JP2001051213A - 光変調デバイス及びその製造方法並びに表示装置 - Google Patents

光変調デバイス及びその製造方法並びに表示装置

Info

Publication number
JP2001051213A
JP2001051213A JP22206699A JP22206699A JP2001051213A JP 2001051213 A JP2001051213 A JP 2001051213A JP 22206699 A JP22206699 A JP 22206699A JP 22206699 A JP22206699 A JP 22206699A JP 2001051213 A JP2001051213 A JP 2001051213A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
mirror
light
modulation device
light modulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22206699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001051213A5 (ja
JP3800287B2 (ja
Inventor
Akira Matsuzawa
明 松沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP22206699A priority Critical patent/JP3800287B2/ja
Publication of JP2001051213A publication Critical patent/JP2001051213A/ja
Publication of JP2001051213A5 publication Critical patent/JP2001051213A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3800287B2 publication Critical patent/JP3800287B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射面の曲率変化を大きくして、集光性能を
向上した光変調デバイス及びその製造方法並びにそれを
用いた表示装置を提供する。 【解決手段】 圧電体層33及びこれを挟持する第1及
び第2の電極32,34とからなる圧電素子30を有す
ると共に光を反射するミラー膜構造を有するミラー要素
20と、該ミラー要素20に対応して設けられた駆動素
子50とを有する光変調デバイスにおいて、前記第1及
び第2の電極32,34のそれぞれは、前記圧電素子3
0の外縁部の異なる位置から所定幅で基板11上まで延
設されると共に前記ミラー要素20を前記基板11上に
支持する第1及び第2の延設部35,36を具備するこ
とにより、圧電素子30の外縁部を自由端とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射ミラーの変形
によって入射光を変調して表示を行うための光変調デバ
イス及びその製造方法並びに表示装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、光を変調して表示を行うための光変
調デバイスとしては、例えば、基板上に設けた電極に電
圧を印加し、その静電吸引力等によってミラーを傾斜さ
せて入射光を変調させるものや、圧電体層を一対の電極
膜で挟持した圧電素子上にミラーを設け、圧電素子を変
形させることによりこのミラーを傾斜させて入射光を変
調させるもの等が知られている。
【0003】また、圧電素子を利用したものとしては、
特表平9−504387号公報に見られるように、片持
ち梁状の圧電素子の表面に薄膜等からなるミラー膜を形
成し、圧電素子を変形させることによりこのミラー膜を
屈曲させて入射光の方向を変えるものも提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな圧電素子を利用した光変調デバイスは、何れにして
も、圧電素子の長手方向一端部を支持した片持ち梁状の
構造であり、この構造の場合、圧電素子をその長手方向
に沿った一方向のみに変形させることで光の方向を変え
て変調するため、変調性能が低いという問題がある。ま
た、静電吸引力等によってミラーを傾斜させる光変調デ
バイスでは、デジタル的にミラーをON,OFFするた
め、高階調な映像を得ることが難しいという問題があ
る。
【0005】本発明は、このような事情に鑑み、反射面
の曲率変化を大きくして、集光性能を向上させると共に
変調精度を向上した光変調デバイス及びその製造方法並
びにそれを用いた表示装置を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、圧電体層及びこれを挟持する第1及
び第2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反
射するミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要
素に対応して設けられた駆動素子とを有する光変調デバ
イスにおいて、前記第1及び第2の電極のそれぞれは、
前記圧電素子の外縁部の異なる位置から所定幅で基板上
まで延設されると共に前記ミラー要素を前記基板上に支
持する第1及び第2の延設部を具備することを特徴とす
る光変調デバイスにある。
【0007】かかる第1の態様では、ミラー要素を構成
する圧電素子が第1及び第2の延設部によって支持さ
れ、ミラー要素の外縁部全体が固定されていないため、
圧電素子の変形効率が向上する。
【0008】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記第1及び第2の延設部は、その少なくとも一部
が前記圧電素子の平面方向とは交差する方向に延設され
ていることを特徴とする光変調デバイスにある。
【0009】かかる第2の態様では、ミラー要素が基板
との間に空間を保持した状態で基板表面に支持される。
【0010】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記圧電素子の前記圧電体層に電圧を印加す
ることにより、前記第1及び第2の延設部の内側端部の
間を支点として前記ミラー膜構造が変形され、当該ミラ
ー膜構造に入射する光が変調されることを特徴とする光
変調デバイスにある。
【0011】かかる第3の態様では、圧電素子の駆動に
よる曲率変化が大きくなるため、ミラー膜構造に入射す
る光の集光性能を向上させることができる。
【0012】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記圧電素子は、当該圧電素子の厚さ
方向に貫通すると共に、前記圧電素子の外縁部の異なる
位置から面内方向略中央部に向かって形成された切欠部
を少なくとも2つ有し、前記第1及び第2の延設部のそ
れぞれは、前記各切欠部の内側端部から当該各切欠部に
対応する領域に延設されていることを特徴とする光変調
デバイスにある。
【0013】かかる第4の態様では、圧電素子に切欠部
を設けることにより、圧電素子の中央部近傍から第1及
び第2の延設部を延設でき、圧電素子の略中央部を支点
としてミラー要素が変形される。
【0014】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記切欠部の幅が、前記第1及び前記第2の延設部
の幅よりも広いことを特徴とする光変調デバイスにあ
る。
【0015】かかる第5の態様では、第1の延設部と第
2の延設部とが接触することがなく、これらを確実に絶
縁することができる。
【0016】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記第1及び第2の延設部が前記駆動
素子に電気的に接続されていることを特徴とする光変調
デバイスにある。
【0017】かかる第6の態様では、第1及び第2の延
設部によって圧電素子と駆動素子とが電気的に接続され
るため、配線構造が簡略化される。
【0018】本発明の第7の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記第1及び第2の延設部が前記圧電
素子の一方の対角線に対して略線対称にそれぞれ一つず
つ設けられており、前記第1及び第2の延設部の延設方
向に略直交する方向の前記圧電素子の中心から外縁部ま
での長さが、前記第1及び第2の延設部の延設方向の前
記圧電素子の中心から外縁部までの長さと略同一若しく
はそれよりも長いことを特徴とする光変調デバイスにあ
る。
【0019】かかる第7の態様では、圧電素子を駆動す
る際に、第1及び第2の延設部の延設方向に対して略直
交する方向で大きく変形され、効率的に入射光を変調さ
せることができる。
【0020】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記駆動素子が、前記基板上に設けら
れたトランジスタであることを特徴とする光変調デバイ
スにある。
【0021】かかる第8の態様では、基板に設けられた
トランジスタを介して各ミラー要素の圧電素子が駆動さ
れる。
【0022】本発明の第9の態様は、第2〜8の何れか
の態様において、前記第1及び第2の延設部の前記圧電
素子の平面方向とは交差する方向に延設された部分は、
パターニングされた犠牲層の側壁上に成膜することによ
り形成されていることを特徴とする光変調デバイスにあ
る。
【0023】かかる第9の態様では、犠牲層を用いるこ
とにより、第1及び第2の延設部を容易に形成すること
ができる。
【0024】本発明の第10の態様は、第1〜9の何れ
かの態様において、前記圧電素子は前記一方面側には弾
性板を有すると共に他方面側には前記ミラー膜構造を有
することを特徴とする光変調デバイスにある。
【0025】かかる第10の態様では、圧電素子の一方
側に設けられた弾性板側に第1及び第2の延設部が延設
されているため弾性板側を支点として圧電素子が変形
し、他方面のミラー膜構造が変形する。
【0026】本発明の第11の態様は、第10の態様に
おいて、前記圧電素子の前記ミラー膜構造は、前記他方
面側の前記第2の電極又はこの上に設けられた反射膜か
ら構成されることを特徴とする光変調デバイスにある。
【0027】かかる第11の態様では、圧電素子の第2
の電極又は反射膜が光を反射する。
【0028】本発明の第12の態様は、第1〜11の何
れかの態様において、前記圧電素子は前記第1及び第2
の延設部の内側端部間に対応する領域から二次元方向に
延設されていることを特徴とする光変調デバイスにあ
る。
【0029】かかる第12の態様では、ミラー要素の反
射面の面積が大きくなり、入射光の集光性能を向上する
ことができる。
【0030】本発明の第13の態様は、第1〜11の何
れかの態様において、前記圧電素子は前記第1及び第2
の延設部の内側端部間に対応する領域から略一方向に延
設されると共にその長手方向一端部近傍で前記第1及び
第2の支持部により片持ち梁状態で支持されていること
を特徴とする光変調デバイスにある。
【0031】かかる第13の態様では、圧電素子が片持
ち梁状態で支持され、端部を支点として変形する。
【0032】本発明の第14の態様は、第13の態様に
おいて、前記圧電素子の前記第1及び第2の延設部とは
反対側の長手方向端部近傍には前記ミラー膜構造を構成
するミラー部材が設けられており、当該圧電素子の駆動
により当該ミラー部材の反射面の傾斜角度が変化するこ
とを特徴とする光変調デバイスにある。
【0033】かかる第14の態様では、圧電素子上に設
けられたミラー部材が光を反射し、ミラー部材の傾斜角
度の変化によって光を変調させる。
【0034】本発明の第15の態様は、第1〜14の何
れかの態様の光変調デバイスと、光源と、この光源から
の光を前記光変調デバイスに入射すると共に当該光変調
デバイスの前記圧電素子の駆動時又は非駆動時の何れか
一方の反射光のみを出射する光学系とを具備することを
特徴とする表示装置にある。
【0035】かかる第15の態様では、ミラー膜構造の
曲率変化を大きくして集光性能を向上させた光変調デバ
イスを用いることにより、小型、省スペース化を可能と
した表示装置が実現できる。
【0036】本発明の第16の態様は、圧電体層及びこ
れを挟持する第1及び第2の電極とからなる圧電素子を
有すると共に光を反射するミラー膜構造を有するミラー
要素と、該ミラー要素に対応して基板上に設けられた駆
動素子を有し、前記第1及び第2の電極のそれぞれは前
記圧電素子の外縁部の異なる位置から所定幅で基板上ま
で延設されると共に、その少なくとも一部が前記圧電素
子の平面方向とは交差する方向に延設されて、前記ミラ
ー要素を前記基板上に支持する第1及び第2の延設部を
具備する光変調デバイスの製造方法であって、前記基板
上の全面に犠牲層を形成する工程と、該犠牲層上の全面
に弾性板を形成すると共にパターニングする工程と、前
記犠牲層をパターニングして前記第1の延設部の前記圧
電素子の平面方向とは交差する方向に延設される部分が
形成される領域に当該犠牲層を貫通して基板を露出する
第1の露出孔を形成すると共に、前記第1の電極を成膜
後パターニングして前記第1の延設部を形成する工程
と、前記圧電素子に対応する領域並びに前記第1及び第
2の延設部の間に対応する領域に前記圧電体層を形成す
る工程と、前記犠牲層をパターニングして前記第2の延
設部の前記圧電素子の平面方向とは交差する方向に延設
される部分が形成される領域に当該犠牲層を貫通して前
記基板を露出する第2の露出孔を形成すると共に、前記
第2の電極を成膜後パターニングして前記第2の延設部
を形成する工程と、前記犠牲層を除去する工程とを有す
ることを特徴とする光変調デバイスの製造方法にある。
【0037】かかる第16の態様では、第1及び第2の
延設部を所望のパターン形状に比較的容易に形成するこ
とができる。
【0038】本発明の第17の態様は、第16の態様に
おいて、前記第1及び第2の延設部を前記基板上に設け
られた前記駆動素子に電気的に接続することを特徴とす
る光変調デバイスの製造方法にある。
【0039】かかる第17の態様では、圧電素子と駆動
素子との配線を容易に形成することができ製造工程を簡
略化できる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0041】(実施形態1)図1は、実施形態1に係る
光変調デバイスの概略を示す斜視図であり、図2は、そ
の一つのミラー要素を示す上面図及び断面図である。
【0042】図1に示すように、本実施形態の光変調デ
バイス10は、例えば、厚さが500μmのシリコン
(Si)基板等で形成されたミラー基板11と、このミ
ラー基板11上に、2次元アレイ状に設けられたミラー
要素20とからなる。
【0043】これらのミラー要素20は、例えば、12
80×1024要素の2次元アレイ状に設けられ、例え
ば、図2に示すように、弾性板31上に形成された下電
極膜32、圧電体層33及び上電極膜34を有する圧電
素子30を有する。また、本実施形態では、この圧電素
子30を構成する上電極膜34は、各圧電素子の個別電
極であると共に、入射光を反射する反射膜を兼ねてい
る。なお、勿論、上電極膜34とは別途、反射膜を形成
するようにしてもよい。
【0044】また、各ミラー要素20の表面は、例え
ば、一辺が約20μmの略正方形を有しており、本実施
形態では、このミラー要素20の一方の相対向する角部
20a,20bに対応する領域に、それぞれ、圧電素子
30を厚さ方向に貫通すると共に各圧電素子30の中心
方向に向かって延びる切欠部21が形成されている。
【0045】各ミラー要素20の圧電素子30を構成す
る下電極膜32及び上電極膜34には、それぞれ、圧電
素子30の外縁部の異なる位置、例えば、本実施形態で
は、各切欠部21の内側端部から切欠部21に対向する
領域に所定幅でミラー基板11上まで延設された下電極
延設部35及び上電極延設部36を有する。これら下電
極延設部35及び上電極延設部36は、その一部が圧電
素子30の平面方向に交差する方向に延設されており、
ミラー要素20をミラー基板11との間に空間を保持し
た状態で支持している。すなわち、これらのミラー要素
20は、下電極延設部35及び上電極延設部36の内側
端部間を支点として、一辺略20μmの領域が変形され
るようになっている。また、これら下電極延設部35及
び上電極延設部36は、その先端部35a,36aがミ
ラー基板11上に各圧電素子30に対応して設けられ
た、例えば、トランジスタ等の駆動素子50に電気的に
接続されている。
【0046】ここで、下電極延設部35及び上電極延設
部36の幅は、特に限定されないが、圧電素子30の変
形効率を向上するためには、ミラー要素20を支持固定
可能な程度に細くすることが好ましい。また、下電極延
設部35及び上電極延設部36、すなわち下電極膜32
及び上電極膜34の膜厚も特に限定されず、ミラー要素
20を支持固定可能な程度であればよく、それぞれの歪
み等を考慮して適宜決定されればよい。
【0047】また、これら下電極延設部35及び上電極
延設部36が延設される切欠部21の幅は、少なくとも
下電極延設部35及び上電極延設部36と接触しない程
度であれば特に限定されないが、反射面の面積を広くと
るために、できるだけ狭く形成することが好ましい。ま
た、切欠部21の長さは、特に限定されないが、この長
さによってミラー要素20の変形量、変形方向等が変化
するため、これらを考慮して適宜決定する必要がある。
【0048】以下に、このような本実施形態の光変調デ
バイス10の製造方法について説明する。なお、図3及
び図4は、本実施形態の光変調デバイスの製造方法を示
す断面図である。
【0049】まず、図3(a)に示すように、シリコン
基板上に半導体プロセスにより所定の薄膜トランジスタ
からなる駆動素子50を形成し、これをミラー基板11
とする。そしてこのミラー基板11上に犠牲層60を形
成する。この犠牲層60の材料としては、特に限定され
ないが、例えば、ポリシリコン又はリンドープ酸化シリ
コン(PSG)等を用いることが好ましく、本実施形態
では、エッチングレートが比較的速いPSGを用いた。
【0050】次に、図3(b)に示すように、犠牲層6
0上に、弾性板31を形成する。弾性板31の材料は、
弾性変形可能で且つ所定の剛性を有する材料であり、後
の工程で犠牲層60をエッチングする際に除去されない
材料であれば、特に限定されないが、例えば、本実施形
態では、ジルコニウム層を形成後、例えば、500〜1
200℃の拡散炉で熱酸化して、酸化ジルコニウムから
なる弾性板31とした。
【0051】次に、図3(c)に示すように、犠牲層6
0をパターニングして下電極膜32の下電極延設部35
が延設される領域に第1の犠牲層除去部61を形成す
る。
【0052】次に、図3(d)に示すように、犠牲層6
0上の全面に亘って下電極膜32を成膜すると共にパタ
ーニングする。これにより、犠牲層除去部61内に形成
される下電極膜32、すなわち下電極延設部35が以下
の工程で形成される圧電素子30の平面方向とは交差す
る方向に延設される。この下電極膜32の材料として
は、白金等が好適である。これは、後述するように、ス
パッタリング法やゾル−ゲル法で圧電体層33を形成す
る際、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600
〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要が
あるからである。すなわち、下電極膜32の材料は、こ
のような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなけれ
ばならず、殊に、圧電体層33としてチタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)を用いた場合には、酸化鉛(PbO)の
拡散による導電性の変化が少ないことが望ましい。これ
らの理由から、本実施形態では、白金をスパッタリング
法により形成することにより下電極膜32とした。
【0053】次に、図4(a)に示すように、圧電体層
33を犠牲層60上の全面に亘って成膜すると共にパタ
ーニングする。圧電体層33の材料としては、チタン酸
ジルコン酸鉛(PZT)系の材料が好ましく、本実施形
態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾ
ルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成すること
で金属酸化物からなる圧電体層33を得る、いわゆるゾ
ル−ゲル法を用いて形成した。なお、この圧電体層33
の成膜方法は、特に限定されず、例えばスパッタリング
法で形成してもよい。
【0054】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
【0055】何れにしても、このように成膜された圧電
体層33は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体層33は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。
【0056】次に、図4(b)に示すように、犠牲層6
0をパターニングして上電極膜34の上電極延設部36
が延設される領域に第2の犠牲層除去部62を形成す
る。
【0057】次に、図4(c)に示すように上電極膜3
4を犠牲層60上の全面に成膜すると共にパターニング
する。これにより、下電極延設部35と同様に、犠牲層
除去部62内に形成される上電極膜延設部36が以下の
工程で形成される圧電素子30の平面方向とは交差する
方向に延設される。上電極膜34は、導電性の高い材料
であればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の
多くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形
態では、白金をスパッタリング法により成膜して上電極
膜34とした。
【0058】次いで、図4(d)に示すように、犠牲層
60をエッチングにより除去する。本実施形態では、犠
牲層60の材料として、PSGを用いているため、弗
酸、あるいは弗化アンモニウムと一水素二弗化アンモニ
ウムとの混合水溶液等によってエッチングすることがで
きる。なお、ポリシリコンを用いた場合には、弗酸及び
硝酸の混合水溶液、あるいは水酸化カリウム水溶液によ
ってエッチングすることができる。
【0059】これにより、下電極延設部35及び上電極
延設部36を支持部として、ミラー要素20がミラー基
板11との間に空間を保持した状態で支持固定された本
実施形態の光変調デバイス10が製造される。
【0060】ここで、このように形成された本実施形態
の光変調デバイスの動作について説明する。なお、図5
は、本実施形態の光変調デバイス及び光変調デバイスに
照射される光の光路を模式的に示した図である。
【0061】光変調デバイス10は、ミラー要素20を
変形させることにより光を変調させるものであり、本実
施形態では、ミラー要素20は、圧電素子30に電圧が
印加されない状態ではほぼ平坦となっており、駆動素子
50のスイッチングによって圧電素子30に電圧が印加
されると圧電素子30の圧電体層33が面内方向に収縮
して、ミラー要素20は下電極延設部35及び上電極延
設部36の内側端部間、すなわち、ミラー要素20の略
中心部分を支点として、ミラー基板11側を凸として変
形し、反射膜を兼ねる上電極膜34が凹面鏡となるよう
になっている。
【0062】また、このような本実施形態の光変調デバ
イス10は、例えば、図5に示すように、ミラー要素2
0に相対向する位置に、遮光ドットアレイ100を具備
する。この遮光ドットアレイ100は、例えば、ガラス
等の透明基板からなり、各ミラー要素に対向して遮光ド
ット101が設けられている。この遮光ドット101
は、光吸収材料からなり、例えば、樹脂に分散されたカ
ーボンブラック、黒色顔料、黒色染料等が挙げられる。
また、遮光ドットアレイ100は、各遮光ドット101
が変形したミラー要素20の焦点近傍に設けられてい
る。例えば、本実施形態の構成では、ミラー要素20の
変形量は0.2μmであるため、遮光ドット101は各
ミラー要素20から約0.2mmの距離で設けられてい
る。
【0063】このような構成では、圧電素子30に電圧
が印加されていない状態では、入射光90がミラー要素
20の反射膜である上電極膜34に対して略直角に入射
されるため、入射光90は入射光路と略同一光路で出射
される。一方、駆動素子50によって圧電素子30に電
圧が印加された状態ではミラー要素20が変形されて凹
面鏡となるため、反射された後には変形したミラー要素
20の焦点方向に集光される。本実施形態では、上述の
ように遮光ドット101が変形したミラー要素20の焦
点近傍に設けられているため、入射光90は反射された
後、遮光ドット101に集光されて入射方向にもどるこ
とはない。すなわち、このような光変調デバイス10を
表示装置等に用いた場合、圧電素子30に電圧を印加す
る、しないによって、入射光90のON、OFFの制御
を容易に行うことができる。なお、上述した例では、圧
電素子30が変形しない場合がON、変形した場合がO
FFとなるが、勿論、これと逆になるように設定するこ
ともできる。
【0064】以上説明した本実施形態の光変調デバイス
では、従来の構造の光変調デバイスと比較して、入射光
を反射する反射面の面積を大きくすることができる。す
なわち、反射面の開口率が大きく、反射効率が向上する
ことができる。また、圧電素子を変形させて入射光を反
射するため、アナログ的なミラー傾斜角の制御ができ、
高階調な画像を得ることができる。さらに、下電極延設
部及び上電極延設部がミラー基板上で駆動素子と電気的
に接続されているため、圧電素子の配線構造を簡略化す
ることができる。
【0065】なお、本実施形態では、ミラー要素20の
平面を略正方形に形成しているが、これに限定されず、
例えば、図6(a)に示すように、平面が略平行四辺形
のミラー要素20Aとしてもよい。この場合には、対角
までの距離が短い一対の角部20c,20dに対応する
領域に切欠部21を形成すると共に、下電極延設部35
及び上電極延設部36を形成することが好ましい。すな
わち、下電極延設部35及び上電極延設部36の延設方
向に略直交する方向の圧電素子30Aの中心から外縁部
までの長さh1が、下電極延設部35及び上電極延設部
36の延設方向の圧電素子30Aの中心から外縁部まで
の距離h2よりも大きいことが好ましい。これにより、
ミラー要素20Aを所望の形状に変形させて、入射光を
効率よく変調させることができる。
【0066】また、本実施形態では、ミラー要素20の
角部に対向する領域に切欠部21を形成すると共に、こ
の切欠部21に対向する領域に下電極延設部35及び上
電極延設部36を形成するようにしたが、これに限定さ
れず、例えば、図6(b)に示すように、ミラー要素2
0Bの一方の相対向する辺の略中央部に、それぞれ、切
欠部21を設けると共に下電極延設部35及び上電極延
設部36を形成するようにしてもよい。また、勿論、他
の位置であってもよいことは言うまでもない。
【0067】(実施形態2)図7は、実施形態2に係る
光変調デバイスの断面図である。
【0068】本実施形態は、下電極延設部35及び上電
極延設部36を2つずつ設けた例であり、図7に示すよ
うに、ミラー要素20Cの各角部に対応する領域に切欠
部21を設けると共に、この切欠部21に対向する領域
に各下電極延設部35及び上電極延設部36を形成し、
4カ所でミラー要素20Cを支持固定するようにした以
外、実施形態1と同様である。
【0069】このような本実施形態の構成では、下電極
延設部35及び上電極延設部36によってミラー要素2
0Cをより確実に支持固定することができる。また、勿
論、実施形態1と同様の効果も得られる。
【0070】(実施形態3)図8は、実施形態3に係る
光変調デバイスの平面図及び断面図である。
【0071】本実施形態では、図8に示すように、圧電
素子30Bが略長方形に形成されていると共に、下電極
延設部35及び上電極延設部36のそれぞれが圧電素子
30Bの外縁部の長手方向略中央部から延設されてい
る。また、本実施形態では、圧電素子30Bの長手方向
両端部近傍には、それぞれミラー部材70が接合されて
ミラー要素20Dが構成されている。このミラー部材7
0の形状は、特に限定されないが、本実施形態では、板
状のミラー部材70の略中央部を一方面側に突出させる
ことにより支持部71を形成し、この支持部71を介し
て圧電素子30上に接合した。なお、このような本実施
形態の光変調デバイスでは、圧電素子30Bの駆動によ
り、ミラー部材70の傾斜角度が変化して入射光が変調
される。
【0072】このような構成では、圧電素子30Bの長
手方向両端部にミラー部材70が設けられているため反
射面の面積が大きく、上述の実施形態と同様に、効率よ
く入射光を変調させることができる。また、本実施形態
においても、ミラー要素20Dが下電極延設部35及び
上電極延設部36で支持されているため、圧電素子30
Bの配線構造を簡略化することができる。
【0073】なお、本実施形態では、圧電素子30Bの
長手方向略中央部から下電極延設部35及び上電極延設
部36を延設するようにしたが、これに限定されず、例
えば、図9に示すように、圧電素子30Bの長手方向一
端部から下電極延設部35及び上電極延設部36を延設
するようにし、他端部側にミラー部材70を設けてミラ
ー要素20Eとしてもよい。
【0074】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、本発明の光変調デバイスは上述した実
施形態に限定されるものではないが、何れにしても反射
面の面積が大きくなっているため、集光性能が向上す
る。
【0075】例えば、上述の実施形態では、表面が四角
形の圧電素子30を例示したが、圧電素子の形状は特に
限定されず、例えば、多角形又は円形等、何れの形状で
あってもよい。
【0076】また、上述した実施形態で1及び2では、
反射膜を兼ねる上電極膜34を凹面鏡として作用するも
のとしたが、これに限定されず、成膜条件等を適宜調整
して凸面鏡として作用させるようにしてもよい。
【0077】以下には、遮光ドットアレイ以外を用いた
光変調デバイスの構成例、及び凸面鏡として作用させた
場合の構成例を示す。また、本発明は集光性能の向上に
より入射光を反射面に集光させる特別な光学系を必要と
しないという効果を奏するものであるが、入射光を集光
させる光学系を用いてもよく、以下にはこのような構成
も示す。
【0078】図10には、上述した遮光ドットアレイ1
00の代わりに、ピンホールアレイ110及びマイクロ
レンズアレイ120を設けた光変調デバイスの概略構成
を示す。ここで、ピンホールアレイ110は、各ミラー
要素20に対向する位置にピンホール111を有し、ま
た、各マイクロレンズアレイ120は、各ミラー要素2
0に対向する位置に凸レンズ121を有する。なお、ピ
ンホールアレイ110の各ピンホール111は、変形し
たミラー要素20の焦点近傍に設けられている。
【0079】かかる光変調デバイスでは、変形したミラ
ー要素20に入射した光はピンホールアレイ110のピ
ンホール111を通過して戻るが、変形していないミラ
ー要素20に入射した光はピンホールアレイ110の遮
光部112に遮断される。すなわち、この例では、上述
した例とは反対に、ミラー要素20を変形した場合がO
Nであり、未変形の場合がOFFとなる。
【0080】なお、ミラー要素20を支持部材40とは
反対側に凸に変形するようにして凸面鏡として作用して
も光変調デバイスとすることができる。このような光変
調デバイスを用いた表示装置の一例を以下に示す。
【0081】図11〜図13には本発明の光変調デバイ
スを用いた表示装置の一例を示す。なお、図11〜図1
3は表示装置を構成する光学系の概略断面図であり、レ
ンズ、光変調デバイス等は大幅に簡略化して描いてあ
る。
【0082】図11に示す表示装置は、光源であるメタ
ルハライドランプ210及び放射面形状のリフレクタ2
11と、このメタルハライドランプ210からの光を光
変調デバイス10に入射させるハーフミラー220と、
光変調デバイス10からの出射光を結像する投影レンズ
230と、投影レンズ230により結像された像を表示
するスクリーン240とを具備する。
【0083】かかる表示装置では、光源であるメタルハ
ライドランプ210を有し、メタルハライドランプ21
0から出た光は、リフレクタ211で反射されて略平行
な光となってハーフミラー220に入射し、ハーフミラ
ー220で反射されて光変調デバイス10に入射され
る。なお、ハーフミラー220はキューブ型のハーフプ
リズムとしてもよい。
【0084】光変調デバイス10を構成するミラー要素
20のうちで、駆動素子50を介して駆動されて変形し
ているミラー要素20は凹面鏡として働き、この変形し
たミラー要素20に入射した光は反射されて遮光ドット
101に向かって集光され、ハーフミラー220方向に
は戻らない。一方、変形していないミラー要素20に入
射した光は反射されて、投影レンズ230によって像面
であるスクリーン240上に結像される。
【0085】以上のような光学系の構成によって、光変
調デバイス10を構成する各ミラー要素20がスクリー
ン240上の画素に対応し、ミラー要素20のON,O
FF、すなわち、変形していない、変形しているによっ
てスクリーン240上の表示画像を変化させることがで
きる。
【0086】なお、スクリーン240としては反射型の
スクリーンあるいは透過性型のスクリーンを用いること
ができる。
【0087】また、図11で示した光学系では、光源2
10から放出された光のうち、ハーフミラー220でそ
の約半分だけが光変調デバイス10を照明し、残りの半
分はハーフミラー220を透過して無駄な光となる。さ
らに、光変調デバイス10で反射した光のうちその半分
だけがハーフミラー220を透過して投影レンズ230
へ向かう。すなわち、光源から出てスクリーン240に
到達する光は、途中でのロスがないとして理想的に見積
もっても光源210から出た光の1/4程度に減衰して
いる。
【0088】図12に示す表示装置では、ハーフミラー
220の代わりに、3つの偏光ビームスプリッタ22
1、222及び224を用いることにより、光源から放
射されるエネルギを原理的にロスなくスクリーン240
に導くようにしている。
【0089】図示するように、光源であるメタルハライ
ドランプ210から出た光は、放物面形状のリフレクタ
211で反射され略平行な光に変換され、第1の偏光ビ
ームスプリッタ221に入射する。以下、偏光ビームス
プリッタ221はP偏光は透過し、S偏光は反射するも
のとする。
【0090】光源210からでた光は、その振動方向が
ランダムな方向を向いている自然光なので、そのうちの
P偏光成分(図中pで示す)は第1の偏光ビームスプリ
ッタ221を透過し、S偏光成分(図中sで参照)は反
射される。この反射されたS偏光成分の光は隣接する第
2の偏光ビームスプリッタ222に入射し、そこで反射
されて第2の偏光ビームスプリッタ222をS偏光とし
て出射する。一方、第1の偏光ビームスプリッタ221
を透過したP偏光は、第1のビームスプリッタ221の
出射面に設けられた1/2波長板223によってS偏光
に変換される。したがって、第3の偏光ビームスプリッ
タ224に入射される光はS偏光に揃っている。
【0091】S偏光として第3の偏光ビームスプリッタ
224に入射された光は、全て光変調デバイス10の方
向へ反射されるが、第3の偏光ビームスプリッタ224
の光変調デバイス10側の面に設けられた1/4波長板
225によって円偏光に変換されて光変調デバイス10
に入射される。
【0092】光変調デバイス10を構成するミラー要素
20の反射膜である上電極膜34で反射した光は、入射
光の円偏光とは反対方向に偏光する円偏光となり、1/
4波長板225で今度はP偏光となって第3のビームス
プリッタ224に入射される。このP偏光は第3のビー
ムスプリッタ224で反射されることなく原理的には全
て透過されて投影レンズ230に到達する。
【0093】以上述べたように、光源から出た光の振動
方向を揃えることによって、ハーフミラーを用いた場合
のような光のロスがなく、光源から放射されるエネルギ
を原理的にロスなくスクリーンに導くことができる。す
なわち、明るい表示が可能な表示装置を構成することが
できる。
【0094】図13には、他の実施形態の表示装置の構
成を示す。この表示装置では、遮光ドットアレイ100
を有さず且つ各ミラー要素20が駆動された場合に凸面
鏡として作用する光変調デバイス10Aを用いると共に
図12の装置の第3の偏光ビームスプリッタ224と投
影レンズ230との間に、第3のビームスプリッタ22
4を透過する所定の発散光は投影レンズ230に透過す
るが、平行光は遮断するレンズ250及び微小ミラー2
51を設けたものである。なお、投影レンズ230は所
定の発散光でレンズ250を通過した光をスクリーン2
40に結像するものである。
【0095】かかる構成では、光変調デバイス10Aの
変形していないミラー要素20に入射した光は平行光の
まま反射されてレンズ250に到達するが、この光は、
レンズ250の焦点近傍に配置された微小ミラー251
に集光されて発散され、スクリーン240には到達しな
い。一方、変形したミラー素子20に入射された光は仮
想光源260から出ているような発散光としてレンズ2
50に到達するので、微小ミラー251に遮られること
なく投影レンズ230に到達し、投影レンズ230によ
りスクリーン240に結像される。
【0096】なお、以上の説明では表示装置としては一
枚の光変調デバイスを用いた表示装置を説明したが、従
来から知られているように、3枚の光変調デバイスを用
い、それぞれの光変調デバイスが赤、緑、青それぞれの
光を変調し、その変調光を色合成して投写するカラー表
示装置としても本発明を用いることができることはいう
までもない。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではミラー
要素を構成する圧電素子の第1及び第2の電極のそれぞ
れを圧電素子の外縁部から延設した第1及び第2の延設
部によって基板上に支持固定するようにした。これによ
り、圧電素子の端部が自由端となり変形効率が向上する
と共に、ミラー要素の反射面の面積を大きくすることが
でき、効率よく入射光を変調させることができる。ま
た、圧電素子を変形させて入射光を反射するため、アナ
ログ的なミラーの傾斜角の制御ができ、高階調な画像を
得ることができる。
【0098】さらに、第1及び第2の電極から延設され
た第1及び第2の延設部が基板上で駆動素子と電気的に
接続されることにより、圧電素子の配線構造を簡略化す
ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの概
略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの上
面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製
造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製
造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの光
学系の概略断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの変
形例を示す要部平面図である。
【図7】本発明の実施形態2に係る光変調デバイスの要
部平面図である。
【図8】本発明の実施形態3に係る光変調デバイスの要
部平面図及び断面図である。
【図9】本発明の実施形態3に係る光変調デバイスの変
形例を示す要部平面図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイス
の光学系の概略断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイス
を用いた表示装置を構成する光学系の概略断面図であ
る。
【図12】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイス
を用いた表示装置を構成する光学系の概略断面図であ
る。
【図13】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイス
を用いた表示装置を構成する光学系の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
10 光変調デバイス 11 ミラー基板 20 ミラー要素 21 切欠部 30 圧電素子 31 弾性板 32 下電極膜 33 圧電体層 34 上電極膜 35 下電極延設部 36 上電極延設部 50 駆動素子

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体層及びこれを挟持する第1及び第
    2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反射す
    るミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要素に
    対応して設けられた駆動素子とを有する光変調デバイス
    において、 前記第1及び第2の電極のそれぞれは、前記圧電素子の
    外縁部の異なる位置から所定幅で基板上まで延設される
    と共に前記ミラー要素を前記基板上に支持する第1及び
    第2の延設部を具備することを特徴とする光変調デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1及び第2の
    延設部は、その少なくとも一部が前記圧電素子の平面方
    向とは交差する方向に延設されていることを特徴とする
    光変調デバイス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記圧電素子
    の前記圧電体層に電圧を印加することにより、前記第1
    及び第2の延設部の内側端部の間を支点として前記ミラ
    ー膜構造が変形され、当該ミラー膜構造に入射する光が
    変調されることを特徴とする光変調デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記圧
    電素子は、当該圧電素子の厚さ方向に貫通すると共に、
    前記圧電素子の外縁部の異なる位置から面内方向略中央
    部に向かって形成された切欠部を少なくとも2つ有し、
    前記第1及び第2の延設部のそれぞれは、前記各切欠部
    の内側端部から当該各切欠部に対応する領域に延設され
    ていることを特徴とする光変調デバイス。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記切欠部の幅が、
    前記第1及び前記第2の延設部の幅よりも広いことを特
    徴とする光変調デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記第
    1及び第2の延設部が前記駆動素子に電気的に接続され
    ていることを特徴とする光変調デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記第
    1及び第2の延設部が前記圧電素子の一方の対角線に対
    して線対称にそれぞれ一つずつ設けられており、前記第
    1及び第2の延設部の延設方向に略直交する方向の前記
    圧電素子の中心から外縁部までの長さが、前記第1及び
    第2の延設部の延設方向の前記圧電素子の中心から外縁
    部までの長さと略同一若しくはそれよりも長いことを特
    徴とする光変調デバイス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記駆
    動素子が、前記基板上に設けられたトランジスタである
    ことを特徴とする光変調デバイス。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8の何れかにおいて、前記第
    1及び第2の延設部の前記圧電素子の平面方向とは交差
    する方向に延設された部分は、パターニングされた犠牲
    層の側壁上に成膜することにより形成されていることを
    特徴とする光変調デバイス。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
    圧電素子は前記一方面側には弾性板を有すると共に他方
    面側には前記ミラー膜構造を有することを特徴とする光
    変調デバイス。
  11. 【請求項11】 請求項10において、前記圧電素子の
    前記ミラー膜構造は、前記他方面側の前記第2の電極又
    はこの上に設けられた反射膜から構成されることを特徴
    とする光変調デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11の何れかにおいて、前
    記圧電素子は前記第1及び第2の延設部の内側端部間に
    対応する領域から二次元方向に延設されていることを特
    徴とする光変調デバイス。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11の何れかにおいて、前
    記圧電素子は前記第1及び第2の延設部の内側端部間に
    対応する領域から略一方向に延設されると共にその長手
    方向一端部近傍で前記第1及び第2の支持部により片持
    ち梁状態で支持されていることを特徴とする光変調デバ
    イス。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記圧電素子の
    前記第1及び第2の延設部とは反対側の長手方向端部近
    傍には前記ミラー膜構造を構成するミラー部材が設けら
    れており、当該圧電素子の駆動により当該ミラー部材の
    反射面の傾斜角度が変化することを特徴とする光変調デ
    バイス。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14の何れかの光変調デバ
    イスと、光源と、この光源からの光を前記光変調デバイ
    スに入射すると共に当該光変調デバイスの前記圧電素子
    の駆動時又は非駆動時の何れか一方の反射光のみを出射
    する光学系とを具備することを特徴とする表示装置。
  16. 【請求項16】 圧電体層及びこれを挟持する第1及び
    第2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反射
    するミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要素
    に対応して基板上に設けられた駆動素子を有し、前記第
    1及び第2の電極のそれぞれは前記圧電素子の外縁部の
    異なる位置から所定幅で基板上まで延設されると共に、
    その少なくとも一部が前記圧電素子の平面方向とは交差
    する方向に延設されて、前記ミラー要素を前記基板上に
    支持する第1及び第2の延設部を具備する光変調デバイ
    スの製造方法であって、 前記基板上の全面に犠牲層を形成する工程と、該犠牲層
    上の全面に弾性板を形成すると共にパターニングする工
    程と、前記犠牲層をパターニングして前記第1の延設部
    の前記圧電素子の平面方向とは交差する方向に延設され
    る部分が形成される領域に当該犠牲層を貫通して基板を
    露出する第1の露出孔を形成すると共に、前記第1の電
    極を成膜後パターニングして前記第1の延設部を形成す
    る工程と、前記圧電素子に対応する領域並びに前記第1
    及び第2の延設部の間に対応する領域に前記圧電体層を
    形成する工程と、前記犠牲層をパターニングして前記第
    2の延設部の前記圧電素子の平面方向とは交差する方向
    に延設される部分が形成される領域に当該犠牲層を貫通
    して前記基板を露出する第2の露出孔を形成すると共
    に、前記第2の電極を成膜後パターニングして前記第2
    の延設部を形成する工程と、前記犠牲層を除去する工程
    とを有することを特徴とする光変調デバイスの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項16において、前記第1及び第
    2の延設部を前記基板上に設けられた前記駆動素子に電
    気的に接続することを特徴とする光変調デバイスの製造
    方法。
JP22206699A 1999-08-05 1999-08-05 光変調デバイス及びその製造方法並びに表示装置 Expired - Fee Related JP3800287B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22206699A JP3800287B2 (ja) 1999-08-05 1999-08-05 光変調デバイス及びその製造方法並びに表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22206699A JP3800287B2 (ja) 1999-08-05 1999-08-05 光変調デバイス及びその製造方法並びに表示装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001051213A true JP2001051213A (ja) 2001-02-23
JP2001051213A5 JP2001051213A5 (ja) 2004-08-26
JP3800287B2 JP3800287B2 (ja) 2006-07-26

Family

ID=16776587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22206699A Expired - Fee Related JP3800287B2 (ja) 1999-08-05 1999-08-05 光変調デバイス及びその製造方法並びに表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3800287B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005148634A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Tadahiro Omi マスク描画手法、及びマスク描画装置
JP2005244239A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びデバイス製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005148634A (ja) * 2003-11-19 2005-06-09 Tadahiro Omi マスク描画手法、及びマスク描画装置
JP4510429B2 (ja) * 2003-11-19 2010-07-21 財団法人国際科学振興財団 マスク描画手法、及びマスク描画装置
JP2005244239A (ja) * 2004-02-27 2005-09-08 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及びデバイス製造方法
JP4499582B2 (ja) * 2004-02-27 2010-07-07 エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. リソグラフィ装置及びデバイス製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3800287B2 (ja) 2006-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7046422B2 (en) Reflection-type light modulating array element and exposure apparatus
KR100424548B1 (ko) 출력효율제어장치와투사형디스플레이장치와적외선센서와비접촉온도계
WO1997031283A1 (fr) Dispositif de modulation optique, ecran et dispositif electronique
US20070046605A1 (en) Light control device and light control system using same
JP4404174B2 (ja) 光スイッチング素子およびこれを用いたスイッチング装置並びに画像表示装置
JP5848504B2 (ja) 光偏向器
JP3800292B2 (ja) 光変調デバイス及び表示装置
JP3800288B2 (ja) 光変調デバイス及び表示装置
JP3800287B2 (ja) 光変調デバイス及びその製造方法並びに表示装置
KR20060061946A (ko) 회절광과 조명광을 분리한 칼라 디스플레이 장치
JP3800290B2 (ja) 光変調デバイス及び表示装置
JP3800289B2 (ja) 光変調デバイス及び表示装置並びに光変調デバイスの製造方法
JP2001004932A (ja) 光変調デバイス及び表示装置
JP2001013425A (ja) 光変調デバイス及び表示装置
JP4645067B2 (ja) 反射ミラー製作方法
JPH11142753A (ja) 変形可能ミラーデバイスの製造方法
JP2001056441A (ja) 光変調デバイス及びその駆動方法並びに表示装置及び製造方法
JP4404787B2 (ja) 光変調素子及び画像形成装置
JP2001013428A (ja) 光変調デバイス及び表示装置
JPH11160635A (ja) 光学素子及びその製造方法並びにそれを用いた装置
JP2002267957A (ja) 光スイッチング素子と空間光変調器及び画像表示装置
JP3452020B2 (ja) プロジェクタ
JP2001013427A (ja) 光変調デバイス及び表示装置
JPH10510931A (ja) 低温度形成の薄膜アクチュエーテッドミラーアレイ及びその製造方法
KR100233997B1 (ko) 광로 조절 장치 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100512

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110512

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120512

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130512

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140512

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees