JP2001049159A - インクジェット記録用カラーインクセットおよびこれを用いた画像記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用カラーインクセットおよびこれを用いた画像記録方法

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JP2001049159A
JP2001049159A JP22871799A JP22871799A JP2001049159A JP 2001049159 A JP2001049159 A JP 2001049159A JP 22871799 A JP22871799 A JP 22871799A JP 22871799 A JP22871799 A JP 22871799A JP 2001049159 A JP2001049159 A JP 2001049159A
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ink
color
pigment
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black
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JP22871799A
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English (en)
Inventor
Junji Suzuki
淳司 鈴木
Kunichi Yamashita
勲一 山下
Takeshi Hashimoto
健 橋本
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる色間に滲みがなく2次色の発色に優
れ、かつ十分な印字安定性を有するインクジェット記録
用カラーインクセットを提供することである。 【解決手段】 3色以上のカラーの水性インクとブラッ
クの水性インクとを備えたカラーインクセットにおい
て、前記水性インクは、各々、顔料、水系溶媒、および
下記一般式(1)で表される化合物を含有し、前記各色
のカラーインクにおいて、前記顔料が前記水系溶媒中に
数平均粒子径50nm以下で分散し、前記各色のカラー
インクの各々に含まれる下記一般式(1)で表される化
合物と顔料との重量比R1が0.1〜1.7であり、前
記ブラックのインクに含まれる下記一般式(1)で表さ
れる化合物と顔料との重量比R2が0.002〜1であ
り、かつ、R1>R2を満たすことを特徴とするインクジ
ェット記録用カラーインクセットである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式の記録装置(プリンタ、複写機、ファクシミリ、ワー
ドプロセッサ等)に用いられるカラーインクセット、お
よび該インクセットを用いた画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式の原理は、ノズ
ル、スリットあるいは多孔質フィルム等から、液体ある
いは溶融固体インクを吐出させ、紙、布、フィルム等の
被記録材に記録を行うものである。インクを吐出する方
法は、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわ
ゆる電荷制御方式、圧電素子の振動圧力を利用してイン
クを吐出させる方式、熱により気泡を形成、成長させる
ことにより生じる圧力を利用してインクを吐出させる、
いわゆる熱インクジェット方式等、各種の方式が提案さ
れており、これらの記録方式により、極めて高精細の画
像を得ることができる。インクジェット方式の記録装置
は、小型で安価、静寂性等の利点を有することから精力
的に検討が行われている。最近では、レポート用紙、コ
ピー用紙等のいわゆる普通紙上に、単色(黒色)画像の
みならず、フルカラー画像の記録が可能なカラープリン
タも数多く市販されており、記録装置の分野で大きなシ
ェアを占めるようになっている。
【0003】インクジェット記録装置に使用されるイン
クジェット記録用インクに関しては、(1)紙上に、滲
み、かぶりのない、高解像度、高濃度で、かつ均一な画
像が得られること、(2)ノズル先端でのインク乾燥に
よる目詰まりが発生せず、常に吐出応答性、吐出安定性
が良好であること、(3)紙上においてインクの乾燥性
が良いこと、(4)画像の堅牢性がよいこと、(5)長
期保存安定性がよいこと、等の特性が要求される。特
に、印字速度の高速化に伴い、コピー用紙等の普通紙に
印字してもインクの乾燥が速く、かつ高画質な画像を形
成し得るインクが要求されている。
【0004】従来の染料を色材とするインクは、画像の
耐水性、耐光性に劣るので、近年、顔料を色材とするイ
ンクについて種々検討されている。例えば、特開平5−
155006号公報では、インクジェット記録用のイン
クとして、特定のカラー顔料を用いたインクセットが提
案されている。顔料は本質的に水に不溶なので、前記公
報では、分散剤を使用して、顔料をインク中に分散させ
ている。しかし、分散剤としてある種の界面活性剤を用
いると、インクの表面張力が必要以上に低下し、印字画
質の悪化、泡による印字ぬけ等の問題が発生し易くな
る。一方、分散剤として高分子分散剤を用いると、イン
クの粘度が高くなり易く、インクジェット特性と分散安
定性を両立させることは困難である。また、インクに分
散剤を含有させる場合の共通の問題として、インク特性
を調整する為に加える溶媒や添加剤等と、分散剤との相
互作用により顔料の分散が不安定になり易いことが挙げ
られる。特に、前記インクを熱インクジェット方式に用
いる場合は、熱ストレスにより発熱ヒーター上に顔料が
凝集して、吐出力が低下したり、凝集体がノズル内に付
着してインク滴の飛翔方向が不安定化するという問題が
発生し易くなる。
【0005】また、カラー画像をインクジェット記録方
法により記録する場合は、異なる色相のインクを被記録
媒体上に重ね打ちする必要があり、異なる色間の滲みが
発生し易いという問題がある。この問題を解決するた
め、インクの紙上への浸透性を向上させる検討が行われ
ている。例えば、特開平6−136309号公報では、
カラーインクとして、インクに浸透性を付与する界面活
性剤を含有する染料インクを用い、ブラックインクとし
て顔料インクを用いたインクセットが提案されている。
しかし、前記界面活性剤を顔料インクに添加し、該イン
クを熱インクジェット方式の記録に用いる場合、前述の
如くの吐出力の低下および飛翔方向の不安定化の問題が
発生し易くなる。特に、長期間印字を行うと、安定した
印字が困難になる。
【0006】一方、特開平3−157464号公報に
は、顔料インクの被記録媒体への浸透性を向上させる目
的で、アセチレングリコール系の界面活性剤が利用され
ている。また、特開平6−116522号公報には、顔
料インクを用いた場合に生じるヘッドの目詰まりを防止
することを目的として、前記界面活性剤が利用されてい
る。しかし、前記公報には、カラーインクセットを用い
てフルカラー画像を形成する場合に発生する、異なる色
間の滲みや2次色の発色性についてはなんら検討されて
おらず、フルカラー画像用のインクとして用いた場合に
は不充分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は熱インクジェ
ット方式に使用した場合も、異なる色間に滲みがなく2
次色の発色に優れ、かつ十分な印字安定性を有するとと
もに、充分なインクジェット記録特性をも有するインク
ジェット記録用カラーインクセットを提供することを目
的とする。また、本発明は、高画質なフルカラー画像を
安定的に形成し得る画像記録方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。 <1> 少なくとも、シアン、マゼンタ、およびイエロ
ーの各色のカラーインクと、ブラックのインクとを含む
4色以上のインクを備えたインクジェット記録用カラー
インクセットにおいて、前記各色のカラーインクおよび
ブラックのインクが、各々、顔料、水系溶媒、および下
記一般式(1)で表される化合物を含有する水性インク
であり、前記各色のカラーインクにおいて、前記顔料が
前記水系溶媒中に数平均粒子径50nm以下で分散して
なり、前記各色のカラーインクの各々に含まれる下記一
般式(1)で表される化合物と顔料との重量比R1
0.1〜1.7であり、前記ブラックのインクに含まれ
る下記一般式(1)で表される化合物と顔料との重量比
2が0.002〜1であり、かつ、R1>R2を満たす
ことを特徴とするインクジェット記録用カラーインクセ
ット。
【0009】一般式(1)
【化2】 前記一般式(1)中、mとnは1以上の自然数であり、
0≦m+n≦50である。
【0010】<2> 各色のカラーインクの被記録媒体
上における乾燥時間が5秒以下である<1>に記載のイ
ンクジェット記録用カラーインクセット。 <3> ブラックのインクが、顔料として自己分散可能
なカーボンブラックと、水系溶媒として水および水溶性
有機溶剤とを含有する水性インクであり、各色のカラー
インクが、分散剤と、顔料として有機顔料と、水系溶媒
として水および水溶性有機溶剤とを含有する水性インク
である<1>または<2>に記載のインクジェット記録
用カラーインクセット。
【0011】<4> <1>から<3>までのいずれか
に記載のインクジェット記録用カラーインクセットの各
インクにエネルギーを供与して、インクの液滴を被記録
媒体へ吐出させ被記録媒体上にインクからなる画像を記
録する画像記録方法。 <5> 各インクに、複数のパルス印加による熱エネル
ギーを供与して、1のインクの液滴を形成し、該液滴を
被記録媒体へ吐出させる<4>に記載の画像記録方法。 <6> 1のインクの液滴重量が50ng以下である<
5>に記載の画像記録方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用カ
ラーインクセットは、少なくとも、シアン、マゼンタ、
およびイエローの各色のカラーインクと、ブラックのイ
ンクとを含む4色以上のインクを備えている。前記各色
のカラーインクおよびブラックのインクは、各々、顔
料、水系溶媒、および前記一般式(1)で表される化合
物を含有する水性インクである。前記一般式(1)で表
される化合物は、インクの被記録媒体(例えば、紙)へ
の浸透性を向上させる機能を有する。各色のインクおよ
びブッラクのインクが、前記化合物を顔料との関係で所
定量含有することで、色間の滲み等を効果的に防止で
き、2次色の発色性に優れた画像を形成することができ
る。
【0013】前記一般式(1)で表される化合物は、m
+nが0〜50であり、好ましくは3〜35であり、よ
り好ましくは5〜15である。m+nが50を超えると
インクの記録媒体への浸透性が低下する傾向、およびイ
ンクの乾燥性が低下する傾向があり、さらに、インクの
粘度が高くなることにより、吐出性が低下する傾向があ
る。前記一般式(1)で表される化合物としては、市販
されているものも使用することができ、例えば「サーフ
ィノール104」、「サーフィノール440」、「サー
フィノール465」、「サーフィノール485」(以
上、日信化学工業社製)等が挙げられる。中でも、「サ
ーフィノール465」が好ましい。
【0014】前記一般式(1)で表される化合物は、カ
ラーインク(マゼンタ、シアン、イエロー等の各カラー
インク)中において、0.1〜5重量%含有されるのが
好ましく、0.5〜3重量%含有されるのがより好まし
い。また、前記一般式(1)で表される化合物は、ブラ
ックのインク中において、0.01〜5重量%含有され
るのが好ましく、0.1〜3重量%含有されるのがより
好ましい。
【0015】本発明のカラーインクセットにおいて、前
記カラーインクに含まれる前記一般式(1)で表される
化合物と顔料との重量比R1は、0.1〜1.7であ
り、0.2〜1.2であるのが好ましい。また、ブラッ
クインクに含まれる前記一般式(1)で表される化合物
と顔料との重量比R2は、0.002〜1であり、0.
01〜1.5であるのが好ましい。さらに、R1>R2
ある。R1が0.1未満であると、2次色に色むらが発
生し易くなり、1.7を超えると、画像濃度が低くなり
易くなる。また、R2が0.002未満であると、濃度
むらの多い画像になり易く、1を超えると画像濃度が低
くなり易くなる。さらに、R1≦R2であると色間の滲み
に劣る画像になり易い。R1およびR2が前記範囲である
ととともに、R1>R2の関係を満たしていると、異なる
色間に滲みがなく2次色の発色に優れたフルカラー画像
を形成し得るカラーインクセットとなる。
【0016】本発明のカラーインクセットを構成してい
る各色のカラーインクおよびブラックのインクは、水系
溶媒中に顔料からなる分散粒子が分散した水性インクで
ある。特に、前記各色のカラーインクは、顔料が水系溶
媒中に数平均粒子径50nm以下の分散粒子として分散
している水性インクである。各色のカラーインクにおい
て、顔料からなる分散粒子の数平均粒径は、好ましくは
5nm〜50nmであり、より好ましくは、10nm〜
40nmである。前記各色のカラーインクに含有される
顔料の数平均粒子径が50nmを超えると、発色、特
に、2次色の発色に劣る画像になる。尚、水系溶媒中に
分散している分散粒子の粒子径は、マイクロトラックU
PA粒度分析計 9340( Leeds & Nor
thrup 社製 )を用い、て測定することができる
(インクを希釈しないで試料として用いて測定でき
る。)。なお、測定時に入力するパラメーターとして、
粘度には被測定インクの粘度を、分散粒子の密度には色
材の密度を用いることができる。
【0017】また、ブラックのインクにおける顔料から
なる分散粒子の数平均粒子径は、15〜100nmであ
るのが好ましく、15〜70nmであるのがより好まし
く、15〜60nmであるのがさらに好ましい。分散粒
子の数平均粒子径が15nm未満であると、インクの粘
度が高くなり易く、ヘッドの目詰まりが発生し易くな
る。一方、100nmを超えると、インクの保存安定性
が低下し易くなる。さらに、各色のカラーインクおよび
ブラックのインクにおける、分散粒子の体積平均粒子径
mvと数平均粒子径mnの比(粒度分布)mv/mn
は、1.1〜3.0であるのが好ましく、1.1〜2.
2であるのがより好ましい。粒度分布が広くなると、イ
ンクの浸透速度が遅くなったり、耐擦過性が低下し易く
なる。
【0018】さらに、前記各色のカラーインクおよびブ
ラックのインクの各々1リットル中に含まれる粒子径
0.5μm以上の分散粒子の数は、7.5×1010個以
下であるのが好ましく、5×1010個以下であるのがよ
り好ましい。粒子径が0.5μm以上の分散粒子の数が
7.5×1010個を超えると、印字の信頼性が低下し易
くなる。前記粒子径を有する分散粒子の数は、遠心分離
または濾過等を利用して、前記範囲に調整することがで
きる。例えば、0.5μm以上の粒子径を有する分散粒
子が多い場合は、顔料を水系溶媒に分散した後、もしく
はインクを調製した後に、分散液またはインクを遠心分
離および/または濾過することにより、粒子径0.5μ
m以上の分散粒子の数を低減することができる。尚、
0.5μm以上の分散粒子の数は、Accusizer
TM 770 Optical Particle Si
zer( Particle Sizing Syst
ems社製 )により測定することができる。この装置
は、測定部を通過する粒子を光学的手法を用いて検出す
るものである。例えば、前記水性インクの各々2μリッ
トルを測定セル中に入れ、所定の測定法に従って測定し
た後、1リットル中の分散粒子の値に換算して求めるこ
とができる。
【0019】以下、各色のカラーインクおよびブラック
のインクに用いられ得る顔料を例示するが、本発明のカ
ラーインクセットに用いられる顔料は、以下の顔料に限
定されるものではない。シアンのカラーインクに用いら
れ得る顔料としては、C.I.PigmentBlue
1、C.I.Pigment Blue 2、C.
I.Pigmet Blue 3、C.I.Pigme
nt Blue 15、C.I.Pigment Bl
ue 15:1、C.I.Pigment Blue
15:3、C.I.Pigment Blue 15:
4、C.I.Pigment Blue 16、C.
I.Pigment Blue 22、C.I.Pig
ment Blue 60等があげられる。
【0020】マゼンタのカラーインクに用いられ得る顔
料としては、C.I.Pigment Red 5、
C.I.Pigment Red 7、C.I.Pig
ment Red 12、C.I.Pigment R
ed 48、C.I.Pigment Red48:
1、C.I.Pigment Red 57、C.I.
Pigment Red 112、C.I.Pigme
nt Red 122、C.I.Pigment Re
d 123、C.I.Pigment Red 14
6、C.I.Pigment Red 168、C.
I.Pigment Red 184、C.I.Pig
ment Red 202、C.I.Pigment
Violet 19が挙げられる。
【0021】イエローのカラーインクに含有され得る顔
料としては、C.I.Pigment Yellow
1、C.I.Pigment Yellow 2、C.
I.Pigment Yellow 3、C.I.Pi
gment Yellow12、C.I.Pigmen
t Yellow 13、C.I.PigmentYe
llow 14、C.I.Pigment Yello
w 16、C.I.Pigment Yellow 1
7、C.I.Pigment Yellow 55、
C.I.Pigment Yellow 73、C.
I.Pigment Yellow 74、C.I.P
igment Yellow 75、C.I.Pigm
ent Yellow 83、C.I.Pigment
Yellow 93、C.I.Pigment Ye
llow 95、C.I.Pigment Yello
w 97、C.I.Pigment Yellow 9
8、C.I.Pigment Yellow 114、
C.I.PigmentYellow 128、C.
I.Pigment Yellow 129、C.I.
Pigment Yellow 150、C.I.Pi
gment Yellow 151、C.I.Pigm
ent Yellow 154、C.I.Pigmen
t Yellow 180、C.I.Pigment
Yellow185等があげられる。
【0022】ブラックのインクに用いられる顔料として
は、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレン
ブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔
料が好ましい。例えば、Raven7000、Rave
n5750、Raven5250、Raven5000
ULTRAII、Raven3500、Raven250
0ULTRA、Raven2000、Raven150
0、Raven1255、Raven1250、Rav
en1200、Raven1190ULTRAII、Ra
ven1170、Raven1080ULTRA、Ra
ven1060ULTRA、Raven790ULTR
A、Raven780ULTRA、Raven760U
LTRA(以上コロンビアン・カーボン社製);Reg
al400R、Regal330R、Regal660
R、Mogul L、Monarch 700、Mon
arch 800、Monarch 880、Mona
rch 900、Monarch 1000、Mona
rch 1100、Monarch 1300、Mon
arch 1400(以上キャボット社製);Colo
r Black FW1、Color Black F
W2、ColorBlack FW2V、Color
Black 18、Color Black FW20
0、Color Black S150、Color
BlackS160、Color Black S17
0、Printex 35、Printex U、Pr
intex V、Printex 140U、Prin
tex 140V、Special Black 6、
Special Black 5、Special B
lack 4A、Special Black4(以上
デグッサ社製);No.25、No.33、No.4
0、No.47、No.52、No.900、No.2
300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、
MA100(以上三菱化学社製);等を使用することが
できる。
【0023】また、マグネタイト、フェライト等の磁性
体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いても
よい。本発明のカラーインクセットの各インクには、黒
色、シアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、
赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金
属光沢顔料、無色の体質顔料、プラスチックピグメント
等を使用してもよい。また、前記市販品のみならず、合
成した顔料を用いてもよい。
【0024】前記各色のカラーインクに含有される顔料
としては有機顔料を用いるのが安全性の点で好ましい。
また、ブラックのインクに含有される顔料としては、自
己分散型カーボンブラックが保存安定性の点で好まし
い。ここで、自己分散型顔料とは、表面に親水性官能基
が導入された顔料をいう。顔料の表面に、親水性官能基
を導入する方法としては、例えば、酸化剤(例えば、硝
酸、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、次亜塩素酸塩、過
硫酸アンモニウム、過酸化水素、オゾン等)による酸化
処理、シラン化合物等のカップリング剤による処理、ポ
リマーグラフト化処理、プラズマ処理等の公知の方法を
利用でき、また、新たに開発した方法も利用できる。さ
らに、2以上の方法を組み合わせてもよい。顔料の表面
に導入する親水性官能基の量は、処理濃度や処理時間等
の制御により調整可能である。また、2段階の処理を行
うことによって、例えば、市販の自己分散顔料にエステ
ル化等の変性処理を施すことによって、親水性基の量を
好ましい範囲に調整することもできる。
【0025】ブラックのインクに使用可能な自己分散可
能なカーボンブラックとしては、MICROJET(B
ONJET) BLACK CW−1 (オリエント
化学工業社製)、CAB−O−JET200 (キャボ
ット社製)、CAB−O−JET300 (キャボット
社製)、等が好ましい。
【0026】前記カラーインクおよびブラックのインク
に含有される顔料は、その製造工程で混入した不純物、
例えば残余の酸化剤等の不純物、その他の無機不純物や
有機不純物を除去し、精製して用いるのが、保存安定性
やコゲーションの点で好ましい。精製の目安としては、
各々のインク中に含有されるカルシウム、鉄、珪素がそ
れぞれ10ppm以下とするのが好ましく、5ppm以
下にするのがより好ましい。これら顔料に混入している
不純物は、例えば、顔料を水洗浄することによって、逆
浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換法等の方法を利用する
ことによって除去することができる。また、活性炭、ゼ
オライト等による吸着の方法を利用して除去することも
できる。これらの方法は、単独または組み合わせて行う
ことができる。インク中における前記不純物の含有量
は、例えば、高周波誘導結合プラズマ発光分析法により
測定できる。
【0027】前記各色のカラーインクおよびブラックの
インク中における顔料の含有量は、全インクの重量に対
して0.1〜20重量%であるのが好ましく、1〜10
重量%であるのがより好ましく、1〜7重量%であるの
がさらに好ましい。インクにおける顔料の含有量が多い
と、ノズル先端で水が蒸発した時の目詰まり性が悪化す
る場合がある。一方、含有量が少ないと、形成画像の画
像濃度が低下する場合がある。
【0028】本発明のカラーインクセットを構成してい
る各色のカラーインクおよびブラックインクは、顔料が
水系溶媒に分散した水性インクである。本明細書におい
て、水系溶媒とは、水、および水と水溶性有機溶剤との
混合溶媒を意味する。水系溶媒に用いられる水は、不純
物の混入を防止するため、イオン交換水、超純水、蒸留
水、限外濾過水を使用するのが好ましい。また、水系溶
媒に用いられる水溶性有機溶剤としては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価ア
ルコール類;エタノール、イソプロピルアルコール、1
−プロパノール等の低級アルコール類;ピロリドン、N
−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリド
ン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒;チオジエタ
ノール、チオジグリセロール、スルホラン、ジメチルス
ルオキシド等の含硫黄溶媒;炭酸プロピレン、炭酸エチ
レン、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マン
ノース、キシロース等の糖類及びその誘導体;糖アルコ
ール類;等を用いることができる。これらの水溶性有機
溶剤は単独で用いても、2種以上を混合してもよい。
【0029】前記各カラーインクおよびブラックのイン
クにおいて、水系溶媒は80〜98重量%含有されるの
が好ましく、85〜97重量%含有されるのがより好ま
しい。また、水系溶媒は、水溶性有機溶剤を5〜40重
量%含有するのが好ましく、10〜30重量%含有する
のがより好ましい。
【0030】前記各色のカラーインクおよびブラックの
インクは、所望によりその他の添加剤を含有していても
よい。例えば、前記顔料の水系溶媒中での分散性を向上
させるために、分散剤を添加することができる。分散剤
としては、界面活性剤、水溶性樹脂が挙げられる。中で
も、水溶性樹脂を使用するのが好ましい。前記水溶性樹
脂としては、分散剤として従来使用される(共)重合体
を使用できる。中でも、親水性部を構成する少なくとも
1種のα,β−エチレン性不飽和基を有する単量体と、
疎水性部を構成する少なくとも1種のα,β−エチレン
性不飽和基を有する単量体との共重合体が好ましい。ま
た、親水基を有するα,β−エチレン性不飽和基を有す
るモノマーの単独重合体も使用できる。
【0031】分散剤として使用し得る重合体は、親水性
部を構成する前記単量体を40〜80モル%含有するの
が好ましい。また、疎水性部を構成する前記単量体を2
0〜60モル%含有するのが好ましい。親水性部を構成
する前記単量体の構成比が前記範囲よりも多くなると、
分散剤の水性媒体に対する溶解性が低下して、安定性に
劣る場合がある。一方、疎水性部を構成している単量体
の構成比が前記範囲よりも多くなると、分散剤の水溶性
が高くなり過ぎ、耐水性が悪化したり、画像濃度が低下
する場合がある。
【0032】親水性部を構成する前記単量体としては、
カルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、ポリオキシエ
チレン等を有するモノマー等が使用でき、好ましくはカ
ルボキシル基、スルホン酸基含有モノマー例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタ
コン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエス
テル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレ
ン等が使用される。中でも、カルボキシル基含有モノマ
ーが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステ
ル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、
フマル酸モノエステルが好ましい。疎水性部を構成する
前記単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルナフタレ
ン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸アルキルエス
テル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アル
キルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイ
ン酸ジアルキルエステルが好ましい。分散剤としては、
親水性部を構成する前記単量体として、アクリル酸、メ
タクリル酸、(無水)マレイン酸から選ばれる少なくと
も1種と、疎水性部を構成するα,β−エチレン性不飽
和基を有する単量体として、スチレン、(メタ)アクリ
ル酸のアルキル、アリールまたはアルキルアリールエス
テルから選ばれる少なくとも1種との共重合体が特に好
ましい。
【0033】前記単量体を共重合または単独重合する際
に用いられる重合開始剤としては、各種の重合開始剤が
使用でき、公知のものの他、新たに作製したものを用い
てもよい。中でも、親水性官能基を有する重合開始剤の
存在下で前記単量体を共重合または重合させのが好まし
い。前記重合開始剤としては、カルボキシル基、水酸
基、スルホン酸基、硫酸基等の親水性官能基を有する重
合開始剤が好ましく、中でも、カルボキシル基が特に好
ましい。前記重合開始剤としては例えば、アゾビスイソ
ブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾ
ビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸
塩、4、4´−アゾビス−4−シアノペンタノール、
4、4´−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始
剤、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物系開始剤が
挙げられ、中でも4、4´−アゾビス−4−シアノ吉草
酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが好ましい。
【0034】分散剤として水溶性樹脂を用いる場合、そ
の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィ法で測定される値)は、3000〜15000であ
るのが好ましく、4000〜7000であるのがより好
ましい。重量平均分子量が3000未満では、分子量が
低すぎて、分散安定に劣り、15000を超えると、イ
ンクの粘度が高くなり、インクの吐出性が悪化する場合
がある。また、水溶性樹脂の重量平均分子量Mwと、数
平均分子量Mnの比Mw/Mnは、1〜2.5であるの
が好ましく、1〜2.2であるのがより好ましい。前記
比が2.5を超えると、粘度が上昇したり、分散が不安
定になる場合がある。水溶性樹脂の分子量の調整は、例
えば、重合時の溶媒の選択、重合温度の設定、単量体及
び開始剤の濃度調整等の重合条件による方法、および該
方法と連鎖移動剤を併用することにより行うことができ
る。
【0035】分散剤として前記重合体または前記共重合
体を使用する場合、その酸価は200〜500mgKO
H/gであるのが好ましく、250〜450mgKOH
/gであるのがより好ましく、300〜400mgKO
H/gであるのがさらに好ましい。酸価が200mgK
OH/g未満であると、水性媒体に対する溶解性が低下
して安定性に劣り、酸価が500mgKOH/gを超え
ると、水溶性が高すぎ、耐水性が悪化したり、画像濃度
が低下する場合がある。分散剤としては、前記範囲の酸
価を有する前記重合体あるいは前記共重合体を、50%
以上中和したものを使用するのが好ましい。中和は、各
種の塩基性物質を用いて行うことができ、中でも、アル
カリ金属の水酸化物を少なくとも1種含む塩基性物質に
より中和するのが好ましい。前記アルカリ金属の水酸化
物としては、NaOH、KOH、LiOHが挙げられ、
中でも、NaOHが好ましい。
【0036】前記各色のカラーインクおよびブラックの
インクには、界面活性剤を含有させてもよい。界面活性
剤を含有させると、画像の乾燥性や印字の安定性の点で
好ましい。界面活性剤としては、各種のアニオン性界面
活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性
剤、両性界面活性剤等が挙げられる。中でも、アニオン
性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。アニ
オン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステル
の硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸
塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩およびス
ルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用
できる。中でも、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソ
プロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニル
フェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルス
ルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブ
チルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が好ましい。
【0037】ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪
酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレン
グリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマ
ー等が使用できる。中でも、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂
肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリ
プロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
【0038】その他、ポリシロキサンオキシエチレン付
加物等のシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、
オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ
素系界面活性剤;スピクリスポール酸やラムノリピド、
リゾレシチン等のバイオサーファクタント;等も使用で
きる。これらの界面活性剤は単独で使用しても混合して
使用してもよい。また界面活性剤のHLBは、溶解安定
性等を考慮すると7〜20であるのが好ましい。界面活
性剤は、インクの全重量に対して、0.001〜5重量
%含有されるのが好ましく、0.01〜3重量%含有さ
れるのがより好ましい。
【0039】前記各色のカラーインクおよびブラックの
インクには、下記一般式(2)で表される化合物を添加
してもよい。 一般式(2) R−O−XnH 前記一般式(2)中、Rは炭素原子数4〜8のアルキ
ル、アルケニル、アルキニル、フェニル、アルキルフェ
ニル、アルケニルフェニル、およびシクロアルキル基か
ら選ばれる官能基を表す。Xは、オキシエチレンまたは
オキシプロピレン基を表す。nは1〜4の整数を表す。
前記一般式(2)で表される化合物を添加すると、画像
の乾燥性を向上させる効果があるので好ましい。
【0040】前記一般式(2)で表される化合物として
は、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキ
シルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエー
テル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノシクロヘキシルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノフェニルエチルエーテル、ジオキシプ
ロピレンオキシエチレンモノペンチルエーテル等が挙げ
られる。中でも、ジエチレングリコールモノブチルエー
テルが好ましい。
【0041】前記一般式(2)で表される化合物は、イ
ンクの全重量に対して、1〜20重量%含有されるのが
好ましく、1〜10重量%含有されるのがより好まし
い。含有量が20重量%を越えると、滲みが悪化すると
同時に吐出が不安定になる場合がある。一方、1重量%
未満であると、添加効果が得難くなる。
【0042】前記各色のカラーインクおよびブラックの
インクには、尿素および尿素誘導体を添加してもよい。
尿素および尿素誘導体を添加すると、ヘッドの目詰まり
をより防止できるので好ましい。前記インクに添加され
得る尿素および尿素誘導体としては、尿素、1,1−ジ
メチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,1−ジエチル
尿素、1,3−ジエチル尿素等が挙げられる。中でも、
尿素が好ましい。尿素および尿素誘導体は、インクの全
重量に対して、1〜10重量%含有されるのが好まし
く、3〜8重量%含有されるのがより好ましい。含有量
が1重量%未満であると、ヘッド目詰まりの防止効果が
低く、10重量%を超えると画像滲みが増え、濃度が低
下する傾向がある。
【0043】前記各色のカラーインクおよびブラックの
インクには、pHを調整するためにpH調整剤を添加し
てもよい。pH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢
酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、ホウ酸、リン酸、
亜リン酸、乳酸等の酸や、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、トリエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミ
ン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、アン
モニア等の塩基、およびリン酸塩、シュウ酸塩、アミン
塩やグッドバッファー等のpH緩衝剤を用いることがで
きる。その他、特性制御のためポリエチレンイミン、ポ
リアミン類、ポリNビニルアセトアミド、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ
ール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等のセルロース誘導体、多糖類及びその誘導体、その他
水溶性ポリマー、アクリル系ポリマーエマルション、ポ
リウレタン系エマルション等のポリマーエマルション、
架橋したポリNビニルアセトアミドやアクリル系ポリマ
ー等の架橋ポリマー、シクロデキストリン、大環状アミ
ン類、デンドリマー、クラウンエーテル類等を用いるこ
とができる。その他必要に応じ、酸化防止剤、防カビ
剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、及びキレート
化剤さらに水溶性染料、分散染料、油溶性染料等も添加
することができる。
【0044】本発明のカラーインクセットを構成してい
る各色のカラーインクおよびブラックのインクは、下記
物性値を有する様に調製されるのが、インクジェット記
録特性の点で好ましい。前記各色のカラーインクおよび
ブラックのインクの表面張力は、40mN/m以下であ
るのが好ましく、25〜38mN/mであるのがより好
ましい。インクの表面張力が40mN/mを超えると、
インクの乾燥時間が長くなり、画像記録上、不都合が生
じる場合がある。前記各色のカラーインクおよびブラッ
クのインクの粘度は、1.5〜5.0mPa・sである
のが好ましく、1.5〜3.5mPa・sであるのがよ
り好ましい。粘度が1.5 mPa・s未満であると、
インクの保存安定性が低下する。一方、粘度が10 m
Pa・sを超えると、吐出力が低下し、ヘッドが目詰ま
りした場合回復し難い等の問題が生じ易い。インクの導
電率は、インクに添加される物質により、その好ましい
範囲が異なるが、一般的には、0.05〜0.4S/m
であるのが好ましく、0.07〜0.3S/mであるの
がより好ましい。導電率が0.4S/mを超えると、イ
ンクの保存安定性が低下し易い。前記各色のカラーイン
クおよびブラックのインクのpHは、6.0〜11.0
であるのが好ましく、7.5〜9.0であるのがより好
ましい。pHが6.0未満であると、ヘッドが目詰まり
し易くなり、一方、11.0を超えるとヘッド構成部材
を腐食あるいは溶解し易くなる。
【0045】前記各色のカラーインクおよびブラックの
インクは、被記録媒体(例えば、紙)上での乾燥時間
が、5秒以下になる様に、調製されるのが好ましい。乾
燥時間が5秒を超えると、不規則な滲みや色間の滲みが
発生し易く、また印字面に用紙が重なると用紙の裏面に
インクが移り不具合が生じる場合がある。前記インクの
乾燥時間は、インクの組成を種々代えることによって前
記範囲に調整することができる。例えば、乾燥時間が長
い場合は、インクに含有される界面活性剤や、前記一般
式(2)で表される化合物の添加量を増量することによ
って、乾燥時間を短縮化できる。尚、ここでの乾燥時間
とは、前記各色のカラーインクおよびブラックのインク
の各々を用いて、インクジェット装置によりベタ画像を
記録し、印字終了から、記録したベタ画像上に紙を重ね
ても画像が転写されなくなるまでの時間をいう。
【0046】前記各色のカラーインクおよびブラックの
インクは、例えば、以下の方法により作製することがで
きる。前記一般式(1)で表される化合物を所定量含む
水系溶媒中に、所定量の顔料を添加し、十分撹拌後、分
散機を用いて分散を行う。分散機としては、各種の攪拌
装置および分散装置を使用することができる。例えば、
コロイドミル、フロージェットミル、スラッシャーミ
ル、ハイスピードディスパーザー、ボールミル、アトラ
イター、サンドミル、サンドグラインダー、ウルトラフ
ァインミル、アイガーモーターミル、ダイノーミル、パ
ールミル、アジテータミル、コボルミル、3本ロール、
2本ロール、エクストリューダー、ニーダー、マイクロ
フルイダイザー、ラボラトリーホモジナイザー、超音波
ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
これらは、単独で用いても、組み合せて用いてもよい。
中でも、超音波ホモジナイザーおよび高圧ホモジナイザ
ー等の分散メディア(ガラス、セラミック、金属等のボ
ール、あるいはビーズ等)が不要な分散機を用いると、
分散メディアと分散容器との摩耗により、無機不純物が
顔料分散液やインク中に大量に混入するのを防止できる
ので好ましい。また、分散機として、超音波ホモジナイ
ザーを用いる場合は、真空引き、加温、市販の脱泡/脱
気装置等により脱泡、脱気を行ってから分散するのが好
ましい。尚、分散メディアを使用する分散機を使用する
場合は、顔料を分散した後、混入した無機不純物を除去
する工程を実施するのが好ましい。
【0047】前記分散機を用いて、顔料を水系溶媒に分
散した後、遠心分離等で粗大粒子を除去するのが好まし
い。その後、所望により、水溶性有機溶剤および添加剤
等を加えて、さらに撹拌混合し、その後濾過して、イン
クを調製することができる。また、水系溶媒中に、一般
式(1)で表される化合物とともに、所望により水溶性
有機溶剤および添加剤を加えて、攪拌混合した後、顔料
を添加して、前記分散機を用いて分散し、インクを調製
してもよい。この場合も、インクを調製後、遠心分離、
ろ過等により粗大粒子を除去するのが好ましい。さら
に、顔料の高濃度分散液を調製し、これを希釈して、イ
ンクを調製してもよい。
【0048】本発明のカラーインクセットは、インクジ
ェット記録装置内に格納され、画像信号に応じてエネル
ギーを供与されることによって、液滴となって吐出し、
被記録媒体の所定の位置に着弾することにより、フルカ
ラーの画像を記録し得る。本発明のカラーインクセット
は、特に、熱インクジェット方式のインクジェット記録
方法に使用するのに適している。熱インクジェット方式
とは、インクを加熱して気泡を形成し、該気泡を成長さ
せることによって生じる圧力を利用してインクの液滴
を、ノズルから被記録媒体の所定の位置に飛翔させ、画
像を形成する方式である。従来の水性インク(顔料を色
材として用いたインク)を用いた場合は、ノズルの目詰
まり等が発生し易く印字安定性の点で問題があったが、
本発明のカラーインクセットでは、ノズルの目詰まり等
の問題は低減されている。さらに、色間の滲み等が発生
し難く、2次色の発色性に優れたフルカラー画像を形成
できる。
【0049】本発明のカラーインクセットは、熱インク
ジェット方式の中でも、特に、複数のパルス印加によ
り、各々のインクに熱エネルギーを作用させる方式のイ
ンクジェット記録方法に用いられるのが好ましい。本発
明のカラーインクセットを用いた場合に、前記複数のパ
ルス印加による方式が好ましい理由については、以下の
様に推測される。複数のパルス印加により各々のインク
に熱エネルギーを供与すると、1個のインクの液滴を安
定的に形成することができ、単一のパルス印加による熱
エネルギーを供与するよりも、液滴を飛翔させる際に生
じるインクの温度変化が緩やかになる。その結果、前記
一般式(1)で表される化合物と、インク中に分散して
いる顔料粒子との相互作用をより維持し易くなる。従っ
て、インク中の顔料の分散性が不安定化するのを抑制す
ることができるとともに、前記一般式(1)で表される
化合物による、被記録媒体へのインクの過度の浸透、お
よび被記録媒体上での顔料粒子の移動度を減少させるこ
とができる。その結果、画像の色間に生じる滲みをより
低減することができ、さらに、被記録媒体上で、顔料が
不均一に凝集するのを防止することができ、2種以上の
カラーインクによる2次色の発色性がより向上するもの
と推測される。
【0050】本発明のカラーインクセットを用いて画像
を形成する場合、吐出させる液滴1個(1ドロップ)当
たりのインクの重量が50ng以下となるように、吐出
量を調製すると、より高画質の画像を形成できるので好
ましい。特に、1ドロップ当りのインクの重量は、25
ng以下であるのがより好ましく、1〜15ngである
のがさらに好ましい。本発明のカラーインクセットは、
各色のカラーインクおよびブラックのインクを、前記範
囲の液滴量で吐出することにより、各インクが有する乾
燥性を損なわずに、より高濃度で且つ高画質の画像を形
成することができる。
【0051】本発明のカラーインクセットを構成してい
る各色のカラーインクおよびブッラクのインクは、例え
ば、記録ヘッドを備えたインクカートリッジに充填され
る。該カートリッジは、インクジェット記録装置内部の
カートリッジホルダーに装着される。カートリッジ内部
に充填された各々のインクは、入力される画像信号に応
じて加熱され、ヘッドから液滴となって吐出し、被記録
媒体の所定の位置に着弾することによって、画像を形成
する。
【0052】図1に、熱インクジェット方式のインクジ
ェット記録方法に用いられる記録ヘッドの一例を示す。
図1(B)は正面図、図1(C)は平面図、図1(A)
は図1(B)、(C)の点線abに沿った断面図であ
る。尚、図1において、矢印A方向は高さ方向を、矢印
B方向は奥行き方向を、矢印C方向は長さ方向をそれぞ
れ示す。記録ヘッド10は、シリコンで形成された直方
体状の本体12を備えている。この本体12には、高さ
方向(矢印A方向)と平行であり、且つ上面12Aから
本体12の高さ方向の略中央まで達する第1流路14が
形成されている。また、本体12には、奥行き方向(矢
印B方向)と平行であり、且つ正面12Bから第1流通
路14の手前まで達する直方体状の切欠き12Cが形成
されている。切欠き12Cの奥行き側には、奥行き方向
(矢印B方向)と平行であり、且つ切欠き12Cと第1
流路14とを連通するための連通路16が形成されてい
る。
【0053】さらに、本体12には、奥行き方向(矢印
B方向)と平行であり、切欠き12Cと連続する位置
に、第2流路18が形成されている。この第2流路18
の正面形状は三角形となっており、また第2流路18の
奥行き方向の長さは切欠き12Cの奥行き方向の長さよ
りも若干長く形成されている。また、本体12には、高
さ方向(矢印A方向)と平行とされ、且つ連通路16の
正面12C側と第2流路18の正面12Cとは反対側と
を連通する連通路20が形成されている。また、切欠き
12Cには、ポリイミド樹脂で形成された直方体状のは
め込み部22がはめ込まれ、エポキシ樹脂により固定さ
れている。このはめ込み部22には、第2流路18の下
方で、且つはめ込み部22の奥行き方向の略中央部の位
置に直方体状の切欠き22Aが形成されており、切欠き
22A内には図示しないコントローラに接続された加熱
手段としての発熱体24が配置されている。
【0054】記録ヘッド10では、第1流路14、連通
路16、20、及び第2流路18がインク流路を形成し
ており、第2流路18の正面12B側が吐出口26とな
っている。そして、インク流路を流れるインクは第2流
路18の下方に配置された発熱体24に加熱され、これ
によりインク液滴が形成されて、吐出口26より吐出さ
れる。尚、発熱体24の加熱は、画像信号に応じて複数
のパルスを印加することにより行うことができる。ま
た、ノズルの目詰まり防止のために、記録を行わないと
きに、インク液滴を予備吐出させてもよい。
【0055】本発明のカラーインクセットは、通常の熱
インクジェット記録装置に適用できることは勿論、イン
クの紙への定着を補助するためのヒーター等を搭載した
記録装置、および中間転写機構を搭載し、中間体にイン
クを印字後、紙等の被記録媒体に転写する手段を備えた
記録装置にも適用することができる。
【0056】本発明のカラーインクセットを用いて画像
を形成するのに前後して、被記録媒体上に画像様に、も
しくは被記録媒体上の全面に、定着剤を含有する水性液
体を吐出させる工程を実施してもよい。前記工程は、本
発明のカラーインクセットを構成している各インクが被
記録媒体上に到達する前、後、同時のいずれか、もしく
は複数の組み合わせの順番で記録できる。この様に、定
着剤を含有する液体を被記録媒体の表面の全部または一
部に吐出させることにより、インクからなる画像を被記
録媒体上に安定的に定着できるので好ましい。
【0057】前記定着剤としては、各種の水溶性ポリマ
ー、およびポリマーエマルションが挙げられ、中でも、
アクリル系ポリマー、ポリエステル、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン等が好まし
い。各インク中に含有される顔料が親水性官能基を有す
る場合は、定着剤としては該親水性官能基と結合する官
能基を有するポリマーを使用するのが好ましく、カチオ
ン性基を有するポリマーであるのがさらに好ましい。カ
チオン性基を有するポリマーとしては、カチオン性の官
能基を有するモノマー、例えばN,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
アクリレート、N,N−ジメチルアミノメタアクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノアクリルアミド、ビニル
ピリジン、ビニルピロリドン等を少なくとも含有する共
重合体または単独重合体や、ポリエチレンイミン、ポリ
アミン類、ポリアミド類等が好ましい。また、定着剤
は、無機の多価カチオンを含有しているのが好ましい。
前記定着剤を含有する水性液体は、界面活性剤を含有し
ているのが好ましく、表面張力が20〜39mN/m、
粘度が1.5〜5mPa・sであるのが画像の乾燥性の
点で好ましい。
【0058】前記定着剤を含有する水性液体以外にも、
水分散性架橋ポリマー、界面活性剤等を含有する水性液
体を被記録媒体に塗布してもよい。また、上記の定着剤
成分をあらかじめ含有する被記録媒体(例えば、処理
紙)を用いることも有効であり好ましい。
【0059】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例によって限定される
ものではない。 [顔料分散液1の調製]「CAB−O−JET300」
(キャボット社製)を顔料濃度10重量%に水で希釈し
てから、8000prmで30分間遠心処理して、顔料
分散液を得た。この顔料分散液をドライアップして顔料
の重量分を算出し、顔料濃度が8重量%になるように純
水を加え、顔料分散液1を調製した。 [顔料分散液2の調製]「Microjet Blac
k CW−1」(オリエント化学工業社製)を、顔料濃
度10重量%に水で希釈してから、8000prmで3
0分間遠心処理して、顔料分散液を得た。この顔料分散
液をドライアップして顔料の重量分を算出し、顔料濃度
が8重量%になるように純水を加え、顔料分散液2を調
製した。
【0060】 [顔料分散液3の調製] スチレン/メタクリル酸共重合体 17.4重量部 (共重合比50/50mol、重量平均分子量7500) NaOH 4重量部 (酸価に対し95%中和) 純水 78.6重量部 上記成分を約50℃に加熱して攪拌して、溶解後、ポア
サイズ1μmのメンブランフィルターでろ過して、分散
剤水溶液を得た。次に、該分散剤水溶液30重量部に対
して、純水190重量部を加え攪拌後、カーボンブラッ
ク(「Monarch 880」、キャボット社製)3
0重量部を撹拌しながら加え、30分間撹拌後、超音波
ホモジナイザー(出力300W)で30分間処理した。
純水を50重量部加え攪拌後、8000rpmで30分
間遠分離処理することにより顔料分散液を得た。この顔
料分散液をドライアップして顔料の重量分を算出し、顔
料濃度が8重量%になるように純水を加え、顔料分散液
3を得た。
【0061】 [顔料分散液4の調製] スチレン/アクリル酸共重合体 8.7重量部 (共重合比40/60mol、重量平均分子量8500) NaOH 2.1重量部 (酸価に対し95%中和) 純水 89.2重量部 前記成分を約50℃に加熱して攪拌、溶解後、ポアサイ
ズ1μmのメンブランフィルターでろ過し、分散剤水溶
液を得た。該分散剤水溶液30重量部に対して、純水1
90重量部を加え攪拌後、シアン顔料(C.I.Pig
ment Blue 15:3) 30重量部を撹拌し
ながら加え、30分間撹拌後、超音波ホモジナイザー
(出力300W)で30分間処理した。純水を50重量
部加え攪拌後、8000rpmで30分間遠分離処理す
ることにより顔料分散液を得た。この顔料分散液をドラ
イアップして顔料の重量分を算出し、顔料濃度が8重量
%になるように純水を加え、顔料分散液4を得た。
【0062】[顔料分散液5の調製]前記顔料分散液4
の調製において、用いたシアン顔料をマゼンタ顔料
(C.I.Pigment Red 122)に代えた
以外は、顔料分散液4の調製と同様にして顔料分散液5
を得た。 [顔料分散液6の調製]前記顔料分散液4の調製におい
て、用いたシアン顔料をイエロー顔料(C.I.Pig
ment Yellow 55)に代えた以外は、顔料
分散液4の調製と同様にして顔料分散液6を得た。
【0063】[顔料分散液7の調製]前記顔料分散液4
の調製において、超音波ホモジナイザーによる分散時間
を10分間に変更し、さらに遠心分離の処理条件を50
00rpmで20分間に変更した以外は、顔料分散液4
の調製と同様にして顔料分散液7を得た。 [顔料分散液8の調製]前記顔料分散液5の調製におい
て、超音波ホモジナイザーによる分散時間を10分間に
変更し、遠心分離の処理条件を5000rpmで20分
間に変更した以外は、顔料分散液5の調製と同様にして
顔料分散液8を得た。 [顔料分散液9の調製]前記顔料分散液6の調製におい
て、超音波ホモジナイザーによる分散時間を10分間に
変更し、遠心分離の処理条件を5000rpmで20分
間に変更した以外は、顔料分散液6の調製と同様にして
顔料分散液9を得た。
【0064】 [ブラックインク1の調製] 前記顔料分散液1 62.5重量部 ジエチレングリコール 20重量部 尿素 6重量部 「サーフィノール465」 1重量部 (前記一般式(1)で表される化合物;m+n=10) 純水 10.5重量部 前記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してブラックインク1を得た。
【0065】 [ブラックインク2の調製] 前記顔料分散液2 62.5重量部 ジエチレングリコール 20重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 4.5重量部 尿素 6重量部 「サーフィノール104」 0.2重量部 (前記一般式(1)で表される化合物;m+n=0) 純水 6.8重量部 上記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してブラックインク2を得た。
【0066】 [ブラックインク3の調製] 前記顔料分散液3 62.5重量部 ジエチレングリコール 15重量部 イソプロピルアルコール 3重量部 尿素 6重量部 「サーフィノール465」 0.1重量部 (前記一般式(1)で表される化合物;m+n=10) 純水 13.4重量部 前記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してブラックインク3を得た。
【0067】 [ブラックインク4の調製] 前記顔料分散液2 62.5重量部 ジエチレングリコール 20重量部 尿素 6重量部 「サーフィノール485」 3重量部 (前記一般式(1)で表される化合物;m+n=30) 純水 8.5重量部 前記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してブラックインク4を得た。
【0068】 [シアンインク1の調製] 前記顔料分散液4 37.5重量部 ジエチレングリコール 20重量部 尿素 6重量部 「サーフィノール465」 1重量部 (前記一般式(1)で表される化合物;m+n=10) 純水 35.5重量部 前記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してシアンインク1を得た。
【0069】[マゼンタインク1の調製]前記シアンイ
ンク1の調製において、前記顔料分散液4を前記顔料分
散液5に代えた以外は、シアンインク1の調製と同様に
してマゼンタインク1を得た。 [イエローインク1の調製]前記シアンインク1の調製
において、前記顔料分散液4を前記顔料分散液6に代え
た以外は、シアンインク1の調製と同様にしてイエロー
インク1を得た。
【0070】 [シアンインク2の調製] 前記顔料分散液4 31.3重量部 ジエチレングリコール 20重量部 尿素 6重量部 「サーフィノール465」 1重量部 (前記一般式(1)で表される化合物;m+n=10) 「サーフィノール485」 1.5重量部 (前記一般式(1)で表される化合物;m+n=30) 純水 40.2重量部 前記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してシアンインク2を得た。
【0071】[マゼンタインク2の調製]前記シアンイ
ンク2の調製において、前記顔料分散液4を前記顔料分
散液5に代えた以外は、シアンインク2と同様にしてマ
ゼンタインク2を得た。 [イエローインク2の調製]前記シアンインク2の調製
において、前記顔料分散液4を前記顔料分散液6に代え
た以外は、シアンインク2と同様にしてイエローインク
2を得た。
【0072】 [シアンインク3の調製] 前記顔料分散液4 462.5重量部 ジエチレングリコール 20重量部 尿素 6重量部 純水 11.5重量部 前記成分を混合撹拌後、ポアサイズ2μmのメンブレン
フィルターで濾過してシアンインク3を得た。
【0073】[マゼンタインク3の調製]前記シアンイ
ンク3の調製において、前記顔料分散液4を前記顔料分
散液5に代えた以外は、シアンインク3と同様にしてマ
ゼンタインク3を得た。 [イエローインク3の調製]前記シアンインク3の調製
において、前記顔料分散液4を前記顔料分散液6に代え
た以外は、シアンインク3と同様にしてイエローインク
3を得た。
【0074】[シアンインク4の調製]前記シアンイン
ク1の調製において、前記顔料分散液4を前記顔料分散
液7に代えた以外は、シアンインク1と同様にしてシア
ンインク4を得た。 [マゼンタインク4の調製]前記シアンインク1の調製
において、前記顔料分散液4を前記顔料分散液8に代え
た以外は、シアンインク1と同様にしてマゼンタインク
4を得た。 [イエローインク4の調製]前記シアンインク1の調製
において、前記顔料分散液4を前記顔料分散液9に代え
た以外は、シアンインク1と同様にしてイエローインク
4を得た。
【0075】得られたシアン、マゼンタ、イエローの各
カラーインクおよびブラックインクについて、以下の様
にして種々の物性を測定した。 (1)インク表面張力 23℃、55%RHの環境において、ウイルヘルミー型
表面張力計を用いて測定した。 (2)インク粘度 「レオマット115」(Contraves製)を測定
装置として用いた。得られた各インクを測定容器に入
れ、前記測定装置に装着し、温度23℃、せん断速度1
400s-1で測定した。 (3)インク導電率 導伝率計AOL−40−3302( DKK社製 )を
用いて、温度23℃で測定した。 (4)インクpH 温度23℃の環境において、ガラスpH電極を用いて測
定した。 (5)数平均粒子径 分散粒子の粒子径を、マイクロトラックUPA粒度分析
計 9340( Leeds & Northrup
社製 )を用い、インクを希釈しないで測定した。尚、
測定時に入力するパラメーターとして、粘度には被測定
インクの粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を使用
した。 (6) 0.5μm以上の粒子数 AccusizerTM 770 Optical Pa
rticle Sizer( Particle Si
zing Systems社製 )を測定装置として用
い前述の方法で測定した。 (1)〜(6)の測定結果は以下の表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】次に、得られた前記インクを用いて、下記
表2に示す種々の組み合わせからなるカラーインクセッ
トを調製し、下記に示す仕様のインクジェット印字装置
1およびインクジェット印字装置2いずれかのインクカ
ートリッジに充填し、(7)〜(10)の評価を実施し
た。評価結果を下記表3に示す。尚、下記表2中、各欄
の数字は、用いた各インクの番号または用いたインクジ
ェット印字装置の番号を示す(例えば、実施例1では、
ブラックインク1、シアンインク1、マゼンタインク
1、イエローインク1のカラーインクセットを用い、イ
ンクジェット印字装置1により画像を形成した。)。 ・インクジェット印字装置1 熱インクジェット方式 複数パルス印字:プレパルス0.75μs、メインパル
ス2.0μs 1ドロップの液滴量39ng ・インクジェット印字装置2 熱インクジェット方式 シングルパルス印字:パルス幅2.75μs 1ドロップの液滴量39ng
【0078】
【表2】
【0079】(7) コゲーションテスト ヘッドの1ノズル当たり総計1×108パルスを噴射
し、FX−L紙(富士ゼロックス社製)上でのドット径
の変化、およびドット着弾位置ズレを調べ、以下の基準
で評価を行った。 (7−1)ドット径変動 ○・・・ドット径変動が、初期に対し5%未満であっ
た。 △・・・ドット径変動が、初期に対し5%以上10%未
満であった。 ×・・・ドット径変動が、初期に対し10%以上であっ
た。 (7−2) 位置ズレ ○・・・位置ズレは認められなかった。 △・・・位置ズレは若干認められたが許容できる範囲で
あった。 ×・・・位置ズレが著しかった。
【0080】(8) 色間滲み FX−L紙(富士ゼロックス社製)に対し、上記印字装
置を用いてブラックインクとイエローインク、シアンイ
ンクとイエローインク、マゼンタインクとイエローイン
クが隣接するようにベタ画像を印字し、色境界部の滲み
について官能評価を実施した。 ○・・・色間の滲みは認められなかった。 △・・・色間の滲みは若干認められたが許容できる範囲
であった。 ×・・・色間の滲みが著しかった。
【0081】(9) 2次色評価 FX−L紙(富士ゼロックス社製)に対し、上記印字装
置を用いて、イエローインクとシアンインクを各々10
0%の画像密度で印字して、グリーンのベタ画像を形成
した。同様にマゼンタインクとイエローインク、マゼン
タインクとシアンインクで2次色画像を形成した。これ
らの2次色画像に対し目視で官能評価を実施した。 ○・・・均一で良好な2次色に発色した。 △・・・発色ムラは若干認められたが、許容できる範囲
であった。 ×・・・不均一で発色ムラが著しかった。
【0082】(10)乾燥性評価 前記印字テストと同様にFX−L紙(富士ゼロックス社
製)に対し、各々のインクでベタ画像を印字して、印字
画像の上から別のFX−L紙を重ね、さらに上から10
0g/cm2の荷重をかけ、重ねた紙にインクが転写さ
れなくなるまでの時間を測定し、以下の基準で評価し
た。 ○・・・5秒以下であった。 △・・・5秒を超え10秒未満であった。 ×・・・10秒以上であった。
【0083】
【表3】
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、熱インクジェット方式
に使用した場合も、色間滲みがなく2次色の発色に優
れ、かつ十分な印字安定性を有するとともに、充分なイ
ンクジェット記録特性をも有するインクジェット記録用
カラーインクセットを提供することができる。また、本
発明によれば、高画質なフルカラー画像を安定的に形成
し得る画像記録方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像記録方法に用いられ得るインク
ジェット記録装置の記録ヘッドの概略図である。
【符号の説明】
10 記録ヘッド 12 本体 14 第1流路 16 連通路 18 第2流路 20 連通路 22 はめ込み部 24 発熱体 26 吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 健 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 FC02 2H086 BA04 BA53 BA55 BA59 BA62 4J039 AE07 BC12 BE01 CA06 EA15 EA16 EA17 EA19 EA42 EA46 EA47 EA48 GA24

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、シアン、マゼンタ、および
    イエローの各色のカラーインクと、ブラックのインクと
    を含む4色以上のインクを備えたインクジェット記録用
    カラーインクセットにおいて、 前記各色のカラーインクおよびブラックのインクが、各
    々、顔料、水系溶媒、および下記一般式(1)で表され
    る化合物を含有する水性インクであり、 前記各色のカラーインクにおいて、前記顔料が前記水系
    溶媒中に数平均粒子径50nm以下で分散してなり、 前記各色のカラーインクの各々に含まれる下記一般式
    (1)で表される化合物と顔料との重量比R1が0.1
    〜1.7であり、 前記ブラックのインクに含まれる下記一般式(1)で表
    される化合物と顔料との重量比R2が0.002〜1で
    あり、かつ、 R1>R2を満たすことを特徴とするインクジェット記録
    用カラーインクセット。 一般式(1) 【化1】 (前記一般式(1)中、mとnは1以上の自然数であ
    り、0≦m+n≦50である。)
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録用
    カラーインクセットの各インクにエネルギーを供与し
    て、インクの液滴を被記録媒体へ吐出させ、被記録媒体
    上にインクからなる画像を記録する画像記録方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256180A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク及び記録方法
JP2004091617A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Seiko Epson Corp インクセットおよびインクジェット記録方法ならびに記録物
JP2013107951A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd インクジェット用水性顔料インキセットおよびこれを用いた印刷方法ならびに印刷物
JP2021105095A (ja) * 2019-12-26 2021-07-26 セイコーエプソン株式会社 インクジェットインク及び記録装置
WO2022224787A1 (ja) * 2021-04-19 2022-10-27 日本化薬株式会社 インクジェット用インク、インクセット、インクメディアセット、及び印刷メディア

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