JP2001050257A - 動圧流体軸受装置及び電動機 - Google Patents

動圧流体軸受装置及び電動機

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JP2001050257A
JP2001050257A JP11219270A JP21927099A JP2001050257A JP 2001050257 A JP2001050257 A JP 2001050257A JP 11219270 A JP11219270 A JP 11219270A JP 21927099 A JP21927099 A JP 21927099A JP 2001050257 A JP2001050257 A JP 2001050257A
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radial
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thrust bearing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スラスト軸受部における動圧発生用溝部とし
てスパイラル溝を採用して軸受部における損失を低減さ
せ、電動機を比較的小電流で駆動することができる。 【解決手段】 中間径方向間隙拡大部18と外部に開口
する中間通気孔19を固定スリーブ体14内に設ける。
下ラジアル軸受部22におけるスリーブ部14a1の内
周面に、中心を下方に偏心させた動圧発生用のヘリング
ボーン溝22aを設ける。上下スラスト軸受部26・2
8に動圧発生用のポンプイン型のスパイラル溝26a・
28aを設ける。スラスト支持部16の上面における外
方部に一端が開口し、他端が中間通気孔19の径方向中
間位置に開口するスラスト部通気孔34を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸部から張り出し
てなるスラスト板部を有してなる軸体とスリーブ体の一
方に対し他方が潤滑液を介し回転自在に支持されてなる
動圧流体軸受装置及びその動圧流体軸受装置を備えた電
動機、特に、ベアリングによる損失が小さい動圧流体軸
受装置、及びその動圧流体軸受装置を備え、比較的小電
流で駆動することができる電動機に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図5
は、軸部aの下端に外嵌固定されたスラスト板部bを有
する上下方向の回転軸体cが、軸部aにスリーブ嵌合し
たスリーブ部dとスラスト板部bに外嵌した径方向内方
開口の環状のスラスト溝部eとを有し下端部が閉塞され
てなる固定スリーブ体fに対し、潤滑油(潤滑液)を介
し回転自在に支持された動圧流体軸受装置を備えたハー
ドディスク駆動用のスピンドルモータ(電動機)の従来
例についての断面図である。
【0003】スリーブ部dと軸部aの間には、それぞれ
動圧発生用のヘリングボーン溝部が設けられた上ラジア
ル軸受部g及び下ラジアル軸受部hが形成され、両者の
間に、径方向間隙拡大部iが設けられている。
【0004】間隙拡大部iは、固定スリーブ体fに設け
られた通気孔jを介して外部(スピンドルモータ内にお
ける固定スリーブ体fの外部)に連通し、ロータkとブ
ラケットlの間隙mを介して外気に通じている。
【0005】また、間隙拡大部iは、回転軸体cに設け
られた径方向通気孔n及び軸方向通気孔oを介して回転
軸体cの下端の凹部pに連通している。スラスト板部b
と軸部aの間には軸心方向の呼吸孔qが設けられ、スラ
スト板部b内には、呼吸孔qの軸心方向中間位置とスラ
スト板部bの外周面を連通する呼吸孔rが設けられてい
る。
【0006】スラスト板部bの上下面とスラスト溝部e
の上下面の間には、それぞれ動圧発生用のヘリングボー
ン溝部が設けられたスラスト軸受部sが形成されてい
る。
【0007】上ラジアル軸受部gにおける潤滑油に混在
し得る気泡は、その上部においてスリーブ部dの上端と
軸部aの間から、また下部において間隙拡大部i及び間
隙mを介して、それぞれ外部に解放され得る。下ラジア
ル軸受部hにおける潤滑油に混在し得る気泡は、その上
部において間隙拡大部i及び間隙mを介して、下部にお
いて呼吸孔q、凹部p、軸方向通気孔o、径方向通気孔
n、間隙拡大部i及び通気孔jを介して、それぞれ外部
に解放され得る。また、各スラスト軸受部sにおける潤
滑油中に混在し得る気泡は、呼吸孔q、凹部p、軸方向
通気孔o、径方向通気孔n、間隙拡大部i及び通気孔j
を介して外部に解放され得る。このように、各ラジアル
軸受部の軸心方向両端及び各スラスト軸受部の径方向両
端、すなわち動圧発生用溝部による圧力が最低となる部
分をそれぞれ外気に通じさせ、それらの部分において潤
滑油中の気泡を外部に解放することにより、温度上昇や
気圧低下時の気泡膨張による潤滑油の流出・散逸を防い
でいる。
【0008】このようなスピンドルモータにより駆動す
るハードディスク駆動装置をノートパソコン等の携帯型
の機器に使用する場合、内蔵バッテリによる無充電での
稼動時間をできるだけ長くするために、スピンドルモー
タを駆動するための電流を低減させる要請が強い。しか
しながら、上記のような従来の動圧流体軸受装置を備え
たハードディスク駆動用のスピンドルモータにおいて
は、各軸受部における損失が比較的大きいため比較的大
きな駆動電流を必要とし、内蔵バッテリによる携帯型機
器の長時間稼動を阻む一因となっていた。
【0009】一方、回転軸体cの軸部aに、ハードディ
スクのクランプ等のためのディスククランプ用の雌ねじ
部tが設けられることがあるが、軸方向通気孔oや径方
向通気孔n等と軸部a内のスペースの取り合いになり、
設計面の自由度が低下し、加工上の難点となる場合もあ
った。更に、上記のように必要な通気孔及び呼吸孔の数
が多いことは、製造コストの増大要因となっていた。特
に、スラスト板部bに上記のような呼吸孔q及び呼吸孔
rを設ける必要があることは、コストアップは勿論、軸
部aとスラスト板部bからなる回転軸体cを一体物とす
ることを困難としていた。
【0010】本発明は、従来技術に存した上記のような
課題に鑑み行われたものであって、その目的とするとこ
ろは、スラスト軸受部における動圧発生用溝部としてス
パイラル溝を採用して軸受部における損失を低減させる
ことができる動圧流体軸受装置、及びその動圧流体軸受
装置を備え、比較的小電流で駆動することができる電動
機を提供することにある。
【0011】また本発明の別の目的は、潤滑液中に混在
し得る気泡を確実に排除し得る動圧流体軸受装置及びそ
の動圧流体軸受装置を備えた電動機を提供することにあ
る。
【0012】更に別の目的は、潤滑液中に混在し得る気
泡を、軸体以外の部分に設けた通気孔を通じて外部に解
放することができる動圧流体軸受装置及びその動圧流体
軸受装置を備えた電動機を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の動圧流体
軸受装置は、軸部とその軸部よりも径方向外方へ張り出
してなるスラスト板部とを有してなる軸体と、前記軸部
にスリーブ嵌合したスリーブ部と前記スラスト板部に外
嵌したスラスト支持部《径方向及び軸心方向において外
嵌。環状溝、その一方の内方が閉塞》とを有してなるス
リーブ体と、前記軸体とスリーブ体との間隙に充填され
た潤滑液を備えてなり、主に、前記軸部とスリーブ部が
径方向に相対する1又は2以上のラジアル軸受部、及び
前記スラスト板部が軸心方向における両側において前記
スラスト支持部とそれぞれ軸心方向に相対する両スラス
ト軸受部において、前記軸体とスリーブ体の一方に対し
他方が前記潤滑液を介して相対回転自在に支持されてな
る動圧流体軸受装置であって、前記ラジアル軸受部の1
つは前記両スラスト軸受部の一方に隣接し、そのラジア
ル軸受部に、前記潤滑液を隣接するスラスト軸受部に向
かう方向にポンピングするよう軸心方向に不平衡に形成
された動圧発生用のヘリングボーン溝部を有し、ラジア
ル軸受部に隣接するスラスト軸受部に、前記潤滑液を径
方向内方にポンピングする動圧発生用のスパイラル溝部
を有することを特徴とする(請求項1)。
【0014】軸体及びスリーブ体の一方に対し他方が所
定速度で回転することにより、スラスト軸受部に隣接す
るラジアル軸受部における潤滑液に、軸体及びスリーブ
体の一方に対する他方の調芯に必要な動圧が発生する。
而も、スラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部に有す
るヘリングボーン溝部は、そのスラスト軸受部に向かう
方向に潤滑液をポンピングするため、隣接するスラスト
軸受部におけるスパイラル溝部が径方向内方に潤滑液を
ポンピングすることと相俟って、前記ラジアル軸受部に
隣接するスラスト軸受部における潤滑液に軸心方向の負
荷を支持し得る動圧が発生する。このようにして、ラジ
アル軸受部に隣接するスラスト軸受部における動圧発生
用溝部として、径方向内方に潤滑液をポンピングするポ
ンプイン型のスパイラル溝部を用いることができる。
【0015】ポンプイン型のスパイラル溝部は、動圧発
生の効率が良く、ヘリングボーン溝に比べて潤滑液の粘
性抵抗が小さいため、スラスト軸受部における損失を可
及的に減少させることができる。また、動圧発生の効率
が良いためスラスト板部を小径化することが可能であ
り、そのような小径化によって、スラスト板部の周速に
比例する傾向があるスラスト軸受部における損失を一層
減少させることができる。そしてこのような動圧流体軸
受装置を備えた電動機の駆動電流の電流値は、可及的に
低減させることが可能である。
【0016】軸体を構成する軸部とスラスト板部は、一
体に形成されたものであってもよく、別体の部品を結合
してなるものであってもよい。通常、軸部は、軸心線に
対し回転対称状をなす略円柱形状であり、スラスト板部
は、通常、軸心線に対し垂直で回転対称状をなす環状板
形状である。
【0017】スリーブ体は、軸心方向における一方にお
いて軸体(例えば軸部)との間が全周にわたり外部に実
質上開放され、他方において軸体(例えばスラスト板
部)を内部に実質上閉塞するものとすることができる。
例えば、軸体が、軸部の一端に略円板状のスラスト板部
を有するものである場合、スラスト支持部は、略円板状
のスラスト板部のうち軸部突出部分を除く全体に対し軸
心方向及び径方向に外嵌したものとすることができる。
また、スリーブ体は、軸心方向における両方において軸
体(例えば軸部)との間が全周にわたり外部に実質上開
放されたものとすることもできる。この場合スラスト支
持部は、例えばスラスト板部のうち軸部よりも径方向外
方に張出した環状部分に外嵌した径方向内方開口の環状
溝形状であるものとすることができる。なお、スリーブ
体が固定され、軸体が回転軸体として回転するものとす
ることができる他、軸体が固定され、スリーブ体が回転
スリーブ体として回転するものとすることもできる。
【0018】スラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部
の前記隣接スラスト軸受部とは逆(軸心方向における
逆)の側は、表面張力により潤滑液を各軸受部に保持し
得るよう漸次軸部とスリーブ部の径方向間隙を拡大させ
る径方向間隙拡大部とし、この径方向間隙拡大部に潤滑
液の界面を有し、界面の気体側は外部(スリーブ体の外
部、通常の場合大気等の外気)に通じるものとすること
が望まれる。
【0019】潤滑液としては、例えばスピンドル油等の
各種潤滑油を用いることができる。潤滑液は、通常、ス
ラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部から、その隣接
スラスト軸受部を経て他方のスラスト軸受部まで、軸体
とスリーブ体の間隙に実質上連続した状態とする。
【0020】スラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部
における動圧発生用のヘリングボーン溝部は、潤滑液を
隣接するスラスト軸受部に向かう方向にポンピングする
よう軸心方向に不平衡に形成されたものであり、潤滑液
に発生する圧力は、隣接スラスト軸受部側に偏った位置
において高くなり、そのラジアル軸受部の前記隣接スラ
スト軸受部とは逆の側において最も低くなる。なお、本
発明の動圧流体軸受装置における各動圧発生用溝部は、
軸体とスリーブ体の何れに設けることもできる。
【0021】ラジアル軸受部に隣接するスラスト軸受部
における動圧発生用のスパイラル溝部は、潤滑液を径方
向内方にポンピングするので、潤滑液に発生する圧力は
径方向内方において高くなり、スラスト軸受部の外周側
において最も低くなる。
【0022】両スラスト軸受部のうち、前記のラジアル
軸受部に隣接するスラスト軸受部以外のスラスト軸受部
には、ヘリングボーン溝部やスパイラル溝部等の潤滑液
に軸心方向の負荷を支持し得る動圧を発生させる動圧発
生用溝部を設けることが望まれる。このような動圧発生
用溝部は、潤滑液に発生させる圧力がスラスト軸受部の
外周側において低くなるものであることが好ましい。
【0023】(1-1) 両スラスト軸受部のうち、上記の
ラジアル軸受部に隣接するスラスト軸受部以外のスラス
ト軸受部には、潤滑液を径方向内方にポンピングする動
圧発生用のスパイラル溝部を有し、そのスラスト軸受部
の径方向内方側は外部に対し密封され、そのスラスト軸
受部及びその径方向内方側に潤滑液が実質上連続してい
るものとすることが望ましい(請求項2)。
【0024】この場合、ラジアル軸受部に隣接するスラ
スト軸受部以外のスラスト軸受部及びその径方向内方側
における潤滑液はスパイラル溝部により径方向内方にポ
ンピングされ、そのスラスト軸受部の径方向内方側は閉
じた空間であるので、潤滑液に軸心方向の負荷を支持し
得る動圧が発生する。ポンプイン型のスパイラル溝部と
することにより、スラスト板部を小径化することができ
るので、このスラスト軸受部における損失をより減少さ
せることができ、このような動圧流体軸受装置を備えた
電動機の駆動電流の電流値は、より低減させることが可
能である。潤滑液に発生する圧力は、このスラスト軸受
部の径方向内方において高くなり、スラスト軸受部の外
周側において最も低くなる。
【0025】(1-2) スラスト軸受部に隣接するラジア
ル軸受部の軸心方向における前記隣接スラスト軸受部と
は逆の側にラジアル軸受部を有さない場合、スリーブ体
の軸心方向における一方と軸体との間の全周にわたり外
部に実質上開放された部分を通じて、そのラジアル軸受
部の軸心方向における前記隣接スラスト軸受部とは逆の
側が外部に連通するものとすることができる。
【0026】スラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部
の軸心方向における前記隣接スラスト軸受部とは逆の側
に、別のラジアル軸受部を有する場合、それらのラジア
ル軸受部同士の間に、軸部の外周面とスリーブ部の内周
面との径方向間隙が両ラジアル軸受部よりも大きい環状
の中間径方向間隙拡大部を有し、その中間径方向間隙拡
大部に開口して外部(スリーブ体の外部)に連通する中
間通気孔を有するものとすることができる(請求項
3)。
【0027】スラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部
において潤滑液中の気泡は潤滑液の圧力が最も低くなる
側、すなわち軸心方向における前記隣接スラスト軸受部
とは逆の側へ集まり易く、中間径方向間隙拡大部を経、
中間通気孔を通じて外部に解放される。隣接スラスト軸
受部の側から気泡を解放する必要がないので、スラスト
板部内や軸部内に通気孔を設けて隣接スラスト軸受部の
側を外部に通じさせる必要もない。中間通気孔は、一般
に、製造容易性の点でスリーブ体内に設けることが望ま
しい。
【0028】中間径方向間隙拡大部は、少なくとも軸心
方向両端部が、両ラジアル軸受部に向かって径方向間隙
が漸次縮小するものとし、各径方向間隙漸次縮小部にそ
れぞれ潤滑液の界面が位置するものとすることが望まし
い。更に、各径方向間隙漸次縮小部に十分な径方向間隙
を形成して十分な量の潤滑液が保持され、両ラジアル軸
受部(及びスラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部を
通じてその隣接スラスト軸受部)に対し潤滑液が十分に
補給されるようにすることが望ましい。中間径方向間隙
拡大部は、軸心方向のまわりに回転対称状をなすものと
することができる。
【0029】前記の別のラジアル軸受部は、潤滑液の圧
力を高める動圧発生用溝部を有するものとすることが好
ましく、その動圧発生用溝部としては、例えば発生する
圧力が軸心方向中央を中心として均衡したもの、具体的
には、そのラジアル軸受部の軸心方向における中央を中
心として軸心方向に対称に形成されたヘリングボーン溝
を採用し得る。この別のラジアル軸受部における軸心方
向一方側は、中間径方向間隙拡大部に臨む。他方側はス
リーブ体の軸心方向における一方と軸体との間の全周に
わたり外部に実質上開放された部分を経て外部に通じる
ものとすることができる。この別のラジアル軸受部の軸
心方向における前記中間径方向間隙拡大部とは逆の側
は、表面張力により潤滑液を各軸受部に保持し得るよう
漸次径方向間隙を拡大させる径方向間隙拡大部とし、こ
れらの径方向間隙拡大部に潤滑液の界面を有するものと
することが望ましい。このラジアル軸受部における潤滑
液中に混在し得る気泡は、中間径方向間隙拡大部を経、
スリーブ体内の中間通気孔を通じて外部に解放される
か、或いは、例えばスリーブ体の軸心方向における一方
と軸体との間の全周にわたり外部に実質上開放された部
分を経て外部に解放される。
【0030】中間通気孔は、中間径方向間隙拡大部に1
又は2以上開口するものとすることができる。その開口
位置は、中間径方向間隙拡大部における径方向間隙が最
大の位置とすることが好ましい。
【0031】(1-3) 上記動圧流体軸受装置は、スラス
ト板部とスラスト支持部の間隙のうち、スラスト軸受部
の外周部若しくはそれよりも径方向外方部分又はそれら
両方にわたる部分に(1又は2以上)開口して外部に連
通するスラスト部通気孔を有するものとすることが望ま
しい(請求項4)。
【0032】ラジアル軸受部に隣接するスラスト軸受部
において潤滑液中の気泡は潤滑液の圧力が最も低くなる
側、すなわちスラスト軸受部の外周側へ集まり易く、ス
ラスト部通気孔を経て外部に解放される。上記(1-1)の
場合のラジアル軸受部に隣接するスラスト軸受部以外の
スラスト軸受部についても同様である。スラスト軸受部
の径方向内方側から気泡を解放する必要がないので、ス
ラスト板部内や軸部内に通気孔を設けてスラスト軸受部
の径方向内方側を外部に通じさせる必要もない。
【0033】スラスト部通気孔は、一般に、スリーブ体
内に設けることが望ましい。
【0034】スラスト部通気孔は、スラスト板部とスラ
スト支持部の間隙に対し、例えば軸心方向若しくはほぼ
軸心方向又は開口部に向かって径方向外側寄りに傾斜し
て開口するものとすることができる。回転時に潤滑液が
遠心力によりスラスト部通気孔を通じて流出するのを防
ぐためである。
【0035】(1-4) 上記動圧流体軸受装置は、中間通
気孔及びスラスト部通気孔がスリーブ体内に設けられ、
軸体内には設けられていないものとすることが望ましい
(請求項5)。
【0036】軸体(軸部とスラスト板部の両方又は一
方)に通気孔を設ける必要がなく、製造工程が容易にな
って製造コストを大きく削減し得る。また軸部とスラス
ト板部が一体の軸体であっても必要な通気孔を容易に形
成し得る。
【0037】(1-5) 上記(1-3)又は(1-4)の動圧流体軸
受装置は、スラスト軸受部の外周部若しくはそれよりも
径方向外方部分又はそれら両方にわたる部分に対し、ス
ラスト部通気孔がほぼ軸心方向に開口し、そのスラスト
部通気孔の開口端部が、軸心方向に対し傾斜する傾斜面
により拡開しているものとすることが望ましい(請求項
6)。
【0038】この傾斜面による拡開方向は、特に限定さ
れない。例えば、何れかの方向に傾斜するもの、ほぼ一
定中心角にわたる扇状の傾斜面、又は全方向に漏斗状に
傾斜するもの等とすることができる。
【0039】開口端部を拡開させる傾斜面において表面
張力により潤滑液の界面が保持されるので、余分な潤滑
液をスラスト部通気孔の開口端部に保持し得ると共に、
スラスト軸受部(及びスラスト軸受部に隣接するラジア
ル軸受部)に対しその潤滑液を補給することができる。
【0040】(1-6) なお、スラスト部通気孔及び中間
通気孔は、潤滑液がそれらの内部を閉塞した状態でそれ
らの内部に表面張力(毛細管現象)により保持されるこ
とが防がれる程度に大きい横断面サイズであるものとす
ることが好ましい。また、スラスト部通気孔及び中間通
気孔は、一部共通又は連結したものであっても差し支え
ない。スリーブ体が回転するものである場合、スラスト
部通気孔及び中間通気孔は回転のバランスを崩さないよ
う配することが望まれる。
【0041】本発明の動圧流体軸受装置は、電動機の
他、種々の機械器具に利用することができる。
【0042】(2) 本発明の電動機は、上記動圧流体軸
受装置を備え、軸体又はスリーブ体がロータと一体的に
回転するものである(請求項6)。
【0043】スリーブ体が固定され、軸体が回転軸体と
して回転するものとすることもでき、軸体が固定され、
スリーブ体が回転スリーブ体として回転するものとする
こともできる。
【0044】この電動機は、ハードディスク等の磁気デ
ィスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、C
D−RW、DVD−ROM、DVD−RAM等の光ディ
スクを始めとする記録媒体、特に円盤状記録媒体を駆動
するためのスピンドルモータの他、種々の電動機として
用いることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図1乃至
図3を参照しつつ説明する。
【0046】図1乃至図3は、本発明の実施の形態の一
例としての動圧流体軸受装置についてのものであって、
そのうち図1は断面図及びその一部拡大図、図2は、図
1におけるスリーブ形成体のII−II線断面図、図3は、
図1におけるスリーブ形成体の底面図である。図4は、
図1乃至図3の動圧流体軸受装置を備えたハードディス
ク駆動用のスピンドルモータ(電動機)の断面図であ
る。尤も、この動圧流体軸受装置は、他の電動機や種々
の機械器具にも利用し得る。
【0047】回転軸体12は、上下方向の軸部12a
と、その軸部12aの下端部に環状板状に同軸状に張出
してなる円板状のスラスト板部12bからなる一体物で
ある。軸部12aの外周面の上下中間部は断面円弧状の
環状円弧凹部12a1に形成されている。軸部12aの
上端部は、上方に向かって漸次縮径された後、更に一定
径の小径部12a2に縮径されている。軸部12aに
は、上方開口の軸心方向の雌ねじ部13が設けられてい
る。
【0048】回転軸体12には、スリーブ形成体14a
と固定スラスト板14bからなる固定スリーブ体14が
外嵌されている。スリーブ形成体14aにおけるスリー
ブ部14a1は、軸部12aのうちスラスト板部12b
と上端の小径部12a2との間の部分にスリーブ嵌合し
ている。スリーブ形成体14aにおけるスリーブ部14
a1の下方の内径は、下方に向かって、中内径部14a
2及び大内径部14a3へと順次拡径されている。この
大内径部14a3に円板状の固定スラスト板14bが内
嵌固定されることにより、スラスト板部12bに対し径
方向及び軸部12aを除く軸心方向に外嵌したスラスト
支持部16が形成されている。
【0049】スリーブ部14a1の内周面の上下中間部
は、溝底の断面が平坦な環状凹部14a4に形成され、
環状円弧凹部12a1と相対している。環状凹部14a
4と環状円弧凹部12a1の間には、環状の中間径方向
間隙拡大部18が形成されている。また、両端が環状凹
部14a4の上下中間位置と固定スリーブ体14の外周
面にそれぞれ開口する径方向の中間通気孔19が、固定
スリーブ体14内に設けられている。
【0050】中間径方向間隙拡大部18の上下における
スリーブ部14a1と軸部12aの間には、それぞれ上
ラジアル軸受部20及び下ラジアル軸受部22が形成さ
れている。上ラジアル軸受部20におけるスリーブ部1
4a1の内周面には、中心(溝の折曲位置)をその上ラ
ジアル軸受部20の上下中間位置に位置させて上下対称
状に形成した動圧発生用のヘリングボーン溝20a(図
1には破線で模式的に示されている)が設けられてい
る。回転軸体12の回転時には、ヘリングボーン溝20
aによって、上ラジアル軸受部20に充填された潤滑油
Vに、上下中間位置に向かって上下均衡して圧力が高ま
るように動圧が発生し、上下端において最も圧力が低く
なる。一方、下ラジアル軸受部22におけるスリーブ部
14a1の内周面には、中心(溝の折曲位置)を下方に
偏心させ、潤滑油Vを下方にポンピングするよう軸心方
向に不平衡に形成した動圧発生用のヘリングボーン溝2
2a(図1には破線で模式的に示されている)が設けら
れている。回転軸体12の回転時にヘリングボーン溝2
2aによって下ラジアル軸受部22に充填された潤滑油
Vに発生する動圧は、下ラジアル軸受部22の下端に近
い位置に偏って高まり、下ラジアル軸受部22の上端に
おいて最も低くなる。
【0051】上ラジアル軸受部20の上側は、軸部12
aが漸次縮径されてスリーブ部14a1との間隙を漸次
拡大させる径方向間隙拡大部24に臨み、上ラジアル軸
受部20に充填された潤滑油Vの上方界面は、表面張力
により径方向間隙拡大部24に位置する。上ラジアル軸
受部20の下側は、中間径方向間隙拡大部18に臨み、
上ラジアル軸受部20に充填された潤滑油Vの下方界面
は、表面張力により中間径方向間隙拡大部18の上半部
における中間通気孔19の開口部よりも上方(上方に向
かって漸次径方向間隙が縮小する部分)に位置する。
【0052】下ラジアル軸受部22の上側は、中間径方
向間隙拡大部18に臨み、下ラジアル軸受部22に充填
された潤滑油Vの上方界面は、表面張力により中間径方
向間隙拡大部18の下半部における中間通気孔19の開
口部よりも下方(下方に向かって漸次径方向間隙が縮小
する部分)に位置する。
【0053】中間径方向間隙拡大部18の上下にはそれ
ぞれ十分な量の潤滑油Vが保持され、上ラジアル軸受部
20及び下ラジアル軸受部22に対し潤滑油Vが十分に
補給され得る。
【0054】スラスト支持部16の上下面は、実質上平
行に構成された内周側から外周側に向かって内外中間位
置においてそれぞれ漸次上下に傾斜して離隔した後、再
び実質上平行となる。スラスト支持部16の上下面のう
ち実質上平行に構成された内周側とスラスト板部12b
の上下面の間に、それぞれ上スラスト軸受部26及び下
スラスト軸受部28が形成され、そのスラスト支持部1
6の上下面のうち実質上平行に構成された内周側には、
それぞれ動圧発生用のポンプイン型のスパイラル溝26
a・28a(図1には破線で模式的に示されている)が
設けられている。回転軸体12の回転時には、スパイラ
ル溝26a・28aによって、上スラスト軸受部26及
び下スラスト軸受部28にそれぞれ充填された潤滑油V
に、矢示(破線)のように径方向内方に向かって圧力が
高まるように動圧が発生する。潤滑油Vに発生する動圧
は、上スラスト軸受部26及び下スラスト軸受部28の
外周側において最も低くなる。
【0055】潤滑油Vは、下ラジアル軸受部22の上方
界面から、下ラジアル軸受部22、上スラスト軸受部2
6、スラスト板部12bの外周側、下スラスト軸受部2
8、及びその径方向内方に至るまで、実質上連続した状
態で充填されている。中間径方向間隙拡大部18に保持
された潤滑油Vは、下ラジアル軸受部22を通じて上ス
ラスト軸受部26に補給され得る。
【0056】スラスト部通気孔34は、スラスト支持部
16の上面におけるスパイラル溝26aの外周縁からそ
れよりも径方向外方の部分に一端が開口し、他端が中間
通気孔19の径方向中間位置に開口するように、固定ス
リーブ体14内に軸心方向に設けられている。スラスト
部通気孔34のスラスト支持部16に対する開口端部3
4aは、主に径方向内方に傾斜するよう上に凸に湾曲し
た傾斜面34bにより拡開している。開口端部34aを
拡開させる傾斜面34bにおいて表面張力により潤滑油
Vの界面が保持されるので、余分な潤滑油Vをスラスト
部通気孔34の開口端部34aに保持し得ると共に、上
下スラスト軸受部26・28(及び上スラスト軸受部2
6に隣接する下ラジアル軸受部22)に対しその潤滑油
Vを補給することができる。
【0057】図4に示されるように、固定スリーブ体1
4の下部がブラケット36の内周環状壁部36aに同軸
状に内嵌固定され、回転軸体12の軸部12aの上端の
小径部12a2にカップ形のロータハブ38がその中央
嵌合孔38aにおいて嵌合固定され、内周環状壁部36
aに外嵌固定されたステータ40とロータハブ38の外
周壁部38bに内嵌固定された円筒状のロータマグネッ
ト42が径方向に相対するものとすることにより、軸回
転型のスピンドルモータ44が構成されている。固定ス
リーブ体14の外周部における中間通気孔19の開口部
は、内周環状壁部36aの上方においてスピンドルモー
タ44内に通じており、更に、ブラケット36とロータ
ハブ38の間隙46を通じて外気に通じている。
【0058】ハードディスク(図示せず)は、ロータハ
ブ38に外嵌され、雌ねじ部13にねじ止めされるクラ
ンプ部材(図示せず)により保持され得る。
【0059】ロータハブ38の回転による回転軸体12
の回転時には、上ラジアル軸受部20における潤滑油V
の圧力は上下中間位置に向かって上下均衡して圧力が高
まるので、潤滑油V中に混在し得る気泡は、中間径方向
間隙拡大部18を経、スリーブ体内の中間通気孔19を
通じて外部(スピンドルモータ44内における固定スリ
ーブ体14の外部、すなわち外気)に解放されるか、或
いは径方向間隙拡大部24を経て外部に解放される。
【0060】また、回転軸体12の回転時には、下ラジ
アル軸受部22における潤滑油Vに、ヘリングボーン溝
22aによって、下ラジアル軸受部22の下端に近い位
置に偏って圧力が高まるように動圧が発生すると共に、
上スラスト軸受部26における潤滑油Vに、スパイラル
溝26aによって、径方向内方に向かって圧力が高まる
ように動圧が発生するので、下ラジアル軸受部22にお
いて調芯に必要な動圧が潤滑油Vに発生すると共に、上
スラスト軸受部26における潤滑油Vに軸心方向の負荷
を支持し得る動圧が発生する。同時に、下スラスト軸受
部28の径方向内方側は閉じた空間であるので、下スラ
スト軸受部28における潤滑油Vに軸心方向の負荷を支
持し得る動圧が発生する。上下スラスト軸受部26・2
8におけるポンプイン型のスパイラル溝26a・28a
は、動圧発生の効率が良く、ヘリングボーン溝に比べて
潤滑油Vの粘性抵抗が小さいため、上下スラスト軸受部
26・28における損失を可及的に減少させることがで
きると共に、ヘリングボーン溝を用いる場合に比しスラ
スト板部12bが小径化されているので、回転による損
失を一層減少させることができ、スピンドルモータ44
の駆動電流の電流値を可及的に低減させることができ
る。
【0061】下ラジアル軸受部22の潤滑油Vに発生す
る動圧は下ラジアル軸受部22の上端において最も低く
なり、上スラスト軸受部26の潤滑油Vに発生する動圧
は、上スラスト軸受部26の外周側において最も低くな
る。下ラジアル軸受部22又は上スラスト軸受部26に
おける潤滑油V中に混在し得る気泡は、潤滑油Vが低圧
である側、すなわち下ラジアル軸受部22における上方
又は上スラスト軸受部26における径方向外方へ移動
し、下ラジアル軸受部22から中間径方向間隙拡大部1
8を経、固定スリーブ体14内の中間通気孔19を通じ
て外部に解放されると共に、上スラスト軸受部26から
軸心方向間隙拡大部30を経、固定スリーブ体14内の
スラスト部通気孔34及び中間通気孔19を通じて確実
性高く外部に解放される。また、下スラスト軸受部28
における潤滑油V中に混在し得る気泡は、同様に軸心方
向間隙拡大部32を経、固定スリーブ体14内のスラス
ト部通気孔34及び中間通気孔19を通じて確実性高く
外部に解放される。
【0062】このように、潤滑油V中に混在し得る気泡
を、固定スリーブ体14内にのみ設けたスラスト部通気
孔34及び中間通気孔19を通じて確実性高く外部に解
放させ得るので、温度上昇や気圧低下等による気泡の膨
張による潤滑液の流出・散逸を防止することができ、而
も、通気孔の数が少なく回転軸体12を一体物とするこ
とができるので、製造工程が容易で製造コストを大きく
削減し得る。
【0063】なお、例えば図1乃至図3に示される動圧
流体軸受装置における回転軸体12の上端部を電動機の
ブラケット等に固定して固定軸体とすると共に固定スリ
ーブ体14を回転スリーブ体とし、上下反転させること
により、固定軸体に対し回転スリーブ体が回転自在に支
持された動圧流体軸受装置を構成し得、その回転スリー
ブ体と共に回転するロータを設けることにより、軸固定
型の電動機を構成し得る。
【0064】また、本発明の動圧流体軸受装置及び電動
機は、スラスト部通気孔34や中間通気孔19等のよう
な通気孔を有しないものであっても使用し得る。
【0065】以上の実施の形態についての記述における
上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜のための
ものであって、実際の使用状態等を限定するものではな
い。
【0066】
【発明の効果】本発明の動圧流体軸受装置においては、
スラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部におけるヘリ
ングボーン溝部を、隣接スラスト軸受部に向かう方向に
潤滑液をポンピングするものとし、隣接スラスト軸受部
における動圧発生用溝部として、ポンプイン型のスパイ
ラル溝部を用いることができる。ポンプイン型のスパイ
ラル溝部は、動圧発生の効率が良く、ヘリングボーン溝
に比べて潤滑液の粘性抵抗が小さいため、スラスト軸受
部における損失を可及的に減少させることができる。ま
た、動圧発生の効率が良いためスラスト板部を小径化す
ることが可能であり、そのような小径化によって、スラ
スト板部の周速に比例する傾向があるスラスト軸受部に
おける損失を一層減少させることができる。
【0067】また、本発明の電動機は、スラスト軸受部
における損失を可及的に低減し得る本発明の動圧流体軸
受装置を備えるものであるため、その駆動電流の電流値
を可及的に低減させて消費電力を抑えることが可能であ
る。
【0068】請求項2の動圧流体軸受装置及びそれを備
えた電動機によれば、ラジアル軸受部に隣接するスラス
ト軸受部以外のスラスト軸受部における潤滑液に軸心方
向の負荷を支持し得る動圧を発生させ、このスラスト軸
受部における損失をより減少させることができ、このよ
うな動圧流体軸受装置を備えた電動機の駆動電流の電流
値を、より低減させることが可能である。
【0069】請求項3の動圧流体軸受装置及びそれを備
えた電動機においては、スラスト軸受部に隣接するラジ
アル軸受部において潤滑液中の気泡は軸心方向における
前記隣接スラスト軸受部とは逆の側へ集まるので、中間
径方向間隙拡大部を経、中間通気孔を通じて気泡を外部
に確実性高く解放することができる。
【0070】請求項4の動圧流体軸受装置及びそれを備
えた電動機においては、ラジアル軸受部に隣接するスラ
スト軸受部において潤滑液中の気泡は潤滑液の圧力が最
も低くなる側、すなわちスラスト軸受部の外周側へ集ま
り易く、スラスト部通気孔を経て外部に解放される。
【0071】請求項5の動圧流体軸受装置及びそれを備
えた電動機は、軸体(軸部とスラスト板部の両方又は一
方)に通気孔を設ける必要がなく、製造工程が容易にな
って製造コストを大きく削減し得る。また軸部とスラス
ト板部が一体の軸体であっても必要な通気孔を容易に形
成し得る。
【0072】請求項6の動圧流体軸受装置及びそれを備
えた電動機においては、余分な潤滑液をスラスト部通気
孔の開口端部に保持し得ると共に、その潤滑液をスラス
ト軸受部(及びスラスト軸受部に隣接するラジアル軸受
部)に対し補給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動圧流体軸受装置の断面図及びその一部拡大図
である。
【図2】図1におけるスリーブ形成体のII−II線断面図
である。
【図3】図1におけるスリーブ形成体の底面図である。
【図4】ハードディスク駆動用のスピンドルモータにつ
いての断面図である。
【図5】ハードディスク駆動用のスピンドルモータの従
来例についての断面図である。
【符号の説明】
12 回転軸体 12a 軸部 12a1 環状円弧凹部 12a2 小径部 12b スラスト鍔部 13 雌ねじ部 14 固定スリーブ体 14a スリーブ形成体 14a1 スリーブ部 14a2 中内径部 14a3 大内径部 14a4 環状凹部 14b 固定スラスト板 16 スラスト支持部 18 中間径方向間隙拡大部 19 中間通気孔 20 上ラジアル軸受部 20a ヘリングボーン溝 22 下ラジアル軸受部 22a ヘリングボーン溝 24 径方向間隙拡大部 26 上スラスト軸受部 26a スパイラル溝 28 下スラスト軸受部 28a スパイラル溝 30 軸心方向間隙拡大部 32 軸心方向間隙拡大部 34 スラスト部通気孔 34a 開口端部 34b 傾斜面 36 ブラケット 36a 内周環状壁部 38 ロータハブ 38a 中央嵌合孔 38b 外周壁部 40 ステータ 42 ロータマグネット 44 スピンドルモータ 46 間隙 V 潤滑油

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸部とその軸部よりも径方向外方へ張り出
    してなるスラスト板部とを有してなる軸体と、前記軸部
    にスリーブ嵌合したスリーブ部と前記スラスト板部に外
    嵌したスラスト支持部とを有してなるスリーブ体と、前
    記軸体とスリーブ体との間隙に充填された潤滑液を備え
    てなり、主に、前記軸部とスリーブ部が径方向に相対す
    る1又は2以上のラジアル軸受部、及び前記スラスト板
    部が軸心方向における両側において前記スラスト支持部
    とそれぞれ軸心方向に相対する両スラスト軸受部におい
    て、前記軸体とスリーブ体の一方に対し他方が前記潤滑
    液を介して相対回転自在に支持されてなる動圧流体軸受
    装置であって、前記ラジアル軸受部の1つは前記両スラ
    スト軸受部の一方に隣接し、そのラジアル軸受部に、前
    記潤滑液を隣接するスラスト軸受部に向かう方向にポン
    ピングするよう軸心方向に不平衡に形成された動圧発生
    用のヘリングボーン溝部を有し、ラジアル軸受部に隣接
    するスラスト軸受部に、前記潤滑液を径方向内方にポン
    ピングする動圧発生用のスパイラル溝部を有することを
    特徴とする動圧流体軸受装置。
  2. 【請求項2】両スラスト軸受部のうち、上記のラジアル
    軸受部に隣接するスラスト軸受部以外のスラスト軸受部
    に、潤滑液を径方向内方にポンピングする動圧発生用の
    スパイラル溝部を有し、そのスラスト軸受部の径方向内
    方側は外部に対し密封され、そのスラスト軸受部及びそ
    の径方向内方側に潤滑液が実質上連続している請求項1
    記載の動圧流体軸受装置。
  3. 【請求項3】スラスト軸受部に隣接するラジアル軸受部
    の隣接スラスト軸受部とは逆の側に、別のラジアル軸受
    部を有し、それらのラジアル軸受部同士の間に、軸部の
    外周面とスリーブ部の内周面との径方向間隙が両ラジア
    ル軸受部よりも大きい環状の中間径方向間隙拡大部を有
    し、その中間径方向間隙拡大部に開口して外部に連通す
    る中間通気孔を有する請求項1又は2記載の動圧流体軸
    受装置。
  4. 【請求項4】スラスト板部とスラスト支持部の間隙のう
    ち、スラスト軸受部の外周部若しくはそれよりも径方向
    外方部分又はそれら両方にわたる部分に開口して外部に
    連通するスラスト部通気孔を有する請求項1、2又は3
    記載の動圧流体軸受装置。
  5. 【請求項5】中間通気孔及びスラスト部通気孔がスリー
    ブ体内に設けられ、軸体内には設けられていない請求項
    4記載の動圧流体軸受装置。
  6. 【請求項6】スラスト軸受部の外周部若しくはそれより
    も径方向外方部分又はそれら両方にわたる部分に対し、
    スラスト部通気孔がほぼ軸心方向に開口し、そのスラス
    ト部通気孔の開口端部が、軸心方向に対し傾斜する傾斜
    面により拡開している請求項4又は5記載の動圧流体軸
    受装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4又は5記載の動圧流
    体軸受装置を備え、軸体又はスリーブ体がロータと一体
    的に回転する電動機。
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US20130033137A1 (en) * 2011-08-02 2013-02-07 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Spindle motor

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