JP2001049219A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2001049219A
JP2001049219A JP11230134A JP23013499A JP2001049219A JP 2001049219 A JP2001049219 A JP 2001049219A JP 11230134 A JP11230134 A JP 11230134A JP 23013499 A JP23013499 A JP 23013499A JP 2001049219 A JP2001049219 A JP 2001049219A
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Yukio Okuyama
幸夫 奥山
Kensaku Azuma
健策 東
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可使時間が長く作業性に優れ、かつ硬化性に
優れた、光学用途で使用できる高屈折率で高い接着力を
有する接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 1分子中に2個以上のエポキシ基を有す
る化合物(A)と、1分子中に2個以上のチオール基を
有する化合物(B)と、酸発生剤(C)とを含有する接
着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、透明プラ
スチック等からなる光学材料、電子材料等の材料の貼り
合わせや結合に用いられる接着剤組成物に関する。特
に、光学設計上、高い屈折率が必要とされる用途に使用
される接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ、プリズム等の光学材料の貼り合
わせや、光ファイバと光導波路等の各種光部品との結合
には、接着剤が使用されることが多い。また、光学材
料、光エレクトロニクス材料、電子材料等の材料同士、
及びこれらの材料と他の材料とを接着剤により接着させ
ることも多くなってきている。これら接着剤の中でも、
光が通過する部分に使用される接着剤は、光学透明性の
他に、光学設計上最適な屈折率を有するものでなければ
ならない。従来、これらの用途の接着剤として、熱可塑
性天然樹脂であるカナダバルサムや、エポキシ樹脂接着
剤、アクリル樹脂接着剤等が知られている。
【0003】ところで最近、十分な接着力を維持しなが
ら光学設計上屈折率として1.60以上の高屈折率を有
する接着剤が望まれている。しかしながら、カナダバル
サムの屈折率は1.52であり、また、エポキシ樹脂接
着剤やアクリル樹脂接着剤の屈折率は1.50〜1.5
9の範囲であり、十分な接着力と1.60以上の高い屈
折率を両立して有する接着剤はほとんど知られていなか
った。なお、屈折率のみに着目して屈折率1.60以上
の材料を用いた接着剤が、例えば、特開平9−1111
89号公報等に提案されている。しかしながら、これら
の接着剤は、屈折率制御に力点が置かれて、接着力が不
十分であったり、光学透明性が劣ったり、更に、作業環
境上有害な溶剤や揮発性の高いモノマー類を含有する等
の問題を有するものであった。
【0004】一般に、化合物自身を高屈折率化するため
には、分子(原子)屈折が大きく、かつ分子容のなるべ
く小さな分子(原子)構造を分子中に導入する必要があ
る。そのような分子(原子)構造としては、芳香環構
造、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、重金属原
子、四級炭素原子等が知られている。一方、実用上の観
点から光学用の接着剤に要求される特性として、透明で
あること、耐光性が良いこと、複屈折の小さいこと、低
比重であること等が挙げられる。それゆえ、接着剤の高
屈折率化には、硫黄原子を有する化合物の導入が最も好
ましい。硫黄原子を含有する接着剤成分としては、ポリ
チオール化合物が挙げられる。
【0005】接着剤組成物として、ポリチオール化合物
と組み合わせる化合物としては、一般にエポキシ化合
物、イソ(チオ)シアネート基、重合性不飽和結合を有
する化合物が挙げられる。しかし、イソ(チオ)シアネ
ート基または重合性不飽和結合を有する化合物と、ポリ
チオール化合物とを組み合わせた接着剤組成物は、硬化
収縮率が大きく、歪みを生じたり、接着性に問題があ
り、またポットライフが短いことが多く、光学用として
好ましくはない。
【0006】一方、ポリチオール化合物は、エポキシ樹
脂硬化剤として広く知られ、硬化促進剤に種々のアミン
類又はアミド類を用いたエポキシ樹脂組成物は、−20
〜0℃でも硬化可能な低温速硬化型のエポキシ樹脂組成
物として、接着剤、シーリング剤、注型等幅広く用いら
れている。しかしながら、この様なエポキシ樹脂組成物
は、そのポットライフが、通常、混合後数秒から数時間
と非常に短く、混合、脱泡、塗布作業に十分な時間がと
れないという欠点があった。そのため作業者は、その都
度組成物を調製しなければならず、作業性が悪く、好ま
しくなかった。
【0007】そのため、十分なポットライフを有し、作
業性の改善されたポリチオール系エポキシ樹脂組成物の
開発が切望されていた。しかしながら、一般にエポキシ
樹脂に市販のポリチオール化合物、アミン又はアミド系
硬化促進剤、固体分散型潜在性硬化促進剤を用いたもの
は、保存安定性が悪く、十分にポットライフを延ばすこ
とは困難であった。この様な問題点を解決する方法とし
て、酸無水物やメルカプト有機酸を硬化遅延剤として添
加し、ポットライフを延長する方法が検討されている
(特開昭61−159417号公報等)。しかしなが
ら、まだ十分に満足できるものとはいえなかった。
【0008】また、可使時間のみに着目し、硬化促進剤
としてのアミン又はアミドの種類、添加量を変更した場
合、ポットライフがある程度改善されるが、これらの系
は硬化性が悪く、実用上使用するには問題が多い。この
ような状況から、十分なポットライフを有し、硬化性も
良好で、透明で高屈折率でありながら、優れた接着力を
有し、揮発性の溶剤を含有しない接着剤が求められてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、上記問題を解決すること、すなわち、ポットライフ
が長く作業性に優れ、かつ硬化性に優れた、光学用途で
使用できる高屈折率で高い接着力を有する接着剤組成物
を提供することにある。特に硬化後の屈折率として1.
60以上を有する接着剤組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題の
解決を鋭意検討した結果、高屈折率を示すポリチオール
化合物とエポキシ化合物を組み合わせることにより、硬
化収縮率が小さく、硬化物の歪みも少なく、また接着力
も優れる接着剤組成物が得られることを見出した。更に
エポキシ化合物とポリチオール化合物の組合せにおい
て、硬化触媒として酸発生剤を使用してカチオン重合さ
せることにより、十分なポットライフと優れた硬化性を
有する接着剤組成物が得られることを見出し、本発明に
至った。
【0011】すなわち、本発明の接着剤組成物は、1分
子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物(A)と、
1分子中に2個以上のチオール基を有する化合物(B)
と、酸発生剤(C)とを含有することを特徴とする。ま
た、1分子中に2個以上のチオール基を有する化合物
(B)は、下記一般式(1)で示される化合物であるこ
とが望ましい。
【化2】 [式中、Xは−(CH2CH2S)n−Hであり、Zは−
(CH2 )m−であり、mは1〜5の整数であり、nは
0〜2の整数である。]
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における1分子中に2個以上のエポキシ基を有す
る化合物(A)(以下、エポキシ化合物(A)と記す)
としては、エポキシ基を2個以上有する分子構造の化合
物を適宜用いることができる。具体的には、ビフェノー
ル、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフ
ェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、
テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェ
ノールF、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロ
モビスフェノールA等のビスフェノール類のジグリシジ
ルエーテル類;フェノールノボラック、クレゾールノボ
ラック、ブロム化フェノールノボラック、オルトクレゾ
ールノボラック等のノボラック樹脂のポリグリシジルエ
ーテル類;エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリ
メチロールプロパン、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等のア
ルキレングリコール類のジグリシジルエーテル類;ヘキ
サヒドロフタル酸のグリシジルエステル、ダイマー酸の
ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル類が挙
げられる。
【0013】更に、エポキシ化合物(A)としては、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル−3’,4’−エポキシシ
クロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6
−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’
−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシク
ロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシ−4−メチ
ルシクロヘキシル−2−プロピレンオキサイド、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、
ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペ
ート、ラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサ
ン)、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン
カルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポキシ
ド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)エーテ
ル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エ
ーテル、テトラ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル)−4,5−エポキシテト
ラヒドロフタレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)ジエチルシロキサン等の脂環式エポキシ化合物
も挙げられる。
【0014】これらの中でも、接着剤組成物として反応
性、耐光性を向上させるためには、脂環式エポキシ化合
物を使用することが好ましい。また、接着剤組成物とし
て屈折率を高くするためには、これらのエポキシ化合物
の中でも、比較的屈折率の高いビスフェノールA、ビス
フェノールF、ハロゲン含有のテトラクロロビスフェノ
ールA、テトラブロモビスフェノールA等のジグリシジ
ルエーテル類を使用することが好ましい。また、ビスフ
ェノールSのグリシジルエーテルのような硫黄原子を1
個以上含有するエポキシ化合物を使用することも好まし
い。
【0015】更に、これらの中でも、下記一般式(2)
で表される硫黄含有のエポキシ化合物が特に好ましい。
【化3】 [式中、R1,R2,R3,R4は、同一又は異なってもよ
く、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキ
ル基を表し、yは0〜10の整数を表す。]
【0016】具体的には、ビス[4−(2,3−エポキシ
プロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3
−エポキシプロピルチオ)−3−メチルフェニル]スルフ
ィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−
3,5−ジメチルフェニル]スルフィド、ビス[4−
(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,3,5,6−テ
トラメチルフェニル]スルフィド、ビス[4−(2,3−
エポキシプロピルチオ)−3,5−ジブロモフェニル]ス
ルフィド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)
−2,3,5,6−テトラブロモフェニル]スルフィ
ド、ビス[4−(2,3−エポキシプロピルチオ)−2,
3,5,6−テトラクロロフェニル]スルフィド等が好
適に使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0017】上記一般式(2)のエポキシ化合物の製造
方法としては、例えばビス(4−メルカプトフェニル)
スルフィドにエピクロルヒドリンを付加反応させた後、
閉環反応を行う方法が挙げられるが、これに限定される
ものではない。また、これらのエポキシ化合物(A)
は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0018】本発明における1分子中に2個以上のチオ
ール基を有する化合物(B)(以下、ポリチオール化合
物(B)と記す)は、接着剤組成物の屈折率を高める主
材料である。ポリチオール化合物(B)としては、1分
子中に2個以上のチオール基を有するものであれば特に
限定されず、例えば、1,2−エタンジチオール、1,
3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、
1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオ
ール、1,10−デカンジチオール、1,2−シクロヘ
キサンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコ
レート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、
ブタンジチオールビスチオプロピオネート、トリメチロ
ールプロパントリチオプロピオネート、ペンタエリスリ
トールテトラチオグリコレート、ペンタエリスリトール
テトラチオプロピオネート、2,5−ジメルカプトメチ
ル−1,4−ジチアン等の脂肪族ポリチオール類;1,
2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオー
ル、1,4−ベンゼンジチオール、4−メチル−1,2
−ベンゼンジチオール、4−ブチル−1,2−ベンゼン
ジチオール、4−クロロ−1,2−ベンゼンジチオー
ル、1,3,5−ベンゼントリチオール、1,3,5−
トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−ト
リス(メルカプトメチルオキシ)ベンゼン、トルエン−
3,4−ジチオール、1,2−ビス(メルカプトメチル
チオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチ
ルチオ)ベンゼン等の芳香族ポリチオール類;ビス(2
−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(3−メルカプ
トプロピル)スルフィド、ビス(4−メルカプトブチ
ル)スルフィド、ビス(8−メルカプトオクチル)スル
フィド等の脂肪族スルフィド類;ビス(4−メルカプト
フェニル)スルフィド、4,4’−ジメルカプトジフェ
ニルジスルフィド等の芳香族スルフィド類などが挙げら
れる。
【0019】更に、耐光性が良好であり、高屈折率、高
沸点である等の特性から、下記一般式(1)で表される
構造の化合物を使用することが特に好ましい。
【化4】 [式中、Xは−(CH2CH2S)n−Hであり、Zは−
(CH2 )m−であり、mは1〜5の整数であり、nは
0〜2の整数である。]
【0020】上記一般式(1)の化合物の具体例として
は、次の構造式の化合物(B−1〜B−3)が挙げられ
るが、これに限定されるものではない。
【化5】
【0021】これらポリチオール化合物のうち、ポリチ
オール化合物(B−1)は、例えば次の方法により合成
される。すなわち、ジアリルジスルフィドに臭素を反応
させ、環化二量化した臭素化物にチオ尿素を反応させイ
ソチウロニウム塩を生成させる。これを水酸化ナトリウ
ム水溶液で加水分解した後、塩酸酸性にすることにより
目的のポリチオール化合物(B−1)を得ることができ
る。また、ポリチオール化合物(B−2)およびポリチ
オール化合物(B−3)は、ポリチオール化合物(B−
1)を原料として合成することができる。また、前述の
これらポリチオール化合物(B)は、単独で用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】本発明における酸発生剤(C)としては、
従来より公知の化合物が適用でき、本発明においては、
オニウム塩、メタロセン錯体が好適に用いられる。これ
らの酸発生剤は、光照射、または熱、もしくはその両方
によって励起され、酸を発生し、この発生した酸により
上記エポキシ化合物(A)を重合させることができるも
のである。酸発生剤(C)としては、例えば、三フッ化
ホウ素・ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム、四
塩化チタン、四塩化錫、塩化鉄(III)、塩化亜鉛等のル
イス酸類が挙げられる。
【0023】本発明において好適に用いられるオニウム
塩としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム
塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩等
が使用され、これらの対イオンには、BF4 -、PF6 -
AsF6 -、SbF6 -等のアニオンが用いられる。具体例
としては、4−クロロベンゼンジアゾニウムヘキサフル
オロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフ
ルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキ
サフルオロホスフェート、(4−フェニルチオフェニ
ル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート、(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホ
ニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス[4−(ジフ
ェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキ
サフルオロアンチモネート、ビス[4−(ジフェニルス
ルホニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオ
ロホスフェート、(4−メトキシフェニル)ジフェニル
スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メ
トキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロ
アンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨー
ドニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンジルトリフ
ェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ト
リフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェート等が
挙げられる。また、メタロセン錯体としては、例えば、
(η5 −イソプロピルベンゼン)(η5 −シクロペンタ
ジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。また、
これらの化合物は、各単体で用いてもよく、複数混合し
て用いてもよい。
【0024】本発明では、以上の主要成分の他に、粘度
調整、硬化条件の制御、接着力制御、硬化物の熱的、力
学的特性制御等のために、以下に示す反応性希釈剤や接
着力向上剤等の各種材料を添加することが可能である。
反応性希釈剤は、接着剤としての粘度調製、硬化条件の
制御や接着力の制御のために添加されるもので、本発明
の接着剤組成物が重合硬化する際に関与する官能基を少
なくとも一つ以上含有する化合物で、本発明の接着剤組
成物の必須成分を混合したものよりも単独での粘度が低
いものを意味する。具体的には、これまでに述べたチオ
ールやエポキシ基を含有する化合物、ポリオール類等が
使用可能である。また、カチオン重合可能なビニルエー
テル類の使用も可能である。
【0025】チオール基を有する化合物としては、例え
ば、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ペン
チルメルカプタン、オクチルメルカプタン、3−メルカ
プトブタノール等を挙げることが出来るが、これらに限
定されるものではない。エポキシ基を有する化合物とし
ては、例えば、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリ
シジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、2−エ
チルヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシル
ジグリコールグリシジルエーテル、sec-ブチルフェニル
グリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジル
エーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、高
級アルコールのグリシジルエーテル等が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。ポリオール類として
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノール
F、水添ビスフェノールA、カプロラクトンポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオー
ル、ポリオレフィン系ポリオール、ポリカーボネートジ
オール等が挙げられる。しかし、本発明においては、こ
れらに限定されるものではない。
【0026】ビニルエーテル類としては、例えば、エチ
ルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−
ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ド
デシルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、
n−オクタデシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテ
ル、ブタンジオールモノビニルエーテル、ヘキサンジオ
ールモノビニルエーテル、エチレングリコールブチルビ
ニルエーテル、トリエチレングリコールメチルビニルエ
ーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテ
ル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカー
ボネート、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ト
リエチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオー
ルジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテ
ル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ト
リメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられ
る。更に、1−アリル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ン、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリル
(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル(メタ)アクリレート等の同一分子内に複数の
異なる反応性官能基を有する化合物も使用できる。
【0027】本発明では、接着力向上のためにシランカ
ップリング剤を配合することが可能である。具体的に
は、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が
挙げられる。また、同じ目的でチタネートカップリング
剤を使用することも可能である。例えば、イソプロピル
イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジ
オクチルピロホスフェート)チタネート、テトラオクチ
ルビス(ジトリデシルホスフェート)チタネート、テト
ラ(2,2−ジアルキルオキシメチル−1−ブチル)ビ
ス(ジトリデシル)ホスフェートチタネート、ビス(ジ
オクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネー
ト、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチ
ル)チタネート等が挙げられる。
【0028】本発明の接着剤組成物には、更に光学的特
性や接着特性を損なわない範囲で、その他のカチオン重
合可能なモノマー類、例えば、環状エーテル類、環状エ
ステル類、スピロオルソカーボネート類、ビシクロオル
ソエステル類;チオキサントン等の光増感剤、各種界面
活性剤、染料、フィラー等を添加することもできる。本
発明の接着剤組成物の調製は、以上の各成分を適当な比
率で混合することにより行われる。この場合、混合によ
り必要以上に昇温しないよう注意する必要がある。ま
た、接着剤組成物の各成分は、適宜、2つ以上に分けて
保管し、使用直前に混合することが、保存安定性の点か
ら好ましい。
【0029】本発明の接着剤組成物を構成する前述の各
成分の配合割合は、特に限定されるものではなく、各成
分の分子量や官能基数、官能基の反応性の違いを考慮し
て、目的とする接着特性に応じて各成分の混合比を適宜
決定すればよい。ここで好ましい配合割合としては、エ
ポキシ基の総量/チオール基の総量(当量比)で、0.
8〜3.0であり、の添加量は、エポキシ基を有する化
合物100重量部に対して0.1〜20重量部程度用い
ることが好ましい。
【0030】本発明の接着剤組成物の硬化方法として
は、熱重合による方法、または光重合と熱重合とを併用
する方法がある。硬化条件については、本発明の接着剤
組成物の用途、組成、使用する酸発生剤の種類およびそ
の使用量によって異なるので一概に規定することはでき
ないが、光重合を行う場合、光量は0.05〜30J/
cm2 の範囲であり、熱重合を行う場合、硬化温度は0
〜200℃であり、硬化時間は、0.5〜24時間であ
【0031】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらのみに限定されない。表におけ
る配合割合を示す数値は、重量部を表す。
【0032】[実施例1〜14及び比較例1〜5]表1
〜表4に示した配合成分を用いた処方で混合し、接着剤
組成物を調製した。表1〜表4における各化合物、酸発
生剤、硬化促進剤および開始剤は、下記のものを使用し
た。
【0033】・エポキシ化合物(A)−a:ビスフェノ
ールFのジグリシジルエーテル(商品名:エピコート8
06 油化シェルエポキシ社製) ・エポキシ化合物(A)−b:3,4−エポキシシクロ
ヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサン
カルボキシレート(商品名:UVR−6110ユニオン
カーバイド社製) ・エポキシ化合物(A)−c:ビス[4−(2,3−エポ
キシプロピルチオ)フェニル]スルフィド(商品名:MP
G 住友精化社製)
【0034】・ポリチオール化合物(B)−a:前記構
造式(B−1)のポリチオール化合物 ・ポリチオール化合物(B)−b:1,3−ベンゼンジ
チオール ・ポリチオール化合物(B)−c:1,6−ヘキサンジ
チオール ・ポリチオール化合物(B)−d:ペンタエリスリトー
ルテトラチオプロピオネート ・イソシアネート基を有する化合物:m−キシレンジイ
ソシアネート ・ビニル基を有する化合物a:エチレングリコールジメ
タクリレート ・ビニル基を有する化合物b:トリメチロールプロパン
トリメタクリレート
【0035】・酸発生剤(C)−a:スルホニウム塩系
酸発生剤(商品名:サンエイドSI−100L 三新化
学工業社製) ・酸発生剤(C)−b:スルホニウム塩系酸発生剤(商
品名:CI−2064日本曹達社製) ・酸発生剤(C)−c:スルホニウム塩系酸発生剤(商
品名:UVR−6990ユニオンカーバイド社製)
【0036】・硬化促進剤a:1−シアノエチル−2−
エチル−4−メチルイミダゾール(商品名:キュアゾー
ル2E4MZ−CN 四国化成工業社製) ・硬化促進剤b:ジメチルラウリルアミン(商品名:ワ
ンダミン2P−TA 新日本理化社製) ・硬化促進剤c:ジブチル錫ジクロライド ・硬化促進剤d:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル) ・硬化促進剤e:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン(商品名:ダロキュア117
3 メルク社製)
【0037】次に、下記評価方法に従い屈折率、光透過
性、接着強度を評価した。結果を表1〜表4に示す。 (1)屈折率の評価法:上記接着剤組成物を表1〜表4
に示した硬化条件にて硬化した後、アッベ屈折率計(1
T型;アタゴ社製)を用い、20℃における接着剤硬化
物の屈折率を測定した。 (2)ポットライフの評価法:接着剤組成物を混合後、
25℃にて保存し、その後の流動性を目視にて評価し
た。 (3)接着強度の評価法:13×26mmのスライドガ
ラスに接着剤を塗布し、これに11×13mmのスライ
ドガラスを貼り合わせ(接着面積:約5mm2 )、光照
射または加熱によって接着剤を硬化させて試験片を作製
した。接着強度の測定は、試料ホルダーに試験片をセッ
トし、引っ張り試験機を用いて、速度10mm/min
で引っ張り、剪断接着強度を測定した。なお、表1〜表
4の接着強度のデータに「>」の記号がついている場合
は、接着部が剥離する前にスライドガラスが破損した場
合を表す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】表1〜表4に示す結果から明らかなよう
に、本発明の接着剤組成物は、ポットライフが良好で、
屈折率が1.60以上と高く、かつ接着強度が高かっ
た。一方、比較例のものは、屈折率は1.60未満、も
しくは接着強度、ポットライフが悪く、これらの特性を
すべて満足するものは得られなかった。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の接着剤組
成物は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合
物(A)と、1分子中に2個以上のチオール基を有する
化合物(B)と、酸発生剤(C)とを含有しているの
で、可使時間(ポットライフ)が長く作業性に優れ、か
つ硬化性に優れ、光学用途で使用できる高屈折率および
高い接着力を有する。このような接着剤組成物は、光学
材料、光エレクトロニクス材料、電子材料等に対する接
着剤として極めて好適である。また、本発明の接着剤組
成物は溶剤を含有しないため、作業環境の面からも優れ
るものである。また、1分子中に2個以上のチオール基
を有する化合物(B)が、上記一般式(1)で示される
化合物である場合、耐光性が良好であり、高屈折率、高
沸点を有する接着剤組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 EC061 EC071 EC091 EC151 EC171 EC261 HA096 HA326 HB06 HC14 HD03 HD18 HD19 HD21 HD41 KA14 KA16 LA05 LA06 LA10 MA05 MA10 NA17 NA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に2個以上のエポキシ基を有す
    る化合物(A)と、1分子中に2個以上のチオール基を
    有する化合物(B)と、酸発生剤(C)とを含有するこ
    とを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 1分子中に2個以上のチオール基を有す
    る化合物(B)として、下記一般式(1)で示される化
    合物を含有することを特徴とする請求項1記載の接着剤
    組成物。 【化1】 [式中、Xは−(CH2CH2S)n−Hであり、Zは−
    (CH2 )m−であり、mは1〜5の整数であり、nは
    0〜2の整数である。]
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