JP2001050070A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

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JP2001050070A
JP2001050070A JP2000158501A JP2000158501A JP2001050070A JP 2001050070 A JP2001050070 A JP 2001050070A JP 2000158501 A JP2000158501 A JP 2000158501A JP 2000158501 A JP2000158501 A JP 2000158501A JP 2001050070 A JP2001050070 A JP 2001050070A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮自己着火燃焼が可能な運転領域を拡大
し、燃料経済性及び排気浄化性に優れた内燃機関を提供
する。 【解決手段】 分留器9は、メインガソリンタンク8の
燃料を高オクタン価燃料と低オクタン価燃料とに分留
し、それぞれサブタンク10、11へ貯蔵する。高オク
タン価燃料は高圧間欠ポンプ16により、低オクタン価
燃料は可変圧力ポンプ15により燃料噴射弁17へ供給
される。ECU1の運転領域判定部2は回転数と負荷に
より運転領域を判定し、燃料混合比決定部3は、運転領
域と、それぞれの残量計12、13の残量値を参照して
複数燃料の使用割合(混合比)を決定する。この混合比
に応じて、高圧間欠ポンプ制御部5、可変圧力ポンプ制
御部6の圧力を制御し、燃料噴射弁17から噴射される
高オクタン価燃料と低オクタン価燃料との使用比率を変
更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用の
4行程サイクル型の火花点火式内燃機関の改良、特に、
運転領域の応じて複数の燃料の使用比率を制御して供給
する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関への複数の燃料を供給す
る手段としては、例えば以下のようなものがある。第1
の従来技術として、特開平6−10787号公報には、
主燃料と副燃料の2種類の燃料を一つのノズルで噴射す
る技術が開示されている。この例によれば、ノズル先端
部に副燃料を充填し、主燃料の噴射に先立って副燃料が
噴射することができる。この機構により、2種類の燃料
を一つのノズルでエンジンに供給することが可能であ
る。
【0003】また、第2の従来技術として、特開平6−
307307号公報には、同じ発明者から、2つの燃料
の噴射割合を制御する方法が示されている。第1の燃料
としてアルコール、第2の燃料として軽油を用い、第2
の燃料の軽油のノズル先端部の充填量を制御することに
より、第1の燃料と第2の燃料の混合割合を制御してい
る。
【0004】このような従来の複数の燃料の供給手段
は、車両の外から第1の燃料と第2の燃料をそれぞれ専
用の燃料タンクに個別に給油する必要があり、かつ、そ
れぞれの燃料の機能が異なる。例えば、特開平6−30
7307号公報では、アルコールを主燃料とするディー
ゼル機関の着火性の改善のために、アルコールより着火
性のよい軽油を副燃料として先に噴射する。これによ
り、軽油がまず圧縮着火し、その火炎がアルコールに引
火することで燃焼が行われる。
【0005】この従来の例では、例えば第2の燃料の軽
油は着火性向上のため例えば一定量供給すればよく、第
1の燃料のアルコールは運転状態で消費量が変化するも
のの、両者は車両の外からそれぞれ独立に供給されるた
め、通常の給油と同じく、いずれか一方の残量が有る程
度以下になれば、その時点で補充することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、機関回転数や
負荷等で定まる運転領域に応じて、圧縮自己着火燃焼と
火花点火燃焼とを切換可能なガソリン機関において、燃
料経済性及び排気浄化性に優れた圧縮自己着火燃焼を行
わせる運転領域を拡大することを考える。
【0007】ガソリン機関において、内部EGRや圧縮
比の高圧縮比化により、圧縮上死点付近の筒内圧力及び
筒内温度を有る程度以上に高めると、燃焼室内の混合気
は活性化して非常に着火し易い状態となり、火花点火を
行わなくても、燃焼室全体の複数の点から着火して急速
に燃焼が広がる。これにより空燃比がリーン化した場合
においても火花点火と比べると燃焼期間が長期化せず、
よりリーンな空燃比での安定な燃焼が可能となる。ま
た、空燃比がリーンのため、燃焼温度が低下して、NO
xも大幅に低減できる。
【0008】ところが、自己着火燃焼は空燃比の影響を
強く受け、リッチ側ではノッキングが生じて音振特性を
悪化させ、リーン側では燃焼安定度が低下してトルク変
動又は回転変動が生じ運転性を悪化させる。このため、
一定のオクタン価のガソリンを使用する自己着火燃焼ガ
ソリン機関では、ノッキングによる音振限界が空燃比の
リッチ限界となり、燃焼安定度の悪化によるトルク変動
限界が空燃比のリーン限界となり、安定度限界とノッキ
ング限界の間の空燃比範囲が自己着火成立範囲となる。
【0009】この自己着火燃焼範囲を拡大するために
は、空燃比のリッチ側では高オクタン価燃料を使用する
ことによりノッキングを抑制して、ノッキング限界をさ
らにリッチ側に移動させ、空燃比のリーン側では低オク
タン価燃料を使用することにより自己着火を容易に起こ
させ、燃焼安定度限界をさらにリーン側に移動させるこ
とが考えられる。
【0010】このような運転領域で相反するオクタン価
に対する要求を単純に満たそうとすると、車両に2つの
ガソリンタンクを備えて、それぞれのタンクに異なるオ
クタン価のガソリンを給油し、これら2つの燃料タンク
から運転領域に応じたオクタン価のガソリンを切り換え
てエンジンに供給することが考えられる。
【0011】しかしながら、給油口、燃料タンク、燃料
ポンプ系を2式も車両に備えることは、製造コストを引
き上げるばかりか、給油の手間も2倍となり、ユーザー
の負担が非常に大きくなるという問題点がある。
【0012】さらに、上記の運転領域のどこが利用され
るかは、走行条件及び運転者の特性によって異なるの
で、2種類のオクタン価の異なるガソリンのどちらがよ
り多く消費されるかは、運転によるため予測ができず、
オクタン価の異なるガソリンをバランス良く使い切るこ
とが極めて難い。このため、一方のガソリンが十分残っ
ていても、他方のガソリン残量が少なくなれば給油を行
わねばならず、給油の頻度が上がるという問題点があっ
た。
【0013】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、その課題は、圧縮自己着火燃焼が
可能な運転領域を拡大し、燃料経済性及び排気浄化性に
優れた内燃機関を提供することである。
【0014】また本発明の課題は、1種類の燃料を車両
に供給するだけで、高オクタン価燃料が要求される運転
領域及び低オクタン価燃料が要求される運転領域におい
ても自己着火燃焼が可能な内燃機関を提供することであ
る。
【0015】さらに本発明の課題は、給油された燃料を
効率よく利用し、給油頻度が上昇することがない内燃機
関を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するため、車両に供給された1種類の燃
料から複数種の燃料に分離する燃料分離手段と、運転領
域に応じて前記複数種の燃料のそれぞれの使用比率を変
更して燃料を供給する燃料供給装置と、を備えたことを
要旨とする内燃機関である。
【0017】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項1記載の内燃機関において、前記燃料分
離手段は、分留器であることを要旨とする。
【0018】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項2記載の内燃機関において、前記分留器
は、その熱源として、機関の冷却水、電熱器、排気熱の
いずれか又はこれらの任意の組合せを用いて、車両に供
給された1種類のガソリンから比較的高い沸点を有する
成分と、比較的低い沸点を有する成分とに分離すること
を要旨とする。
【0019】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項3記載の内燃機関において、前記分留器
は、機関の暖機前は、分留温度に制御された前記電熱器
により分留し、機関の暖機後は、分留温度に設定された
冷却水の熱、または分留器を通過する流量制御により分
留器を分留温度に設定する排気ガスの熱を用いて分留す
ることを要旨とする。
【0020】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るため、運転領域に応じて複数種の燃料のそれぞれの使
用比率を変更して供給する燃料供給装置を備えた内燃機
関であって、運転領域に応じて前記複数種の燃料のそれ
ぞれの使用比率を変化させるとともに、前記燃料の使用
比率によらずに運転が可能な運転領域を有することを要
旨とする。
【0021】請求項6記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の
内燃機関において、前記複数種の燃料のそれぞれの使用
比率によらずに運転が可能な運転領域においては、前記
燃料供給装置は、前記複数種の燃料の残量に応じて、前
記使用比率を変更することを要旨とする。
【0022】請求項7記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項6記載の内燃機関において、前記複数種
の燃料のそれぞれの使用比率によらずに運転が可能な運
転領域においては、前記燃料供給装置は、残量の多い燃
料の使用比率を高くすることを要旨とする。
【0023】請求項8記載の発明は、上記課題を解決す
るため、自己着火燃焼方式と火花点火燃焼方式とを運転
状態に応じて切り換え可能な内燃機関において、車両に
供給されたガソリン燃料から複数の燃料成分に分留する
分留手段と、該分留手段により得られた複数の燃料成分
をそれぞれ貯蔵する複数のサブタンクと、前記分留され
た複数の燃料成分を運転状態に応じて使用比率を変えて
供給する燃料供給装置とを備えてなり、前記燃料供給装
置は、自己着火領域の高負荷側では高い分留温度の燃料
成分の使用比率を高くし、自己着火領域の低負荷側では
低い分留温度の燃料成分の使用比率を高くし、中低負荷
の火花点火領域ではサブタンクの残量の多い燃料成分の
使用比率を高くするように制御することを要旨とする。
【0024】請求項9記載の発明は、上記課題を解決す
るため、自己着火燃焼方式と火花点火燃焼方式とを運転
状態に応じて切り換え可能な内燃機関において、車両に
供給されたガソリン燃料をオクタン価の異なる複数の燃
料成分に分離する分離手段と、該分離手段により得られ
た複数の燃料成分をそれぞれ貯蔵する複数のサブタンク
と、前記分離された複数の燃料成分を運転状態に応じて
使用比率を変えて供給する燃料供給装置とを備えてな
り、前記燃料供給装置は、自己着火領域の高負荷側では
オクタン価の高い燃料成分の使用比率を高くし、自己着
火領域の低負荷側ではオクタン価の低い燃料成分の使用
比率を高くし、中低負荷の火花点火領域ではサブタンク
の残量が多い燃料成分の使用比率を高くするように制御
することを要旨とする。
【0025】請求項10記載の発明は、上記課題を解決
するため、自己着火燃焼方式と火花点火燃焼方式とを運
転状態に応じて切り換え可能な内燃機関において、車両
に供給されたガソリン燃料をオクタン価の異なる複数の
燃料成分に分留する分留手段と、該分留手段により得ら
れた複数の燃料成分をそれぞれ貯蔵する複数のサブタン
クと、前記分留された複数の燃料成分を運転状態に応じ
て使用比率を変えて供給する燃料供給装置とを備えてな
り、前記燃料供給装置は、自己着火領域の高負荷側では
オクタン価の高い燃料成分の使用比率を高くし、自己着
火領域の低負荷側ではオクタン価の低い燃料成分の使用
比率を高くし、中低負荷の火花点火領域ではサブタンク
の残量が多い燃料成分の使用比率を高くするように制御
することを要旨とする。
【0026】請求項11記載の発明は、上記課題を解決
するため、請求項9または請求項10記載の内燃機関に
おいて、自己着火運転が継続し、複数の燃料成分のう
ち、その運転領域で使用割合が多い方の燃料成分の残量
が第1の所定量より少なくなった場合、或いは、その運
転領域で使用割合が少ない方の燃料成分の残量が前記第
1の所定量より多い第2の所定量より多くなった場合、
残量が多い方の燃料成分を多く供給するように切り換え
るとともに、自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切り換え
ることを要旨とする。
【0027】請求項12記載の発明は、上記課題を解決
するため、自己着火燃焼方式と火花点火燃焼方式とを運
転状態に応じて切り換え可能な内燃機関において、車両
に供給されたガソリン燃料をオクタン価の異なる複数の
燃料成分に分留する分留手段と、該分留手段により得ら
れた複数の燃料成分をそれぞれ貯蔵する複数のサブタン
クと、前記分留された複数の燃料成分を運転状態に応じ
て使用比率を変えて供給する燃料供給装置と、自動変速
機の変速点を変更する変速点制御手段とを備えて、オク
タン価の高い燃料成分の使用比率を高くする運転領域
と、オクタン価の低い燃料成分の使用比率を高くする運
転領域と、いずれのオクタン価の燃料成分でも使用可能
な運転領域とを設定し、自己着火運転が継続し、複数の
燃料成分のうち、その運転領域で使用比率が多い方の燃
料成分のサブタンク残量が第1の所定量より少なくなっ
た場合、或いはその運転領域で使用比率が少ない方の燃
料成分のサブタンク残量が前記第1の所定量より多い第
2の所定量より多くなった場合、前記変速機の変速点を
変更するとともに、変更前の出力と同等な出力でサブタ
ンク残量が少ない方の燃料成分の使用比率が低い運転領
域を利用するように切り換えることを要旨とする。
【0028】請求項13記載の発明は、上記課題を解決
するため、請求項1記載の内燃機関において、前記燃料
分離手段は、燃料中の高オクタン価燃料成分を吸着する
燃料フィルタと、該燃料フィルタが吸着した高オクタン
価燃料成分を気化させて燃料フィルタから離脱させる加
熱器とを備えたことを要旨とする。
【0029】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、車両に
供給された1種類の燃料から複数種の燃料に分離する燃
料分離手段と、運転領域に応じて前記複数種の燃料のそ
れぞれの使用比率を変更して燃料を供給する燃料供給装
置とを備えたことにより、運転領域に適合した燃料を使
用できるので、燃費を向上し、排気を低減することがで
きる。
【0030】請求項2記載の本発明によれば、請求項1
記載の発明の効果に加えて、前記燃料分離手段を分留器
としたので、比較的簡単な構造で1種類の燃料から複数
種の燃料に分離することができる。
【0031】請求項3記載の本発明によれば、請求項2
記載の発明の効果に加えて、前記分留器は、その熱源と
して、機関の冷却水、電熱器、排気熱のいずれか又はこ
れらの任意の組合せを用いて、車両に供給された1種類
のガソリンから比較的高い沸点を有する成分と、比較的
低い沸点を有する成分とに分離することにより、分留の
ためのエネルギーを消費することなく、機関の廃熱を利
用して分留が行えると共に、冷間時に分留の必要が生じ
た場合にも電熱器を熱源として分留することができる。
【0032】請求項4記載の本発明によれば、請求項3
記載の発明の効果に加えて、前記分留器は、機関の暖機
前は、分留温度に制御された前記電熱器により分留し、
機関の暖機後は、分留温度に設定された冷却水の熱、ま
たは分留器を通過する流量制御により分留器を分留温度
に設定する排気ガスの熱を用いて分留することにより、
所望の分留温度にて給油された1種類のガソリンから複
数種の燃料に分留することができる。
【0033】請求項5記載の本発明によれば、運転領域
に応じて前記複数種の燃料のそれぞれの使用比率を変化
させるとともに、前記燃料の使用比率によらずに運転が
可能な運転領域を設けたことにより、一方の燃料のみが
使用され、他方の燃料が使用されずに余ることを避ける
ことができる。
【0034】請求項6記載の本発明によれば、請求項1
ないし請求項5記載の発明の効果に加えて、前記複数種
の燃料のそれぞれの使用比率によらずに運転が可能な運
転領域においては、前記燃料供給装置は、前記複数種の
燃料の残量に応じて、前記使用比率を変更することによ
り、どのように運転領域が変化した場合でも運転領域に
適合した燃料を長時間供給することができる。
【0035】請求項7記載の本発明によれば、請求項6
記載の発明の効果に加えて、前記複数種の燃料のそれぞ
れの使用比率によらずに運転が可能な運転領域において
は、前記燃料供給装置は、残量の多い燃料の使用比率を
高くすることにより、複数種の燃料の残量が平均化し、
分離された複数種の燃料の残量が下限又は上限に至るこ
とを防止することができる。
【0036】請求項8記載の本発明によれば、車両に供
給されたガソリン燃料から分離手段により得られた複数
の燃料成分を運転状態に応じて使用比率を変えて供給す
る燃料供給装置は、自己着火領域の高負荷側では高い分
留温度の燃料成分の使用比率を高くし、自己着火領域の
低負荷側では低い分留温度の燃料成分の使用比率を高く
し、中低負荷の火花点火領域ではサブタンクの残量の多
い燃料成分の使用比率を高くするように制御することに
より、運転領域に適合した燃料を使用可能として燃費を
向上し、排気を低減することができるとともに、いずれ
か一方の燃料成分が余ることを防止できる。
【0037】請求項9記載の本発明によれば、車両に供
給されたガソリン燃料から分離手段により得られた複数
の燃料成分を運転状態に応じて使用比率を変えて供給す
る燃料供給装置は、自己着火領域の高負荷側ではオクタ
ン価の高い燃料成分の使用比率を高くし、自己着火領域
の低負荷側ではオクタン価の低い燃料成分の使用比率を
高くし、中低負荷の火花点火領域ではサブタンクの残量
が多い燃料成分の使用比率を高くするように制御するこ
とにより、運転領域に適合した燃料を使用可能として燃
費を向上し、排気を低減することができるとともに、い
ずれか一方の燃料成分が余ることを防止できる。
【0038】請求項10記載の本発明によれば、車両に
供給されたガソリン燃料から分留手段により得られたオ
クタン価の異なる複数の燃料成分を運転状態に応じて使
用比率を変えて供給する燃料供給装置は、自己着火領域
の高負荷側ではオクタン価の高い燃料成分の使用比率を
高くし、自己着火領域の低負荷側ではオクタン価の低い
燃料成分の使用比率を高くし、中低負荷の火花点火領域
ではサブタンクの残量が多い燃料成分の使用比率を高く
するように制御することにより、運転領域に適合した燃
料を使用可能として燃費を向上し、排気を低減すること
ができるとともに、いずれか一方の燃料成分が余ること
を防止できる。
【0039】請求項11記載の本発明によれば、請求項
9または請求項10記載の発明の効果に加えて、自己着
火運転が継続し、複数の燃料成分のうち、その運転領域
で使用割合が多い方の燃料成分の残量が第1の所定量よ
り少なくなった場合、或いは、その運転領域で使用割合
が少ない方の燃料成分の残量が前記第1の所定量より多
い第2の所定量より多くなった場合、残量が多い方の燃
料成分を多く供給するように切り換えるとともに、自己
着火燃焼から火花点火燃焼へ切り換えることにより、分
離または分留された燃料成分毎に貯蔵する複数のサブタ
ンクのアンダーフロー又はオーバフローを防止すること
ができる。
【0040】請求項12記載の本発明によれば、自己着
火燃焼方式と火花点火燃焼方式とを運転状態に応じて切
り換え可能な内燃機関において、オクタン価の高い燃料
成分の使用比率を高くする運転領域と、オクタン価の低
い燃料成分の使用比率を高くする運転領域と、いずれの
オクタン価の燃料成分でも使用可能な運転領域とを設定
し、自己着火運転が継続し、複数の燃料成分のうち、そ
の運転領域で使用比率が多い方の燃料成分のサブタンク
残量が第1の所定量より少なくなった場合、或いはその
運転領域で使用比率が少ない方の燃料成分のサブタンク
残量が前記第1の所定量より多い第2の所定量より多く
なった場合、前記変速機の変速点を変更するとともに、
変更前の出力と同等な出力でサブタンク残量が少ない方
の燃料成分の使用比率が低い運転領域を利用するように
切り換えることにより、アクセルペダルの踏込量に対す
る加速特性等の運転性を損なわずに、残量の多い方の燃
料を使用することができる。
【0041】請求項13記載の本発明によれば、請求項
1記載の発明の効果に加えて、前記燃料分離手段は、燃
料中の高オクタン価燃料成分を吸着する燃料フィルタ
と、該燃料フィルタが吸着した高オクタン価燃料成分を
気化させて燃料フィルタから離脱させる加熱器とを備え
たことにより、燃料から高オクタン価燃料成分と低オク
タン価燃料成分とを分離するための燃料分離手段を簡単
な構造のものとすることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図面に基づいて
説明する。図1は、本発明に係る内燃機関の一実施形態
を示すシステム構成図であり、本発明をガソリン機関に
適用した例を示す。
【0043】図1において、ガソリン機関は、機関全体
及び燃料の使用比率を制御する電子制御ユニット(以
下、ECUと略す)1と、外部からガソリンが給油され
るメインガソリンタンク8と、メインガソリンタンク8
から供給されるガソリンを燃料成分の沸点の違いにより
高沸点かつ高いオクタン価を有する高オクタン価燃料と
低沸点かつ低いオクタン価を有する低オクタン価燃料と
に分離する分留器と9と、分留された高オクタン価燃
料、低オクタン価燃料をそれぞれ貯蔵するサブ燃料タン
ク10、11、それぞれのサブタンク10、11に設け
られた残量計12、13、高オクタン価燃料を高圧力で
間欠的に送出する高圧間欠ポンプ16、低オクタン価燃
料を所望の一定圧力で送出する可変圧力ポンプ15、可
変圧力ポンプ15の出力ライン圧力を検出する燃料ライ
ン圧力計14、可変圧力ポンプ15及び高圧間欠ポンプ
16から燃料が供給される燃料噴射弁17、点火プラグ
18、バルブタイミング可変機構19、エンジン本体2
0、及び自動変速機21とを備えている。
【0044】ECU1は、エンジンの負荷及び回転数に
より運転領域を判定する運転領域判定部2と、高オクタ
ン価燃料と低オクタン価燃料との使用割合または混合比
を決定する燃料混合比決定部3と、運転領域に応じた燃
焼条件を実現するためバルブタイミング可変機構19を
制御するバルブタイミング制御部4と、高圧間欠ポンプ
16を制御する高圧間欠ポンプ制御部5と、可変圧力ポ
ンプ15を制御する可変圧力ポンプ制御部6と、自動変
速機21の変速点を制御する自動変速機制御部7とを備
えている。
【0045】バルブタイミング可変機構19は、エンジ
ン20が備える吸気弁と排気弁の開閉タイミングを変更
する機構である。バルブタイミング可変機構19とし
て、例えば、特開平 9−242520号公報や特開2
000−73797号公報に開示される機構を適用する
ことができる。
【0046】バルブタイミング可変機構19は、排気弁
を排気ストロークの途中で閉じ、吸気弁を吸気ストロー
クの途中で閉じることで、吸気弁と排気弁の双方が閉鎖
状態となる期間を設けて内部EGR量を制御したり、あ
るいは吸気弁の閉鎖時期を遅くしてエンジン20の実質
的な圧縮比を下げるなどの操作を行う。
【0047】次に、本実施の形態の動作を説明する。メ
インガソリンタンク(以下、単にメインタンクと呼ぶ)
8からは燃料配管で分留器9が接続されている。分留器
9には、例えばエンジンからラジエータへ向かう高温冷
却水、及びラジエータからエンジンへ向かう低温冷却水
の冷却水通路22が高温熱源と低温熱源(冷熱源)とし
て設けられている。そして、この高温冷却水の温度によ
り高い沸点を持つガソリン成分と同温度より低い沸点を
持つガソリン成分とが分離され、低温冷却水により蒸発
したガソリンが再び液化される。
【0048】例えば、暖機後の冷却水温度が80℃とす
ると、80℃よりも高い温度で蒸発する成分(高沸点成
分)と、80℃よりも低い温度で蒸発する成分(低沸点
成分)に分離される。更に詳細に記述すれば、RON
(リサーチ法オクタン価)100のガソリンを80℃で
分留した場合、RON108の高オクタン価の分子量の
大きい高沸点ガソリン成分(高オクタン価燃料)が約体
積で元のガソリンの45%得られ、RON94の低オク
タン価の分子量の小さい低沸点ガソリン成分(低オクタ
ン価燃料)が元のガソリンの体積の55%得られる。こ
の際合計のガソリン分留量は、エンジンの最大負荷時に
消費するガソリン量よりも多くなるように設定されてい
る。
【0049】尚、低温冷却水により気化ガソリンを液化
する代わりに、空冷により液化してもよく、また高温熱
源としては、高温冷却水に換えて暖機後の排気熱、さら
に暖機前の冷間時には、高温熱源としてバッテリの電力
を利用する電熱器等の利用も可能である。
【0050】分留器9で分離された高オクタン価燃料及
び低オクタン価燃料は、分留器9に接続されるそれぞれ
のサブタンク10、11に納められる。それぞれのサブ
タンク10、11には、残量計12、13が設けられ、
各燃料成分の残量に応じた信号がECU1に送られる。
サブタンク10の高オクタン価燃料は高圧間欠ポンプ1
6により、サブタンク11からの低オクタン価燃料は可
変圧力ポンプ15によりそれぞれ圧力が加えられて一つ
の燃料噴射弁17に供給される。
【0051】そして、ECU1の高圧間欠ポンプ制御部
5による高圧間欠ポンプ16の残留圧力制御、及び可変
圧力ポンプ制御部6による可変圧力ポンプ15の圧力制
御によって、これら高オクタン価燃料及び低オクタン価
燃料の供給燃料圧力を制御することにより、燃料噴射弁
17から噴射される両燃料の一回の噴射当たりの噴射
量、すなわち噴射中の両燃料の使用割合、或いは混合割
合を制御するよう構成されている。
【0052】図2は、燃料噴射弁17の詳細な構造を説
明する断面図である。図2において、燃料噴射弁17
は、バルブボディ101と、針弁102と、針弁102
を閉弁側に付勢するバネ103と、チェック弁110と
を備えている。針弁102には、バルブボディ101内
を上下に摺動する大径部102aと、これに続くテーパ
部102bと、これに続く小径部102cと、小径部1
02cの先端に設けられた円錐形のコーン部102dが
設けられている。
【0053】バルブボディ101の先端部には噴射口1
05が設けられ、そのすぐ内側は針弁コーン部102d
が当接して噴射口105を塞ぐシート部104となって
いる。
【0054】また、バルブボディ101には、針弁テー
パ部102bの周囲に環状に設けられた空間部である上
部燃料たまり108と、針弁小径部102cの先端部の
周囲に設けられた環状の空間部である先端部燃料たまり
106と、先端部が先端部燃料たまり106に開口する
とともにチェック弁110を介して可変圧力ポンプより
低オクタン価燃料が供給される燃料通路107と、先端
部が上部燃料たまり108に開口するとともに高圧間欠
ポンプより高オクタン価燃料が供給される燃料通路10
9とが設けられている。
【0055】ここで、高オクタン価燃料の粘度は、低オ
クタン価燃料の粘度よりは高く、高圧での潤滑性に相対
的に優れるため、高オクタン価燃料で燃料噴射弁17の
バルブボディ101に対する針弁大径部102a等の可
動部の潤滑を行っている。
【0056】また高オクタン価燃料の間欠的な高圧によ
り、上部燃料たまり108の燃料圧力が針弁テーパー部
102bに上向きの力として作用し、バネ103の押圧
力に打ち勝って針弁102を上方に滑動させ、針弁コー
ン部102dがバルブボディシート部104から離れる
ことによって、燃料噴射弁17を開弁させている。
【0057】一方、低オクタン価燃料は可変圧力ポンプ
15により圧力制御可能な定圧力で燃料噴射弁17に供
給される。高オクタン価燃料の間欠噴射の終了時に、そ
の残留圧力に対する可変圧力ポンプの低オクタン価燃料
の供給圧力が高ければ、先端部燃料たまり106に低オ
クタン価燃料が多く溜まり、従って針弁102が開いた
ときにそれらが先に噴射されるので低オクタン価燃料の
噴射割合が多くできる。
【0058】逆に、低オクタン価燃料噴射割合を少なく
したい場合は、低オクタン価燃料の供給圧力を下げて、
高オクタン価燃料の間欠噴射が終了したときの残留圧力
よりも同等か低くすることにより、低オクタン価燃料は
燃料噴射弁の先端部燃料たまり106に溜まることがで
きず、高オクタン価燃料による針弁102のリフト上昇
で始まる噴射時にはほぼ大半の噴射燃料が高オクタン価
燃料となり、低オクタン価燃料の噴射割合を少なくでき
る。
【0059】ここで、全体の燃料量は、負荷に応じた噴
射量になるが、これは、間欠噴射する燃料量と、一定圧
力で供給する燃料量の合計である。このため、全体の噴
射量は、運転者のトルクの要求により決まるが、その際
の混合割合を制御したいのである。このため、全体量が
決まったら、次に上記2つのサブタンク10、11の残
量に応じて、どちらの燃料をどの程度多く混合噴射する
かを決めて、それになるように、間欠噴射の噴射量と、
一定圧力のレベルを決めることになる。
【0060】より詳しくは、ECU1の燃料混合比決定
部3で全体の噴射量と、その中での両燃料の噴射割合を
決定し、決定された噴射割合に応じて、高圧間欠ポンプ
制御部5が制御する高圧間欠ポンプ16の残留圧力又は
可変圧力ポンプ制御部6が制御する可変圧力ポンプの一
定圧力レベルを制御することになる。
【0061】高圧間欠ポンプ16は高圧圧送期間を制御
するものであるが、この高圧圧送期間は針弁の開弁する
期間であり、結局、一定圧力の燃料と間欠圧送する燃料
の合計の燃料が噴射される量を決定している。つまり、
全体の燃料量を高圧間欠噴射ポンプの開弁期間により決
めている。一定圧力により、燃料噴射弁先端部にたまる
一定圧力の燃料量が決まるため、混合割合が決められる
ことになる。
【0062】このようにして、間欠噴射する燃料量と、
一定圧力で供給する燃料の供給圧力の両者を制御するこ
とで、噴射割合を制御できる。尚、この燃料噴射弁は、
吸気ポート噴射または筒内直接噴射のいずれに用いても
よい。
【0063】また、本実施形態では、吸排気弁のバルブ
タイミングが可変制御できるバルブタイミング可変機構
19が設けられている。例えば、バルブタイミングを排
気弁を排気行程途中で早めに閉じて、吸気弁の開く時期
も吸気行程途中になるように遅らせるように変更してマ
イナスオーバラップ量を制御したり、吸気弁の閉じる時
期を遅くして実質的な圧縮比を下げるなどの制御ができ
るようになっている。
【0064】これにより、残留ガスの量が制御でき、ま
た、圧縮比も制御できることになり、自己着火に必要な
温度や圧力が得られることができ、また、火花点火が可
能になるように実質的な圧縮比を下げることも可能にな
っている。
【0065】図3は、本実施の形態における運転領域区
分、すなわち負荷及び機関回転数による火花点火領域
(A1)と自己着火領域との区分、さらに自己着火領域
内を高負荷から低負荷側へ、Bと、A2と、Cからなる
3領域に区分して、いずれの燃料を使用する領域かを示
したマップである。A1とA2の領域は、高オクタン価
燃料及び低オクタン価燃料のいずれの燃料でも利用可能
であり、両者の任意の混合比でもかまわない。Bの領域
は高負荷のためノッキングを起こしにくい高オクタン価
燃料が適合し、Cの領域は低負荷のため燃焼安定性に優
れる低オクタン価燃料が適合する。
【0066】図3のマップは、ECU1の運転領域判定
部2により参照され、いずれの運転領域かが判定され
る。
【0067】ここで、自己着火について補足すると、自
己着火領域は主として負荷の大きさによって上記3領域
に分けることができ、高負荷側の領域Bではノッキング
により自己着火範囲が制限されるので、燃料のオクタン
価は相対的に高く、圧縮比は相対的に低く、排気ガスを
気筒内に残留させて再循環する内部EGRの量も相対的
に低くすることが望ましい。
【0068】これに対し、自己着火領域の低負荷側の領
域Cは、希薄な混合気の自己着火を促進するために、燃
料のオクタン価は相対的に低く、圧縮比は相対的に高
く、内部EGR量も相対的に多くすることが望ましい。
実圧縮比及び内部EGR量はECU1のバルブタイミン
グ制御部4からバルブタイミング可変機構19を制御す
ることにより行うことができる。更には、点火プラグの
火花による混合気活性化エネルギ補助などの手段によ
り、自己着火を促進することが望ましい。
【0069】また、領域Bと領域Cとの中間の負荷の領
域A2では、燃料オクタン価や圧縮比や内部EGR量は
相対的に中間のレベルにあることが望ましい。このよう
に負荷に応じてエンジンの制御パラメータを制御するこ
とにより、自己着火を安定的に起こさせることが望まし
い。
【0070】次に、図3に示したA1,A2,B,Cの
各運転領域において、バルブタイミング可変機構19に
よる具体的なバルブタイミングを図10のバルブタイミ
ング図を参照して説明する。
【0071】C領域での自己着火運転時は、最も低負荷
側で自己着火が起きにくいので、低オクタン価燃料を使
うと共に、図10(a)に示すバルブタイミングに設定
し、排気弁を早く閉じ、吸気弁を遅く開けて、いわゆるマ
イナスオーバラップ量を大きく取る。これにより、大量
の前サイクルの排気ガスをEGRガスとして次のサイク
ルに供給し、筒内のガス温度を十分高くして、自己着火
が起きやすくする。
【0072】さらに、吸気弁の閉時期を早くして下死点
付近とし、幾何学的な圧縮比を高く取り、上死点付近で
筒内の温度圧力を高くし、自己着火しやすくする。
【0073】B領域での自己着火運転時には、自己着火
領域の高負荷側なので、自己着火が急激におきてノッキ
ングを起こしやすいので、高オクタン価燃料を使うと共
に、図10(b)に示すバルブタイミングに設定し、排
気弁を遅く閉じ、吸気弁を早く開けて、いわゆるマイナス
オーバラップ量を小さく取る。これにより、少量の前サ
イクルの排気ガスをEGRガスとして次のサイクルに供
給し、筒内のガス温度があまり高く成らないようにし
て、自己着火が急激に起こらないように緩慢に起こるよ
うにする。
【0074】さらに、吸気弁の閉時期を下死点付近より
も遅くして、幾何学的な圧縮比が低くなるようにして、
上死点付近で筒内の温度圧力が余り上がらないようにし
て、自己着火を緩慢に起こすようにする。
【0075】A2領域での自己着火運転時には、自己着
火領域の中負荷側なので、自己着火にとり適度な温度と
圧力の場が筒内に実現できており、高&低オクタン価燃
料の両者が使える。このため、図10(c)に示すバル
ブタイミングを設定し、排気弁をやや遅く閉じ、吸気弁
をやや早く開けて、いわゆるマイナスオーバラップ量を
BとCの中間程度に設定し、前サイクルの排気ガスをE
GRガスとして次のサイクルに供給する量もBとCの中
間程度にする。これにより、筒内のガス温度が適度に高
くなり、オクタン価が高くても低くても自己着火が緩慢
に起こる。
【0076】さらに、吸気弁の閉時期を下死点付近より
もやや遅くして、幾何学的な圧縮比がやや低くなるよう
にして、上死点付近で筒内の温度圧力をBとCの中間程
度になるようにして、自己着火を緩慢に起こすようにす
る。
【0077】A1領域での運転時には、火花点火運転領
域であるので、筒内の温度圧力を自己着火燃焼とは異な
り上昇させる必要はない。
【0078】このため、図10(d)に示すバルブタイ
ミングを設定し、排気弁を遅く閉じ、吸気弁を排気弁の
閉じる時期よりも早く開けて、いわゆるオーバラップ量
を設ける。
【0079】これにより、前サイクルの既燃ガスが次の
サイクルにEGRガスとして供給されることがほとんど
なくなり、良好な火炎伝播が行われるとともに、EGR
ガスによる筒内の温度が高く成ることも抑えられるの
で、ノッキングも抑えられる。
【0080】さらに、吸気弁の閉時期を下死点付近より
も遅くして、幾何学的な圧縮比が低くなるようにして、
上死点付近で筒内の温度圧力を抑制することにより、火
花点火時のノッキングを抑制する。
【0081】次に、フローチャートを参照して、本実施
の形態の動作を説明する。図4は、本実施形態の概略動
作を示すフローチャートである。まず最初に、機関の負
荷及び回転数をECU1に読み込み、負荷及び回転数に
基づいて予め記憶された図3のようなマップを参照して
運転領域がA1,A2,B,Cのいずれであるかを判別
する(ステップ10、以下ステップをSと略す)。運転
領域がB又はCの場合、次いで、2つのサブタンクの残
量計を読み取り、高オクタン価燃料、低オクタン価燃料
のそれぞれの残量を検出する(S12)。
【0082】次いで、運転領域対応の燃料残量、即ち領
域Bの場合は高オクタン価燃料、領域Cの場合は低オク
タン価燃料の残量が最小値MINより多いか否かを判定
する(S14)。最小値MINより多ければ、運転領域
対応の燃料のみを使用して(S16)、運転領域に応じ
たバルブタイミングを設定するために後述されるS26
へ分岐する。
【0083】S14の判定で運転領域対応の燃料残量が
MIN以下であれば、他方の燃料の使用率(混合率)を
上げるように燃料のポンプ15、16を制御し(S2
0)、運転領域対応の燃料が増加するか否かを判定する
(S22)。運転領域対応の燃料の分留量が使用量を上
回れば、その燃料残量は増加し、使用量が分留量を上回
ればその燃料残量は減少する。
【0084】S22の判定において、運転領域対応の燃
料残量が増加していれば、その時点の燃料使用比率を維
持し(S24)、運転領域を判別して(S26)、運転
領域がCであれば、EGR増加及び高圧縮比化した自己
着火燃焼用の図10(a)のバルブタイミングを設定す
るとともに自己着火燃焼の予反応(活性ラジカル生成反
応)を高めるための補助点火信号を出力して(S2
8)、リターンする。
【0085】S26の判定で、運転領域がBであれば、
EGR減少及び低圧縮比化した自己着火燃焼用の図10
(b)のバルブタイミングを設定して(S30)、リタ
ーンする。
【0086】S22の判定において、運転領域対応の燃
料残量が増加していなければ、自己着火燃料領域である
にも係わらず運転領域に対応した燃料が使用できないと
して火花点火燃焼に切り換えるため、他方の燃料のみを
使用するように燃料のポンプ15、16を制御し(S3
2)、火花点火燃焼用の通常のバルブタイミングである
図10(d)のバルブタイミングに設定するとともに火
花点火信号を出力して(S34)、リターンする。
【0087】S10の運転領域判定において、A1又は
A2であれば、いずれの燃料を使用してもよい運転領域
なので、次いで、2つのサブタンクの残量計を読み取
り、高オクタン価燃料、低オクタン価燃料のそれぞれの
残量を検出する(S40)。
【0088】次いで、それぞれのサブタンクの燃料残量
と最小値MINとを比較し(S42)、一方の残量のみ
がMIN以下で有れば、他方の燃料のみを使用するよう
にポンプ15、16を制御する(S44)。また、S4
2の判定で両方のサブタンクの燃料残量が共に最小値を
上回っていれば、残量の多い方の燃料の使用比率を上げ
る(S46)。そして、運転領域を判別して(S4
8)、A1であればS34へ移って火花点火燃焼用の設
定を行う。運転領域がA2であれば、自己着火燃焼用の
図10(c)のバルブタイミングに設定して(S5
0)、リターンする。
【0089】以上、図4に示したように制御することの
より、分留された燃料のうち自己着火燃焼領域Bまたは
Cに適合した燃料残量が最小値より多い場合は、運転領
域に適合した燃料を使用して、燃費の低減及び排気の浄
化を図ることができる。さらに、運転領域に適合した燃
料が使用できない場合には、他方の燃料を使用して火花
点火燃焼とし、いずれの燃料でも利用できる運転領域で
は、残量の多い方の燃料を使用するように制御すること
で、分留された一方の燃料のみを使い切って、他方の燃
料が余ることを回避し、メインタンクへの給油の手間を
減らすことができる。
【0090】尚、2つのサブタンクの残量をMIN値と
比較または相互に比較する場合、分留により得られる高
オクタン価燃料と低オクタン価燃料との体積収率、4
5:55を考慮して、残量値を補正した値を使用しても
よい。即ち、高オクタン価燃料のサブタンク10の残量
計12の指示値をQh、低オクタン価燃料のサブタンク
11の残量計13の指示値をQr、としたとき、実効的
な燃料残量を高オクタン価燃料残量を0.9Qh、低オ
クタン価燃料残量を1.1Qrとして計算してもよい。
【0091】図5ないし図7は、本実施形態の詳細な制
御フローチャートである。図5は、制御の開始点から主
として、高オクタン価燃料または低オクタン価燃料のい
ずれの燃料でも利用可能な火花点火燃焼領域A1及び中
負荷自己着火燃焼領域A2における残量の多い方の燃料
を多く使用する制御動作を説明する。図6は、高オクタ
ン価燃料が適合する高負荷自己着火燃焼領域Bの動作を
説明し、図7は、低オクタン価燃料が適合する低負荷自
己着火燃焼領域Cの動作を説明する。
【0092】図5において、まず、回転数および負荷を
検出し、これに基づいて図3に示した様なマップを参照
して運転領域の判別を行う(S102)。運転領域がC
となったとき(S104)は、図7へ移る。運転領域が
Bとなったとき(S106)は、図6へ移る。
【0093】運転領域がいずれの燃料でも利用可能なA
1又はA2の領域となったとき(S108)、2つのサ
ブタンクの残量計を読み取って燃料残量を検出する(S
110)。次いで両方の燃料残量ともに最小限度の残量
(MIN)よりも多いかどうかを判定する(S11
2)。
【0094】高オクタン価燃料の残量が最小限度よりも
少なければ(S114)低オクタン価燃料のみを使うよ
うに、可変圧力ポンプによる低オクタン価燃料の供給圧
を高圧間欠ポンプの残留圧力より大幅に上げる(S11
6)。そして、点火時期、残留ガス量、圧縮比など、領
域A1またはA2に適合した微調整を行うように、点火
信号、可変バルブタイミング機構指示信号を出力して
(S136)、リターンする。
【0095】S112の判定において、どちらの燃料残
量ともに最小限度の残量より多ければ(S120)、2
つのサブタンクの残量計の指示値を比べる(S12
2)。低オクタン価燃料の残量が多ければ(S12
4)、低オクタン価燃料の噴射割合が増えるように低オ
クタン価燃料の供給圧を制御する可変圧力ポンプの圧力
を上げ(S126)、S136へ移る。
【0096】S122の比較において、高オクタン価燃
料の残量が多ければ(S128)、低オクタン価燃料の
噴射割合が減るように低オクタン価燃料の供給圧を制御
する可変圧力ポンプの圧力を下げ(S130)、S13
6へ移る。
【0097】S112の判定において、低オクタン価燃
料の残量が最小限度よりも少なければ(S132)、高
オクタン価燃料のみを使用するように低オクタン価燃料
の供給圧を制御する可変圧力ポンプの圧力を高圧間欠ポ
ンプの残留圧力よりも下げて(S134)、S136へ
移る。
【0098】こうして、いずれの燃料でも使用可能なA
1又はA2の運転領域において、低オクタン価燃料の供
給圧を可変圧力ポンプにより制御することにより、燃料
残量の多い方の燃料の使用割合を多くすることができ
る。
【0099】尚、燃料使用割合、換言すれば噴射割合
は、例えば、2つのタンクの残量の相対的な大きさの違
いにより、あらかじめ定められたマップに従って設定し
てもよい。例えば、2つのタンクの残量差が多い場合
は、残量の多い燃料の噴射割合が多くなるように設定し
てもよい。
【0100】このような燃料の切り替え制御と同時に、
点火時期やバルブタイミングなど、エンジンの燃焼制御
パラメータも必要に応じ、その燃料の性状変化に合わせ
てあらかじめ定められたマップに従い制御する。
【0101】次に、図3の高負荷自己着火燃焼領域Bに
おいては、高オクタン価燃料が適合するので、高オクタ
ン価燃料のサブタンクの残量があらかじめ定められた最
小限度以上あれば、高オクタン価燃料を主に噴射するよ
う、低オクタン価燃料の一定供給圧力を高オクタン価燃
料の間欠噴射の残留圧力以下になるように設定する。
【0102】図6は、この領域Bにあるときの制御フロ
ーを示す。もし、この運転領域Bに長時間あって、高オ
クタン価燃料の残留量があらかじめ定められた最小限度
よりも少なくなった場合、低オクタン価燃料の混合割合
を増大させるよう、一定圧力の供給圧力を上げる。
【0103】これに応じて、そのままでは自己着火時に
ノッキングに近いような急激な燃焼が起こるので、バル
ブタイミングをマイナスオーバラップ量が少なくなるよ
うに制御して残留ガス量を減少させたり、吸気弁の閉じ
る時期を遅くして実質的な圧縮比を下げることを行う。
それでも高オクタン価燃料の残留量が回復しない場合
は、低オクタン価燃料のみが噴射されるよう、一定供給
圧力を高くすると共に、領域Bを火花点火による火炎伝
播運転に切り替える。
【0104】このために、バルブタイミングを制御し
て、マイナスオーバラップ量を少なくして残留ガス量を
低減すると共に、圧縮比を低下させてノッキングが起こ
らないようにする。また、点火時期は、このようなパラ
メータが制御される途中で時間がかかる場合、ノッキン
グが起きないように遅い時期に点火するように必要に応
じて調整される。
【0105】図6において、運転領域が高オクタン価燃
料が適合する高負荷自己着火燃焼領域Bとなった場合で
は、まず2つのサブタンクの燃料残量を検出し(S14
0)、両方の燃料残量と最小限度の残量(MIN)とを
比較する(S142)。低オクタン価燃料の残量が最小
限度よりも少なければ(S144)、高オクタン価燃料
のみを使用するように、可変圧力ポンプによる低オクタ
ン価燃料の供給圧を高圧間欠ポンプの残留圧力より大幅
に下げる(S148)。そして、自己着火燃焼を行うた
めに、残留ガス量が多くなるように、圧縮比が高くなる
ように、可変バルブタイミング機構指示信号を出力し
(S150)、リターンする。
【0106】S142の比較において、どちらの残量と
もに最小限度の残量より多ければ(S146)、S14
8へ移る。
【0107】S142の比較において、高オクタン価燃
料の残量が最小限度よりも少なければ(S152)、低
オクタン価燃料の噴射割合が多くなるように、可変圧力
ポンプによる低オクタン価燃料の供給圧を上げる(S1
54)。次いで、高オクタン価燃料の残量が最小限度の
残量以下で増大しているかどうかを判定し(S15
6)、増大していなければ(S158)、低オクタン価
燃料のみを使用するように、低オクタン価燃料の供給圧
を高圧間欠ポンプの残留圧力よりも大幅に上げて(S1
60)、火花点火燃焼をおこなうために、残留ガス量が
少なくなるように、圧縮比が低くなるように、可変バル
ブタイミング機構指示信号と点火信号とを出力して(S
162)、リターンする。
【0108】S156の判定で、増大していれば(S1
64)、そのままの噴射割合を維持し(S166)、自
己着火燃焼を行うために、残留ガス量がより多くなるよ
うに、圧縮比がより高くなるように、可変バルブタイミ
ング機構指示信号を出力して(S168)、リターンす
る。
【0109】次に、運転領域が図3の領域Cに長時間あ
った場合、低負荷自己着火燃焼領域Cで使用する低オク
タン価燃料が多く消費されることになる。この場合の制
御フローを図7に示す。
【0110】もし、低オクタン価燃料の残量があらかじ
め定めた最小限レベルよりも高ければ、低オクタン価燃
料が主に噴射されるように、可変圧力ポンプの供給圧力
を高くして、燃料噴射弁の先端部を低オクタン価燃料が
多く占めるようにして、噴射時には大半の噴射燃料が低
オクタン価燃料となるようにする。
【0111】ここで、該低オクタン価燃料の残量が最小
限以下となったら、残量の多い高オクタン価燃料の噴射
割合を増大する。これを行うと、この領域では自己着火
が起こりにくくなるので、自己着火を起こしやすくする
よう、他のパラメータを制御する。例えば、点火プラグ
で点火を行うか、可変バルブタイミング機構を制御して
残留ガス量を多くしたり、吸気弁の閉じる時期を下死点
付近にして実質的な圧縮比を高く取るかである。
【0112】それでも低オクタン価燃料の残量が回復し
ない場合は、全量高オクタン価燃料を噴射するように、
低オクタン価燃料の一定供給圧力を間欠噴射する高オク
タン価燃料の噴射終了時の残留圧力よりも低くする。同
時に、このままでは自己着火しないので、火花点火を行
い、通常の火炎伝播による燃焼に切り替える。圧縮比は
ノッキングが起こらない程度まで下がるようにバルブタ
イミングを変化させるとともに、残留ガス量を減らし、
かつ、新気の空気吸入量を減らして、空燃比が火炎伝播
できるような例えば24よりも高い値になるようにす
る。
【0113】この状態で残量の多い高オクタン価燃料を
主に使い、低オクタン価燃料の使用量を抑えて、分留に
より生成される低オクタン価燃料のサブタンクの残量が
あらかじめ定められた残量まで回復するまで、この状態
を継続する。
【0114】図7において、運転領域が低オクタン価燃
料が適合する低負荷自己着火燃焼領域Cとなった場合で
は、まず2つのサブタンクの燃料残量を検出し(S17
0)、両方の燃料残量と最小限度の残量(MIN)とを
比較する(S172)。高オクタン価燃料の残量が最小
限度よりも少なければ(S174)、低オクタン価燃料
のみを使用するように、可変圧力ポンプによる低オクタ
ン価燃料の供給圧を高圧間欠ポンプの残留圧力より大幅
に上げる(S178)。そして、自己着火燃焼を行うた
めに、残留ガス量が多くなるように、圧縮比が高くなる
ように、可変バルブタイミング機構指示信号を出力し
(S180)、リターンする。
【0115】S172の比較において、どちらの残量と
もに最小限度の残量より多ければ(S176)、S17
8へ移る。
【0116】S172の比較において、低オクタン価燃
料の残量が最小限度よりも少なければ(S182)、高
オクタン価燃料の噴射割合が多くなるように、可変圧力
ポンプによる低オクタン価燃料の供給圧を下げる(S1
84)。次いで、低オクタン価燃料の残量が最小限度の
残量以下で増大しているかどうかを判定し(S18
6)、増大していなければ(S188)、高オクタン価
燃料のみを使用するように、低オクタン価燃料の供給圧
を高圧間欠ポンプの残留圧力よりも下げて(S19
0)、火花点火燃焼をおこなうために、残留ガス量が少
なくなるように、圧縮比が低くなるように、可変バルブ
タイミング機構指示信号と点火信号とを出力して(S1
92)、リターンする。
【0117】S186の判定で、増大していれば(S1
94)、そのままの噴射割合を維持し(S196)、自
己着火燃焼を行うために、残留ガス量がより多くなるよ
うに、圧縮比がより高くなるように、可変バルブタイミ
ング機構指示信号を出力し、さらに好ましくは、自己着
火燃焼の点火を容易にするために、点火信号など自己着
火促進指示を出力して(S198)、リターンする。
【0118】また図示しないが、いずれの運転領域にお
いても、残量計によりそれぞれの燃料の残量が、あらか
じめ決められた上限を超えた場合、その燃料を使用する
ように切り替えることで、過剰な分留された燃料成分が
サブタンクに溜まることが防止できる。
【0119】あるいは、各運転領域であらかじめ定めら
れた想定される燃料の残量が下限以上あって、なおか
つ、もう片方の燃料の残量が上限を超える場合は、分留
器による分留を停止し、燃料がサブタンクに過剰に溜ま
りすぎるのを防止できる。
【0120】また、図示しないが、各運転領域におい
て、あらかじめ定められた想定する燃料の残量が上限を
超えている場合、分留を停止し、サブタンクに供給され
る分留燃料がエンジンでの消費が少ないために溜まりす
ぎるのが防止できる。
【0121】このようにして、エンジンの運転領域毎に
分留によって得られる2種類のオクタン価の異なる燃料
を使い分けると共に、そのサブタンク内の残留量により
どちらの燃料を多く噴射するかを決定し、それに従って
エンジンの点火時期やバルブタイミングを調整すること
により、分留により得られる2種類のオクタン価の異な
る燃料をバランス良く消費でき、それぞれが必要となる
運転領域において、最大限長い時間それぞれの燃料のみ
が多く消費できるようになる。このため、燃料の種類を
変えて、運転領域毎に、最適な燃料を使用できる機会が
増大し、燃費の向上、排気の浄化などの効果が最大限に
得ることが可能となる。
【0122】図8は、本実施形態の内燃機関を車両に搭
載して、自動変速機(図1の符号21)と組み合わせた
場合、高オクタン価燃料の残量が最小値より少なく、高
オクタン価燃料に代えて低オクタン価燃料を使用する際
の自動変速特性の変更を示すグラフである。
【0123】同図において、実線が通常の変速パターン
であり、破線が高オクタン価燃料が使用できない場合の
変速パターンである。高オクタン価燃料が使用できない
場合、変速点を通常より高速側に移動させることによ
り、トルク低下を補い、通常と同等の加速特性を得てい
る。尚、図示しないがシフトダウン側も同様に変速点を
高速側に移動させている。
【0124】また自動変速機として通常の自動変速機に
代えて連続可変変速機(CVT)を搭載した場合、アク
セル開度と車速に応じた変速比の値を一定の係数または
制御マップを用いて高い方へ変えることにより、高オク
タン価燃料に代えて低オクタン価燃料を使用する際のト
ルク低下を通常の変速機の場合と同様に補うことができ
る。
【0125】このように、自動変速機と組み合わせた場
合、使用する燃料に応じて変速特性(変速線)を制御し
て、同一負荷でエンジンの使用する運転領域を変更する
ことにより、運転性を損なわずに、分留した複数の燃料
を過不足無く使い切るとともに、燃費の向上及び排気の
低減を行うことができる。
【0126】更に、上記実施の形態においては、車両に
供給された燃料から2種類の燃料成分に分離して、運転
領域に応じて使い分ける例を説明したが、2種類に限ら
ず3種類以上に分離又は分留して、運転領域に応じて使
い分けることもできる。この場合、複数の分留温度を用
い、分離される燃料の種類に応じてサブタンクを備える
とともに、複数の燃料噴射弁を用いるか又は高圧間欠ポ
ンプを複数用いて燃料噴射弁に燃料を供給してもよい。
【0127】次に、図9の部分断面図を参照して分留器
9の構造例を詳細説明する。
【0128】分留器9は、ケース40内に2段のトレイ
41と42を備える。各トレイ41と42にはそれぞれ
複数の小さな穴があいており、穴から落ちた燃料は貯留
容器41Aと42Aにそれぞれ貯留される。メインガソ
リンタンク8のガソリンは低圧ポンプ52を介してケー
ス40内のトレイ41と42の間に供給される。トレイ
41と42はケース40内に上下方向に配設されたダク
ト43を介して連通する。
【0129】ケース40の上端には燃料の低沸点成分を
気体として取り出す出口45が設けられる。ケース40
の下端にはガソリンに含まれる高沸点成分を液体として
取り出す出口46が設けられる。出口45から流出する
低沸点成分の気体は空冷冷却器47で冷却され、液化し
た低オクタン価燃料としてサブタンク11に流入する。
下のトレイ42からあふれた高沸点成分の液体はダクト
53を介してケース40の底面にたまり、出口46から
流出して高オクタン価燃料としてサブタンク10に流入
する。
【0130】ケース40内の温度を制御するために、ケ
ース40内の下側のトレイ42の下方にラジエータ48
と電熱器49が設けられる。ラジエータ48にはコント
ローラ1に制御される電子制御絞り50を介してエンジ
ン20の冷却液が導かれる。冷却液に代えてエンジン2
0の排気ガスを導くことも可能である。
【0131】また電熱器49は車両に搭載された図外の
バッテリから供給される電力に応じて発熱する。ケース
10には内部の温度、すなわち分留温度を検出する温度
センサ51が設けられ、検出温度が信号としてコントロ
ーラ1に入力される。コントローラ1は温度センサ51
の検出温度に基づき電子スロットル50の開度と電熱器
49ヘの通電を制御することにより、ケース40内を所
定の分留温度に維持する。
【0132】具体的には、エンジン20の始動時には、
冷却液温度が低いため、電熱器49を用いて分留温度を
実現する。エンジン20の暖機終了後は、ラジエータ4
8の放熱により分留温度を維持する。ラジエータ48の
放熱量はコントローラ1が行う電子制御絞り50の操作
により制御される。
【0133】このようにして、ケース40内を例えば8
0℃に保持すると、ケース40内に導かれたガソリン中
の、沸点が80℃以下の低沸点成分は沸騰して気化す
る。
【0134】低沸点成分の気体はダクト43からケース
40内を上方へ移動し、一部は出口45から流出し、一
部は上のトレイ41あるいはトレイ41にたまった液体
と接触して液化し、トレイ41の貯留容器41aに落下
する。貯留容器41a内の液体も沸騰しており、この中
から気化した低沸点成分の気体も出口45から流出す
る。
【0135】一方、下のトレイ42にはケース40内に
導かれたガソリン中の高沸点成分がたまる。そして、ト
レイ42からあふれた高沸点成分の液体はダクト53を
通ってケース40の底を通って出口46から流出する。
このようにしてガソリンは低沸点成分の低オクタン価燃
料と、高沸点成分の高オクタン価燃料とに分留される。
【0136】高オクタン価燃料を貯留するサブタンク1
0には高オクタン価燃料の貯留量を検出する貯留量計1
2が取り付けられ、検出された燃料貯留量が信号として
コントローラ1に入力される,低オクタン価燃料を貯留
するサブタンク11には低オクタン価燃料の貯留量を検
出する貯留量計13が取り付けられ、検出された残留燃
料量が信号としてコントローラ1に入力される。
【0137】次に図11を参照して、ガソリンの分離に
関するこの発明の別の実施形態説明する。この実施形態
は、分留器9の代わりにシリカゲルを用いた分離器12
0を用いてガソリンを高オクタン価燃料と低オクタン価
燃料に分離する。
【0138】ガソリンがシリカゲルに接すると、ガソリ
ンの中のオクタン価の高い芳香族成分がシリカゲルに吸
着され、残りのガソリンのオクタン価が低下する。分離
器120はこの性質を利用してガソリンを高オクタン価
燃料と低オクタン価燃料に分離する。
【0139】分離器120は、例えば球形の粒状に形成
されたシリカゲルを主成分とするフィルタ121と12
2を内蔵した一対の吸着器123と124を備える。吸
着器123はスイッチ126を介したバッテリ127の
電力で発熱する電熱ヒータ125を備える。吸着器12
4はスイッチ128を介したバッテリ127の電力で発
熱する電熱ヒータ129を備える。
【0140】図示されないメインタンクからの燃料は、
切換弁130により吸着器123と124のいずれかに
選択的に供給される。吸着器123を通過した燃料は切
換弁131を介して高オクタン価燃料を貯留するサブタ
ンク10と低オクタン価燃料を貯留するサブタンク11
のいずれかに流入する。なお、高オクタン価燃料を貯留
するサブタンク10への流入通路には空冷冷却器133
が設けられる。吸着器124を通過した燃料は切換弁1
32を介してサブタンク10と11のいずれかに流入す
る。
【0141】図11においては、切換弁130はガソリ
ンを吸着器124に流入させている。この状態では、吸
着器124の電熱ヒータ129には通電されない。吸着
器124内でシリカゲルのフィルタ122を通過するガ
ソリンは、高オクタン価の芳香族成分をシリカゲルに吸
着され、低オクタン価燃料となって吸着器124から流
出する。切換弁132がこの低オクタン価燃料をサブタ
ンク11に導く。
【0142】一方、吸着器123においては、スイッチ
126を介して電熱ヒータ125ヘ通電が行われる。こ
れにより吸着器123内の温度が上昇し、シリカゲルの
フィルタ121に吸着されていた高オクタン価の芳香族
成分が気化してフィルタ121から脱離する。脱離した
芳香族成分は吸着器123から切換弁131を介して空
冷冷却器133に導かれ、空冷冷却器133で冷やされ
て液化した後、高オクタン価燃料としてサブタンク10
に流入する。
【0143】吸着器123のフイルタ121からの芳香
族成分の脱離が完了し、吸着器124のフィルタ122
が十分に芳香族成分を吸着した時点で、切換弁130,
131及び132を切り換える。同時に、スイッチ12
6をオフに、スイッチ128をオンに切り換える。
【0144】その結果、メインタンクのガソリンは切換
弁130を介して吸着器123に供給され、吸着器12
3内でフイルタ121が芳香族成分を吸着した後、低オ
クタン価燃料として切換弁131からサブタンク11へ
流入する。一方、吸着器124においては、電熱ヒータ
129の発熱によりフイルタ122から芳香族成分が脱
離する。離脱成分は切換弁132を介して空冷冷却器1
33へ導かれ、空冷冷却器133内で液化した後、高オ
クタン価燃料としてサブタンク10に流入する。
【0145】このようにして、吸着器123と124の
一方へのガソリン供給と、もう一方の加熱とを交互に実
施することで、ガソリンを高オクタン価燃料と低オクタ
ン価燃料に継続的に分離することができる。尚、この実
施形態では、2式の吸着器を使用したが、1式のみを用
いて間欠的に芳香族成分の吸着と脱離を繰り返してもよ
いし、3式以上を用いて循環的に吸着と脱離を繰り返し
てもよいことは明らかである。
【0146】上記の各実施形態では、ガソリンを2種類
の燃料に分離して使用しているが、さらに多くの種類に
分離して使い分けることも可能である。この場合には、
例えば分留器が複数の分留温度を適用し、分離される燃
料の種類と同数のサブタンクにそれぞれ貯留する。ま
た、これらの燃料を使い分けるために、複数の燃料イン
ジェクタを用いるするか、あるいは複数の高圧間欠ポン
プを用いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関の一実施形態の構成を示
すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態に用いられる燃料噴射弁の構
成例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態における火花点火燃料領域及
び自己着火燃焼領域と、自己着火燃焼領域内の各運転領
域における要求オクタン価の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態の概略動作を説明する概略制
御フローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の詳細フローチャートであ
り、火花点火燃焼領域A1、及び中負荷自己着火燃焼領
域A2の動作を示す。
【図6】本発明の実施形態の詳細フローチャートであ
り、高負荷自己着火燃焼領域Bの動作を示す。
【図7】本発明の実施形態の詳細フローチャートであ
り、低負荷自己着火燃焼領域Cの動作を示す。
【図8】本発明の実施形態における変速点制御を説明す
る変速特性図である。
【図9】実施形態における燃料分離手段である分留器の
詳細を示す部分断面図である。
【図10】実施形態における運転領域毎のバルブタイミ
ングを説明するバルブタイミング図である。
【図11】燃料分離手段の他の実施形態であるシリカゲ
ルを使用した分離器を説明する部分断面図である。
【符号の説明】
1 ECU 2 運転領域判定部 3 燃料混合比決定部 4 バルブタイミング制御部 5 高圧間欠ポンプ制御部 6 可変圧力ポンプ制御部 7 自動変速機制御部 8 メインガソリンタンク 9 分留器 10 RON108サブタンク 11 RON94サブタンク 12 残量計 13 残量計 14 燃料ライン圧力計 15 可変圧力ポンプ 16 高圧間欠ポンプ 17 燃料噴射弁 18 点火プラグ 19 バルブタイミング可変機構 20 エンジン本体 21 自動変速機 22 冷却水通路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 351 F02D 41/02 351 41/04 325 41/04 325C 45/00 364 45/00 364L F02M 31/125 F02M 31/16 E 31/16 F J 31/18 31/18 37/00 301B 37/00 301 341Z 341 F16H 61/02 F16H 61/02 F02M 31/12 321A // F16H 59:34 321J

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に供給された1種類の燃料から複数
    種の燃料に分離する燃料分離手段と、 運転領域に応じて前記複数種の燃料のそれぞれの使用比
    率を変更して燃料を供給する燃料供給装置と、 を備えたことを特徴とする内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記燃料分離手段は、分留器であること
    を特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記分留器は、その熱源として、機関の
    冷却水、電熱器、排気熱のいずれか又はこれらの任意の
    組合せを用いて、車両に供給された1種類のガソリンか
    ら比較的高い沸点を有する成分と、比較的低い沸点を有
    する成分とに分離することを特徴とする請求項2記載の
    内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記分留器は、機関の暖機前は、分留温
    度に制御された前記電熱器により分留し、機関の暖機後
    は、分留温度に設定された冷却水の熱、または分留器を
    通過する流量制御により分留器を分留温度に設定する排
    気ガスの熱を用いて分留することを特徴とする請求項3
    記載の内燃機関。
  5. 【請求項5】 運転領域に応じて複数種の燃料のそれぞ
    れの使用比率を変更して供給する燃料供給装置を備えた
    内燃機関であって、 運転領域に応じて前記複数種の燃料のそれぞれの使用比
    率を変化させるとともに、前記燃料の使用比率によらず
    に運転が可能な運転領域を有することを特徴とする内燃
    機関。
  6. 【請求項6】 前記複数種の燃料のそれぞれの使用比率
    によらずに運転が可能な運転領域においては、前記燃料
    供給装置は、前記複数種の燃料の残量に応じて、前記使
    用比率を変更することを特徴とする請求項1ないし請求
    項5のいずれか1項記載の内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記複数種の燃料のそれぞれの使用比率
    によらずに運転が可能な運転領域においては、前記燃料
    供給装置は、残量の多い燃料の使用比率を高くすること
    を特徴とする請求項6記載の内燃機関。
  8. 【請求項8】 自己着火燃焼方式と火花点火燃焼方式と
    を運転状態に応じて切り換え可能な内燃機関において、 車両に供給されたガソリン燃料から複数の燃料成分に分
    留する分留手段と、 該分留手段により得られた複数の燃料成分をそれぞれ貯
    蔵する複数のサブタンクと、 前記分留された複数の燃料成分を運転状態に応じて使用
    比率を変えて供給する燃料供給装置とを備えてなり、 前記燃料供給装置は、 自己着火領域の高負荷側では高い分留温度の燃料成分の
    使用比率を高くし、 自己着火領域の低負荷側では低い分留温度の燃料成分の
    使用比率を高くし、 中低負荷の火花点火領域ではサブタンクの残量の多い燃
    料成分の使用比率を高くするように制御することを特徴
    とする内燃機関。
  9. 【請求項9】 自己着火燃焼方式と火花点火燃焼方式と
    を運転状態に応じて切り換え可能な内燃機関において、 車両に供給されたガソリン燃料をオクタン価の異なる複
    数の燃料成分に分離する分離手段と、 該分離手段により得られた複数の燃料成分をそれぞれ貯
    蔵する複数のサブタンクと、 前記分離された複数の燃料成分を運転状態に応じて使用
    比率を変えて供給する燃料供給装置とを備えてなり、 前記燃料供給装置は、 自己着火領域の高負荷側ではオクタン価の高い燃料成分
    の使用比率を高くし、 自己着火領域の低負荷側ではオクタン価の低い燃料成分
    の使用比率を高くし、 中低負荷の火花点火領域ではサブタンクの残量が多い燃
    料成分の使用比率を高くするように制御することを特徴
    とする内燃機関。
  10. 【請求項10】 自己着火燃焼方式と火花点火燃焼方式
    とを運転状態に応じて切り換え可能な内燃機関におい
    て、 車両に供給されたガソリン燃料をオクタン価の異なる複
    数の燃料成分に分留する分留手段と、 該分留手段により得られた複数の燃料成分をそれぞれ貯
    蔵する複数のサブタンクと、 前記分留された複数の燃料成分を運転状態に応じて使用
    比率を変えて供給する燃料供給装置とを備えてなり、 前記燃料供給装置は、 自己着火領域の高負荷側ではオクタン価の高い燃料成分
    の使用比率を高くし、 自己着火領域の低負荷側ではオクタン価の低い燃料成分
    の使用比率を高くし、 中低負荷の火花点火領域ではサブタンクの残量が多い燃
    料成分の使用比率を高くするように制御することを特徴
    とする内燃機関。
  11. 【請求項11】 自己着火運転が継続し、複数の燃料成
    分のうち、その運転領域で使用割合が多い方の燃料成分
    の残量が第1の所定量より少なくなった場合、或いは、
    その運転領域で使用割合が少ない方の燃料成分の残量が
    前記第1の所定量より多い第2の所定量より多くなった
    場合、残量が多い方の燃料成分を多く供給するように切
    り換えるとともに、自己着火燃焼から火花点火燃焼へ切
    り換えることを特徴とする請求項9または請求項10記
    載の内燃機関。
  12. 【請求項12】 自己着火燃焼方式と火花点火燃焼方式
    とを運転状態に応じて切り換え可能な内燃機関におい
    て、 車両に供給されたガソリン燃料をオクタン価の異なる複
    数の燃料成分に分留する分留手段と、 該分留手段により得られた複数の燃料成分をそれぞれ貯
    蔵する複数のサブタンクと、 前記分留された複数の燃料成分を運転状態に応じて使用
    比率を変えて供給する燃料供給装置と、 自動変速機の変速点を変更する変速点制御手段とを備え
    て、 オクタン価の高い燃料成分の使用比率を高くする運転領
    域と、オクタン価の低い燃料成分の使用比率を高くする
    運転領域と、いずれのオクタン価の燃料成分でも使用可
    能な運転領域とを設定し、 自己着火運転が継続し、複数の燃料成分のうち、その運
    転領域で使用比率が多い方の燃料成分のサブタンク残量
    が第1の所定量より少なくなった場合、或いはその運転
    領域で使用比率が少ない方の燃料成分のサブタンク残量
    が前記第1の所定量より多い第2の所定量より多くなっ
    た場合、前記変速機の変速点を変更するとともに、変更
    前の出力と同等な出力でサブタンク残量が少ない方の燃
    料成分の使用比率が低い運転領域を利用するように切り
    換えることを特徴とする内燃機関。
  13. 【請求項13】 前記燃料分離手段は、燃料中の高オク
    タン価燃料成分を吸着する燃料フィルタと、該燃料フィ
    ルタが吸着した高オクタン価燃料成分を気化させて燃料
    フィルタから離脱させる加熱器とを備えたことを特徴と
    する請求項1記載の内燃機関。
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