JP2001050128A - 燃料噴射装置における燃料供給装置 - Google Patents

燃料噴射装置における燃料供給装置

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JP2001050128A
JP2001050128A JP11219616A JP21961699A JP2001050128A JP 2001050128 A JP2001050128 A JP 2001050128A JP 11219616 A JP11219616 A JP 11219616A JP 21961699 A JP21961699 A JP 21961699A JP 2001050128 A JP2001050128 A JP 2001050128A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料タンクTの底部の開口部Tbを、燃料ポ
ンプP、高圧フィルターFhを備える閉塞部材にて閉塞
するものにおいて、開口部Tbの開口を極力小径とする
とともに燃料タンクT内の燃料液面変動の影響を受ける
ことのない燃料供給装置を得る。 【構成】 凹部1Aを備えるポンプユニットケース1
に、燃料ポンプP、高圧フィルターFhが取付け手段K
にて取着され、燃料タンクTの開口部Tbはポンプユニ
ットケース1の凹部1Aにて閉塞される。燃料ポンプP
の長手軸芯線X−Xはポンプユニットケース1に略垂直
方向に配置される。高圧フィルターFh、取付け手段K
を燃料ポンプPの長手軸芯線X−Xに直交する面Y−Y
において、燃料吐出路4と燃料ポンプPの対向線上にお
ける最外側点A、Bを通る略円形C投影面内に配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンク内の燃料を
燃料ポンプにて昇圧し、この昇圧された燃料を高圧フィ
ルター、燃料噴射弁を介して機関へ供給する燃料噴射装
置に用いられる燃料供給装置に関し、そのうち特に燃料
タンクの底部に設けた開口部を閉塞部材にて閉塞すると
ともに該閉塞部材に少なくとも燃料ポンプ、高圧フィル
ターを取着した燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の燃料噴射装置における燃料供給装
置の第1例は、特開平10−157682号公報に示さ
れる。これによると、平板状の底板に取付け手段が立設
され、この取付け手段に燃料ポンプ、高圧フィルターが
取着され、高圧フィルターから延びる燃料吐出路が底板
を貫通して外部に向かって開口する。(これは図4に示
される。)そして、前記燃料ポンプ、高圧フィルターを
備えた底板が燃料タンクの底部の開口部を閉塞するもの
で、これによると、燃料タンクは密閉され、燃料ポン
プ、高圧フィルターは燃料タンク内に収納配置される。
(これは図2に示される)そして、燃料ポンプに通電さ
れて燃料ポンプが駆動すると、燃料ポンプは、燃料タン
ク内の底板の近傍に開口するポンプ吸入路より燃料タン
ク内の燃料を吸入し、ポンプ吐出路から昇圧された燃料
を高圧フィルターに向けて供給し、高圧フィルターにて
異物が除去された燃料は、燃料吐出路を介して外部の燃
料噴射弁に供給される。
【0003】従来の燃料噴射装置における燃料供給装置
の第2例は特開平10−213036号公報に示され
る。これによると、平板状の底板に上方に開口するサブ
カップが取着され、このサブカップ内に燃料ポンプが取
着される。又高圧フィルターは、燃料ポンプの側方にあ
って底板に取着され、燃料ポンプと高圧フィルターとは
ポンプ吐出路にて連絡され、高圧フィルターからのびる
燃料吐出路は底板を貫通して外部に向かって開口する。
そして、前記サブタンク、燃料ポンプ、高圧フィルター
を備えた底板が燃料タンクの底部の開口部を閉塞するも
ので、これによると燃料タンクは密閉され、サブカップ
を含む燃料ポンプ、高圧フィルターは燃料タンク内に収
納配置される。(これは図3に示される)そして、燃料
ポンプに通電されて燃料ポンプが駆動すると、燃料ポン
プは、サブカップの底部の近傍に開口するポンプ吸入路
より燃料タンクに連らなるサブカップ内の燃料を吸入
し、ポンプ吐出路から昇圧された燃料を高圧フィルター
に向けて供給し、高圧フィルターにて異物が除去された
燃料は、燃料吐出路を介して外部の燃料噴射弁に供給さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来例による
と、底板に取着された燃料ポンプの側方に高圧フィルタ
ーが配置されることから側方に大型化するもので、燃料
ポンプ、高圧フィルターが取着された底板によって燃料
タンクの底部の開口部を閉塞する際、該開口部の開口を
小径とすることができない。すなわち、前記開口部は、
燃料ポンプと側方に配置される高圧フィルターとが燃料
タンク内に向かって挿入できる大なる開口を必要とする
ものである。そして、燃料タンクの底部に大なる開口を
有する開口部を設けることは以下の不具合を有する。 (1)燃料タンクのタンク強度を確保する上で好ましく
ない。特に自動二輪車の如く、燃料タンクが直接外部に
露出するものにおいては充分なる燃料タンク強度を必要
とする。 (2)底板をもって燃料タンクの開口部を閉塞する際、
閉塞部分は液密的に保持されなければならない。このと
き開口部が大なる開口をなすと、底板と燃料タンクとの
間の閉塞部分の面圧を充分に上げることが困難で、これ
を解決する為に締付けビスの間隔を小としてビスの数を
増して面圧を上げる必要が生じ、これによると底板を燃
料タンクへ取着する為の部品点数の増加と組みつけ工数
が増加して好ましくない。 (3)燃料タンクに開口部を穿設する際、開口部は底板
との接合を考慮し、平坦部分に穿設される。このとき、
開口部が大開口をなすと大なる平坦部を必要とするもの
で、この大なる平坦部を設けることは燃料タンクの設計
的自由度を大きく阻害する。特に自動二輪車の燃料タン
クにあっては外観形状を決定する重要な要素であり、こ
れが制限されることはデザイン上極めて好ましくない。
【0005】又、燃料ポンプのポンプ吸入路は平板状の
底板の近傍であって且つ燃料タンクの底部近傍に開口す
る。これは燃料タンク内の燃料を効率的に消費する為で
ある。これによると、燃料タンク内の燃料が減少した状
態において、燃料タンク内の燃料液面が傾斜した際、燃
料ポンプのポンプ吸入路が燃料液面上に露出する恐れが
あり、燃料ポンプが充分に燃料を吸入しえないという不
具合を生ずる。これは、車輌の加減速時、あるいは旋回
時の如く車体姿勢が四輪車に比較して大きく変化し、燃
料タンク内の燃料の液面変化が大である自動二輪車にお
いて顕著に表われる。
【0006】又、第2の従来例によると、底板にサブカ
ップが取着され、サブカップの側方に高圧フィルターが
配置されることから、燃料タンクの底部の開口部を底板
によって閉塞する際、該開口部を小径とすることができ
ないもので、これによると第1の従来例の開口部が大な
ることによる不具合は依然として解消されない。尚、燃
料ポンプのポンプ吸入路をサブカップ内に開口したこと
により、燃料タンク内の燃料液面変化の影響は受けにく
いものであるが、特に燃料タンク内の燃料が減少した際
において、燃料タンク内の燃料をサブカップ内へ供給す
る供給手段を必要とする。
【0007】本発明になる燃料噴射装置における燃料供
給装置は、前記不具合に鑑み成されたもので、燃料タン
クの底部に開口する開口部を燃料ポンプ、高圧フィルタ
ーを備える閉塞部材によって閉塞するものにおいて、前
記開口部の開口を極力小径とすることができるとともに
燃料タンク内の燃料液面変化の影響を受けにくい前記燃
料供給装置を提供することを主たる目的とする。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明になる燃料噴射装置
における燃料供給装置は、有底カップ状の凹部を備えた
ポンプユニットケースに、燃料ポンプと、高圧フィルタ
ーが取付け手段にて取着されるとともに燃料タンクの底
部に開口する開口部がポンプユニットケースにて閉塞さ
れ、前記燃料ポンプは、少なくともポンプ吸入路がポン
プユニットケースの凹部内に開口するとともにその長手
軸芯線が略垂直方向に配置され、高圧フィルターより延
びる燃料吐出路は燃料ポンプに沿うとともにポンプユニ
ットケースを介して外部へ開口し、前記高圧フィルタ
ー、取付け手段を燃料ポンプの長手軸芯線に直交する面
において、燃料吐出路と燃料ポンプの対向線上における
最外側点を通る略円形投影面内に配置したことを第1の
特徴とする。
【0009】又、本発明は、有底カップ状の凹部を備え
たポンプユニットケースに、燃料ポンプと、高圧フィル
ターとプレッシャーレギュレターとが取付け手段にて取
着されるとともに燃料タンクの底部に開口する開口部が
ポンプユニットケースにて閉塞され、前記燃料ポンプ
は、少なくともポンプ吸入路がポンプユニットケースの
凹部内に開口するとともにその長手軸芯線が略垂直方向
に配置され、高圧フィルターより延びる燃料吐出路は燃
料ポンプに沿うとともにポンプユニットケースを介して
外部へ開口し、前記高圧フィルター、取付け手段及びプ
レッシャーレギュレター、リターン燃料通路を燃料ポン
プの長手軸芯線に直交する面において、燃料吐出路と燃
料ポンプの対向線上における最外側点を通る略円形投影
面内に配置したことを第2の特徴とする。
【0010】又、本発明は前記第1の特徴に加え、前記
ポンプユニットケースに、プレッシャーレギュレターを
装着し、リターン燃料通路をポンプユニットケースの通
孔を介して直接的にポンプユニットケースの凹部内連通
したことを第3の特徴とする。
【0011】又、本発明は前記第3の特徴に加え、前記
プレッシャーレギュレターの燃料室及びリターン燃料通
路を、ポンプユニットケースに一体形成したことを第4
の特徴とする。
【0012】又、本発明は前記第2、第3及び第4の特
徴に加え、前記プレッシャーレギュレターのリターン燃
料通路をポンプユニットケースの凹部内に配置される燃
料ポンプのポンプ吸入路の近傍に開口したことを第5の
特徴とする。
【0013】又、本発明は前記第1及び第2の特徴に加
え、前記ポンプユニットケースの凹部の上方開口部を円
形とするとともに上方開口部の外側方の環状鍔部に穿設
される取付け孔を円周上において等間隔に形成したこと
を第6の特徴とする。
【0014】又、本発明は前記第1及び第2の特徴に加
え、前記ポンプユニットケースの上方開口部を、燃料タ
ンクの開口部より大径とし、上方開口部の近傍に、凹部
に臨む環状縮小部を設けたことを第7の特徴とする。
【0015】又、本発明は前記第7の特徴に加え、前記
燃料タンクの開口部の内方端を、ポンプユニットケース
の凹部内に向けて折曲げ形成し、筒状部を設けたことを
第8の特徴とする。
【0016】又、本発明は前記第1及び第2の特徴に加
え、前記ポンプユニットケースの凹部内に開口配置され
るポンプ吸入路に、低圧フィルターが配置されるととも
に該低圧フィルターがポンプユニットケースの凹部の底
部及び側壁に沿って配置したことを第9の特徴とする。
【0017】更に本発明は、前記第1及び第2の特徴に
加え、前記ポンプユニットケースの凹部の底部に、ドレ
ンスクリューにて開閉されるドレン通路を開口したこと
を第10の特徴とする。
【0018】更に又、本発明は、前記第1及び第2の特
徴に加え、自動二輪車用として構成したことを第11の
特徴とする。
【0019】
【作用】第1の発明によると、燃料ポンプの長手軸芯線
が垂直方向に配置され、燃料ポンプの長手軸芯線に直交
する面において、燃料吐出路と燃料ポンプの対向線上に
おける最外側点を通る略円形投影面内に高圧フィルター
と取付け手段を配置したので燃料タンクの底部の開口部
を小径とできる。又、燃料ポンプのポンプ吸入路は、ポ
ンプユニットケースの凹部内に配置されるので、燃料タ
ンク内の燃料液面が傾斜した際における液面変化の影響
を受けにくくすることができる。
【0020】第2の発明によると、燃料ポンプの長手軸
芯線が垂直方向に配置され、燃料ポンプの長手軸芯線に
直交する面において、燃料吐出路と燃料ポンプの対向線
上における最外側点を通る略円形投影面内に高圧フィル
ター、取付け手段、プレッシャーレギュレター、リター
ン燃料通路を配置したので、燃料タンクの底部の開口部
を小径とできる。又、燃料ポンプのポンプ吸入路は、ポ
ンプユニットケースの凹部内に配置されるので、燃料タ
ンク内の燃料液面が傾斜した際における液面変化の影響
を受けにくい。
【0021】第3の発明によると、プレッシャーレギュ
レターがポンプユニットケースに装着され、リターン燃
料通路がユニットケースの開口を介して直接的にポンプ
ユニットケースの凹部に連通されるので、リターン燃料
通路の引き回しが簡略化される。
【0022】第4の発明によると、プレッシャーレギュ
レターを形成する燃料室及びリターン燃料通路がポンプ
ユニットケース自体に一体形成されるので、部品点数の
削減と構造を簡略化できる。
【0023】第5の発明によると、リターン燃料通路か
らポンプユニットケースの凹部内へ戻される燃料は即座
に再び燃料ポンプによって吸出されるので、リターン燃
料によって燃料タンク内の燃料劣化が促進されたり、燃
料温度が上昇したりすることがない。
【0024】第6の発明によると、ポンプユニットケー
スは取付け孔の間隔において、円周方向に回転自在に燃
料タンクに取着することができ、設計レイアウト上の自
由度を向上できる。
【0025】第7の発明によると、燃料タンク内の燃料
液面が傾斜、変動した際にあっても、環状縮小部によっ
てポンプユニットケースの凹部内の燃料が燃料タンク内
へ戻ることが抑止でき、ポンプユニットケースの凹部内
への燃料保持性を向上できる。
【0026】第8の発明によると、ポンプユニットケー
スの凹部内の燃料は折曲げ形成した筒状部により、より
一層、凹部から燃料タンク内へ飛び出しにくいもので凹
部内への燃料保持性を更に向上できる。
【0027】第9の発明によると、燃料ポンプのポンプ
吸入路に配置される低圧フィルターは、ポンプユニット
ケースの凹部の底部から側壁に沿って配置されるので、
低圧フィルターの濾過面積を充分に大きくとることがで
きる。
【0028】第10の発明によると、ポンプユニットケ
ースのメンテナンス時において、ドレンスクリューを開
放することにより燃料タンク及びポンプユニットケース
の凹部内に残溜する燃料を全て回収でき、燃料経済性を
向上できるとともに燃料の無用な流出を抑止できる。
【0029】第11の発明によると、この燃料供給装置
を自動二輪車用として用いることにより、自動二輪車に
好適な燃料タンクを採用でき、更に、車体傾斜、車体変
動の激しい自動二輪車においても常に安定して良好な燃
料の供給を行なうことのできる燃料供給装置を提供でき
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明になる燃料噴射装置における燃
料供給装置の一実施例について図1、図2により説明す
る。図1は燃料供給装置の要部縦断面図。図2は燃料ポ
ンプの長手軸芯線に直交する面における燃料供給装置の
各構成の位置関係を示す概略平面図。1は有底カップ状
の凹部1Aを備えるポンプユニットケースであり、凹部
1Aは、下方の底部1Bより側壁1Cを介して上方開口
部1Dに向けて開口する。上方開口部1Dの外側方には
環状鍔部1Eが形成され、この環状鍔部1Eには複数の
取付け孔1Fが貫通して形成される。又、環状鍔部1E
の上端面1Gには、シール部材としてのゴムリングR1
が配置される。
【0031】かかるポンプユニットケース1には、燃料
ポンプPと高圧フィルターFhとが取付け手段Kによっ
て取着される。取付け手段Kは、一端がポンプユニット
ケース1の凹部1A内に固着され、他端が凹部1Aより
上方に向かって突出し、その中間部に燃料ポンプPを取
着する為の第1取着片部K1が折曲げ形成され、その上
方に高圧フィルターFhを取着する為の第2取着片部K
2が折曲げ形成される。図1において、取付け手段Kは
省略されたもので、図2に示される。
【0032】そして燃料ポンプPは、その長手軸芯線X
−Xが略垂直方向に配置され一端が燃料ポンプPの外周
に溶接等によって固着された取付けバンド2Aの自由端
をビスNを介して第1取着片部K1に螺着し、これによ
って燃料ポンプPが取付け手段Kを介してポンプユニッ
トケース1に取着された。尚、燃料ポンプPは公知のウ
エスコ式電動ポンプ、ローラ式電動ポンプが用いられ
る。かかる状態において、燃料ポンプPの長手軸芯線X
−Xは略垂直方向に固定配置され、少なくともポンプ吸
入路Paはポンプユニットケース1の凹部1A内に配置
され、ポンプ吐出路Pbは上方に向かって開口する。そ
して、ポンプ吸入路Paには、例えばメッシュ状、スポ
ンジ状をなす低圧フィルターFeが装着される。この低
圧フィルターFeは、凹部1Aの底部1Bに沿う水平部
分と側壁1Cに沿う垂直部分を備える。
【0033】内部に濾過部材が収納された高圧フィルタ
ーFhは公知のものであって、一端が高圧フィルターF
hの外周に溶接等によって固着された取付けバンド2B
の自由端をビスNを介して第2取着片部K2に螺着し、
これによって高圧フィルターFhが取付け手段Kを介し
てポンプユニットケース1に取着された。以上による
と、高圧フィルターFhは、燃料ポンプPの上方位置に
固定配置されたもので、高圧フィルターFhのフィルタ
ー吸入路Faと燃料ポンプPのポンプ吐出路Pbとは接
続管3を介して連絡される。
【0034】フィルター吸入路Faから高圧フィルター
Fh内に流入する燃料は内部の濾過部材によって異物が
除去され、清浄な燃料は燃料吐出路4を介してポンプユ
ニットケース1外へ取り出される。この燃料吐出路4
は、燃料ポンプPのポンプ吐出路Pbが上方位置にあ
り、下方位置にあるポンプユニットケース1を介して外
部へ開口させることから燃料ポンプPに沿って配置され
ることになる。(本例において燃料吐出路4は燃料ポン
プPの長手軸芯線X−Xに沿って配置された。)
【0035】ここで、本発明にあっては、前記目的達成
の為に以下の如くする。このことは、ポンプユニットケ
ース1の凹部1Aの上方開口部1Dをポンプユニットケ
ース1に立設された燃料ポンプPとポンプユニットケー
ス1内に戻る燃料吐出路4とが必ず通過することに着目
した点である。すなわち、ポンプユニットケース1の凹
部1Aの上方開口部1Dにあっては燃料ポンプPの長手
軸芯線X−Xに直交する面Y−Yにおいて、燃料吐出路
4と燃料ポンプPの対向線上における最外側点A、Bを
通る略円形C投影面が絶対的に必要とする投影面範囲で
あり、この投影面内にポンプユニットケース1の上端面
1Gより上方に配置される構成を収納することである。
ここで、本例について鑑案すると、ポンプユニットケー
ス1の上端面1Gより上方には高圧フィルターFhと、
取付け手段Kとが配置されるもので、高圧フィルターF
hと取付け手段Kとを前記略円形C投影面内に配置す
る。尚、ポンプユニットケース1の凹部1Aの上方開口
部1Dの径Dは、前記略円形C投影面より大径をなす。
【0036】又、高圧フィルターFhから延びる燃料吐
出路4の下端は、ポンプユニットケース1に上下方向に
穿設されるに第1燃料流路1Hに液密的に挿入配置され
る。
【0037】Rは、本体5とカバー6との間にダイヤフ
ラム7が挟持され、本体5とダイヤフラム7によって燃
料室8が形成され、カバー6とダイヤフラム7とにより
内部にスプリング9が縮設されたスプリング室10が形
成され、燃料室8に臨んで開口するリターン燃料通路1
1がダイヤフラム7と同期的に移動する弁体12にて開
閉されるプレッシャーレギュレターであり、このプレッ
シャーレギュレターRがポンプユニットケース1に固定
配置される。かかる状態において、プレッシャーレギュ
レターRの燃料室8とポンプユニットケース1の第1燃
料流路1Hとはレギュレター流入路12によって連絡さ
れ、リターン燃料通路11はポンプユニットケース1の
通孔1Jを介してポンプユニットケース1の凹部1A内
に開口する。尚、1Kはポンプユニットケース1に設け
られ、第1燃料流路1Hから分岐し、ポンプユニットケ
ース1外へ向かって開口する第2燃料流路である。
【0038】以上によれば、ポンプユニットケース1の
凹部1Aに臨んで、燃料ポンプPと高圧フィルターFh
とが取付け手段Kを介して取着されるとともにポンプユ
ニットケース1の凹部1Aの側部にプレッシャーレギュ
レターRが取着される。又、高圧フィルターFhから延
びる燃料吐出路4の端部は凹部1Aを通り、ポンプユニ
ットケース1に設けた第1燃料流路1Hに接続され、こ
の第1燃料流路1Hは、第2燃料流路1Kを介してポン
プユニットケース1外へと開口する。又、第1燃料流路
1Hは、レギュレター流入路8aを介して燃料室8内へ
開口し、一方リターン燃料通路11はポンプユニットケ
ース1の通孔1Jを介して凹部1A内に開口する。
【0039】Tは内部に燃料を貯溜する燃料タンクであ
り、下方の底部Taには、開口部Tbが穿設される。こ
の開口部Tbの径Eはポンプユニットケース1の凹部1
Aの上方開口部1Dの径Dより小径Eとすることが望ま
しい。尚、開口部Tbの径Eは前記略円形Cの投影面よ
りは大径をなす。尚、15はポンプユニットケース1の
凹部1Aの上方開口部1Dに臨む取付け環状鍔部であ
り、燃料タンクTの開口部Tbの外側方に溶接等により
固着される。又、取付環状鍔部15には取付け孔1Fに
臨むネジ孔15Aが複数設けられる。
【0040】そして、燃料タンクTの開口部Tbは以下
によってポンプユニットケース1により閉塞される。燃
料タンクTの底部Taの開口部Tbに向けてポンプユニ
ットケース1の上方開口部1Dを対向配置し、このとき
燃料吐出路4を含む高圧フィルターFh、燃料ポンプ
P、取付け手段Kは燃料タンクTの開口部Tbを介して
燃料タンクT内へ挿入され、一方ポンプユニットケース
1の環状鍔部1Eの取付け孔1Fと燃料タンクTの取付
環状鍔部15のネジ孔15Aとが合致され、取付け孔1
Fからネジ孔15Aに向けてビスNを螺着する。以上に
よると、燃料タンクTの開口部Tbはポンプユニットケ
ース1の凹部1Aにて閉塞され、このとき、燃料タンク
Tとポンプユニットケース1との間の液密は、上端面1
GのゴムリングR1によって保持される。一方、燃料ポ
ンプPの上方部分及び高圧フィルターFhは燃料タンク
T内に突出して配置される。
【0041】そして、燃料タンクT内に貯溜される燃料
は燃料タンクTの底部Taの開口部Tbよりポンプユニ
ットケース1の凹部1A内に流入して凹部1A内を充満
する。そして、燃料ポンプPのモーター部に通電されて
ポンプ部が駆動すると、凹部1A内の燃料は、低圧フィ
ルターFeよりポンプ吸入路Paを介してポンプ部に吸
入され、ポンプ部にて昇圧された燃料がポンプ吐出路P
b、接続管3、フィルター吸入路Faを介して高圧フィ
ルターFhに供給され、更に高圧フィルターFhにて異
物が除去された燃料は燃料吐出路4を介してポンプユニ
ットケース1の第1燃料流路1Hに供給される。一方、
第1燃料流路1Hに供給される燃料は、レギュレター流
入路8aを介してプレッシャーレギュレターRの燃料室
8内に導入されるもので、第1燃料流路1Hを流れる燃
料圧力が所定の圧力を超えて上昇すると、ダイヤフラム
7はスプリング9のバネ力に抗してスプリング室10側
へ変位して弁体12がリターン燃料通路11を開放し、
上昇した圧力を有する燃料をリターン燃料通路11、通
孔1Jを介してポンプユニットケース1の凹部1A内へ
還流させる。以上によると、第1燃料流路1H内を流れ
る燃料圧力は所定の圧力に制御されるもので、適正に調
圧された燃料は、第2燃料流路1Kを介して図示されぬ
燃料噴射弁に供給され、更に燃料噴射弁によって制御さ
れた燃料が機関に向けて噴射供給される。
【0042】ここで、本発明になる燃料供給装置におい
て、ポンプユニットケース1の凹部1Aの上方開口部1
Dにおいて絶対的に必要とする投影面の範囲を、燃料ポ
ンプPの長手軸芯線X−Xに直交する面Y−Yにおい
て、燃料吐出路4と燃料ポンプPの対向線上における最
外側点A、Bを通る略円形C投影面と設定し、該投影面
内に、燃料タンクT内に挿入される高圧フィルターFh
及び燃料ポンプP及び高圧フィルターFhを取着する為
の取付け手段Kを配置したので、燃料タンクTの開口部
Tbの径Eは、前記略円形C投影面よりわずかに大径で
あればよい。(仮に略円形C投影面より開口部Tbの径
Eが小径であると、燃料ポンプP、燃料吐出路4を含む
高圧フィルターFbを開口部Tbを介して燃料タンクT
内へ挿入できない。)
【0043】以上によると、燃料タンクTの底部Taの
開口部Tbの径を極力小径Eとすることができるもの
で、これによって燃料タンクTの剛性を高めることがで
きる。又、燃料タンクTの開口部Tbをポンプユニット
ケース1にて閉塞する際における閉塞部分の面積を減少
することができるので、締結の為のビスを増加させるこ
となく閉塞部分のシート面圧を高めることができ、もっ
て部品点数の削減と組みつけ工数の削減を達成できる。
更に燃料タンクTの底部Taの開口部Tbの周囲にポン
プユニットケース1の環状鍔部1Eを接合する為の平坦
部分を設けるが開口部Tbが小径となったことにより平
坦部分を小とすることができ、これによって燃料タンク
Tの設計的自由度を高めることができた。
【0044】又、燃料ポンプPのポンプ吸入路Paがポ
ンプユニットケース1の凹部1A内に配置されたことに
よると、燃料タンクT内の燃料が少なくなったとしても
燃料タンクT内の燃料は凹部1A内に流入し、この燃料
が燃料ポンプPにて吸入されるので、燃料タンクT内の
燃料を最後まで使いきることができる。又燃料タンクT
内に残溜する燃料が少なくなった状態において、燃料タ
ンクTが傾斜すると、燃料タンクT内の液面は燃料タン
クT内において大きく傾斜するが、ポンプユニットケー
ス1の凹部1A内にあっては燃料液面の変化は極めて少
ない。これは燃料タンクT内の残溜燃料が少ない状態に
あっても燃料タンクTより下方にある凹部1A内は未だ
燃料によって充満されているからである。従って燃料タ
ンクT内の燃料が少なくなり、燃料タンクTが傾斜した
際にあっても、燃料ポンプは良好に燃料を供給しつづけ
ることができる。
【0045】又、本実施例によると、プレッシャーレギ
ュレターRかポンプユニットケース1に装着され、プレ
ッシャーレギュレターRに形成されるリターン燃料通路
11がポンプユニットケース1に形成した通孔1Jを介
して直接的にポンプユニットケース1の凹部1A内に連
通したので、リターン燃料通路11にパイプ等の配管を
つなぐ必要がない。以上によれば、部品点数の削減がで
きるとともにその外観が単純化される。又、プレッシャ
ーレギュレターRがポンプユニットケース1に装着され
たことによると、スプリング室10の開口10Aが外部
に向かって開口するもので、これによると、吸気管負圧
に対して常に一定の設定圧力を保持する為に、開口10
Aと図示せぬ吸気管とを接続する際、容易に行なうこと
ができる。
【0046】又、前記プレッシャーレギュレターのリタ
ーン燃料通路11を通孔1Jを介して燃料ポンプPのポ
ンプ吸入路Paの近傍に開口したことによると、燃料ポ
ンプPによって加圧され、リターン燃料通路11によっ
て減圧された劣化燃料はポンプユニットケース1の凹部
1A内に排出されるや、このリターン燃料はポンプ吸入
路Paより優先的に燃料ポンプP内に吸入されて消費さ
れるので、この劣化燃料が燃料タンクT内に充満して燃
料タンクT内の燃料全体を劣化させることがない。
【0047】又、ポンプユニットケース1の凹部1Aの
上方開口部1Dの形状を円形としたこと。及び環状鍔部
1Eに穿設される取付け孔1F及び燃料タンクTの取付
け環状鍔部15に穿設されるネジ孔15Aを円周上に等
間隔に形成したこと。によると、ポンプユニットケース
1を円周上において適宜回転して燃料タンクTに固着で
きる。本例においては、円周上に6ケ所、60度間隔に
前記取付け孔1F、ネジ孔15Eを設けたので、60度
づつその位置を回転させてポンプユニットケース1を固
着できる。以上によると、燃料吐出路4から外部に向か
って開口する第2燃料流路1Kの開口及びプレッシャー
レギュレターRのスプリング室10の開口10Aの位置
を自在に選択でき車への搭載の自由度を高めることがで
きる。
【0048】又、ポンプユニットケース1の凹部1Aの
上方開口部1Dの径Dに比較して燃料タンクTの開口部
Tbの径Eを小径とし、燃料タンクTの開口部Tbの周
囲に凹部1A内に臨む環状縮小部16を形成したことに
よると、燃料タンクTが例えば上下方向に振動した際に
おいて、凹部1A内の燃料が燃料タンクT内に向かって
飛び出しにくくなるもので、かかる振動時における凹部
1A内の燃料保持性を向上でき、安定して燃料ポンプP
に燃料を供給できる。すなわち、凹部1A内の燃料が燃
料タンクT内に向かって脱出しようと図において上方向
へ移動すると、上方向へ向かう燃料の一部が環状縮小部
16に衝突してその流れ方向が下方へと変換され、この
下方向流れが凹部1Aから脱出しようとする上方向流れ
に抵抗を与えることによる。尚、この環状縮小部16は
燃料タンクTの底部Taに代えて取付け環状鍔部15の
内方端を径Eに相当して縮小してもよい。
【0049】更にポンプユニットケース1の凹部1A内
に配置される低圧フィルターFeを、凹部1Aの底部1
Bに沿う水平部分と凹部1Aの側壁1Cに沿う垂直部分
によって形成すると、狭い凹部1Aにおいて、フィルタ
ーの濾過面積を大きく取ることができ、長期間に渡って
優れた濾過性能を維持できる。
【0050】更に又、図1に示された前述の燃料供給装
置を、自動二輪車に搭載すると前述した効果のうち、自
動二輪車特有の以下の効果を奏する。 (1)自動二輪車において燃料タンクTは直接外部に露
出するものであり、燃料タンクTの剛性を高めることが
できたことは例えば自動二輪車が転倒した際等において
燃料タンクTの損傷が抑止される。 (2)燃料タンクTの開口部Tbの周囲の平坦部分を小
とすることができたことにより、燃料タンクTのデザイ
ン上の設計的自由度を高めることができ、自動二輪車の
商品性を高める上で効果的である。 (3)燃料タンクT内の残溜燃料が少ない状態にあっ
て、車輌が傾斜した際においてもポンプユニットケース
1の凹部1A内には充分に燃料を貯溜保持できるので、
燃料ポンプPより良好に燃料を供給しつづけることがで
きる。そして自動二輪車にあっては、特に旋回、加速時
において四輪車に比較して車体が大きく傾斜し、燃料タ
ンクT内の燃料液面が大きく傾斜するものであるが、か
かる状態においても凹部1A内に充分に燃料を保持で
き、燃料液面が大きく傾斜することがないので、良好に
燃料を供給することができて、自動二輪車の運転性を良
好に維持できる。 (4)ポンプユニットケース1を円周上において適宜回
転させて、燃料タンクTに固着できることによると、ポ
ンプユニットケース1より外部に向かう燃料吐出路とし
ての第2燃料流路1Kの開口位置及びプレッシャーレギ
ュレターRの開口10Aをその回転方向において、任意
に選択することができ、特に自動二輪車の如く、燃料タ
ンクTの下方空間及び機関の周囲空間が限られたものに
あっては配管の自由度が高く効果的である。 (5)燃料タンクTの開口部Tbの周囲に凹部1A内に
臨む環状縮小部16を形成したことによると、燃料タン
クTが振動した際において、ポンプユニットケース1の
凹部1A内の燃料保持性を向上できるもので、特に自動
二輪車にあっては、悪路走行時等車体の振動は激しいも
ので、かかる振動発生時において、凹部1A内から燃料
タンクTへの燃料の飛び出しが抑止され、燃料ポンプP
は安定して凹部1A内の燃料を吸入して機関へ供給でき
る。(燃料供給の息つき現象は解消される)
【0051】次に本発明の第二実施例について図3によ
り説明する。図1に示される第一実施例とは第1にプレ
ッシャーレギュレターが異なる。相違する部分について
のみ説明する。本例において第一実施例に示されるレギ
ュレター流入路8a、燃料室8及びリターン燃料通路1
1はポンプユニットケース1そのものに形成される。い
いかえると第一実施例の本体5がポンプユニットケース
1に一体形成された。以上によると、プレッシャーレギ
ュレターRを構成する本体をポンプユニットケース1に
一体形成できたので、部品点数の削減と、組付け工数を
削減することができ、燃料供給装置の製造コストを低減
する上で効果的である。
【0052】又、第一実施例とは、第2に燃料タンクT
の開口部Tb部分が異なる。すなわち、第一実施例にお
ける燃料タンクTの開口部Tbの内方端Tcをポンプユ
ニットケース1の凹部1A内に向けて折曲げ形成し、筒
状部Tdを設ける。以上によると、ポンプユニットケー
ス1の凹部1Aに臨む環状縮小部16は、筒状部Tdに
より凹部1Aに臨んで開口する環状室17を形成するも
ので、この筒状部Tdにより特に凹部1A内の燃料が燃
料タンクT内へ飛び出すことが一層抑止され、第1実施
例における環状縮小部16による効果をより一層向上で
きる。そして開口部Tbにこの筒状部Tdを設けること
は、車体の傾斜及び振動の激しい自動二輪車にとって極
めて効果的である。尚、前記筒状部を取付け環状鍔部1
5に形成してもよい。
【0053】次に本発明の第3実施例について図4、図
5により説明する。図4は燃料供給装置の要部縦断面
図。図5は燃料ポンプの長手軸芯線に直交する面におけ
る燃料供給装置の各構成の位置関係を示す概略平面図。
図1及び図3とは主にプレッシャーレギュレターRの配
置が異なるもので、相違する部分について説明する。プ
レッシャーレギュレターRは高圧フィルターFhに取着
されるもので、例えば以下よりなる。20は下方が開口
する有底カップ状のフィルター本体であり、内部には、
濾紙等のフィルター21が収納配置されるとともに下方
に向かう開口20Aが接続管22Aを備える蓋体22に
て閉塞される。又フィルター本体20の上方には、図に
おいて右側方の端部20Bに開口する凹部20Cが凹設
されるとともに該凹部からフィルター本体20内に連な
るレギュレター流入路20Cと外部に向かうリターン燃
料通路20dが穿設される。燃料吐出路4は、レギュレ
ター流入路20Cより分岐し、燃料ポンプPに沿って下
方に向かい、ポンプユニットケース1の凹部1A内を通
り、次いでポンプユニットケース1外へと開口する。
又、前記リターン燃料通路20dもまた燃料ポンプPに
沿って下方に向かい、ポンプユニットケース1の凹部1
A内に開口する。そして、端部20Bとカバー6とによ
り、弁体12を備えたダイヤフラム7を挟持し、これに
よって燃料室8とスプリング室10とに区分され、スプ
リング室10内にはダイヤフラム7を燃料室8側に押圧
するスプリング9が縮設される。尚、前記リターン燃料
通路20dは、一端が燃料室8内に開口して弁体12に
より開閉され、他端はポンプユニットケース1の凹部1
A内に開口する。そして高圧フィルターFhの蓋体22
に形成される接続管22Aが燃料ポンプPのポンプ吐出
路Pbに接続され、この状態において燃料ポンプP及び
高圧フィルターFhは取付け手段Kによってポンプユニ
ットケース1に固定配置される。
【0054】取付け手段Kは、一端がポンプユニットケ
ース1の凹部1A内に固着され、他端が凹部1Aより上
方に向かって突出し、その中間部に燃料ポンプPを取着
する為の第1取着片部K1が折曲げ形成され、その上方
に高圧フィルターFhを取着する為の第2取着片部K2
が折曲げ形成される。図4において、取付け手段Kは省
略されたもので、図5に示される。そして、一端が燃料
ポンプPの外周に溶接等によって固着された取付けバン
ド2Aの自由端をビスNを介して第1取着片部K1に螺
着し、これによって燃料ポンプPが取付け手段Kによっ
てポンプユニットケース1に取着された。又、一端が高
圧フィルターFhの外周に溶接等によって固着された取
付けバンド2Bの自由端をビスNを介して第2取着片部
K2に螺着し、これによって高圧フィルターFhが取付
け手段Kを介してポンプユニットケース1に取着され
た。
【0055】そして、燃料タンクT内に貯溜される燃料
は燃料タンクTの底部Taの開口部Tbよりポンプユニ
ットケース1の凹部1A内に流入して凹部1A内を充満
する。そして、燃料ポンプPのモーター部に通電されて
ポンプ部が駆動すると、凹部1A内の燃料は、低圧フィ
ルターFeよりポンプ吸入路Paを介してポンプ部に吸
入され、ポンプ部にて昇圧された燃料がポンプ吐出路P
b、接続管22Aを介して高圧フィルターFhに供給さ
れ、高圧フィルターFhにて異物が除去された燃料はレ
ギュレター流入路20Cに達する。ここで、レギュレタ
ー流入路20Cに供給される燃料は、プレッシャーレギ
ュレターRの燃料室8内に導入されるもので、この燃料
圧力が所定の圧力を超えて上昇すると、ダイヤフラム7
はスプリング9のバネ力に抗してスプリング室10側へ
変位して弁体12がリターン燃料通路20dを開放し、
上昇した圧力を有する燃料をリターン燃料通路20dを
介してポンプユニットケース1の凹部1A内へ還流させ
る。以上によると、レギュレター流入路20Cから燃料
吐出路4内に向かう燃料圧力は所定の圧力に制御される
もので、適正に調圧された燃料は、燃料噴射弁に供給さ
れ、更に燃料噴射弁によって制御された燃料が機関に向
けて噴射供給される。
【0056】そして、本実施例においては、ポンプユニ
ットケース1の上端面1Gより上方には、高圧フィルタ
ーFhとリターン燃料通路20dを備えるプレッシャー
レギュレターRと取付け手段Kとが配置されるもので、
前記構成を燃料ポンプPの長手軸芯線X−Xに直交する
面Y−Yにおいて、燃料吐出路4と燃料ポンプPの対向
線上における最外側点A、Bを通る略円形C投影面内に
配置したものである。以上によれば、燃料タンクTの開
口部Tbの径Eを前記実施例と同様に小径とすることが
でき、前記と同様に開口部Tbの径を小径化できたこと
による効果を奏するものである。
【0057】又、ポンプユニットケース1の底部1Bに
凹部1Aと外部を連絡するドレン通路1Nを設け、該ド
レン通路にドレンスクリュー23を螺着配置したことに
よると、ポンプユニットケース1のメンテナンス時にお
いて、ドレンスクリュー23にてドレン通路1Nを開放
することによって、凹部1Aを含む燃料タンクT内の燃
料を確実に回収でき、外部へ燃料を飛散させることがな
い。これは特に自動二輪車の如く、燃料タンクTの下方
空間が狭く、且つ設定間に機能部品が集中して配置され
るものにおいて、燃料の飛散が抑止されたことは燃料経
済性、メンテナンス作業性上極めて好ましいものであ
る。
【0058】
【発明の効果】以上の如くポンプユニットケースに燃料
ポンプと高圧フィルターとが取付け手段にて取着され、
前記高圧フィルター、取付け手段を燃料ポンプの長手軸
芯線に直交する面において、燃料吐出路と燃料ポンプの
対向線上における最外側点を通る略円形投影面内に配置
したので、燃料タンクの底部の開口部の径を極力小径と
することができ、これによって、燃料タンクの剛性を高
めることができる。燃料タンクの開口部をポンプユニッ
トケースにて閉塞する際における部品点数の削減と組み
つけ工数を削減できる。燃料タンクの開口部の周囲に形
成されるポンプユニットケースとの接合の為の平坦部分
を小とすることができ、燃料タンクの設計的自由度を高
めることができる。又、燃料ポンプのポンプ吸入路がポ
ンプユニットケースの凹部内に配置されたことにより燃
料タンク内の燃料を最後迄使いきることができ、また燃
料タンク内の残溜燃料が少なくなった状態において、燃
料タンクが傾斜した際にあっても燃料ポンプのポンプ吸
入路が傾斜液面上に露出することがなく凹部内の燃料を
確実に安定して供給しつづけることができる。そして前
記燃料供給装置を自動二輪車に採用すれば、自動二輪車
の旋回、加減速時、あるいは悪路走行時等の二輪車特有
の使用条件下においてより一層顕著な効果を奏する。
【0059】又、ポンプユニットケースに燃料ポンプと
高圧フィルターとプレッシャーレギュレターとが取付け
手段にて取着され、前記高圧フィルター、取付け手段、
プレッシャーレギュレターを燃料ポンプの長手軸芯線に
直交する面において、燃料吐出路と燃料ポンプの対向線
上における最外側点を通る略円形投影面内に配置したの
で、プレッシャーレギュレターを備えるものにおいても
燃料タンクの底部の開口部の径を極力小径とすることが
でき、小径化に伴なう前記と同様の効果を有する。又、
燃料ポンプのポンプ吸入路がポンプユニットケースの凹
部内に配置されたことにより前記と同様の効果を奏する
ことができる。そして、この燃料供給装置を自動二輪車
に採用すれば、自動二輪車の旋回、加減速時、あるいは
悪路走行時等の自動二輪車特有の使用条件下においてよ
り一層顕著な効果を奏する。
【0060】又、ポンプユニットケースにプレッシャー
レギュレターを装着し、リターン燃料通路をポンプユニ
ットケースの開口を介して直接的にポンプユニットの凹
部内連通したので、リターン燃料通路として長いゴムパ
イプあるいは金属パイプが不要となり、部品点数の削減
と配管の自由度を向上できた。更に外観形状を単純化で
きる。
【0061】又、プレッシャーレギュレターの燃料室及
びリターン燃料通路を、ポンプユニットケースに一体形
成したので、プレッシャーレギュレターの本体及びリタ
ーン燃料通路をポンプユニットケースと共用でき、部品
点数の削減、組みつけ工数の削減を達成できる。
【0062】又、プレッシャーレギュレターのリターン
燃料通路を、ポンプユニットの凹部内に配置される燃料
ポンプのポンプ吸入路の近傍に開口したので、リターン
燃料通路から戻される劣化燃料が優先的に再び燃料ポン
プに吸入されるので、燃料タンク全体の燃料を劣化させ
ることがない。
【0063】又、ポンプユニットケースの凹部の上方開
口部を円形とするとともに上方開口部の外側方の環状鍔
部に穿設される取付孔を円周上において等間隔に形成し
たので、燃料吐出路及びプレッシャーレギュレターのス
プリング室の開口位置を自在に選択でき、車輌への搭載
の自由度を高めることができる。
【0064】又、ポンプユニットケースの上方開口部
を、燃料タンクの開口部より大径とし、上方開口部の近
傍に、凹部に臨む環状縮小部を設けたので、凹部内の燃
料が燃料タンク内に飛び出しにくくなるもので、振動時
において安定した燃料供給を続けられる。
【0065】又、燃料タンクの開口部の内方端をユニッ
トケースの凹部内に向けて折曲げ形成し、筒状部を設け
たので、凹部内の燃料が燃料タンク内へ飛び出すことが
更に抑止される。
【0066】更に、ポンプユニットケースの凹部内に開
口配置されるポンプ吸入路に、低圧フィルターが配置が
されるとともに該低圧フィルターがポンプユニットケー
スの凹部の底部及び側壁に沿って配置されたので比較的
狭い空間の凹部内においてその濾過面積を最大限に確保
できる。
【0067】更に又、ポンプユニットケースの凹部の底
部に、ドレンスクリューにて開閉されるドレン通路を開
口したので、ポンプユニットケースのメンテナンス作業
時において燃料タンク内の燃料を完全に回収できて経済
的であるとともに開口部の周囲を燃料で汚すことがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる燃料噴射装置における燃料供給装
置の第一実施例を示す要部縦断面図。
【図2】図1において、燃料ポンプの長手軸芯線に直交
する面における燃料供給装置の各構成の位置関係を示す
概略平面図。
【図3】本発明になる燃料噴射装置における燃料供給装
置の第二実施例を示す要部縦断面図。
【図4】本発明になる燃料噴射装置における燃料供給装
置の第三実施例を示す要部縦断面図。
【図5】図4において、燃料ポンプの長手軸芯線に直交
する面における燃料供給装置の各構成の位置関係を示す
概略平面図。
【符号の説明】
1 ポンプユニットケース 1A 凹部 4 燃料吐出路 P 燃料ポンプ Pa ポンプ吸入路 Fh 高圧フィルター K 取付け手段 X−X 燃料ポンプの長手軸芯線 Y−Y X−Xに直交する面 C 燃料吐出路4と燃料ポンプPの対向線上における
最外側点A、Bを通る略円形投影面

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底カップ状の凹部1Aを備えたポンプ
    ユニットケース1に、燃料ポンプPと、高圧フィルター
    Fhが取付け手段Kにて取着されるとともに燃料タンク
    Tの底部Taに開口する開口部Tbがポンプユニットケ
    ース1にて閉塞され、前記燃料ポンプは、少なくともポ
    ンプ吸入路Paがポンプユニットケース1の凹部1A内
    に開口するとともにその長手軸芯線X−Xが略垂直方向
    に配置され、高圧フィルターFhより延びる燃料吐出路
    4は燃料ポンプPに沿うとともにポンプユニットケース
    1を介して外部へ開口し、前記高圧フィルター、取付け
    手段Kを燃料ポンプPの長手軸芯線X−Xに直交する面
    Y−Yにおいて、燃料吐出路4と燃料ポンプPの対向線
    上における最外側点A、Bを通る略円形C投影面内に配
    置したことを特徴とする燃料噴射装置における燃料供給
    装置。
  2. 【請求項2】 有底カップ状の凹部1Aを備えたポンプ
    ユニットケース1に、燃料ポンプPと、高圧フィルター
    FhとプレッシャーレギュレターRとが取付け手段Kに
    て取着されるとともに燃料タンクTの底部Taに開口す
    る開口部Tbがポンプユニットケース1にて閉塞され、
    前記燃料ポンプは、少なくともポンプ吸入路Paがポン
    プユニットケース1の凹部1A内に開口するとともにそ
    の長手軸芯線X−Xが略垂直方向に配置され、高圧フィ
    ルターFhより延びる燃料吐出路4は燃料ポンプPに沿
    うとともにポンプユニットケース1を介して外部へ開口
    し、前記高圧フィルター、取付け手段K及びプレッシャ
    ーレギュレターR、リターン燃料通路20dを燃料ポン
    プPの長手軸芯線X−Xに直交する面Y−Yにおいて、
    燃料吐出路4と燃料ポンプPの対向線上における最外側
    点A、Bを通る略円形C投影面内に配置したことを特徴
    とする燃料噴射装置における燃料供給装置。
  3. 【請求項3】 前記ポンプユニットケースに、プレッシ
    ャーレギュレターRを装着し、リターン燃料通路11を
    ポンプユニットケース1の通孔1Jを介して直接的にポ
    ンプユニットケース1の凹部1A内連通してなる請求項
    1記載の燃料噴射装置における燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 前記プレッシャーレギュレターの燃料室
    8及びリターン燃料通路11を、ポンプユニットケース
    1に一体形成してなる請求項3記載の燃料噴射装置にお
    ける燃料供給装置。
  5. 【請求項5】 前記プレッシャーレギュレターのリター
    ン燃料通路11、20dをポンプユニットケース1の凹
    部1A内に配置される燃料ポンプPのポンプ吸入路Pa
    の近傍に開口してなる請求項2、請求項3及び請求項4
    記載の燃料噴射装置における燃料供給装置。
  6. 【請求項6】 前記ポンプユニットケースの凹部の上方
    開口部1Dを円形とするとともに上方開口部1Dの外側
    方の環状鍔部1Eに穿設される取付け孔1Fを円周上に
    おいて等間隔に形成してなる請求項1及び請求項2記載
    の燃料噴射装置における燃料供給装置。
  7. 【請求項7】 前記ポンプユニットケースの上方開口部
    1Dを、燃料タンクTの開口部Tbより大径とし、上方
    開口部1Dの近傍に、凹部1Aに臨む環状縮小部16を
    設けてなる請求項1及び請求項2記載の燃料噴射装置に
    おける燃料供給装置。
  8. 【請求項8】 前記燃料タンクの開口部Tbの内方端T
    cを、ポンプユニットケース1の凹部1A内に向けて折
    曲げ形成し、筒状部Tdを設けてなる請求項7記載の燃
    料噴射装置における燃料供給装置。
  9. 【請求項9】 前記ポンプユニットケースの凹部1A内
    に開口配置されるポンプ吸入路Paに、低圧フィルター
    Feが配置されるとともに該低圧フィルターがポンプユ
    ニットケース1の凹部1Aの底部1B及び側壁1Cに沿
    って配置されてなる請求項1及び請求項2記載の燃料噴
    射装置における燃料供給装置。
  10. 【請求項10】 前記ポンプユニットケースの凹部の底
    部1Bに、ドレンスクリュー23にて開閉されるドレン
    通路1Nを開口してなる請求項1及び請求項2記載の燃
    料噴射装置における燃料供給装置。
  11. 【請求項11】 自動二輪車用に構成されたことを特徴
    とする請求項1及び請求項2記載の燃料噴射装置におけ
    る燃料供給装置。
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