JPH0554709B2 - - Google Patents

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JPH0554709B2
JPH0554709B2 JP21767385A JP21767385A JPH0554709B2 JP H0554709 B2 JPH0554709 B2 JP H0554709B2 JP 21767385 A JP21767385 A JP 21767385A JP 21767385 A JP21767385 A JP 21767385A JP H0554709 B2 JPH0554709 B2 JP H0554709B2
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film
diaphragm
etching
pressure
forming
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Susumu Sugyama
Takashi Suzuki
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Toyota Central R&D Labs Inc
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は半導体圧力センサ、特に薄膜形成技術
を用い基板表面にダイアフラムを形成することの
可能な改良された半導体圧力センサに関する。
[従来の技術] 構 成 第12図には従来の半導体圧力センサの一般的
な構成が示されており、この半導体圧力センサ
は、N形シリコン基板10と台座12とを含み、
基板10はその裏面側からエツチングが行われ厚
さ20〜50μm程度のダイアフラム14がその中央
部に形成されている。そして、この基板10は、
裏面の肉厚部にて台座12と接着固定され、両者
の間に圧力基準室16が形成されている。
またこのN型シリコン基板10のダイアフラム
14表面側には、P型抵抗領域からなる歪みゲー
ジ18が拡散あるいはイオン注入によつて形成さ
れており、更にこの基板10の表面には酸化シリ
コン等からなる絶縁膜20及び電極22が形成さ
れている。
以上の構成とすることにより、この半導体圧力
センサによれば、測定圧力に比例してダイアフラ
ム14がたわみ、このたわみをダイアフラム14
上に設けられた歪みゲージ18の抵抗変化として
検出し、圧力測定を行うことができる。
なお、この半導体圧力センサを用いてこの絶対
圧力を測定する場合には、基板10と台座12と
の間に設けられた圧力基準室16内を真空に形成
すればよい。
このようにすることにより、ダイアフラム14
はその表面側に加えられた絶対圧力に比例して撓
み、絶対圧力は歪みゲージ12の抵抗変化となつ
て電気的に測定されることになる。
また、この半導体圧力センサを用いて差圧を測
定する場合には、台座12に圧力基準室16と連
通する圧力導入口24を設け、ダイアフラム14
がその表面側及び裏面側に印加される圧力の差圧
に応じてたわむよう形成すれば良い。このように
することにより、前記絶対圧タイプのセンサと同
様にして、差圧を測定することができる。
ところで、このような従来の圧力センサでは、
前述したように、シリコン基板10をその裏面側
からエツチングすることによりダイアフラム14
及び圧力基準室16を形成している。このような
基板10のエツチングには水酸化カリウム
(KOH)水溶液等を用いた異方性エツチングが広
く用いられている。
これは、エツチングの際に(111)面のエツチ
ング速度が極めて遅いため、(100)、(110)面の
シリコン基板を使用して基板10の裏面に窒化シ
リコン(Si3N4)などのエツチングマスクを形成
することにより、横方向へのエツチングが(111
面)で停止するまで、結晶方位で決定される規則
正しい傾斜角θをもつた先細り形状で縦方向のエ
ツチングが進行し、第12図に示すようなダイア
フラム14及び圧力基準室16を形成することが
できるからである。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、この従来の半導体圧力センサは以下に
詳述するいくつかの解決すべき問題点を有してお
り、その有効な対策が望まれていた。
(イ) まず、このような従来の半導体圧力センサ
は、シリコン基板10の表面側及び裏面側の両
面をウエハ処理することが必要であるため、そ
の製造工程が極めて複雑なものとなるという問
題があつた。
すなわち、この圧力センサは、基板10の表
面側に歪みゲージ18、絶縁膜20及び電極2
2を形成し、また基板10の裏面側にはダイア
フラムを形成用にエツチングマスク及び異方性
エツチングをほどこす必要がある。
このような基板10両面のウエハ処理は、フ
オトエツチング技術を用い各工程毎に位置合せ
しながら行う必要があり、このため各製造工程
は、両面アライメント装置を用いた複雑な工程
となることが避けられない。
また、このように両面アライメント装置を用
いても、歪みゲージ18とダイアフラム14の
周縁部の位置合せにある程度の誤差が発生して
しまい、この誤差がセンサ感度のバラツキの原
因となつていた。
一般に、このような両面アライメント誤差
は、300μmのシリコン基板を用いたときに5μ
m程度見こまれる。しかもこのアライメント誤
差はシリコン基板の厚さが増大するに従つて大
きくなり、特に厚い大口径シリコンウエハを用
いる場合には、センサの特性が大きくバラつ
き、量産が極めて困難となるという問題があつ
た。
(ロ) また、このような従来の半導体圧力センサで
は、ダイアフラム14の膜厚を薄く形成するこ
とが困難であるという問題があつた。
すなわち、従来の半導体圧力センサでは、所
望の厚さのダイアフラム14を形成するため、
周知のように、シリコン基板10の深さ方向の
エツチング速度に基づいて計算したエツチング
時間でエツチングを停止する方法を用いてい
る。
しかし、エツチング速度はウエハの表面状態
やウエハの枚数によつて変化し、更に基板10
の厚さ自体にも一定のバラつき範囲でバラつき
がある。このため、このようなエツチング処理
によつて形成されるダイアフラム14は、その
膜厚に一定の範囲でバラつきが発生することが
避けられない。
一般に、このような方法で例えば20〜50μm
程度の厚さのダイアフラム14を形成する場合
には、約2μm程度の誤差を見込む必要がある。
ところで、半導体圧力センサの感度は、周知
のようにダイアフラムの厚さの2乗に反比例し
ており、従つて、圧力センサの感度はダイアフ
ラムの厚さの誤差に敏感に反応してバラつく。
このことから、従来の半導体圧力センサで
は、ダイアフラム14の膜厚を5μm程度にし
か薄く形成することができず、高感度のセンサ
を得ることができないという問題があつた。
(ハ) また、従来の半導体圧力センサでは、ダイア
フラム14の寸法を小さく形成することが困難
であるという問題があつた。
すなわち、ダイアフラム14の寸法は、シリ
コン基板10の裏面に設けるエツチングマスク
の寸法、シリコン基板10それ自身の厚さ及び
シリコン基板10をエツチングする際の縦方向
のエツチング量等で決定される。
従来のように、ダイアフラム14を異方性エ
ツチングにより形成する場合に、このエツチン
グは、結晶方位で決定される規則正しい傾斜角
θに従いエツチングマスクの開口周縁より内側
に向つて先細りの形状で進行する。そして最終
的には周囲を(111)面で囲まれた円推台形状
とした圧力基準室16を形成することになる。
このようなエツチングの結果形成されたダイ
アフラム14の寸法は、エツチングマスクの開
口寸法とシリコン基板10の縦方向のエツチン
グ量で決定されることとなる。
しかし、エツチング開始時におけるシリコン
基板10の厚さには所定幅のバラつきを見込む
必要があるため、所望の厚さのダイアフラム1
4を作成しようとする場合には、縦方向のエツ
チング量を基板10の厚さのバラつき分だけ増
減補正してやることが必要となる。
このように、従来のセンサでは、基板10の
縦方向のエツチング量が一定の範囲でバラつく
ことが避けられず、その結果形成されるダイア
フラム14の仕上り寸法も縦方向エツチング量
のバラつき分に対応して一定の範囲でバラつき
を持つこととなる。
ここにおいて、シリコン基板10の厚さのバ
ラつきをΔtとすると、ダイアフラム寸法のバ
ラつきは2Δt/tanθで表されることとなる。
従つて、例えば(100)面のシリコン基板1
0を用い、(100)方向に辺を有する矩形のダイ
アフラムを形成する場合を想定すると、傾斜角
θは約55度となり、また、シリコン基板10の
厚さのバラつき分は一般に10μm程度見込む必
要があることから、最終的には形成されるダイ
アフラム14の寸法は約14μm程度のバラつき
をもつこととなる。
このように、従来の半導体圧力センサでは、
エツチングにより形成されるダイアフラム14
の寸法は所定幅のバラつきをもつこことなり、
この結果ダイアフラム14の周縁と歪みゲージ
18との相対的な位置が変動して歪みゲージ1
8に作用する歪み量が変化してしまい、センサ
自体の感度がバラつくという問題があつた。
特に、このような従来の半導体圧力センサで
は、ダイアフラム14の寸法を小さくすればす
る程その寸法のバラつく割合いが大きくなるた
め、ダイアフラム14の寸法は、直径あるいは
一辺あたりの長さが500μm程度にしか小さく
形成することができず、これ以上小さいダイア
フラム14を有するセンサを形成することはで
きないという問題があつた。
(ニ) さらに、このような従来の半導体圧力センサ
では、圧力基準室16を形成するために、シリ
コン基板と台座12とを気密状態に接着するこ
とが必要となる。
すなわち、このような従来のセンサを用いて
絶対圧を測定する場合には、基板10と台座1
2とを密着して形成した空洞を圧力基準室16
として用い、この圧力基準室16内を真空に保
つ必要がある。
しかし、基板10と台座12との接着には、
陽極接合やガラス接合等の高度な気密接着技術
を必要とし、さらにこの気密接着部にたとえわ
ずかでも洩れが存在すると、この洩れが圧力セ
ンサの出力特性の経時変化となつて現れるとい
う問題があつた。
特に、高精度の圧力測定を行うセンサにおい
ては、この気密接着技術が極めて重要なポイン
トとなり、これがセンサを量産化する上での妨
げとなつていた。
以上説明したように、この従来の半導体圧力セ
ンサは、前記(イ)〜(ニ)の各問題点を有するため、そ
の測定精度の向上及び小形化を図ることができ
ず、しかも、その製造方法が複雑であることか
ら、量産性を図り低価格化を実現することができ
ないという問題があつた。
この結果、このような従来の半導体圧力センサ
は優れた性能を有するにもかかわらず、広く利用
されるに至つておらず、その有効な対策が望まれ
ていた。
[発明の目的] 本発明は、このような従来の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は、小形化、量産化が容
易でかつ高精度の半導体圧力センサの製造方法を
提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 半導体圧力センサ 前記目的を達成するため、本発明の方法により
製造された半導体圧力センサは、 半導体基板と、 その半導体基板の主表面の受圧領域に沿つて被
覆され等方性エツチング特性を有するよう形成さ
れた消失膜と、 この消失膜を覆うよう半導体基板の主表面上に
被覆され、耐エツチング材料を用いて形成された
絶縁性ダイアフラム膜と、 このダイアフラム膜を貫通して消失膜を到達す
るよう形成された少なくとも1個のエツチング液
注入口と、 エツチング液注入口を介して前記半導体基板の
一部の消失膜とをエツチング除去することにより
形成された圧力基準室と、 ダイアフラム膜上の受圧領域所定位置に設けら
れた少なくとも1個の歪みゲージと、 を含み、 前記歪みゲージの出力信号に基づき圧力検出を
行うことを特徴とする。
以下に本発明の方法により製造された半導体圧
力センサを更に具体的に説明する。
第1図には本発明の方法により製造された半導
体圧力センサの基本的な構造を表わす平面説明図
が示されており、第2図はその断面説明図が示さ
れている。
本発明の方法により製造された半導体圧力セン
サは、半導体基板28の主表面受圧領域に、所定
の平面形状をした等方性エツチング特性を有する
消失膜30が被覆形成されている。
そして、半導体基板28の主表面には、その全
域にわたりこの消失膜30を覆うよう耐エツチン
グ材料から成る絶縁性ダイアフラム膜32が被覆
形成されており、このダイアフラム膜32の受圧
領域所定位置に少なくとも1個の歪ゲージ34が
設けられている。
本発明においては、このダイアフラム膜32及
び歪ゲージ34を、更に耐エツチング性を有する
材料から成る絶縁性保護膜36によつて被覆する
ように形成することが好ましい。
そして、センサの受圧領域所定位置には、前記
絶縁性保護膜36、ダイアフラム膜32を貫通し
て、消失膜30に到達する少なくとも1個のエツ
チング液注入口40が開口形成されており、この
エツチング液注入口40を介して基板28の一部
と消失膜30の全てがエツチング除去され、これ
により、基板28とダイアフラム膜32とにより
囲まれた圧力基準室42が形成されている。
ここにおいて、前記エツチング液注入口40
は、必要に応じてその全部又は一部が封止部材4
4により封止されている。
また、本発明の方法により製造された半導体圧
力センサにおいて、前述したように、歪みゲージ
34の表面に絶縁性保護膜36を被覆形成した場
合には、その絶縁性保護膜36の前記ゲージ34
両端に接続孔46を形成し、その接続孔46を介
して歪みゲージ34の両端に接続される複数の電
極38を形成することが好ましい。
本発明の方法により製造された半導体圧力セン
サは以上の構成からなり、次にこのセンサを用い
絶対圧を測定する場合と差圧を測定する場合を説
明する。
なお、本発明の方法により製造された半導体圧
力センサでは、圧力基準室42の上面側に位置す
るダイアフラム膜32が可動ダイアフラム100
として機能し、またこのダイアフラム膜32以外
に前述したように絶縁性保護膜36を設けた場合
には、このダイアフラム膜32と絶縁性保護膜3
6からなる積層膜が可動ダイアフラム100とし
て機能することになる。
まず、本発明の方法により製造された圧力セン
サを、絶対圧測定タイプのセンサとして用いる場
合には、圧力基準室42を真空状態に保つたま
ま、すべてのエツチング液注入口40を封止部材
44により密封する。このようにすることによ
り、圧力が印加されると可動ダイアフラム100
は印加された絶対圧力に比例して歪み、この歪み
によつて受圧領域に設けられた歪みゲージ34の
抵抗が変化する。
例えばダイアフラム膜32の受圧領域中央に1
組の歪みゲージ34−2,34−4を配置し、又
受圧領域の周辺に他の1組の歪みゲージ34−
1,34−3を配置すると、これら各組の歪みゲ
ージに加わる歪みは一方が圧縮力、他方が伸長力
となり、この結果1組の歪みゲージの抵抗が増加
する場合には、他方の組の歪みゲージの抵抗が減
少することとなる。
従つて、これら2組の歪みゲージ34−1,3
4−2,34−3,34−4を抵抗変化が加算さ
れるよう電極38−1,38−2,38−3,3
8−4を介してブリツジ接続し、対向する一対の
電極に電源を接続すれば、他の一対の電極から
は、可動ダイアフラム100に加わる絶対圧力に
比例した電圧を出力することが可能となる。
このようにして、本発明の方法により製造され
た半導体圧力センサによれば、絶対圧力を正確に
測定することが可能となる。
また、本発明の方法により製造された半導体圧
力センサを、差圧測定用のセンサとして使用する
場合には、例えば第3図、第4図に示すように、
可動ダイアフラム100を長方形状に形成し、こ
の可動ダイアフラムを長手方向に2等分する。そ
して、その一方の領域に少なくとも1個の歪ゲー
ジ34を配置し、他方の領域にエツチング液注入
口40を配置し、このエツチング液注入口40に
比較する圧力を導入する圧力導入手段を設ければ
よい。
また、これ以外にも、本発明の方法により製造
された半導体圧力センサを、差圧測定型のセンサ
として使用する場合には、エツチング液注入口4
0を複数個設け、その一部を封止部材44を用い
て密封し、残りを開口するよう形成する。そし
て、開口されたエツチング液注入口40に圧力基
準室42へ向け比較する圧力を導入する圧力導入
手段を設ければ良い。
このようにすることにより、可動ダイアフラム
100の表面側及び裏面側に印加される圧力の差
圧を前記絶対圧タイプのセンサと同様に歪みゲー
ジ34の抵抗変化として正確に測定することが可
能となる。
製造方法 次に本発明にかかる半導体圧力センサの製造方
法を説明する。
本発明の製造方法は、 半導体基板の主表面受圧領域に等方性エツチン
グ特性を有する消失膜を被覆形成する消失膜形成
工程と、 耐エツチング材料から成る絶縁性ダイアフラム
膜を前記消失膜を覆うよう半導体基板の主表面上
に被覆形成するダイアフラム膜形成工程と、 このダイアフラム膜の受圧領域所定位置に少な
くとも1個の歪みゲージを形成する歪みゲージ形
成工程と、 耐エツチング材料から成る絶縁性保護膜を前記
歪みゲージを覆うようダイアフラム膜上に被覆形
成する保護膜形成工程と、 受圧領域所定位置に前記絶縁性保護膜、ダイア
フラム膜を貫通して消失膜に到達する少なくとも
1個のエツチング液注入口を形成する注入口形成
工程と、 このエツチング液注入口を介して異方性エツチ
ング液を注入して、半導体基板の一部と消失膜の
全てをエツチング除去し、所定形状をした圧力基
準室とこれを覆う可動ダイアフラムとを形成する
基準室形成工程と、 必要に応じてエツチング液注入口の少なくとも
1つを封止部材を用いて密封する注入口封止工程
と、 絶縁性保護膜の歪みゲージ両端位置に接続孔を
形成する接続孔形成工程と、 この接続孔を介して歪みゲージに接続される電
極を形成する電極形成工程と、 を含み、全処理工程を歪みゲージが設けられる半
導体基板の主表面側においてのみ行うことを特徴
とする。
以下に本発明の製造方法を更に具体的に説明す
る。
本発明の方法によれば、まず半導体基板28の
主表面受圧領域に等方性エツチング特性を有する
消失膜30を被覆形成する。
ここにおいて、この消失膜形成工程は、まず半
導体基板28の主表面全域に等方性エツチング特
性を有する消失膜30を被覆形成しておき、次に
この消失膜30を、受圧領域に相当する部分だけ
残し不要部分を除去するよう加工することが好ま
しい。
またこれ以外にも、この消失膜形成工程は、ま
ず半導体基板28の主表面上に耐エツチング性の
材料からなる絶縁膜を被覆しておき、次にこの絶
縁膜の受圧領域に開口を形成し、この開口部分を
消失膜30により被覆するように行つてもよい。
このようにして所定形状にした消失膜30を被
覆形成したのち、次にこの消失膜30及び半導体
基板28の主表面上に耐エツチング材料からなる
絶縁性ダイアフラム膜32を被覆形成する。そし
て、このダイアフラム膜32の受圧領域所定位置
に少なくとも1個の歪みゲージ34を設け、更に
この歪みゲージ34及びダイアフラム膜32上に
耐エツチング性の材料からなる絶縁性保護膜36
を被覆形成する。
このようにして、消失膜30、ダイアフラム膜
32及び絶縁性保護膜36を被覆形成したのち、
受圧領域所定位置にて、これら絶縁性保護膜3
6、ダイアフラム膜32を貫通して消失膜30に
到達する少なくとも1個のエツチング液注入口4
0を形成する。
本発明の特徴的事項は、このようにして形成さ
れたエツチング液注入口40を介して異方性エツ
チング液を注入することにより、半導体基板28
の一部及び消失膜30の全てのエツチング除去
し、圧力基準室42及びこれを覆う可動ダイアフ
ラム100を形成することにあり、以下にその工
程を詳細に説明する。
第10図には各部材のエツチング特性が示され
ており、特性曲線Aは消失膜30として多結晶シ
リコン膜を用いた場合の横方向エツチング特性を
現し、特性曲線Bは半導体基板28として単結晶
シリコン基板を用いた場合の縦方向エツチング特
性を現し、特性曲線Cは絶縁性ダイアフラム膜3
2として窒化シリコン膜を用いた場合におけるダ
イアフラム膜と単結晶シリコン基板28との界面
エツチング特性を表している。
また、第11図は、エツチング液注入口40を
介して異方性エツチング液を注入した際における
エツチングの進行状態を表わし、aは異方性エツ
チング前の状態を表し、bはエツチング開始初期
の状態を表し、Cはエツチングが進んだ中間状態
を表わし、dはエツチング終了状態をそれぞれ表
わしている。
まず、エツチング液注入口40から異方性エツ
チング液を注入すると、消失膜30は第11図a
に示す状態からb,cに示す状態への等方性のエ
ツチングが進行していく。そして、この消失膜3
0はその中央部から順に消失して開口部を広げて
いき、この開口面積は第10図に示す特性曲線A
に従い時間とともに横方向に広がつていく。
また、このような消失膜30の消失により露出
した単結晶シリコン基板28では、消失膜30の
開口面積に従つて異方性エツチングが進行し、第
10図に示す特性曲線Bに従つて縦方向にエツチ
ングが行われる。
ここにおいて、仮に消失膜30の開口面積が一
定であるとすると、単結晶シリコン基板28のエ
ツチング深さは(111)面が左右の傾斜面と交叉
した深さで停止してしまうが、本発明において
は、消失膜30の開口面積が時間とともに連続的
に拡大していくため、これに追従して第11図c
に示すごとく単結晶シリコン基板28の縦方向に
向けたエツチングも進行することとなる。
そして、第11図dに示すごとく、消失膜30
が全てエツチング除去されると、横方向へ向けた
エツチング特性は、第10図に示す消失膜30の
特性曲線Aから、単結晶シリコン基板28とダイ
アフラム膜32の界面の特性曲線Cへと切替わ
り、横方向に向けたエツチング速度は数十分の1
に低下する。
この結果、第11図dに示す状態にエツチング
が到達すると、横方向に向けた開口面積はほとん
ど広がらず、単結晶シリコン基板28のエツチン
グ深さは同図に示すようにその傾斜面が(111)
面で交叉した深さでほとんど停止してしまう。
すなわち、本発明においては、消失膜30の形
状により半導体基板28の加工寸法が決定され、
これ以上エツチングを続けてもこの形状はほとん
ど変化することはない。
ところで、上述した説明では半導体基板28の
深さ方向のエツチングがほとんど停止するまでエ
ツチングを続けた場合を説明したが、本発明にお
いては、圧力基準室42の空洞の形状は本質的に
重要ではなく、要は可動ダイヤフラム100が圧
力によつてたわむときそのたわみを阻止すること
がない充分な間〓が得られればよい。例えば消失
膜30の全てがエツチング除去され、半導体基板
28が全くエツチングされていない場合において
も、圧力基準室42は形成されており、何等本発
明の効果は変ることはない。
このようにして、本発明によれば基板28とダ
イアフラム膜32との間に、消失膜30の寸法に
従つた大きさの圧力基準室42を形成することが
可能となる。
この際、本発明によれば、圧力基準室42の上
面側に位置するダイアフラム膜32は、耐エツチ
ング性の材料を用いて形成されるため、ほとんど
エツチング除去されることはない。この結果、ダ
イアフラム膜32と絶縁性保護膜36との積層膜
は、圧力基準室42に対する可動ダイアフラム1
00として機能することとなる。
本発明において、この可動ダイアフラム100
の形状は、前述したように、消失膜30の形状と
ほぼ一致し、従つて、消失膜30の形状を予め設
定することにより、従来のように基板28の厚さ
のばらつきに影響されることなく、ダイアフラム
100を十分小さく、しかも所望の形状に精度良
く形成することが可能となる。
更に、本発明によれば可動ダイアフラム100
の膜厚は、ダイアフラム膜32と絶縁性保護膜3
6との双方の膜厚を合計した値となるため、周知
の膜厚形成技術を用い、ダイアフラム100の膜
厚を予め設定した所望の値に薄くかつ精度良く形
成することが可能となる。
このように、本発明によれば、ダイアフラムの
寸法、形状及び膜厚を予め設定した形状及び値に
従い、十分に小さくかつ精度良く設定することが
可能となり、その結果、小型でかつ高精度の圧力
センサを得ることが可能となる。
また、本発明の方法によれば、このようにして
圧力基準室42及び可動ダイアフラム100を形
成した後、必要に応じこの圧力基準室42を作成
するために設けられたエツチング液注入口40を
封止部材44を用いて密封する。
この時、本発明のセンサを絶対圧測定型として
形成する場合には、圧力基準室42内を真空に保
つたまま封止部材44を用いてエツチング液注入
口40の全てを密封する。
またこれとは逆に、本発明のセンサを差圧測定
型として形成する場合には、エツチング液注入口
40に圧力基準室42へ向け第2の圧力を導入す
る圧力導入手段を設ける。
このようにすることにより、ダイアフラム10
0の表面側に印加される第1の圧力と裏面側に印
加される第2の圧力との差圧を歪みゲージ34の
抵抗変化として測定することが可能となる。
また、本発明においては歪みゲージ34の表面
を絶縁性保護膜36により被覆しているため、こ
の歪みゲージ34から信号を取出す電極を設ける
必要がある。このため絶縁性保護膜36の歪みゲ
ージ両端位置に接続口46を形成し、この接続口
46を介して歪みゲージ34に接続される電極3
8を形成すればよい。
このようにすることにより、歪みゲージ34の
抵抗変化を電極38を介して検出することが可能
となる。
従来例との比較 本発明の半導体圧力センサの製造方法は以上の
構成からなり、次にその特徴を従来例と比較して
具体的に説明する。
(a) 本発明によれば、製造処理工程の全ての半導
体基板28の主表面側でのみ行う、いわゆる片
面処理によつてセンサを形成することが可能と
なる。
すなわち、本発明によれば、基板28の主表
面側において、ダイアフラム100を周知の薄
膜形成技術をもつて形成し、また圧力基準室4
2は基板28の主表面側に形成されたエツチン
グ液注入口40からエツチング液を注入するこ
とにより形成し、更に、圧力基準室42の気密
封止は真空蒸着等の集積回路製造技術で行うこ
とができる。このように、全てのウエハ処理工
程を基板30の主表面側においてのみ行い、い
わゆる片面処理でセンサを形成することが可能
となる。
この結果、本発明によれば、従来の両面処理
のセンサに比しその製造工程が極めて簡単かつ
安価なものとなる。
(b) また、本発明によれば、周知の薄膜形成技術
を用いることにより、ダイアフラム100の膜
厚を予め決定した値に薄くかつ精度良く形成す
ることが可能となる。
更に、本発明によれば、ダイアフラム100
の大きさを半導体基板28の厚さのバラつきに
無関係に、予め設定した平面寸法で極めて小さ
くかつ精度良く形成することができる。
このように、本発明によれば、従来のセンサ
に比し、ダイアフラムをあらかじめ設定した膜
厚、寸法に小さくかつ精度良く形成することが
可能となり、小型でかつ高感度のセンサを得る
ことが可能となる。
(c) また、本発明によれば、圧力基準室42をダ
イアフラム膜32と基板28との間に形成して
いるため、絶対圧タイプのセンサを形成する
際、圧力基準室42の気密封止を真空蒸着等の
集積回路製造技術により簡単かつ確実に行うこ
とができる。この結果、本発明によれば、従
来、センサを量産化する上でのさまたげとなつ
ていた基板28と台座との気密接着が不要とな
り、センサの製造を大幅に簡素化することが可
能となる。
(d) また、本発明によれば、ダイアフラム膜32
上に設けられた歪みゲージ34を、絶縁性保護
膜36で被覆することにより、歪みゲージ34
を複数個設けた場合には、各歪みゲージ34が
それぞれ分離され、いわゆるP−N接合分離の
ような温度上昇に伴なう洩れ電流が増加するこ
とがなく、高温域まで安定に動作することが可
能となる。
(e) 更に、本発明によれば、半導体圧力センサ自
体を集積させて製造することが可能となる。
すなわち、本発明によれば、前述したよう
に、全製造処理工程をほぼ片面処理により行う
ことが可能であり、しかもダイアフラム100
を非常に薄くかつ小型に形成することができる
ため、圧力センサ自体を集積回路を構成する1
つの素子要素として扱い設計することが容易と
なり、しかも、センサ自体を集積回路製造技術
とほぼ同様の製造技術を用いて形成することが
できることから、圧力センサを所定の信号処理
回路、例えば増幅器等と同一基板28上に集積
させて形成することが可能となる。
実験によれば、本発明のダイアフラムは、従
来の半導体圧力センサのダイアフラムに比し、
その寸法を略1/10以下に形成可能であることが
確認されている。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、ダイア
フラムを薄く小さく形成することができるため、
小型かつ高精度の半導体圧力センサを得ることが
可能となり、しかもセンサの製造をいわゆる片面
処理で行うことができることから、量産が極めて
容易でかつ低価格のセンサを得ることが可能であ
る。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を図面に基づき説明
する。
第1実施例 まず本発明の好適な第1実施例を第1図及び第
2図に基づき説明する。
本実施例の半導体圧力センサにおいて、半導体
基板28は単結晶シリコン基板を用いて形成され
ており、この単結晶シリコン基板28の受圧領域
に消失膜30が被覆形成されている。
実施例において、この消失膜30は、単結晶シ
リコン基板28の主表面全面に多結晶シリコンを
減圧CVDを用い膜厚100nmに被覆し、これをフ
オトエツチングを用い受圧領域に相当する形状寸
法に加工することにより形成されている。
このように、単結晶シリコン基板28の受圧領
域に消失膜30が被覆形成されると、次にこの主
表面上には、その全域に渡りダイアフラム膜32
として窒化シリコン(Si3N4)が膜厚300nmに被
覆形成される。
そして、このダイアフラム膜32の表面所定位
置には、歪ゲージ34−1,34−2,34−
3,34−4が設けられており、実施例において
この歪ゲージ34は、ダイアフラム膜32の表面
に減圧CVDで多結晶シリコンを膜厚100nmに被
覆し、更にこの多結晶シリコンに不純物としてボ
ロンを熱拡散あるいはイオン注入法を用いて添
加、拡散してP型半導体を形成し、その後これを
フオトエツチングによつて部分的に除去すること
により形成される。
更に、この歪ゲージ34及びダイアフラム膜3
2の全表面上には、減圧CVDを用い、絶縁性保
護膜36として窒化シリコンが100nmの膜厚に
被覆形成される。
このようにして、基板28の主表面側に消失膜
30、ダイアフラム膜32及び絶縁性保護膜36
が被覆形成されると、次に受圧領域の所定位置に
おいて、前記絶縁性保護膜36、ダイアフラム膜
32を貫通して消失膜30に到達する直径2μm
のエツチング液注入口40がフオトエツチングを
用い開口形成され、このエツチング液注入口40
を介して基板28へ向け異方性エツチング液が注
入される。
実施例においては、前記異方性エツチング液と
して水酸化カリウム(KOH)水溶液が用いられ
ており、前記エツチング液注入口40からこのエ
ツチング液を注入すると注入口40を中心として
エツチングが進行する。
すなわち、エツチング液注入口40からエツチ
ング液を注入すると、第11図b,cに示すごと
く消失膜30は所定速度で横方向にエツチング除
去され、これと同時にシリコン基板28は同図に
示すごとく縦方向に所定深さまでエツチング除去
され、圧力基準室42となる空洞が形成される。
このとき、圧力基準室42の上面側に位置する
ダイアフラム膜32及び絶縁性保護膜36は、耐
エツチング材料、すなわち窒化シリコンを用いて
形成されているため、ほとんどエツチング除去さ
れることがなく、従つてダイアフラム膜32と絶
縁性保護膜36からなる積層膜の受圧領域、すな
わち消失膜30の設けられた領域が、圧力基準室
42に対する可動ダイアフラム100として機能
することになる。
なお、ここにおいて、各歪ゲージ34はダイア
フラム膜32と絶縁性保護膜36とによりサンド
イツチ状に被覆されているため、前記エツチング
液より何等影響を受けることがない。
本実施例においては、このようにして圧力基準
室42及び可動ダイアフラム100が形成される
と、次に真空蒸着あるいはスパツタリングにより
金属あるいは絶縁物が、絶縁性保護膜36上にエ
ツチング液注入口40を密封封止できる程度の厚
さに堆積される。そして、その後フオトエツチン
グで不要部分が除去され封止部材44が形成され
る。
このようにすることにより、圧力基準室42は
その内部が真空状態に保たれたまま密封封止され
ることになる。
その後、絶縁性保護膜36の歪ゲージ両端位置
をフオトエツチングにより除去して接続孔46を
形成し、ここにアルミニウム蒸着膜を被覆しこれ
をフオトエツチングにより適当な形状にすること
により電極38を形成する。
以上の構成とすることにより、本実施例の半導
体圧力センサは、ダイアフラム100の表面側よ
り印加された絶対圧力を歪ゲージ34の抵抗変化
として検出し、電極38を介して絶対圧力に比例
した信号を得ることができる。
本実施例においては、ダイアフラム100の直
径及び膜厚をそれぞれ50μm、0.5μm程度まで精
度良く小さく形成することができ、しかも
100KPaの圧力に対して2mV/V以上の優れた
出力感度を有することが実験により確認された。
このことから、この第1実施例によれば、ダイア
フラムの膜厚及び寸法を十分に小さく精度良く形
成し、小型でかつ高感度の半導体圧力センサを実
現可能であることが理解できる。
第2実施例 次に本発明の好適な第2実施例を、差圧測定型
のセンサを例に取り説明する。
なお、前記第1実施例と対応する部材には同一
符号を付しその説明は省略する。
第3図には第2実施例のセンサを示す平面説明
図が示されており、第4図にはその断面の概略説
明図が示されている。
実施例のセンサは、単結晶シリコン基板28の
表面に長方形状をした多結晶シリコンを消失膜3
0として被覆形成し、その後前記第1実施例と同
様に、ダイアフラム膜32、歪ゲージ34、絶縁
性保護膜及びエツチング液注入口40を設ける。
ここにおいてエツチング液注入口40から、水
酸化カリウム(KOH)水溶液から成る異方性エ
ツチング液を注入すると、第3及び第4図に示す
ごとく、消失膜30の形状に従い長方形状をした
空洞から成る圧力基準室42と可動ダイアフラム
100が形成される。
本実施例の特徴的事項は、長方形ダイアフラム
100の片側領域に歪ゲージ34を形成し、他方
の片側領域にエツチング液注入口40を形成した
ことにある。そして、この可動ダイアフラム10
0の他方の片側領域に、前記エツチング液注入口
40へ連通する圧力導入キヤツプ52を設け、圧
力基準室42内へ第2の圧力を印加する。
このようにすることにより、本実施例の半導体
圧力センサによれば、ダイアフラム100の表面
及び裏面に第1の圧力P1及び第2の圧力P2が
印加され、可動ダイアフラム100には両者の差
圧に比例した歪が発生し、この結果歪ゲージ34
からはこの差圧に比例した電気信号を得ることが
可能となる。
なお、第3図及び第4図においては理解を容易
にするために、絶縁性保護膜36、接続孔46及
び電極38の説明は省略してあるが、これら各部
材は前記第1実施例と同様に本実施例においても
設けられている。
第3実施例 次に本発明の好適な第3実施例を図面に基づき
説明する。
第5図にはこの第3実施例に係る半導体圧力セ
ンサの平面外観図が示されており、第6図にはそ
の−断面の概略説明図が示されている。な
お、前記各実施例と対応する部材には同一符号を
付しその説明は省略する。
本実施例の半導体圧力センサにおいて、半導体
基板28は(100)面を有するシリコン単結晶基
板を用いて形成されており、このシリコン単結晶
基板28の主表面受圧領域には消失膜30が所定
形状に被覆形成されている。
本実施例の特徴的事項は、この消失膜30を次
の手順に従つて被覆形成したことにある。
すなわち、まず基板28の主表面全域に窒化シ
リコン(Si3N4)からなる絶縁膜54を減圧CVD
を用い厚さ100nmに被覆形成し、次にフオトエ
ツチングを用いこの絶縁膜54の受圧領域に相当
する部分に正方形状の開口56を形成する。そし
て、その開口56を覆うように絶縁膜54上に所
定形状をした消失膜30を減圧CVDを用い厚さ
100nmに被覆形成する。
実施例において、この消失膜30の形状は、第
5図に示すごとく絶縁膜54の開口周縁部を覆う
ようほぼ正方形状に形成されており、しかも正方
形の4つの角にはその外側に向けそれぞれ突出し
た領域58を有するよう形成されている。
また、この消失膜30及びシリコン単結晶基板
28の主表面全域にはダイアフラム膜32として
窒化シリコンが減圧CVDを用い膜厚200nmに被
覆形成されている。
そして、このダイアフラム膜32の受圧領域所
定位置に、前記第1実施例と同様に歪ゲージ34
−1,34−2,34−3,34−4が減圧
CVD及びフオトエツチングを用いて形成され、
更にこのようにして形成された歪ゲージ34及び
ダイアフラ膜32の全表面上には、絶縁性保護膜
36として窒化シリコンが減圧CVDを用いて膜
厚200nmに被覆形成されている。
そして、第5図に示すごとく、4か所の突出領
域58においては、絶縁性保護膜36、ダイアフラ
ム膜32を貫通しシリコン消失膜30に到達する
4個のエツチング液注入口40を開口形成され、
このエツチング液注入口40を介して基板28へ
向け水酸化カリウム(KOH)水溶液から成る異
方性エツチング液が注入される。
このようにすることにより、本実施例において
は、消失膜30の全てと基板28の一部とがエツ
チング除去され、前述したように圧力基準室42
と可動ダイアフラム100が形成される。
その後、絶縁性保護膜36の歪ゲージ両端位置
に、接続孔46を設け、この接続孔46を介して
電極38を形成する。
また、その後、絶縁性保護膜36の表面全域
に、プラズマCVDを用い窒化シリコン60を
500nmの膜厚に被覆形成する。このようにする
ことにより、この窒化シリコン膜60は、各エツ
チング液注入口40の封止部材44として機能
し、更にセンサ表面のパツシベーシヨンを兼ねる
ことになる。
本実施例においては、正方形状をした可動ダイ
アフラム100の一辺の寸法を100μm、膜厚を
0.9μm程度まで小型化することができ、更に
100KPaの圧力に対し3mV/V以上の優れた出
力感度を有することが実験により確認された。
このように、この第3実施例によつても、ダイ
アフラムの寸法及び膜厚を十分に小さく精度良く
形成し、小型かつ高感度のセンサを実現可能であ
ることが理解できる。
第4実施例 次に本発明の好適な第4実施例を説明する。な
お、前記各実施例に対応する部材には同一符号を
付しその説明は省略する。
第7図には第3実施例に係るセンサの平面図が
示されており、第8図にはその断面概略説明図が
示されている。
本実施例のセンサは、前記第3実施例と同様
に、基板10の主表面上に絶縁膜54を被覆形成
し、その一端側に100μm角の正方形状をした開
口56を形成している。
そして、この開口56上には消失膜30が被覆
形成され、この消失膜30及びを絶縁膜54の表
面全域にはダイアフラム膜32が被覆形成され、
更にこのダイアフラム膜32の受圧領域所定位置
には第7図に示すごとく複数の歪みゲージ34−
1,34−2,34−3,34−4が設けられて
いる。
本実施例の特徴的事項は、歪みゲージ34−
1,……34−4の両端に接続される複数の電極
38を可動ダイアフラム100を横断し基板28
の他端側に向け延設している。
そして、このように歪みゲージ34及び電極3
8が設けられたダイアフラム膜32の表面全域に
は、絶縁性保護膜36を被覆形成され、更に前記
第3実施例と同様にして一端側にエツチング液注
入口40が形成され、このエツチング液注入口4
0からエツチング液を注入することにより、正方
形状した可動ダイアフラム100及び圧力基準室
42を形成する。
その後、絶縁性保護膜36上に前記第3実施例
と同様にして窒化シリコン膜60が所定の膜厚で
被覆形成され、エツチング液注入口40を密封す
る封止部材44として用いられる。
そして、基板10の他端側において、窒化シリ
コン膜60に電極38と連通する接続口46が形
成され、ここに接続端子38aが形成される。
このように、本実施例においては、基板10の
一端側にダイアフラム100、他端側に接続端子
38aが位置するよう形成されており、電極38
は前記可動ダイアフラム100側において露出し
ていないことから、各種液体や生体の圧力測定用
のセンサとして好適である。
実験によれば、本実施例の半導体圧力センサ
は、基板28の寸法を、150μm〜500μmまで小
さく形成可能であることが確認された。これによ
り、本実施例によれば超小型の半導体圧力センサ
が実現可能であるが理解される。
第5実施例 次に本発明の好適な第5実施例を説明する。
本実施例の特徴的事項は、半導体圧力センサを
集積回路と一体化して形成し、いわゆる集積化さ
れた半導体圧力センサとして用いたことにある。
第9図には、この第5実施例にかかる半導体圧
力センサの平面図が示されており、本実施例にお
いては、シリコン基板28の所定位置に前記第1
実施例及び第3実施例で説明した本発明の半導体
圧力センサ200が形成されており、更に、この
シリコン基板28上に、圧力センサ200からの
出力の増幅や信号処理を行う集積回路300と、
センサ200と集積回路300とを接続するリー
ド及び外部との接続とを行う複数の電極400が
形成されている。
このように、本発明によれば、半導体圧力セン
サを集積回路の構成素子要素の1つと見なすこと
ができる程度に小型に形成することができ、また
その製造も、片面処理により行うことが可能であ
り、しかも集積回路と同一の製造処理工程を用い
ることができる。
従つて、本発明は、この第5実施例で示すごと
く、半導体圧力センサを集積回路と一体化して、
いわゆる集積化センサとして製造する場合に極め
て好適なものであることが理解される。
他の実施例 なお、前記各実施例においては、窒化シリコン
からなるダイアフラム膜32と絶縁性保護膜36
との積層膜を可動ダイアフラム100として用い
る場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限
らず、これ以外にも、窒化シリコン膜で上下をサ
ンドイツチ状に挟んだ多層膜も可動ダイアフラム
100として用いることができ、例えば厚いダイ
アフラム100を必要とする場合には窒化シリコ
ン膜−多結晶シリコン膜−窒化シリコン膜の3層
膜が好適なものとなる。
更に、前記実施例においては、ダイアフラム膜
32、絶縁性保護膜36として、窒化シリコンを
用いる場合を例にとり説明したが、これ以外に
も、例えばアルミナ(Al2O3)、サフアイヤ
(Al2O3)、フツ化カルシウム(CaF2)等シリコン
基板30上に安定に堆積し、シリコンのエツチン
グ速度よりもそのエツチング速度が極めて遅い絶
縁材料であれば他の材料を用いることも可能であ
る。
更に、前記各実施例においては、歪みゲージ3
4として、多結晶シリコンを用いた場合を例にと
り説明しているが、これ以外にも、例えば多結晶
シリコンを再結晶化して単結晶化することによ
り、更に感度の向上を図ることが可能であり、ま
た、これ以外の材料でも、ダイアフラム膜上に安
定に堆積することができ、ピエゾ抵抗効果が充分
発揮できるものであれば、他の材料を用いても形
成することが可能である。
また、前記実施例においては、等方性エツチン
グ特性を有する消失膜30として、多結晶シリコ
ンを用いた場合を例に取り説明したが、本発明は
これに限らず、これ以外にも半導体基板28とダ
イアフラム膜32の界面よりも速い横方向エツチ
ング特性を有するものであれば他の材料を用いて
も形成することが可能であり、例えばリンガラス
等を用いて形成することも可能である。
このように、本発明の半導体圧力センサは、小
型かつ高精度のものとすることができるため、各
種用途に幅広く用いることが可能であり、例えば
気圧計、血圧計、自動車エンジン制御用の圧力セ
ンサ、工業(プラント)用の圧力伝送器、生体計
測用圧力センサ、ロボツト制御用圧力センサ等の
各種用途に用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明に係る半導体圧力セ
ンサ及びその製造方法の好適な第1実施例を示す
説明図、第3図及び第4図は本発明の好適な第2
実施例を示す概略説明図、第5図及び第6図は本
発明の好適な第3実施例を示す概略説明図、第7
図及び第8図は本発明の好適な第4実施例を示す
概略説明図、第9図は本発明の好適な第5実施例
を示す説明図、第10図は本発明に係る半導体圧
力センサ各部におけるエツチング特性を表わす特
性図、第11図は本発明に係る半導体圧力センサ
の製造方法における基準室形成工程の説明図、第
12図は従来の半導体圧力センサ及びその製造方
法を示す概略説明図である。 28……基板、30……消失膜、32……ダイ
アフラム膜、34……歪みゲージ、36……絶縁
性保護膜、38……電極、40……エツチング液
注入口、42……圧力基準室、44……封止部
材、46……接続孔、52……圧力導入キヤツ
プ、54……絶縁膜、56……開口、100……
可動ダイアフラム、200……半導体圧力セン
サ、400……電極。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 半導体基板の主表面受圧領域に等方性エツチ
    ング特性を有する消失膜を被覆形成する消失膜形
    成工程と、 耐エツチング材料から成る絶縁性ダイヤフラム
    膜を前記消失膜を覆うよう半導体基板の主表面上
    に被覆形成するダイアフラム膜形成工程と、 このダイヤフラム膜の受圧領域所定位置に少な
    くとも1個の歪みゲージを形成する歪みゲージ形
    成工程と、 耐エツチング材料から成る絶縁性保護膜を前記
    歪みゲージを覆うようダイヤフラム膜上に被覆形
    成する保護膜形成工程と、 受圧領域所定位置に前記絶縁性保護膜、ダイア
    フラム膜を貫通して消失膜を到達する少なくとも
    1個のエツチング液注入口を形成する注入口形成
    工程と、 このエツチング液注入口を介して異方性エツチ
    ング液を注入して、半導体基板の一部と消失膜の
    全てをエツチング除去し、所定形状をした圧力基
    準室とこれを覆う可動ダイアフラムとを形成する
    基準室形成工程と、 必要に応じてエツチング液注入口の少なくとも
    1つを封止部材を用いて密封する注入口封止工程
    と、 絶縁性保護膜の歪みゲージ両端位置に接続孔を
    形成する接続孔形成工程と、 この接続孔を介して歪みゲージに接続される電
    極を形成する電極形成工程と、 を含み、全処理工程を歪みゲージが設けられる半
    導体基板の主表面側においてのみ行うことを特徴
    とする半導体圧力センサの製造方法。 2 特許請求の範囲1記載の方法において、 消失膜形成工程は、半導体基板の主表面上に等
    方性エツチング特性を有する消失膜を被覆形成す
    る工程と、この消失膜を受圧領域に沿つた所定形
    状に加工する工程と、を含むことを特徴とする半
    導体圧力センサの製造方法。 3 特許請求の範囲1記載の方法において、消失
    膜形成工程は、半導体基板の主表面上に耐エツチ
    ング材料から成る絶縁膜を被覆する工程と、この
    絶縁膜の受圧領域に相当する部位に所定平面形状
    をした開口を形成する工程と、この開口を覆うよ
    う前記絶縁膜上に所定形状の消失膜を被覆形成す
    る工程と、を含むことを特徴とする半導体圧力セ
    ンサの製造方法。 4 特許請求の範囲3記載の方法において、注入
    口形成工程は、前記絶縁膜に形成された開口の周
    縁部において、前記絶縁性保護膜、ダイアフラム
    膜を貫通して前記絶縁膜上の消失膜に到達する少
    なくとも1個のエツチング液注入口を形成する工
    程を含むことを特徴とする半導体圧力センサの製
    造方法。
JP21767385A 1985-09-30 1985-09-30 半導体圧力センサの製造方法 Granted JPS6276784A (ja)

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