ゲートNR1を含むスタティッ
クラッチの保持データをロウレベルに強制することによ
り実現される。バイパス回路BP1におけるリセット機
能は、前記ナンドゲートND2の反転出力をnチャンネ
ル型プルダウンMOSトランジスタMN3のゲートに供
給して、クロックドインバータCI2の出力をロウレベ
ルに強制することにより実現される。バイパス回路BP
2におけるリセット機能は、前記ナンドゲートND2の
出力をpチャンネル型プルアップMOSトランジスタM
P3のゲートに供給して、クロックドインバータCI3
の出力をハイレベルに強制することにより実現される。
特に、リセット動作が指示されたとき、バイパス回路B
P1のMOSトランジスタMP1がナンドゲートND3
を介してカット・オフされて、前記プルダウンMOSト
ランジスタMN3に無駄な電流が流れないようにしてい
る。同様に、リセット動作が指示されたとき、バイパス
回路BP2のMOSトランジスタMN5がノアゲートN
R2を介してカット・オフされて、前記プルアップMO
SトランジスタMP3から無駄な電流が流れないように
している。
【0044】ここで図5のフリップフロップ回路におけ
るバイパス回路BP1,BP2の動作制御のための構成
を更に説明する。バイパス回路BP1,BP2に供給さ
れるクロック信号CKは双方のCMOSトランスファゲ
ートT3,T4をスイッチ制御する。診断用スレーブク
ロック信号C2と診断用マスタークロック信号MC1
は、前記ゲートG3に含まれるナンドゲートND1を介
してMOSトランジスタMN2,MN5を制御し、ま
た、そのゲートG3に含まれるナンドゲートND1及び
インバータIN1を介してMOSトランジスタMP1,
MP4を制御する。これによりバイパス回路BP1,B
P2のクロックドインバータCIN2,CIN3は診断
用マスタークロック信号MC1,診断用スレーブクロッ
ク信号C2の双方がハイレベル以外のときには高インピ
ーダンス状態に制御されて、クロック信号CKの状態と
は一切無関係にその出力動作が不可能に制御される。
【0045】このフリップフロップ回路30において、
クロック信号CKがハイレベルに変化されてからデータ
が出力されるまでに当該データが通過すべきゲート段数
は、夫々のバイパス回路BP1,BP2におけるトラン
スファゲートT3,T4の1段だけで最小にされてい
る。したがって、バイパス回路を有しない回路に比べて
クロック信号CKの変化タイミングから正規のデータが
出力されるまでの遅延時間は極めて少なくされている。
【0046】ここで、フリップフロップ回路FFを構成
するMOSトランジスタのサイズに関して説明する。前
記MOSトランジスタMP2,MN1,MP5,MN4
並びにトランスファゲートT3,T4をそれぞれ構成す
るMOSトランジスタのゲート幅を標準とすると、入力
データDを受けるインバータIN3,IN6構成用MO
Sトランジスタのゲート幅は標準の半分程度とされ、こ
れにより入力容量が小さくなって入力データDの過渡応
答速度を早めるようになっている。MOSトランジスタ
MP3,MN3、及びトランスファゲートT1,T2を
それぞれ構成するMOSトランジスタにはその出力ノー
ドにダイオードの寄生容量が付くため、それらMOSト
ランジスタのゲート幅は標準の半分程度とされる。ま
た、システムリセットなどに利用されるようなリセット
動作には高速性が要求されないから、MOSトランジス
タMP1,MN2,MP4,MN5のゲート入力容量は
大きくなっても差し支えない。このため、バイパス回路
BP1,BP2の駆動能力増大のためにそれらトランジ
スタのゲート幅は標準の2〜5倍程度の大きさに設定さ
れ、オン抵抗が極めて小さくなるようにされている。し
たがって、本実施例のフリップフロップ回路は、デザイ
ン・オートメーションのような自動配置配線の単位セル
もしくは標準セルとしての使用態様、即ち実際にこのフ
リップフロップが利用される半導体集積回路装置毎にそ
の入出力端子に接続される回路の駆動能力や容量性負荷
がまちまちであることが想定されるような使用態様にも
最適である。
【0047】図7には図5に示されるフリップフロップ
回路の特性が曲線(a)によって示される。この特性は
入力端子20にデータを与えた状態でクロック信号CK
を変化させてからデータが端子21に出力されるまでの
遅延時間Tpd(正転出力Qと反転出力Q*の平均)の
負荷容量CL依存性を示す。曲線(b)は図5の構成に
対してバイパス回路を設けていないフリップフロップ回
路に関する特性を示すものである。
【0048】特性曲線(a)における負荷容量0.3
[PF]時の特性は例えば以下のシミュレーション条件
によって取得された。即ち、このフリップフロップ回路
は、0.2[μm]プロセスを採用した相補型MOS回
路によって構成され、電源電圧は2.0[V]を想定し
ている。MOSトランジスタの標準サイズはゲート長が
0.20[μm]、ゲート幅が15[μm]であり、標
準サイズの相補型MOSインバータゲートの入力容量は
0.05[PF]である。但し、MOSトランジスタM
P1,MP4,MN2,MN5のゲート幅は45[μ
m]、インバータIN3、IN6及びトランスファゲー
トT1、T2の構成用MOSトランジスタ並びにMOS
トランジスタMP3,MN3のゲート幅は7.5[μ
m]とされる。尚、負荷容量0.3[PF]は、特に制
限されないが、長さ1[mm]、幅0.7[μm]のア
ルミニウム配線の寄生容量(0.18[PF])と、f
an out=2に対応するゲート入力容量(0.1
[PF])などの総和を想定した標準負荷容量とされ
る。
【0049】この特性曲線(a)で代表的に示されるよ
うに、本実施例のマイクロコンピュータMCUをMOS
型半導体集積回路で構成するとき、素子の微細化と、こ
れに伴う電源電圧低下の促進により、スケーリング則に
従ってフリップフロップ回路はもとより全体的な回路動
作が更に高速化されて現在のECL回路にも匹敵し得る
ようになり、しかもECL回路では実現不可能な高集積
化並びに低消費電力化を達成して、フリップフロップ回
路の性能の点において一層高速な論理動作が可能にな
る。
【0050】図8には図1に示されるフリップフロップ
回路の更に詳細な別の実施例が示され、図9にはその回
路の真理値が示される。図8に示されるフリップフロッ
プ回路はエッジトリガー型の第一記憶回路MFを採用し
た点において図5と相違する。すなわちこの第一記憶回
路MFは、マスターラッチMLとスレーブラッチSLを
有し、マスターラッチMLはCMOSトランスファゲー
トT10とインバータIN10とノアゲートNR10に
よって構成され,スレーブラッチSLはCMOSトラン
スファゲートT11とクロックドインバータIN11と
ノアゲートNR11によって構成される。バイパス回路
BP1、BP2の入力は前記ノアゲートNR10の出力
に結合される。入力データDはマスターラッチMLに与
えられ、スキャン・イン・データSiDはスレーブラッ
チSLに直接与えられるようになっている。この第一記
憶回路MFにおいてアンドゲートG2のインバータIN
1出力がロウレベルでナンドゲートND1出力がハイレ
ベルのとき、マスターラッチMLは入力データDを取り
込んでおり、そのアンドゲートG2のインバータIN1
出力及びナンドゲートND1出力のレベル反転の変化に
同期して、スレーブラッチSLがマスターラッチMLか
らデータDを取り込んで出力する。この状態から再びア
ンドゲートG2のインバータIN1出力がロウレベルで
ナンドゲートND1出力がハイレベルにされると、スレ
ーブラッチSLはそのデータDの保持状態に制御され
る。スキャン・イン・データSiDはスキャンライト信
号SWiのレベルにしたがってスレーブラッチSLに書
き込み・保持制御される。
【0051】上記実施例によって得られる作用効果を整
理すれば以下の通りである。
【0052】(1)通常動作モードにおいて第二記憶回
路SFはデータスルー状態に制御され、第一記憶回路M
Fはクロック信号CKのクロック変化にしたがって書き
込み状態と保持状態が交互に制御され、このときバイパ
ス回路BPは第一記憶回路MFに対する書き込み状態に
呼応して、入力端子20のデータDを出力端子21に出
力する。バイパス回路BPは、記憶動作を伴わず、内蔵
ゲートの直列接続段数が記憶回路MF及びSFよりも少
なく、主データ入力端子20からデータ出力端子21ま
での情報伝達遅延が記憶回路MF及びSFよりも小さく
されているから、データ・スルー状態の第二記憶回路S
Fの出力が確定する以前にバイパス回路BPは上記入力
データに対応する情報を高速に出力することができる。
例えば図5のバイパス回路BP1,BP2において、ク
ロック信号CKがハイレベルに変化されてから出力デー
タQ,Q*を得るまでに入力データDが通過すべきゲー
ト段数は、夫々のバイパス回路BP1,BP2における
トランスファゲートT3,T4の1段だけで最小にされ
ている。したがって、バイパス回路を採用しない構成に
比べて、クロック信号CKの変化タイミングから出力デ
ータQ,Q*を得るまでの時間を短縮することができ
る。
【0053】(2)上記より、フリップフロップ回路F
Fの入力端子20に入力されたデータがクロック信号C
Kに同期して出力端子21に出力されるまでのタイミン
グが早められるから、クロック同期型フリップフロップ
回路FFの動作遅延を少なくすることができる。したが
ってフリップフロップ回路の動作を規定するためのクロ
ック信号CKの周波数によって、その性能が決定される
ようなマイクロコンピュータMCUにおいて、上記クロ
ック信号CKの周波数を高くできるのでマイクロコンピ
ュータMCUを高速に動作させることができるようにな
る。換言すれば、図11のサイクルタイムTcycを短
縮することが可能になる。
【0054】(3)診断モードにおいて、論理信号と等
価な信号とみなされるクロック信号CKは、そのハイレ
ベルによって診断用マスタークロック信号MC1の変化
に同期して第一記憶回路MFを制御可能にする。診断用
マスタークロック信号MC1と診断用スレーブクロック
信号C2がノン・オーバラップでクロック変化されるこ
とにより、第一及び第二記憶回路MF,SFはマスター
・スレーブ動作される。この状態においてアンドゲート
G3の出力はローレベルに固定され、その結果バイパス
回路BPはクロック信号CKの論理レベルとは無関係に
その出力動作が抑制される。したがって診断モードにお
いては、第一及び第二記憶回路MF,SFのマスター・
スレーブ動作を保証することができる。
【0055】(4)上記(3)により、診断モードにお
いて組合わせ回路の出力を受信側フリップフロップ回路
にセットするとき、次段の組合わせ回路の入力が動かな
いので、診断時の制御クロック若しくは同期クロックの
信号周波数が通常動作時より低くても、また、当該信号
波形が鈍っていても、組合せ回路の前後に配置されてい
るフリップフロップ回路を相互に同一クロック信号を用
いて同相転送制御することができ、さらに、ゲートアレ
イLSIのユーザの論理設計におけるフィードバック回
路の禁止といった制約を解消することができる。しか
も、このときクロック信号CKはクロック信号である必
然性はなく、論理信号と等価な信であるとみなせ、任意
の信号波形を用いて診断に供することができる。換言す
れば、論理設計においてクロック系に対する診断時の考
慮は一切不要になる。
【0056】(5)本実施例のマイクロコンピュータM
CUをMOS型半導体集積回路装置で構成するとき、素
子の微細化と、これに伴う電源電圧低下の促進により、
スケーリング則に従って、図7の特性曲線(a)で代表
的に示されるような動作特性のフリップフロップ回路F
Fを得ることができるようになり、当該フリップフロッ
プ回路FFはもとよりマイクロコンピュータMCUの全
体的な回路動作は更に高速化されて、現在のECL回路
にも匹敵し得るようになり、しかもECL回路では実現
不可能な高集積化並びに低消費電力化を達成することが
できる。
【0057】(6)前記第二記憶回路SFの出力と前記
データ出力端子21との間に出力ゲート回路G1が設け
られる。診断用マスタークロック信号MC1及び診断用
スレーブクロック信号C2がハイレベルにされる通常動
作モード時にクロック信号CKのハイレベルによって第
一記憶回路MFが書き込み状態に制御されるとともにバ
イパス回路BPの出力動作が許容されるとき、前記出力
ゲート回路G1がカット・オフ状態にされるから、第一
記憶回路MFの書き込み確定前の保持情報とバイパス回
路BPの出力情報との競合する事態を防止することがで
きる。一方診断用マスタークロック信号MC1及び診断
用スレーブクロック信号C2がノン・オーバーラップで
クロック変化される診断モード時においてアンドゲート
G3の出力は常時ロウレベルにされるから、出力ゲート
回路G1は常に出力動作可能にされ、第一記憶回路MF
及び第二記憶回路SFのマスター・スレーブ動作に一切
影響しない。
【0058】(7)トランスファゲートT3,T4の前
段に配置されたクロックドインバータCIN2,CIN
3の増幅作用並びにその構成トランジスタサイズによ
り、入力データの過渡応答を早めることができ、且つ出
力負荷容量の影響を受けずデータを出力することができ
る。したがって、このフリップフロップ回路FFは、そ
の入出力端子に接続される回路の駆動能力や容量性負荷
が実際にこのフリップフロップFFが適用される半導体
集積回路装置毎にまちまちであるような、自動配置配線
の単位セルもしくは標準セルとしての利用に最適とされ
る。
【0059】(8)フリップフロップ回路FFのリセッ
ト機能は第一記憶回路MFと双方のバイパス回路BP
1,BP2がそれぞれ備えるから、第一記憶回路MFと
同様に、活性状態のバイパス回路にもリセットの指示を
優先させることができる。
【0060】(9)ハイレベルによってリセット動作を
指示するリセット信号Rは前記診断用マスタークロック
信号MC1と共にナンドゲートND2に入力され、その
出力がハイレベルのときにリセット動作が可能にされ
る。換言すれば、MC1がハイレベルのときだけリセッ
ト動作の指示が有効とされる。このとき診断用マスター
クロック信号MC1は通常動作モード時は常時ハイレベ
ルにされるから、当該動作モードにおいて信号Rによる
リセット指示は常に有効とされる。一方、診断時のスキ
ャン・イン・データSiD書き込み時は診断用マスター
クロック信号MC1がローレベルにされ、スキャンライ
ト信号SWiで書き込み制御されるから、スキャンイン
サイクルにおいてスキャンインデータが誤ってリセット
される事態を防止することができる。換言すれば,スキ
ャンインサイクルではリセット信号Rに対して何等考慮
しなくてもよくなる。
【0061】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲におい
て種々変更可能であることは言うまでもない。
【0062】例えば、記憶回路における情報記憶形式は
上記実施例に限定されず、そのほかの回路形式を適宜採
用することができる。また、バイパス回路はクロックド
インバータゲートとトランスファゲートの組み合わせに
限定されず、その他のゲートを利用して構成することも
できる。上記実施例のフリップフロップ回路はリセット
機能付きであるが、本発明はこれに限定されず、セット
機能を有するもの、セット機能とリセット機能の双方を
有するもの,双方の機能を有しないものであってもよ
い。また、上記実施例では正転出力と反転出力の双方を
備えているが、何れか一方だけでもよい。本発明に係る
半導体集積回路に内蔵されるフリップフロップ回路の動
作特性は図7の特性曲線(a)並びにそのシミュレーシ
ョン条件だけに限定されず、MOS型半導体集積回路に
おけるスケーリング則に従って異なる特性を持つもので
あってもよい。更に、フリップフロップ回路の駆動能力
向上という点においては、前記フリップフロップ回路を
バイポーラトランジスタとMOSトランジスタを含むB
I−CMOS回路で構成することもできる。また、上記
実施例のフリップフロップ回路に適用可能な診断方式は
アドレススキャンに限定されず、シフトスキャンでもよ
い。
【0063】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野であるMOS
型半導体集積回路で構成されたマイクロコンピュータに
適用した場合について説明したが、本発明はそれに限定
されるものではなく、種々の論理LSIに広く適用する
ことができる。本発明は、少なくとも情報の伝達経路に
配置されたフリップフロップ回路の動作性能がLSI全
体の論理動作速度に影響を与える条件の半導体集積回路
に広く適用することができる。
【0064】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0065】すなわち、第一及び第二記憶回路の直列経
路に並列接続されたバイパス回路は、内蔵ゲートの直列
接続段数が記憶回路よりも少なく、また、入力データの
出力端子までの情報伝達遅延が記憶回路よりも小さくさ
れているから、データ入力端子に供給されているデータ
がクロック信号に同期して取り込まれたとき、記憶回路
の出力が確定する以前にバイパス回路がその情報を出力
端子に出力する。したがって、順序回路の動作を規定す
るクロック信号周波数によってその性能が決定されるよ
うな半導体集積回路の論理動作を高速化することができ
るという効果がある。
【0066】前記第一及び第二記憶回路は診断モードに
おいてマスター・スレーブ動作され、それを制御する信
号の状態に呼応してバイパス回路はその出力動作が抑制
されるから、バイパス回路は第一制御信号のクロック変
化とは無関係にその出力動作が抑制され、診断モードに
おいては、第一及び第二記憶回路のマスター・スレーブ
動作を保証することができる。
【0067】上記により、診断モードにおいて組合わせ
回路の出力を受信側順序回路にセットするとき、次段の
組合わせ回路の入力が動かないので、診断時の制御クロ
ックの信号周波数が通常動作モード時より低くても、ま
た、当該信号波形が鈍っていても、組合せ回路の前後に
配置されている順序回路を相互に同一クロック信号を用
いて同相転送制御することができ、さらに、ゲートアレ
イLSIに対するユーザの論理設計におけるフィードバ
ック回路の禁止といった制約を解消することができる。
しかも、このとき第一制御信号はクロック信号である必
然性はなく、論理信号と等価な信であるとみなせ、任意
の信号波形を用いて診断に供することができるから、論
理設計においてクロック系に対する診断時の考慮は一切
不要になるという効果を得る。
【0068】そして、斯る順序回路を適用した半導体集
積回路をMOS型半導体集積回路で構成して、素子の微
細化とこれに伴う電源電圧低下の促進により、スケーリ
ング則に従って全体的な動作を更に高速化することがで
き、高集積化並びに低消費電力化を犠牲にすることな
く、順序回路の性能の点においてその半導体集積回路に
一層高速な論理動作を達成することができるという効果
がある。
【0069】前記第一記憶回路を更に、診断用データ入
力端子からの診断用データに対する書き込み状態と保持
状態を第四制御信号に基づいて制御可能にすることによ
り、スキャンバスから診断用データのスキャン・インを
実現することができる。前記第二記憶回路の出力に接続
する診断用データ出力端子を更に設けることにより、ス
キャンバスへの診断用データのスキャン・アウトを可能
にすることができる。前記第二記憶回路の出力と前記デ
ータ出力端子との間に、前記バイパス回路の出力可能な
状態に呼応してカット・オフ制御される出力ゲート回路
を設けることにより、記憶回路の書き込み確定前の保持
情報とバイパス回路の出力情報との競合を防止すること
ができる。データ出力端子に結合されるべき負荷を駆動
するためのドライバー回路を前記バイパス回路に設ける
ことにより、順序回路のセットアップ時間及びホールド
時間をデータ出力端子に結合される容量性負荷の大小に
大きく依存させないようにすることができ、以って、順
序回路の適用態様の如何に拘らずその動作の安定化若し
くはその動作仕様の統一化に寄与する。第一記憶回路に
リセット機能がある場合にそのリセット指示信号によっ
てリセット可能な機能をバイパス回路に設けることによ
り、そのリセット指示をそのバイパス回路でも優先させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に関するフリップフロップ回路の
一実施例ブロック図である。
【図2】図2は診断時の図1のフリップフロップ回路を
主体とした部分的な機能ブロック図である。
【図3】図3は図2の機能ブロックをアドレススキャン
形式で制御する場合の診断用回路構成の全体的な機能ブ
ロック図である。
【図4】図4はアドレススキャンによる診断時の一例タ
イミングチャートである。
【図5】図5は図1に示されるフリップフロップ回路の
更に詳細な一実施例回路図である。
【図6】図6は図5に示される回路の真理値説明図であ
る。
【図7】図7は図5に示されるフリップフロップ回路の
一例特性図である。
【図8】図8は図1に示されるフリップフロップ回路の
更に詳細な別の実施例回路図である。
【図9】図9は図8に示される回路の真理値説明図であ
る。
【図10】図10は本発明の一実施例に係るマイクロコ
ンピュータのチップレイアウト図である。
【図11】図11は図10に示されるマイクロコンピュ
ータの性能を指標する情報伝達経路例えばクリティカル
パスの一例説明図である。
【符号の説明】
MCU マイクロコンピュータ FF フリップフロップ回路 20 データ(D)入力端子 21 データ(Q)出力端子 SiD スキャン・イン・データ 22 スキャン・イン・データ入力端子 SoD スキャン・アウト・データ 23 スキャン・アウト・データ出力端子 CK クロック信号 24 クロック信号入力端子 SWi スキャンライト信号 25 スキャンライト信号入力端子 SRi スキャンリード信号 28 スキャンリード信号入力端子 MC1 診断用マスタークロック信号 26 診断用マスタークロック信号入力端子 C2 診断用スレーブクロック信号 27 診断用スレーブクロック信号入力端子 MF 第一記憶回路 SF 第二記憶回路 BP バイパス回路 BP1、BP2 バイパス回路 G1、G2 出力ゲート回路 FF1乃至FF5 フリップフロップ回路 CC1、CC2、CC3 組合せ回路群 R リッセト信号 NR1、NR10、NR11 ノアゲート MN3 nチャンネル型MOSトランジスタ MP3 pチャンネル型MOSトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 3/037 G01R 31/28 G06F 11/22 330 G06F 11/22 340 G06F 15/78 510

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一制御信号のクロック変化に応答して
    順序回路動作が可能にされ、第二及び第三制御信号のク
    ロック変化に応答して診断動作可能にされる順序回路を
    含む半導体集積回路であって、 前記順序回路は、入力データを書き込んで出力する書き
    込み状態並びに書き込まれたデータを保持して出力する
    保持状態が制御される第一記憶回路と、前記第一記憶回
    路の出力が入力に接続され前記書き込み状態と保持状態
    が制御される第二記憶回路と、前記第一記憶回路の入力
    と第二記憶回路の出力とを導通させる出力状態と前記第
    一記憶回路の入力と第二記憶回路の出力とを非導通状態
    にする出力抑止状態が制御されるバイパス回路とを含
    み、 前記第一記憶回路と第二記憶回路との直列接続回路と前
    記バイパス回路とが並列に主データ入力端子とデータ出
    力端子に接続され、 前記バイパス回路を経由して前記主データ入力端子から
    前記データ出力端子に至る号経路は、前記第一記憶回
    路及び第二記憶回路を経由して前記主データ入力端子か
    ら前記データ出力端子に至る信号経路の信号伝達時間よ
    りも短い信号伝達時間を有し、 前記第一制御信号が所定レベルに固定されることによっ
    て前記バイパス回路が出力抑止状態に固定され、このと
    き、前記第二制御信号及び第三制御信号のクロック変化
    に同期して前記第一記憶回路と第二記憶回路の何れか一
    方の書込み状態と他方の保持状態とが交互に切り換え制
    御され、 前記第三制御信号が所定レベルに固定されることによっ
    て前記第二記憶回路が常時書き込み状態に固定され、
    のとき、第二制御信号のクロック変化に同期して第一記
    憶回路の書き込み状態と保持状態が交互に制御されると
    共に、前記第一制御信号のクロック変化に同期して前記
    バイパス回路の出力状態が前記第一記憶回路の書込み状
    態と同相に制御されるものであることを特徴とする半導
    体集積回路。
  2. 【請求項2】 第一制御信号のクロック変化に応答して
    順序回路動作が可能にされ、第二及び第三制御信号のク
    ロック変化に応答して診断動作可能にされる順序回路を
    含む半導体集積回路であって、 前記順序回路は、入力データを書き込んで出力する書き
    込み状態並びに書き込まれたデータを保持して出力する
    保持状態が制御される第一記憶回路と、前記第一記憶回
    路の出力が入力に接続され前記書き込み状態と保持状態
    が制御される第二記憶回路と、前記第一記憶回路の入力
    と第二記憶回路の出力とを導通させる出力状態と前記第
    一記憶回路の入力と第二記憶回路の出力とを非導通状態
    にする出力抑止状態が制御されるバイパス回路とを含
    み、 前記第一記憶回路と第二記憶回路との直列接続回路と前
    記バイパス回路とが並列に主データ入力端子とデータ出
    力端子に接続され、 前記バイパス回路を経由して前記主データ入力端子から
    前記データ出力端子に至る信号経路は、前記第一記憶回
    路及び第二記憶回路を経由して前記主データ入力端子か
    ら前記データ出力端子に至る信号経路の直列ゲート段数
    よりも少ない直列ゲート段数を有し、 前記第一制御信号が所定レベルに固定されることによっ
    て前記バイパス回路が出力抑止状態に固定され、このと
    き、前記第二制御信号及び第三制御信号のクロック変化
    に同期して前記第一記憶回路と第二記憶回路の何れか一
    方の書込み状態と他方の保持状態とが交互に切り換え制
    御され、 前記第三制御信号が所定レベルに固定されることによっ
    て前記第二記憶回路が常時書き込み状態に固定され、
    のとき、第二制御信号のクロック変化に同期して第一記
    憶回路の書き込み状態と保持状態が交互に制御されると
    共に、前記第一制御信号のクロック変化に同期して前記
    バイパス回路の出力状態が前記第一記憶回路の書込み状
    態と同相に制御されるものであることを特徴とする半導
    体集積回路。
  3. 【請求項3】 前記第一記憶回路は更に、診断用データ
    入力端子からの診断用データに対する前記書き込み状態
    と保持状態が第四制御信号に基づいて制御可能であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の半導体集積回路。
  4. 【請求項4】 前記第二記憶回路の出力に接続する診断
    用データ出力端子を更に設けて成るもであることを特徴
    とする請求項3記載の半導体集積回路。
  5. 【請求項5】 前記第二記憶回路の出力と前記データ出
    力端子との間に、前記バイパス回路の出力状態に呼応し
    てカット・オフ制御される出力ゲート回路を更に設けて
    成るものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れ
    か1項記載の半導体集積回路。
  6. 【請求項6】 前記バイパス回路に、前記データ出力端
    子に結合されるべき負荷を駆動するためのドライバー回
    路を更に設けて成るものであることを特徴とする請求項
    1乃至5の何れか1項記載の半導体集積回路。
  7. 【請求項7】 前記バイパス回路は、前記データ出力端
    子に出力されるべきデータを第五制御信号に応答して所
    定に論理値に強制する手段を更に有し、 前記第一記憶回路は、保持状態において保持するデータ
    を前記第五制御信号に応答して所定に論理値に強制する
    手段を更に有して、 成るものであることを特徴とする請求項1乃至6の何れ
    か1項記載の半導体集積回路。
  8. 【請求項8】 マイクロコンピュータとして1チップ化
    されて成るものであることを特徴とする請求項1乃至7
    の何れか1項記載の半導体集積回路。
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