JP2001056441A - 光変調デバイス及びその駆動方法並びに表示装置及び製造方法 - Google Patents

光変調デバイス及びその駆動方法並びに表示装置及び製造方法

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JP2001056441A
JP2001056441A JP11234336A JP23433699A JP2001056441A JP 2001056441 A JP2001056441 A JP 2001056441A JP 11234336 A JP11234336 A JP 11234336A JP 23433699 A JP23433699 A JP 23433699A JP 2001056441 A JP2001056441 A JP 2001056441A
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JP
Japan
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modulation device
piezoelectric element
mirror
light modulation
light
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JP11234336A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kamei
宏行 亀井
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射面の曲率変化を大きくして集光性能を向
上させると共に変調精度を向上した光変調デバイス及び
その駆動方法並びに表示装置及び製造方法を提供する。 【解決手段】 圧電体層33及びこれを挟持する第1及
び第2の電極32,34とからなる圧電素子30を有す
ると共に光を反射するミラー膜構造35を有するミラー
要素20と、該ミラー要素20に対応して設けられた圧
電素子用駆動素子50とを有する光変調デバイス10に
おいて、前記圧電素子30は、支持部21を介して基板
11との間に一定の空間を保持した状態で支持されてお
り、前記圧電素子30及び前記基板11との相対向する
面のそれぞれに一対の電磁石として作用する部分40,
41を有することを特徴とする光変調デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射ミラーの変形
によって入射光を変調して表示を行うための光変調デバ
イス及びその駆動方法並びに表示装置及び製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、光を変調して表示を行うための光
変調デバイスとしては、例えば、基板上に設けた電極に
電圧を印加し、その吸引力等によってミラーを傾斜させ
て入射光を変調させるものや、圧電体層を一対の電極膜
で挟持した圧電素子上にミラーを設け、圧電素子を変形
させることによりこのミラーを傾斜させて入射光を変調
させるもの等が知られている。
【0003】電極を利用したものとしては、特開平8−
248334号公報に見られるように、基板上に回転可
能に支持されているミラーの基板側の面には電磁石を設
け、電磁石に相対向する基板上には永久磁石を設けるこ
とにより、電磁石と永久磁石との吸引及び反発する力を
利用してミラーを回転させることにより入射光の方向を
変えるものが提案されている。
【0004】また、圧電素子を利用したものとしては、
特表平9−504387号公報に見られるように、片持
ち梁状の圧電素子の表面に薄膜等からなるミラー膜を形
成し、圧電素子を変形させることによりこのミラー膜を
屈曲させて入射光の方向を変えるものも提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、永久磁
石を利用した光変調デバイスは、永久磁石の磁力の経時
的な減衰によって変調性能が低下する虞れがある。
【0006】また、圧電素子を利用した光変調デバイス
は、何れにしても、圧電素子の長手方向一端部を支持し
た片持ち梁状の構造であり、この構造の場合、圧電素子
をその長手方向に沿った一方向のみに変形させることで
光の方向を変えて変調するため、変調性能が低いという
問題がある。
【0007】さらに、圧電素子が駆動素子により駆動さ
れていないときであっても、圧電素子を構成する各層の
初期応力により、ミラー面が初めから湾曲していたりあ
るいは傾いていたりして、光路が偏向してしまい、正常
な映像が得られないという問題もある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、反射面
の曲率変化を大きくして集光性能を向上させると共に変
調精度を向上した光変調デバイス及びその駆動方法並び
に表示装置及び製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、圧電体層及びこれを挟持する第1及
び第2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反
射するミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要
素に対応して設けられた圧電素子用駆動素子とを有する
光変調デバイスにおいて、前記圧電素子は、支持部を介
して基板との間に一定の空間を保持した状態で支持され
ており、前記圧電素子及び前記基板との相対向する面の
それぞれに一対の電磁石として作用する部分を有するこ
とを特徴とする光変調デバイスにある。
【0010】かかる第1の態様では、ミラー要素を圧電
素子と電磁石として作用する部分とで変形することによ
り、ミラー要素の変形量を大きくして集光性能を向上す
ると共に変調精度を向上することができる。
【0011】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記一対の電磁石として作用する部分のそれぞれ
は、平面コイル状に設けられた薄膜パターンからなるこ
とを特徴とする光変調デバイスにある。
【0012】かかる第2の態様では、電磁石として作用
する部分を容易に且つ精密に形成することができる。
【0013】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記一対の電磁石として作用する部分の少な
くとも一方は、その表面を覆う保護膜を有することを特
徴とする光変調デバイスにある。
【0014】かかる第3の態様では、ミラー要素の変形
により一対の電磁石として作用する部分同士が接触して
ショートするのを防ぐことができる。
【0015】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記圧電素子は、前記支持部との接続
部から略一方向に延設されると共にその長手方向一端部
で前記支持部により片持ち梁状態で支持されていること
を特徴とする光変調デバイスにある。
【0016】かかる第4の態様では、圧電素子が片持ち
梁状態で支持され、支持部に対応する端部を支点として
変形する。
【0017】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記圧電素子は、前記一方面側には弾
性板を有すると共に他方面側には前記ミラー膜構造を有
することを特徴とする光変調デバイスにある。
【0018】かかる第5の態様では、圧電素子の一方側
に設けられた弾性板の端部に支持部が設けられているの
で、この支持部に対応する部分を支点として圧電素子が
変形し、他方面のミラー膜構造が変形する。
【0019】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記支持部は、少なくとも前記弾性板
及び当該弾性板上に形成された前記第1及び第2の電極
からなることを特徴とする光変調デバイスにある。
【0020】かかる第6の態様では、振動板及び圧電素
子の電極を圧電素子に対向する領域から連続的に形成す
ることにより、支持部を比較的容易に形成できる。
【0021】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記圧電素子の前記ミラー膜構造は、
前記他方面側の前記第2の電極又はこの上に設けられた
反射膜から構成されることを特徴とする光変調デバイス
にある。
【0022】かかる第7の態様では、圧電素子の第2の
電極又は反射膜が光を反射する。
【0023】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記圧電素子の前記第1及び第2の電
極から延設される接続配線が、それぞれ前記支持部を介
して前記基板上まで延設されていることを特徴とする光
変調デバイスにある。
【0024】かかる第8の態様では、第1及び第2の電
極への接続配線が支持部を介して基板上まで延設されて
いるので変形を阻害することがない。
【0025】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れか
の態様において、前記基板上には、前記一対の電磁石と
して作用する部分のそれぞれに対応して電磁石用駆動素
子が設けられていることを特徴とする光変調デバイスに
ある。
【0026】かかる第9の態様では、電磁石用駆動素子
によって一対の電磁石として作用する部分が駆動され
る。
【0027】本発明の第10の態様は、第9の態様にお
いて、前記電磁石用駆動素子は、前記一対の電磁石とし
て作用する部分に対応して一個であることを特徴とする
光変調デバイスにある。
【0028】かかる第10の態様では、駆動素子の形成
が容易になると共に一対の電磁石として作用する部分の
駆動が容易になる。
【0029】本発明の第11の態様は、第1〜10の何
れかの態様において、前記圧電素子用駆動素子及び前記
電磁石用駆動素子が、前記基板上に設けられたトランジ
スタであることを特徴とする光変調デバイスにある。
【0030】かかる第11の態様では、基板に設けられ
たトランジスタを介して各一対の電磁石として作用する
部分及び圧電素子が駆動される。
【0031】本発明の第12の態様は、第9〜11の何
れかの態様において、前記電磁石用駆動素子が前記圧電
素子用駆動素子と共用されていることを特徴とする光変
調デバイスにある。
【0032】かかる第12の態様では、駆動素子の形成
が容易になると共に圧電素子と一対の電磁石として作用
する部分との駆動を同時に行うことができる。
【0033】本発明の第13の態様は、第1〜12の何
れかの態様の光変調デバイスと、光源と、この光源から
の光を前記光変調デバイスに入射すると共に当該光変調
デバイスの前記ミラー要素の変位時又は非変位時の何れ
か一方の反射光のみを出射する光学系とを具備すること
を特徴とする表示装置にある。
【0034】かかる第13の態様では、変調効率を向上
した光変調デバイスを用いることにより、より鮮明な映
像を投影できるとともに小型、省スペース化を可能とし
た表示装置が実現できる。
【0035】本発明の第14の態様は、圧電体層及びこ
れを挟持する第1及び第2の電極とからなる圧電素子を
有すると共に光を反射するミラー膜構造を有するミラー
要素が、支持部を介して基板との間に一定の空間を保持
した状態で支持され、且つ前記圧電素子及び前記基板と
の相対向する面のそれぞれに一対の電磁石として作用す
る部分を有し、前記圧電素子に対応して設けられた圧電
素子用駆動素子と前記一対の電磁石として作用する部分
のそれぞれに対応して設けられた電磁石用駆動素子とを
有する光変調デバイスの駆動方法であって、前記圧電素
子の前記圧電体層に電圧を印加することにより前記圧電
素子の前記支持部側端部を支点として前記ミラー要素を
変形させる際に、必要に応じて、前記一対の電磁石とし
て作用する部分に電流を流して前記一対の電磁石の間に
磁場を発生させることを特徴とする光変調デバイスの駆
動方法にある。
【0036】かかる第14の態様では、圧電素子による
駆動に加え一対の電磁石に磁場を発生させることによ
り、ミラー要素の曲率変化を大きくすることができる。
【0037】本発明の第15の態様は、第14の態様に
おいて、前記一対の電磁石として作用する部分の間に互
いに反発する磁場を発生させることによって、前記ミラ
ー要素の変形を増大することを特徴とする光変調デバイ
スの駆動方法にある。
【0038】かかる第15の態様では、圧電素子による
駆動に加え電磁石として作用する部分の磁場によって、
ミラー要素は支持部側の端部を支点として先端が上方に
向かって大きく変形する。
【0039】本発明の第16の態様は、第14の態様に
おいて、前記一対の電磁石として作用する部分の間に互
いに反発する磁場を発生させることにより、前記ミラー
要素の初期状態を水平に維持することを特徴とする光変
調デバイスの駆動方法にある。
【0040】かかる第16の態様では、ミラー要素の先
端が下方に向かって変形している未駆動時の圧電素子を
電磁石として作用する部分の駆動によって確実に平坦と
することができるため、変調精度を向上し、映像品質を
著しく向上する。
【0041】本発明の第17の態様は、第14の態様に
おいて、前記一対の電磁石として作用する部分の間に互
いに引き合う磁場を発生させることによって、前記ミラ
ー要素の初期状態を水平に維持することを特徴とする光
変調デバイスの駆動方法にある。
【0042】かかる第17の態様では、ミラー要素の先
端が上方に向かって変形している未駆動時の圧電素子を
電磁石として作用する部分の駆動によって確実に平坦と
することができるため、変調精度を向上し、映像品質を
著しく向上する。
【0043】本発明の第18の態様は、第14〜17の
何れかの態様において、前記圧電素子と前記一対の電磁
石として作用する部分との何れか一方もしくはその両方
を駆動させることにより、前記ミラー要素の変形量を制
御し、各画素からの出射光をデジタル的に階調すること
を特徴とする光変調デバイスの駆動方法にある。
【0044】かかる第18の態様では、圧電素子と一対
の電磁石として作用する部分とを選択的に駆動させるこ
とにより入射光を比較的容易に階調できる。
【0045】本発明の第19の態様は、圧電体層及びこ
れを挟持する第1及び第2の電極とからなる圧電素子を
有すると共に光を反射するミラー膜構造を有するミラー
要素が、支持部を介して基板との間に一定の空間を保持
した状態で支持され、且つ前記圧電素子及び前記基板と
の相対向する面のそれぞれに一対の電磁石として作用す
る部分を有する光変調デバイスの製造方法であって、前
記基板上に第1の絶縁膜を介して前記一対の電磁石とし
て作用する部分の一方をパターン形成する工程と、前記
一方の電磁石として作用する部分上に犠牲層を形成する
工程と、前記犠牲層上の前記一方の電磁石として作用す
る部分に相対向する領域に前記一対の電磁石として作用
する部分の他方をパターン形成する工程と、前記他方の
電磁石として作用する部分上に第2の絶縁膜を介して前
記他方の電磁石として作用する部分に接続される接続配
線を形成する工程と、前記接続配線上に第3の絶縁層を
介して前記圧電素子を形成する工程と、前記犠牲層を除
去する工程とを有することを特徴とする光変調デバイス
の製造方法にある。
【0046】かかる第19の態様では、ミラー要素及び
一対の電磁石として作用する部分を比較的容易に形成す
ることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0048】(実施形態1)図1は、実施形態1に係る
光変調デバイスの概略を示す斜視図であり、図2は、そ
の一つのミラー要素を示す断面図及び平面図である。
【0049】図1に示すように、本実施形態の光変調デ
バイス10は、例えば、厚さが500μmのミラー基板
11と、このミラー基板11上に、2次元アレイ状に設
けられたミラー要素20と、このミラー要素20を変形
させる圧電素子用駆動素子50及び電磁石用駆動素子5
1,52とを有する。
【0050】ミラー要素20は、例えば、1280×1
024要素の2次元アレイ状に設けられ、各ミラー要素
20は、例えば、図2に示すように、弾性板31上に形
成された下電極膜32、圧電体層33及び上電極膜34
を有する圧電素子30と、この圧電素子30の上電極膜
34上に略全面に亘って設けられた反射膜35とを有す
る。また、各ミラー要素20の表面は、例えば、一辺約
50μmの略正方形を有しており、本実施形態では、圧
電素子30を構成する弾性板31、下電極膜32及び上
電極膜34が一辺と略同一幅でミラー基板11上まで延
設された支持部21を有する。この支持部21は、その
一部が圧電素子30の平面方向と交差する方向に延設さ
れており、ミラー要素20をミラー基板11との間に空
間を保持した状態で片持ち梁状に支持している。すなわ
ち、これらのミラー要素20は、支持部21側の端部を
支点として変形されるようになっている。
【0051】また、ミラー基板11には、圧電素子30
を駆動するためのトランジスタ等の圧電素子用駆動素子
50が各圧電素子30に対応して設けられており、下電
極膜32及び上電極膜34は支持部21を介してミラー
基板11上まで延設され、各上電極膜34はそれぞれ各
圧電素子用駆動素子50と電気的に接続されている。な
お、上電極膜34は、ミラー基板11上に設けられた第
1の絶縁膜60に形成された除去部60cを介して圧電
素子用駆動素子50と接続されている。
【0052】ここで、圧電素子30のミラー基板11と
相対向する面には、全面に亘って平面コイル状となった
上コイル素子40が設けられており、この上コイル素子
40に相対向するミラー基板11上には、上コイル素子
40と逆巻きの平面コイル状となった下コイル素子41
が設けられている。すなわち、これら上コイル素子40
と下コイル素子41とに電流を流すことにより、その間
に互いに反発する磁場を発生させることができるように
なっている。さらに、ミラー基板11には、上コイル素
子40及び下コイル素子41を駆動するためのトランジ
スタ等の電磁石用駆動素子51,52がそれぞれに対応
して設けられている。
【0053】本実施形態では、下コイル素子41は、ミ
ラー基板11上の第1の絶縁膜60上に設けられてお
り、下コイル素子41の中央の一端部は、この一端部に
対応した領域の第1の絶縁膜60を除去して形成した除
去部60aを介してミラー基板11に設けられた電磁石
用駆動素子52と電気的に接続されている。
【0054】一方、上コイル素子40は、弾性板31の
下面側に、上コイル素子用接続配線42及び第2の絶縁
膜66を介して設けられており、上コイル素子40と電
磁石用駆動素子51との接続は、上コイル素子用接続配
線42を介して行われている。すなわち、上コイル素子
40の中央の一端部と対応する領域に第2の絶縁膜66
を除去して形成した66aを介して上コイル素子40と
上コイル素子用接続配線42が接続されている。また、
上コイル素子用接続配線42は、支持部21に沿って延
設され、第1の絶縁膜60に設けられた除去部60bを
介して電磁石用駆動素子51と電気的に接続されてい
る。また、本実施形態では、上コイル素子40の他端部
側は、支持部21に沿って延設されて下コイル素子41
の他端部と接続されている。すなわち、上コイル素子4
0及び下コイル素子41の中央の一端部は、各電磁石用
駆動素子51,52と接続されており、各コイル素子4
0,41の他端部は共通電極となっている。
【0055】なお、電磁石用駆動素子51,52は、一
つだけ設けるようにしてもよく、その際は、下コイル素
子41から接続用配線を設けることにより一つの電磁石
用駆動素子と電気的に接続するようにしてもよい。ま
た、駆動素子を一つだけ設け、圧電素子用駆動素子50
と電磁石用駆動素子51,52とを共用するようにして
もよい。
【0056】また、このような本実施形態の光変調デバ
イス10の製造方法は、特に限定されないが、本実施形
態では、以下の工程で製造した。なお、図3〜図5は、
本実施形態の光変調デバイスの製造方法を示す断面図で
ある。
【0057】まず、図3(a)に示すように、シリコン
基板上に半導体プロセスにより所定の薄膜トランジス
タ、例えばC−MOSからなる圧電素子用駆動素子50
及び電磁石用駆動素子51,52を形成し、これをミラ
ー基板11とする。このミラー基板11上に第1の絶縁
膜60を形成すると共にパターニングして各駆動素子5
0、51,52に対応する領域を除去し、除去部60
a、60b、60cを形成する。なお、この第1の絶縁
膜60の材料は、絶縁材料で且つ後の工程で犠牲層65
をエッチングする際に除去されない材料であれば特に限
定されず、例えば、窒化珪素、酸化珪素、ポリイミド等
を用いることができる。
【0058】次に、図3(b)に示すように、第1の絶
縁膜60上に下コイル素子材料層41aを形成する。こ
の下コイル素子材料層41aを、除去部60aを中心と
して反時計回りに平面コイル状にパターニングすること
により下コイル素子41を形成する。このとき、除去部
60aを介して下コイル素子41のコイル状に形成され
た中央一端部と電磁石用駆動素子52とが電気的に接続
される。また、下コイル素子41の他端部は除去部60
b、60c側で平面部41bとなっており、平面部41
bの除去部60b、60cに対応する領域はミラー基板
11の表面が露出するまで除去されている。本実施形態
では、各ミラー要素の下コイル素子を共通電極としてい
るため、下コイル素子41の平面部41bが配線等によ
って他の下コイル素子の平面部と接続されている。な
お、この下コイル素子41を形成する材料は導電性が高
く、後の工程で犠牲層65をエッチングする際に除去さ
れない材料であればよく、例えば、アルミニウム、金、
ニッケル、白金等の多くの金属等を使用できる。
【0059】次に、図3(c)に示すように、下コイル
素子41上に犠牲層65を形成する。この犠牲層65
は、所定の材料層を全面に設けた後、第1の絶縁膜60
の除去部60b、60cに対応する領域をパターニング
して除去することにより形成する。すなわち、犠牲層6
5は、下コイル素子41のコイル状の上面を覆うように
形成され、後の工程で、上コイル素子40を犠牲層65
の支持部21側となる端面に沿って形成して、下コイル
素子41の平面部41bと接続できるように、犠牲層6
5の端面は下コイル素子41の平面部41b上に形成さ
れている。なお、この犠牲層65の材料は、特に限定さ
れないが、例えば、ポリシリコン又はリンドープ酸化シ
リコン(PSG)等を用いることが好ましく、本実施形
態では、エッチングレートの比較的速いPSGを用い
た。
【0060】次に、図3(d)に示すように、犠牲層6
5上に上コイル素子材料層40aを形成する。この上コ
イル素子材料層40aを下コイル素子41に相対向する
領域に下コイル素子41とは逆回り、すなわち、中心か
ら時計回りになるよう平面コイル状にパターニングする
ことにより上コイル素子40を形成する。また、上コイ
ル素子40は犠牲層65の支持部21側となる端面上も
残されて下コイル素子41の平面部41bと接続され
る。
【0061】なお、上コイル素子40の製造方法は、こ
れに限定されず、例えば、犠牲層65を上コイル素子4
0の形状にパターニングして、上コイル素子40となる
上コイル素子材料層40aを犠牲層65の全面に亘って
形成後、犠牲層65の平面部の表面が露出するまでエッ
チングすることにより上コイル素子40としてもよい。
その場合、後の工程で、上コイル素子40上にさらに犠
牲層65aを形成する必要はない。なお、この上コイル
素子40は、下コイル素子41と同様に導電性の高い材
料で且つ後の工程で犠牲層65をエッチングする際に除
去されない材料であればよく、例えば、アルミニウム、
金、ニッケル、白金等の多くの金属等を使用できる。
【0062】次に、図4(a)に示すように、上コイル
素子40上にさらに犠牲層65aを形成すると共に上コ
イル素子40の表面が露出するまでパターニングする。
【0063】次に、図4(b)に示すように、犠牲層6
5a上及び犠牲層65の端面上に設けられた上コイル素
子40上に第2の絶縁膜66を形成する。すなわち、第
2の絶縁膜66は、上コイル素子40全面を覆うように
形成される。また、第2の絶縁膜66の上コイル素子4
0の中心近傍を上コイル素子40の表面が露出するまで
パターニングすることにより除去部66aを形成する。
なお、この第2の絶縁膜66の材料としては、第1の絶
縁膜60と同様に、絶縁材料で且つ後の工程で犠牲層6
5をエッチングする際に除去されない材料であれば特に
限定されず、例えば、窒化珪素、酸化珪素、ポリイミド
等を用いることができる。
【0064】次に、図4(c)に示すように、ミラー基
板11上に上コイル素子用接続配線42を形成する。す
なわち、第1及び第2の絶縁膜60,66上に全面に亘
って接続配線膜42aを形成すると共に第2の絶縁膜6
6上全面から除去部60b内まで接続配線膜42aが残
るようにパターニングすることにより、上コイル素子用
接続配線42とする。これにより、上コイル素子40
は、除去部66aを介して上コイル素子用接続配線42
と接続され、さらに上コイル素子用接続配線42は、第
1の絶縁膜60の除去部60bを介して電磁石用駆動素
子51と接続されることから、上コイル素子40と電磁
石用駆動素子51とは電気的に接続される。なお、上コ
イル素子用接続配線42の材料は、導電性の高い材料で
あれば特に限定されない。
【0065】次に図4(d)に示すように、上コイル素
子用接続配線42上及び第1の絶縁膜60上に亘って弾
性板31を形成する。弾性板31は、除去部60cに対
応する領域をパターニングすることにより除去部60c
を露出した状態にする。なお、この弾性板31の材料
は、弾性変形可能な絶縁体であり且つ所定の剛性を有す
る材料であれば、特に限定されないが、例えば、本実施
形態では、ジルコニウム層を約0.5μmの厚さで形成
後、例えば、500〜1200℃の拡散炉で熱酸化して
酸化ジルコニウムからなる弾性板31とした。
【0066】次に図5(a)に示すように、弾性板31
上及び第1の絶縁膜60上に亘って下電極膜32を形成
する。下電極膜32は、除去部60cに対応する領域を
パターニングすることにより除去部60cを露出した状
態にする。また、本実施形態では、下電極膜32は、各
ミラー要素20の共通電極となるため、一端部が各ミラ
ー要素20の下電極膜32と接続するようパターニング
される。
【0067】下電極膜32の材料としては、イリジウ
ム、白金等が好適である。これは、後述するようにスパ
ッタリング方やゾル−ゲル法で圧電体層33を形成する
際、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜
1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があ
るからである。すなわち、下電極膜32の材料は、この
ような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければ
ならず、殊に、圧電体層33としてチタン酸ジルコン酸
鉛(PZT)を用いた場合には、酸化鉛(PbO)の拡
散による導電性の変化が少ないことが望ましい。これら
の理由から本実施形態では、イリジウムをスパッタリン
グ法により形成することにより下電極膜32とした。
【0068】次に、図5(b)に示すように、圧電体層
33及び上電極膜34を、上コイル素子40に対応した
領域の下電極膜31上に形成する。本実施形態では、圧
電体層33及び上電極膜34となる各材料を下電極膜3
2上全面に亘って順次積層後、下電極膜32上の上コイ
ル素子40に対応した領域を残してパターニングにより
除去することにより形成した。
【0069】圧電体層33の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BTO)、
チタン酸バリウムとチタン酸ストロンチウムの混晶
[(Ba,Sr)TiO3(BST)]等の材料が好ま
しく、本実施形態では、金属有機物を触媒に融解・分散
したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温
で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層33を得
る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成した。なお、こ
の圧電体層33の成膜方法は、特に限定されず、例えば
スパッタリング法で形成してもよい。
【0070】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法(ゾル−ゲル水熱法)を用いてもよい。
【0071】何れにしても、このように成膜された圧電
体層33は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体層33は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。
【0072】また、上電極膜34は導電性が高くエレク
トロマイグレーションの発生のほとんど無い、イリジウ
ム、白金等の金属、又はその酸化物が好ましい。本実施
形態では、イリジウムをスパッタリング法により成膜し
て上電極膜34とした。
【0073】次に、図5(c)に示すように、圧電体層
33、下電極膜32及び下コイル素子41を覆って第3
の絶縁膜67を形成すると共にパターニングする。詳し
くは、パターニングにより、上電極膜34上に一端部を
残して上電極膜34が露出する上電極露出部34aを形
成する。
【0074】このように第3の絶縁膜67を設けること
により、以下の工程で形成される上電極用接続配線36
と下電極膜32との絶縁を図ることができる。なお、第
3の絶縁膜67の材料としては、第1の絶縁膜60と同
様に、例えば、窒化珪素、酸化珪素、ポリイミド等を用
いることができる。
【0075】次に、図5(d)に示すように、上電極膜
34上に反射膜35を形成すると共に、上電極用接続配
線36を形成する。本実施形態では、反射膜35が上電
極用接続配線36を兼ねている。したがって、反射膜3
5及び上電極用接続配線36となる接続配線膜37を上
電極34上から第3の絶縁膜67上に亘って形成すると
共にパターニングし、上電極膜34上略全面に亘って反
射膜35を形成すると共に反射膜35の一部から連続し
て第1の絶縁膜60の除去部60cまで上電極用接続配
線36を延設する。
【0076】なお、このような接続配線膜37の材料と
しては、本実施形態では、反射膜35が上電極用接続配
線36を兼ねているため、導電性の材料であり且つ光の
反射率が高いことが好ましく、例えば、アルミニウム
(Al)または銀(Ag)等を用いることが好ましい。
【0077】その後、犠牲層65をエッチングにより除
去する。本実施形態では、犠牲層65の材料として、P
SGを用いているため、弗酸水溶液によってエッチング
した。なお、ポリシリコンを用いた場合には、弗酸及び
硝酸の混合水溶液、あるいは水酸化カリウム水溶液によ
ってエッチングすることができる。
【0078】以上が、本実施形態の光変調デバイスの一
連の製造工程である。
【0079】ここで、このように形成された本実施形態
の光変調デバイス10の動作について説明する。なお、
図6は、本実施形態の光変調デバイス及び光変調デバイ
スに照射される光の光路を模式的に示した図である。
【0080】本実施形態の光変調デバイス10は、ミラ
ー要素20を変形させることにより光を変調させるもの
であり、本実施形態では、図6(a)に示すように、圧
電素子30に電圧が印加されず、各コイル素子40,4
1に電流が流されていない状態では、ほぼ平坦となって
おり各駆動素子50〜52のスイッチングによって圧電
素子30に電圧が印加され、各コイル素子40,41に
電流が流されると、図6(b)に示すように、圧電素子
30の圧電体層33が面内方向に収縮するのと、各コイ
ル素子40,41が互いに反発し合う方向の磁場を発生
するのとによって、各ミラー要素20は支持部21を支
点として、先端が上方に向かうように変形する。
【0081】また、本実施形態の光変調デバイス10で
は、各ミラー要素20を覆うように遮光マスク80が設
けられている。例えば、この遮光マスク80は、各ミラ
ー要素20に対向する領域に入射光が通過する貫通孔8
1を有する略井桁形状を有する。この遮光マスク80
は、光吸収材料からなり、例えば、樹脂に分散されたカ
ーボンブラック、黒色顔料、黒色染料等が挙げられる。
【0082】このような構成では、図6(a)に示すよ
うに、圧電素子30に電圧が印加されず、各コイル素子
40,41に電流が流されていない状態では、入射光7
0が遮光マスク80の貫通孔81を介してミラー要素2
0の反射膜35に対して略直角に入射されるため、入射
光70は入射光路と略同一光路で貫通孔81から出射さ
れる。一方、各駆動素子50〜52によって圧電素子3
0及び各コイル素子40,41が駆動した状態では、図
6(b)に示すように、ミラー要素20が変形されて湾
曲しているため、反射された光は変形したミラー要素2
0の曲面の法線との角度θの倍の角度だけ偏向される。
すなわち、この偏向された光は、遮光マスク80に集光
されて吸収されるため、貫通孔81から出射されること
がない。
【0083】このような光変調デバイス10を表示装置
に用いた場合、圧電素子30及び各コイル素子40,4
1を駆動する、駆動しないによって、入射光70のO
N、OFFの制御を容易に行うことができる。なお、上
述した例では、ミラー要素の変形しない場合がON、変
形した場合がOFFとなるが、勿論、これと逆になるよ
うに設定することもできる。
【0084】また、圧電素子30と各コイル素子40,
41に個別に駆動させることにより、各ミラー要素20
毎に出射光を階調することもできる。すなわち、本実施
形態では、各コイル素子40,41及び圧電素子30に
電流を流さないことによって出射される強い明るさの光
と、各コイル素子40,41のみに電流を流して駆動す
ることによって出射される比較的強い明るさの光と、圧
電素子30のみに電圧を印加して駆動することによって
出射される比較的弱い明るさの光との3段階の明るさの
光に階調することができる。
【0085】以上のような本実施形態の構成では、圧電
素子に加えコイル素子の電磁力により、ミラー要素をよ
り大きく変形させることができると共に集光効率を向上
することができる。また、ミラー要素20に印加する電
圧及び電流をアナログ的に変化させることなく比較的容
易に階調することができる。
【0086】(実施形態2)図7は、本実施形態の光変
調デバイス及び光変調デバイスの動作を模式的に示した
図である。
【0087】本実施形態は、図7に示すように、ミラー
要素20の初期変形を調整する調整手段を設けた例であ
る。
【0088】この例では、図7に示すように、ミラー要
素20を構成する弾性板31及び圧電素子30の各層
は、圧電素子30に電圧が印加されず、各コイル素子4
0,41に電流が流されていない未駆動状態では、その
自重により先端部が下方へ向かって変形している。
【0089】ここで、調整手段53を介して全ての上コ
イル素子40と下コイル素子41とに各電磁石用駆動素
子51,52から電流を流し、上コイル素子40及び下
コイル素子41の間に互いに反発し合う磁場を発生させ
ると、図7(b)に示すように、ミラー要素20は所定
の初期状態に設定される。すなわち、ミラー要素20が
ミラー基板11に対して略平行な状態となり、反射膜3
5が略平面となる。
【0090】そして、この状態から、図7(c)に示す
ように、圧電素子用駆動素子50のスイッチングによっ
て選択的に圧電素子30に電圧が印加されると、電圧が
印加された圧電素子30の圧電体層33が面内方向に収
縮して、ミラー要素20は支持部21に支持されている
端部を支点として、先端が上方に向かって変形され、反
射光が変調される。なお、選択的に駆動されたミラー要
素20の上コイル素子40及び下コイル素子41にさら
に強い磁場を発生させることにより、圧電素子30の変
形を助けるようにしてもよい。これにより、ミラー要素
20の変形量は大きくなる。
【0091】また、本実施形態では、調整手段53によ
って各コイル素子40,41に電流を流して磁場を発生
させ、ミラー要素20すなわち反射膜35がほぼ平面状
となるが、圧電素子30の変形量は経時的に変化するた
め、圧電素子30の変形量を計測するための計測手段
(図示なし)を設けておくことが好ましい。これによ
り、計測手段の計測結果に基づいて、各コイル素子4
0,41に常に適正な電流を流すことができ、反射膜3
5を確実に平面状とすることができる。なお、圧電素子
30の変位量の計測方法は、特に限定されない。
【0092】このように、本実施形態の構成では、各コ
イル素子40,41に電流を流すことにより、反射面を
確実に平面状とすることができ、光学系を簡略化できる
と共に映像品質を著しく向上することができる。
【0093】また、本実施形態では、ミラー要素20
は、圧電素子30及び各コイル素子40,41が駆動し
ていない状態では、先端部が下方に向くように変形され
ていたが、これに限定されず、例えば、圧電素子30及
び各コイル素子40,41が駆動していない状態で、圧
電素子30の製造時の内部応力によって先端が上に向い
ている場合でも適用できる。このような場合、各コイル
素子40,41に電流を流した際に互いに引き合う磁場
が発生するようにすればよい。なお、この際、上コイル
素子40と下コイル素子41とが接触してショートしな
いよう、どちらか一方もしくは両方の表面を覆うように
保護膜を設けるのが好ましく、これにより、より安全に
駆動させることができる。また、このような保護膜は、
上述した各実施形態で設けてもよいことはいうまでもな
い。
【0094】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、本発明の光変調デバイスは上述した実
施形態に限定されるものではないが、何れにしても反射
面の曲率変化を大きくして集光性能を向上させると共に
変調精度を向上する。
【0095】上述した実施形態では、上コイル素子40
は、弾性板31上の平面部に亘って形成したが、上コイ
ル素子40の形状、大きさ等これに限定されず、例え
ば、上コイル素子を弾性板31上の支持部21と相対す
る端部近傍に設けるようにしてもよい。また、下コイル
素子41は、上コイル素子40に十分な磁場を与えられ
れば、形状、大きさ等特に限定されない。
【0096】以上説明した各構成の本発明の光変調デバ
イスは、例えば、表示装置の一部として用いられる。
【0097】図8及び図9には本発明の光変調デバイス
を用いた表示装置の一例を示す。なお、図8及び図9は
表示装置を構成する光学系の概略断面図であり、レン
ズ、光変調デバイス等は大幅に簡略化して描いてある。
【0098】図8に示す表示装置は、光源であるメタル
ハライドランプ210及び放射面形状のリフレクタ21
1と、このメタルハライドランプ210からの光を光変
調デバイス10に入射させるハーフミラー220と、光
変調デバイス10からの出射光を結像する投影レンズ2
30と、投影レンズ230により結像された像を表示す
るスクリーン240とを具備する。
【0099】かかる表示装置では、光源であるメタルハ
ライドランプ210を有し、メタルハライドランプ21
0から出た光は、リフレクタ211で反射されて略平行
な光となってハーフミラー220に入射し、ハーフミラ
ー220で反射されて光変調デバイス10に入射され
る。なお、ハーフミラー220はキューブ型のハーフプ
リズムとしてもよい。
【0100】光変調デバイス10を構成するミラー要素
20のうちで、各駆動素子50〜52を介して駆動され
て変形しているミラー要素20の反射面は曲面となって
いるため、この変形したミラー要素20に入射した光は
反射されて遮光マスク80に向かって集光され、ハーフ
ミラー220方向には戻らない。一方、変形していない
ミラー要素20に入射した光は反射されて、投影レンズ
230によって像面であるスクリーン240上に結像さ
れる。
【0101】以上のような光学系の構成によって、光変
調デバイス10を構成する各ミラー要素20がスクリー
ン240上の画素に対応し、ミラー要素20のON,O
FF、すなわち、変形していない、変形しているによっ
てスクリーン240上の表示画像を変化させることがで
きる。
【0102】なお、スクリーン240としては反射型の
スクリーンあるいは透過性型のスクリーンを用いること
ができる。
【0103】また、図8で示した光学系では、光源21
0から放出された光のうち、ハーフミラー220でその
約半分だけが光変調デバイス10を照明し、残りの半分
はハーフミラー220を透過して無駄な光となる。さら
に、光変調デバイス10で反射した光のうちその半分だ
けがハーフミラー220を透過して投影レンズ230へ
向かう。すなわち、光源から出てスクリーン240に到
達する光は、途中でのロスがないとして理想的に見積も
っても光源210から出た光の1/4程度に減衰してい
る。
【0104】図9に示す表示装置では、ハーフミラー2
20の代わりに、3つの偏光ビームスプリッタ221、
222及び224を用いることにより、光源から放射さ
れるエネルギを原理的にロスなくスクリーン240に導
くようにしている。
【0105】図示するように、光源であるメタルハライ
ドランプ210から出た光は、放物面形状のリフレクタ
211で反射され略平行な光に変換され、第1の偏光ビ
ームスプリッタ221に入射する。以下、偏光ビームス
プリッタ221はP偏光は透過し、S偏光は反射するも
のとする。
【0106】光源210からでた光は、その振動方向が
ランダムな方向を向いている自然光なので、そのうちの
P偏光成分(図中pで示す)は第1の偏光ビームスプリ
ッタ221を透過し、S偏光成分(図中sで参照)は反
射される。この反射されたS偏光成分の光は隣接する第
2の偏光ビームスプリッタ222に入射し、そこで反射
されて第2の偏光ビームスプリッタ222をS偏光とし
て出射する。一方、第1の偏光ビームスプリッタ221
を透過したP偏光は、第1のビームスプリッタ221の
出射面に設けられた1/2波長板223によってS偏光
に変換される。したがって、第3の偏光ビームスプリッ
タ224に入射される光はS偏光に揃っている。
【0107】S偏光として第3の偏光ビームスプリッタ
224に入射された光は、全て光変調デバイス10の方
向へ反射されるが、第3の偏光ビームスプリッタ224
の光変調デバイス10側の面に設けられた1/4波長板
225によって円偏光に変換されて光変調デバイス10
に入射される。
【0108】光変調デバイス10を構成する変形したミ
ラー要素20の反射膜で反射した光は、入射光の円偏光
とは反対方向に偏光する円偏光となり、1/4波長板2
25で今度はP偏光となって第3のビームスプリッタ2
24に入射される。このP偏光は第3のビームスプリッ
タ224で反射されることなく原理的には全て透過され
て投影レンズ230に到達する。
【0109】以上述べたように、光源から出た光の振動
方向を揃えることによって、ハーフミラーを用いた場合
のような光のロスがなく、光源から放射されるエネルギ
を原理的にロスなくスクリーンに導くことができる。す
なわち、明るい表示が可能な表示装置を構成することが
できる。
【0110】なお、以上の説明では表示装置としては一
枚の光変調デバイスを用いた表示装置を説明したが、従
来から知られているように、3枚の光変調デバイスを用
い、それぞれの光変調デバイスが赤、緑、青それぞれの
光を変調し、その変調光を色合成して投写するカラー表
示装置としても本発明を用いることができることはいう
までもない。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明ではミラー
要素は、圧電素子による変形に加え各ミラー要素に設け
た一対の電磁石として作用する部分の磁場によってもミ
ラー要素を変形させるようにしたので、より反射面の大
きな曲率変化を得ることができると共に集光効率を向上
することができる。また、圧電素子と電磁石として作用
する部分との何れか一方もしくは両方選択的に駆動する
ことにより比較的容易に階調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの概
略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの要
部断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製
造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製
造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る光変調デバイスの製
造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る光変調デバイス及び
光変調デバイスに照射される光の光路を模式的に示した
図である。
【図7】本実施形態の実施形態2に係る光変調デバイス
及び光変調デバイスの動作を模式的に示した図である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイスを
用いた表示装置を構成する光学系の概略断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る光変調デバイスを
用いた表示装置を構成する光学系の概略断面図である。
【符号の説明】
10 光変調デバイス 11 ミラー基板 20 ミラー要素 30 圧電素子 31 弾性板 32 下電極膜 33 圧電体層 34 上電極膜 35 反射膜 40 上コイル素子 41 下コイル素子 50 圧電素子用駆動素子 51,52 電磁石用駆動素子 53 調整手段

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体層及びこれを挟持する第1及び第
    2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反射す
    るミラー膜構造を有するミラー要素と、該ミラー要素に
    対応して設けられた圧電素子用駆動素子とを有する光変
    調デバイスにおいて、 前記圧電素子は、支持部を介して基板との間に一定の空
    間を保持した状態で支持されており、前記圧電素子及び
    前記基板との相対向する面のそれぞれに一対の電磁石と
    して作用する部分を有することを特徴とする光変調デバ
    イス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記一対の電磁石と
    して作用する部分のそれぞれは、平面コイル状に設けら
    れた薄膜パターンからなることを特徴とする光変調デバ
    イス。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記一対の電
    磁石として作用する部分の少なくとも一方は、その表面
    を覆う保護膜を有することを特徴とする光変調デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記圧
    電素子は、前記支持部との接続部から略一方向に延設さ
    れると共にその長手方向一端部で前記支持部により片持
    ち梁状態で支持されていることを特徴とする光変調デバ
    イス。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記圧
    電素子は、前記一方面側には弾性板を有すると共に他方
    面側には前記ミラー膜構造を有することを特徴とする光
    変調デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記支
    持部は、少なくとも前記弾性板及び当該弾性板上に形成
    された前記第1及び第2の電極からなることを特徴とす
    る光変調デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記圧
    電素子の前記ミラー膜構造は、前記他方面側の前記第2
    の電極又はこの上に設けられた反射膜から構成されるこ
    とを特徴とする光変調デバイス。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記圧
    電素子の前記第1及び第2の電極から延設される接続配
    線が、それぞれ前記支持部を介して前記基板上まで延設
    されていることを特徴とする光変調デバイス。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかにおいて、前記基
    板上には、前記一対の電磁石として作用する部分のそれ
    ぞれに対応して電磁石用駆動素子が設けられていること
    を特徴とする光変調デバイス。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記電磁石用駆動
    素子は、前記一対の電磁石として作用する部分に対応し
    て一個であることを特徴とする光変調デバイス。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかにおいて、前
    記圧電素子用駆動素子及び前記電磁石用駆動素子が、前
    記基板上に設けられたトランジスタであることを特徴と
    する光変調デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11の何れかにおいて、前
    記電磁石用駆動素子が前記圧電素子用駆動素子と共用さ
    れていることを特徴とする光変調デバイス。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れかの光変調デバ
    イスと、光源と、この光源からの光を前記光変調デバイ
    スに入射すると共に当該光変調デバイスの前記ミラー要
    素の変位時又は非変位時の何れか一方の反射光のみを出
    射する光学系とを具備することを特徴とする表示装置。
  14. 【請求項14】 圧電体層及びこれを挟持する第1及び
    第2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反射
    するミラー膜構造を有するミラー要素が、支持部を介し
    て基板との間に一定の空間を保持した状態で支持され、
    且つ前記圧電素子及び前記基板との相対向する面のそれ
    ぞれに一対の電磁石として作用する部分を有し、前記圧
    電素子に対応して設けられた圧電素子用駆動素子と前記
    一対の電磁石として作用する部分のそれぞれに対応して
    設けられた電磁石用駆動素子とを有する光変調デバイス
    の駆動方法であって、 前記圧電素子の前記圧電体層に電圧を印加することによ
    り前記圧電素子の前記支持部側端部を支点として前記ミ
    ラー要素を変形させる際に、必要に応じて、前記一対の
    電磁石として作用する部分に電流を流して前記一対の電
    磁石として作用する部分の間に磁場を発生させることを
    特徴とする光変調デバイスの駆動方法。
  15. 【請求項15】 請求項14において、前記一対の電磁
    石として作用する部分の間に互いに反発する磁場を発生
    させることによって、前記ミラー要素の変形を増大する
    ことを特徴とする光変調デバイスの駆動方法。
  16. 【請求項16】 請求項14において、前記一対の電磁
    石として作用する部分の間に互いに反発する磁場を発生
    させることにより、前記ミラー要素の初期状態を水平に
    維持することを特徴とする光変調デバイスの駆動方法。
  17. 【請求項17】 請求項14において、前記一対の電磁
    石として作用する部分の間に互いに引き合う磁場を発生
    させることによって、前記ミラー要素の初期状態を水平
    に維持することを特徴とする光変調デバイスの駆動方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項14〜17の何れかにおいて、
    前記圧電素子と前記一対の電磁石として作用する部分と
    の何れか一方もしくはその両方を駆動させることによ
    り、前記ミラー要素の変形量を制御し、各画素からの出
    射光をデジタル的に階調することを特徴とする光変調デ
    バイスの駆動方法。
  19. 【請求項19】 圧電体層及びこれを挟持する第1及び
    第2の電極とからなる圧電素子を有すると共に光を反射
    するミラー膜構造を有するミラー要素が、支持部を介し
    て基板との間に一定の空間を保持した状態で支持され、
    且つ前記圧電素子及び前記基板との相対向する面のそれ
    ぞれに一対の電磁石として作用する部分を有する光変調
    デバイスの製造方法であって、 前記基板上に第1の絶縁膜を介して前記一対の電磁石と
    して作用する部分の一方をパターン形成する工程と、前
    記一方の電磁石として作用する部分上に犠牲層を形成す
    る工程と、前記犠牲層上の前記一方の電磁石として作用
    する部分に相対向する領域に前記一対の電磁石として作
    用する部分の他方をパターン形成する工程と、前記他方
    の電磁石として作用する部分上に第2の絶縁膜を介して
    前記他方の電磁石として作用する部分に接続される接続
    配線を形成する工程と、前記接続配線上に第3の絶縁層
    を介して前記圧電素子を形成する工程と、前記犠牲層を
    除去する工程とを有することを特徴とする光変調デバイ
    スの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10816733B2 (en) * 2016-04-01 2020-10-27 Intel Corporation Piezoelectrically actuated mirrors for optical communications

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