JP2001050841A - 半導体圧力センサおよびその製造方法 - Google Patents
半導体圧力センサおよびその製造方法Info
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- JP2001050841A JP2001050841A JP11221715A JP22171599A JP2001050841A JP 2001050841 A JP2001050841 A JP 2001050841A JP 11221715 A JP11221715 A JP 11221715A JP 22171599 A JP22171599 A JP 22171599A JP 2001050841 A JP2001050841 A JP 2001050841A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧力センサにおいて、基準圧力室に対するリ
ークパスがなくなりセンサの長期安定性が著しく向上す
る半導体圧力センサおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 シリコン体1の一部に形成したダイヤフ
ラム部3と前記シリコン体1と接合されたガラス基板2
上に形成された電極膜4との間の静電容量の変化を検出
することによって圧力を測定するセンサにおいて、引き
出し回路4a上に形成される絶縁層5に生じた接合面の
凸部5aを選択的に除去して平坦化してシール性を高め
た。
ークパスがなくなりセンサの長期安定性が著しく向上す
る半導体圧力センサおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 シリコン体1の一部に形成したダイヤフ
ラム部3と前記シリコン体1と接合されたガラス基板2
上に形成された電極膜4との間の静電容量の変化を検出
することによって圧力を測定するセンサにおいて、引き
出し回路4a上に形成される絶縁層5に生じた接合面の
凸部5aを選択的に除去して平坦化してシール性を高め
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤやエンジ
ン、ボイラ、ポンプなどの気圧、水圧を測定する静電容
量式の半導体圧力センサおよびその製造方法に関する。
ン、ボイラ、ポンプなどの気圧、水圧を測定する静電容
量式の半導体圧力センサおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】静電容量式の半導体圧力センサは、シリ
コン体を薄く加工したダイヤフラム内外の圧力差を、そ
のダイヤフラムの撓みから、ダイヤフラム表面に形成し
た電気回路の抵抗変化またはダイヤフラムと近接して配
置された他の電極との間の静電容量変化として検出す
る。
コン体を薄く加工したダイヤフラム内外の圧力差を、そ
のダイヤフラムの撓みから、ダイヤフラム表面に形成し
た電気回路の抵抗変化またはダイヤフラムと近接して配
置された他の電極との間の静電容量変化として検出す
る。
【0003】図3に代表的な静電容量式圧力センサを示
す(例えば米国特許(USP.)No.5,528,4
52参照)。図3のセンサでは、厚さ数μmのダイヤフ
ラム部3を設けた単結晶シリコン体1をガラス基板2と
接合し、ダイヤフラム部3とガラス基板2との間には適
当な隙間を持たせてある。この隙間は図3に示すよう
に、外部と遮断されており、多くの場合真空に保たれて
いる。この隙間を基準圧力室6と呼ぶ。
す(例えば米国特許(USP.)No.5,528,4
52参照)。図3のセンサでは、厚さ数μmのダイヤフ
ラム部3を設けた単結晶シリコン体1をガラス基板2と
接合し、ダイヤフラム部3とガラス基板2との間には適
当な隙間を持たせてある。この隙間は図3に示すよう
に、外部と遮断されており、多くの場合真空に保たれて
いる。この隙間を基準圧力室6と呼ぶ。
【0004】基準圧力室6内部のガラス表面の一部には
金属膜の電極4が形成されているが、この電極4はガラ
ス等の絶縁体膜5で被覆することにより、接合するシリ
コン体1とは電気的に絶縁されている。したがって、シ
リコン体1全体を1つの電極と見れば、シリコン体1と
金属膜電極4とはコンデンサを形成しており、外気圧変
動にともなうダイヤフラム部3の撓みによってその静電
容量は変化する。
金属膜の電極4が形成されているが、この電極4はガラ
ス等の絶縁体膜5で被覆することにより、接合するシリ
コン体1とは電気的に絶縁されている。したがって、シ
リコン体1全体を1つの電極と見れば、シリコン体1と
金属膜電極4とはコンデンサを形成しており、外気圧変
動にともなうダイヤフラム部3の撓みによってその静電
容量は変化する。
【0005】ダイヤフラム部3は、シリコン体1におい
て隙間の形成部分より一回り小さい領域に、接合面と反
対方向からエッチングを施すことによって作製される。
そして、ガラス基板1面上の前記金属膜電極4は、ダイ
ヤフラム部3と対向する領域にのみ形成することによ
り、浮遊容量を最小に抑え、圧力変化を最も効率良く検
出できるようになっている。
て隙間の形成部分より一回り小さい領域に、接合面と反
対方向からエッチングを施すことによって作製される。
そして、ガラス基板1面上の前記金属膜電極4は、ダイ
ヤフラム部3と対向する領域にのみ形成することによ
り、浮遊容量を最小に抑え、圧力変化を最も効率良く検
出できるようになっている。
【0006】上記の構造をもつ半導体圧力センサで、基
準圧力室6内の圧力が変化すると測定値はその変化分だ
けずれてくるため同室6の圧力を一定に保つことがセン
サの精度を左右する重要なポイントである。特に半導体
圧力センサを長期間にわたって使用する場合には極めて
重要となる。
準圧力室6内の圧力が変化すると測定値はその変化分だ
けずれてくるため同室6の圧力を一定に保つことがセン
サの精度を左右する重要なポイントである。特に半導体
圧力センサを長期間にわたって使用する場合には極めて
重要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図3(b)はガラス基
板2とシリコン体1が接合している部分で、基準圧力室
6下にある電極4から外部に向けての引き出し回路部4
aを含む部分の断面斜視図を示している。前記半導体圧
力センサにおいて、リークパスの原因の一つとして電極
の厚みによる絶縁体膜5(ガラス膜)に一部凸部5aが
生じることがある。
板2とシリコン体1が接合している部分で、基準圧力室
6下にある電極4から外部に向けての引き出し回路部4
aを含む部分の断面斜視図を示している。前記半導体圧
力センサにおいて、リークパスの原因の一つとして電極
の厚みによる絶縁体膜5(ガラス膜)に一部凸部5aが
生じることがある。
【0008】すなわち、基準圧力室6のガラス基板2側
にある電極4より外に向けての引き出し回路4aとなる
金属膜がガラス基板2上に形成されるが、このガラス基
板2上に電極膜4と引き出し回路部4aを金属膜で作製
しパターンニングを行うと、図4に示すように、ガラス
基板2に対してその金属膜はその厚み分だけ凸部とな
る。さらに、上記のように電極4および引き出し回路部
4aを金属膜のパターニングにより形成したガラス基板
2上に、絶縁体膜5であるガラス膜を成膜すると、ガラ
ス膜表面には金属膜回路パターンの凸部がほぼそのまま
現れて凸部5aが生じる。このような絶縁体膜5上に前
記シリコン体1を接合するとガラス絶縁体膜5表面の凸
部5aの両側部に空隙のリークパス7が出来てしまう場
合がある。
にある電極4より外に向けての引き出し回路4aとなる
金属膜がガラス基板2上に形成されるが、このガラス基
板2上に電極膜4と引き出し回路部4aを金属膜で作製
しパターンニングを行うと、図4に示すように、ガラス
基板2に対してその金属膜はその厚み分だけ凸部とな
る。さらに、上記のように電極4および引き出し回路部
4aを金属膜のパターニングにより形成したガラス基板
2上に、絶縁体膜5であるガラス膜を成膜すると、ガラ
ス膜表面には金属膜回路パターンの凸部がほぼそのまま
現れて凸部5aが生じる。このような絶縁体膜5上に前
記シリコン体1を接合するとガラス絶縁体膜5表面の凸
部5aの両側部に空隙のリークパス7が出来てしまう場
合がある。
【0009】従来のセンサでは引き出し回路部4aにリ
ークパス7が生じたときには、そのリークパス7のた
め、前記基準圧力室6の圧力を逃がしてしまい、基準圧
力室6に圧力を印加して長時間保持すると測定値(静電
容量値)がゆっくりと変化していく問題があった。
ークパス7が生じたときには、そのリークパス7のた
め、前記基準圧力室6の圧力を逃がしてしまい、基準圧
力室6に圧力を印加して長時間保持すると測定値(静電
容量値)がゆっくりと変化していく問題があった。
【0010】これらのリークレートをラジフローリーク
テストで調べたところ、その値は10-12〜10-14(at
m・cc/sec)であった。10-12(atm・cc/sec)のリーク
が生じると10気圧に約半月保持したときのセンサの測
定圧力値が約5%変化することに相当する。なお、ラジ
フローリークテストとは放射性同位元素気体を用いた微
少なリークの試験であり、現行のリーク試験方法の中で
もっとも高感度な方法の一つである。
テストで調べたところ、その値は10-12〜10-14(at
m・cc/sec)であった。10-12(atm・cc/sec)のリーク
が生じると10気圧に約半月保持したときのセンサの測
定圧力値が約5%変化することに相当する。なお、ラジ
フローリークテストとは放射性同位元素気体を用いた微
少なリークの試験であり、現行のリーク試験方法の中で
もっとも高感度な方法の一つである。
【0011】前記の絶縁体膜5上の凸部5aをなくすた
めには、レジスト8のパターンを凸部5aに対応させて
この凸部5aの高さ分だけ絶縁体膜5(ガラス体膜)を
エッチングすることが考えられる。しかしながら、図5
に示すように、1μm程度のパターンアライメントのず
れδが避けられないため、凸部5aを解消するどころか
新たな凸部5b(あるいは凹部5c)を生じてしまい、
リークパスを増やしてしまう可能性がある。
めには、レジスト8のパターンを凸部5aに対応させて
この凸部5aの高さ分だけ絶縁体膜5(ガラス体膜)を
エッチングすることが考えられる。しかしながら、図5
に示すように、1μm程度のパターンアライメントのず
れδが避けられないため、凸部5aを解消するどころか
新たな凸部5b(あるいは凹部5c)を生じてしまい、
リークパスを増やしてしまう可能性がある。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解消するた
めなされたものであって、基準圧力室への外部からのリ
ークを低減し、長期間にわたって性能が安定した半導体
圧力センサおよびその製造方法を提供することを目的と
する。
めなされたものであって、基準圧力室への外部からのリ
ークを低減し、長期間にわたって性能が安定した半導体
圧力センサおよびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため次の構成を有する。本発明は、シリコン体の
一部に形成したダイヤフラム部と前記シリコン体と接合
されたガラス基板上に形成された電極膜との間の静電容
量の変化を検出することによって圧力を測定するセンサ
において、電極膜に繋がる引き出し回路上に形成される
絶縁層に生じた接合面の凸部を選択的に除去して平坦化
してシール性を高めたことを特徴とする半導体圧力セン
サである。本発明の半導体圧力センサにおいて、例えば
ガラス基板上の電極を、不透明な金属層とし、絶縁膜と
して透明性の高いガラス膜を成膜することができる。本
発明の半導体圧力センサおいて、例えばガラス基板上の
電極金属膜厚が0.01〜0.1μmまでであるものに
できる。本発明の半導体圧力センサにおいて、例えばガ
ラス基板上の電極とダイヤフラム部とが前記電極上に被
覆された絶縁層を介して接触し、その接触面積の変化に
よって圧力を検出する、タッチモード動作を行うことが
できる。本発明は、シリコン体の一部に形成したダイヤ
フラム部と前記シリコン体と接合されたガラス基板上に
形成された電極膜との間の静電容量の変化を検出するこ
とによって圧力を測定する半導体圧力センサの製造方法
において、ガラス基板および絶縁膜は電極膜よりも光透
過性が高い(透明性が高い)ものとする。そして、この
電極膜をマスクの役割をさせてフォトリソ工程を行い、
このフォトリソ工程により引き出し回路上に形成される
絶縁層に生じた接合面の凸部を選択的に除去して平坦化
してシール性を高めることを特徴とする半導体圧力セン
サの製造方法である。
決するため次の構成を有する。本発明は、シリコン体の
一部に形成したダイヤフラム部と前記シリコン体と接合
されたガラス基板上に形成された電極膜との間の静電容
量の変化を検出することによって圧力を測定するセンサ
において、電極膜に繋がる引き出し回路上に形成される
絶縁層に生じた接合面の凸部を選択的に除去して平坦化
してシール性を高めたことを特徴とする半導体圧力セン
サである。本発明の半導体圧力センサにおいて、例えば
ガラス基板上の電極を、不透明な金属層とし、絶縁膜と
して透明性の高いガラス膜を成膜することができる。本
発明の半導体圧力センサおいて、例えばガラス基板上の
電極金属膜厚が0.01〜0.1μmまでであるものに
できる。本発明の半導体圧力センサにおいて、例えばガ
ラス基板上の電極とダイヤフラム部とが前記電極上に被
覆された絶縁層を介して接触し、その接触面積の変化に
よって圧力を検出する、タッチモード動作を行うことが
できる。本発明は、シリコン体の一部に形成したダイヤ
フラム部と前記シリコン体と接合されたガラス基板上に
形成された電極膜との間の静電容量の変化を検出するこ
とによって圧力を測定する半導体圧力センサの製造方法
において、ガラス基板および絶縁膜は電極膜よりも光透
過性が高い(透明性が高い)ものとする。そして、この
電極膜をマスクの役割をさせてフォトリソ工程を行い、
このフォトリソ工程により引き出し回路上に形成される
絶縁層に生じた接合面の凸部を選択的に除去して平坦化
してシール性を高めることを特徴とする半導体圧力セン
サの製造方法である。
【0014】本発明者は、半導体圧力センサにおいて、
パターンニングされた電極膜上の絶縁膜層(例えばガラ
ス膜で成膜)に通常凸部が形成されるが、ガラス基板・
ガラス膜が透明であるのに対して引き出し回路の電極膜
は不透明である点に着目して、この電極膜を利用してフ
ォトリソ工程により前記凸部を除去し絶縁層を平坦化す
る。例えば、凸部がある側にネガフォトレジストを塗布
・プリベークした後、凸部がある側の反対側から露光・
現像を行う。この時、透明性の低い電極膜がフォトマス
クと同等の働きをする。その後、化学エツチまたはドラ
イエツチを用い、回路上のガラス膜だけを選択的に除去
し、接合面を平坦化する。
パターンニングされた電極膜上の絶縁膜層(例えばガラ
ス膜で成膜)に通常凸部が形成されるが、ガラス基板・
ガラス膜が透明であるのに対して引き出し回路の電極膜
は不透明である点に着目して、この電極膜を利用してフ
ォトリソ工程により前記凸部を除去し絶縁層を平坦化す
る。例えば、凸部がある側にネガフォトレジストを塗布
・プリベークした後、凸部がある側の反対側から露光・
現像を行う。この時、透明性の低い電極膜がフォトマス
クと同等の働きをする。その後、化学エツチまたはドラ
イエツチを用い、回路上のガラス膜だけを選択的に除去
し、接合面を平坦化する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。実施形態は、シリコン体1の一部に
形成したダイヤフラム部3と前記シリコン体1と接合さ
れたガラス基板2上に形成された金属製の電極膜4との
間の静電容量の変化を検出することによって圧力を測定
するセンサにおいて、電極膜4に繋がる引き出し回路4
a上に形成されるガラス層からなる絶縁層5に生じた接
合面の凸部5aを選択的に除去して平坦化してシール性
を高めた静電容量式の半導体圧力センサである。そし
て、この半導体圧力センサは、ガラス基板2上の電極4
とダイヤフラム部3とが前記電極4上に被覆された絶縁
層5を介して接触し、その接触面積の変化によって圧力
を検出する、タッチモード動作を行うものにできる。
施形態を説明する。実施形態は、シリコン体1の一部に
形成したダイヤフラム部3と前記シリコン体1と接合さ
れたガラス基板2上に形成された金属製の電極膜4との
間の静電容量の変化を検出することによって圧力を測定
するセンサにおいて、電極膜4に繋がる引き出し回路4
a上に形成されるガラス層からなる絶縁層5に生じた接
合面の凸部5aを選択的に除去して平坦化してシール性
を高めた静電容量式の半導体圧力センサである。そし
て、この半導体圧力センサは、ガラス基板2上の電極4
とダイヤフラム部3とが前記電極4上に被覆された絶縁
層5を介して接触し、その接触面積の変化によって圧力
を検出する、タッチモード動作を行うものにできる。
【0016】より具体的には、実施形態として、0.4
mm×l.5mmの長方形ダイヤフラムを持った静電容
量式圧力センサを作製した。このセンサは前記図3のセ
ンサの構造と同様に、シリコン体1とガラス基板2を接
合した構造になっており(USP.No.5,528,
452等参照)、ダイヤフラム部3を第1の電極とし、
ガラス基板2上に成膜した導電体膜の電極4を第2の電
極として、それら電極(3,4)間の静電容量変化を測
定して、圧力変化を検出するものである。
mm×l.5mmの長方形ダイヤフラムを持った静電容
量式圧力センサを作製した。このセンサは前記図3のセ
ンサの構造と同様に、シリコン体1とガラス基板2を接
合した構造になっており(USP.No.5,528,
452等参照)、ダイヤフラム部3を第1の電極とし、
ガラス基板2上に成膜した導電体膜の電極4を第2の電
極として、それら電極(3,4)間の静電容量変化を測
定して、圧力変化を検出するものである。
【0017】次に、実施形態に係る半導体圧力センサの
具体的な製造方法を述べる。この場合の製造工程は、図
1(a)〜(f)から図2(g)〜(i)に順次示して
いる。まず、表面が鏡面のガラス基板2上に一定厚さの
導電性膜の成膜は、クロム(Cr)をRFスパッタ法に
よる成膜をおこなった。クロム(Cr)のターゲットを
用い、100%アルゴンガスでスパッタ(スパッタリン
グ)を行い、膜厚0.1μmとした。ただし電極膜厚は
0.01μmから0.1μmの間であれば良い。この範
囲の膜厚にした理由は、以下のとおりである。すなわ
ち、0.1μmを越えるとガラスのエッチング量が増え
るためエッチング量の面内のバラツキが無視できなくな
る。一方、0.01μmより薄いと回路の電気抵抗が急
激に増大する。
具体的な製造方法を述べる。この場合の製造工程は、図
1(a)〜(f)から図2(g)〜(i)に順次示して
いる。まず、表面が鏡面のガラス基板2上に一定厚さの
導電性膜の成膜は、クロム(Cr)をRFスパッタ法に
よる成膜をおこなった。クロム(Cr)のターゲットを
用い、100%アルゴンガスでスパッタ(スパッタリン
グ)を行い、膜厚0.1μmとした。ただし電極膜厚は
0.01μmから0.1μmの間であれば良い。この範
囲の膜厚にした理由は、以下のとおりである。すなわ
ち、0.1μmを越えるとガラスのエッチング量が増え
るためエッチング量の面内のバラツキが無視できなくな
る。一方、0.01μmより薄いと回路の電気抵抗が急
激に増大する。
【0018】成膜したクロム(Cr)導電性膜を、電極
4および引き出し回路部4aとなる部分を残してクロム
(Cr)のエッチャントであるHY(硝酸第二セリウム
・アンモニウムと過塩素酸の混合水溶液) 液を用いて
除去した(図1(a))。
4および引き出し回路部4aとなる部分を残してクロム
(Cr)のエッチャントであるHY(硝酸第二セリウム
・アンモニウムと過塩素酸の混合水溶液) 液を用いて
除去した(図1(a))。
【0019】上記のようにクロム(Cr)導電性膜に電
極等のパターンを形成した後には、ガラス基板1と同じ
材質のガラス層の絶縁体膜5を前記パターンを覆うよう
にスパッタして成膜した。絶縁体膜5の成膜後、触針式
表面形状測定器でガラス膜表面を調べたところ、クロム
(Cr)パターン上の絶縁体膜5はクロム(Cr)から
なる引き出し回路4aの厚み分の0.1μmだけパター
ンのない部分に対して突出している(凸部5a)ことを
確認した(図1(b))。
極等のパターンを形成した後には、ガラス基板1と同じ
材質のガラス層の絶縁体膜5を前記パターンを覆うよう
にスパッタして成膜した。絶縁体膜5の成膜後、触針式
表面形状測定器でガラス膜表面を調べたところ、クロム
(Cr)パターン上の絶縁体膜5はクロム(Cr)から
なる引き出し回路4aの厚み分の0.1μmだけパター
ンのない部分に対して突出している(凸部5a)ことを
確認した(図1(b))。
【0020】次いで、ネガレジスト8をガラス絶縁体膜
5表面に塗布した後、塗布した表面とは逆の裏面(ガラ
ス基板2の底面2a側)から光9を当ててレジスト10
を露光した。この方法を用いることによりクロム(C
r)パターンとずれることなくレジストを露光できる
(図1(c))。その後現像を行うと凸部5aのある部
分だけレジスト8がなくなった(図1(d))。この基
板2をフッ酸・フッ化アンモン混合液で0.1μmだけ
エッチングを行い(図1(e))、その後、レジスト8
を剥離した(図1(f))。クロム(Cr)引き出し回
路4a上のガラス凸部5aを触針式表面形状測定器で調
べたところ、回路部の段差はガラス膜の表面粗さと等し
く20nm以内になっており、前記凸部5aを除去でき
たことが確認できた。
5表面に塗布した後、塗布した表面とは逆の裏面(ガラ
ス基板2の底面2a側)から光9を当ててレジスト10
を露光した。この方法を用いることによりクロム(C
r)パターンとずれることなくレジストを露光できる
(図1(c))。その後現像を行うと凸部5aのある部
分だけレジスト8がなくなった(図1(d))。この基
板2をフッ酸・フッ化アンモン混合液で0.1μmだけ
エッチングを行い(図1(e))、その後、レジスト8
を剥離した(図1(f))。クロム(Cr)引き出し回
路4a上のガラス凸部5aを触針式表面形状測定器で調
べたところ、回路部の段差はガラス膜の表面粗さと等し
く20nm以内になっており、前記凸部5aを除去でき
たことが確認できた。
【0021】さらに、ガラス絶縁体膜5の一部にクロム
(Cr)導電性膜の電極4と取り出し回路4aの取り出
し口10をあけた後、ガラス絶縁体膜5上にボンディン
グパッド部となるアルミニウムAl膜11を成膜しパタ
ーンを形成した(図2(g))
(Cr)導電性膜の電極4と取り出し回路4aの取り出
し口10をあけた後、ガラス絶縁体膜5上にボンディン
グパッド部となるアルミニウムAl膜11を成膜しパタ
ーンを形成した(図2(g))
【0022】次いで、シリコン体基板1と前記ガラス基
板2を重ねて、真空中で加熱しながら、重ねた2枚の基
板の表裏面から厚さ方向に高電圧を印加することにより
両者を接合した。この方法は陽極接合法としてガラス−
シリコン体の接合に一般的に用いられている。このと
き、シリコン体基板1とガラス基板2表面に形成したク
ロム(Cr)導電性膜の電極4との間にダイヤフラム部
3を撓ませるための隙間として、シリコン体基板1の接
合側面の一部分にエッチングを施して、深さ数μmの凹
み12を設けておいた。なお、凹み12の深さは測定圧
力範囲に応じて1〜10μmの間で調整する。接合後こ
の凹み12とガラスで囲まれた空間は真空となり圧力計
測における基準圧力室6となる(図2(h))。
板2を重ねて、真空中で加熱しながら、重ねた2枚の基
板の表裏面から厚さ方向に高電圧を印加することにより
両者を接合した。この方法は陽極接合法としてガラス−
シリコン体の接合に一般的に用いられている。このと
き、シリコン体基板1とガラス基板2表面に形成したク
ロム(Cr)導電性膜の電極4との間にダイヤフラム部
3を撓ませるための隙間として、シリコン体基板1の接
合側面の一部分にエッチングを施して、深さ数μmの凹
み12を設けておいた。なお、凹み12の深さは測定圧
力範囲に応じて1〜10μmの間で調整する。接合後こ
の凹み12とガラスで囲まれた空間は真空となり圧力計
測における基準圧力室6となる(図2(h))。
【0023】さらに、この基準圧力室6と反対側のシリ
コン体表面からエッチングをおこなって凹ませ、厚さ5
〜8μmのダイヤフラム部3を形成した(図2
(i))。その後、ダイシングを行い、個々のセンサチ
ップを切り出した後、ラジフローリークテストを行っ
た。
コン体表面からエッチングをおこなって凹ませ、厚さ5
〜8μmのダイヤフラム部3を形成した(図2
(i))。その後、ダイシングを行い、個々のセンサチ
ップを切り出した後、ラジフローリークテストを行っ
た。
【0024】測定した200個のセンサすべてについて
リークレートは10-14(atm・cc/sec)以下であった。
上記のリークレートはセンサを10気圧に5年間保持し
たときリークによる基準圧力室の圧力変化(上昇)が5
%以内であることを示す。したがって、本発明を実施し
た半導体センサによれば、基準圧力室への外部からのリ
ークを低減し、長期間にわたって性能が安定したものに
なることがわかる。
リークレートは10-14(atm・cc/sec)以下であった。
上記のリークレートはセンサを10気圧に5年間保持し
たときリークによる基準圧力室の圧力変化(上昇)が5
%以内であることを示す。したがって、本発明を実施し
た半導体センサによれば、基準圧力室への外部からのリ
ークを低減し、長期間にわたって性能が安定したものに
なることがわかる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体圧
力センサおよびその製造方法によれば、基準圧力室に対
するリークパスがなくなりセンサの長期安定性が著しく
向上する。
力センサおよびその製造方法によれば、基準圧力室に対
するリークパスがなくなりセンサの長期安定性が著しく
向上する。
【図1】(a)はガラス基板上にクロム導電性層をパタ
ーニングした断面図、(b)は、パターニングされた導
電性層とガラス基板上にガラス膜を成膜した状態図、
(c)はガラス膜上にネガレジストを塗布しガラス膜上
の凸部とは逆側から露光している状態図、(d)は露光
後現像した状態図、(e)は前記凸部をエッチングして
いる状態図、(f)はレジストを除去した状態図であ
る。
ーニングした断面図、(b)は、パターニングされた導
電性層とガラス基板上にガラス膜を成膜した状態図、
(c)はガラス膜上にネガレジストを塗布しガラス膜上
の凸部とは逆側から露光している状態図、(d)は露光
後現像した状態図、(e)は前記凸部をエッチングして
いる状態図、(f)はレジストを除去した状態図であ
る。
【図2】(g)はアルミニウムAlを成膜した後、パタ
ーンを形成した状態図、(h)はシリコン体基板をガラ
ス基板上に陽極接合した状態図、(i)はシリコン体基
板にエッチングによりダイヤフラム部を形成した状態図
である。
ーンを形成した状態図、(h)はシリコン体基板をガラ
ス基板上に陽極接合した状態図、(i)はシリコン体基
板にエッチングによりダイヤフラム部を形成した状態図
である。
【図3】静電容量式圧力センサの概念図であり、(a)
は縦断面図、(b)は一部断面斜視図である。
は縦断面図、(b)は一部断面斜視図である。
【図4】(a)は半導体圧力センサの全体上面視図、
(b)は(a)のa−a’線に沿う断面拡大図である。
(b)は(a)のa−a’線に沿う断面拡大図である。
【図5】(a)は凸部に対してずれたレジストパターン
の説明図、(b)はパターンエッチングの説明図、
(c)は新たに生じた段差の説明図である。
の説明図、(b)はパターンエッチングの説明図、
(c)は新たに生じた段差の説明図である。
1 シリコン体 2 ガラス基板 3 シリコン体のダイヤフラム部 4 基板側電極膜 4a 引き出し回路 5 ガラス膜からなる絶縁層 5a 絶縁層上の凸部 6 基準圧力室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒坂 昭人 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 Fターム(参考) 2F055 AA40 BB01 CC02 DD05 DD07 EE25 FF43 GG01 GG12 4M112 AA01 BA07 CA11 CA13 CA15 CA16 DA04 DA09 DA15 DA18 EA13 FA06 FA11
Claims (2)
- 【請求項1】 シリコン体の一部に形成したダイヤフラ
ム部と前記シリコン体と接合されたガラス基板上に形成
された電極膜との間の静電容量の変化を検出することに
よって圧力を測定するセンサにおいて、電極膜に繋がる
引き出し回路上に形成される絶縁層に生じた接合面の凸
部を選択的に除去して平坦化してシール性を高めたこと
を特徴とする半導体圧力センサ。 - 【請求項2】 シリコン体の一部に形成したダイヤフラ
ム部と前記シリコン体と接合されたガラス基板上に形成
された電極膜との間の静電容量の変化を検出することに
よって圧力を測定する半導体圧力センサの製造方法にお
いて、 ガラス基板および絶縁膜は電極膜よりも光透過性が高い
ものであり、この電極膜をマスクの役割をさせてフォト
リソ工程を行い、このフォトリソ工程により引き出し回
路上に形成される絶縁層に生じた接合面の凸部を選択的
に除去して平坦化してシール性を高めることを特徴とす
る半導体圧力センサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11221715A JP2001050841A (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 半導体圧力センサおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11221715A JP2001050841A (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 半導体圧力センサおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001050841A true JP2001050841A (ja) | 2001-02-23 |
Family
ID=16771141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11221715A Pending JP2001050841A (ja) | 1999-08-04 | 1999-08-04 | 半導体圧力センサおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001050841A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002350265A (ja) * | 2001-05-25 | 2002-12-04 | Kyocera Corp | 圧力検出装置用パッケージ |
JP2007248149A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-09-27 | Alps Electric Co Ltd | 静電容量型圧力センサ |
CN103162894A (zh) * | 2013-01-14 | 2013-06-19 | 楚雄师范学院 | 一种电容压力传感器 |
CN104848970A (zh) * | 2014-02-14 | 2015-08-19 | 欧姆龙株式会社 | 静电容量型压力传感器、压力检测器及输入装置 |
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-
1999
- 1999-08-04 JP JP11221715A patent/JP2001050841A/ja active Pending
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