JP3328710B2 - 半導体静電容量型センサ - Google Patents

半導体静電容量型センサ

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JP3328710B2
JP3328710B2 JP23590295A JP23590295A JP3328710B2 JP 3328710 B2 JP3328710 B2 JP 3328710B2 JP 23590295 A JP23590295 A JP 23590295A JP 23590295 A JP23590295 A JP 23590295A JP 3328710 B2 JP3328710 B2 JP 3328710B2
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diaphragm
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智之 小池
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体静電容量型
センサに関するもので、より具体的には、半導体基板と
固定電極及び外部引き出し用の配線パターン間の絶縁構
造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体静電容量型センサとして
は、例えば図5に示すようなセンサがある。このセンサ
は、圧力を検出するもので、略方形のガラス基板1の中
心に導圧孔1aが設けられている。ガラス基板1の上
面、導圧孔1aの周囲に金属を蒸着して、所定形状の固
定電極2が形成されている。
【0003】ガラス基板1の上面には所定形状のシリコ
ン基板3が配置されている。このシリコン基板3は、中
央を両面からそれぞれ所定量だけエッチングされて、ダ
イアフラム4が一体的に形成されている。このダイアフ
ラム4とガラス基板1で囲まれる空間が圧力室5とな
り、その圧力室5に対向するダイアフラム4の表面が可
動電極となる。固定電極2とダイアフラム4の片面(可
動電極)とは圧力室5に応じて所定距離だけ離れてお
り、両者間には、その距離に応じた静電容量が存在す
る。
【0004】同図(B)に示すように、ガラス基板1の
方がシリコン基板3よりも長くしているため、ガラス基
板1の接合面側の表面の一部が露出され、その露出され
た表面の所定位置に、第1ボンディングパッド6a,第
2ボンディングパッド6bが形成されている。第1ボン
ディングパッド6aは、配線パターン7を介して固定電
極2と導通し、第2ボンディングパッド6bはシリコン
基板3を介してダイアフラム4の可動電極と導通してい
る。これにより、両パッド6a,6bを介して可動電極
及び固定電極2間の静電容量を外部に取り出すことがで
きるようになっている。
【0005】このとき、配線パターン7とシリコン基板
3間の絶縁を図るために、配線パターン7に対向するシ
リコン基板3の表面には、その配線パターン7よりも幅
広の凹溝にエッチングして、フィードスルー部8を設
け、シリコン基板3と配線パターン7が接触しないよう
にしている。
【0006】係る構成からなるセンサの動作原理を簡単
に説明すると、導圧孔1aを介して、圧力室5内に圧力
を測定するガスを導入する。これにより導入されたガス
のガス圧Pと、基準圧力P0(大気開放している場合に
は大気圧)とがダイアフラム4の両面に加わるので、そ
の差圧に応じて、ダイアフラム4が所定方向に撓む。な
お、この例では無負荷(平衡)状態でP=P0とし、測
定圧力Pが上昇するほどダイアフラム4がガラス基板1
から離れるように設定している。
【0007】そして、ダイアフラム4の撓みに応じて固
定電極2とダイアフラム4(可動電極)との距離が変化
し(ガス圧が高いほどダイアフラム4の撓み量は大き
く、固定電極2とダイアフラム4との距離は大きくな
る)、ダイアフラム4と固定電極2の静電容量が変化す
る。
【0008】しかし、センサ製造工程中に行われるダイ
シング時に発生する削り屑や埃等が圧力室5内に侵入さ
れてしまうことがあり、また、使用時に導圧孔1aを介
して埃等が圧力室5内に侵入するおそれもある。係る埃
等を介して両電極間が導通してしまうおそれがあり、係
る場合に微弱なリーク電流が流れて、特性変化をきたす
ことがある。特に、湿度が高く埃等が湿気を含み導電性
が高くなると、より顕著に現われる。
【0009】このため、従来の半導体静電容量型センサ
では、同図(A)に示すように、ダイアフラム4の下面
(可動電極部分)に誘電体からなる絶縁膜9を形成し、
固定電極2とダイアフラム4との接触を防いでいた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように絶縁膜9を形成した従来の半導体静電容量型セン
サであっても、依然としてリーク電流が発生している。
本発明者が絶縁膜のパターン(形成領域)を替えて各種
実験を繰り返し行ったところ、上記リーク電流の原因
は、可動電極部分に限られずシリコン基板3と固定電極
2との間でガラス基板1の表面を通って行われているこ
とがわかった。しかも、実験の結果、壁面の方がガラス
基板1との距離が近いため、リーク電流の発生には、可
動電極側よりも壁面の方が大きく起因していることもわ
かった。
【0011】そこで、係る問題を解決するためにはシリ
コン基板3の露出された部分を絶縁膜で覆えば良いが、
以下に示す理由により、従来の構成のままでは側壁に形
成することはできない。すなわち、従来の絶縁膜9は、
写真製版工程(フォトリソグラフィ技術)の要請から、
図6に示すように、ダイアフラム4の表面にのみ形成さ
れており、ダイアフラム4の表面とガラス基板1の表面
との間に存在するシリコン基板3の壁面には、絶縁膜9
が形成されていない。これは、仮に絶縁膜のパターン形
状(寸法も含む)を、ダイアフラム4及び壁面部分の形
状と一致させると、写真製版時の精度範囲内での位置ず
れにより、絶縁膜の周縁がシリコン基板3の接合面(壁
面のさらに外側)にまで形成されてしまい、接合面で大
きな段差(絶縁膜9の厚さに相当)を生じてしまう。す
ると、最終的に陽極接合してシリコン基板3とガラス基
板1とを接合した場合にそのはみ出た絶縁膜部分で接合
できず、不良品となるおそれがあるからである。
【0012】その結果、係る位置ずれを考慮してパター
ン形成するため、必然的に図6に示すように圧力室5内
の壁面(シリコン)が露出するようになっている。よっ
て、係る構成のまま絶縁膜9を側壁まで覆うようなパタ
ーン形状にすると、位置ずれしたものは不良品となるの
で、歩留まりの低下をきたし、量産ができない。
【0013】さらに、フィードスルー部8側でもリーク
電流が発生することがわかった。すなわち、従来は可動
電極と固定電極間で直接リーク電流が発生していると考
えられており、それが固定概念化されていたが、実際に
はガラス基板表面をリーク電流が流れ、しかもそのガラ
ス表面と近接するシリコン基板との間でリーク電流が発
生することがわかり、上記のように、フィードスルー部
8でもリーク電流が生じるのである。
【0014】また、可動電極全面を絶縁膜9で覆うと、
リーク電流の抑制効果はあるものの、センサの出力特性
(直線性)に悪影響を与える。すなわち、絶縁膜9は、
通常熱酸化膜により形成するため、その酸化膜形成時の
熱により内部応力が残留しているので、測定圧力の増減
にともないダイアフラム4が撓もうとした際に、均一に
撓むことができないためである。
【0015】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、リーク電流の発生を可及的に抑制し、また、ダイ
アフラムの歪み等を防止して、固定電極とダイアフラム
との静電容量の変化等の出力センサ特性を安定にするこ
とのできる半導体静電容量型センサを提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る半導体静電容量型センサでは、半導
体基板と絶縁性基板とを接合一体化し、前記絶縁性基板
の接合側表面所定位置に固定電極を設け、その固定電極
と対向する半導体基板表面を可動電極とし、前記固定電
極と、前記可動電極は所定距離を隔てて配置されるとと
もに、外部から与えられる力に応じて可動電極が変位
し、両電極間に発生する静電容量が変化するようにした
半導体静電容量型センサであって、前記絶縁性基板の表
面に前記固定電極に連続して外部引き出し用の配線パタ
ーンを形成するとともに、その配線パターンに対向する
前記半導体基板の表面を凹状に除去してフィードスルー
部を設け、かつ、少なくとも前記フィードスルー部内所
定位置に絶縁膜を設けた構成を前提とする
【0017】ここで、外部からの力とは、例えばガス
圧,加速度,振動であったり、傾きを検出する場合の重
力加速度等がある。また、フィードスルー部は、配線パ
ターンと半導体基板とが直接接触されないようにその半
導体基板の所定位置を除去して形成された部分であり、
その一端は外部に開口(露出)する。
【0018】そして、上記した前提において、前記フィ
ードスルー部と前記絶縁性基板との接合部位であるフィ
ールドスルー部の側壁端部から前記フィールドスルー部
の側壁の一部を残した状態で前記フィードスルー部の幅
をさらに広げるように前記フィードスルー部と連続して
前記半導体基板に溝部を形成し、少なくとも前記フィー
ドスルー部内所定位置において前記フィードスルー部の
上面,前記フィールドスルー部の側壁,前記溝部の一部
を連続して覆うように絶縁膜を形成し、かつ前記絶縁膜
の端部と前記溝部との間に所定の間隙を設けるととも
に、前記溝部に形成された絶縁膜が前記絶縁性基板と接
触させるようにした。なお、この様に絶縁膜の端面を絶
縁性基板に接触させるためには、溝部の深さを絶縁膜の
膜厚と同一またはそれ以下に設定することになる。そし
て、膜厚を大きくすると、両基板の接合時に絶縁膜が押
し潰され、確実に接触することになる。換言すれば、溝
部の深さと絶縁膜の膜厚との相関は、押し潰されて両基
板が面接触できる程度に設定することである。
【0019】また、別の解決手段としては、上記した前
提の構成に、少なくとも前記可動電極に近接する前記半
導体基板の接合部位に溝部を形成し、その溝部とその溝
部に連続する前記半導体基板の側壁に絶縁膜を形成し、
かつ前記絶縁膜の端部と前記溝部との間に間隙を設ける
とともに、その絶縁膜の端面を絶縁性基板と接触させる
ように構成することである。
【0020】フィードスルー部内の所定位置に絶縁膜を
形成するとフィードスルー部内に埃等が侵入したとして
も、配線パターンと半導体基板とが導通せず、リーク電
流が発生しない。また、可動電極側に絶縁膜を形成しな
いようにすると、特に圧力センサのように圧力によりダ
イアフラムが撓むように構成した場合には、絶縁膜によ
る残留内部応力の影響によりダイアフラムが歪むことが
なく、出力特性の直線性が向上する。
【0021】本発明のように半導体基板の接合面側端部
所定位置を所定量除去して溝部を形成し、その溝部内に
絶縁膜を形成すると、絶縁性基板に最も近い半導体基板
の接合面近傍(側壁)部分が絶縁膜で覆われるので、そ
の半導体基板から絶縁性基板表面に至るリーク電流の経
路が遮断される。よって、確実にリーク電流の発生が抑
制される。
【0022】
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る半導体静電
容量型センサの前提となる基本構成を示している。セン
サ自体の基本的な構成は、図5に示す従来例のものと同
様である。すなわち、同図(A)に示すように、矩形状
のガラス基板10とダイアフラム12付きの半導体基板
たるシリコン基板13とを陽極接合して一体化してい
る。そして、ガラス基板10は、例えばほう硅酸ガラス
から構成され、その中心に導圧孔10aが形成されてい
る。係るガラス基板10の上面に、固定電極14が形成
されている。この固定電極14は、具体的には同図
(B)に示すように、導圧孔10aの周囲に環状に形成
されている。
【0024】さらにガラス基板10の上面には、上記固
定電極14に接続して細い帯状にパターンニングされた
配線パターン15が形成され、配線パターン15の先端
は、外部に露出し、第1ボンディングパッド16aに接
続されている。また、ガラス基板16の露出した上面所
定位置には、第2ボンディングパッド16bも形成さ
れ、シリコン基板13と導通している。
【0025】一方、シリコン基板13は、所定範囲をそ
の両面から所定量削られ、上方からみると、同図(B)
に示すように、円形状となる薄いダイアフラム12が一
体的に形成され、ガラス基板10(固定電極14)側が
可動電極となる。シリコン基板13に対する両面からの
掘削量は、接合面側を非常に小さくし、非接合面側を大
きくしている。これにより、ダイアフラム12とガラス
基板10との間には、上記した小さな掘削量に応じた圧
力室17が形成され、ダイアフラム12と固定電極14
は所定距離だけ離れる。また、ガラス基板10の配線パ
ターン15に対向するシリコン基板13の接合面側表面
を凹溝にエッチングして除去し、フィードスルー部18
を形成する。
【0026】そして、埃等の侵入等により固定電極14
がシリコン基板13と電気的に接触することのないよう
に、ダイアフラム12の可動電極部分に絶縁膜19を形
成する。但し、圧力室17内の壁面までは絶縁膜を形成
していない。ここまでの構成は、従来のものと同様であ
る。
【0027】上記絶縁膜19をダイアフラム12の表面
のみでなく、さらにフィードスルー部18の上面(シリ
コン基板面)にも絶縁膜19を形成している。そして、
ダイアフラム12側と同様に、フィードスルー部18の
側壁には絶縁膜19を形成せず、たとえ写真製版工程に
おける精度誤差により絶縁膜形成位置が所望位置からず
れたとしても、シリコン基板13の接合面までははみ出
さないようになっている。
【0028】また、上記絶縁膜19は、例えば熱酸化膜
(シリコン酸化膜)、CVD酸化膜及びCVD窒化膜の
うち任意の単層或いは複合層から構成できる。そして、
ダイアフラム12側とフィードスルー部18側の絶縁膜
19を同時に形成することができる。したがって、従来
ダイアフラム12側にのみ形成していた絶縁膜製造プロ
セスにおいて使用するマスクパターンを替えるだけで、
本形態のセンサを製造することができ、製造工程数の増
加にはならず、従来の設備及び生産ラインをそのまま使
用できる。
【0029】上記のように本形態では、絶縁膜19をダ
イアフラム12の片面及びフィードスルー部18の内面
のシリコン基板面の両方に形成することにより、固定電
極14及びそれに導通状態の配線パターン15に対向す
るシリコン基板13の表面が絶縁膜19により覆われる
ので、たとえ圧力室17やフィードスルー部18内に埃
等が侵入したとしても、固定電極14と可動電極間や配
線パターン19とシリコン基板との間が短絡することは
なく、リーク電流が発生しない。よって、半導体静電容
量型センサの特性は安定したものとなる。
【0030】なお、上記した形態では、絶縁膜19が、
ダイアフラム12とフィードスルー部18の両方の領域
にまたがるように形成したが、本発明はこれに限ること
はなく、少なくともフィードスルー部18側に形成して
いれば良い。換言すれば、図示の状態からダイアフラム
12部分に形成した絶縁膜19を除去するように構成し
てもよい。
【0031】すなわち、実験の結果、リーク電流はフィ
ードスルー部18側の方が多く発生することがわかっ
た。したがって、上記した図示省略の変形例のように少
なくともフィードスルー部18側に絶縁膜19を形成す
ると、従来のものよりもリーク電流の発生を抑制でき
る。さらに、従来のようにダイアフラム12に絶縁膜1
9を形成すると、絶縁膜の形成時にその絶縁膜内に発生
した残留応力のために、センサの出力特性の直線性が低
下するが、変形例のようにダイアフラム12側に絶縁膜
19を形成しないと、係る問題が発生せず、センサ特性
(直線性)も向上する。
【0032】なお、固定電極14とダイアフラム12の
可動電極間でもリーク電流が発生するおそれがある。し
たがって、変形例のようにフィードスルー部18のみに
絶縁膜19を形成すると、特性の改善を図りつつ従来よ
りもリーク電流の発生確率を抑制することができ、一
方、図1に示すように構成すると、リーク電流の発生確
率は変形例に比べてもさらに抑制できるがセンサ特性は
従来のままとなる。よって、いずれを選択するかは、要
求される仕様等により適宜の構成をとることができる。
【0033】図2,図3は本発明に係る半導体静電容量
型センサの第1の実施の形態を説明する。図2に示すよ
うに、基本的なセンサの構成は、上記した第1の構成と
同一である。すなわち、ダイアフラム12付きのシリコ
ン基板13aと、ガラス基板10とを陽極接合して一体
化し、ダイアフラム12とガラス基板10との間に形成
される圧力室17内のガラス基板10の表面に固定電極
14を形成し、またダイアフラム12の固定電極14と
対向する面を可動電極としている。
【0034】ここで本形態では、上記した図1に示す前
提の構成と相違して、絶縁膜20の形成領域を圧力室1
7の側壁及びフィードスルー部18の上面及び側壁とし
ている。すなわち、実験の結果、ガラス基板10の表面
と最も近いシリコン基板13aの露出表面である圧力室
17内の側壁及びフィードスルー部18の側壁部分から
ガラス基板10の表面にわたって微弱リーク電流経路が
構成されることがわかった。
【0035】その結果、ダイアフラム12の表面を絶縁
膜で被覆しても、上記側壁部分が露出しているとその側
壁部分を介してリーク電流が発生してしまうおそれがあ
る。そこで、本形態のように、側壁を覆うと係る電流経
路が遮断され、リーク電流が流れるのが抑制できる。ま
た、ダイアフラム12の表面は絶縁膜が形成されていな
いが、これは、上記した前提の構成の変形例の際の作用
効果の説明と同様に、絶縁膜を形成しなくても他の設定
領域に絶縁膜20を形成することにより従来のものに比
べてリーク電流発生の抑制効果は向上し、しかも、フィ
ードスルー部18側は側壁を含めて完全に絶縁膜20で
覆っているので、より確実にリーク電流の発生を抑制で
きる。
【0036】ところで、従来のシリコン基板(例えば図
1に示す基板13)と同一形状にすると、発明が解決し
ようとする課題の欄でも説明したように、写真製版工程
上の誤差から、絶縁膜20の形成位置がずれてしまい両
基板10,13同士が完全に面接触できずに接合不良と
なるおそれがある。
【0037】そこで、本形態では、図2(A)並びにそ
の図中破線の円で囲む領域を拡大した図3に示すよう
に、シリコン基板13aの圧力室17内の側壁の下端
(ガラス基板20側)に、溝部21を形成している。こ
の溝部21は図2(B)に示すように、ダイアフラム1
2の周囲全体を囲むように形成されている。さらに、フ
ィードスルー部18の両側壁下端にも同様の断面形状か
らなる溝部21が形成されている。この溝部21を設け
た点が、前提の構成のシリコン基板13との形状上の相
違点である。
【0038】そして、絶縁膜20の下端部(ガラス基板
側)が、上記溝部21内に位置するようにパターン形成
する。この時、図3に示すように絶縁膜20の先端部2
0aは、誤差がないとすると溝部21の最外周よりも所
定距離だけ内側に位置し、両者間に所定の間隙が形成さ
れるようにしている。
【0039】すなわち、シリコン基板13aに対してエ
ッチング処理してダイアフラム12を形成後、パターン
形成により絶縁膜20を成膜した場合には、位置ずれを
生じ理想状態から所定方向にずれて成膜される。しか
し、本例では、絶縁膜20の先端部20aと、溝部21
との間に予め間隙を設定していたので、上記位置ずれを
生じたとしても係る間隙内で吸収され、先端部21aが
シリコン基板13aの接合面側まで食み出すことがな
い。これにより、確実に両基板10,13aを面接触さ
せて陽極接合させることができる。
【0040】さらに、溝部21の深さ(シリコン基板1
3aのガラス基板20との接合面からの深さ)をdとす
ると、絶縁膜20の膜厚(先端部20aの厚み)もd以
上とし、先端部20aが、確実にガラス基板20と接触
するように形成されている。これにより、シリコン基板
13aとガラス基板20との露出した接触部分は完全に
絶縁膜20により覆われ、リーク電流の経路が遮断され
る。
【0041】そして、そのように絶縁膜20をガラス基
板10に面接触させるためには、例えば、シリコン基板
13aの所定位置に絶縁膜20を形成する際に、その膜
厚をdよりも大きくし、図3中二点鎖線で示すように絶
縁膜20の下端をシリコン基板13aの接合面よりも所
定量突出するように形成する。その状態で、最終的に両
基板10,13aを接合すると、その時の接合圧力によ
り絶縁膜20が押し潰され、図示のように絶縁膜20と
ガラス基板10が確実に面接触した状態となる。すなわ
ち、絶縁膜20がその膜厚分だけ完全に突出するのでは
なく、突出する量は僅かであるので、両基板10,13
aを接合する際の挟持圧力により容易に絶縁膜が押し潰
される。
【0042】なお、図2,図3に示した本形態では、絶
縁膜20をダイアフラム12の周囲(側壁)及びフィー
ドスルー部18の全面(上面及び側壁)に形成したが、
本発明に係る半導体静電容量型センサでは、係る構成に
限ることもなく、図示の絶縁膜20の形成領域に加え、
前提の構成と同様にダイアフラム12の表面(可動電極
部分)にも形成するようにしてもよい。係る構成にする
と、より確実(ほぼ完全)にリーク電流の発生を抑制で
きる。
【0043】また、別の変形例としては、図2,図3に
示す絶縁膜20のうち、フィードスルー部18側に形成
する絶縁膜20をその上面のみ(側壁には形成しない:
溝部も設けない)に形成するようにしても良い(ダイア
フラム側はその側壁部分のみに形成する)。
【0044】さらにまた別の変形例としては、図2,図
3に示す絶縁膜20のうち、フィードスルー部18側に
形成する絶縁膜20のみ形成し、ダイアフラム側に絶縁
膜を設けないようにしても良い(上記した前提の構成
変形例と同様)。
【0045】さらには、図1に示した前提の構成の示す
絶縁膜19に加え、第1の実施の形態と同様にダイアフ
ラム12の側壁にも絶縁膜を形成しても良い(フィード
スルー部は上面のみ)。
【0046】このように各種の組み合わせを実施するこ
とができ、本発明では少なくともフィードスルー部側に
絶縁膜を形成していれば良い。そして好ましくはダイア
フラム側にも形成することである。さらに、ダイアフラ
ム側やフィードスルー部側に絶縁膜を形成する場合に
は、側壁に形成するのが効率良くリーク電流発生を抑制
できるので好ましい。
【0047】上記した本発明の実施の各形態及びその変
形例では圧力センサについて説明したが、本発明では圧
力センサのみではなく、固定電極と可動電極間に発生す
る静電容量の変化を検出することにより物理量を測定す
る各種のセンサに適用することができる。
【0048】図4は、本発明に係る半導体静電容量型セ
ンサの第2の実施の形態を示している。本形態では加速
度センサ,振動センサ,傾きセンサとして使用可能なセ
ンサに適用した例を示している。図4(A)に示すよう
に、矩形状のガラス基板30の上面所定位置に金属を蒸
着し、所定形状の固定電極31を形成している。係る固
定電極31は同図(B)に示すように、ガラス基板30
の中央に略四辺形に形成されている。そして、その固定
電極31に一端が接続される外部引き出し用の配線パタ
ーン32がさらに形成されている。
【0049】このガラス基板30の上面には、シリコン
基板33が陽極接合される。このシリコン基板33は、
略ロ字状の枠体34の内面に梁部35を介して、重り部
36を形成した形状からなる。そして、この重り部36
の下面に可動電極が形成される。すると、このセンサに
所定方向から力(加速度,振動,重力加速度(傾きに対
応))が加わると、重り部36がその方向に付勢され梁
部35が撓み、両電極間の距離が変動し、静電容量の変
化として現われるようになる。さらに枠体34には、ガ
ラス基板30上面に形成された配線パターン32に対向
する位置を凹状に除去してフィードスルー部37が形成
されている。
【0050】本形態でも、重り部36(可動電極)が一
体的に形成されているシリコン基板33と固定電極31
との間や、フィードスルー部37内等にてリーク電流が
発生するおそれがある。そこで本発明では、枠体34
に、その内側に形成された孔部の周囲及びフィードスル
ー部37の周囲に溝部38が設けられ、その溝部38内
とその周囲、及び梁部の表面並びに重り部36の下面周
縁に絶縁膜39が形成されている。
【0051】絶縁膜39は、第1の実施の形態と同様
に、ガラス基板30に接触するように形成されており、
固定電極31や配線パターン32とシリコン基板33と
の間には、係る絶縁膜39が存在し、リーク電流の通路
が遮断される。そのため、ガラス基板30上面に埃等が
付着したとしても、リーク電流は生じることはなく、安
定した加速度の測定を行うことができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る半導体静電
容量型センサでは、フィードスルー部内部に絶縁膜を設
けることにより、たとえ埃等が侵入したとしてもリーク
電流発生の主要因であるフィードスルー部内でのリーク
を防ぐことができる。
【0053】そして、半導体基板と、絶縁性基板との間
のリーク電流経路を絶縁膜により遮断できるので、より
確実にリーク電流の発生を抑制できる。さらに請求項4
のように構成すると、可動電極の全面が絶縁膜に覆われ
るので、可動電極と固定電極との間に埃等が存在してい
る場合でもリーク電流が発生しない。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体静電容量型センサの前提の
構成を示す図である。
【図2】本発明に係る半導体静電容量型センサの第1の
実施の形態を示す図である。
【図3】溝部に形成される絶縁膜の形成位置を示す図2
におけるA−A断面図である。
【図4】本発明に係る半導体静電容量型センサの第2の
実施の形態を示す図である。
【図5】従来の半導体静電容量型センサを示す図であ
る。
【図6】ダイアフラムに形成される絶縁膜の形成位置を
示す図5におけるA−A断面図である。
【符号の説明】
10 ガラス基板 12 ダイアフラム 13,13a シリコン基板 14 固定電極 18 フィードスルー部 19,20 絶縁膜 21 溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−180868(JP,A) 特開 平7−218365(JP,A) 特開 昭56−142432(JP,A) 特開 平7−209117(JP,A) 特開 平6−174572(JP,A) 実開 昭60−19942(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 9/12 G01L 1/14 G01P 15/125 H01L 29/84 G01N 27/22 G01B 7/00 G01H 11/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板と絶縁性基板とを接合一体化
    し、 前記絶縁性基板の接合側表面所定位置に固定電極を設
    け、 その固定電極と対向する半導体基板表面を可動電極と
    し、 前記固定電極と、前記可動電極は所定距離を隔てて配置
    されるとともに、外部から与えられる力に応じて可動電
    極が変位し、両電極間に発生する静電容量が変化するよ
    うにした半導体静電容量型センサであって、 前記絶縁性基板の表面に前記固定電極に連続して外部引
    き出し用の配線パターンを形成するとともに、その配線
    パターンに対向する前記半導体基板の表面を凹状に除去
    してフィードスルー部を設け、 前記フィードスルー部と前記絶縁性基板との接合部位で
    あるフィールドスルー部の側壁端部から前記フィードス
    ルー部の側壁の一部を残した状態で前記フィードスルー
    部の幅をさらに広げるように前記フィードスルー部と連
    続して前記半導体基板に溝部を形成し、 少なくとも前記フィードスルー部内所定位置において前
    記フィードスルー部の上面,前記フィールドスルー部の
    側壁,前記溝部の一部を連続して覆うように絶縁膜を形
    成し、かつ前記絶縁膜の端部と前記溝部との間に所定の
    間隙を設けるとともに、前記溝部に形成された絶縁膜が
    前記絶縁性基板と接触させるようにしたことを特徴とす
    る半導体静電容量型センサ。
  2. 【請求項2】 半導体基板と絶縁性基板とを接合一体化
    し、 前記絶縁性基板の接合側表面所定位置に固定電極を設
    け、 その固定電極と対向する半導体基板表面を可動電極と
    し、 前記固定電極と、前記可動電極は所定距離を隔てて配置
    されるとともに、外部から与えられる力に応じて可動電
    極が変位し、両電極間に発生する静電容量が変化するよ
    うにした半導体静電容量型センサであって、 前記絶縁性基板の表面に前記固定電極に連続して外部引
    き出し用の配線パターンを形成するとともに、その配線
    パターンに対向する前記半導体基板の表面を凹状に除去
    してフィードスルー部を設け、 少なくとも前記可動電極に近接する前記半導体基板の接
    合部位に溝部を形成し、 その溝部とその溝部に連続する前記半導体基板の側壁に
    絶縁膜を形成し、かつ前記絶縁膜の端部と前記溝部との
    間に間隙を設けるとともに、前記溝部に形成された絶縁
    膜が前記絶縁性基板と接触させるようにしたことを特徴
    とする半導体静電容量型センサ。
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