JP2001049668A - 壁面材と地盤補強材の接続方法 - Google Patents

壁面材と地盤補強材の接続方法

Info

Publication number
JP2001049668A
JP2001049668A JP11224842A JP22484299A JP2001049668A JP 2001049668 A JP2001049668 A JP 2001049668A JP 11224842 A JP11224842 A JP 11224842A JP 22484299 A JP22484299 A JP 22484299A JP 2001049668 A JP2001049668 A JP 2001049668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall material
resin net
bent
vertical
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11224842A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiko Inada
克彦 稲田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp filed Critical Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp
Priority to JP11224842A priority Critical patent/JP2001049668A/ja
Publication of JP2001049668A publication Critical patent/JP2001049668A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平面に対する角度が45度以上の急勾配盛
土を複数本の金属丸棒よりなるL字型格子状壁面材によ
って補強し、盛土体内を樹脂製ネット構造物などの補強
網によって補強する際、両者の接続部分の強度を高め、
長期間に亘って不安なく使用できる技術を提供するこ
と。 【解決手段】 複数本の金属丸棒よりなるL字型格子状
壁面材の一端側の優弧状に折り曲げた優弧部を形成し、
この優弧部の間で樹脂製ネットの端部側の縦ストランド
を少なくとも1本折り曲げて配置し、この折り曲げ部と
優弧部とに棒状部材を挿入し、折り曲げた樹脂製ネット
の端部を壁面材の立面部側から離れる方向にに導き、樹
脂製ネットの縦ストランドを対抗する樹脂製ネットの縦
ストランドの隙間を貫通させ反対側面に位置させ、この
貫通させた縦ストランドが形成する空間部に他の棒状部
材を挿入して接続することを特徴とする。 【効果】 上記課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面材と地盤補強
材の接続方法に関する。さらに詳しくは、丘陵地域、山
間部の傾斜地の表面の擁壁、河川の護岸、砂防壁構築の
ために盛土してできる法面などの擁壁を補強する、金属
丸棒(a1)と金属丸棒(a2)とを格子状に溶接した壁面材
と、この壁面材の一端側に接続され、盛土を補強する地
盤補強材としての樹脂製ネット構造物との接続する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、谷間や窪地に盛土工法によって道
路を敷設したり、宅地を造成したり、河の堤防や急峻な
河川の砂防壁などを盛土工法によって構築したり、灌木
林を開墾して牧場や農作物類、花卉類、果樹類などの栽
培が可能な耕作地に転換する際に、盛土した急傾斜法面
や盛土した平面を裸地状態のままにした場合には、盛土
材料の内部摩擦や粘着力の減少、含水量の増加などによ
って盛土の崩れが生じるなどの問題があるほか、軟弱地
盤にあっては地盤沈下、不同(等)沈下が発生するとい
う問題がある。
【0003】このような問題を解消するために、水平面
に対する角度が45度以上の急傾斜面には、盛土の崩れ
や雨水による盛土の流亡を防ぎ、盛土された土壌を補強
するために、壁面材を配置したり、盛土した水平面土壌
には、盛土の剪断を防ぎ、盛土の強化安定化を図るため
に、複数の補強網を盛土地盤(体内)に層状に埋設配置
することが広く行われている。急傾斜の擁壁は、壁面材
として長さ方法の中央部を折り曲げられ、断面L字型と
されたエキスパンドメタル(Expanded metal、以下「E
PM」と略称し、断面L字型のエキスパンドメタルを
「L字型EPM」と略称する)の立面部側(外壁面また
は法面を形成する側)によって補強される(例えば、特
公昭63−11488号公報参照)。
【0004】L字型EPMの水平面側(盛土に埋設され
る側)には樹脂製ネット構造物などの補強網を接続し、
この補強網の上に盛土して複数の補強網が層状に埋設さ
れて盛土地盤が補強される(例えば、特開昭60−11
8344号公報、特開平2−204526号公報などを
参照)。盛土部分に層状に埋設される樹脂製ネット構造
物などの補強網は、盛土によって相当の引張力が負荷さ
れる。本発明者らが検討した結果によると、L字型EP
Mと樹脂製ネット構造物とを接続した場合は、樹脂製ネ
ット構造物はL字型EPMのエッジとの接触部において
切断し易く、長期間に亘っての使用に不安があることが
分かった。
【0005】本発明者らは、上記従来の接続方法に存在
していた上記の欠点を解消した技術を開発し、先に特許
出願した(特願平11−134931)。しかし、その
後さらに検討した結果、地盤補強材としてのL字型EP
Mは、特殊な加工法で製造されるので製品コストが高
く、製品の空隙率(製品の総面積に占める穴の面積比)
が低く、従って製品の重量が重くなり、運搬、保管、施
工などでの取り扱いが困難であるという欠点があった。
【0006】さらに、特開昭60−118344号公報
に記載されているL字型EPMの地盤補強材では、これ
に接続された樹脂製ネット構造物などの補強網に相当の
引張力が負荷されると、列状折り曲げ部分の半円形の凸
部が伸び、この部分に配置された長尺の接続用部材がL
字型EPMの立面部側から離れる方向に移動してしま
い、L字型EPMと補強網との接続部が機能しなくなる
という欠点があることが分かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況にあって、水平面に対する角度が45度以上の急傾
斜面を壁面材によって補強し、盛土地盤(体内)を樹脂
製ネット構造物などの補強網によって補強する際、壁面
材のコストが低廉で、かつ、重量も比較的軽く運搬、保
管、施工などでの取り扱いが容易で、樹脂製ネット構造
物との接続作業も容易な接続方法を提供することを目的
として鋭意検討した結果、金属丸棒を格子状に配置した
際に生ずる接点を溶接した壁面材と、この壁面材と樹脂
製ネット構造物との接続位置を特定の位置で限定し、特
定の方法で接続すると、上記目的が達成されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、複数本の金属丸棒(a1)に対して直角に
複数本の他の金属丸棒(a2)が格子状に配置され相互に直
交する部分が溶接されてなり、断面L字型に折り曲げら
れた壁面材(A)の盛土によって埋設される複数本の金属
丸棒(a1)の一端側に、複数本の縦横のストランド(b1)が
格子状に直交して形成された網目(b13)と、これらのス
トランドの結合部(b14)とからなる広幅で長尺の地盤補
強材としての樹脂製ネット構造物(B)の長さ方向の一端
とを接続する方法において、盛土によって埋設される側
の複数本の金属丸棒(a1)の端部近傍に優弧状に折り曲げ
て長尺の接続用部材(c1)を挿入可能な優弧部(a3)を稜線
状に形成し、相互に隣接する金属丸棒(a2)の間であっ
て、かつ、相互に隣接する優弧部(a3)の間に、樹脂製ネ
ット構造物(B)の長さ方向の端部側の縦ストランド(b11)
を少なくとも1本折り曲げて配置し、この縦ストランド
の折り曲げ部(b15)と各優弧部(a3)に長尺の接続用部材
(c1)を挿入し、折り曲げた樹脂製ネット構造物(B)の端
部を前記各金属丸棒(a1)の長さ方向の端部側に導き、樹
脂製ネット構造物(B)の縦ストランド(b11)を対向する縦
ストランド(b11)の隙間に貫通させて樹脂製ネット構造
物(B)の反対面側に位置させ、縦ストランド(b11)の隙間
に貫通させることによって生じた縦ストランド(b11)に
よって形成される空間部分(b16)に、他の棒状部材(c2)
を挿入して固定することを特徴とする、壁面材と地盤補
強材の接続方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において壁面材(A)は、複数本の金属丸棒(a1)と
複数本の金属丸棒(a2)とを相互に直角にかつ格子状に配
置され、相互に直交する部分が溶接されている。壁面材
(A)を構成する金属丸棒(a1)および金属丸棒(a2)は、
鉄、ステンレススチール、その他鉄合金などで調製する
ことができ、中空のパイプであってもよい。金属丸棒
は、その表面の錆を防ぐ目的で、格子状に溶接した後に
表面に防錆塗料を塗布したり、防錆メッキを施すのが好
ましい。金属丸棒(a1)の直径は、これと直角に配置され
る金属丸棒(a2)よりも直径を大きくするのが好ましい。
壁面材(A)長さ方向に配置される金属丸棒(a1)の直径は
8〜15mm、金属丸棒(a1)に直角に配置される金属丸棒
(a2)の直径は5〜10mmの範囲で選ぶのが好ましい。隣
接する金属丸棒(a1)の間隔は、10〜15cmとするのが
好ましい。隣接する金属丸棒(a2)の間隔は、10〜15
cmとするのが好ましい。
【0010】一個の壁面材(A)は長さが長すぎたり、幅
が広すぎたりすると重くなりすぎ、製作、折り曲げ加
工、保管、運搬、施工作業などが困難となり好ましくな
い。一個の壁面材(A)は長さは、100〜200cm、幅
は50〜100cmの範囲で選ぶのが好ましい。壁面材
(A)は、長さ方向のほぼ中央部で折り曲げられ断面L字
型とされる。折り曲げ角度は、45〜90度の範囲内で
選ばれる{断面L字型にされた壁面材(A)を、L字型格
子状壁面材(A)ということがある}。L字型格子状壁面
材(A)の立面部側(外壁面または法面を形成する側)の
高さ、水平面側(盛土によって埋設される側)の長さな
どは、余り高すぎたり、長すぎると製作、折り曲げ加
工、保管、運搬、施工作業などが困難となり好ましくな
い。立面部側の高さ、水平面側の長さは、それぞれ40
〜70cmの範囲で選ばれ、中でも50cm近傍が好適であ
る。
【0011】L字型格子状壁面材(A)の水平面側の複数
本の金属丸棒(a1)の端部近傍に、優弧状に折り曲げて優
弧部(a3)を稜線状に形成する。ここで、「稜線状に形成
する」とは、複数個の優弧部(a3)が二本の金属丸棒(a2)
の間のほぼ同じ位置に形成され、優弧部(a3)の頂部が同
じ高さの山の稜線を形成することを意味する(後記図1
および図2参照)。優弧部(a3)の優弧の内側には、長尺
の接続用部材(c1)を挿入可能な空間を形成する。接続用
部材(c1)は、壁面材(A)に後記する樹脂製ネット構造物
(B)(以下、単に「樹脂製ネット(B)」ということがあ
る)を接続する機能を果たす。優弧部(a3)は、壁面材
(A)の水平面側の最も端の金属丸棒(a2)と、これに隣接
する端から二番目の金属丸棒(a2)との間に形成するのが
好ましい。
【0012】なお、樹脂製ネット(B)に盛土によって相
当の引張力が負荷されると、優弧部(a3)の折り曲げられ
た部分が伸び、この部分に配置した接続用部材(c1)が壁
面材(A)の立面部側から離れる方向に移動して優弧部(a
3)から外れ、樹脂製ネット(B)の接続部として機能しな
くなるので、金属丸棒(a1)には2〜6本ごとに、優弧部
(a3)の円の切欠き部を塞ぐ補強用金属棒(a4)を溶接する
のが好ましい。優弧部(a3)の円の切欠き部に補強用金属
棒(a4)を溶接することによって、優弧部(a3)の部分が伸
びるのを防ぐことができる。補強用金属棒(a4)は、金属
丸棒(a2)と同じ直径のものでよい。
【0013】樹脂製ネット(B)は、広幅、長尺で、複数
本の縦横のストランドが格子状に直交し網目(孔)と結
合部とを有する樹脂成形品である(後記図3参照)。樹
脂製ネット(B)の製造用の樹脂の種類は、高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ンとプロピレンとの共重合体、ポリアミド類、ポリカー
ボネートなどが挙げられるが、これら例示したものに制
限されるものではない。樹脂には、着色剤、光安定剤、
紫外線吸収剤など各種の樹脂添加剤を、樹脂の機械的強
度を阻害しない範囲で添加することができる。
【0014】樹脂製ネット(B)は、上記樹脂を原料とし
て、特公平1−32060号公報に記載の方法で製造す
ることができる。原料樹脂を押出機で溶融させ、厚さが
5mm前後の未延伸シートとして押出し、この未延伸シー
トに一定間隔でかつ所定の密度で正方形、円形などの貫
通孔を穿設し、長さ(縦)方向に3〜6倍延伸し、幅
(横)方向に3〜6倍延伸する。長さ(縦)方向の延伸
倍率を横の延伸倍率より大きくしたものの一例を、部分
平面図として図3に示した。
【0015】図3において、b11は縦(長さ方向)スト
ランド、b12は横(長さ方向に直角の方向)ストラン
ド、b13は網目(孔)、b14は縦ストランドと横ストラン
ドの結合部である。網目の平面形状は特に限定されるも
のではなく、図3に示したように細長い楕円形でも、長
方形でも、円形であってもよい。孔が細長い楕円形また
は長方形の場合には、長径または長辺を5〜30cm、短
径または短辺を1〜8cmの範囲で選ぶのが好ましい。な
お、樹脂製ネット(B)の穿孔率{樹脂製ネット(B)の総面
積に占める孔の総面積比}は、40〜80%の範囲で選
ぶのが好ましい。
【0016】樹脂製ネット(B)の幅は、余り広過ぎると
取扱いが難しく、L字型格子状壁面材(A)との接続作業
が繁雑となり、逆に幅が狭過ぎるとL字型格子状壁面材
(A)の幅とするのに枚数を増やさなければならず、樹脂
製ネット(B)の製造作業、L字型格子状壁面材(A)との接
続作業などの能率が低下して好ましくない。樹脂製ネッ
ト(B)の幅は、L字型格子状壁面材(A)の幅と同じ幅、1
/2または1/3の幅で選ばれる。樹脂製ネットの長さ
は、余り長過ぎると重くなり取扱が困難となので、10
〜50mの範囲で選ばれる。縦横ストランドの幅は、5
〜20mm、厚さは0.5〜1.5mmの範囲で選ばれる。
【0017】本発明方法によるときは、相互に隣接する
優弧部(a3)の間に、樹脂製ネット(B)の長さ方向の端部
側の縦ストランド(b11)を少なくとも1本折り曲げて配
置し、各優弧部(a3)と縦ストランドの折り曲げ部(b15)
とに接続用部材(c1)を挿入し、折り曲げた樹脂製ネット
(B)の端部を前記各金属丸棒(a1)の長さ方向の端部側に
導き、樹脂製ネット(B)の縦ストランド(b11)を対向する
樹脂製ネット(B)の縦ストランド(b11)の隙間に貫通さ
せ、生じた空間部分(b16)に他の棒状部材(c2)を挿入し
て固定する。
【0018】金属丸棒(a2)の間であって相互に隣接する
優弧部(a3)の間に、折り曲げて配置する樹脂製ネット
(B)の縦ストランドの長さ方向の端部側の位置は特に制
限はないが、折り曲げた樹脂製ネット(B)の端部に余り
の部分を残すと不経済なので、余りの部分を残さないの
が好ましい。特に、折り曲げる部分は、樹脂製ネット
(B)の長さ方向の端部側の縦ストランドは端部から第2
番目の縦ストランドとし、接続用部材(c1)を挟んで反対
側で端部から1番目の縦ストランドを端部から3番目の
縦ストランドの隙間に下側から上側に貫通させ、1番目
と3番目の縦ストランドによって形成された空間部分(b
16)に、他の棒状部材(c2)を挿入して固定するのが好ま
しい。相互に隣接する優弧部(a3)の間に折曲げる樹脂製
ネット(B)の縦ストランド(b11)の数は、相互に隣接する
優弧部(a3)の幅、縦ストランドの幅に応じて選べばよ
く、通常は2〜5本が好ましい。
【0019】接続用部材(c1)は、金属、樹脂の丸棒、平
板、多角形棒などであってよい。中でも、金属丸棒(a1)
とほぼ同じ直径の金属丸棒が好適である。他の棒状部材
(c2)は、金属、樹脂の丸棒、平板、多角形棒などであっ
てよい。中でも、幅が約30〜50mm、厚さが3〜5mm
の金属板または樹脂板が好適である。
【0020】次に、L字型格子状壁面材(A)によって急
傾斜面を補強し、この水平面側の端部に樹脂製ネット
(B)を接続し、盛土した水平面を地盤補強材によって補
強する一例を説明する。まず、土台となる地盤(D)を固
め、要すれば基礎杭などを打ち込み、最下段のL字型格
子状壁面材(A)を載置する。L字型格子状壁面材(A)の立
面部側の内側には、あらかじめ緑化マット(a5)を針金な
どで固定しておくのが好ましい。
【0021】ついで、L字型格子状壁面材(A)の水平面
部側の端部に、上記の方法で樹脂製ネット(B)を接続す
る。斜体材(d1)の鋭角側の端部を、緑化マット(a4)を貫
通させてL字型格子状壁面材(A)の立面部側の金属丸棒
(a2)に引掛け、斜体材(d1)の鈍角側の端部をL字型格子
状壁面材(A)の水平面部側の金属丸棒(a2)に引掛け、さ
らに要すれば、固定杭(d2)を水平面部側の金属丸棒(a1)
または金属丸棒(a2)に引掛け、両者をハンマーなどで地
盤に打ち込み、最下部の地盤に固定する。L字型格子状
壁面材(A)の水平面部側の端部に接続した樹脂製ネット
(B)は、水平にされた土台の表面に延ばして緊張させた
状態で、緊張杭(d3)を地盤に打ち込み固定する。
【0022】L字型格子状壁面材(A)を連結する際に
は、先に配置したL字型格子状壁面材(A)の横に並べて
他のL字型格子状壁面材(A)を配置し、隣接する立面部
側の端部同士をワイヤークリップや針金などで横方向に
接続し、上記と同様の手順で、斜体材(d1)、固定杭(d2)
による固定、樹脂製ネット(B)の接続、樹脂製ネット(B)
の緊張杭(d3)による地盤への固定などを行い、一定幅
(長さ)の壁面材と樹脂製ネットの敷設を行う。さらに
要すれば、樹脂製ネット(B)の隣接する幅方向端部を樹
脂製の紐で結ぶ。この様に敷設した樹脂製ネット(B)の
上に盛土材料の撒き出し、敷き均しを行う。続いて、人
力および/または転圧機によって締固めを行い、一段目
の盛土作業は完了する。
【0023】二段目のL字型格子状壁面材(A)は、傾斜
面が上側に円滑に連続するように一段目のL字型格子状
壁面材(A)の上側に配置し、上記と同様の手順で、斜体
材(d1)、固定杭(d2)による固定、樹脂製ネット(B)の接
続、樹脂製ネット(B)の緊張杭(d3)による盛土への固定
などを行い、一定幅(長さ)の壁面材と樹脂製ネット
(B)の敷設、盛土材料の撒き出し、敷き均し、突き固
め、締固めを行い、二段目の盛土作業は完了する。三段
目以降は、二段目の作業手順を繰返せばよい。L字型格
子状壁面材(A)を複数段積み重ねる傾斜面を補強する際
には、千鳥状に積み重ねるのが好ましい。
【0024】なお、盛土材料を撒き出す際に、各段に同
じ盛土材料を使用してもよいが、盛土の目的に応じて各
段ごとに盛土材料を変えたり、緑化マット(パネル)の
直近部と最上段には腐蝕土を使用するなど、同じ段でも
位置によって盛土材料を変えることもできる。盛土材料
としては、岩石、砕石、礫、礫質土、砂質土、粘土質
土、腐蝕土などが挙げられ、盛土の目的に応じて使い分
けられる。
【0025】本発明方法によるときは、L字型格子状壁
面材(A)と樹脂製ネット(B)とを構築現場でも熟練を要さ
ずに容易に接続することができる。補強された壁面は、
水平面に対する角度が45度以上の急勾配の盛土であっ
ても、法面は壁面材(A)の立面部側によって補強される
ので崩壊し難く、また、盛土された内部は樹脂製ネット
(B)によって補強されているので、雨水浸透により剪断
強度が低下したり、地震などにより加重が負荷されて
も、盛土崩壊が生じることもない。
【0026】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明
するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載
例に限定されるものではない。
【0027】図1はL字型格子状壁面材(A)の一例であ
り、盛土によって埋設される水平面部側の部分平面図で
あり、図2は図1に示したL字型格子状壁面材(A)の側
面図であり、図3は樹脂製ネット(B)の一例の部分平面
図であり、図4は図1に示したL字型格子状壁面材(A)
に樹脂製ネット(B)を接続した状態を示す部分拡大平面
図であり、図5は図4に示した接続した状態の側面図で
ある。図6はL字型格子状壁面材(A)を土台の地盤に固
定し、L字型格子状壁面材(A)の水平面側の端部に樹脂
製ネット構造物(B)を接続した状態を示す側面略図であ
り、図7はL字型格子状壁面材(A)と樹脂製ネット(B)を
多層に積み重ねて盛土壁面を補強した状態を示す側面略
図である。
【0028】壁面材(A)は複数本の金属丸棒(a1)に対し
て直角に複数本の他の金属丸棒(a2)が格子状に配置され
相互に直交する部分が溶接されている。壁面材(A)は長
さ方向のほぼ中央部で、立面部側の高さと水平面部側の
長さがほぼ同等とされてL字型に折り曲げられている。
複数本の金属丸棒(a1)の水平面部側(盛土によって埋設
される側)の端部であって2本の金属丸棒(a2)の間に、
優弧状に折り曲げて長尺の接続用部材(c1)を挿入可能な
優弧部(a3)を稜線状に形成されている(図2参照)。優
弧部(a3)の円の切欠き部には、金属丸棒(a1)には1本お
きに補強用金属棒(a4)が溶接されている。補強用金属棒
(a4)の溶接はこの例に限られるものではなく、2本お
き、3本おきであってもよいことは、前記のとおりであ
る。
【0029】図4および図5は、L字型格子状壁面材
(A)の水平面部側の端部に樹脂製ネット構造物(B)を接続
した一例を示している。まず、相互に隣接する金属丸棒
(a2)の間であって、かつ、相互に隣接する優弧部(a3)の
間に、樹脂製ネット構造物(B)の長さ方向の端から2番
目の縦ストランドを3本折り曲げて配置し、この縦スト
ランドの折り曲げ部(b15)と各優弧部(a3)とに長尺の接
続用部材(c1)を挿入し、1番目の縦ストランドを対向す
る3番目の縦ストランドの隙間に貫通させて反対面側に
位置させ、1番目の縦ストランドと3番目の縦ストラン
ドとによって形成される空間部分(b16)に、他の棒状部
材(c2)を挿入して接続が完了する。
【0030】このように樹脂製ネット(B)を接続したL
字型格子状壁面材(A)は、斜体材(d1)の鈍角側の端部を
L字型格子状壁面材(A)の水平面部側の金属丸棒(a2)に
引掛けて地盤に打ち込み、同時に固定杭(d2)によって地
盤に打ち込み固定し、樹脂製ネット(B)をL字型格子状
壁面材(A)から離れる方向に引張ると、接続用部材(c1)
を保持した縦ストランド(b11)が優弧部(a3)に当接し、
樹脂製ネット(B)を緊張させることができる。このよう
に緊張させた状態の樹脂製ネット(B)は、その端部に保
護パイプ(d4)を介在させて緊張杭(d3)を土壌にハンマー
で打込むことにより、固定される。なお、L字型格子状
壁面材(A)の裏面(内側)には、樹脂製ネット(B)を接続
する前に、緑化マット(a5)と斜体材(d1)とを取付けてお
く(図6参照)。
【0031】図7は、立面部側の裏面に緑化マット(a5)
を配置したL字型格子状壁面材(A)を急勾配法面に配置
し、斜体材(d1)、固定杭(d2)によって土台となる最下部
の地盤(D)に固定した状態の側面略図であり、樹脂製ネ
ット(B)は接続部(E)でL字型格子状壁面材(A)に接続さ
れている。L字型格子状壁面材(A)の折り曲げ角度は、
自由に変更することができ、樹脂製ネット(B)の長さも
盛土する幅に応じて変更することができることは、前記
のとおりである。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明した通りであ
り、次の様な特別に有利な効果を奏し、その産業上の利
用価値は極めて大である。 1.本発明方法で使用するL字型格子状壁面材(A)は、
金属丸棒(a1)と金属丸棒(a2)とを格子状に配置され、相
互に直交する部分が溶接されてなるので、従来のエキス
パンドメタル(EPM)製の壁面材よりもコストが易
く、空隙率(製品の総面積に占める穴の面積比)が大き
くすることができ、製品の重量が軽く、運搬、保管、施
工などでの取り扱いが容易である。 2.本発明方法によるときは、L字型格子状壁面材(A)
と樹脂製ネット構造物(B)とを、構築現場で熟練を要さ
ずに容易に接続することができる。 3.本発明方法で使用するL字型格子状壁面材(A)の金
属丸棒(a1)の2〜6本ごとに、優弧部(a3)の円の切欠き
部を塞ぐ補強用金属棒(a4)が溶接すると、樹脂製ネット
構造物(B)に相当の引張力が負荷されても、優弧部(a3)
が伸びることがなく、この部分に配置した長尺の接続用
部材が優弧部(a3)から外れることがなく、長期間に亘っ
て安定して使用することができる。 4.本発明方法によるときは、L字型格子状壁面材(A)
に接続された樹脂製ネット構造物(B)などの補強網によ
って補強された盛土地盤(体内)は、雨水浸透による荷
重増加、地震による衝撃によって樹脂製ネット構造物
(B)に相当の引張力が負荷されても、破断し難く長期間
に亘って安定して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 L字型格子状壁面材の一例であり、水平面部
側の部分平面図である。
【図2】 図1に示したL字型格子状壁面材の側面図で
ある。
【図3】 樹脂製ネット構造物の一例の部分平面図であ
る。
【図3】 L字型格子状壁面材の端部に、樹脂製ネット
構造物を接続した状態を示す部分拡大平面図である。
【図4】 図1に示したL字型格子状壁面材に樹脂製ネ
ット構造物を接続した状態を示す部分拡大平面図であ
る。
【図5】 図4に示した接続した状態の側面図である。
【図6】 L字型格子状壁面材を土台の地盤に固定し、
L字型格子状壁面材の水平面側の端部に樹脂製ネット構
造物を接続した状態を示す側面略図である。
【図7】 L字型格子状壁面材と樹脂製ネット構造物を
多層に積重ねて盛土壁面を補強した状態を示す側面略図
である。
【符号の説明】
A:壁面材 a1、a2:金属丸棒 a3:優弧部 a4:補強用金属棒 a5:緑化マット B:樹脂製ネット構造物 b1:縦横のストランド b11:縦ストランド b12:横ストランド b13:網目 b14:結合部 b15:縦ストランドの折曲げ部 b16:空間部分 c1:接続用部材 c2:他の棒状部材 D:地盤 d1:斜体材 d2:固定杭 d3:緊張杭 d4:保護パイプ E:接続部
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月21日(1999.9.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 L字型格子状壁面材の一例であり、水平面部
側の部分平面図である。
【図2】 図1に示したL字型格子状壁面材の側面図で
ある。
【図3】 樹脂製ネット構造物の一例の部分平面図であ
る。
【図4】 図1に示したL字型格子状壁面材に樹脂製ネ
ット構造物を接続した状態を示す部分拡大平面図であ
る。
【図5】 図4に示した接続した状態の側面図である。
【図6】 L字型格子状壁面材を土台の地盤に固定し、
L字型格子状壁面材の水平面側の端部に樹脂製ネット構
造物を接続した状態を示す側面略図である。
【図7】 L字型格子状壁面材と樹脂製ネット構造物を
多層に積重ねて盛土壁面を補強した状態を示す側面略図
である。
【符号の説明】 A:壁面材 a1、a2:金属丸棒 a3:優弧部 a4:補強用金属棒 a5:緑化マット B:樹脂製ネット構造物 b1:縦横のストランド b11:縦ストランド b12:横ストランド b13:網目 b14:結合部 b15:縦ストランドの折曲げ部 b16:空間部分 c1:接続用部材 c2:他の棒状部材 D:地盤 d1:斜体材 d2:固定杭 d3:緊張杭 d4:保護パイプ E:接続部
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の金属丸棒(a1)に対して直角に複
    数本の他の金属丸棒(a2)が格子状に配置され相互に直交
    する部分が溶接されてなり、断面L字型に折り曲げられ
    た壁面材(A)の盛土によって埋設される複数本の金属丸
    棒(a1)の一端側に、複数本の縦横のストランド(b1)が格
    子状に直交して形成された網目(b13)と、これらのスト
    ランドの結合部(b14)とからなる広幅で長尺の地盤補強
    材としての樹脂製ネット構造物(B)の長さ方向の一端と
    を接続する方法において、盛土によって埋設される側の
    複数本の金属丸棒(a1)の端部近傍に優弧状に折り曲げて
    長尺の接続用部材(c1)を挿入可能な優弧部(a3)を稜線状
    に形成し、相互に隣接する金属丸棒(a2)の間であって、
    かつ、相互に隣接する優弧部(a3)の間に、樹脂製ネット
    構造物(B)の長さ方向の端部側の縦ストランド(b11)を少
    なくとも1本折り曲げて配置し、この縦ストランドの折
    り曲げ部(b15)と各優弧部(a3)に長尺の接続用部材(c1)
    を挿入し、折り曲げた樹脂製ネット構造物(B)の端部を
    前記各金属丸棒(a1)の長さ方向の端部側に導き、樹脂製
    ネット構造物(B)の縦ストランド(b11)を対向する縦スト
    ランド(b11)の隙間に貫通させて樹脂製ネット構造物(B)
    の反対面側に位置させ、縦ストランド(b11)の隙間に貫
    通させることによって生じた縦ストランド(b11)によっ
    て形成される空間部分(b16)に、他の棒状部材(c2)を挿
    入して固定することを特徴とする、壁面材と地盤補強材
    の接続方法。
  2. 【請求項2】 断面L字型とされた壁面材(A)は、立面
    部側の高さと水平面部側の長さがほぼ同等とされてな
    り、金属丸棒(a1)には2〜6本ごとに、優弧部(a3)の円
    の切欠き部を塞ぐ補強用金属棒(a4)が溶接されてなる、
    請求項1に記載の壁面材と地盤補強材の接続方法。
  3. 【請求項3】 樹脂製ネット構造物(B)の折り曲げられ
    る長さ方向の端部側の縦ストランド(b11)が端部から第
    2番目の縦ストランドであり、接続用部材(c1)を挟んで
    反対側で端部から1番目の縦ストランドを端部から3番
    目の縦ストランドの隙間に貫通させ、1番目と3番目の
    縦ストランドとによって形成される空間部分(b16)に他
    の棒状部材(c2)を挿入して固定する、請求項1または請
    求項2に記載の壁面材と地盤補強材の接続方法。
  4. 【請求項4】 接続用部材(c1)は金属丸棒であり、他の
    棒状部材(c2)は幅が約30〜50mm、厚さが3〜5mmの
    金属板または樹脂板である、請求項1ないし請求項3の
    いずれか一項に記載の壁面材と地盤補強材の接続方法。
JP11224842A 1999-08-09 1999-08-09 壁面材と地盤補強材の接続方法 Pending JP2001049668A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11224842A JP2001049668A (ja) 1999-08-09 1999-08-09 壁面材と地盤補強材の接続方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11224842A JP2001049668A (ja) 1999-08-09 1999-08-09 壁面材と地盤補強材の接続方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001049668A true JP2001049668A (ja) 2001-02-20

Family

ID=16820037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11224842A Pending JP2001049668A (ja) 1999-08-09 1999-08-09 壁面材と地盤補強材の接続方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001049668A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040017387A (ko) * 2002-08-21 2004-02-27 김영섭 보강토 옹벽 및 보강사면의 시공을 위한 그리드 고정기구및 그를 이용한 성토부 및 절토부에서의 시공방법
JP2008115578A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd 擁壁
US7399144B2 (en) * 2003-02-25 2008-07-15 Michael Charles Kallen Apparatus and method for stabilizing an earthen embankment
KR100981913B1 (ko) * 2010-01-29 2010-09-13 일양산업 주식회사 리브를 이용한 지오그리드 이음매 결속방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040017387A (ko) * 2002-08-21 2004-02-27 김영섭 보강토 옹벽 및 보강사면의 시공을 위한 그리드 고정기구및 그를 이용한 성토부 및 절토부에서의 시공방법
US7399144B2 (en) * 2003-02-25 2008-07-15 Michael Charles Kallen Apparatus and method for stabilizing an earthen embankment
JP2008115578A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Tokyo Printing Ink Mfg Co Ltd 擁壁
KR100981913B1 (ko) * 2010-01-29 2010-09-13 일양산업 주식회사 리브를 이용한 지오그리드 이음매 결속방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100196550B1 (ko) 보강된 셀 재료 구조체
US6296924B1 (en) System perforated cell confinement
JP5467832B2 (ja) 法面構築工法
WO2007133001A1 (en) Construction method of breast wall for tree planting
JP2001049668A (ja) 壁面材と地盤補強材の接続方法
JPH11310913A (ja) 土木構築物用施工石、土木構築物用施工石の使用方法及び土木構築物
JP6274763B2 (ja) 盛土補強構造および法面補強盛土工法
JP3657547B2 (ja) 構造物の緑化構造
JP5868352B2 (ja) 法面に道路を敷設する方法
JP2010255229A (ja) 斜面保護方法及び斜面保護構造体
JPH10159102A (ja) 法面、壁面等の保護構造
KR100467244B1 (ko) 옹벽블럭 지지용 앵커
JPH11323937A (ja) 壁面材と地盤補強材の接続方法
JP2016108936A (ja) 竹製土留構造体
JP2004300701A (ja) 法面形成用枠材および法面構築工法
JPH09328761A (ja) 擁壁構造
JP2004332447A (ja) 補強土構造物
KR100479500B1 (ko) 강재봉을 이용한 사면녹화 구조체 및 그의 시공방법
JP4220613B2 (ja) 法面、壁面、岸面等の保護緑化構造
JP6793424B1 (ja) 法面保護方法
JP4409151B2 (ja) 盛土補強装置
JP2011122355A (ja) 土留構造体
JPH0354184Y2 (ja)
JP2002275900A (ja) 格子型枠とジオグリッドの連結構造及び連結具
JP2002081076A (ja) 補強盛土の柵状被覆材と施工方法